JP2012145481A - 脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法およびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法およびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法 Download PDF

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和徳 布目
Manabu Matsui
学 松井
Kazuyuki Tando
和志 丹藤
Teruyuki Shigematsu
輝幸 重松
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Abstract

【課題】色相に優れる熱可塑性樹脂を得るための芳香族を含む脂肪族末端ジオール原料の溶融色相を評価する耐熱試験方法およびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比3:2〜5:1の混合物を大気中、150〜320℃の溶融状態で、10〜150分保持後の溶融色相を評価することを特徴とする一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法。
Figure 2012145481

【選択図】なし

Description

本発明は、特定構造の脂肪族末端ジオールを原料に使用した色相に優れる熱可塑性樹脂を製造するための試験方法およびそれを用いた製造方法に関する。
ビスフェノールAとホスゲンとの界面重縮合から得られるポリカーボネート樹脂は、その優れた機械的特性、熱的特性から各種用途に幅広く用いられている。しかしながら、ビスフェノールAからなるポリカーボネートでは、流動性が不十分であったり、成形品の複屈折が大きいという課題があった。
特許文献1には、ヘキサンジオールや9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン等脂肪族末端ジオールを用いた樹脂が開示されている。
しかしながら、溶融重合法で得られるポリカーボネート樹脂は通常250〜330℃の温度に加熱しながら重縮合を行うため、高温で長時間の熱履歴を受け色調の悪化など品質的に優れたものは得ることが困難であった。
特許文献2には、水酸基が直接芳香族環と結合した芳香族ジオールにおいて、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの1:1重量部混合物の大気中175℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が40番以下の、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルトを用いた芳香族ポリカーボネートの製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、芳香族炭酸ジエステルと脂環構造を有するジヒドロキシ化合物及び芳香族ジヒドロキシ化合物を原料とする芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを製造する際に、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの重量比1:1とした混合物の大気中260℃で3時間保持後の溶融ハーゼン色数が50番以下の芳香族ジヒドロキシ化合物を用いた芳香族ポリカーボネートの製造方法が開示されている。
しかしながら、色相に優れる熱可塑性樹脂を得るための芳香族を含む脂肪族末端ジオール原料では、これら先行技術の試験方法を試みても判別が困難で効率よく溶融色相を評価する耐熱試験方法やそれを用いた色相に優れる熱可塑性樹脂の製造方法は未だ提供されていなかった。
特開平10−101786号公報 特開平9−52947号公報 特開2002−317043号公報
本発明の目的は、上記課題を解決しようとするものであり、色相に優れる熱可塑性樹脂を得るための芳香族を含む脂肪族末端ジオール原料の溶融色相を評価する耐熱試験方法およびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法を提供することである。
本発明者は、特定構造の脂肪族末端ジオールと炭酸ジエステルとの混合溶融物を特定割合、特定温度条件及び特定溶融保持時間で溶融試験することで、副生するフェノールと原料中の不純物とが作用し着色することを見出し、前記混合溶融物の溶融APHAが特定値以下である原料を使用することで色相に優れる熱可塑性樹脂が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
1.下記一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオール(以下単に脂肪族末端ジオールと称することがある。)と芳香族炭酸ジエステルの重量比3:2〜5:1の混合物を大気中、150〜320℃の溶融状態で、10〜150分保持後の溶融色相を評価することを特徴とする一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法。
Figure 2012145481
(式(I)中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のアルコキシル基、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基、A1は単結合、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基である。)
2.上記一般式(I)のA1がフルオレン環であることを特徴とする上記1記載の耐熱性の試験方法。
3.上記一般式(I)が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンであることを特徴とする上記1又は、2記載の耐熱性の試験方法。
4.芳香族炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の耐熱性の試験方法。
5.上記一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールを加熱溶融下、重合せしめる熱可塑性樹脂の製造方法であって
(A):脂肪族末端ジオールに対して耐熱性試験をする工程
(B):上記(A)工程で得られた耐熱性の試験結果に基づき、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比2:1の混合物を大気中270℃で30分保持後の溶融APHAに換算したとき、溶融APHAが300番以下である脂肪族末端ジオールを良品として選別する工程
(C):上記(B)工程で良品として選別した脂肪族末端ジオールを用いて溶融重合を行う工程
を経ることを特徴とする熱可塑性樹脂の製造方法。
6.上記脂肪族末端ジオールが9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン及びジフェニルカーボネートを用いることを特徴とする上記5に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
7.熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記5または6のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、極めて色相良好な熱可塑性樹脂を効率的に製造でき、得られた熱可塑性樹脂は、各種レンズ、プリズム、光ディスク基板、光学フィルムなどのプラスチック光学材料用として好適に利用できる。
(脂肪族末端ジオールの耐熱性試験方法)
本発明は、一般式(I)で表される脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比と温度範囲及び溶融保持時間を規定することにより溶融色相を評価することを特徴とする脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法である。
すなわち、本発明の試験方法での加熱温度は、150〜320℃である。好ましくは、200〜300℃であり、さらに好ましく、250〜300℃である。加熱温度が150℃より低いとフェノールの発生が極めて少なく、色相変化が小さくなる。他方、320℃より高い場合は、着色が早く再現性が得られず制御できなくなる。
本発明の試験方法での加熱時間は10〜150分である。加熱時間は加熱温度や測定サンプル量により適宜変更できるが、10〜80分が好ましく、15〜60分であるとより好ましい。加熱時間が10分より短い場合は、色相変化が小さくなり、原料の良し悪しの判別がつかなくなる。他方、150分より長い場合は、着色が大きくなり、原料の良し悪しの判別がつかなくなる。
本発明の試験方法において、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比は、3:2〜5:1である。好ましくは、2:1〜4:1の混合物であり、さらに好ましくは、2:1〜3:1の混合物である。脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比において、過度に脂肪族末端ジオールの割合が多い場合は、発生するフェノールが少なすぎて、着色の変化が少なく良品の選別が出来なくなる。他方、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比において過度に脂肪族末端ジオールの割合が少ない場合、発生するフェノールによる着色が大きく、原料の良し悪しの判別がつかなくなる。また、重合進行により粘度が上昇し、色相評価が困難になるという問題もある。
本発明における脂肪族末端ジオールとしては、一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールであって、式(I)中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のアルコキシル基、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基、A1は単結合、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基が挙げられる。具体的には、2,2―ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2―ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)ブタン、2,2―ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)オクタン、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フェニルメタン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン等があげられ、中でも得られる樹脂の光学特性の点から9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが好ましい。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明における熱可塑性樹脂は、脂肪族末端ジオールとそれ以外の他の共重合成分とを共重合しても良い。共重合成分としては、ジオール成分やジカルボン酸成分が挙げられる。脂肪族末端ジオール以外の他のジオール成分としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸等の脂還族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの誘導体としては酸クロライドやエステル類が用いられる。
(色相に優れる熱可塑性樹脂の製造方法)
本発明は、脂肪族末端ジオールを少なくとも含む原料を加熱溶融、重縮合せしめて熱可塑性樹脂を製造するに際して、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの混合物を大気中、融点以上で、一定時間保持後の溶融色相を評価する試験方法により選別された脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルを用いた熱可塑性樹脂の製造方法である。
すなわち本発明では、前述の耐熱性の試験を行い、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの2:1重量部混合物を大気中270℃において、30分間保持した後の溶融APHAに換算したとき、その値が300番以下、好ましくは200番以下、特に好ましくは100番以下である脂肪族末端ジオールを芳香族炭酸ジエステルと使用する。溶融APHAが300番より大きい脂肪族末端ジオールを芳香族炭酸ジエステルと使用する前記の耐熱性耐熱性の試験を行うと得られるペレット色相が悪くなる。
本発明において、溶融APHAとはJIS K−0071に記載される方法によって測定される。なお、溶融APHAに関して、溶融させるサンプル量は、脂肪族末端ジオール:3.0gと芳香族炭酸ジエステル:1.5gを溶融した時の値を用いることが好ましい。
本発明における芳香族炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等が挙げられ、中でもジフェニルカーボネートが好ましい。
本発明の製造方法の一実施形態は、ポリカーボネート樹脂の製造方法である。本実施形態では、脂肪族末端ジオールを少なくとも含むジオール成分と、炭酸ジエステル成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒及びその双方からなる混合触媒等の触媒とを含有する組成物を用いる。本実施形態では、ジオール成分と炭酸ジエステル成分とが触媒の存在下で反応し、ポリカーボネート樹脂が製造される。
本実施形態で利用するジオール成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又はジヒドロキシ成分が2種以上の化合物を含む、即ち、共重合成分を含んでいてもよい。
なお、ジフェニルカーボネートは、ジオール成分の合計1モルに対して0.90〜1.15モル程度の比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.95〜1.05モル程度の比率である。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法において9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略称)を用いる場合、その含有量は、ジオール成分モル数を基準として、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。BPEFを前記範囲で用いることで、より色相及び光学特性に優れるポリカーボネートを製造することができる。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法では、反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または遷移金属化合物を主成分として用い、必要に応じて更に含窒素塩基性化合物を従成分として用いるのが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
含窒素塩基性化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
その他のエステル交換触媒としては亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、オスミウムの塩が挙げられる。例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)チタンテトラブトキシド(IV)、チタンテトライソプロポキシド、チタン(IV)=テトラキス(2-エチル-1-ヘキサノラート)、酸化チタン、トリス(2,4−ペンタジオネート)アルミニウム(III)等が用いられる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよい。これらの触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、好ましくは1×10−9〜1×10−3モル、より好ましくは1×10−7〜1×10−3モルの比率で用いられる。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法は、ジオール成分および炭酸ジエステルをエステル交換させ製造することができる(エステル交換法)。
エステル交換法は、不活性ガス存在下にジオール成分とビスアリールカーボネートを混合し、減圧下、通常、120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させることが好ましい。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質として、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が挙げられる。これらの失活剤は、触媒量に対して好ましくは0.01〜50倍モル、より好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明の他の実施形態は、ポリエステルカーボネート樹脂の製造方法である。本実施形態では、脂肪族末端ジオールを少なくとも含むジオール成分、ジカルボン酸成分、炭酸ジエステル成分と、塩基性化合物触媒、エステル交換触媒及びその双方からなる混合触媒等の触媒とを含有する組成物を用いる。本実施形態では、ジオール成分、炭酸ジエステル成分およびジカルボン酸成分が触媒の存在下で反応し、ポリエステルカーボネート樹脂が製造される。
本実施形態で利用するジオール成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又は2種以上の成分を含んでも良い。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂の製造方法において、ジオール成分としてBPEFを用いる場合、その含有量は、ジオール成分モル数を基準として、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。BPEFを前記範囲で用いることで、より色相及び光学特性に優れるポリエステルカーボネートを製造することができる。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂の製造方法では、反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または遷移金属化合物を主成分として用い、必要に応じて更に含窒素塩基性化合物を従成分として用いるのが好ましい。
具体的なアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及び含窒素塩基性化合物としては、前述のポリカーボネート樹脂の製造方法で説明したものと同様なものが例示できる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよい。これらの触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、好ましくは1×10−9〜1×10−3モル、より好ましくは1×10−7〜1×10−3モルの比率で用いられる。
本実施形態のポリエステルカーボネート樹脂の製造方法は、ジオール成分、ジカルボン酸成分および炭酸ジエステルをエステル交換させ製造することができる(エステル交換法)。
エステル交換法は、不活性ガス存在下にジオール成分、ジカルボン酸成分、ビスアリールカーボネートを混合し、減圧下、通常、120〜350℃、好ましくは150〜300℃で反応させることが好ましい。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成したアルコール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させてもよい。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質として、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が挙げられる。これらの失活剤は、触媒量に対して好ましくは0.01〜50倍モル、より好ましくは0.3〜20倍モル使用される。触媒量に対して0.01倍モルより少ないと、失活効果が不充分となり好ましくない。また、触媒量に対して50倍モルより多いと、耐熱性が低下し、成形体が着色しやすくなるため好ましくない。触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明の他の実施形態は、ポリエステル樹脂の製造方法である。本実施形態では、脂肪族末端ジオールを少なくとも含むジオール成分と、ジカルボン酸成分とが反応し、ポリエステル樹脂が製造される。
本実施形態で利用するジオール成分及びジカルボン酸成分は、それぞれ単一の成分であってもよく、又はジオール成分及び/又はジカルボン酸成分が2種以上の化合物を含んでいてもよい。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法において、BPEFを用いる場合、その含有量は、ジオール成分モル数を基準として、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。BPEFを前記範囲で用いることで、より色相及び光学特性に優れるポリエステルを製造することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法では、反応促進のために重合触媒を用いることができる。このような重合触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または遷移金属化合物を主成分として用いるのが好ましい。具体的なアルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物としては、前述のポリカーボネート樹脂の製造方法で説明したのと同様な化合物が使用できる。また、具体的な遷移金属化合物としては、前述のポリカーボネート樹脂の製造方法で説明したその他のエステル交換触媒で例示した化合物が使用できる。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよい。これらの触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、好ましくは1×10−9〜1×10−3モル、より好ましくは1×10−7〜1×10−3モルの比率で用いられる。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法は、ジオール成分およびジカルボン酸成分をエステル化反応もしくは、エステル交換反応させ、さらに重縮合反応で製造することができる。
エステル化反応または、エステル交換反応は、まず、第一段目の反応を120〜220℃、好ましくは160〜200℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間、常圧〜200Torrの圧力で反応させる。次いで、1〜3時間かけて温度を最終温度である230〜260℃まで徐々に上昇させると共に圧力を徐々に最終圧力である1Torr以下まで減圧し、反応を継続する。最後に、1Torr以下の減圧下、230〜260℃の温度で重縮合反応を進め、所定の粘度に達したところで窒素で復圧し、反応を終了する。1Torr以下の反応時間は0.1〜2時間であり、全体の反応時間は1〜6時間、通常2〜5時間である。
ところで、本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂は、そのポリマー0.35gを50ccの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.12〜0.55の範囲にあることが好ましく、0.15〜0.45の範囲であるとより好ましい。比粘度が0.12未満では成形品が脆くなり好ましくない。比粘度が0.55より高くなると、重合時間が長くなり樹脂の色相が悪くなることや溶融粘度が高くなり成形性が悪くなりことがあり好ましくない。
本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂は、重合後に得られるペレットのb値が−8.0〜8.0、好ましくは−7.0〜7.0、より好ましくは−5.0〜5.0の範囲であることが好ましい。ペレットb値が上記範囲外であると色相の良い光学部品が得られないので好ましくない。
本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂は、重合後に得られるペレット1gを塩化メチレン5mlに溶解した時の溶液b値が−5.0〜5.0、好ましくは−3.0〜3.0、より好ましくは−1.0〜1.0の範囲であることが好ましい。溶液b値が上記範囲外であると色相の良い光学部品が得られないので好ましくない。
本発明によれば、耐熱性試験により使用する脂肪族末端ジオールを選別できるので、このような色相に優れた樹脂をより効率的に製造できる。
本発明の製造方法で得られる熱可塑性樹脂は、各種添加剤を重縮合生成物に添加して組成物としても良く添加する方法は特に限定されない。例えば、反応生成物である熱可塑性樹脂が溶融状態にある間にこれらを添加してもよいし、一旦熱可塑性樹脂をペレタイズした後、再溶融して添加してもよい。具体的な添加剤としては、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤等が挙げられる。
以下各種添加剤について説明する。
離型剤としては、その90重量%以上がアルコールと脂肪酸のエステルからなるものが好ましい。アルコールと脂肪酸のエステルとしては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステルや、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが挙げられる。前記一価アルコールと脂肪酸のエステルとは、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルが好ましい。また、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルとは、炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。ステアリルステアレートが好ましい。
多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。
離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂中の離型剤の含有量は、得られる樹脂100重量部に対して0.005〜2.0重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.6重量部の範囲がより好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲がさらに好ましい。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤およびヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。
なかでも、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトが使用される。特に好ましくはビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが使用される。
本発明における熱可塑性樹脂中のリン系熱安定剤の含有量は、得られる樹脂100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
硫黄系熱安定剤としては、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3、3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3、3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。なかでもペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ジラウリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3、3’−チオジプロピオネートが好ましい。特に好ましくはペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)である。該チオエーテル系化合物は住友化学工業(株)からスミライザーTP−D(商品名)およびスミライザーTPM(商品名)等として市販されており、容易に利用できる。
本発明における熱可塑性樹脂中の硫黄系熱安定剤の含有量は、得られる樹脂100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましく用いられる。
本発明における熱可塑性樹脂中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量は、得られる樹脂100重量部に対して0.001〜0.3重量部であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系からなる群より選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上の混合物で用いることができる。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、より好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンソフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2.4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,5−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
なかでも2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適である。特に2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適である。かかる化合物は竹本油脂(株)からCEi−P(商品名)として市販されており、容易に利用できる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3−ビス−[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。
紫外線吸収剤の含有量は、得られる樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜3.0重量部であり、より好ましくは0.02〜1.0重量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.8重量部である。かかる配合量の範囲であれば、用途に応じ、得られる成形体に十分な耐候性を付与することが可能である。
ブルーイング剤としては、バイエル社のマクロレックスバイオレットBおよびマクロレックスブルーRR並びにクラリアント社のポリシンスレンブル−RLS等が挙げられる。ブルーイング剤は、共重合体の黄色味を消すために有効である。特に耐候性を付与した共重合体の場合は、一定量の紫外線吸収剤が配合されているため紫外線吸収剤の作用や色によって成形体が黄色味を帯びやすい現実があり、特にシートやレンズに自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の配合は非常に有効である。
ブルーイング剤の配合量は、共重合体に対して好ましくは0.05〜1.5ppmであり、より好ましくは0.1〜1.2ppmである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)ハーゼン色数(APHA):JIS K−0071に示される色数試験方法に基づき、直径25mm、肉厚1.5mmの比色管を用い、溶融状態で液深20mmのハーゼン色数をハーゼン標準比色液と比較して測定した。また溶融装置にもJIS K−0071に示されるアルミニウムインゴットホットバスを使用し、溶融状態保持にもこれを使用した。
(2)比粘度:重合終了後に得られたペレットを120℃で4時間乾燥し、該ペレット0.35gを塩化メチレン50ccに溶解した溶液を測定サンプルとした。測定は20±0.01℃の恒温槽中でオスワルト粘度管の標線間の通過時間を計測し、下記式からその溶液の20℃における比粘度(ηsp)を求めた。
ηsp=(t−t)/t
ここで比粘度のt:ポリマー溶液の標線間通過時間、t:塩化メチレンの標線間通過時間である。
(3)ペレットb値:重合終了後に得られた熱可塑性樹脂ペレット(ペレット形状は長さ4mm且つ直径1〜2mm程度)をガラスセルに入れ、日本電色色差計SE−2000を用いてペレット色相を測定した。
(合成例1)
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器にフルオレノン350g(1.94モル)とフェノキシエタノール1070g(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3gを加えて撹拌した混合液に、反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570gを60分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結させた。
反応終了後、反応混合液に48重量%水酸化ナトリウム水溶液920gを温度80℃を
保持しつつ滴下した。滴下終了後のpHは約8であった。メタノール2.5kgを加えて
、10℃まで冷却し、固形物を析出させた。ろ過により固形物を取り出したのち、トルエン3.5kg、水1.0kgを加えて85℃に加熱して硫酸ナトリウムを溶解させた。水相を除去した後、有機相をさらに85℃の水で3回洗浄した。トルエン相を10℃に冷却することにより、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを得た。その後、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンをアセトンに完全溶解し、活性炭(NoritSX Plus)を加え1時間攪拌した。その後、活性炭をろ過し、アセトンを留去し、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、BPEF−1と省略することがある)を得た。
(合成例2)
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えたガラス製反応器にフルオレノン350g(1.94モル)とフェノキシエタノール1070g(7.78モル)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3gを加えて撹拌した混合液に、反応温度を50℃に保持しつつ、98重量%の硫酸570gを60分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を50℃に保ち、さらに5時間撹拌することにより反応を完結させた。
反応終了後、反応混合液に48重量%水酸化ナトリウム水溶液920gを温度80℃を
保持しつつ滴下した。滴下終了後のpHは約8であった。メタノール2.5kgを加えて
、10℃まで冷却し、固形物を析出させた。ろ過により固形物を取り出したのち、トルエン3.5kg、水1.0kgを加えて85℃に加熱して硫酸ナトリウムを溶解させた。水相を除去した後、有機相をさらに85℃の水で1回洗浄した。トルエン相を10℃に冷却することにより、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、BPEF−2と省略することがある)を得た。
(実施例1)
(溶融試験1−1)
BPEF−1:3.0g、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと省略することがある):1.5gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は200番であった。
(溶融試験1−2)
BPEF−2:3.0g、DPC:1.5gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は400番であった。
(合成1−1)樹脂A
上記BPEF−1とDPCを用い、BPEF149.09重量部、DPC87.40重量部、ビスフェノールA(以下、BPAと省略することがある)13.68g、炭酸水素ナトリウム1.01×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気常圧下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、90分かけて0.13kPa以下まで減圧し、250℃、0.13kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成したポリカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。該ポリカーボネートの比粘度は0.202、ペレットb値は3.9であった。
(合成1−2)樹脂A
合成1−1のBPEF−1をBPEF−2に変更する以外、合成1−1と同様の方法でポリカーボネートペレットを得た。該ポリカーボネートの比粘度は0.212、ペレットb値は9.8であった。
(合成1−3)樹脂B
上記BPEF−1とDPCを用い、BPEF140.32重量部、DPC54.84重量部、テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと省略することがある)15.54重量部、チタンテトラブトキシド20.42×10−3重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気常圧下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を40kPaに調整し、60℃/hrの速度で250℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、250℃に保持したまま、120分かけて0.13kPa以下まで減圧し、250℃、0.13kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を行った。その後、生成したポリエステルカーボネート共重合体をペレタイズしながら抜き出した。該ポリエステルカーボネートの比粘度は0.196、ペレットb値は4.2であった。
(合成1−4)樹脂B
合成1−3のBPEF−1をBPEF−2に変更する以外、合成1−3と同様の方法でポリエステルカーボネートペレットを得た。該ポリエステルカーボネートの比粘度は0.212、ペレットb値は10.3であった。
(合成1−5)樹脂C
上記BPEF−1とDPCを用い、BPEF30重量部、BPA2.5重量部、エチレングリコール27重量部、DMT38重量部、酢酸カルシウム0.042重量部を攪拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、攪拌しながら常法に従って190℃から230℃に徐々に加熱してエステル交換反応を行った。所定量のメタノールを系外へ抜き出した後、重合触媒である酸化ゲルマニウム0.012重量部と、リン酸トリメチル0.033部とを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発生するエチレングリコールを抜きながら、加熱槽温度を280℃、真空度を1Torr以下に到達させた。この条件を維持し、粘度の上昇を待ち、2時間経過後反応を終了した。その後、生成したポリエステル共重合体をペレタイズしながら抜き出した。該ポリエステルの比粘度は0.190、ペレットb値は4.3であった。
(合成1−6)樹脂C
合成1−5のBPEF−1をBPEF−2に変更する以外、合成1−5と同様の方法でポリエステルペレットを得た。該ポリエステルカーボネートの比粘度は0.212、ペレットb値は10.1であった。
(実施例2)
(溶融試験2−1)
BPEF−1:2.7g、DPC1.8gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は150番であった。
(溶融試験2−2)
BPEF−2:2.7g、DPC1.8gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は400番であった。
(実施例3)
(溶融試験3−1)
BPEF−1:3.0g、DPC1.5gを大気中180℃において、270分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は100番であった。
(溶融試験3−2)
BPEF−2:3.0g、DPC1.5gを大気中180℃において、270分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は300番であった。
(比較例1)
(溶融試験4−1)
BPEF−1:4.5gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は200番であった。
(溶融試験4−2)
BPEF−2:4.5gを大気中270℃において、30分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は200番であった。
(比較例2)
(溶融試験5−1)
BPEF−1:2.3g、DPC2.3gを大気中320℃において、150分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は500番であった。
(溶融試験5−2)
BPEF−2:2.3g、DPC2.3gを大気中320℃において、150分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は500番であった。
(比較例3)
(溶融試験6−1)
BPEF−1:2.3g、DPC2.3gを大気中175℃において、300分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は200番であった。
(溶融試験6−2)
BPEF−2:2.3g、DPC2.3gを大気中175℃において、300分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は200番であった。
(比較例4)
(溶融試験7−1)
BPEF−1:2.3g、DPC2.3gを大気中260℃において、180分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は500番であった。
(溶融試験7−2)
BPEF−2:2.3g、DPC2.3gを大気中260℃において、180分間保持した。該混合溶融物のハーゼン色数は500番であった。
表1より実施例1〜3のBPEF−1とBPEF−2では、原料における色相の良否の判別が可能である。他方、比較例1〜4のBPEF−1とBPEF−2では、原料における色相の差がなく、原料における色相の良否の判別ができない。
Figure 2012145481
本発明により、光学レンズ、プリズム、光ディスク基板、光学フィルムなどの光学用途に有用な熱可塑性樹脂を安定的に製造できる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比3:2〜5:1の混合物を大気中、150〜320℃の溶融状態で、10〜150分保持後の溶融色相を評価することを特徴とする一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールの耐熱性の試験方法。
    Figure 2012145481
    (式(I)中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のアルコキシル基、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基、A1は単結合、アルキル基、アルコキシル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシル基、アリール基またはアリールオキシ基である。)
  2. 一般式(I)のA1がフルオレン環であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性の試験方法。
  3. 一般式(I)が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の耐熱性の試験方法。
  4. 芳香族炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性の試験方法。
  5. 一般式(I)で表わされる脂肪族末端ジオールを加熱溶融下、重合せしめる熱可塑性樹脂の製造方法であって
    (A):脂肪族末端ジオールに対して請求項1に記載の耐熱性試験をする工程
    (B):上記(A)工程で得られた耐熱性の試験結果に基づき、脂肪族末端ジオールと芳香族炭酸ジエステルの重量比2:1の混合物を大気中270℃で30分保持後の溶融APHAに換算したとき、溶融APHAが300番以下である脂肪族末端ジオールを良品として選別する工程
    (C):上記(B)工程で良品として選別した脂肪族末端ジオールを用いて溶融重合を行う工程
    を経ることを特徴とする熱可塑性樹脂の製造方法。
  6. 上記脂肪族末端ジオールが、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン及びジフェニルカーボネートであることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020138050A1 (ja) * 2018-12-27 2020-07-02 三菱瓦斯化学株式会社 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた光学部材

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