JP2012144630A - めっき付着性良好なポリオルガノシロキサン塗料組成物とその塗膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)下記(a)〜(c)を有機酸触媒存在下加水分解縮合して得られる反応性ポリオルガノシロキサン化合物 30.1重量部〜74.9重量部、
(a)メチルトリアルコキシシラン 73部〜95.5部、
(b)グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、スルフィド基の中から選ばれる置換基を有するアルコキシシラン 0.5部〜12部、
(c)メチル基、及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマー 4部〜15部、
(B)平均粒子径0.2〜0.3μmであるルチル型二酸化チタン 25重量部〜59.9重量部、
(C)平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタン 0.1重量部〜10重量部、
からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【選択図】なし
Description
しかし、絶縁性が必要な用途では、ある一定以上の絶縁性を確保するためにはポリオルガノシロキサン系塗膜を10μm以上に厚膜化する必要があり、これまで種々の手法の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、トリアルコキシシラン化合物とジフェニルジアルコキシシラン化合物、触媒からなるものを部分加水分解縮合反応させた後、アルコキシシランと触媒を適量添加させてなる塗料組成物が開示されている。
しかしながら、これらの組成物からなる塗膜は、基材によっては、濡れ性が悪くなりハジキムラが発生しやすく、無電解銅めっきを施した際、析出性、密着性が悪い。また、架橋促進のため金属触媒を利用するため塗料の安定性が低下する問題があった。
特許文献3では、メルカプト基、シアノ基、グリシジル基を有するトリアルコキシシランと炭化水素基等を有するトリアルコキシシランの加水分解縮合物である高誘電率のシルセスキオキサン系絶縁材料が開示されている。上記材料は、絶縁性向上に一定の効果は認められるものの、塗膜が着色する傾向にあり、反射率が低下するため反射率の必要な用途においては問題があり、未だ十分な性能を有する塗料とはいえないものであった。
びそのポリオルガノシロキサン塗料組成物を塗布することにより形成された塗膜により克服できることを知見し、本発明に至った。
(A)下記(a)〜(c)を有機酸触媒存在下加水分解縮合して得られる反応性ポリオルガノシロキサン化合物 30.1重量部〜74.9重量部、
(a)メチルトリアルコキシシラン 73重量部〜95.5重量部、
(b)グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、スルフィド基の中から選ばれる置換基を有するアルコキシシラン 0.5重量部〜12重量部、
(c)メチル基、及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマー 4重量部〜15重量部、
(B)平均粒子径0.2〜0.3μmであるルチル型二酸化チタン 25重量部〜59.9重量部、
(C)平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタン 0.1重量部〜10重量部、
からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン塗料組成物、さらに、この塗料組成物を塗布することにより形成された塗膜を要旨とするものである。
本発明においては、(a)メチルトリアルコキシシラン、(b)グリシジル基、3、4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、スルフィド基の中から選ばれる置換基を有するアルコキシシラン、(c)メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーの3成分を、有機酸触媒存在下、加水分解縮合して得られる反応性ポリオルガノシロキサン化合物(A)、平均粒子径0.2μm〜0.3μmであるルチル型二酸化チタン(B)、平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタン(C)の各成分は、ポリオルガノシロキサン塗料組成物及びその塗料組成物を塗布することにより形成された塗膜を得るための必須構成成分である。
(A)成分の反応性ポリオルガノシロキサン化合物を構成するメチルトリアルコキシシラン(a)としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応性ポリオルガノシロキサン化合物(A)において、メチルトリアルコキシシラン(a)は、73重量部〜95.5重量部、好ましくは80重量部〜90重量部の範囲で使用するのが望ましい。反応性ポリオルガノシロキサン化合物(A)において、メチルトリアルコキシシラン(a)の割合が、73重量部未満であると耐光性が低下し、95.5重量部を超えると液安定性が低下し、めっき付着性が悪くなる。
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルジメトキシシラン、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)メチルトリエトキシシラン、メルカプト基を有するものとしては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、スルフィド基を有するものとしては、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等があるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用しても良いし、これらのアルコキシシランに該当する市販品を使用してよい。
以上のとおり、反応性ポリオルガノシロキサン化合物(A)において、グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、スルフィド基の中から選ばれる置換基を有するアルコキシシラン(b)の割合が、0.5重量部未満であるとめっき付着性が悪く、12重量部を超えると有機成分が増えるため耐光性が悪くなる。
これに対し、テトラアルコキシシランのオリゴマーの場合、硬化収縮が大きくなるため、基材との付着性が低下し厚膜化が難しく、また、ジアルコキシシランのオリゴマーの場合は、基材との濡れ性が低下し、外観不良が発生しやすいため、本発明ではメチルトリアルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物の使用が好ましい。
メチルトリアルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物としては、直鎖状のものだけでなく、一般的にシルセスキオキサンと呼ばれ、かご型、ラダー型、ランダム型等の特定構造を有するものも含まれるが、本発明においては、特にそれらの構造が本発明の効果に与える影響はない。また、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーは、メチルトリアルコキシシランの単独加水分解縮合物だけでなく、本発明の効果に影響しない範囲で、他のトリアルコキシシランとの共縮合物や他のトリアルコキシシランの単独加水分解縮合物も使用することができる。
リゴマーSR−2400、SR−2402、AY42−163等があるが、これらに限定されるものではない。反応性ポリオルガノシロキサン化合物において、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマー(c)は、4重量部〜15重量部、好ましくは6部〜13部の範囲で使用するのが望ましい。
さらに、(A)成分の反応性ポリオルガノシロキサン化合物を製造する際に使用する有機酸触媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、乳酸、吉草酸、イソ吉草酸、トリメチル酢酸、シュウ酸等が用いられる。酸触媒として無機酸を使用した場合、反応性が早く経時安定性が低下する傾向にあるため、本発明においては、有機酸を使用することが好ましく、沸点等の関係からギ酸を使用するのが望ましい。
縮合反応時の溶媒としては、180℃以上の沸点を有する非プロトン性溶媒を用いる。
縮合反応時の反応溶媒については、ポリオルガノシロキサン塗料組成物を塗装する際の溶剤としても作用するため、適切なものを選定する必要がある。アルコールの如きプロトン性溶剤を使用すると、反応時にアルコキシシランの縮合反応を抑制するだけでなく、塗装時に乾燥性が速く、乾燥ムラを生じる問題がある。また、180℃未満の沸点の非プロトン性溶媒を用いた場合、塗装時に突沸を起こしクレーター等を生じやすい問題があるので本発明においては使用を避けることが好ましい。
180℃以上の沸点を有する非プロトン性溶媒の具体例としては、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセリルトリアセテート、ホロン、イソホロン、ジメチルスルフォキシド等が使用できるがこれらに限定されるものではない。
反応性ポリオルガノシロキサン化合物は、30.1重量部〜74.9重量部、好ましくは45重量部〜64.7重量部で使用する。30.1重量部未満であると顔料濃度が高すぎるため基材との密着性が悪く、液安定性も悪い、また、74.9重量部を超えると反射率向上に効果がない。
平均粒子径0.2μm〜0.3μmであるルチル型二酸化チタンは、反射率を付与するために添加する。反射率を上げるためには、隠蔽性も重要となるが、平均粒子径0.3μmを超えると隠蔽性が向上するが、分散安定性が低下するため、反射率が低くなる傾向にある。また、平均粒子径が0.2μm未満になると隠蔽性が不十分となる。
本発明に使用できる平均粒子径0.2μm〜0.3μmであるルチル型二酸化チタンについては、表面処理の影響はあまりないものの、耐光性の観点からは、アルミナ、シリカ、ジルコニウム等により表面処理されたルチル型二酸化チタンを使用することが望ましい。
0.2μm〜0.3μmであるルチル型二酸化チタンは、25重量部〜59.9重量部、好ましくは35重量部〜50重量部で使用する。25重量部未満であると隠蔽性が悪く反射率向上にも効果がなく、59.9重量部を超えると格段の反射率向上に効果がなく基材との密着性低下も起こる。
ポリオルガノシロキサン化合物の透明性向上のためにジルコニアを使用することが知られているが、本発明において同様な手法を用いると液安定性が低下する不具合が生じた。
そのため、鋭意研究の結果、平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアで表面処理したルチル型微粒子二酸化チタンを、上記の平均粒子径0.2μm〜0.3μmであるルチル型二酸化チタン(B)と併用して使用することで、反射率が格段に向上できることを見出した。
この効果をもたらす原因の詳細は解明できていないが、微粒子二酸化チタン表面に吸着したアルミナ及びジルコニア成分と二酸化チタンの粒子径差が反射率向上に寄与しているものと考えられる。
平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタンは、0.1重量部〜10重量部、好ましくは0.3重量部〜5重量部で使用する。0.1重量部未満であると反射率向上に効果がなく、10重量部を超えるとコストが高くなるだけでなく、増粘しやすくなり液安定性が悪くなる。
0nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタンは、一般的な分散機を用いて塗料化を行う。
本発明のポリオルガノシロキサン塗料を塗膜化する際は、スプレー塗装、スピンコート、ディップコート、フローコート等により基材に塗布し、110〜130℃で予備乾燥した後、180℃で加熱硬化させる。2段階加熱することにより、流れスジ、寄りスジ、乾燥ムラなどの塗膜外観不良が解消できる。塗布可能な基材として、アルミ、ステンレス、マグネシウム、銅等金属素材、金属素材のめっき処理品、化成処理品、陽極酸化処理品等、前記加熱硬化条件に耐えうるものであれば適用できる。
(製造例1)
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル27.0gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、グリシジル基含有アルコキシシランKBM−403(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル25.4gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、メルカプト基含有アルコキシシランKBM−802(信越化学工業社製)1.4gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル27.0gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、スルフィド基含有アルコキシシランKBE−846(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオル
ガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル27.0gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、3,4−エポキシシクロヘキシル基含有アルコキシシランKBM−303(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し、室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル24.5gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル30.0gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、グリシジル基含有アルコキシシランKBM−403(信越化学工業社製)9.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル27.0gを入れた後、メチル基及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマーKC−89S(信越化学工業社製)4.5g、アミノ基含有アルコキシシランKBM−903(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却し
て縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得た(有効成分35%)。
攪拌装置、温度センサーおよび冷却管を備えた100ミリリットルの3つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル24.5gを入れた後、グリシジル基含有アルコキシシランKBM−403(信越化学工業社製)4.5gを入れる。撹拌しながら水17.9gとギ酸1.2gを投入し室温で30分撹拌し加水分解反応を行う。その後70℃に加熱し1時間縮合反応を行い、70℃に維持しながらフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノールを10分間留去する。その後、常圧に戻しさらに1時間縮合反応を行った後、再びフラスコを10torrに減圧し、縮合反応で生じたメタノール、水、ギ酸を1時間留去する。温度を室温に冷却して縮合反応を抑制し、さらに1時間減圧を続け完全にギ酸を除去し、反応性ポリオルガノシロキサン化合物の溶液を得たが、8時間室温静置後ゲル化したため、試験に供せなかった。
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物157.1gと平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタンCR−93(石原産業社製)43g、アルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径15nmの微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)2g、ジエチレングリコールジブチルエーテル25.2g、ガラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[実施例2]
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例2で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法でポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例3で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法でポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[実施例4]
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例4で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法でポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[実施例5]
二酸化チタンCR−93(石原産業社製)の代わりに平均粒子径0.28μmの二酸化チタンJR−603(テイカ社製)を使う以外は実施例1と同様の方法でポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)の代わりにアルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径30nmの微粒子二酸化チタンMT−500HD(テイカ社製)を使う以外は実施例1と同様の方法で、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[実施例7]
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物157.2gと平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタンCR−93(石原産業社製)41g、アルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径15nmの微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)4g、ジエチレングリコールジブチルエーテル25.1g、ガ
ラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例5で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法で、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[比較例2]
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例6で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法で、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物157.2gと平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタンCR−93(石原産業社製)45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル25.2g、ガラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[比較例4]
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物108.6gと平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタンCR−93(石原産業社製)60g、アルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径15nmの微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)2g、ジエチレングリコールジブチルエーテル56.7g、ガラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物228.5gと平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタンCR−93(石原産業社製)18g、アルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径15nmの微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)2g、ガラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分40.2%)。
[比較例6]
製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物の代わりに製造例7で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物を使う以外は実施例1と同様の方法で、ポリオルガノシロキサン塗料を得た(有効成分44%)。
[比較例7]
[比較例8]
容器に製造例1で得られた反応性ポリオルガノシロキサン化合物157.2gとアルミナとジルコニアにより表面処理された平均一次粒子径15nmの微粒子二酸化チタンMT−100HD(テイカ社製)45g、ジエチレングリコールジブチルエーテル25.2g、ガラスビーズを入れ、ディスパーで1時間撹拌分散した後、ガラスビーズをろ過し、ポリオルガノシロキサン塗料を得たが、高粘度化し使用に適さなかったため試験に供しなかった。
(1)液安定性:目視判定にて判定した。
◎;液調整後1ヶ月で変化なし
○;液調整後1ヶ月で少し増粘するが使用に問題ない
×;液調整後1ヶ月でゲル化、または、使用に問題のあるレベルの増粘
(2)塗膜厚:渦電流式膜厚計(Fisher製 ISOSCOPE)を用いて測定した。
(3)外観:目視判定にて判定した。
◎平滑性良好
○平滑性やや不足
×平滑性不足
◎;88%以上
○;85%以上〜88%未満
×;85%未満
(5)耐光性:メタルハライドランプ方式UV露光機アイグランデージ(アイグラフィックス社製)を用い、出力2kWで150J/cm2の光量を照射した前後の塗片の色調を測色計CR−400(コニカミノルタ社製)を用いて測定した色差ΔEで評価した。
◎;0.1未満
○;0.1以上0.5未満
×;0.5以上
◎;剥離なし (100/100)
○;1つの碁盤目の一部に剥離による欠けがある(100/100)
×;2以上の碁盤目に剥離がある(100/100未満)
(7)絶縁性:耐電圧試験器TOS9201(菊水電子工業社製)にて測定した試験時間1分間で漏れ電流0.1mA未満の電圧値で評価した。
◎;2kV以上
○;1kV以上2kV未満
×;1kV未満
(8)無電解めっき付着性:塗片を常法に従って、無電解銅めっき処理を行った後に碁盤目セロテープ試験を行った際の銅めっき膜の剥離状態で評価した。
◎;剥離なし (100/100)
○;1つの碁盤目の一部に欠け剥離がある(100/100)
×;2以上の碁盤目に剥離がある(100/100未満)。
Claims (3)
- (A)下記(a)〜(c)を有機酸触媒存在下加水分解縮合して得られる反応性ポリオルガノシロキサン化合物 30.1重量部〜74.9重量部、
(a)メチルトリアルコキシシラン 73重量部〜95.5重量部、
(b)グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、スルフィド基の中から選ばれる置換基を有するアルコキシシラン 0.5重量部〜12重量部、
(c)メチル基、及びアルコキシ基含有シリコンオリゴマー 4重量部〜15重量部、
(B)平均粒子径0.2〜0.3μmであるルチル型二酸化チタン 25重量部〜59.9重量部、
(C)平均一次粒子径10nm〜70nmであるアルミナとジルコニアにより表面処理されたルチル型微粒子二酸化チタン 0.1重量部〜10重量部、
からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン塗料組成物。 - 無電解めっきの下地用に用いることを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシロキサン塗料組成物。
- 請求項1又は2のポリオルガノシロキサン塗料組成物を塗布することにより形成されたことを特徴とする塗膜。
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