JP2012143976A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下塗り層の塗布性および光沢感に優れ、かつインク受容層に塗層割れが生じないインクジェット記録材料の製造方法を提供する。
【解決手段】非吸収性支持体上に、ガラス転移温度が17〜40℃である水分散性樹脂、白色顔料、および低級アルコールを含有する下塗り層用塗布液を塗布し、その後、該下塗り層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有し、かつバインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有するインク受容層用塗布液を塗布するインクジェット記録材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、非吸収性支持体上に空隙タイプのインク受容層を有するインクジェット記録材料の製造方法に関するものである。
デジタルカメラの普及によってデジタルフォトが身近になり、デジタルフォト画像の出力に適した水溶性染料を用いたインク(以下、染料インクと称す)を搭載したインクジェットプリンタが普及している。このようなフォト画像の出力に適した光沢感及び画質を有する記録材料として、ポリオレフィン樹脂被覆紙(いわゆるレジンコート紙、以下RC支持体ともいう)に代表される非吸収性支持体上に無機顔料微粒子と水溶性バインダー及びその架橋剤からなる多孔質のインク受容層を設けられた写真用インクジェット記録用紙が知られている。
上記の写真用インクジェット記録用紙を作製する技術については、例えば特開平11−188966号公報(特許文献1)、特開平11−348408号公報等で開示されており、該公報に記載されている技術を用いると、印字後のコックリングが生じず、光沢感が良好であるインクジェット記録材料が得られる。
また、RC支持体は非吸収性支持体であり、紙ベース支持体の吸収性支持体と異なり支持体自身にインク吸収性がないため、インク受容層のみでインクを吸収する必要がある。そのため非吸水性支持体には空隙タイプのインク受容層が好適に利用され、インク受容層が含有する無機顔料として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を利用すると、高いインク吸収性や印字濃度に加え、非常に高光沢な記録材料が得られる。
空隙タイプのインク受容層に好適に利用される平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子としては、例えば特許第3321700号公報、特許第3371365号公報、特許第3798169号公報等に気相法シリカの使用例が、特許第3411151号公報、特開平10−181190号公報等に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が、特開2002−225423号公報にはアルミナまたはアルミナ水和物の使用例が開示されている。
しかしながら、非吸収性支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する空隙タイプのインク受容層を有する記録材料は、非常に高い光沢を有するが故にギラツキ感が強く、観察する角度によっては銀塩写真並の光沢感が得られず、改善が求められていた。
一方、紙ベース支持体(原紙の両面にポリオレフィン系樹脂等を被覆していない支持体)を用い、キャスト法で写真用インクジェット記録体へのアプローチが行われており、例えば特開2005−096285号公報(特許文献2)には最低造膜温度やガラス転移温度が比較的高い熱可塑性樹脂と白色顔料等を含む下塗り層を紙ベース支持体に設けることが記載されている。また、特開2010−115914号公報(特許文献3)にはガラス転移温度が−50〜50℃の範囲の水分散性樹脂と顔料等を含むバリア層を紙ベース支持体上に設けることが記載され、特開2005−238829号公報(特許文献4)には、アクリル系水分散性樹脂、顔料等を含む下塗り層を紙ベース支持体上に設けることが記載されている。しかし、これら吸収性支持体を有する記録材料の光沢性やコックリングを改善する下塗り層を非吸収性支持体に用いても、銀塩写真並の光沢感は得られず、またインク受容層の塗層割れが生じ、下塗り層の塗布性が十分でなかった。
特開平11−188966号公報 特開2005−096285号公報 特開2010−115914号公報 特開2005−238829号公報
本発明は、下塗り層の塗布性および光沢感に優れ、かつインク受容層に塗層割れが生じないインクジェット記録材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の上記目的は、非吸収性支持体上に、ガラス転移温度が17〜40℃である水分散性樹脂、白色顔料、および低級アルコールを含有する下塗り層用塗布液を塗布し、その後、該下塗り層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有し、かつバインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有するインク受容層用塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法により達成された。
本発明によれば、下塗り層の塗布性および光沢感に優れ、かつインク受容層の塗層割れのないインクジェット記録材料の製造方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録材料が有するインク受容層について説明する。かかるインク受容層は平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する層である。ここで無機微粒子を主体に含有するとは、インク受容層における全固形分に対して前記無機微粒子を50質量%以上含有することであり、より好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは65質量%以上であり、上限は95質量%程度である。本発明でいう平均二次粒子径は、希釈分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して得られる。インク受容層が含有する無機微粒子としては、合成非晶質シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等公知の各種無機微粒子が挙げられるが、合成非晶質シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が好ましく用いられ、合成非晶質シリカが特に好ましく用いられる。合成非晶質シリカには、気相法によるものと湿式法及びその他によるものがある。気相法シリカは乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素とともに燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明のインク受容層に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、5〜30nmが好ましく、更に15nm以下が好ましい。また、より好ましくは一次粒子の平均粒径が5〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものを用いる。本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子一個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。またここで記載する平均一次粒子径とは、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として求められる。
湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は穏やかな凝集粒子となり、比較的粉砕しやすい粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させてケイ酸ゾルを生成する。ケイ酸ゾルは次第に重合し、一次粒子を形成し、更に三次元的に凝集体を形成し、ゲル化する。このシリカを気流粉砕等の一般的な方法で粉砕して微粉化する。即ちゲル法では、酸性サイドで反応重合させ、ゲル状になるまで静置し、水洗して乾燥しゲル法シリカを得る。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップジェルとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。なお、コロイダルシリカは湿式法シリカに属するが、塗層中で凝集構造を取り難くインク吸収能力が極端に低いため、本発明のインク受容層が主体に含有する無機微粒子には適していない。
本発明のインク受容層に用いられる無機微粒子の平均二次粒子径は500nm以下であり、より好ましくは10〜300nm以下、更に好ましくは20〜200nmである。また、前記気相法シリカ及び湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で、該シリカの平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmに分散あるいは粉砕したものが使用できる。分散、あるいは粉砕する方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカまたは湿式法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散・粉砕を行うことが好ましい。
上記気相法シリカ、及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭62−198493号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報、特許第1606817号公報、特許第1609157号公報、特許第1840377号公報、特許第1991771号公報、特許第2011849号公報、特許第2667162号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面でこれらのカチオンポリマーの分子量は、2000〜10万程度が好ましく、特に2000〜3万程度が好ましい。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中でもアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
周期表4A族元素からなる水溶性化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明のアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、インク受容層に主体に含有される無機微粒子の塗布量は、インク吸収性の観点から固形分で8〜40g/mの範囲が好ましく、10〜35g/mの範囲がより好ましい。このように多くの無機微粒子を含有するインクジェット記録材料は塗層割れが生じることがない高い生産性にて製造することが難しいが、本発明はこの様態において特に有効である。
本発明のインク受容層は、被膜としての特性を維持するためにバインダーを有する。このバインダーとしては、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく、その親水性バインダー使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。以上のことから本発明のインク受容層はバインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有する。
本発明のインク受容層中のポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明のインク受容層中に使用することのできるポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性、シラノール変性、アニオン変性、アセトアセチル変性、ジアセトンアクリルアミド変性等の変性ポリビニルアルコールが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特許第2039166号公報に記載のような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが好適に用いられる。
また、本発明のインク受容層中には他のバインダーも併用することができるが、その場合ポリビニルアルコールに対して40質量%以下であることが好ましい。本発明のインク受容層に含有されるこれらバインダーの総量は、インク受容層に主体に含有される無機微粒子の質量に対して1〜50質量%が好ましい。より好ましくは3〜40質量%であり、更に好ましくは5〜35質量%である。
本発明において、耐水性、及びインク吸収性を向上させる目的でインク受容層は、硬膜剤で硬膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、オルトほう酸やメタほう酸等のほう酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、米国特許第2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。特に好ましい硬膜剤はほう酸およびほう酸塩である。また硬膜剤はインク受容層が含有するバインダー質量に対して0.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜20質量%である。
本発明ではインクジェット記録材料のインク受容層の膜面pHを調整するために酸を用いることができる。上記酸としては種々の酸を用いることができるが、インクの定着性やバインダーを架橋する作用をあわせて持つ、酸性のジルコニウム化合物が好ましく用いられる。酸性のジルコニウム化合物としては、例えば、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等が挙げられる。また、膜面pHの調整のしやすさという観点から弱酸も好ましく用いられる。弱酸の例としては、乳酸、酢酸、こはく酸、クエン酸、りんご酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
本発明においてインク受容層用塗布液は、後述する下塗り層用塗布液を塗布、乾燥した後に塗布する。
本発明の下塗り層は、下塗り層の均一性の観点からバインダーとして水分散性樹脂を含有する。バインダーを含有しない場合は、白色顔料等の粒状の固形物が支持体上に形成されることになり、光沢感の低下を招くため好ましくない。また、インク受容層を下塗り層の上に塗布した時に、インク受容層の塗層のひび割れ等が生じないように、水分散性樹脂のガラス転移温度は17〜40℃とする必要がある。
本発明で使用される上記の条件を持つ水分散性樹脂は、アクリル系ラテックス、ポリウレタン系ラテックス、スチレン系ラテックス、ポリエステル系ラテックス等の各種水分散性樹脂が利用可能であるが、光沢感、塗布液中での安定性が良好な点からポリウレタン系ラテックスが好ましい。
上記水分散性樹脂の最低造膜温度は、35℃以下とするのが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。これにより下塗り層の成膜性が向上し、より均一な下塗り層が得られることから、インク受容層の塗層割れがより改善された記録材料が得られる。また下塗り層用塗布液を塗布した後の乾燥温度は、上記最低造膜温度よりも高いことが好ましい。
上記水分散性樹脂のイオン性は、アニオン性・カチオン性のどちらでも使用可であるが、アニオン性水分散性樹脂を使用する場合はアニオン分散した白色顔料分散液を使用し、カチオン性水分散性樹脂を使用する場合はカチオン分散した白色顔料分散液を使用することが好ましい。
本発明の下塗り層には、上記水分散性樹脂の他に、白色顔料を含有する。白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、カオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。その中でも隠蔽性の高い酸化チタンが特に好ましい。
白色顔料は水に分散したものを使うことが好ましい。分散を行う際には分散剤を使用しても良い。分散剤のイオン性は、下塗り層用塗液に使用する水分散性樹脂のイオン性に合わせることが好ましい。分散剤は白色顔料に対して0.1〜2質量%とすることが好ましい。また白色顔料を分散した白色顔料分散液中の白色顔料の固形分濃度は、10〜50質量%とすることが好ましい。
本発明の下塗り層には、低級アルコールを含有する。低級アルコールは下塗り層の塗布性を良くし、生産性を高めたり、塗布故障を減らしたりする役割となる。なお、本発明における低級アルコールとは炭素数が5以下であるアルコールを意味する。このような低級アルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。その中でもメチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。また上記のアルコールを2種類以上使用しても良い。
本発明の下塗り層の塗工量は、固形分で5〜20g/mが好ましく、7〜15g/mがより好ましい。塗工量が5g/m未満であると、面質改良の効果が十分でない場合があり、20g/mを越えると、塗布後の乾燥に時間がかかり、生産性が低下する場合がある。
本発明の下塗り層において、水分散性樹脂が全下塗り層に占める割合が固形分で、70質量%以上が好ましく、73〜85質量%がより好ましい。白色顔料は全下塗り層の30質量%以下が好ましく、27〜15質量%がより好ましい。低級アルコールは下塗り層塗液全添加量の3〜15質量%が好ましい。
本発明では、発色性改良等の目的でインク受容層及び下塗り層は更にカチオン性化合物を含有することができる。カチオン性化合物の例としては、シリカの分散の説明で挙げたカチオン性ポリマー、及び水溶性金属化合物が挙げられる。また、水溶性金属化合物の例として、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、りん酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸亜鉛、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられるが、好ましいカチオン性化合物は分子量5000〜10万程度のカチオン性ポリマー及びアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物であり、特にアルミニウム化合物を含有することが好ましい。これらカチオン性化合物は一種類を使用しても、複数の化合物を併用してもよい。
本発明においてインク受容層及び下塗り層には更に、界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク色材の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明に用いられる非吸収性支持体はポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートのようなセルロースエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸収性支持体等が用いられる。非吸収性支持体の中でも特に原紙の少なくとも一方の面をポリオレフィン樹脂で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましく用いられる。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤を配合してもよい。もしくは、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等した表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。ただし、原紙の密度は剛直性のためには1.10g/cm以下、好ましくは0.6〜1.05g/cmである。密度が小さすぎると樹脂被覆を行っても均一な表面平滑性が得られにくい。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体等のオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール誘導体等の酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
本発明において用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、走行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その表面または両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すことが好ましい。ポリオレフィン樹脂被覆紙のインク受容層が塗布される面は、その用途に応じて光沢面、マット面等に加工される。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理等の活性処理を施すことができる。また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
本発明において、下塗り層、及びインク受容層用塗布液の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、エアーナイフ方式、ドクターブレード方式、ワイヤーロッド方式、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、グラビア方式、ロールコーティング方式、スロットコーター方式等が挙げられる。上記の塗布方法を用い、下塗り層、インク受容層と順次塗布を行う逐次塗布が行われる。
非吸収性支持体上に本発明の下塗り層用塗布液を塗布する場合、塗布に先立って、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等を行ってもよい。
本発明における非吸収性支持体には帯電防止性、搬送性、カール調整等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、樹脂バインダー、ラテックス、顔料、硬化剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は固形分質量部、固形分質量%を示す。
<記録材料1の作製>
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアンスタンダードフリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆しおもて面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
<気相法シリカ分散液1の作製>
水にジメチルアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000、3部)と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)を使用して分散し、これを圧力ホモジナイザーに40MPaの条件で2回通過させて、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液1を得た。この気相法シリカ分散液の二次粒子分散粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)で測定した結果、140nmであった。
<インク受容層用塗布液1の作製>
上記気相法シリカ分散液1を用いてインク受容層用塗布液1を作製した。この時の塗布液の固形分濃度は12.8%にした。
<インク受容層用塗布液1>
気相法シリカ分散液1 103部
オルトほう酸 4部
ポリビニルアルコール 23部
(クラレ(株)製、PVA235)
ベタイン性界面活性剤 0.05部
(日本サーファクタント工業(株)製SWANOL AM−2150)
上記塗布液に対して5質量%となるようにエタノールを添加した。
固形分濃度 12.8%
<インク受容層用添加液1の作製>
以下の添加剤を水に溶解させてインク受容層用添加液1を作製した。この時の添加液の不揮発分濃度は10.8%であった。なお、下記部数は、上記インク受容層用塗布液1中の気相法シリカ100部に対する部数である。
<インク受容層用添加液1>
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
(理研グリーン(株)製、ピュラケムWT)
酢酸ナトリウム 1.2部
<白色顔料分散液1の作製>
以下の添加剤を水に溶解または分散させて白色顔料分散液1を作製した。
<白色顔料分散液1>
水 2000.4g
酸化チタン 975.6g
(堺化学(株)製、SR−1)
ポリアクリル酸ナトリウム(40%) 24.0g
(東亞合成化学(株)製、アロンT−40)
固形分濃度 32.8%
<下塗り層用塗布液1の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液1を作製した。
<下塗り層用塗布液1>
水 2559.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
ハイドランAP−20 8750.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記のようにして得られた支持体上に、下塗り層用塗布液1を固形分塗布量が10g/mとなるようにエクストルージョン方式のバーを用いて塗布し、40℃にて乾燥した。
ついで、上記のようにして得られた下塗り層上に、前記インク受容層用塗布液1とインク受容層添加液1とを塗布直前に気相法シリカ100部に対して塩基性ポリ水酸化アルミニウムが2部となるように混合し、気相法シリカの固形分塗布量が23g/mになるようにエクストルージョン方式のバーを用いて塗布し、40℃にて乾燥することで、記録材料1を得た。
<記録材料2の作製>
<白色顔料分散液2の作製>
水 2000.4g
酸化亜鉛 975.6g
(堺化学(株)製)
ポリアクリル酸ナトリウム(40%) 24.0g
(東亞合成化学(株)製、アロンT−40)
固形分濃度 32.8%
<下塗り層用塗布液2の作製>
上記の白色顔料分散液2と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液2を作製した。
<下塗り層用塗布液2>
水 2559.4g
白色顔料分散液2 2690.6g
ハイドランAP−20 8750.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液2に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料2を得た。
<記録材料3の作製>
<下塗り層用塗布液3の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液3を作製した。
<下塗り層用塗布液3>
水 4401.5g
白色顔料分散液1 2690.6g
スーパーフレックス150HS 6907.9g
(ポリウレタン水分散体(アニオン性) 第一工業製薬(株)製、
最低造膜温度5℃以下、ガラス転移温度32℃、固形分濃度38%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液3に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料3を得た。
<記録材料4の作製>
<下塗り層用塗布液4の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液4を作製した。
<下塗り層用塗布液4>
水 2559.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
ハイドランAP−20 8750.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにメタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液4に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料4を得た。
<記録材料5の作製>
<インク受容層用塗布液2の作製>
気相法シリカ分散液1を用いてインク受容層用塗布液2を作製した。この時の塗布液の固形分濃度は12%にした。
<インク受容層塗布液2>
気相法シリカ分散液1 100部
カチオン変性ポリビニルアルコール 20部
(PVA−CM−318、クラレ(株)製、カチオン性基;2モル%)
ポリアルキレンオキサイド系水溶性高分子 2部
(住友精化(株)製、商品名:アクアコーク)
オルトほう酸 5部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度 12.0%
上記記録材料1の作製において、インク受容層塗布液1をインク受容層塗布液2に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料5を得た。
<記録材料6の作製>
<下塗り層用塗布液5の作製>
以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液5を作製した。
<下塗り層用塗布液5>
水 666.7g
ハイドランAP−20 8333.3g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液5に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料6を得た。
<記録材料7の作製>
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を白色顔料分散液1に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料7を得た。
<記録材料8の作製>
<下塗り層用塗布液6の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液6を作製した。
<下塗り層用塗布液6>
水 2559.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
ハイドランAP−20 8750.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液6に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料8を得た。
<記録材料9の作製>
<下塗り層用塗布液7の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液7を作製した。
<下塗り層用塗布液7>
水 2559.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
ハイドランAP−20 8750.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度16℃、ガラス転移温度27℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して4質量%となるようにオクチルアルコールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液7に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料9を得た。
<記録材料10の作製>
<下塗り層用塗布液8の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液8を作製した。
<下塗り層用塗布液8>
水 809.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
ハイドランHW−340 10500.0g
(アイオノマー型水性ウレタン系樹脂(アニオン性) DIC(株)製、
最低造膜温度0℃以下、ガラス転移温度7℃、固形分濃度25%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液8に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料10を得た。
<記録材料11の作製>
<下塗り層用塗布液9の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液9を作製した。
<下塗り層用塗布液9>
水 2559.4g
白色顔料分散液1 2690.6g
スーパーフレックス110 8750.0g
(ポリウレタン水分散体(アニオン性) 第一工業製薬(株)製、
最低造膜温度5℃以下、ガラス転移温度48℃、固形分濃度30%)
固形分濃度 25.0%
上記塗布液に対して10質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液9に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料11を得た。
<記録材料12の作製>
<下塗り層用塗布液10の作製>
上記の白色顔料分散液1と以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液10を作製した。
<下塗り層用塗布液10>
水 2429.0g
白色顔料分散液1 2130.0g
ポリビニルアルコール(8%) 8658.5g
(水溶性ポリマー、クラレ(株)製、PVA235)
固形分濃度 10.0%
上記塗布液に対して5質量%となるようにエタノールを添加した。
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液10に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料12を得た。
<記録材料13の作製>
<下塗り層用塗布液11の作製>
以下の添加剤を水に溶解または分散させて下塗り層用塗布液11を作製した。
<下塗り層用塗布液11>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を下塗り層用塗布液11に変更し、塗布量を50mg/mに変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料13を得た。
<記録材料14の作製>
上記記録材料1の作製において、下塗り層用塗布液1を塗布しない以外は記録材料1と同様にして記録材料14を得た。
<記録材料15の作製>
下塗り層用塗布液1とインク受容層用塗布液1を同時重層塗布して記録材料15を得た。
以上のようにして得られた各々の記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<光沢感>
得られた各々の記録材料の白地部の光沢感をおおよそ30度の角度から目視観察し、下記の基準に従い光沢の評価を行った。
◎:銀塩写真並で光沢感に非常に優れる
○:銀塩写真並で光沢感に優れる
△:銀塩写真よりも少し鈍い光沢感である
×:銀塩写真よりも光沢感が劣る
<下塗り層の塗布性>
下塗り層を塗布する際に、問題なく塗布できるかについて評価した。
○:均一に塗布できた。
△:やや均一性に劣る。
×:均一に塗布できなかった。
<インク受容層の塗層割れ>
下塗り層上にインク受容層を塗布、乾燥した後、得られた塗布面に割れなどが生じていないか観察した。
○:割れなどの故障がみられない。
×:割れなどの故障がみられる。
Figure 2012143976
表中、(−−)は、下塗り層を塗布しなかった、あるいは下塗り層用塗布液とインク受容層用塗布液を同時重層塗布したため、下塗り層の塗布性を評価しなかったことを表す。
以上の結果から、本発明によれば塗層割れのない高い光沢感を有したインクジェット記録材料を提供することが可能となる。

Claims (1)

  1. 非吸収性支持体上に、ガラス転移温度が17〜40℃である水分散性樹脂、白色顔料、および低級アルコールを含有する下塗り層用塗布液を塗布し、その後、該下塗り層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有し、かつバインダーとしてポリビニルアルコールまたはその誘導体を含有するインク受容層用塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
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