JP2012141594A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視領域内の最大反射率を0.4%以下に低減する。
【解決手段】反射防止膜は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下となる表面層を備えている。また、反射防止膜は、表面層と基板との間に交互に積層配置された高屈折率層及び低屈折率層を備えている。そして、反射防止膜は、これら表面層、高屈折率層及び低屈折率層により計層数が7層以上11層以下で構成されている。高屈折率層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下となる材料で形成されている。低屈折率層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下となる材料で形成されている。そして、可視領域内の最大反射率が0.4%以下となるように、各層の膜厚が設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スチルカメラ、ビデオカメラ、双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡など光学機器に搭載されるレンズ等の基板に適用される可視領域の反射防止膜及び反射防止膜を備えた光学素子に関するものである。
近年、光学機器の高機能化に伴い、レンズの高性能化の要求が高まっている。レンズの性能を高めるために反射防止膜が多くの光学系に導入されている。反射防止膜はレンズの表面反射を低減し、ゴーストやフレアを抑制する役割を担っている。
このようなレンズの高性能化の要求に対応するために、これまで様々な材料や膜厚を組み合わせた多層膜からなる反射防止膜の設計、成膜技術が進歩してきた。このような多層膜の反射防止膜として、反射防止性能を向上させるために、4層構造の反射防止膜であって、表面層を屈折率の低いフッ素系樹脂で形成したものや(特許文献1参照)、MgFで形成したもの(特許文献2参照)が提案されている。
特開平11−223706号公報 特開2005−284040号公報
上記従来の反射防止膜はいずれも薄膜の表面層に屈折率が1.2以上1.3以下のフッ素系樹脂やMgFの膜を形成し、反射率低減の改良がなされている。しかしながら、可視領域内での最大反射率は0.5%程度であり、これよりも反射率を可視領域全域に渡り低減し、レンズの高性能化の要求には不十分である。
そこで、本発明は、可視領域内で最大反射率が0.4%以下となる反射防止膜及び反射防止膜を備えた光学素子を提供することを目的とするものである。
本発明は、基板上に形成される7層構造の反射防止膜であって、空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層とし、前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、前記第2層、前記第4層及び前記第6層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、前記第3層、前記第5層及び前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、前記第1層から前記第7層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7としたとき、54[nm]≦d1≦125[nm]、10[nm]≦d2≦86[nm]、10[nm]≦d3≦24[nm]、26[nm]≦d4≦71[nm]、18[nm]≦d5≦41[nm]、27[nm]≦d6≦51[nm]、10[nm]≦d7≦21[nm]であることを特徴とする。
また、本発明は、基板上に形成される7層構造の反射防止膜であって、空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層とし、前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、前記第3層及び前記第5層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、前記第2層、前記第4層及び前記第6層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、前記第1層から前記第7層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7としたとき、83[nm]≦d1≦125[nm]、10[nm]≦d2≦24[nm]、10[nm]≦d3≦50[nm]、10[nm]≦d4≦60[nm]、10[nm]≦d5≦35[nm]、10[nm]≦d6≦40[nm]、10[nm]≦d7≦75[nm]であることを特徴とする。
本発明によれば、各屈折率層の膜厚を設定したことで、可視領域内で最大反射率が0.4%以下となり、従来よりも可視領域全域での反射率が低減する。
本発明の各実施形態に係る光学素子の断面図である。 本発明の各実施形態に係る反射防止膜の概略構成を示す説明図である。(a)は本発明の第1実施形態に係る7層構造の反射防止膜、(b)は本発明の第2実施形態に係る8層構造の反射防止膜、(c)は本発明の第3実施形態に係る9層構造の反射防止膜を示す図である。(d)は本発明の第4実施形態に係る10層構造の反射防止膜、(e)は本発明の第5実施形態に係る11層構造の反射防止膜を示す図である。 本発明の各実施形態に係る反射防止膜の概略構成を示す説明図である。(a),(b)は本発明の第6実施形態に係る7層構造の反射防止膜、(c)は本発明の第7実施形態に係る8層構造の反射防止膜、(d),(e)は本発明の第8実施形態に係る9層構造の反射防止膜を示す図である。(f)は本発明の第9実施形態に係る10層構造の反射防止膜を示す図である。 本発明の各実施形態に係る反射防止膜の概略構成を示す説明図である。(a),(b)は本発明の第10実施形態に係る11層構造の反射防止膜を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、光学素子の断面図である。図2〜図4は、本発明の各実施形態に係る反射防止膜の概略構成を示す説明図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、レンズ等の光学素子20は、基板Bと、基板Bに成膜された反射防止膜22と、を備えている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜22が設けられている。以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図2(a)は本発明の第1実施形態に係る7層構造の反射防止膜を示している。図2(a)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第1実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7が積層されて構成されている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第2層2、第4層4及び第6層6は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第3層3、第5層5及び第7層7は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
本第1実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第1実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第7層7の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第7層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、ガラスで形成された基板B上に高屈折率層である第7層7としてNbをスパッタリング法により成膜した。成膜はNbターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはAr50sccm、O70sccmを導入して行った。次に低屈折率層である第6層6としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを30sccm導入して行った。その後、NbとSiOを交互に成膜することで、第5層5〜第2層2を形成した。その後、テフロン(登録商標)AF2400を溶媒HFE7300に溶解した溶液を用いて、ディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層である第1層1として形成した。以下、第1層1から第7層7の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7とし、以下の表1に示すような膜厚構成で合計7層のサンプル1−1から1−5を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400nmでそれぞれNbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
また、ガラスで形成された基板B上に高屈折率層である第7層7として、Taをスパッタリング法により成膜した。成膜はTaターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはArを50sccm、Oを70sccm導入して行った。次に低屈折率層である第6層6としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを45sccm導入して行った。その後、TaとSiOを交互に成膜することで、第5層5〜第2層2を形成した。その後、ゾルゲル法でゾル液にはフッ酸と酢酸マグネシウムの混合液を用いスピンコート法によりMgF薄膜を第1層1として以下の表1に示すような膜厚構成で合計7層のサンプル1−6から1−11を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれTaが2.1、SiOが1.42、MgFが1.2であった。
サンプル1−1から1−11の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例1)
実施例1と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表1に示す膜厚構成でサンプル1−12から1−16を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表1に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
54[nm]≦d1≦125[nm]
10[nm]≦d2≦86[nm]
10[nm]≦d3≦24[nm]
26[nm]≦d4≦71[nm]
18[nm]≦d5≦41[nm]
27[nm]≦d6≦51[nm]
10[nm]≦d7≦21[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第2実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図2(b)は本発明の第2実施形態に係る8層構造の反射防止膜を示している。図2(b)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第2実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第3層3、第5層5及び第7層7は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層2、第4層4、第6層6及び第8層8は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
本第2実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第2実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第8層8の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第8層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例2)
まず、ガラスで形成された基板B上にNb、SiOを実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、7層形成した。その後、実施例1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第8層8の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8とし、以下の表2に示すような膜厚構成で合計8層のサンプル2−1から2−7を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれNbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
また、ガラスで形成された基板B上に実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、TaとSiOを交互に成膜し、7層形成した。その後、実施例1と同様にゾルゲル法でMgF薄膜を表2に示す膜厚構成で合計8層のサンプル2−8から2−15を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれTaが2.1、SiOが1.42、MgFが1.2であった。
サンプル2−1から2−15の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例2)
実施例2と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表2に示す膜厚構成でサンプル2−16から2−21を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表2に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
86[nm]≦d1≦133[nm]
10[nm]≦d2≦21[nm]
25[nm]≦d3≦70[nm]
10[nm]≦d4≦53[nm]
10[nm]≦d5≦58[nm]
10[nm]≦d6≦60[nm]
10[nm]≦d7≦55[nm]
10[nm]≦d8≦18[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第3実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図2(c)は本発明の第3実施形態に係る9層構造の反射防止膜を示している。図2(c)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第3実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8、第9層9が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第2層2、第4層4、第6層6及び第8層8は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第3層3、第5層5、第7層7及び第9層9は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
本第3実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第3実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第9層9の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第9層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例3)
まず、ガラスで形成された基板B上にNb、SiOを実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、8層形成した。その後、実施例1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第9層9の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9とし、以下の表3に示すような膜厚構成で合計9層のサンプル3−1から3−8を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれNbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
また、ガラスで形成された基板B上に実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、TaとSiOを交互に成膜し、8層形成した。その後、実施例1と同様にゾルゲル法でMgF薄膜を表3に示す膜厚構成で合計9層のサンプル3−9から3−16を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれTaが2.1、SiOが1.42、MgFが1.2であった。
サンプル3−1から3−16の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定すると全て0.4%以下となった。
(比較例3)
実施例3と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表3に示す膜厚構成でサンプル3−17から3−22を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表3に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
49[nm]≦d1≦119[nm]
10[nm]≦d2≦82[nm]
10[nm]≦d3≦28[nm]
10[nm]≦d4≦64[nm]
10[nm]≦d5≦129[nm]
10[nm]≦d6≦54[nm]
10[nm]≦d7≦62[nm]
10[nm]≦d8≦53[nm]
10[nm]≦d9≦20[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第4実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図2(d)は本発明の第4実施形態に係る10層構造の反射防止膜を示している。図2(d)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第4実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8、第9層9、第10層10が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第3層3、第5層5、第7層7及び第9層9は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層2、第4層4、第6層6、第8層8及び第10層10は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
本第4実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第4実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第10層10の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第10層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例4)
まず、ガラスで形成された基板B上にNb、SiOを実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、9層形成した。その後、実施例1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第10層10の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10とし、以下の表4に示すような膜厚構成で合計10層のサンプル4−1から4−8を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれNbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
また、ガラスで形成された基板B上に実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、TaとSiOを交互に成膜し、8層形成した。その後、実施例1と同様にゾルゲル法でMgF薄膜を表4に示す膜厚構成で合計10層のサンプル4−9から4−17を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれTaが2.1、SiOが1.42、MgFが1.2であった。
サンプル4−1から4−17の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例4)
実施例4と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表4に示す膜厚構成でサンプル4−18から4−23を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表2に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
82[nm]≦d1≦124[nm]
10[nm]≦d2≦20[nm]
10[nm]≦d3≦75[nm]
10[nm]≦d4≦124[nm]
10[nm]≦d5≦72[nm]
10[nm]≦d6≦140[nm]
10[nm]≦d7≦74[nm]
10[nm]≦d8≦57[nm]
10[nm]≦d9≦58[nm]
10[nm]≦d10≦21[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第5実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図2(e)は本発明の第5実施形態に係る11層構造の反射防止膜を示している。図2(e)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第5実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8、第9層9、第10層10、第11層11が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第2層2、第4層4、第6層6、第8層8及び第10層10は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第3層3、第5層5、第7層7、第9層9及び第11層11は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
本第5実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第5実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第11層11の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第11層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例5)
まず、ガラスで形成された基板B上にNb、SiOを実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、10層形成した。その後、実施例1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第11層11の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11とし、以下表5に示すような膜厚構成で合計11層のサンプル5−1から5−10を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれNbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
また、ガラスで形成された基板B上に実施例1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、TaとSiOを交互に成膜し、10層形成した。その後、実施例1と同様にゾルゲル法でMgF薄膜を表5に示す膜厚構成で合計11層のサンプル5−11から5−21を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれTaが2.1、SiOが1.42、MgFが1.2であった。
サンプル5−1から5−21の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例5)
実施例5と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表5に示す膜厚構成でサンプル5−22から5−27を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表5に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
53[nm]≦d1≦117[nm]
10[nm]≦d2≦69[nm]
10[nm]≦d3≦29[nm]
10[nm]≦d4≦64[nm]
10[nm]≦d5≦135[nm]
10[nm]≦d6≦52[nm]
10[nm]≦d7≦140[nm]
10[nm]≦d8≦50[nm]
10[nm]≦d9≦56[nm]
10[nm]≦d10≦60[nm]
10[nm]≦d11≦20[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第6実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図3(a)は本発明の第6実施形態に係る7層構造の反射防止膜を示している。図3(a)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第6実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層16−1、第2層26−1、第3層36−1、第4層46−1、第5層56−1、第6層66−1、第7層76−1が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層16−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第3層36−1及び第5層56−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層26−1、第4層46−1及び第6層66−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第7層76−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
また、図3(b)は、図3(a)の反射防止膜とは異なる7層構造の反射防止膜を示している。図3(b)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。図3(b)に示す反射防止膜は、空気側から基板B側に向かって順に第1層16−2、第2層26−2、第3層36−2、第4層46−2、第5層56−2、第6層66−2、第7層76−2が積層されて構成されている。基板Bは、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるの透明ガラス基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層16−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.22以上1.26以下の表面層である。この表面層は、中空シリカ粒子を含有し、中空シリカ粒子が重合性バインダ中に分散されて形成された中空シリカ層である。
第3層36−2及び第5層56−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層26−2、第4層46−2及び第6層66−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第7層76−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
本第6実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板上に、真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより、中屈折率層を形成し、高屈折率層と低屈折率層とを交互に形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第6実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように図3(a)に示す第1層16−1から第7層76−1の膜厚を設定したものである。更に、図3(a)に示す反射防止膜よりも低反射率の反射防止膜として、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となるように図3(b)に示す第1層16−2から第7層76−2の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第7層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例6−1)
まず、ガラスで形成された基板B上に中屈折率層である第7層76−1としてAlをスパッタリング法により成膜した。成膜はAlターゲットにDC電源を用いて500W印加し、ガスはArを140sccm、Oを14sccm導入して行った。次に高屈折率層である第6層66−1としてNbをスパッタリング法により成膜した。成膜はNbターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはArを50sccm、Oを70sccm導入して行った。次に低屈折率層である第5層56−1としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを30sccm導入して行った。その後、NbとSiOを交互に成膜することで第4層46−1〜第2層26−1を形成した。その後、テフロン(登録商標)AF2400を溶媒HFE7300に溶解した溶液を用いて、ディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層である第1層16−1として形成した。以下、第1層16−1から第7層76−1の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7とし、以下の表6に示すような膜厚構成で合計7層のサンプル6−1から6−17を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Nbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
サンプル6−1から6−17の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(実施例6−2)
実施例6−2では、実施例6−1のサンプル6−1から6−17と同じ層数で、基板および膜材料を異ならせた。実施例6−2では、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるガラスで形成された基板B(OHARA製 S−LAH60)を用いた。この基板B上に中屈折率層である第7層76−2としてAlをスパッタリング法により成膜した。成膜はAlターゲットにDC電源を用いて500W印加し、ガスはArを140sccm、Oを14sccm導入して行った。次に高屈折率層である第6層66−2としてTaをスパッタリング法により成膜した。成膜はTaターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはArを50sccm、Oを70sccm導入して行った。次に低屈折率層である第5層56−2としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを30sccm導入して行った。その後、TaとSiOを交互に成膜することで、第4層46−2〜第2層26−2を形成した。その後、平均粒子径が10[nm]以上50[nm]以下の中空シリカ粒子と重合性バインダとを含有する塗布液をスピンコート法により塗布後、熱硬化させ、中空シリカ層を表面層である第1層16−2として形成した。以下、第1層16−2から第7層76−2の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7とし、以下の表6の6−18から6−21に示す膜厚構成で合計7層のサンプルを作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Taが2.27、SiOが1.47、中空シリカが1.26であった。
表6のサンプル6−18から6−21の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.2%以下となった。
(比較例6)
実施例6と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表6に示す膜厚構成で比較例サンプル6−22から6−27を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表6に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
83[nm]≦d1≦125[nm]
10[nm]≦d2≦24[nm]
10[nm]≦d3≦50[nm]
10[nm]≦d4≦60[nm]
10[nm]≦d5≦35[nm]
10[nm]≦d6≦40[nm]
10[nm]≦d7≦75[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
また、表6に示すように、第1層16ー2を中空シリカ層とし、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となることが判明した。反射防止膜は、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88である基板B上に形成した。
110[nm]≦d1≦121[nm]
10[nm]≦d2≦23[nm]
10[nm]≦d3≦44[nm]
10[nm]≦d4≦60[nm]
10[nm]≦d5≦32[nm]
17[nm]≦d6≦34[nm]
10[nm]≦d7≦20[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が更に低い0.2%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ、更に良好な光学特性を示した。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第7実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図3(c)は本発明の第7実施形態に係る8層構造の反射防止膜を示している。図3(c)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第7実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第2層2、第4層4及び第6層6は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第3層3、第5層5及び第7層7は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第8層8は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
本第7実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより、中屈折率層を形成し、高屈折率層と低屈折率層とを交互に形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第7実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第8層8の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第8層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例7)
ガラスで形成された基板B上にまずAl、続いてNb、SiOを実施例6−1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、7層形成した。その後、実施例6−1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第8層8の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8とし、以下表7に示す膜厚構成で合計8層のサンプル7−1から7−9を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Nbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
サンプル7−1から7−9の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例7)
実施例7と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表7に示す膜厚構成でサンプル7−10から7−13を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表7に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
74[nm]≦d1≦96[nm]
10[nm]≦d2≦25[nm]
10[nm]≦d3≦19[nm]
10[nm]≦d4≦34[nm]
10[nm]≦d5≦34[nm]
10[nm]≦d6≦35[nm]
10[nm]≦d7≦32[nm]
10[nm]≦d8≦74[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第8実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図3(d)は本発明の第8実施形態に係る9層構造の反射防止膜を示している。図3(d)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第8実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層18−1、第2層28−1、第3層38−1、第4層48−1、第5層58−1、第6層68−1、第7層78−1、第8層88−1、第9層98−1が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層18−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第3層38−1、第5層58−1及び第7層78−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層28−1、第4層48−1、第6層68−1及び第8層88−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第9層98−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
また、図3(e)は、図3(d)の反射防止膜とは異なる9層構造の反射防止膜を示している。図3(e)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。図3(e)に示す反射防止膜は、空気側から基板B側に向かって順に第1層18−2、第2層28−2、第3層38−2、第4層48−2、第5層58−2、第6層68−2、第7層78−2、第8層88−2、第9層98−2が積層されて構成されている。基板Bは、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるの透明ガラス基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層18−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.22以上1.26以下の表面層である。この表面層は、中空シリカ粒子を含有し、中空シリカ粒子が重合性バインダ中に分散されて形成された中空シリカ層である。
第3層38−2及び第5層58−2及び第7層78−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層28−2、第4層48−2及び第6層68−2及び第8層88−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第9層98−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
本第8実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板上に、真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより、中屈折率層を形成し、高屈折率層と低屈折率層とを交互に形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第8実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層18−1から第9層98−1の膜厚を設定したものである。更に、図3(d)に示す反射防止膜よりも低反射率の反射防止膜として、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となるように図3(e)に示す第1層18−2から第9層98−2の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第9層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例8−1)
ガラスで形成された基板B上にまずAl、続いてNb、SiOを実施例6−1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、8層形成した。その後、実施例6−1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層18−1から第9層98−1の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9とし、以下表8に示す膜厚構成で合計9層のサンプル8−1から8−11を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Nbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
サンプル8−1から8−11の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(実施例8−2)
実施例8−2では、実施例8−1のサンプル8−1から8−11と同様の9層構成の多層膜で、基板および膜材料を異ならせた。実施例8−2では、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるガラスで形成された基板B(OHARA製 S−LAH60)を用いた。この基板B上に、まず中屈折率層である第9層98−2としてAlをスパッタリング法により成膜した。成膜はAlターゲットにDC電源を用いて500W印加し、ガスはArを140sccm、Oを14sccm導入して行った。次に高屈折率層である第8層88−2としてTaをスパッタリング法により成膜した。成膜はTaターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはArを50sccm、Oを70sccm導入して行った。次に低屈折率層である第7層78−2としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを30sccm導入して行った。その後、TaとSiOを交互に成膜することで、第6層68−2〜第2層28−2を形成した。その後、平均粒子径が10[nm]以上50[nm]以下の中空シリカ粒子と重合性バインダとを含有する塗布液をスピンコート法により塗布後大気中で200℃で熱硬化させ、中空シリカ層を表面層である第1層18−2として形成した。以下、第1層18−2から第9層98−2の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9とし、以下の表8の8−12から8−14に示す膜厚構成で合計9層サンプルを作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400nmでそれぞれAlが1.78、Taが2.27、SiOが1.47、中空シリカが1.26であった。
表8のサンプル8−12から8−14の波長400nmから700nmまでの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.2%以下となった。
(比較例8)
実施例8と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表8に示す膜厚構成でサンプル8−15から8−19を作成し、波長400nmから700nmまでの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表8に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
85[nm]≦d1≦120[nm]
10[nm]≦d2≦21[nm]
10[nm]≦d3≦37[nm]
10[nm]≦d4≦46[nm]
10[nm]≦d5≦35[nm]
10[nm]≦d6≦78[nm]
10[nm]≦d7≦37[nm]
10[nm]≦d8≦29[nm]
10[nm]≦d9≦72[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
また、表8に示すように、第1層18ー2を中空シリカ層とし、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となることが判明した。反射防止膜は、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88である基板B上に形成した。
105[nm]≦d1≦112[nm]
10[nm]≦d2≦20[nm]
12[nm]≦d3≦31[nm]
13[nm]≦d4≦46[nm]
10[nm]≦d5≦32[nm]
37[nm]≦d6≦60[nm]
15[nm]≦d7≦37[nm]
19[nm]≦d8≦29[nm]
10[nm]≦d9≦50[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が更に低い0.2%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ、更に良好な光学特性を示した。
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第9実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図3(f)は本発明の第9実施形態に係る10層構造の反射防止膜を示している。図3(f)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第9実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板B側に向かって順に第1層1、第2層2、第3層3、第4層4、第5層5、第6層6、第7層7、第8層8、第9層9、第10層10が積層されて構成されている。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第2層2、第4層4、第6層6及び第8層8は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第3層3、第5層5、第7層7及び第9層9は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第10層10は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
本第9実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板B上に、真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより、中屈折率層を形成し、高屈折率層と低屈折率層とを交互に形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第9実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように第1層1から第10層10の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第10層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例9)
ガラスで形成された基板B上にまずAl、続いてNb、SiOを実施例6−1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、9層形成した。その後、実施例6−1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層1から第10層10の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10とし、以下表9に示す膜厚構成で合計10層のサンプル9−1から9−10を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Nbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
サンプル9−1から9−10の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(比較例9)
実施例9と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表9に示す膜厚構成でサンプル9−11から9−16を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表9に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
79[nm]≦d1≦95[nm]
10[nm]≦d2≦14[nm]
10[nm]≦d3≦20[nm]
10[nm]≦d4≦44[nm]
10[nm]≦d5≦29[nm]
10[nm]≦d6≦19[nm]
10[nm]≦d7≦77[nm]
10[nm]≦d8≦32[nm]
10[nm]≦d9≦13[nm]
10[nm]≦d10≦46[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態の光学素子における反射防止膜について説明する。なお、本第10実施形態の光学素子は、上記第1実施形態と同様、図1に示すような構成であるが、反射防止膜22の構成が異なるものであり、以下、反射防止膜22について詳細に説明する。図4(a)は本発明の第10実施形態に係る11層構造の反射防止膜を示している。図4(a)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。本第10実施形態の反射防止膜22は、空気側から基板側に向かって順に第1層110−1〜第11層1110−1が積層されてなる。基板Bは、ガラス、合成石英、樹脂などの透明基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層110−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、材料としては、テフロン(登録商標)を代表とするフッ素系樹脂やMgFなどを用いる。
第3層310−1、第5層510−1、第7層710−1及び第9層910−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層210−1、第4層410−1、第6層610−1、第8層810−1及び第10層1010−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第11層1110−1は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
また、図4(b)は、図4(a)の反射防止膜とは異なる11層構造の反射防止膜を示している。図4(b)に示す反射防止膜は、基板B上に形成されている。図4(b)に示す反射防止膜は、空気側から基板B側に向かって順に第1層110−2〜第11層111−2が積層されて構成されている。基板Bは、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるの透明ガラス基板であり、この基板B上に反射防止膜が設けられている。
空気側に最も近い第1層110−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.22以上1.26以下の表面層である。この表面層は、中空シリカ粒子を含有し、中空シリカ粒子が重合性バインダ中に分散されて形成された中空シリカ層である。
第3層310−2及び第5層510−2及び第7層710−2及び第9層910−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層である。この低屈折率層はSiOを主成分としている。
第2層210−2、第4層410−2及び第6層610−2及び第8層810−2及び第10層1010−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層である。この高屈折率層は、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y、ITOのうちのいずれか1種類以上の材料を含んでいればよいが、いずれか1種類の材料を主成分としているのが好ましい。
第11層1110−2は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層である。この中屈折率層は、Alを主成分としている。この中屈折率層の材料であるAlは、外気からの水分や空気を遮断する機能を有するため、中屈折率層は、反射防止膜の使用環境が高温高湿などの耐久性が必要な場合に導入する。
本第10実施形態の反射防止膜の形成方法は、まず、合成石英や光学ガラスなどの透明基板上に、真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、ディップ法などにより、中屈折率層を形成し、高屈折率層と低屈折率層とを交互に形成する。その後に表面層を選択する材料に応じて、ディップ法、スピンコート法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成する。
本第10実施形態では、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となるように図4(a)に示す第1層110−1から第11層1110−1の膜厚を設定したものである。更に、図4(a)に示す反射防止膜よりも低反射率の反射防止膜として、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となるように図4(b)に示す第1層110−2から第11層1110−2の膜厚を設定したものである。以下、第1層から第11層の膜厚の範囲について実験結果を挙げて説明する。
(実施例10−1)
ガラスで形成された基板B上にまずAl、続いてNb、SiOを実施例6−1と同じ印加電力、ガス圧でスパッタリング法により、NbとSiOを交互に成膜し、10層形成した。その後、実施例6−1と同様にディップコート法により、フッ素系樹脂膜を表面層として形成した。以下、第1層110−1から第11層1110−1の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11とし、以下表10に示す膜厚構成で合計11層のサンプル10−1から10−10を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Nbが2.4、SiOが1.5、フッ素系樹脂が1.3であった。
サンプル10−1から10−10の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%以下となった。
(実施例10−2)
実施例10−2では、実施例10−1のサンプル10−1から10−10と同様の11層構成の多層膜で、基板および膜材料を異ならせた。実施例10−2では、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88であるガラスで形成された基板B(OHARA製 S−LAH60)を用いた。この基板B上に、まず中屈折率層である第11層1110−2としてAlをスパッタリング法により成膜した。成膜はAlターゲットにDC電源を用いて500W印加し、ガスはArを140sccm、Oを14sccm導入して行った。次に高屈折率層である第10層1010−2としてTaをスパッタリング法により成膜した。成膜はTaターゲットにDC電源を用いて400W印加し、ガスはArを50sccm、Oを70sccm導入して行った。次に低屈折率層である第9層910−2としてSiOをスパッタリング法により成膜した。成膜はSiターゲットにDC電源を用いて600W印加し、ガスはArを150sccm、Oを30sccm導入して行った。その後、TaとSiOを交互に成膜することで、第8層810−2〜第2層210−2を形成した。その後、平均粒子径が10[nm]以上50[nm]以下の中空シリカ粒子と重合性バインダとを含有する塗布液をスピンコート法により塗布後、大気中で200℃で熱硬化させ、中空シリカ層を表面層である第1層110−2として形成した。以下、第1層110−2から第11層1110−2の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11とし、以下の表10に示すような膜厚構成で合計11層のサンプル10−11から10−14を作成した。成膜した各層の屈折率は、波長400[nm]でそれぞれAlが1.78、Taが2.27、SiOが1.47、中空シリカが1.26であった。
サンプル10−11から10−14の波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.2%以下となった。
(比較例10)
実施例10と同様の多層膜を、膜厚を変えて成膜し、表10に示す膜厚構成でサンプル10−15から10−21を作成し、波長400[nm]から700[nm]までの可視領域の反射率を分光光度計により測定し、その波長域内での最大反射率を測定した。その結果、全て0.4%よりも大きくなった。
Figure 2012141594
以上、表10に示す実験結果から、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.4%以下となることが判明した。
92[nm]≦d1≦105[nm]
10[nm]≦d2≦21[nm]
10[nm]≦d3≦30[nm]
10[nm]≦d4≦27[nm]
10[nm]≦d5≦32[nm]
10[nm]≦d6≦57[nm]
10[nm]≦d7≦23[nm]
10[nm]≦d8≦39[nm]
13[nm]≦d9≦37[nm]
10[nm]≦d10≦13[nm]
10[nm]≦d11≦46[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が従来の0.5%よりも低い0.4%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ良好な光学特性を示した。
また、表10に示すように、第1層110ー2を中空シリカ層とし、各膜厚を以下の範囲に設定することで、反射防止膜の可視領域内での最大反射率が0.2%以下となることが判明した。反射防止膜は、波長400[nm]から700[nm]の領域で屈折率が1.83から1.88である基板B上に形成した。
94[nm]≦d1≦105[nm]
10[nm]≦d2≦17[nm]
23[nm]≦d3≦30[nm]
20[nm]≦d4≦27[nm]
14[nm]≦d5≦20[nm]
42[nm]≦d6≦57[nm]
13[nm]≦d7≦23[nm]
22[nm]≦d8≦31[nm]
13[nm]≦d9≦20[nm]
10[nm]≦d10≦13[nm]
10[nm]≦d11≦35[nm]
つまり、各膜厚を上記の範囲に設定することで、反射防止膜の反射率が更に低い0.2%以下に低減する。以上の反射防止膜を備えた光学素子20(図1参照)を作成したところ、更に良好な光学特性を示した。
〜110−2…第1層、2〜210−2…第2層、3〜310−2…第3層、4〜410−2…第4層、5〜510−2…第5層、6〜610−2…第6層、7〜710−2…第7層、8〜8,8〜810−2…第8層、9〜9,98−1〜910−2…第9層、10,10,10,1010−1,1010−2…第10層、11,1110−1,1110−2…第11層、20…光学素子、21…基板、22…反射防止膜

Claims (16)

  1. 基板上に形成される7層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第2層、前記第4層及び前記第6層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第3層、前記第5層及び前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第1層から前記第7層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7としたとき、
    54[nm]≦d1≦125[nm]
    10[nm]≦d2≦86[nm]
    10[nm]≦d3≦24[nm]
    26[nm]≦d4≦71[nm]
    18[nm]≦d5≦41[nm]
    27[nm]≦d6≦51[nm]
    10[nm]≦d7≦21[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  2. 基板上に形成される8層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第3層、前記第5層及び前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層及び前記第8層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第1層から前記第8層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8としたとき、
    86[nm]≦d1≦133[nm]
    10[nm]≦d2≦21[nm]
    25[nm]≦d3≦70[nm]
    10[nm]≦d4≦53[nm]
    10[nm]≦d5≦58[nm]
    10[nm]≦d6≦60[nm]
    10[nm]≦d7≦55[nm]
    10[nm]≦d8≦18[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  3. 基板上に形成される9層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層及び前記第8層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第3層、前記第5層、前記第7層及び前記第9層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第1層から前記第9層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9としたとき、
    49[nm]≦d1≦119[nm]
    10[nm]≦d2≦82[nm]
    10[nm]≦d3≦28[nm]
    10[nm]≦d4≦64[nm]
    10[nm]≦d5≦129[nm]
    10[nm]≦d6≦54[nm]
    10[nm]≦d7≦62[nm]
    10[nm]≦d8≦53[nm]
    10[nm]≦d9≦20[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  4. 基板上に形成される10層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層、第10層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第3層、前記第5層、前記第7層及び前記第9層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層、前記第8層及び前記第10層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第1層から前記第10層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10としたとき、
    82[nm]≦d1≦124[nm]
    10[nm]≦d2≦20[nm]
    10[nm]≦d3≦75[nm]
    10[nm]≦d4≦124[nm]
    10[nm]≦d5≦72[nm]
    10[nm]≦d6≦140[nm]
    10[nm]≦d7≦74[nm]
    10[nm]≦d8≦57[nm]
    10[nm]≦d9≦58[nm]
    10[nm]≦d10≦21[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  5. 基板上に形成される11層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層、第10層、第11層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層、前記第8層及び前記第10層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第3層、前記第5層、前記第7層、前記第9層及び前記第11層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第1層から前記第11層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11としたとき、
    53[nm]≦d1≦117[nm]
    10[nm]≦d2≦69[nm]
    10[nm]≦d3≦29[nm]
    10[nm]≦d4≦64[nm]
    10[nm]≦d5≦135[nm]
    10[nm]≦d6≦52[nm]
    10[nm]≦d7≦140[nm]
    10[nm]≦d8≦50[nm]
    10[nm]≦d9≦56[nm]
    10[nm]≦d10≦60[nm]
    10[nm]≦d11≦20[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  6. 前記表面層が、フッ素系樹脂及びMgFのうちのいずれかの材料を主成分として形成され、
    前記低屈折率層が、SiOを主成分として形成され、
    前記高屈折率層が、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y及びITOのうちのいずれかの材料を主成分として形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  7. 基板上に形成される7層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第3層及び前記第5層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第2層、前記第4層及び前記第6層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、
    前記第1層から前記第7層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7としたとき、
    83[nm]≦d1≦125[nm]
    10[nm]≦d2≦24[nm]
    10[nm]≦d3≦50[nm]
    10[nm]≦d4≦60[nm]
    10[nm]≦d5≦35[nm]
    10[nm]≦d6≦40[nm]
    10[nm]≦d7≦75[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  8. 基板上に形成される8層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第2層、前記第4層及び前記第6層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第3層、前記第5層及び前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第8層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、
    前記第1層から前記第8層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8としたとき、
    74[nm]≦d1≦96[nm]
    10[nm]≦d2≦25[nm]
    10[nm]≦d3≦19[nm]
    10[nm]≦d4≦34[nm]
    10[nm]≦d5≦34[nm]
    10[nm]≦d6≦35[nm]
    10[nm]≦d7≦32[nm]
    10[nm]≦d8≦74[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  9. 基板上に形成される9層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第3層、前記第5層及び前記第7層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層及び前記第8層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第9層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、
    前記第1層から前記第9層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9としたとき、
    85[nm]≦d1≦120[nm]
    10[nm]≦d2≦21[nm]
    10[nm]≦d3≦37[nm]
    10[nm]≦d4≦46[nm]
    10[nm]≦d5≦35[nm]
    10[nm]≦d6≦78[nm]
    10[nm]≦d7≦37[nm]
    10[nm]≦d8≦29[nm]
    10[nm]≦d9≦72[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  10. 基板上に形成される10層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層、第10層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層及び前記第8層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第3層、前記第5層、前記第7層及び前記第9層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第10層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、
    前記第1層から前記第10層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10としたとき、
    79[nm]≦d1≦95[nm]
    10[nm]≦d2≦14[nm]
    10[nm]≦d3≦20[nm]
    10[nm]≦d4≦44[nm]
    10[nm]≦d5≦29[nm]
    10[nm]≦d6≦19[nm]
    10[nm]≦d7≦77[nm]
    10[nm]≦d8≦32[nm]
    10[nm]≦d9≦13[nm]
    10[nm]≦d10≦46[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  11. 基板上に形成される11層構造の反射防止膜であって、
    空気側から前記基板側に向かって順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層、第10層、第11層とし、
    前記第1層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.2以上1.3以下の表面層であり、
    前記第3層、前記第5層、前記第7層及び前記第9層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.42以上1.5以下の低屈折率層であり、
    前記第2層、前記第4層、前記第6層及び前記第8層及び第10層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が2.1以上2.4以下の高屈折率層であり、
    前記第11層は、波長400[nm]から700[nm]の範囲における屈折率が1.6以上1.8以下の中屈折率層であり、
    前記第1層から前記第11層の膜厚をそれぞれd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11としたとき、
    92[nm]≦d1≦105[nm]
    10[nm]≦d2≦21[nm]
    10[nm]≦d3≦30[nm]
    10[nm]≦d4≦27[nm]
    10[nm]≦d5≦32[nm]
    10[nm]≦d6≦57[nm]
    10[nm]≦d7≦23[nm]
    10[nm]≦d8≦39[nm]
    13[nm]≦d9≦37[nm]
    10[nm]≦d10≦13[nm]
    10[nm]≦d11≦46[nm]
    であることを特徴とする反射防止膜。
  12. 前記表面層が、フッ素系樹脂及びMgFうちいずれかの材料を主成分として形成されていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  13. 前記表面層が、バインダ中に中空シリカ粒子を分散させて形成されていることを特徴とする請求項7、9又は11のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  14. 前記中空シリカ粒子の粒子径が10[nm]以上50[nm]以下であることを特徴とする請求項13に記載の反射防止膜。
  15. 前記低屈折率層が、SiOを主成分として形成され、
    前記高屈折率層が、Nb、Ta、TiO、ZrO、HfO、CeO、SnO、In、ZnO、Y及びITOのうちのいずれかの材料を主成分として形成され、
    前記中屈折率層が、Alを主成分として形成されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の反射防止膜を備えた光学素子。
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