JP2012141518A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性を維持しつつ光源ユニットを交換することができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 光源ユニットは、光源と、カップリングレンズと、ホルダとを有している。ホルダは、光源側基準部を有する腕部14と、光源保持部と、嵌合部と、レンズ保持部とから構成されている。光学ハウジングの壁板には、嵌合部が挿入される開口と、光源側基準部と対向する位置決め基準面を有するストッパ20が設けられている。そして、光源側基準部と位置決め基準面との間にシート状の調整部材22を挿入しながら光源ユニットの回転調整が行われる。
【選択図】図31

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光束により被走査面を走査する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザ光を用いたプリンタやデジタル複写機などの画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は光走査装置を備え、感光性を有するドラム(以下、「感光体ドラム」ともいう)の軸方向に光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)を用いてレーザ光を走査しつつ、感光体ドラムを回転させ、感光体ドラムの表面(被走査面)に潜像を形成する方法が一般的である。
このような電子写真の分野では、画像品質を向上させるために画像の高密度化、及び操作性を向上させるために画像出力の高速化が画像形成装置に求められている。上記高密度化と高速化を両立させる方法の一つとして、複数の光で同時に走査するいわゆるマルチビーム化が考えられた。
但し、複数の光が感光体ドラムの表面に照射される際に、それらの副走査方向に関する間隔(ピッチ)が所望の間隔からずれていると、形成される画像の品質低下を招くおそれがあった。
例えば、特許文献1には、筐体とマルチビーム光源装置との間に挿入され、被走査面上の副走査方向のビームピッチを調整する板状の調整部材を備えるマルチビーム走査装置が開示されている。
また、特許文献2には、半導体レーザを保持する保持部材と半導体レーザからの光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された光束を所定面上に集光するレンズと、半導体レーザ保持部材と偏向器とレンズが取り付けられる光学箱を有し、光学箱には半導体レーザ保持部材の回動角度を規制する手段が取り付けられている走査光学装置が開示されている。
また、特許文献3には、複数個の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段とを保持するホルダとを有し、該ホルダは板状基部と棚状部とを有する一体構造で、棚状部に複数のカップリングレンズとビーム合成手段とを固設され、棚状部が、板状基部における棚状部幅方向の弾性変形を防止するようにしたマルチビーム走査装置の光源ユニットが開示されている。
また、特許文献4には、発光部とカップリングレンズは一つのベース部材の上に保持されていて、副走査方向において角度を調整するための角度調整機構が設けられている光走査用光源装置が開示されている。
従来、マルチビームに対応した光走査装置では、各部品の製造誤差や組付け誤差に起因するビームピッチのずれ、及び走査線曲がり/傾きを補正するため、光源ユニットを組付ける際に射出軸周りの回転調整を行っていた。
しかし、組付け調整は0.1mm以下の精度で行われているため、光源ユニットが故障し、該光源ユニットを取り外してしまうと、調整値が判らなくなり、客先で光源ユニットを交換した後に、正確に初期の組付け状態を再現することは困難であった。すなわち、光源ユニットの交換のみで所望の光学特性を維持するのは難しく、光走査装置ごと交換しなければならないという不都合があった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、光学特性を維持しつつ光源ユニットを交換することができる光走査装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、被走査面を複数の光束で主走査方向に走査する光走査装置であって、複数の発光部、アーム及び嵌合部を有する光源ユニットと;前記光源ユニットからの光束を偏向する光偏向器と;前記光偏向器で偏向された光束を前記被走査面に導く走査光学系と;前記嵌合部が挿入される開口部、及び前記アームが突き当てられ、前記光源ユニットの回転を制限するストッパを有する光学ハウジングと;を備える光走査装置である。
これによれば、光学特性を維持しつつ光源ユニットを交換することができる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体を画像データに応じて変調された光束により走査する本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、結果として、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置を説明するための図(その1)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その2)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その3)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その4)である。 光源に含まれる面発光レーザアレイを説明するための図である。 面発光レーザアレイにおける複数の発光部の配列を説明するための図である。 図8(A)及び図8(B)は、それぞれ液晶偏向素子を説明するための図である。 光走査装置における主要な光学素子の位置関係を説明するための図である。 図9における具体例を説明するための図である。 第1走査レンズの光学面形状を説明するための図である。 第2走査レンズの光学面形状を説明するための図である。 図13(A)及び図13(B)は、それぞれ第2走査レンズの形状を説明するための図である。 第2走査レンズを保持する板金部材を説明するための図である。 第2走査レンズが板金部材に保持されている状態を説明するための図である。 板ばねを説明するための図である。 図15のA−A断面図である 第2走査レンズが装着された板金部材の光学ハウジングへの保持を説明するための図である。 調整ねじの突出し量を調整するためのステッピングモータを説明するための図である。 走査制御装置の構成を説明するためのブロック図である。 図21(A)及び図21(B)は、それぞれ光源ユニットを説明するための図である。 光学ハウジングにおける光源ユニットが組み付けられる壁板を説明するための図である。 光源ユニットの嵌合部が光学ハウジングの開口に挿入された状態を説明するための図である。 光源ユニットの回動を説明するための図である。 光源ユニットの回動による面発光レーザアレイにおける副走査発光部間隔の変化を説明するための図である。 光学ハウジングのストッパを説明するための図である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その1)である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その2)である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その3)である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その4)である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その5)である。 光源ユニットの回転調整を説明するための図(その6)である。 図33(A)及び図33(B)は、それぞれ光源側基準部の変形例を説明するための図である。 光源ユニットの交換を説明するための図(その1)である。 光源ユニットの交換を説明するための図(その2)である。 光源ユニットの交換を説明するための図(その3)である。 光源ユニットの交換を説明するための図(その4)である。 図38(A)及び図38(B)は、それぞれストッパの変形例を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図37に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、2つの光源ユニット(2200A、2200B)、2つの開口板(2202A、2202B)、2つの光束分割部材(2203A、2203B)、4つの液晶偏向素子(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つの第1走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの第2走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの同期ミラー(2110a、2110b、2110c、2110d)、4つの先端同期検知センサ(2111a、2111b、2111c、2111d)、及び走査制御装置3022(図2〜図5では図示省略、図20参照)などを備えている。そして、これらは、不図示の光学ハウジングに取り付けられている。
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源ユニット2200Aと光源ユニット2200Bは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。
各光源ユニットは、光源及びカップリングレンズをそれぞれ有している。
各光源は、いずれも、一例として図6に示されるように、同一基板上に32個の発光部が2次元的に配列されている面発光レーザアレイ100を有している。
32個の発光部は、図7に示されるように、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔(以下では、「副走査発光部間隔」ともいう)が等間隔d1となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
また、各発光部は、発振波長が780nm帯である。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。カップリングレンズを通過した光束が、各光源ユニットから射出される光束である。
開口板2202Aは、開口部を有し、光源ユニット2200Aから射出された光束を整形する。開口板2202Bは、開口部を有し、光源ユニット2200Bから射出された光束を整形する。
光束分割部材2203Aは、開口板2202Aの開口部を通過した光束の光路上に配置され、該光束を2つの光束に分割する。また、光束分割部材2203Bは、開口板2202Bの開口部を通過した光束の光路上に配置され、該光束を2つの光束に分割する。
各光束分割部材は、入射光束の半分を透過させ、残りを反射するハーフミラー面と、該ハーフミラー面で反射された光束の光路上にハーフミラー面に平行に配置された反射ミラー面とを有している。すなわち、各光束分割部材は、入射光束を互いに平行な2つの光束に分割する。
液晶偏向素子2205aは、光束分割部材2203Aからの2つの光束のうち−Z側の光束の光路上に配置され、液晶偏向素子2205bは、光束分割部材2203Aからの2つの光束のうち+Z側の光束の光路上に配置されている。
また、液晶偏向素子2205cは、光束分割部材2203Bからの2つの光束のうち+Z側の光束の光路上に配置され、液晶偏向素子2205dは、光束分割部材2203Bからの2つの光束のうち−Z側の光束の光路上に配置されている。
各液晶偏向素子は、印加電圧に応じて、入射光をZ軸方向に関して偏向することができる。各液晶偏向素子は、2枚の透明なガラス板の間に液晶が封入された構成であり、一例として図8(A)に示されるように、一方のガラス板の表面の上下に電極が形成されている。この電極間に電位差が与えられると、一例として図8(B)に示されるように、Z軸方向に関して電位の傾斜が発生し、それに応じて液晶の配向が変化し、その結果、Z軸方向に関して屈折率の傾斜が発生する。これにより、プリズムと同様に光の射出軸をZ軸方向に関してわずかに傾けることができる。なお、液晶としては誘電異方性を有するネマティック液晶等が用いられる。
シリンドリカルレンズ2204aは、液晶偏向素子2205aを介した光束の光路上に配置され、シリンドリカルレンズ2204bは、液晶偏向素子2205bを介した光束の光路上に配置されている。
シリンドリカルレンズ2204cは、液晶偏向素子2205cを介した光束の光路上に配置され、シリンドリカルレンズ2204dは、液晶偏向素子2205dを介した光束の光路上に配置されている。
各シリンドリカルレンズは、Z軸方向に強いパワーを有し、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に主走査対応方向に長い線像を形成する。
光源とポリゴンミラー2104との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。また、1段目の4面鏡と2段目の4面鏡との間には、溝が設けられており、風損を低減した形状となっている。各4面鏡の厚さは約2mmである。
シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
第1走査レンズ2105a及び第1走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、第1走査レンズ2105c及び第1走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、第1走査レンズ2105aと第1走査レンズ2105bはZ軸方向に積層され、第1走査レンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、第1走査レンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。なお、第1走査レンズ2105aと第1走査レンズ2105bは、一体成形されても良い。
また、第1走査レンズ2105cと第1走査レンズ2105dはZ軸方向に積層され、第1走査レンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、第1走査レンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。なお、第1走査レンズ2105cと第1走査レンズ2105dは、一体成形されても良い。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、第1走査レンズ2105a、折り返しミラー2106a、第2走査レンズ2107a、及び折り返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、第1走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b、第2走査レンズ2107b、及び折り返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、第1走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c、第2走査レンズ2107c、及び折り返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、第1走査レンズ2105d、折り返しミラー2106d、第2走査レンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、シリンドリカルレンズとそれに対応する第2走査レンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、第1走査レンズ2105aと第2走査レンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、第1走査レンズ2105bと第2走査レンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、第1走査レンズ2105cと第2走査レンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、第1走査レンズ2105dと第2走査レンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
また、Kステーションにおける偏向器前光学系及び走査光学系の主な光学素子の位置関係が図9に示されている。そして、図9における符号d1〜d11の具体的な値(単位:mm)の一例が図10に示されている。なお、他のステーションでも同様な位置関係となっている。
また、シリンドリカルレンズ2204aからの光束の射出方向と、ポリゴンミラー2104の偏向反射面により感光体ドラム2030aの表面における像高0の位置(図9における符号p0の位置)へ向けて反射される光束の進行方向とのなす角(図9におけるθr)は60度である。
各第1走査レンズ及び各第2走査レンズは、いずれも樹脂製である。そして、それらの各面(入射側の面、射出側の面)は、次の(1)式及び次の(2)式で表現される非球面である。ここで、XはX軸方向の座標、YはY軸方向の座標を示す。また、入射面の中央をY=0とする。Cm0はY=0における主走査対応方向の曲率を示し、曲率半径Rの逆数である。a00,a01,a02,・・・は主走査対応方向の非球面係数である。また、Cs(Y)はYに関する副走査対応方向の曲率、Rs0は副走査対応方向の光軸上の曲率半径、b00,b01,b02,・・・は副走査対応方向の非球面係数である。なお、光軸は、Y=0で副走査対応方向における中央の点を通る軸をいう。
Figure 2012141518
Figure 2012141518
各第1走査レンズの各面(入射側の面(第1面)、射出側の面(第2面))におけるR、Rs0及び各非球面係数の値の一例が図11に示されている。
各第2走査レンズの各面(入射側の面(第3面)、射出側の面(第4面))におけるR、Rs0及び各非球面係数の値の一例が図12に示されている。各第2走査レンズは、副走査対応方向に強いパワーを有している。
各第2走査レンズの形状が、一例として図13(A)及び該図13(A)のA−A断面図である図13(B)に示されている。なお、便宜上、各第2走査レンズにおける光束の入射方向を「R方向」、主走査対応方向を「M方向」、R方向及びM方向のいずれにも直交する方向を「S方向」とする。また、各第2走査レンズを区別する必要がないときは、総称して「第2走査レンズ2107」という。
第2走査レンズ2107には、−S側の面にリブ部306aが形成され、+S側の面にリブ部306bが形成されている。そして、リブ部306aには、+R方向に突出した3つの突起部(307a、307a、307a)が形成されている。突起部307aはM方向に関して中央に位置し、突起部307aは突起部307aの−M側に位置し、突起部307aは突起部307aの+M側に位置している。
リブ部306bには、+R方向に突出した3つの突起部(307b、307b、307b)が形成されている。突起部307bはM方向に関して中央に位置し、突起部307bは突起部307bの−M側に位置し、突起部307bは突起部307bの+M側に位置している。
そして、突起部307aは起部307bの−S側に位置し、突起部307aは起部307bの−S側に位置し、突起部307aは起部307bの−S側に位置している。
第2走査レンズ2107は、板金部材に保持されている。
第2走査レンズ2107が保持される板金部材301が、一例として図14に示されている。この板金部材301は、板金加工で成形された板部材であり、M方向に平行な方向を長手方向とする底板301aと、該底板301aを挟んで対向する2枚の側板(301b、301c)とを有している。
側板301bには、第2走査レンズ2107の突起部が係合される3つの切欠部(311、311、311)が形成されている。
底板301aには、M方向の両端部近傍に、それぞれ開口部313を伴う立曲げ部310が形成されている。これらの立曲げ部310と第2走査レンズ2107とが接触する。
また、底板301aには、側板301bの各切欠部に対応して3つのねじ穴312が形成されている。各ねじ穴312は、第2走査レンズ2107が保持されたときに、R方向に関して、第2走査レンズ2107のほぼ中央の位置に対応した各位置に形成されている。
さらに、M方向に関して、底板301aの一方の端部には突起部318が形成され、他方の端部には切欠部321が形成されている。
また、側板301bには、底板301aの各開口部313に対応して2つのスリット314が形成されている。
第2走査レンズ2107は、一例として図15に示されるように、3つの第1板ばね302と2つの第2板ばね303によって、板金部材301に保持される。なお、図15では、わかりやすくするため、各側板の図示を省略している。
第2板ばね303は、クリップ状の板ばねであり、第2走査レンズ2107の−S側の端面に+S方向の押圧を作用させ、板金部材301の底板301aの+S側の面に−S方向の押圧を作用させることによって、第2走査レンズ2107と板金部材301を挟むようになっている。なお、第2板ばね303の+S側の板部は、外側から開口部313を通過して、スリット314に挿入される。
第1板ばね302は、第2走査レンズ2107のリブ部306aと板金部材301を挟むのに用いられる。ここでは、第1板ばね302は、図16に示されるように、底板部302と、+R側の側板部302と、−R側の側板部302と、該側板部302の端部から+R方向に延びる上板部302とからなっている。また、側板部302には、開口部が形成されている。さらに、底板部302には、調節ねじ308が貫通する円形の開口部302が形成されている。
そして、図15のA−A断面図である図17に示されるように、側板部302の開口部にリブ部306aの突起部が係合され、上板部302によって−R側のリブ部306aに+S方向の押圧が作用される。
また、板金部材301の各ねじ穴312には、第1板ばね302の開口部302を介して調節ねじ308が螺合される。この調節ねじ308の−S側の先端は、第2走査レンズ2107の+S側の端面に当接されている。そこで、調節ねじ308をねじ込むことによって第2走査レンズ2107に−S方向の押圧を作用させることができる。
この場合、第2走査レンズ2107に作用する調節ねじ308による押圧力と、第1板ばね302による押圧力は、互いに逆方向に作用するため、第2走査レンズ2107に作用する力の微調整が可能となる。
例えば、板金部材301の底板301aからの調節ねじ308の突出し量を、立曲げ部310の高さよりも小さくすると、第2走査レンズ2107をその母線が上側に凸となるように反らすことができる。逆に、調節ねじ308の突出し量を、立曲げ部310の高さよりも大きくすると、第2走査レンズ2107をその母線が下側に凸となるように反らすことができる。従って、調節ねじ308の突出し量を調整することによって、第2走査レンズ2107の焦線がS方向に湾曲され、走査線の曲がりを補正することができる。各調節ねじ308による第2走査レンズ2107の調整における調整軸の方向は、第2走査レンズ2107の光軸方向に平行である。なお、中央部と立曲げ部310との間に配置されている調節ねじ308によって、M型やW型の曲がりについても補正が可能である。
第2走査レンズ2107が装着された板金部材301は、端部に形成された突起部318を光学ハウジングの保持部に設けられた位置決めガイド(不図示)に勘合して位置決めを行い、−S方向に付勢するように光学ハウジングの保持部に取り付けられた板ばね326を架橋して光学ハウジングに保持される。
また、第2走査レンズ2107には、一例として図18に示されるように、第2走査レンズ2107をR方向に平行な軸回りに回動させるためのステッピングモータ315が設けられている。なお、ここでは、Kステーションを基準としているため、該Kステーションでは、第2走査レンズ2107aを回動させるためのステッピングモータは設けられてなくても良い。
ステッピングモータ315は、シャフトの先端に形成された送りねじを可動筒316のねじ穴に螺合し、板金部材301の一端に形成された切欠部321と可動筒316の凹部とを勘合させることで、ステッピングモータ315の回転により副走査対応方向(ここでは、S方向に平行な方向)に変位可能としている。
また、第2走査レンズ2107の−S側には、支柱322が設けられている。この支柱322は、光学ハウジングの保持部に設けられた支持部320に載置され、板ばね(不図示)により支柱322に押し付けられている。これにより、ステッピングモータ315の正逆回転に追従して第2走査レンズ2107は光軸と直交する面内で、支持部320との当接点を傾き調整の支点として回動することができる。そして、それに伴って第2走査レンズ2107の母線が傾き、その結果、走査線が傾けられる。なお、支柱322を設けることなく、第2走査レンズ2107を、直接、光学ハウジングに設けられた支持部に載置し、板ばね等で保持する構成としても良い。
また、ここでは、図19に示されるように、各調節ねじ308の突出し量を調整するためのステッピングモータ315Aが設けられている。
Kステーションの走査光学系を通過した書き込み開始前の光束の一部は、同期ミラー2110aを介して先端同期検知センサ2111aで受光される。
Cステーションの走査光学系を通過した書き込み開始前の光束の一部は、同期ミラー2110bを介して先端同期検知センサ2111bで受光される。
Mステーションの走査光学系を通過した書き込み開始前の光束の一部は、同期ミラー2110cを介して先端同期検知センサ2111cで受光される。
Yステーションの走査光学系を通過した書き込み開始前の光束の一部は、同期ミラー2110dを介して先端同期検知センサ2111dで受光される。
各先端同期検知センサは、受光光量に応じた信号を走査制御装置3022に出力する。なお、各先端同期検知センサの出力信号は、「先端同期信号」とも呼ばれている。
走査制御装置3022は、一例として図20に示されるように、CPU3210、フラッシュメモリ3211、RAM3212、液晶素子駆動回路3213、IF(インターフェース)3214、画素クロック生成回路3215、画像処理回路3216、書込制御回路3219、光源駆動回路3221、モータ駆動回路3222などを有している。なお、図20における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路3215は、画素クロック信号を生成する。なお、画素クロック信号は、1/8クロックの分解能で位相変調が可能である。
画像処理回路3216は、CPU3210によって色毎にラスター展開された画像データに所定の中間調処理などを行った後、各光源の発光部毎のドットデータを作成する。
書込制御回路3219は、ステーション毎に、先端同期信号に基づいて書き込み開始のタイミングを求める。そして、書き込み開始のタイミングに合わせて、各発光部のドットデータを画素クロック生成回路3215からの画素クロック信号に重畳させるとともに、発光部毎にそれぞれ独立した変調データを生成する。
光源駆動回路3221は、書込制御回路3219からの各変調データに応じて、各光源ユニットに各発光部の駆動信号を出力する。
モータ駆動回路3222は、CPU3210の指示に基づいて、各第2走査レンズの形状を微調整するためのステッピングモータ315A、及び各第2走査レンズを回動させるためのステッピングモータ315の駆動信号を出力する。
液晶素子駆動回路3213は、CPU3210で決定された印加電圧を各液晶偏向素子に印加する。
IF(インターフェース)3214は、プリンタ制御装置2090との双方向の通信を制御する通信インターフェースである。上位装置からの画像データは、IF(インターフェース)3214を介して供給される。
フラッシュメモリ3211には、CPU3210にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、及びプログラムの実行に必要な各種データが格納されている。
RAM3212は、作業用のメモリである。
CPU3210は、フラッシュメモリ3211に格納されているプログラムに従って動作し、光走査装置2010の全体を制御する。
例えば、CPU3210は、装置の立ち上げ時やジョブ間等のタイミングで、トナー画像の位置ずれ検出処理を行う(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。なお、1ジョブのプリント枚数が多い場合には、その間の温度変化によるずれを抑えるために、途中で割り込みをかけて位置ずれ検出処理が行われることもある。
そして、CPU3210は、位置ずれ検出処理の結果に基づいて、Kステーションを基準としたときの、他の3つのステーションにおける走査線の曲がりずれ、走査線の傾きずれ、及び副走査レジストずれを求める。
そして、CPU3210は、対応するステッピングモータ315Aに対して、上記走査線の曲がりずれを補正するための駆動信号を生成し、モータ駆動回路3222に出力する。なお、走査線の曲がりずれの大きさとそれを補正するためのステッピングモータ315Aの駆動量との関係は予め求められ、フラッシュメモリ3211に格納されている。
また、CPU3210は、対応するステッピングモータ315に対して、上記走査線の傾きずれを補正するための駆動信号を生成し、モータ駆動回路3222に出力する。なお、走査線の傾きずれの大きさとそれを補正するためのステッピングモータ315の駆動量との関係は予め求められ、フラッシュメモリ3211に格納されている。
また、CPU3210は、上記副走査レジストずれがほぼ0となるように、対応する液晶偏向素子の印加電圧を決定する。なお、副走査レジストずれの大きさと印加電圧との関係は予め求められ、フラッシュメモリ3211に格納されている。
次に、前記光源ユニット2200A及び光源ユニット2200Bについて説明する。光源ユニット2200Aと光源ユニット2200Bは、同じ構成の光源ユニットである。そこで、光源ユニット2200Aと光源ユニット2200Bを区別する必要がないときは、総称して「光源ユニット2200」という。
光源ユニット2200は、一例として図21(A)及び図21(B)に示されるように、光源と、カップリングレンズと、それらを保持するホルダ10とを有している。ここでは、光源から射出される光束の進行方向を「a方向」とする。そして、a方向に直交する面内で互いに直交する2つの方向を「b方向」、「c方向」とする。
ホルダ10は、光源を保持する光源保持部11と、光学ハウジングに嵌合される嵌合部12と、カップリングレンズを保持するレンズ保持部13と、光源保持部11の一側面から延びた腕部14とから一体的に構成されている。
光源保持部11は、外形が四角柱状で内部に光源からの光束の光路となる貫通孔がa方向に形成されている。
嵌合部12は、光源保持部11の+a側の端面に固定され、外形が円柱状で内部に光源からの光束の光路となる貫通孔がa方向に形成されている。
レンズ保持部13は、嵌合部12の+a側の端面に固定され、カップリングレンズの外形の一部に倣う曲面を有する湾曲した板状部材である。
腕部14は、光源保持部11の−c側の側面に固定され、−c方向を長手方向とする棒状部材である。腕部14の横断面の形状は四角形状である。
腕部14の−c側の端部近傍で、+b側の側面には、光源側基準部15として半球状の突起が設けられている。
カップリングレンズは、レンズ保持部13に接着固定されている。
一例として図22には、光学ハウジングにおける、光源ユニット2200が組み付けられる壁板の一部が示されている。該壁板には、光源ユニット2200の嵌合部12が挿入される円形の開口が形成されている。
なお、光源ユニット2200の嵌合部12及び光学ハウジングの開口は、光源ユニット2200がa方向に平行な軸まわりに回転可能であれば、上記形状でなくても良い。
光源ユニット2200の嵌合部12が光学ハウジングの上記開口に挿入された状態(図23参照)で、a方向に直交する面内で腕部14に力を加えることにより、嵌合部12の中心軸を回転中心として、a方向に直交する面内で光源ユニット2200を回動させることができる(図24参照)。
光源は、a方向からみると、上記回転中心と、光源における複数の発光部の配列中心とが一致するように配置されている。
そこで、a方向に直交する面内で光源ユニット2200が回動すると、一例として図25に示されるように、複数の発光部は、配列中心のまわりに移動し、副走査発光部間隔がd2(≠d1)となる。それに伴って、感光体ドラム上での副走査方向に関する走査線間隔(「走査線ピッチ」ともいう)が変化する。
図22に戻り、光学ハウジングの壁板における光源ユニット側の面には、開口の−Z側にストッパ20が設けられている。該ストッパ20には、光源側基準部15と対向する位置決め基準面21が形成されている。ここでは、一例として図26に示されるように、ストッパ20におけるZ軸方向及びa方向のいずれにも直交する方向の一側の面に溝が形成されており、該溝の底面が位置決め基準面21である。この溝の深さは約1mmである。
次に、光源ユニットの回転調整について説明する。
(1)図27に示されるように、光源側基準部15が位置決め基準面21に当接された状態で、複数の発光部を点灯させ、副走査対応方向に関するいわゆるビームピッチ(以下では、「副走査ビームピッチ」と略述する)を計測する。
(2)計測されたビームピッチが所望のビームピッチよりも大きければ、位置決め基準面21上にシート状の調整部材22を1枚挿入する(図28参照)。
調整部材22の厚さは、回転中心から位置決め基準面21の中心までの距離と調整に必要な分解能とから決定される。本実施形態では回転中心から位置決め基準面21の中心までの距離は50mmであり、調整部材22の厚さを約25μmとした。この調整部材22は、同じものが複数枚用意されている。
調整部材22は、剛性体であることが好ましく、その材質としては、樹脂製フィルム、アルミ箔、ステンレス鋼製の薄板、圧延材等を用いることができる。
(3)図29に示されるように、光源側基準部15が調整部材22に当接された状態で、複数の発光部を点灯させ、副走査ビームピッチを計測する。
(4)計測されたビームピッチが所望のビームピッチよりも大きければ、ストッパ20の調整部材22上に、さらに調整部材22を挿入する(図30参照)。
(5)光源側基準部15が最表面の調整部材22に当接された状態で、複数の発光部を点灯させ、副走査ビームピッチを計測する。
(6)以降、計測されたビームピッチが所望のビームピッチになるまで、ストッパ20に調整部材22を挿入する(図31参照)。すなわち、調整量に合わせて必要枚数の調整部材22がストッパ20に挿入される。
(7)計測されたビームピッチが所望のビームピッチになると、調整は終了し、一例として図32に示されるように、板ばね23により腕部14をストッパ20に押圧固定する。
(8)光源ユニットを、ネジや固定用のばね等により光学ハウジングに保持固定する。
なお、位置決め基準面21は、光源ユニットの設計上の組付け位置(設計上の組付け狙い位置)に対して、光源ユニットが回転過剰になるような位置に設定されている。言い換えると、調整部材22を複数枚挿入して初めて組付け狙い位置になるように、あらかじめ所定のずらし量を考慮して位置決め基準面21は設定されている。
本実施形態では、上記ずらし量を最大でも0.3°程度(調整部材22による調整量としては0.26mm程度)として、位置決め基準面21が設定されている。なお、部品の製造誤差が小さく、予め調整の狙い角度範囲が概略わかっている場合は、ずらし量をもっと小さくすることができる。
これにより、光学ハウジング、及び光学ハウジングに取り付けられる各光学素子の製造誤差による光源ユニットの回転調整に方向が、時計回り及び反時計回りのいずれの方向になっても対応することが可能である。
腕部14に設けられている光源側基準部15は、半球状の突起部に限定されるものではなく、一例として図33(A)に示されるように、円錐状や角錐状の突起部であっても良い。また、一例として図33(B)に示されるように、光源側基準部15は、平板状であっても良い。なお、光源側基準部15は、位置決め基準面21と略点接触する形状の方が組付け誤差を小さくすることができる。
調整部材22は、ストッパ20の上記溝に落とし込まれる形で保持されても良いし、調整部材22における光源側基準部15が当接されない部分を、ネジ止めやばねによる押圧支持することによって、ストッパ20に保持されても良い。
ここで、回転調整された光源ユニット(「光源ユニットa」という)を、別の光源ユニット(「光源ユニットb」という)に交換する場合について説明する。
(1)光学ハウジングに対する光源ユニットaの保持固定を解除する。
(2)光源ユニットaの腕部14のストッパ20への押圧固定を解除する。
(3)光源ユニットaの光源側基準部15をストッパ20から遠ざける(図34参照)。
(4)光源ユニットaの嵌合部12を光学ハウジングの開口から引き抜き、光学ハウジングから分離する(図35参照)。
(5)光源ユニットbの嵌合部12を、その光源側基準部15がストッパ20に接触しないように、光学ハウジングの開口に挿入する(図36参照)。
(6)光源ユニットbの光源側基準部15を、ストッパ20に保持されている調整部材22に当接させる(図37参照)。
(7)板ばね23により、光源ユニットbの腕部14をストッパ20に押圧固定する。
(8)光源ユニットbを、ネジや固定用のばね等により光学ハウジングに保持固定する。
この場合、光源ユニットbでは、光源ユニットaにおける回転調整量が維持され、同一の組付け調整量のものが組み上がることとなる。
すなわち、光源ユニットを交換する際に回転調整を行わなくても、最適な光学特性を保つことができ、画像品質は劣化しない。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(2200A、2200B)、2つの光束分割部材(2203A、2203B)、光偏向器2104、4つの走査光学系、及び走査制御装置などを備えている。
各光源ユニットは、光源と、カップリングレンズと、ホルダ10とを有している。ホルダ10は、光源側基準部15を有する腕部14と、光源保持部11と、嵌合部12と、レンズ保持部13とから構成されている。
光学ハウジングの壁板には、嵌合部12が挿入される開口と、光源側基準部15と対向する位置決め基準面21を有するストッパ20とが設けられている。
そして、光源側基準部15と位置決め基準面21との間にシート状の調整部材22を挿入しながら光源ユニットの回転調整が行われる。
この場合は、光源ユニットを交換する際に回転調整を行わなくても、最適な光学特性を保つことができる。すなわち、光学特性を維持しつつ光源ユニットを交換することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、結果として、メンテナンス性を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、光源ユニットの回転調整が、光源側基準部15と位置決め基準面21との間にシート状の調整部材22を挿入しながら行われる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図38(A)及び図38(B)に示されるように、ねじ部材24の先端のストッパ20からの突出量を調整しながら、光源ユニットの回転調整を行っても良い。
また、上記実施形態において、各ステーションの走査光学系を通過した書き込み終了後の光束の一部を受光するための、同期ミラー及び後端同期検知センサをさらに備えても良い。
この場合、CPU3210は、ステーション毎に、先端同期検知センサの出力信号と後端同期検知センサの出力信号とから、先端同期検知センサと後端同期検知センサとの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように画素クロック信号の基準周波数を再設定することができる。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写されても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であっても良い。また、モノクロ(単色)のプリンタであっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で転写対象物としての印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
要するに、上記光走査装置2010を備えた画像形成装置であれば、結果として、メンテナンス性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の光走査装置によれば、光学特性を維持しつつ光源ユニットを交換するのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、メンテナンス性を向上させるのに適している。
10…ホルダ、11…光源保持部、12…嵌合部、13…レンズ保持部、14…腕部、15…光源側基準部、20…ストッパ、21…位置決め基準面、22…調整部材、24…ねじ部材、100…面発光レーザアレイ、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2080…通信制御装置(通信装置)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105a〜2105d…第1走査レンズ、2106a〜2106d…折り返しミラー、2107a〜2107d…第2走査レンズ、2108a〜2108d……折り返しミラー、2111a〜2111d…先端同期検知センサ、2200A,2200B…光源ユニット、2203A,2203B…光束分割部材、2205a〜2205d…液晶偏向素子。
特許第4355191号公報 特開2005−201942号公報 特許第3547595号公報 特許第3455485号公報

Claims (13)

  1. 被走査面を複数の光束で主走査方向に走査する光走査装置であって、
    複数の発光部、アーム及び嵌合部を有する光源ユニットと;
    前記光源ユニットからの光束を偏向する光偏向器と;
    前記光偏向器で偏向された光束を前記被走査面に導く走査光学系と;
    前記嵌合部が挿入される開口部、及び前記アームが突き当てられ、前記光源ユニットの回転を制限するストッパを有する光学ハウジングと;を備える光走査装置。
  2. 前記光源ユニットは、前記アームに設けられた光源側基準部を有し、
    前記ストッパは、前記アームが突き当てられたときに前記光源側基準部に対向する位置決め基準部を有し、該位置決め基準部と前記光源側基準部との間に挿入された調整部材を有することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記調整部材は、少なくとも1枚のシート状部材であることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記シート状部材は、剛性体であることを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記光源ユニットを前記光学ハウジングから取り外すと、前記調整部材は、前記ストッパに残留することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記位置決め基準部は、前記光源ユニットの設計上の回転姿勢に対して、回転過剰となる位置で前記光源側基準部が当接するように形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記光源ユニットは、前記アームに設けられた光源側基準部を有し、
    前記ストッパは、前記光源側基準部との距離を調整することができるねじ部材を有することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  8. 前記光源側基準部は、半球形状、角錐形状、及び円錐形状のいずれかであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記光源ユニットの嵌合部は、外形が円柱状であり、
    前記光学ハウジングの開口部は、円形の開口部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記複数の発光部は、2次元的に配列されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置。
  11. 少なくとも1つの像担持体と;
    前記少なくとも1つの像担持体を画像データに応じて変調された光束により走査する請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  12. 前記画像データは、多色のカラー画像データであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  13. 前記画像情報を含む種々の情報の通信をネットワークを介して外部機器と行う通信装置を、さらに備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
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