JP2012141118A - 空気調和装置及び空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】室内の潜熱と顕熱を同時に処理することが可能な空気調和装置等を提供する。
【解決手段】室外から室内に向かう空気の流れを形成する空気流路Aと、室内から室外に向かう空気の流れを形成する空気流路Bと、室外から流入して室外に排出する空気の流れを形成する空気流路Cと、空気流路Aを流れる空気との空気流路Bを流れる空気との間で全熱交換を行う全熱交換器10と、空気流路Aの全熱交換器10を通過後の空気と空気流路Cの空気との間で顕熱交換を行う顕熱交換器20とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、調温、調湿を行う空気調和装置及び空気調和システムに関するものである。
従来より、室内空気と室外空気とを入れ換えることで室内の換気が行われている。この際、室外空気をそのまま室内に導入すると、室内の空調負荷が増大する。例えば、冬期において室内を暖房中に外気をそのまま室内に導入すると、室内温度が下降し、空調負荷が増加する。よって、これを改善するため、全熱交換器及び顕熱交換器を備えた空気調和装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特許文献1の空気調和装置は、天井内空気を顕熱交換器を通過させて天井内に戻す風路と、室内空気を全熱交換器を通過させて室外に排気する風路と、外気を顕熱交換器及び全熱交換器を通過させて室内に供給する風路とを有している。そして、外気を顕熱交換器にて天井内空気と熱交換した後、全熱交換器にて室内空気と熱交換することで、外気を加熱、加湿して室内に供給するようにしている。
特開2002−349924号公報(請求項1、第1図)
しかしながら、近年、建物の高断熱化、内部発熱増加により、冬期の暖房負荷が減少しており、冬期であっても冷房加湿運転が望まれることがある。冬期に室内を冷房する場合は、外気導入量を増加すれば室内の冷房を行うことができる。しかし、外気の湿度が低い場合には、外気導入量を増加することで室内の湿度が低下してしまう。すなわち、室内の冷房加湿を行うにあたり外気導入量を増加すると、室内の顕熱負荷は低減できるが、室内の潜熱負荷は増大してしまう。このようなことから、室内の冷房加湿を行うに際し、室内の顕熱と潜熱の両方を処理可能な空気調和装置が望まれているが、未だ存在しない。また、この種の空気調和装置では、室内の冷房加湿時だけでなく、他の室内空調時、例えば冷房除湿時にも、室内の顕熱と潜熱の両方を処理可能であることが望まれている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その第一の目的は、室内空調に応じて、室内の顕熱と潜熱の両方を処理可能な空気調和装置を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、この空気調和装置を備えてシステム効率を向上できる空気調和システムを提供することにある。
本発明に係る空気調和装置は、室外から室内に向かう空気の流れを形成する第1の空気流路と、室内から室外に向かう空気の流れを形成する第2の空気流路と、室外から流入して室外に排出する空気の流れを形成する第3の空気流路と、第1の空気流路を流れる空気と第2の空気流路を流れる空気との間で全熱交換を行う全熱交換器と、第1の空気流路の全熱交換器を通過後の空気と第3の空気流路の空気との間で顕熱交換を行う顕熱交換器とを備えたものである。
本発明の空気調和装置では、全熱交換器と顕熱交換器を備え、外気を室内空気と全熱交換させた後、更に外気と顕熱交換して室内に供給することにより、室内の潜熱負荷を処理しながら、顕熱負荷も同時に処理することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の回路構成と各検知装置の配置図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷房加湿運転時における動作状態を表す、湿り空気線図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の暖房加湿運転時における動作状態を表す、湿り空気線図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷房除湿運転(外気が高温高湿)時における動作状態を表す、湿り空気線図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷房除湿運転(外気が低温高湿)時における動作状態を表す、湿り空気線図である。 本発明の実施の形態2に係る空調システムのシステム構成図である。
実施の形態1.
《装置構成》
図1は本発明の実施の形態1に関わる空気調和装置の構成と各検知装置の配置図である。装置内部には3つの空気流路がある。一つは外気OA1が給気SAとして排出される空気流路A(第1の空気流路)である。空気流路Aには3つの経路がある。第1経路は、外気OA1が全熱交換器10を通過し(経路A1)、顕熱交換器20を通過し(経路A3)、送風装置30aによって給気SAとして室内に供給される空気経路である。第2経路は、外気OA1が全熱交換器10を通過し(経路A1)、顕熱交換器20を迂回し(経路A4)、送風装置30aによって給気SAとして室内に供給される空気経路である。第3経路は、外気OA1がそのまま送風装置30aによって給気SAとして室内に供給される空気経路(経路A2)である。空気経路A1〜A4は外部より指定された運転状態に合わせて切り替わるように空気経路切り替え装置40a、40bを備えている。
二つ目の空気流路B(第2の空気流路)には、2つの経路がある。第1経路は、還気(室内空気)RAが全熱交換器10を通過し、送風装置30bによって排気EA1として室外に排気される経路(経路B1)である。また、空気流路Bの最上流には空気経路切り替え装置40cが備えてあり、第2経路は、熱交換を行わない換気運転時には室内空気RAがそのまま送風装置30bによって排気EA1として室外に排出される経路(経路B2)である。
三つ目の空気流路C(第3の空気流路)の経路は1つであり、外気OA2が顕熱交換器20を通過し、送風装置30cによって排気EA2として室外に排気される経路である。
空気流路Aの全熱交換器10の上流には温湿度検知装置1a、再下流には温度検知装置2が設置されている。空気流路Bの全熱交換器10の上流には温湿度検知装置1bが設置されている。
温湿度検知装置1a、1bは測定領域温度と相対湿度、絶対湿度、露点、湿球温度の何れかが分かればよいので、乾球温度計と湿球温度計など二つのセンサーによって測定してもよく、センサーの数は限定されるものではない。
図1を用いて空気流路Aの詳細経路A1〜A4について説明する。
空気経路A1では外気OA1は吸込口から吸い込まれ、全熱交換器10を経て空気経路B1の室内空気RAと全熱交換する。空気経路A2では外気OA1が送風装置30aを経てそのまま給気SAとして室内に供給される。空気経路A3では全熱交換器10を通過した空気が顕熱交換器20へと流入し、空気流路Cの外気OA2と顕熱交換し、送風装置30aを経て、給気SAとして室内側へ給気される。空気経路A4では全熱交換器10を通過した空気が顕熱交換器20を迂回し、送風装置30aを経て給気SAとして室内側へ給気される。
空気流路Bの詳細経路B1、B2について説明する。
空気経路B1では室内空気RAは吸込口から吸い込まれ、全熱交換器10を経て空気流路Aの外気OA1と全熱交換し、送風装置30bを経て排気EA1として室外に排出される。空気経路B2では全熱交換器10を迂回し、送風装置30bを経て排気EA1として室外に排出される。
空気流路Cについて説明する。
外気OA2は吸込口から吸い込まれ、顕熱交換器20を経て空気流路Aの全熱交換器10を通過した後の外気OA1と顕熱交換する。顕熱交換器20を通過した空気は送風装置30cを経て、排気EA2として室外側へ排気される。
送風装置30a、30b、30cは、ファンとファンを駆動するモーターとを備えている。送風装置30a、30b、30cは、風量を制御することが可能である。風量制御は、ファンを回転させるモーターにDCモーターを用いて回転数を変化させるか、ACモーターを用いてインバータ制御により電源周波数を変化させて回転数を変化させることにより実現可能である。風量制御は後述の制御回路4により行われる。送風装置30a、30b、30cの風量は、例えば空気条件に応じて設定される。
また、送風装置30cの風量を制御することによって顕熱交換器20を通過する外気OA2の空気流量も変化する。外気OA2の空気流量は室内の換気量とは無関係のため、給気SAの空気温度を空気流路Cの風量によって制御することが可能となる。
送風装置30a、30b、30cは本発明の実施の形態1においては空気流路の最下流に配置されているが、目標の風量が得られればよいので最上流などに配置してもよく、更に、上流と下流に複数配置してもよく、送風装置30a、30b、30cの配置位置と数は限定しないものとする。
本実施の形態1で使用される空気経路切り替え装置40a〜40cはダンパなどを使用することによって風路の切り替えが可能である。
空気調和システムは更に、空気調和システム全体を制御する制御回路4を備えている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調和システムの電気的な接続を示すブロック図である。
制御回路4には、inputとして温湿度検知装置1a〜1c、温度検知装置2及び風速検知装置3a〜3cが接続され、これらの各検知装置からの検知信号に基づき、outputとしての送風装置30a〜30c及び空気経路切り替え装置40a〜40cを制御する。また、風速検知装置3a〜3cを用いて風速を制御することによって全熱交換器10及び顕熱交換器20に流れる風量を制御し、熱交換能力を制御する。
以下、空気調和装置において実施される各運転について順次説明する。
《冷房加湿運転》
図1及び図3を用いて、本実施の形態1の冷房加湿運転時の動作について説明する。
図3は冷房加湿運転状態での各空気流路での状態を示す湿り空気線図である。また、空気状態を示す「状態a1〜状態a3」は、図1における空気流路Aでのカッコで囲った記号「a1〜a3」に、「状態b1〜状態b2」は、図1における空気流路Bでのカッコで囲った記号「b1〜b2」に、「状態c1〜状態c2」は、図1における空気流路Cでのカッコで囲った記号「c1〜c2」に、それぞれ対応している。
《空気側回路の動作説明》
(空気流路A)
続いて、冷房加湿運転時における空気流路Aの空気側回路の動作について図3を用いて説明する。このとき室外空気は室内空気よりも低温低湿であるとする。
空気流路Aでは、外気OA1より導入された導入空気(状態a1)は空気経路切り替え装置40bを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Bを通過する室内空気RAと全熱交換を行って暖房加湿される(状態a2)。このとき、加湿された空気は導入空気より温度は高くなり、露点温度は高くなる。加湿された導入空気は空気経路切り替え装置40aを通過して空気経路A1の顕熱交換器20に流入する。ここで導入空気は空気流路Cを通過する外気OA2と顕熱交換を行って冷却される(状態a3)。このとき、空気流路Aの顕熱交換器20を通過する空気の露点温度が外気OA2よりも高い場合は結露するため冷却除湿され、低い場合は冷却のみとなる。顕熱交換した通過空気は給気SAとなり室内に供給される。
空気流路Aの顕熱交換器20を通過する空気の露点温度が外気OA2よりも高い場合には結露が発生するが、結露の発生量は、空気流路Cを通過する風量によって変化する。結露発生時には送風装置30cの能力を下げて空気流路Cの風量を減少させることで、除湿される量を減少し、加湿量の減少を最小限に留めることが可能である。
(空気流路B)
空気流路Bでは、還気RAより導入された導入空気(状態b1)は空気経路切り替え装置40cを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する外気OA1(状態a1)と全熱交換を行って冷却除湿される(状態b2)。冷却除湿された通過空気は排気EA1となり室外に排気される。
(空気流路C)
空気流路Cでは、外気OA2より導入された導入空気(状態c1)は顕熱交換器20に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する空気(状態a2)と顕熱交換を行って加熱される(状態c2)。加熱された通過空気は排気EA2となり室外に排気される。
《暖房加湿運転》
図1、図4を用いて、本実施の形態1の暖房加湿運転時の動作について説明する。
図4は暖房加湿運転状態での各空気流路での状態を示す湿り空気線図である。また、空気状態を示す「状態a1〜状態a3」は、図1における空気流路Aでのカッコで囲った記号「a1〜a3」に、「状態b1〜状態b2」は、図1における空気流路Bでのカッコで囲った記号「b1〜b2」に、「状態c1〜状態c2」は、図1における空気流路Cでのカッコで囲った記号「c1〜c2」に、それぞれ対応している。
《空気側回路の動作説明》
(空気流路A)
続いて、暖房加湿運転時における空気流路Aの空気側回路の動作について図4を用いて説明する。このとき室外空気は室内空気よりも低温低湿であるとする。
空気流路Aでは、外気OA1より導入された導入空気(状態a1)は空気経路切り替え装置40bを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Bを通過する室内空気RAと全熱交換を行って暖房加湿される(状態a2)。このとき、加湿された空気は、導入空気より温度が高くなり、露点温度も高くなる。加湿された導入空気は空気経路切り替え装置40aを介して空気経路A4に流入し、給気SAとなって室内に供給される。
(空気流路B)
空気流路Bでは、還気RAより導入された導入空気(状態b1)は空気経路切り替え装置40cを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する外気OA1(状態a1)と全熱交換を行って冷却除湿される(状態b2)。冷却除湿された通過空気は排気EA1となり室外に排気される。
(空気流路C)
空気流路Cでは、暖房加湿運転の場合は空気流路Aの空気が顕熱交換器20を通過しないために、送風装置30cを停止させて空気流路Cに空気が流れないようにしている(顕熱交換は行わない)。
《冷房除湿運転(外気が高温高湿)》
図1、図5を用いて、本実施の形態1の冷房除湿運転時(外気が高温高湿)の動作について説明する。
図5は冷房除湿運転状態での各空気流路での状態を示す湿り空気線図である。また、空気状態を示す「状態a1〜状態a3」は、図1における空気流路Aでのカッコで囲った記号「a1〜a3」に、「状態b1〜状態b2」は、図1における空気流路Bでのカッコで囲った記号「b1〜b2」に、「状態c1〜状態c2」は、図1における空気流路Cでのカッコで囲った記号「c1〜c2」に、それぞれ対応している。
《空気側回路の動作説明》
(空気流路A)
続いて、冷房除湿運転時における空気流路Aの空気側回路の動作について図5を用いて説明する。このとき室外空気は室内空気よりも高温高湿であるとする。
空気流路Aでは、外気OA1より導入された導入空気(状態a1)は空気経路切り替え装置40bを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Bを通過する室内空気RAと全熱交換を行って冷房除湿される(状態a2)。このとき、除湿された空気は導入空気より温度は低くなり、露点温度は低くなる。除湿された導入空気は空気経路切り替え装置40aを通過して空気経路A4を通過して給気SAとなり室内に供給される。
(空気流路B)
空気流路Bでは、還気RAより導入された導入空気(状態b1)は空気経路切り替え装置40cを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する外気OA1(状態a1)と全熱交換を行って加熱し、加湿される(状態b2)。加熱し、加湿された通過空気は排気EA1となり室外に排気される。
(空気流路C)
空気流路Cでは、冷房除湿運転の場合は空気流路Aの空気が顕熱交換器20を通過しないために、送風装置30cを停止させて空気流路Cに空気が流れないようにしている(顕熱交換は行わない)。
《冷房除湿運転(外気が低温高湿)》
図1、図6を用いて、本実施の形態1の冷房除湿運転時(外気が低温高湿)の動作について説明する。
図6は冷房加湿運転状態での各空気流路での状態を示す湿り空気線図である。また、空気状態を示す「状態a1〜状態a3」は、図1における空気流路Aでのカッコで囲った記号「a1〜a3」に、「状態b1〜状態b2」は、図1における空気流路Bでのカッコで囲った記号「b1〜b2」に、「状態c1〜状態c2」は、図1における空気流路Cでのカッコで囲った記号「c1〜c2」に、それぞれ対応している。
《空気側回路の動作説明》
(空気流路A)
続いて、冷房除湿運転時(外気が低温高湿)における空気流路Aの空気側回路の動作について図6を用いて説明する。このとき室外空気は室内空気よりも低温高湿であるとする。
空気流路Aでは、外気OA1より導入された導入空気(状態a1)は空気経路切り替え装置40bを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Bを通過する室内空気RAと全熱交換を行って加熱され、除湿される(状態a2)。このとき、加熱され、除湿された空気は導入空気より温度は高くなり、露点温度は低くなる。加湿された導入空気は空気経路切り替え装置40aを通過して空気経路A3の顕熱交換器20に流入する。ここで導入空気は空気流路Cを通過する外気OA2と顕熱交換を行って冷却される(状態a3)。このとき、空気流路Aの顕熱交換器20を通過する空気の露点温度が外気OA2よりも高い場合は結露するため冷却除湿され、低い場合は冷却のみとなる。顕熱交換した通過空気は給気SAとなり室内に供給される。
空気流路Aの顕熱交換器20を通過する空気の露点温度が外気OA2よりも高い場合の結露量は、空気流路Cを通過する風量によって変化する。よって、除湿能力を上げたい場合には、送風装置30cを制御して空気流路Cの風量を増加させればよい。
(空気流路B)
空気流路Bでは、還気RAより導入された導入空気(状態b1)は空気経路切り替え装置40cを通過して全熱交換器10に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する外気OA1(状態a1)と全熱交換を行って冷却され、加湿される(状態b2)。冷却され、加湿された通過空気は排気EA1となり室外に排気される。
(空気流路C)
空気流路Cでは、外気OA2より導入された導入空気(状態c1)は顕熱交換器20に送り込まれる。ここで導入空気は空気流路Aを通過する空気(状態a2)と顕熱交換を行って加熱される(状態c2)。加熱された通過空気は排気EA2となり室外に排気される。
《換気運転》
換気運転では、空気経路切り替え装置40bを操作して空気流路Aを経路A2とし、外気がそのまま給気SAとなり、空気経路切り替え装置40cを操作して空気流路Bを経路B2とし、室内空気RAをそのままEA1となる。なお、換気運転の場合は、空気流路Aの空気が顕熱交換器20を通過しないために、送風装置30cを停止させて空気流路Cに空気が流れないようにしている。
本例の空気調和装置は、以上の各運転を行う。ここで、冷房除湿運転には、上述したように外気が高温高湿の場合と、外気が低温高湿の場合の2通りある。制御回路4は冷房除湿を行うに際しては、温湿度検知装置1aと温湿度検知装置1bのそれぞれの検知信号に基づいて、冷房除湿運転を切り替える。具体的には、制御回路4は、温湿度検知装置1aにより検出された、空気流路Aの全熱交換器10よりも上流の空気温度が、温湿度検知装置1bにより検出された、空気流路Bの全熱交換器10よりも上流の空気温度以上であった場合、空気流路Aの空気経路が、全熱交換器10を通過後、顕熱交換器20を迂回する経路となるように空気経路切り替え装置40aを切り替える。また、制御回路4は、温湿度検知装置1aにより検出された、空気流路Aの全熱交換器10よりも上流の空気温度が、温湿度検知装置1bにより検出された、空気流路Bの全熱交換器10よりも上流の空気温度未満であった場合、空気流路Aの空気経路が、全熱交換器10を通過後、顕熱交換器20を通過する経路となるように空気経路切り替え装置40aを切り替える。
以上に説明した空気調和装置の効果について、以下にまとめて記載する。
冷房加湿運転では、まず最初に外気OA1を全熱交換器10にて室内空気RAと熱交換させて湿度を上げ、続いて顕熱交換器20にて外気OA2と熱交換して温度を下げて室内に供給する。よって、本例の構成によれば、冷房加湿時に、送風装置30a〜30cの動力のみで室内の顕熱負荷と潜熱負荷の両方を処理することが可能となる。よって、空気調和装置を用いた室内換気を行うにあたり、室内空調側の入力増大を軽減でき、省エネとなり、結果として環境保全にも貢献することが可能となる。この効果は、冷房除湿(外気が低温高湿時)においても同様である。
また、本例の空気調和装置では空気経路切り替え装置40aを設けて顕熱交換器20を迂回することが可能な構成としたため、暖房加湿時や冷房除湿時(外気が高温高湿)において全熱交換器10通過後の空気流路Aで室内顕熱負荷が増加するのを防ぐことが可能となる。
また、空気経路切り替え装置40bを操作して空気流路Aを経路A2とすることにより、外気をそのまま取り入れて室内を換気することが可能となる。
このように、空気経路切り替え装置40a、40bを設けることによって様々な運転状態に合わせた外気処理が可能となる。
また、顕熱交換器20において流出部の位置を流入部よりも低い位置にすることで、冷房加湿時に顕熱交換器20内部で結露水が発生しても、顕熱交換器20内部を流れる風と、重力によって結露水が排水されるため、風路圧損が増加するのを防ぐことが可能となる。
また、顕熱交換器20内部の少なくとも空気流路Aの流路壁面に親水性又は疎水性を向上させる加工をすると、更に結露水の排水が促進され、風路圧損の増加を防ぐことが可能となる。親水性又は疎水性を向上させる加工とは、例えば、流路壁面に、フッ素系樹脂や、シリコン系樹脂などを用いて形成した層を施す加工である。
また、空気流路Cを流れる空気流量は、その風路構成上、空気流量を大きく変化させても室内換気量に影響がない。よって、給気SAの目標温度に合わせて空気流路Cの風量を制御することが可能となり、空気流量のみで給気温度の制御が可能となる。
また、冷房加湿運転時において、空気流路Aの顕熱交換器20を通過する空気の露点温度が外気OA2よりも高い場合、空気流路Cの風量を減少させることで除湿量を低減できる。すなわち、加湿量の減少を最小限に留めることが可能である。
また、全熱交換器10通過後に顕熱交換器20を通過しない暖房加湿運転時、冷房除湿運転(外気が高温高湿)時及び換気運転時には、送風装置30cを停止させることで消費電力を減少させることが可能である。
また、冷房除湿を行う場合には、室内空気の温度及び外気の温度に基づいて経路を切り替えるので、その時々の環境に合った経路を選択して効率良く冷房除湿を行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1の空気調和装置を備えた空気調和システムに関する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの構成を示す図である。
実施の形態2の空気調和システムは、実施の形態1の空気調和装置を外気処置換気装置100として備えている。空気調和システムは更に、冷暖房装置110と加湿装置120とを備え、これら3つの装置によって同一の空調対象空間200の空調を行う。この構成により、室内換気負荷を外気処置換気装置100が軽減し、室内潜熱負荷(加湿時)は加湿装置120が処理し、室内顕熱負荷を冷暖房装置110が処理することにより、冷暖房装置110の後述の圧縮機による熱処理量を減少でき、効率の良い空気調和システムが得られる。
冷暖房装置110は、少なくとも一つの圧縮機、二つの熱交換器、一つの絞り装置(何れも図示せず)を有する冷媒回路を有し、二つの熱交換器の内一つは室外機70に配置され、残りの一つは室内機60に配置される。冷房運転、暖房運転の切り替えには四方弁などを配置して冷媒回路を切り替えることにより可能となる。
冷暖房装置110が冷房運転する際には室外機70に配置された熱交換器は凝縮器として機能し、室内機60に配置された熱交換器は蒸発器として機能する。冷暖房装置110が暖房運転する場合には室外機70に配置された熱交換器は蒸発器として機能し、室内機60に配置された熱交換器は凝縮器として機能する。
加湿装置120は、潜熱処理用の加湿部50を有し、室内空気RAを取り込んで加湿部50加湿し、加湿した空気を送風装置30dで空調対象空間200に送り込む。
空調対象空間200の冷房加湿時には、外気処置換気装置100は上記実施の形態1の冷房加湿運転を実施し、加湿装置120は加湿運転を実施し、更に冷暖房装置110は冷房運転を実施して空調対象空間200の冷房加湿を行う。外気処置換気装置100によって冷房加湿を行うことによって、加湿装置120及び冷暖房装置110のそれぞれの負荷を減少でき、冷暖房装置110の入力を減少させることができる。
ところで、加湿装置120で加湿を行い、冷暖房装置110で冷房を行っていると、冷暖房装置110の冷媒回路において室内機60の熱交換器を通過する冷媒の蒸発温度が、リモートコントローラ130にて設定された目標温湿度より演算された露点温度よりも低い場合、加湿装置120で加湿しているにも係わらず、室内機60で除湿されてしまう。よって、この場合、冷暖房装置110の冷媒の蒸発温度を、前記露点温度よりも同等以上に制御する。これにより、加湿装置120によって加湿した室内空気を室内機60によって冷却除湿してしまうことを防止でき、加湿装置120の入力を更に減少させることが可能となる。
なお、室内機60の蒸発器を通過する冷媒の蒸発温度を前記露点温度以上とするには、冷媒回路の絞り装置を開度調整可能な調整弁とし、開度を制御することによって蒸発温度を変化させることが可能となる。
冷房加湿時に加湿装置120の加湿部50が空調対象空間200の潜熱負荷を過度に処理してしまう場合、すなわち過度に加湿してしまう場合には、冷暖房装置110の冷媒蒸発温度を目標温湿度から演算した露点温度と同程度にすることによって、室内機60が冷却除湿することになる。これにより、他のセンサーを設けることなく、設定された目標温湿度から大きく外れることのない湿度制御が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態2の空気調和システムは、実施の形態1の空気調和装置を備えているため、実施の形態1に記載の効果を有する空気調和システムを得ることができる。また、室内の顕熱、潜熱負荷は冷媒回路を備えた冷暖房装置110以外、すなわち外気処置換気装置100で主に処理することで、冷暖房装置110の入力を減少させることが可能になり省エネとなる。
1a〜1c 温湿度検知装置、2 温度検知装置、3a〜3c 風速検知装置、4 制御回路、10 全熱交換器、20 顕熱交換器、30a〜30d 送風装置、40a〜40c 空気経路切り替え装置、50 加湿部、60 室内機、70 室外機、100 外気処置換気装置、110 冷暖房装置、120 加湿装置、130 リモートコントローラ、200 空調対象空間、A 空気流路、A1〜A4 空気経路(詳細経路)、B 空気流路、B1、B2 空気経路(詳細経路)、C 空気流路、EA1、EA2 排気、OA1、OA2 外気、RA 還気(室内空気)、SA 給気。

Claims (14)

  1. 室外から室内に向かう空気の流れを形成する第1の空気流路と、
    前記室内から前記室外に向かう空気の流れを形成する第2の空気流路と、
    前記室外から流入して前記室外に排出する空気の流れを形成する第3の空気流路と、
    前記第1の空気流路を流れる空気と前記第2の空気流路を流れる空気との間で全熱交換を行う全熱交換器と、
    前記第1の空気流路の前記全熱交換器を通過後の空気と前記第3の空気流路の空気との間で顕熱交換を行う顕熱交換器と
    を備えたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記第1の空気流路において前記全熱交換器を通過後の経路を、
    前記顕熱交換器を通過する経路と、
    前記顕熱交換器を迂回する経路と
    に切り替え可能としたことを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記第1の空気流路を、
    前記全熱交換器及び前記顕熱交換器を通過する経路と、
    前記全熱交換器及び前記顕熱交換器の両方を迂回する経路と
    に切り替え可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和装置。
  4. 前記第1の空気流路を流れる空気の前記顕熱交換器の流入位置が前記顕熱交換器の流出位置よりも高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気調和装置。
  5. 前記第1の空気流路の前記顕熱交換器内部の流路壁面は親水性又は疎水性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気調和装置。
  6. 室内を冷房加湿する場合又は室外が低温高湿の環境において室内を冷房除湿する場合に、
    前記第1の空気流路に流入した室外の空気を前記全熱交換器で前記第2の空気流路の空気と熱交換させた後、前記顕熱交換器で前記第3の空気流路の空気と熱交換させて室内に供給することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気調和装置。
  7. 前記第3の空気流路に室外の空気を流通させる送風装置を制御して、前記顕熱交換器における熱交換量を調整することを特徴とする請求項6記載の空気調和装置。
  8. 室内を冷房加湿する場合に、前記第1の空気流路において前記顕熱交換器を通過する空気の露点温度が、前記第3の空気流路において前記顕熱交換器を通過する空気の温度よりも高いとき、前記送風装置の能力を下げて前記第3の空気流路の風量を減少させることを特徴とする請求項7記載の空気調和装置。
  9. 室内を暖房加湿する場合又は室外が高温高湿の環境において室内を冷房除湿する場合には、
    前記第1の空気流路を流れる空気の経路を、前記全熱交換器を通過後、前記顕熱交換器を迂回する経路とすることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の空気調和装置。
  10. 外気をそのまま取り入れて室内を換気する場合には、
    前記第1の空気流路を流れる空気の経路を、前記全熱交換器及び前記顕熱交換器の両方を迂回する経路とすることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の空気調和装置。
  11. 前記第3の空気経路に室外の空気を流通させる送風装置を停止させることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の空気調和装置。
  12. 前記第1の空気流路において全熱交換器よりも上流の空気温度を検出する第1の温度検知装置と、
    前記第2の空気流路において全熱交換器よりも上流の空気温度を検出する第2の温度検知装置とを備え、
    室内を冷房除湿する場合には、
    前記第1の温度検知装置により検知された空気温度が前記第2の温度検知装置により検知された空気温度以上であったとき、
    前記第1の空気流路を流れる空気の経路を、前記全熱交換器を通過後、前記顕熱交換器を迂回する経路とし、
    前記第1の温度検知装置により検知された空気温度が前記第2の温度検知装置により検知された空気温度未満であったとき、
    前記第1の空気流路を流れる空気の経路を、前記全熱交換器及び前記顕熱交換器の両方を通過する経路とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の空気調和装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気調和装置と、加湿装置と、冷媒回路を有する冷暖房装置とを備え、これら3つの装置により同一の室内空間の空調を行うことを特徴とする空気調和システム。
  14. 外部より室内の目標温度及び目標湿度を設定するリモートコントローラーを備え、
    前記加湿装置が加湿運転しており、前記冷暖房装置が冷房運転している場合には、前記冷暖房装置の室内機を流れる冷媒の蒸発温度を、前記目標温度及び前記目標湿度から演算される露点温度以上とすることを特徴とする請求項13記載の空気調和システム。
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