JP2012140072A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】交錯ベルト層のせん断変形に頼らずに、トレッドに設けられたブロックやリブなどの陸部単体で横力の方向や大きさを調整し得るタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤ10には、タイヤ周方向に連続的または断続的にトレッド15に形成されたブロック20の列,ブロック30の列がトレッド幅方向に複数設けられており、ブロックの列の少なくとも何れか一つに、接地荷重の付与によって第1方向に向かって横力を発生させる第1横力発生部を構成する溝部21が形成された第1陸部列を備えられる。第1陸部列は、トレッド幅方向における前記タイヤの中心から外れた位置に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発生する横力の方向や大きさを調整し得る構造を有するタイヤに関する。
自動車などの車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)は、タイヤ周方向に対して斜めに配設されたスチールコード(以下、コード)を有する2層以上の交錯ベルト層を備えることが一般的である。このようなタイヤでは、転動に伴って交錯ベルト層がせん断変形すると、タイヤ径方向の最外側に位置するベルトのコード配設方向に応じた横力を発生するように構成されている。
そこで、交錯ベルト層の形状を改良することによって、交錯ベルト層のせん断変形に起因する横力を調整する方法が多々提案されている(例えば、特許文献1)。また、交錯ベルト層のせん断変形に起因する横力を発生させつつ、コード配設方向と、トレッドに形成されるラグ溝の延在方向を合わせることによって横力を増大させる方法も知られている(例えば、特許文献2)。
特開2008−265476号公報(第2−3頁、第3図) 特開2008−213636号公報(第5頁、第1−2図)
上述した従来の横力の調整は、交錯ベルト層の形状など、内部構造の変更、或いは内部構造の変更と、ラグ溝などトレッド形状との組み合わせによって実現されている。つまり、交錯ベルト層のせん断変形に頼らずに、トレッドに設けられたブロックやリブなどの陸部単体で横力の方向や大きさをある程度自在に調整する方法は知られていない。
そこで、本発明は、交錯ベルト層のせん断変形に頼らずに、トレッドに設けられたブロックやリブなどの陸部単体で横力の方向や大きさを調整し得るタイヤの提供を目的とする。
本発明の特徴は、タイヤ周方向に連続的または断続的にトレッド(トレッド15)に形成された陸部列(例えば、ブロック20の列,ブロック30の列)がトレッド幅方向に複数設けられたタイヤ(空気入りタイヤ10)であって、前記陸部列の少なくとも何れか一つに、接地荷重の付与によって第1方向(例えば、方向D2R)に向かって横力を発生させる第1横力発生部(溝部21)が形成された第1陸部列を備え、前記第1陸部列は、トレッド幅方向における前記タイヤの中心から外れた位置に形成されることを要旨とする。
上述した本発明の特徴において、トレッド幅方向において、前記第1方向と逆方向である第2方向(方向D2L)に向かって横力を発生させる第2横力発生部(溝部31)が形成されたる第2陸部列を少なくとも一つ備えてもよい。
上述した本発明の特徴において、前記第1陸部列と前記第2陸部列とは、タイヤ周方向に沿った境界線(タイヤ赤道線CL)を境として、トレッド幅方向において異なる側に形成されてもよい。
上述した本発明の特徴において、前記第1横力発生部は、前記第1陸部列のトレッド幅方向における一方側のみに形成された溝部であってもよい。
本発明の特徴によれば、交錯ベルト層のせん断変形に頼らずに、トレッドに設けられたブロックやリブなどの陸部単体で横力の方向や大きさを調整し得るタイヤを提供することができる。
本発明の実施形態に係るタイヤのトレッドの一部展開図である。 本発明の実施形態に係る第1陸部列を構成するブロック20の斜視図である。 本発明の実施形態に係る陸部列による横力発生の仕組みの説明図である。 車両のキャンバー角が付加されていないとき(0度のとき)における空気入りタイヤ10の横力の発生状態と、キャンバー角が付加されたときにおける空気入りタイヤ10の横力の発生状態とを示す図である。 本発明の実施形態に係るブロック20やブロック30を用いた基本的なトレッドパターン例を示す図である。 本発明の実施形態に係るブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その1)を示す図である。 本発明の実施形態に係るブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その2)を示す図である。 本発明の実施形態に係るブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その3)を示す図である。 本発明の実施形態に係る溝部21の深さhと発生できる横力との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る溝部21の端部位置と発生できる横力との関係を示すグラフである。 本発明の変更例に係るブロック20Xの斜視図である。 本発明の変更例に係るブロック20Yの斜視図である。 本発明のブロックの配置や形状に係る変更例を示す図である。
次に、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)タイヤの概略構成、(2)陸部列の形状、(3)陸部列による横力発生の仕組み、(4)実施例、(5)溝部のサイズ、(6)作用・効果、及び(7)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)タイヤの概略構成
図1は、本実施形態に係るタイヤのトレッドの一部展開図である。空気入りタイヤ10のトレッド15には、断続的に複数のブロックが設けられる。タイヤ赤道線CLを基準として二分された一方の領域には、切欠き状の溝部21が形成された複数のブロック20が設けられる。また、他方の領域には、切欠き状の溝部31が形成されたブロック30が設けられる。
ブロック20及びブロック30は、タイヤ周方向に連続的または断続的にトレッド15に形成される。タイヤ周方向に形成された複数のブロック20によって陸部列が形成される。同様に、タイヤ周方向に形成された複数のブロック30によって陸部列が形成される。つまり、トレッド15には、トレッド幅方向に陸部列が複数設けられている。
ブロック20は、空気入りタイヤ10に対する接地荷重の付与によって方向D2R(第1方向)に向かって横力を発生させる。また、ブロック30は、空気入りタイヤ10に対する接地荷重の付与によって方向D2L(第2方向)に向かって横力を発生させる。本実施形態において、タイヤ周方向に形成された複数のブロック20は第1陸部列を構成し、タイヤ周方向に形成された複数のブロック30は、第2陸部列を構成する。
タイヤ周方向に形成された複数のブロック20は、トレッド幅方向における空気入りタイヤ10の中心、つまり、タイヤ赤道線CLから外れた位置に形成される。また、複数のブロック20による第1陸部列と、複数のブロック30による第2陸部列とは、タイヤ周方向に沿った境界線(タイヤ赤道線CL)を境として、トレッド幅方向において互いに異なる側に形成される。例えば、複数のブロック20による第1陸部列は、空気入りタイヤ10の車両への装着時にタイヤ赤道線CLよりもトレッド幅方向外側に位置し、複数のブロック30による第2陸部列は、タイヤ赤道線CLよりもトレッド幅方向内側に位置する。
ブロック20は、タイヤ周方向(方向D1)に沿って設けられる。ブロック30もタイヤ周方向に沿って設けられる。つまり、トレッド15には、トレッド幅方向(図中の方向D2L,方向D2R)において複数列の陸部列が形成される。なお、トレッド15に設けられるタイヤ周方向に沿ったブロックの列数は、図1に示した数(4列)に限定されない。
トレッド15のタイヤ径方向内側には、交錯ベルト層やラジアル構造のカーカス(不図示)が設けられる。また、リムホール(不図示)に組み付けられた空気入りタイヤ10には、空気或いは窒素ガスなどの不活性ガスが充填される。
(2)陸部列の形状
図2は、本実施形態に係る第1陸部列を構成するブロック20の斜視図である。トレッド幅方向(方向D2L,方向D2R)におけるブロック20の側部20aには、溝部21が形成される。具体的には、溝部21は、ブロック20の一方の側部のみに形成された空隙である。なお、溝部31が形成されたブロック30(図1参照)は、ブロック20と線対称の形状を有する。
溝部21は、空気入りタイヤ10に対する接地荷重の付与によって方向D2Rに向かって横力を発生させる。本実施形態において、溝部21は、第1横力発生部を構成する。
溝部31は、トレッド幅方向において、方向D2Rと逆方向である方向D2Lに向かって横力を発生させる。本実施形態において、溝部31は、第2横力発生部を構成する。
溝部21(第1横力発生部)は、タイヤ周方向に形成された複数のブロック20(第1陸部列)のトレッド幅方向における一方側(例えば、トレッド幅方向外側)のみに形成されている。同様に、溝部31(第2横力発生部)は、タイヤ周方向に形成された複数のブロック20(第1陸部列)のトレッド幅方向における一方側(例えば、トレッド幅方向内側)のみに形成されている。
溝部21は、側部20a及びトレッド面20sにおいて開口する。一方、溝部21は、他方の側部(側部20b)には開口していない。溝部21は、トレッド面20sからタイヤ径方向内側に向かって凹んでいる。
溝部21は、側部20bよりもクラッシング変形の量を抑制する。クラッシング変形とは、ブロック20がタイヤ径方向内側に圧縮されることによって、ブロック20の側部20a,20bがトレッド幅方向に膨出する現象である。溝部21が側部20aにおけるクラッシング変形の量を抑制することによって、ブロック20に方向D2Rへの横力を発生させる(ブロック20上の矢印参照)。
(3)陸部列による横力発生の仕組み
次に、陸部列による横力発生の仕組みについて説明する。図3は、陸部列による横力発生の仕組みの説明図である。具体的には、図3は、ブロック20及びブロック40のトレッド面視による平面形状と、ブロック20及びブロック40が路面Rに接地した際におけるトレッド幅方向の沿ったブロック20及びブロック40の断面形状とを模式的に示す。
図3では、溝部21が形成されたブロック20がクラッシング変形によって発生する横力と、切欠きが形成されていないブロック40がクラッシング変形によって発生する横力とが示されている。
ブロック20及びブロック40は、四輪自動車などの車両(不図示)に装着された空気入りタイヤ10に荷重が掛かった状態において、路面Rに接地した空気入りタイヤ10が所定方向に回転させられることによって、クラッシング変形を起こす。具体的には、切欠きが形成されていないブロック40が、空気入りタイヤ10の回転に伴って、路面Rに荷重が掛けられた状態で路面Rに接地すると、タイヤ径方向内側に圧縮されることによって、ブロック40の側部40a,40bの両方がトレッド幅方向(方向D2L,方向D2R)に膨出する。一方、溝部21が形成されたブロック20が路面Rに荷重が掛けられた状態で接地すると、切欠きが形成されていない側部20bのみがトレッド幅方向(方向D2L)に膨出する。
ブロック40には切欠きが形成されていないため、側部40a及び側部40bは、概ね均等に変形する。このとき、トレッド幅方向に膨出しようとする力の反力であるクラッシング力に基づく横力Fy1及び横力Fy2が発生する。ブロック40では、横力Fy1と横力Fy2とは同等であるため、ブロック40全体としては、横力を殆ど発生しない。つまり、横力Fy1は方向D2Rに向かい、横力Fy2は方向D2Lに向かうため、相殺される。
ここで、横力Fy1は、空気入りタイヤ10に荷重が掛けられた場合において、トレッド幅方向に沿った方向D2R(第1方向)に向かってブロック40(ブロック20)が発生する横力である。横力Fy2は、方向D2Rと逆方向である方向D2L(第2方向)に向かってブロック40(ブロック20)が発生する横力である。
一方、側部20aには溝部21が形成されているため、側部20aにおけるクラッシング変形は、側部20bに比較して極めて少ない。したがって、側部20aでは、クラッシング力に基づく横力Fy2は、殆ど発生せず、横力Fy2の大きさは、横力Fy1の大きさと大きく異なる。つまり、ブロック20及びブロック30によって構成される陸部列全体が方向D2Rに向かって発生する横力Fy1の大きさは、方向D2Lに向かって陸部列全体が発生する横力Fy2の大きさと異なっている。
より具体的には、側部20aが荷重により圧縮されても、応力は溝部21の部分で吸収され、クラッシング力が抑制される。つまり、切欠きは、クラッシング変形による横力を発生させたい方向(図3の例では、方向D2R)側に位置する陸部列の側部に形成される。また、後述するように、陸部列には、切欠きに代えて横力を発生させたい方向に位置する側部に溝や孔などを形成してもよい。
次に、このような空気入りタイヤ10が車両に装着された場合における横力の発生状態について説明する。図4は、キャンバー角に応じた横力の発生状態を示す図である。
具体的には、図4は、車両のキャンバー角が付加されていないとき(0度のとき)における空気入りタイヤ10の横力の発生状態と、キャンバー角が付加されたときにおける空気入りタイヤ10の横力の発生状態とを示す。それぞれの矢印は、トレッドに形成されたブロックの横力発生方向を示す。また、「OUT」は、空気入りタイヤ10が車両に装着された場合に外側、「IN」は内側となることを示す。
空気入りタイヤ10が路面R(図3参照)に接地することによって形成される接地面G内に位置するブロックは、上述した仕組みによって横力を発生できる。一方、接地面G外に位置するブロックは、横力を発生できない。
キャンバー角が0度の場合、タイヤ赤道線CLを基準として車両装着時外側(OUT側)に位置する接地面G内のブロック(以下、OUT側接地ブロック)の数と、車両装着時内側(IN側)に位置する接地面G内のブロックの数(以下、IN側接地ブロック)は、同一である。一方、キャンバー角が付加された場合、例えば、図右側に示すように、ネガティブキャンバーが付加された場合、OUT側接地ブロックの数と、IN側接地ブロックの数とは異なる。
キャンバー角が0度のときは、OUT側接地ブロックの数と、IN側接地ブロックの数とが同一であるため、OUT側に向かう横力と、IN側に向かう横力とは相殺される。このため、空気入りタイヤ10全体(複数のブロック全体)のクラッシング変形によっては、特定の方向に横力を発生せず、車両は、直進状態を保持する。
一方、キャンバー角(ネガティブキャンバー)が付加された場合、IN側接地ブロックの数は、OUT側接地ブロックの数よりも多くなるため、空気入りタイヤ10全体としては、複数のブロックのクラッシング変形によるIN側に向かう横力が発生する(図中の大きい矢印参照)。なお、キャンバー角が付加される場合とは、車両のホイールアライメントとして予め所定の値に設定される場合、及び車両のロールなどに伴う走行中のキャンバー変化を含む。
(4)実施例
次に、ブロック20やブロック30を用いたトレッドパターンの実施例について説明する。
(4.1)実施例1
図5(a)〜(c)は、ブロック20やブロック30を用いた基本的なトレッドパターン例を示す。図5(a)は、タイヤ赤道線CLを基準としてIN側にブロック20が設けられ、OUT側にブロック30が設けられる。ブロック20は、IN側に横力を発生し、ブロック30は、OUT側に横力を発生する。
図5(a)の場合、キャンバー角が付加されない場合、空気入りタイヤ10全体(複数のブロック全体、以下同)としてはクラッシング変形による横力を発生しない。一方、ネガティブキャンバーが付加された場合、クラッシング変形によってIN側に横力を発生し、ポジティブキャンバーが付加された場合、OUT側に横力を発生する。
図5(b)は、図5(a)と比較すると、ブロック20とブロック30の位置関係が逆になっている。すなわち、キャンバー角が付加された場合における横力の発生方向も逆となる。
図5(c)は、タイヤ赤道線CLを基準としたIN側及びOUT側の両方にブロック20が設けられる。つまり、空気入りタイヤ10に設けられたブロックのそれぞれは、空気入りタイヤ10に荷重が掛かることによって、方向D2Lまたは方向D2Rの何れか一方の方向に横力を発生する。このように、空気入りタイヤ10に設けられる陸部列は、ブロック20またはブロック30の何れか一方にみによって構成されてもよい。
図5(c)の場合、キャンバー角が付加されない場合及び付加された場合の何れでも、空気入りタイヤ10全体としてはIN側に横力を発生する。つまり、キャンバー角にかかわらず、空気入りタイヤ10全体としてクラッシング変形によって発生する横力は殆ど変化しない。
一般的な使用状況には、図5(a)及び(b)に示すように、タイヤ赤道線CLを基準とした横力の発生方向は、逆向きになることが好ましい。
(4.2)実施例2
図6(a)及び(b)は、ブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その1)を示す。図6(a)及び(b)では、IN側に切欠きが形成されていない普通のブロック40が設けられる。つまり、IN側のブロック40では、クラッシング変形による横力は発生しない。このため、図6(a)では、OUT側に設けられたブロック30がOUT側に横力を発生し、図6(b)では、OUT側に設けられたブロック20がクラッシング変形によってIN側に横力を発生する。
(4.3)実施例3
図7(a)〜(d)は、ブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その2)を示す。図7(a)〜(d)は、IN側とOUT側とにおいて発生する横力の大きさが異なる。例えば、図7(a)では、OUT側に設けられたブロック30がクラッシング変形によって発生する横力は、IN側に設けられた2列のブロック20がクラッシング変形によって発生する横力も小さい。具体的には、OUT側には、特定方向に横力を発生しないブロック40が設けられているため、発生する横力が小さくなっている(横力の大小は、矢印の大きさによって示されている)。すなわち、IN側とOUT側とにおいて発生する横力のバランスが異なっている。
(4.4)実施例4
図8(a)及び(b)は、ブロック20やブロック30を用いたトレッドパターン例(その3)を示す。図8(a)及び(b)に示すように、タイヤ周方向に沿った境界線L1(または境界線L2)を基準とした一方側に設けられるブロック20は、空気入りタイヤ10に荷重が掛かることによってIN側にクラッシング変形による横力を発生する。一方、境界線L1(または境界線L2)を基準とした他方側に設けられるブロック30は、OUT側にクラッシング変形による横力を発生する。
つまり、横力の発生方向が異なる境界は、必ずしもタイヤ赤道線CLである必要はなく、トレッド幅方向における任意の位置に境界を設定できる。また、境界は、図8(b)に示すように、複数設定してもよい。
(5)溝部のサイズ
次に、溝部21(溝部31)のサイズについて説明する。図2に示す溝部21の深さhと、ブロック20の高さHとの比(h/H)は、8%〜72%であることが好ましい。深さhは、トレッド面20sから溝部21の底部までの距離である。高さHは、ブロック20に隣接する溝の底部からトレッド面20sまでの距離である。
図9は、溝部21の深さhと、発生できる横力との関係を示すグラフである。図9に示すように、深さhと高さHとの比(h/H)が8%〜72%であれば、ブロック20が発生できる横力最大値の60%以上のクラッシング変形による横力を発生させることができる。
また、図2に示す幅W2は、8mm以上であることが好ましい。幅W2は、ブロック20の側部20bの端部から溝部21の端部までの距離である。また、溝部21の端部は、側部20aの端部から5mm以上離れていることが好ましい。なお、本実施形態では、トレッド幅方向におけるブロック20の幅W1は、40mmである。
図10は、溝部21の端部位置と発生できる横力との関係を示すグラフである。図10に示すように、溝部21の端部位置が側部20bの端部から8mm以上、かつ側部20aの端部から5mm以上離れていれば、ブロック20が発生できる横力最大値の60%以上の横力を発生させることができる。
(6)作用・効果
空気入りタイヤ10によれば、例えば、方向D2Rに向かってブロック20(ブロック30、以下同)が発生する横力Fy1の大きさは、方向D2Lに向かってブロック20が発生する横力Fy2の大きさと異なる。このため、交錯ベルト層のせん断変形に頼らずに、トレッド15に設けられたブロック単体で横力の方向や大きさを調整し得る。
具体的には、トレッド幅方向におけるブロック20の側部20aには、ブロック20の側部20bよりもクラッシング変形の量を抑制する溝部21が形成される。溝部21は、クラッシング変形による横力を発生させたい方向側に位置する。
したがって、図3に示したように、側部20aでは、クラッシング力に基づく横力Fy2は殆ど発生せず、ブロック20全体としては、方向D2Rへの横力Fy1を発生する。
また、実施例1〜4に示したようなトレッドパターンを用いることによって、次のような効果が期待できる。すなわち、(i)キャンバー角が0度の場合でも空気入りタイヤ10が発生する横力の方向や大きさを自由に調整できる、(ii)キャンバー角が付加されたときの横力を増大(減少)できる、(iii)キャンバー角が増加するほど横力を増大(減少)できる。
つまり、空気入りタイヤ10によれば、交錯ベルト層などの内部構造に頼らずに発生横力を調整できるため、車両からの要求や走行条件などに応じて、トレッドパターンの変更のみで比較的自由に空気入りタイヤ10の特性を変更できる。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。図11は、本発明の変更例に係るブロック20Xの斜視図である。ブロック20Xの側部20aには、溝部21に代えて複数の円孔22が形成される。円孔22は、トレッド面20sからタイヤ径方向内側に向かって形成される。円孔22は、側部20aに形成された空隙である。円孔22によっても側部20aのクラッシング変形の量が抑制され、発生横力を調整できる。
図12は、本発明の変更例に係るブロック20Yの斜視図である。ブロック20Yの側部20aには、溝部21に代えて複数の角孔23が形成される。角孔23によっても側部20aのクラッシング変形の量が抑制され、発生横力を調整できる。
なお、円孔22や角孔23は、側部20aの側面及びトレッド面20sの少なくとも何れかにおいて開口していればよい。また、側部20aには、ブロックの側面に限らず、ブロックをトレッド幅方向における中心において二分した一方側の領域が含まれる。
また、上述した実施形態では、一方の側部においてトレッド幅方向のクラッシング変形の量を抑制することで横力を調整したが、タイヤ周方向のクラッシング変形の量を増大することで横力を調整してもよい。
図13(a)及び(b)は、ブロックの配置や形状に係る変更例を示す。図13(a)に示すように、ブロック20は、必ずしもタイヤ周方向に沿って整列した状態で設けられていなくても構わない。さらに、図13(b)に示すように、トレッドに連続的に設けられたリブ50に切欠きを形成するようにしてもよい。
また、本発明は、空気入りタイヤに限らず、交錯ベルト層やカーカスを有さないソリッドタイヤに適用することもできる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…空気入りタイヤ、15…トレッド、20,20X,20Y…ブロック、20a,20b…側部、20s…トレッド面、21…溝部、22…円孔、23…角孔、30…ブロック、31…溝部、40…ブロック、40a,40b…側部、50…リブ、CL…タイヤ赤道線、Fy1,Fy2…横力G…接地面、R…路面

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に連続的または断続的にトレッドに形成された陸部列がトレッド幅方向に複数設けられたタイヤであって、
    前記陸部列の少なくとも何れか一つに、接地荷重の付与によって第1方向に向かって横力を発生させる第1横力発生部が形成された第1陸部列を備え、
    前記第1陸部列は、トレッド幅方向における前記タイヤの中心から外れた位置に形成されるタイヤ。
  2. トレッド幅方向において、前記第1方向と逆方向である第2方向に向かって横力を発生させる第2横力発生部が形成されたる第2陸部列を少なくとも一つ備える請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記第1陸部列と前記第2陸部列とは、タイヤ周方向に沿った境界線を境として、トレッド幅方向において互いに異なる側に形成される請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記第1横力発生部は、前記第1陸部列のトレッド幅方向における一方側のみに形成された溝である請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019081448A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

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