JP2012139925A - 圧電素子及び液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

圧電素子及び液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護膜の中抜き部をエッチングする際に、上部電極のオーバーエッチングが減少して断線の危険性が少なくなり、上部電極の薄膜化によりコストの低減した圧電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る圧電素子の製造方法は、第1電極20を形成する工程と、第1電極20の上方に圧電体層30を形成する工程と、圧電体層30の上方に第2電極40を形成する工程と、第2電極40の上方に第3電極50を形成する工程と、少なくとも圧電体層30の側面を覆う保護膜60を形成する工程と、第3電極50をストッパー層として保護膜60を第3電極50が露出するまでエッチングする工程と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電素子及び圧電素子を用いた液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
圧電素子は、電圧印加によりその形状を変化させる特性を有する素子であり、圧電体を電極で挟んだ構造を有する。圧電素子は、例えばインクジェットプリンターの液体噴射ヘッドや、各種アクチュエーターなど多様な用途に用いられている。
圧電素子を構成する圧電体は、湿気などにより劣化しやすい。例えば、特許文献1に記載のインクジェット式記録ヘッドでは、圧電体層の大気からの吸湿に起因した劣化の問題を解決するために、保護膜を圧電体層の側面や下部電極の上面に設けている。
しかし、保護膜を設けることにより、その拘束力から変位が低下するという問題がある。このような問題に対し、特許文献2に記載のインクジェット記録ヘッドでは、圧電素子を構成する上部電極の主要部に対応する領域に保護膜が存在しない中抜き部を設けるようにしたものがある。この中抜き部は、特許文献2に記載されているように、保護膜をドライエッチング技術により形成されるのが一般的である。このように、中抜き部を設けることにより、保護膜によって圧電素子の外部環境に起因する劣化を防止しつつ、圧電素子の変位量の低下も抑制することができる。
特開平10−226071号公報 特開2007−216429号公報
しかしながら、保護膜の中抜き部をドライエッチングによって形成すると、保護膜と共に上部電極の一部を除去することになってしまう(以下、オーバーエッチングという)。上部電極は、圧電体界面との整合性(仕事関数)をあげるため、薄膜化することが望ましい。ところが、薄膜化した場合、オーバーエッチングによる断線の危険性があるため、十分に薄膜化することが困難となる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明に係る圧電素子の製造方法は、第1電極を形成する工程と、前記第1電極の上方に圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層の上方に第2電極を形成する工程と、前記第2電極の上方に第3電極を形成する工程と、少なくとも前記第3電極及び前記圧電体層の側面を覆う保護膜を形成する工程と、前記第3電極をストッパー層として前記保護膜を前記第3電極が露出するまでエッチングする工程と、を含む圧電素子の製造方法。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に他の特定のもの( 以下「B」という)を形成する」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。同様に、「下方」という文言は、A下に直接Bを形成するような場合と、A下に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとする。
この圧電素子の製造方法によれば、第3電極は、保護膜のエッチングにおいて、エッチングストッパー層として機能する。これにより、保護膜の下方に形成された上部電極としての第2電極のオーバーエッチングが減少し、断線の危険性が少なくなる。また、断線の危険性が少なくなることから、上部電極の薄膜化が可能となりコスト削減に繋がる。
[適用例2]
本発明の態様の1つである圧電素子の製造方法において、前記第3電極は、Fe、Ni、Cr、及びCuのうちの少なくとも1種を含み、前記保護膜は、絶縁性無機材料又は絶縁性樹脂材料からなり、前記保護膜のエッチングは塩素系ガスを用いたドライエッチングにより行なう、圧電素子の製造方法。
Fe、Ni、Cr、及びCuの塩化物の融点は、絶縁性無機材料又は絶縁性樹脂材料の塩化物の融点と比較して高いので、塩素系ガスのドライエッチングに対して、保護膜に対し第3電極はエッチングされにくい。したがって、保護膜のエッチングにおいて、第3電極は良好なエッチングストッパー層として機能し、保護膜の下方に形成された上部電極としての第2電極のオーバーエッチングがより減少し、断線の危険性がより少なくなる。
また、断線の危険性がより少なくなることから、上部電極の薄膜化が可能となり、よりコスト削減に繋がる。
さらに、保護膜に、絶縁性無機材料又は絶縁性樹脂材料を用いることにより、圧電体層の大気からの吸湿に起因した劣化を防止することが可能である。これにより、信頼性の高い圧電素子を提供することができる。
[適用例3]
本発明の態様の1つである圧電素子の製造方法において、前記第1電極は、貴金属、該貴金属の酸化物、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなる、圧電素子の製造方法。
これにより、第1電極が良好な導電性を有することが可能となる。
[適用例4]
本発明の態様の1つである圧電素子の製造方法において、前記第2電極は、貴金属、該貴金属の酸化物、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなる、圧電素子の製造方法。
これにより、第2電極が良好な導電性を有することが可能となる。
[適用例5]
本発明の態様の1つである圧電素子の製造方法において、前記貴金属は、Pt又はIrである、圧電素子の製造方法。
これにより、第1電極及び第2電極が高温熱処理に耐え、且つ良好な導電性を有することが可能となる。
[適用例6]
本発明の態様の1つである圧電素子の製造方法において、前記圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む、圧電素子の製造方法。
圧電体層にチタン酸ジルコン酸鉛を用いることにより、良好な変位特性を得ることができる。
[適用例7]
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、上記記載の圧電素子の製造方法により圧電素子を製造する工程を含むことを特徴とする、液体噴射ヘッドの製造方法。
本発明によれば、本発明の態様の1つである圧電素子を有する液体噴出ヘッドを提供することができる。
実施形態に係る圧電素子の断面図。 (A)〜(D)は、実施形態に係る圧電素子の製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図。 実施形態に係る液体噴射ヘッドの分解斜視図。 実施形態に係る液体噴射装置を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
図1は、実施形態に係る圧電素子100の断面図である。まず、実施形態に係る圧電素子100の概略構成について説明する。
圧電素子100は、第1電極20、圧電体層30、第2電極40、第3電極50及び保護膜60を備えている。
図1に示すように、第1電極20の上方に、圧電体層30、第2電極40、第3電極50、保護膜60が順次積層されている。
第1電極20の材質は、導電性を有する物質であり、高温熱処理に耐え、尚且つ導電性を有している限り特に限定されない。第1電極20の材質として、例えば、Pt、Irなどの各種の貴金属、該貴金属の酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなることができる。また、第1電極20は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
圧電体層30の材質としては、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。このような材質の具体的な例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などが挙げられる。
圧電体層30は、例えば、ゾルゲル法、MOD(Metal Organic Decomposition)法などを用いて形成されることができる。圧電体層30の膜厚は、例えば1.1μm程度とすることができる。
第2電極40は、第1電極20と同様に、例えば、貴金属、該貴金属の酸化物、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなることができる。第2電極40は、例えば、スパッタ法、蒸着法などにより形成されることができる。第2電極40の膜厚は、例えば10nm〜50nm程度とすることができる。
第3電極50は、保護膜60のエッチングを良好に行うことのできるエッチングガスに対して反応性が低く、物理的作用においても保護膜60よりもエッチングレートが遅いというエッチング特性を有する導電性の材料である限り特に限定されない。第3電極50の材質として、例えば、Fe、Ni、Cr、及びCuのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする金属からなることができる。また、第3電極50は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。第3電極50の膜厚は、例えば10nm〜50nm程度とすることができる。
保護膜60は、少なくとも圧電体層30の側面32,33を覆うように形成されている。保護膜60の形状は、少なくとも圧電体層30の側面32,33を覆う限り、特に限定されない。保護膜60は、図1に示すように圧電体層30の駆動領域の上方において、第3電極50の少なくとも一部を露出させるように開口した開口部を有していてもよい。また、保護膜60は、第1電極20の一部、圧電体層30の側面32,33、第2電極40の側面、及び第3電極50の一部を連続して覆っていてもよい。
保護膜60の材質は、絶縁性を有する限り、特に限定されない。例えば、保護膜60は、公知の絶縁性無機材料又は絶縁性樹脂材料を用いて形成することができる。公知の絶縁性無機材料としては、酸化アルミニウム(Al23)又は酸化シリコン(SiO2)であってもよい。公知の絶縁性樹脂材料としては、例えば、公知の感光性樹脂材料を用いてもよいし、非感光性樹脂材料を用いてもよい。絶縁性樹脂材料が、感光性樹脂材料である場合、公知の不飽和結合含有重合性化合物、光重合開始剤等も含んでいてもよい。具体的には、絶縁性樹脂材料は、フォトレジストであってもよいし、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリビニルアルコール誘導体等の樹脂組成物であってもよい。
次に、実施形態に係る圧電素子100の製造方法について説明する。図2(A)〜図2(D)は、実施形態に係る圧電素子100の製造工程を模式的に示す断面図である。
実施形態に係る圧電素子100の製造方法は、第1電極20を形成する工程と、第1電極20の上方に圧電体層30を形成する工程と、圧電体層30の上方に第2電極40を形成する工程と、第2電極40の上方に第3電極50を形成する工程と、第3電極50の上方に保護膜60を形成する工程と、を含む。
圧電体層30、第2電極40、第3電極50、及び保護膜60を形成する工程は、第1電極20の上方に圧電体膜30aを形成し、圧電体膜30aの上方に第2導電膜40aを形成し、第2導電膜40aの上方に第3導電膜50aを形成し、第3導電膜50aの上方にレジスト層110を形成する工程と、レジスト層110をマスクとして、第3導電膜50a、第2導電膜40a及び、圧電体膜30aをドライエッチングしてパターニングする工程と、保護膜層60aを少なくとも第3電極50及び圧電体層30の側面32,33を覆うように形成し、保護膜層60aの上方にレジスト層111を形成する工程と、レジスト層111をマスクとして、保護膜層60aをドライエッチングしてパターニングする工程と、を有する。
まず、図2(A)に示すように、第1電極20の上方に圧電体膜30aを形成し、圧電体膜30aの上方に第2導電膜40aを形成し、第2導電膜40aの上方に第3導電膜50aを形成し、第3導電膜50aの上方にレジスト層110を形成する。
圧電体膜30aは、圧電材料を成膜して、熱処理することで形成される。成膜方法は特に限定されず、公知の成膜方法を用いることができる。熱処理の条件は、圧電材料を結晶化し圧電体膜30aを形成できる温度であれば、特に限定されない。熱処理は、例えば、酸素雰囲気中において、500度以上、800度以下で行なうことができる。例えば、ゾルゲル法などによって形成された圧電材料を成膜して、熱処理することで圧電体膜30aを形成することができる。また、圧電体膜30aは、スピンコート法、CVD法、MOD法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などにより形成されてもよい。
第2導電膜40a及び第3導電膜50aの形成方法は特に限定されず、公知の成膜方法を用いることができる。例えば、CVD法やPVD法などの蒸着法、めっき法、スパッタ法、MOD法、スピンコート法などにより第2導電膜40a及び第3導電膜50aを形成することができる。
レジスト層110の材料は特に限定されず、ドライエッチングに用いられる公知のレジスト材料を用いることができる。また、公知の方法により、第3導電膜50a上方の所望の領域にレジスト層110を形成する。レジスト層110の膜厚は、例えば2μm〜4μm程度とすることができる。
図2(B)に示すように、レジスト層110をマスクとして、公知の方法で第3導電膜50a、第2導電膜40a、及び圧電体膜30aをドライエッチングしてパターニングする。第3導電膜50a及び第2導電膜40aのエッチングは、例えば、Cl2及びArガスをICP(Induction Coupled Plasma)などの高密度プラズマにしたものを用いて、高バイアスパワー(例えば600W程度)、低圧力(例えば1.0Pa以下)の条件で行うことができる。
また、圧電体膜30aのエッチングは、例えば、塩素系とフッ素系の混合ガスをICPなどの高密度プラズマにしたものを用いて、高バイアスパワー(例えば600W程度)、低圧力(例えば1.0Pa以下)の条件で行うことができる。該混合ガスには、塩素系のガスが流量比で60パーセント以上入っていることが好ましい。また、該混合ガスにArなどの希ガスを添加することもできる。塩素系のガスとしては、例えば、BCl3、Cl2などが挙げられる。フッ素系のガスとしては、例えば、CF4、C26などが挙げられる。
図2(C)に示すように、パターニング工程が終了した後、レジスト層110は公知の方法により除去し、保護膜層60aを少なくとも第3電極50及び圧電体層30の側面32,33を覆うように形成し、保護膜層60aの上方にレジスト層111を形成する。
保護膜層60aの形成方法は特に限定されず、公知の成膜方法を用いることができる。例えば、CVD法やPVD法などの蒸着法、スパッタ法、MOD法、ゾルゲル法、スピンコート法などにより保護膜層60aを形成することができる。
レジスト層111の材料は特に限定されず、ドライエッチングに用いられる公知のレジスト材料を用いることができる。また、公知の方法により、保護膜層60a上方の所望の領域にレジスト層111を形成する。レジスト層111の膜厚は、例えば1μm〜3μm程度とすることができる。
図2(D)に示すように、レジスト層111をマスクとして、公知の方法で保護膜層60aをドライエッチングしてパターニングする。保護膜層60aのエッチングは、例えば、塩素系ガスをICPなどの高密度プラズマにしたものを用いて、高バイアスパワー(例えば600W程度)、低圧力(例えば1.0Pa以下)の条件で行うことができる。塩素系のガスとしては、例えば、BCl3、Cl2などが挙げられる。
上述した条件で保護膜層60aをエッチングする本工程において、第3電極50は、良好なエッチングストッパー層として機能することができる。この理由は以下の通りである。
上述したように、保護膜層60aはAl23などが用いられ、第3電極50はFeなどを用いることができる。保護膜層60aをエッチングする際、塩素系ガスを使用するが、Al23の塩化物の融点は200度以下であるのに対して、Feの塩化物の融点は600度以上である。このため、塩素系ガスに対して、保護膜層60aはエッチングされやすく、第3電極50はエッチングされ難い。このことから、第3電極50は、保護膜層60aをエッチングする際に良好なエッチングストッパー層であると言える。
以上述べたように、実施形態に係る圧電素子100の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第2電極40の上方に第3電極50を設けることにより、保護膜60の中抜き部をドライエッチングによって形成しても、オーバーエッチングによる断線の危険性がなくなり、上部電極を十分に薄膜化することが可能となる。よって、本実施形態に係る圧電素子100の製造方法によれば、低コストで信頼性の高い圧電素子100を提供することができる。
次に、実施形態に係る圧電素子100を有する液体噴射ヘッド600について、図面を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る液体噴射ヘッド600の要部を模式的に示す断面図である。図4は、実施形態に係る液体噴射ヘッド600の分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下を逆に示したものである。
液体噴射ヘッド600は、上述の圧電素子100(圧電アクチュエーター)を有する。以下の例では、圧電素子100が圧電アクチュエーターとして構成されている液体噴射ヘッド600について説明する。
液体噴射ヘッド600は、図3及び図4に示すように、ノズル孔612を有するノズル板610と、圧力室622を形成するための圧力室基板620と、圧電素子100と、を含む。
圧電素子100の数は特に限定されず、複数形成されていてよい。なお、圧電素子100が複数形成される場合は、第1電極20又は第2電極40のどちらか一方を共通電極とすることができる。
また、液体噴射ヘッド600は、図4に示すように、筐体630を有することができる。なお、図4では、圧電素子100を簡略化して図示している。
ノズル板610は、図3及び図4に示すように、ノズル孔612を有する。ノズル孔612からは、インクなどの液体等(液体のみならず、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したもの、又は、メタルフレーク等を含むものなどを含む。以下同じ。)を液体として噴射することができる。ノズル板610には、例えば、多数のノズル孔612が一列に設けられている。ノズル板610の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。
圧力室基板620は、ノズル板610上(図4の例では下)に設けられている。圧力室基板620の材質としては、例えば、シリコンなどを例示することができる。圧力室基板620がノズル板610と基板10との間の空間を区画することにより、図4に示すように、リザーバー(液体貯留部)624と、リザーバー624と連通する供給口626と、供給口626と連通する圧力室622と、が設けられている。この例では、リザーバー624と、供給口626と、圧力室622とを区別して説明するが、これらはいずれも液体等の流路であって、このような流路はどのように設計されても構わない。また例えば、供給口626は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、必ずしも必須の構成ではない。
リザーバー624、供給口626及び圧力室622は、ノズル板610と圧力室基板620と基板10とによって区画されている。リザーバー624は、外部(例えばインクカートリッジ)から、基板10に設けられた貫通孔628を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー624内のインクは、供給口626を介して、圧力室622に供給されることができる。圧力室622は、基板10の変形により容積が変化する。圧力室622はノズル孔612と連通しており、圧力室622の容積が変化することによって、ノズル孔612から液体等が噴射される。
圧電素子100は、圧力室基板620上(図4の例では下)に設けられている。圧電素子100は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。基板10は、積層構造(圧電体層30)の動作によって変形し、圧力室622の内部圧力を適宜変化させることができる。
筐体630は、図4に示すように、ノズル板610、圧力室基板620及び圧電素子100を収納することができる。筐体630の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
液体噴射ヘッド600は、圧電体層30の側面32,33において、連続したリークパスが形成されにくい圧電素子100を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液体噴射ヘッド600を実現できる。
なお、ここでは、液体噴射ヘッド600がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
次に、実施形態に係る液体噴射装置700について、図面を参照しながら説明する。液体噴射装置700は、上述の液体噴射ヘッド600を有する。以下では、液体噴射装置700が上述の液体噴射ヘッド600を有するインクジェットプリンターである場合について説明する。図5は、実施形態に係る液体噴射装置700を模式的に示す斜視図である。
液体噴射装置700は、図5に示すように、ヘッドユニット730と、駆動部710と、制御部760と、を含む。さらに、液体噴射装置700は、装置本体720と、給紙部750と、記録用紙Pを設置するトレイ721と、記録用紙Pを排出する排出口722と、装置本体720の上面に配置された操作パネル770と、を含む。
ヘッドユニット730は、上述した液体噴射ヘッド600から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。さらに、ヘッドユニット730は、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ731と、ヘッド及びインクカートリッジ731を搭載した運搬部としてのキャリッジ732と、を備える。
駆動部710は、ヘッドユニット730を往復動させることができる。駆動部710は、ヘッドユニット730の駆動源となるキャリッジモーター741と、キャリッジモーター741の回転を受けて、ヘッドユニット730を往復動させる往復動機構742と、を有する。
往復動機構742は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸744と、キャリッジガイド軸744と平行に延在するタイミングベルト743と、を備える。キャリッジガイド軸744は、キャリッジ732が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ732を支持している。さらに、キャリッジ732は、タイミングベルト743の一部に固定されている。キャリッジモーター741の作動により、タイミングベルト743を走行させると、キャリッジガイド軸744に導かれて、ヘッドユニット730が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
なお、実施形態では、液体噴射ヘッド600及び記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッド600及び記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であってもよい。また、実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
制御部760は、ヘッドユニット730、駆動部710及び給紙部750を制御することができる。
給紙部750は、記録用紙Pをトレイ721からヘッドユニット730側へ送り込むことができる。給紙部750は、その駆動源となる給紙モーター751と、給紙モーター751の作動により回転する給紙ローラー752と、を備える。給紙ローラー752は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー752a及び駆動ローラー752bを備える。駆動ローラー752bは、給紙モーター751に連結されている。制御部760によって給紙部750が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット730の下方を通過するように送られる。
ヘッドユニット730、駆動部710、制御部760及び給紙部750は、装置本体720の内部に設けられている。
液体噴射装置700は、保護膜60をエッチングする際のストッパー層として第3電極50を有している圧電素子100を含んでいる。したがって、低コストで信頼性の向上した液体噴射装置700を実現できる。
なお、上記例示した液体噴射装置は、1つの液体噴射ヘッドを有し、この液体噴射ヘッドによって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液体噴射ヘッドを有してもよい。液体噴射装置が複数の液体噴射ヘッドを有する場合には、複数の液体噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液体噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
以上、本発明に係る液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンターとしての液体噴射装置700を説明したが、本発明に係る液体噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体等(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明の液体噴射装置は、例示したプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
10…基板、20…第1電極、30…圧電体層、30a…圧電体膜、32,33…圧電体層の側面、40…第2電極、40a…第2導電膜、50…第3電極(ストッパー層)、50a…第3導電膜、60…保護膜、100…圧電素子、110…レジスト層、111…レジスト層、600…液体噴射ヘッド、610…ノズル板、612…ノズル孔、620…圧力室基板、622…圧力室、624…リザーバー、626…供給口、628…貫通孔、630…筐体、700…液体噴射装置、710…駆動部、720…装置本体、721…トレイ、722…排出口、730…ヘッドユニット、731…インクカートリッジ、732…キャリッジ、741…キャリッジモーター、742…往復動機構、743…タイミングベルト、744…キャリッジガイド軸、750…給紙部、751…給紙モーター、752…給紙ローラー、752a…従動ローラー、752b…駆動ローラー、760…制御部、770…操作パネル。

Claims (7)

  1. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極の上方に圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層の上方に第2電極を形成する工程と、
    前記第2電極の上方に第3電極を形成する工程と、
    少なくとも前記第3電極及び前記圧電体層の側面を覆う保護膜を形成する工程と、
    前記第3電極をストッパー層として前記保護膜を前記第3電極が露出するまでエッチングする工程と、を含む圧電素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第3電極は、Fe、Ni、Cr、及びCuのうちの少なくとも1種を含み、
    前記保護膜は、絶縁性無機材料又は絶縁性樹脂材料からなり、前記保護膜のエッチングは塩素系ガスを用いたドライエッチングにより行なう、圧電素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1電極は、貴金属、該貴金属の酸化物、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなる、圧電素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記第2電極は、貴金属、該貴金属の酸化物、及び該貴金属からなる合金のうちの少なくとも1種からなる、圧電素子の製造方法。
  5. 請求項3又は4において、
    前記貴金属は、Pt又はIrである、圧電素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む、圧電素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電素子の製造方法により圧電素子を製造する工程を含むことを特徴とする、液体噴射ヘッドの製造方法。
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