JP2012139720A - 固形粉末成型体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に硬度が均一な固形粉末成型体を製造することができる固形粉末成型体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の固形粉末成型体の製造方法は、皿状の容器5内に収容された粉体原料を杵によって超音波振動を印加しながらプレス成型する工程を含んでいる。杵は容器5を挟む一対の上杵6及び下杵7からなる。容器5と下杵7との間に、10〜35℃において、反発弾性率が15%以下であり且つショアA硬度が50〜80度である弾性体8を介在させてプレス成型する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の固形粉末成型体の製造方法は、皿状の容器5内に収容された粉体原料を杵によって超音波振動を印加しながらプレス成型する工程を含んでいる。杵は容器5を挟む一対の上杵6及び下杵7からなる。容器5と下杵7との間に、10〜35℃において、反発弾性率が15%以下であり且つショアA硬度が50〜80度である弾性体8を介在させてプレス成型する。
【選択図】図2
Description
本発明は、容器内に収容された原料粉末を圧縮成型する固形粉末成型体の製造方法に関する。
アイシャドウなどを始めとして、原料粉末を圧縮成型した固形粉末成型体からなる化粧料が種々知られている。これらの固形粉末化粧料は皿状の容器に充填されるが、皿状の容器に原料粉末を充填し、プレスする固形粉末化粧料の製造方法の場合、均一な粉末圧縮成型体を得るのが難しく、これまでも様々な方法が提案されている。例えば特許文献1には、金皿(容器)に収容された粉体化粧料を、ホーンにより押圧しつつ超音波を与え、固形粉体化粧料を成型する方法が記載されている。
また、超音波成型による固形粉末化粧料の製造方法に関し、本出願人は先に、原料粉末を圧縮成型する前に、圧縮成型の圧力よりも低い圧力を加えた状態下に、原料粉末に超音波振動をパルス的に印加する予備成型を行う固形粉末化粧料の製造方法を提案した(特許文献2参照)。特許文献2に記載の固形粉末化粧料の製造方法によれば、低圧での圧縮成型でありながら、製造される固形粉体化粧料は、耐衝撃性に優れており、硬度も均一に成型することが可能である。
しかし特許文献1に記載の超音波成型方法では、粉体原料が容器に不均一に充填された場合、プレス圧が低いため、特に粉体原料を調整することなく、そのまま粉体原料の密度ムラを生じてしまう場合がある。このように、粉体原料に密度ムラが発生すると、密度の高い部分は超音波の振動が良く伝わり硬度が高くなり、一方、密度の低い部分は超音波振動の伝達が悪化するため硬度が低くなり、発生した密度ムラをきっかけに製造される固形粉体化粧料の硬度が不均一になる場合があった。
また、特許文献2に記載の方法では超音波振動をパルス的に印加する予備成型のための時間が余計に必要となり、予備成型無しの場合よりも工程と時間を要する。従って、予備成型のように余計に時間を必要としない、簡便な成型法が望まれていた。
本発明の課題は、容器内に収容された原料粉末を圧縮成型する固形粉末成型体の製造方法において、簡便にしかも硬度が均一な固形粉末成型体を製造する方法を提供することにある。
本発明は、皿状の容器内に収容された粉体原料を杵によって超音波振動を印加しながらプレス成型する工程を含む固形粉末成型体の製造方法であって、前記杵は前記容器を挟む一対の上杵及び下杵からなり、該容器と該下杵との間に、10〜35℃において、反発弾性率が15%以下であり且つショアA硬度が50〜80度である弾性体を介在させてプレス成型する固形粉末成型体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、簡便に硬度が均一な固形粉末成型体を製造することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。しかしながら本発明の実施形態は以下のものに限定されるものではない。
図1には、本発明の製造方法を実施するために用いられる好ましい成型装置1の模式図が示されており、図2には、図1に示す成型装置1の要部拡大図が示されている。図中のZ方向は、成型装置1の上下方向であり、鉛直方向であり、図中のX方向は、Z方向に垂直な面方向であって、本図面の左右方向である。
図1には、本発明の製造方法を実施するために用いられる好ましい成型装置1の模式図が示されており、図2には、図1に示す成型装置1の要部拡大図が示されている。図中のZ方向は、成型装置1の上下方向であり、鉛直方向であり、図中のX方向は、Z方向に垂直な面方向であって、本図面の左右方向である。
成型装置1は、図1に示すように、皿状の容器内に収容された粉体原料を杵によって超音波振動を印加しながらプレス成型する装置であり、枠体2を備えている。枠体2の鉛直方向(図中のZ方向)の中央部には、打錠テーブル3が水平方向に取り付けられている。打錠テーブル3の中央部には貫通口41が設けられており、貫通口41に臼体4が嵌合されている。臼体4は、金属等の剛体からなり、Z方向に延びる貫通口41を有する筒状の形状をしている。臼体4はその上部に側方(図中のX方向)へ張り出すフランジ4aを有している。フランジ4aは打錠テーブル3へボルト締め(図示せず)されている。
臼体4の貫通口41は、皿状の容器5の収容空間として利用される。図1に示すように、貫通口41は、臼体4のX方向中央に位置し、その開口面積は貫通口41の全長に亘って一定に形成されている。貫通口41は、Z方向の上方から見たときの形状が、収容する容器5の外周形状(Z方向の上方から見たときの外形)に対応するように形成されていることが好ましい。例えば図1に記載の成型装置1においては、容器5の外周形状が四角形状であるので、四角形状をしている。
臼体4の貫通口41内には、図2に示すように、皿状の容器5が配される。容器5の材質としては、硬質樹脂製の容器、アルミ等の金属性の容器が挙げられる。容器5の材質は用途等によって任意に選択することができるが、樹脂製の容器の場合、樹脂製の容器を製造する際に発生する容器の僅かな反りや歪みの存在によって、硬度ムラの発生がより生じやすく、更に成型体の縁部に割れ欠けが発生しやすい傾向にある。従って、樹脂製の容器を使用した場合の方がより顕著に本願発明の効果を得ることができる。
容器5は、原料粉体が収容できる容器であれば、その形状が特に限定されることはない。本願図面の成型装置1においては、例として図3(a),図3(b)に示すように、底板5aと、底板5aから略垂直(Z方向の上方)に延びる側壁5bと、底板5aの底面側に高台5cとを備えて形成された底板5aと側壁5bとを備える皿状の容器5を使用している。底板5aと側壁5bとを備える皿状の容器5には高台5cを設け無くても良い。一般にプレス成型を行う上では図3(a)、図3(b)で示すように容器5の底板5aはX方向に平行な平板であることが好ましい。
図3(a)に示すように、容器5は、Z方向の上方から見たときの外周形状が、成型装置1においては、四角形状である。
図3(a)に示すように、容器5は、Z方向の上方から見たときの外周形状が、成型装置1においては、四角形状である。
成型装置1の有する杵は、容器5を挟む一対の上杵6及び下杵7からなる。
上杵6は、図1に示すように、貫通口41の上方側から挿入され貫通口41内を上下動可能に配されている。具体的には、上杵6は、金属の剛体からなり、図1に示すように、上杵6のZ方向の上端に超音波振動素子61が取り付けられており、超音波振動素子61は上部エアシリンダ62によって支持されている。上部エアシリンダ62は、枠体2の天板2aに取り付けられ、そこから垂下している。この上部エアシリンダ62によって、上杵6及び超音波振動素子61は、それぞれZ方向の上下方向へ移動可能になっている。
上杵6は、図1に示すように、貫通口41の上方側から挿入され貫通口41内を上下動可能に配されている。具体的には、上杵6は、金属の剛体からなり、図1に示すように、上杵6のZ方向の上端に超音波振動素子61が取り付けられており、超音波振動素子61は上部エアシリンダ62によって支持されている。上部エアシリンダ62は、枠体2の天板2aに取り付けられ、そこから垂下している。この上部エアシリンダ62によって、上杵6及び超音波振動素子61は、それぞれZ方向の上下方向へ移動可能になっている。
上杵6の先端は、Z方向の下方から見たときの形状が、臼体4の貫通口41と同一形状である。上杵6の先端は、図2に示すように、貫通口41内の容器5に収容された原料粉体のみを圧縮成型する観点から、容器5の側壁5bよりも内側に配される形状であることが好ましい。
下杵7は、図1に示すように、貫通口41の下方側から挿入され貫通口41内を上下動可能に配されている。具体的には、下杵7は、金属の剛体からなり、図1に示すように、下部エアシリンダ72によって支持されている。下部エアシリンダ72は、枠体2の底板2b上に垂直に取り付けられている。この下部エアシリンダ72によって、下杵7は、それぞれZ方向の上下方向へ移動可能になっている。
尚、上杵6及び超音波振動素子61の移動手段、並び下杵7移動手段は、エアシリンダに限定されず、他に油圧シリンダや、電動モータを用いたボールネジプレス、クランク軸に接続されたコネクティングロッド等の機器を用いても良い。
尚、上杵6及び超音波振動素子61の移動手段、並び下杵7移動手段は、エアシリンダに限定されず、他に油圧シリンダや、電動モータを用いたボールネジプレス、クランク軸に接続されたコネクティングロッド等の機器を用いても良い。
下杵7の先端は、Z方向の上方から見たときの形状が、臼体4の貫通口41と同一形状である。図2に示すように、成型装置1の下杵7の先端は、上杵6の先端よりも広く、臼体4の貫通口41のZ方向の下方側から僅かな隙間を空けて挿入され、貫通口41内を上下動可能となっている。
上杵6、下杵7及び容器5は、図1,図2に示すように、臼体4の貫通口41内に、同一軸線上に位置するように配される。成型装置1においては、図1に示すように、上杵6にのみ、超音波振動素子61が取り付けられている。上杵6及び下杵7は、粉末原料を圧縮成型する際に、粉末原料を圧縮するための成型用の杵としての役割を有し、上杵6は、超音波振動を与える役割も有している。
また、臼体4の貫通口41内には、図2に示すように、容器5と下杵7との間に、弾性体8を介在させてある。弾性体8は、その形状が、容器5の外周形状(Z方向の上方から見たときの外形)に対応するように形成されていることが好ましく、成型装置1においては、四角形状である。弾性体8の厚みは、成型装置1の容器5のように、高台5cを備えている場合には、高台5cのZ方向の高さよりも厚いことが好ましい。弾性体8の厚みは、概ね均一であって、圧力がかけられていない状態における平均厚みが1〜10mmであることが好ましく、2〜7mmであることが更に好ましい。
なお、容器5が高台5cを備えていない場合には、弾性体8は底板5aの全体にわたって配されている方が好ましい。具体的には底板5aと同一であるか、底板5aと弾性体8の一辺の長さの差が1mm以内であることが好ましい。
一方、図3(b)に示すように、容器5が底板5aに高台5cを備えている形状である場合、弾性体8は、高台5cの内側に亘って配されていることが好ましい。具体的には高台5cの内側と同一であるか、高台5cの内側より小さい場合には、高台5cの内側と弾性体8の一辺の長さの差が1mm以内であることが好ましい。
なお、容器5が高台5cを備えていない場合には、弾性体8は底板5aの全体にわたって配されている方が好ましい。具体的には底板5aと同一であるか、底板5aと弾性体8の一辺の長さの差が1mm以内であることが好ましい。
一方、図3(b)に示すように、容器5が底板5aに高台5cを備えている形状である場合、弾性体8は、高台5cの内側に亘って配されていることが好ましい。具体的には高台5cの内側と同一であるか、高台5cの内側より小さい場合には、高台5cの内側と弾性体8の一辺の長さの差が1mm以内であることが好ましい。
弾性体8としては、10〜35℃における反発弾性率が15%以下であり且つショアA硬度が50〜80度であるとの要件を満たす弾性体が挙げられるが、高度が更に均一な成型体を製造する観点からは、10〜35℃における反発弾性率が10%以下の要件を満たす弾性体であることが好ましく、5%以下の要件を満たす弾性体であることが更に好ましく、プレス圧とのバランスの観点からは、10〜35℃におけるショアA硬度が50〜70度の要件を満たす弾性体であることが好ましい。
「反発弾性率」とは、物体の衝突時に材料が吸収するエネルギーを表す指標であり、JIS K 6400に規定するように、所定の鋼球を弾性体(介在物18)に落下させた際の跳ね上がり高さ(h1)の落下高さ(h0)に対する割合である。従って、反発弾性率R(%)は、式:(h1/h0)×100で表される。尚、下限値に特に制限はなく、低ければ低いほど好ましいが、2%以上であれば、十分に満足すべき効果が得られる。
また、「ショアA硬度」とは、弾性体の表面の硬さを示し、JIS K 6253に規定されたデュロメータ タイプAでの硬度を意味する。
また、「ショアA硬度」とは、弾性体の表面の硬さを示し、JIS K 6253に規定されたデュロメータ タイプAでの硬度を意味する。
上記反発弾性率を満たし且つ上記10〜35℃におけるショアA硬度を満たす弾性体8の素材としては、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム、ウレタン系のスポンジ、ゲル、合成樹脂等が挙げられ、ゴムの中でも特に、低反発ゴムを用いることが好ましい。低反発ゴムとしては、例えば、「ハネナイト(登録商標)」(内外ゴム株式会社製)、「VBRAN(登録商標)」(クレハエラストマー株式会社製)等を用いることができる。
以上の構成の成型装置1を用いた固形粉末成型体の製造方法を、図4を参照しながら説明する。まず、下杵7上弾性体8を裁置し、弾性体8の上にに容器5を配置し、図4(a)に示すように、下部エアシリンダ72を動作させ、容器5及び弾性体8の配置された下杵7を、臼体4の貫通口41内に下降させる。あるいは、下部エアシリンダ72を動作させ、弾性体8を取り付けた下杵7を臼体4の貫通口41内に下降させ、容器5を貫通口41内にある弾性体8を取り付けた下杵7上に配置する。その後、容器5に原料粉体を充填する。
次いで、図4(b)に示すように、上部エアシリンダ62を動作させて、上杵6を臼体4の貫通口41内に下降させ、皿状の容器5内に収容された粉末原料を、下杵7と超音波振動素子61の取り付けられた上杵6とによって超音波振動を印加しながらプレス成型を行う。
このように、容器5と下杵7との間に弾性体8を介在させた状態で、上杵6及び下杵7により粉体原料にプレス成型する際の圧力は、目的とする固形粉末成型体の具体的な用途、大きさ、粉末原料の成分の配合量等に応じて適宜調整可能であり、具体的には、0.2〜10Mpaであることが好ましい。
また、超音波振動素子61の取り付けられた上杵6によって、粉末原料に加える超音波振動の条件は、粉末原料の成分、それらの配合量、目的とする固形粉末成型体の具体的な用途等に応じて適宜調整可能であり、具体的には、各杵の超音波振動の周波数が10〜40kHzであることが好ましく、15〜20kHzであることが更に好ましい。
超音波振動の振幅も、粉末原料の成分、それらの配合量、目的とする固形粉末成型体の具体的な用途等に応じて適宜調整可能であり、具体的には、各杵の超音波振動の振幅が10〜100μmであることが好ましく、15〜50μmであることが更に好ましい。
超音波振動の振幅も、粉末原料の成分、それらの配合量、目的とする固形粉末成型体の具体的な用途等に応じて適宜調整可能であり、具体的には、各杵の超音波振動の振幅が10〜100μmであることが好ましく、15〜50μmであることが更に好ましい。
また、上杵6による超音波振動の照射時間は、粉末原料の成分、目的とする固形粉末成型体の厚みにもよるが、短時間でも十分であり、具体的には、0.5〜5秒であることが好ましく、0.5〜3秒であることが更に好ましい。このような範囲内であれば、粉末原料の表面が高温となることに起因する原料の劣化や、杵への付着や、色焼け等を防止することができる。
次いで、図4(c)に示すように、上部エアシリンダ62を動作させ、上杵6を臼体4の貫通口41内から抜き出し、下部エアシリンダ72を動作させ、下杵7を上昇させて、固形粉末成型体の充填された容器5を取り出す。取り出された固形粉末成型体が充填された容器5は、レフィル容器又はコンパクト等の外装容器に装填されて最終商品形態となる。
本願発明の固形粉末成型体の製造方法によれば、粉末充填時の不均一性によって密度ムラが発生していた場合、高密度部分の下部の弾性体はプレス時に他の部分よりも大きな荷重を受けることになるが、弾性体の反発弾性が非常に小さいと弾性体が変形して荷重を分散するのでプレス荷重はプレス面全面に亘ってほぼ均一になり、結果として硬度もほぼ均一になり、簡便に、硬度が均一な固形粉末成型体を製造することができるものと予想される。
また、本発明の固形粉末成型体の製造方法によれば、容器5内に収容された粉体原料を上杵6によって超音波振動を印加しながらプレス成型する際に、容器5と下杵7との間に、10〜35℃における反発弾性率が15%以下であり且つ10〜35℃におけるショアA硬度が50〜80度である弾性体8を介在させてプレス成型するので、成型装置1の容器5のように、底板5aがZ方向上方に凸の形状に歪んでいたとしても、プレス成型する際に容器5の底板5aが変形し難く、容器5内の粉体原料全体に均一に超音波振動を印加しながらプレス成型することができると推測する。従って、簡便に、硬度が均一な固形粉末成型体を製造することができる。尚、このように固形粉末成型体の硬度が均一になれば、例えば、固形粉末成型体が固形粉末化粧料である場合に、使用者がパフで固形粉末化粧料を取る際に、均一に取ることができる。
また、固形粉末成型体の製造方法によれば、容器5と下杵7との間に、所定の弾性体8を介在させてプレス成型するので、成型装置1の容器5のように、底板5aがZ方向上方に凸の形状に歪んでいたとしても、プレス成型する際に容器5の底板5aが撓み難い。従って、容器5内に収容された粉体原料をプレス成型した後に、上杵6による圧縮を開放しても、プレス成型の前後で容器5の形状が変わり難いので、固形粉末成型体と容器5との境界部分に隙間が発生し難い。
本発明の固形粉末成型体の製造方法は、種々の粉体のプレス成型に用いることができ、例えば、粉体化粧料のプレス成型に用いることができ、この場合、高品質の固形粉末化粧料が得られる。
固形粉末化粧料は、例えばパウダーファンデーション、アイシャドウ、アイブロウ、アイカラー、アイライナー、固形白粉、チーク、マスカラ等の形態として好適に用いられる。固形粉末化粧料は、一般に光輝性顔料等の各種顔料及び油性成分を含有する。顔料の含有量は、通常、固形粉末化粧料中に5〜80重量%程度である。
固形粉末化粧料に含まれるもう一方の成分である油性成分は、主に常温で液状の成分であり、バインダーとしての役割を持ち、化粧料を塗布した際の化粧膜の肌への付着性の面で重要である。油性成分の主な機能としては、製品形態での保形性、化粧膜の肌への付着、粉体粒子どうしの結合等による仕上がりや使用感等が挙げられる。油性成分としては、例えば、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等を用いることができる。油性成分の含有量は、通常、固形粉末化粧料中に3〜20重量%程度である。
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されない。
本発明の製造方法は固形粉末成型体であれば、化粧料はもちろん、化粧料以外のどのような固形粉末成型体にも利用できる。
本発明の製造方法は固形粉末成型体であれば、化粧料はもちろん、化粧料以外のどのような固形粉末成型体にも利用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1,図2に示す成型装置を用い、図4に示す方法で、容器付きの固形粉末化粧料を製造した。
容器5としては樹脂製の容器を用いた。
容器5と下杵7との間に介在させる弾性体8としては、内外ゴム株式会社製のハネナイト(登録商標)品番「CP−55S」を用いた。実施例1で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が13%であり、室温におけるショアA硬度が56度であり、厚みが5mmであった。固形粉末化粧料の粉末原料としては、下記表1に示す各種成分(1)〜(12)を用いた。具体的には、下記表1に示す成分(1)〜(10)を十分に混合したものを80〜90°に加熱し、そこに成分(11)〜(12)を80〜90°に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合し、冷却した後、粉砕したものを容器5に充填した。
上杵6及び下杵7により粉体原料にプレス成型する際の圧力は3Mpaであった。上杵6及び下杵7によって、粉末原料に加える超音波振動の条件は、各杵の超音波振動の周波数が15kHz、振幅が20μm、照射時間が1.5秒であった。
図1,図2に示す成型装置を用い、図4に示す方法で、容器付きの固形粉末化粧料を製造した。
容器5としては樹脂製の容器を用いた。
容器5と下杵7との間に介在させる弾性体8としては、内外ゴム株式会社製のハネナイト(登録商標)品番「CP−55S」を用いた。実施例1で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が13%であり、室温におけるショアA硬度が56度であり、厚みが5mmであった。固形粉末化粧料の粉末原料としては、下記表1に示す各種成分(1)〜(12)を用いた。具体的には、下記表1に示す成分(1)〜(10)を十分に混合したものを80〜90°に加熱し、そこに成分(11)〜(12)を80〜90°に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合し、冷却した後、粉砕したものを容器5に充填した。
上杵6及び下杵7により粉体原料にプレス成型する際の圧力は3Mpaであった。上杵6及び下杵7によって、粉末原料に加える超音波振動の条件は、各杵の超音波振動の周波数が15kHz、振幅が20μm、照射時間が1.5秒であった。
〔実施例2〕
実施例2においては、弾性体8に、内外ゴム株式会社製のハネナイト(登録商標)品番「CP−60L」を用いる以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。実施例2で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が2%であり、室温におけるショアA硬度が57度であり、厚みが5mmであった。
実施例2においては、弾性体8に、内外ゴム株式会社製のハネナイト(登録商標)品番「CP−60L」を用いる以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。実施例2で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が2%であり、室温におけるショアA硬度が57度であり、厚みが5mmであった。
〔比較例1〕
比較例1においては、弾性体8に、ウレタン系のゴムを用いる以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。比較例1で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が39%であり、室温におけるショアA硬度が50度であり、厚みが5mmであった。
比較例1においては、弾性体8に、ウレタン系のゴムを用いる以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。比較例1で用いた弾性体は、室温における反発弾性率が39%であり、室温におけるショアA硬度が50度であり、厚みが5mmであった。
〔比較例2〕
比較例2においては、容器5と下杵7との間に弾性体8を介在させない以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。
比較例2においては、容器5と下杵7との間に弾性体8を介在させない以外、実施例1と同様にして固形粉末化粧料を製造した。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料について、下記の方法により硬度を測定した。また、粉の取れ性及び使用感を、10人の専門パネラーにより官能評価し、下記基準により判定した。また、固形粉末化粧料と容器との境界部分の隙間の状態を目視評価した。これらの結果を以下の表2に示す。
実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料について、下記の方法により硬度を測定した。また、粉の取れ性及び使用感を、10人の専門パネラーにより官能評価し、下記基準により判定した。また、固形粉末化粧料と容器との境界部分の隙間の状態を目視評価した。これらの結果を以下の表2に示す。
<硬度の測定方法>
実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料の上面での硬度を、マイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器(株)製、触針φ0.16mm、長さ0.5mm)を用いて測定した。各固形粉末化粧料について、上面における35点のポイントで測定し、平均硬度、及び標準偏差を求めた。
また、実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料の上面での硬度を、前記マイクロゴム硬度計MD−1を用いて測定し、測定結果を基に「avese」(フリーソフト)により硬度分布を解析した。実施例1で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(a)であり、実施例2で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(b)である。また、比較例1で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(c)であり、比較例2で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(d)である。尚、図5(a)〜図5(d)中においては、黒色が濃くなるほど硬度が高くなっていることを示す。即ち、濃淡の差がないほど固形粉末化粧料の硬度が均一であることを意味する。
実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料の上面での硬度を、マイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器(株)製、触針φ0.16mm、長さ0.5mm)を用いて測定した。各固形粉末化粧料について、上面における35点のポイントで測定し、平均硬度、及び標準偏差を求めた。
また、実施例及び比較例で得られた固形粉末化粧料の上面での硬度を、前記マイクロゴム硬度計MD−1を用いて測定し、測定結果を基に「avese」(フリーソフト)により硬度分布を解析した。実施例1で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(a)であり、実施例2で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(b)である。また、比較例1で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(c)であり、比較例2で得られた固形粉末化粧料の硬度分布の画像が図5(d)である。尚、図5(a)〜図5(d)中においては、黒色が濃くなるほど硬度が高くなっていることを示す。即ち、濃淡の差がないほど固形粉末化粧料の硬度が均一であることを意味する。
<粉の取れ性の評価基準>
A:7人以上が良いと評価した。
B:4〜6人が良いと評価した。
C:2〜3人が良いと評価した。
D:1人以下が良いと評価した。
A:7人以上が良いと評価した。
B:4〜6人が良いと評価した。
C:2〜3人が良いと評価した。
D:1人以下が良いと評価した。
<使用感の評価基準>
A:7人以上が良いと評価した。
B:4〜6人が良いと評価した。
C:2〜3人が良いと評価した。
D:1人以下が良いと評価した。
A:7人以上が良いと評価した。
B:4〜6人が良いと評価した。
C:2〜3人が良いと評価した。
D:1人以下が良いと評価した。
<境界部分の隙間の評価基準>
実施例1,2及び比較例1,2の固形粉末化粧料をそれぞれ10個製造し、目視評価した。
A:10個の固形粉末化粧料すべてに隙間がない。
B:10個の固形粉末化粧料の中で、隙間のある固形粉末化粧料が2個以内である。
C:10個の固形粉末化粧料の中で、隙間のある固形粉末化粧料が3個以上ある。
実施例1,2及び比較例1,2の固形粉末化粧料をそれぞれ10個製造し、目視評価した。
A:10個の固形粉末化粧料すべてに隙間がない。
B:10個の固形粉末化粧料の中で、隙間のある固形粉末化粧料が2個以内である。
C:10個の固形粉末化粧料の中で、隙間のある固形粉末化粧料が3個以上ある。
表2に示す結果から明らかなように、実施例1,2の固形粉末化粧料は、比較例1,2の固形粉末化粧料に比べ、全体として均一な硬度を有していることが判る。このような結果は、図5(a)〜図5(d)に示す画像からも明らかである。また、表2に示す結果から明らかなように、実施例1,2の固形粉末化粧料は、粉の取れ性に優れていることが判る。更に、実施例1,2の固形粉末化粧料は、固形粉末化粧料と容器との境界部分に隙間が発生し難いことが判る。
1 成型装置
2 枠体
2a 天板
2b 底板
3 打錠テーブル
4 臼体
41 貫通口
4a フランジ
5 容器
5a 底板
5b 側壁
5c 高台
6 上杵
61 超音波振動素子
62 上部エアシリンダ
7 下杵
72 下部エアシリンダ
8 弾性体
2 枠体
2a 天板
2b 底板
3 打錠テーブル
4 臼体
41 貫通口
4a フランジ
5 容器
5a 底板
5b 側壁
5c 高台
6 上杵
61 超音波振動素子
62 上部エアシリンダ
7 下杵
72 下部エアシリンダ
8 弾性体
Claims (5)
- 皿状の容器内に収容された粉体原料を杵によって超音波振動を印加しながらプレス成型する工程を含む固形粉末成型体の製造方法であって、
前記杵は前記容器を挟む一対の上杵及び下杵からなり、該容器と該下杵との間に、10〜35℃において、反発弾性率が15%以下であり且つショアA硬度が50〜80度である弾性体を介在させてプレス成型する固形粉末成型体の製造方法。 - 前記上杵によって前記粉体原料に超音波振動を印加する請求項1に記載の固形粉末成型体の製造方法。
- 前記弾性体は、その素材が低反発ゴムである請求項1又は2に記載の固形粉末成型体の製造方法。
- 前記上杵及び前記下杵により前記粉体原料に0.2〜10MPaの圧力を加えてプレス成型する請求項1〜3の何れか1項に記載の固形粉末成型体の製造方法。
- 皿状の前記容器は、樹脂製の容器である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形粉末成型体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011000782A JP2012139720A (ja) | 2011-01-05 | 2011-01-05 | 固形粉末成型体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=46676551
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2012139720A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015003334A (ja) * | 2013-06-21 | 2015-01-08 | 花王株式会社 | 粉体の圧縮成型装置 |
CN104647793A (zh) * | 2015-02-09 | 2015-05-27 | 中国科学院声学研究所东海研究站 | 一种pbx炸药压制成型的制作方法 |
-
2011
- 2011-01-05 JP JP2011000782A patent/JP2012139720A/ja active Pending
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JP2015003334A (ja) * | 2013-06-21 | 2015-01-08 | 花王株式会社 | 粉体の圧縮成型装置 |
CN104647793A (zh) * | 2015-02-09 | 2015-05-27 | 中国科学院声学研究所东海研究站 | 一种pbx炸药压制成型的制作方法 |
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