JP2012139699A - サブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外皮とフラックスとの合計成分で、ワイヤ全質量あたり、C:0.04乃至0.19質量%、Si:0.05乃至1.30質量%、Mn:0.60乃至2.80質量%、Cr:1.00乃至5.80質量%、Mo:0.30乃至1.50質量%、Fe:70乃至95質量%、Mg:0.10乃至1.20質量%、BaF2:0.10乃至6.00質量%を含有する。また、金属炭酸塩をCO2換算で2.0質量%以下、金属弗化物をF換算で2.5質量%以下、Vを0.10乃至0.50質量%、Nbを0.01乃至0.05質量%含有することができる。更に、CaF2及びBaF2のいずれか一方又は双方を10質量%以下含有する焼結型フラックスを使用することもできる。
【選択図】図1
Description
Cは、溶接金属の焼入れ性に大きな影響を及ぼし、室温及び高温での強度と靱性を確保するために重要な役割を有する元素である。ワイヤ中のCが0.04質量%未満では焼入れ性が不十分のため強度・靭性が不足する。一方、Cが0.19質量%を超えると、過度に硬化し、靭性の劣化を招き、且つ、溶接凝固時に高温割れを招く。従って、ワイヤ中のC量は0.04乃至0.19質量%とする。より好ましくは、ワイヤのCは0.07乃至0.19質量%である。
Siは脱酸作用により溶接金属を浄化する。また溶融プールの粘性を高めて溶接部と母材とのナジミを良好にする効果を持つ。ワイヤ中のSiが0.05質量%未満では脱酸の効果が十分に得られず、同時に溶接金属の被溶接材への「ナジミ」が劣化する。一方、Siが1.30質量%を超えると、溶接金属に過度にSiが歩留るため、強度が高くなり、靭性が劣化する。また、Siは不純物の粒界偏析を助長するため、1.30質量%を超えると、溶接金属の焼戻し脆化特性が低下する。従って、ワイヤ中のSi量0.05乃至1.30質量%とする。より好ましくは、溶接ワイヤのSi量は0.05乃至1.10である。
MnはCと同様に溶接金属の焼入れ性に大きな影響を及ぼし、靭性確保に重要な役割を果たす。ワイヤ中のMnが0.20質量%未満では十分な焼入れ性が得られず、靭性が劣化する。特に、本発明のようなCrMo系の溶接金属は、溶接後熱処理(PWHT)における炭化物による析出硬化が避けられないため、Mnを添加し靭性を底上げしておくことは必須である。一方、MnはSiと同様に不純物の粒界偏析を助長するため、2.80質量%を超えると、溶接金属の焼戻し脆化特性が低下する。従って、ワイヤ中のMn量0.60乃至2.80質量%とする。より好ましくは0.60乃至2.10である。
CrとMoは耐熱性に優れたCr乃至Mo鋼の主要構成元素であり、V及びNbと同様に炭化物の生成によって溶接金属の強度を向上させる。ワイヤ中のCrが1.20質量%未満では炭化物を作るのに十分ではなく、強度が不足する。一方、Crが5.80質量%を超えると、溶接金属の焼入れ性が増大し、靭性が劣化する。従って、ワイヤ中のCr量は1.00乃至5.80質量%とする。
CrとMoは耐熱性に優れたCr−Mo鋼の主要構成元素であり、V及びNbと同様に、炭化物の生成によって溶接金属の強度を確保する。ワイヤ中のMoが0.20質量%未満では、炭化物を形成するのに十分ではなく、強度が不足する。一方、Moが1.50質量%を超えると、Moを含む炭化物の析出が過剰となり、靭性が劣化する。従って、ワイヤ中のMo量は0.30乃至1.50質量%とする。
Feは溶着金属量を増加させる効果を有し、溶接施工効率を上昇させる。また、他のフラックス原料と混ざり合い、フラックスの流動性を良好にし、フラックス充填率の変動を抑制する。Feが70質量%未満では上記の効果が得られない。一方、Feが95質量%を超えると、前述の種々のフラックス成分を添加できなくなる。従って、ワイヤ中のFe量は70質量%乃至95質量%とする。なお、フラックス充填率は本発明の場合、5乃至30質量%の範囲で適切に調整すればよい。
MgとBaF2の複合添加は本発明の最も重要な要素である。MgとBaF2を同時に添加することは、溶接金属の酸素量及び拡散性水素量の低減に重要な役割を果たす。Mgは強力な脱酸剤であるが、フラックス入りワイヤにおいては、大気からの吸湿が避けられず、Mg添加によっても、溶接金属の低酸素化、特に溶接金属酸素量≦300ppmを実現するのが困難である。
金属炭酸塩及び金属弗化物は、いずれも脱酸剤及びスラグ形成材として、必要に応じて添加することができる。本発明では、ワイヤ中にBaF2が0.10乃至6.00質量%添加されるため、金属炭酸塩及び金属弗化物の過度の添加は溶接作業性の劣化(ポックマークの発生)及び溶接効率の低下を招く。従って、金属炭酸塩及び金属弗化物を添加する場合、ワイヤ中の金属炭酸塩(CO2換算)及び金属弗化物(F換算)は夫々2.0質量%以下及び2.5質量%以下とする。なお、この場合の金属弗化物(F換算)はBaF2由来のFは含まない。
V及びNbはCr、Moに比べて少量の添加により、溶接金属の強度を大きく向上させる効果を有する。このため、V及びNbは必要に応じて添加される。しかし、両元素とも過剰な添加は硬度超過と靭性の劣化を招く。特に、Nb添加による効果はV添加によるそれと比較しても大きい。従って、V及びNbを添加する場合、ワイヤ中のV及びNb量は夫々V:0.10乃至0.50質量%及びNb:0.01乃至0.05質量%とする。より好ましくは、V及びNbは、V:0.10乃至0.40質量%及びNb:0.01乃至0.04質量%である。
組み合わせる焼結型フラックスには、CaF2及びBaF2のいずれか一方又は双方を含むことが好ましい。この場合に、CaF2及びBaF2の合計含有量は10質量%以下とする。この合計含有量が10質量%を超えると、ビード外観(リップル形状)がやや悪くなる。従って、組合せる焼結型フラックスの組成は、CaF2+BaF2≦10質量%であることが好ましい。
2:裏当材
Claims (6)
- 鋼製外皮の中にフラックスを充填したサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
前記外皮とフラックスとの合計成分で、
ワイヤ全質量あたり、C:0.04乃至0.19質量%、Si:0.05乃至1.30質量%、Mn:0.60乃至2.80質量%、Cr:1.00乃至5.80質量%、Mo:0.30乃至1.50質量%、Fe:70乃至95質量%、Mg:0.10乃至1.20質量%、BaF2:0.10乃至6.00質量%(F換算)を含有することを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 更に、金属炭酸塩をCO2換算で2.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 更に、BaF2以外の金属弗化物をF換算で2.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 更に、Vを0.10乃至0.50質量%含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 更に、Nbを0.01乃至0.05質量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 溶接ワイヤと共に、被溶接材に供給されるフラックスとして、CaF2及びBaF2のいずれか一方又は双方を10質量%以下含有した焼結型フラックスを使用するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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KR20200057736A (ko) * | 2017-10-25 | 2020-05-26 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 서브머지 아크 용접용 플럭스 코어드 와이어 및 서브머지 아크 용접용 재료 |
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JPH081378A (ja) * | 1994-04-22 | 1996-01-09 | Nippon Steel Corp | 高速性に優れた溶接変形の少ないフラックス入りワイヤ |
JP2010274304A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Nippon Steel Corp | 高張力鋼用フラックス入りワイヤ |
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