JP2012138139A - ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】筺体内の発生ガスを効率よく捕集し、信頼性の向上を図ることが可能なディスク装置を提供する
【解決手段】ディスク装置は、内部に複数のディスク状の記録媒体16、およびこれらの記録媒体を回転するモータが収納された筺体10と、複数の記録媒体間に配置され、記録媒体間を流れる空気流を整流する整流板51と、を備え、整流板は、記録媒体よりも高い熱伝導率を有している。
【選択図】図2
【解決手段】ディスク装置は、内部に複数のディスク状の記録媒体16、およびこれらの記録媒体を回転するモータが収納された筺体10と、複数の記録媒体間に配置され、記録媒体間を流れる空気流を整流する整流板51と、を備え、整流板は、記録媒体よりも高い熱伝導率を有している。
【選択図】図2
Description
この発明の実施形態は、高速で回転するディスク状の記録媒体を備えたディスク装置に関する。
一般に、ディスク装置、例えば、ハードディスクドライブ(以下、HDDと称する)は、磁気ディスク、磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータ、磁気ディスクに対してデータのリード/ライトを行う磁気ヘッド、磁気ヘッドを支持したキャリッジアッセンブリ、キャリッジアッセンブリを駆動するボイスコイルモータ、基板ユニット等を備え、これらはほぼ密閉構造の筐体に収容されている。
このようなHDDでは、稼動時、スピンドルモータやキャリッジの回動動作に伴い筺体内の温度が上昇すると、筺体内に設けられている樹脂部品等に熱が滞留し、樹脂中の残渣成分や表面分解物などから発ガスする。このようなガスは例えば磁気ディスク表面に付着し、ガス中の有機成分が液化あるいは固化される。このような磁気ディスク表面に有機成分が液化あるいは固化すると、磁気ヘッドのハイフライトの要因になるとともに、これらの有機成分が磁気ヘッドに付着して磁気ヘッドの性能を劣化させるおそれがある。
そこで、このようなガスを捕獲するフィルタを筺体内部に設けたディスク装置が提案されている。
そこで、このようなガスを捕獲するフィルタを筺体内部に設けたディスク装置が提案されている。
上述したディスク装置のように、筺体内にガス捕獲用のフィルタは、比較的大型であり、筺体内で磁気ディスクの周囲にフィルタ用の比較的大きな設置スペースを設ける必要がある。3.5インチ以上の比較的大型の磁気ディスク装置では、装置外形に余裕があるため、上記のようなガス捕獲用のフィルタを設置する設置スペースの確保は容易であが、小型磁気ディスク装置においては、実装スペースが限られているため、フィルタ用の設置スペースを設けることが難しい。
この発明の課題は、筺体内の発生ガスを効率よく捕集し、信頼性の向上を図ることが可能なディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、ディスク駆動装置は、内部に複数のディスク状の記録媒体、およびこれらの記録媒体を回転するモータが収納された筺体と、前記複数の記録媒体間に配置され、記録媒体間を流れる空気流を整流する整流板と、を備え、前記整流板は、前記記録媒体よりも高い熱伝導率を有する。
以下図面を参照しながら、ディスク装置として実施形態に係るHDDについて詳細に説明する。図1は、トップカバーおよびヨークの一部を外してHDDの内部構造を示し、図2は、HDDの整流板部分の断面を示している。
図1および図2に示すように、HDDは筺体10を備えている。筺体10は、上面の開口した矩形箱状のベース12と、複数のねじによりベースにねじ止めされてベースの上端開口を閉塞したトップカバー13と、を有している。ベース12は、矩形状の底壁12aと、底壁の周縁に沿って立設された側壁12bとを有している。このベース12は、鉄等の金属のダイキャストにより一体的に形成されている。ベース12の周縁部とトップカバー13との間には、気密性を高めるためのガスケット14が挟持されている。
筺体10内には、ベース12の底壁12aに取り付けられ駆動モータとして機能するスピンドルモータ18と、このスピンドルモータによって支持および回転される2枚の磁気ディスク16とが配設されている。記録媒体としての磁気ディスク16は、2枚に限らず、3枚以上としてもよい。
また、筺体10内には、磁気ディスク16に対して情報の記録、再生を行なう複数、例えば、4つの磁気ヘッド17、これらの磁気ヘッドを磁気ディスク16に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリ22、キャリッジアッセンブリを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)24、磁気ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘッドを磁気ディスクから離間した退避位置に保持するランプロード機構25、HDDに衝撃等が作用した際、キャリッジアッセンブリを退避位置に保持するイナーシャラッチ機構27、およびプリアンプ等を有する基板ユニット21が収納されている。
ベース12の底壁12a外面には、図示しないプリント回路基板がねじ止めされている。プリント回路基板は、基板ユニット21を介して、スピンドルモータ18、VCM24、および磁気ヘッドの動作を制御する制御部を構成している。
各磁気ディスク16は、例えば、直径65mm(2.5インチ)に形成され、例えば、ガラスで形成された基材と、基材の上面および下面に形成された磁気記録層とを有している。2枚の磁気ディスク16は、スピンドルモータ18のハブ18aに互いに同軸的に嵌合され、隙間を置いて積層配置されている。磁気ディスク16は、クランプばね23によりクランプされ、ハブに固定されている。これにより、磁気ディスク16は、ベース12の底壁12aと平行に位置した状態に支持されている。そして、磁気ディスク16は、スピンドルモータ18により所定の速度、例えば、5400rpmあるいは7200rpmの速度で矢印B方向に回転される。
側壁12bの内、ベース12の長手方向のほぼ半分の領域に位置した側壁12bは、磁気ディスク16の外周縁を囲んで位置している。側壁12bは底壁12aに対してほぼ垂直に起立した対向面12cを有し、この対向面12cは、磁気ディスク16の外周縁に沿って連続的に延びた円弧状に形成され、磁気ディスクの外周縁に僅かな隙間を置いて対向している。これにより、対向面12cを有した側壁12bは、磁気ディスク16に対してシュラウドを構成している。
図1に示すように、キャリッジアッセンブリ22は、ベース12の底壁12a上に固定された軸受部26と、軸受部から延出した4本のアーム28と、を備えている。軸受部26は、ベース12の長手方向に沿って磁気ディスク16の回転中心から離間して位置しているとともに、磁気ディスクの外周縁近傍に位置している。4本のアーム28は、磁気ディスク16の表面と平行に、かつ、互いに所定の間隔を置いて位置しているとともに、軸受部26から同一の方向へ延出している。キャリッジアッセンブリ22は、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション30を備えている。サスペンション30は、板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム28の先端に固定され、アームから延出している。なお、各サスペンション30は対応するアーム28と一体に形成されていてもよい。
サスペンション30の延出端には磁気ヘッド17が取り付けられている。それぞれサスペンション30に取り付けられた4つの磁気ヘッド17は、2個ずつ互いに向かい合って位置し、各磁気ディスク16を両面側から挟むように配設されている。
キャリッジアッセンブリ22は、軸受部26からアーム28と反対の方向へ延出した支持枠34を有し、この支持枠により、VCM24の一部を構成するボイスコイル36が支持されている。支持枠34は、合成樹脂によりボイスコイル36の外周に一体的に成形されている。駆動部として機能するVCM24は、ベース12の底壁12a上に配置された板状の下部ヨーク38a、下部ヨークと隙間を置いて対向し、ベース12の上面開口側に位置した図示しない板状の上部ヨーク、および下部ヨークおよび上部ヨークの内面にそれぞれ固定され、互いに隙間を置いて対向した板状の磁石40を有している。キャリッジアッセンブリ22に取り付けられたボイスコイル36は、2つの磁石40間に配置されている。
ボイスコイル36に通電することにより、軸受部26の回りでキャリッジアッセンブリ22が矢印C方向に回動し、磁気ヘッド17は磁気ディスク16の所望のトラック上に移動および位置決めされる。これにより、磁気ヘッド17は、磁気ディスク16に対して情報の書き込みあるいは読み出しを行うことができる。キャリッジアッセンブリ22およびVCM24はヘッドアクチュエータを構成している。
ランプロード機構25は、ベース12の底壁12aに設けられているとともに磁気ディスク16の外側に配置されたランプ42と、各サスペンション30の先端から延出したタブ44と、を備えている。ランプ42は、磁気ディスク16の回転方向Bに関して、軸受部26の下流側に位置している。キャリッジアッセンブリ22が回動し、磁気ヘッド17が磁気ディスク16の外側の退避位置まで回動する際、各タブ44は、ランプ42に形成されたランプ面と係合し、その後、ランプ面の傾斜によって引き上げられ、磁気ヘッド17をアンロードする。
基板ユニット21は、フレキシブルプリント回路基板により形成された本体21aを有し、この本体21aはベース12の底壁12aに固定されている。本体21a上にはヘッドアンプ等の電子部品が実装されている。基板ユニット21は本体21aから延出したメインフレキシブルプリント回路基板(以下、メインFPCと称する)21bを有している。メインFPC21bの延出端は、キャリッジアッセンブリ22の軸受部26近傍に接続され、更に、アーム28およびサスペンション30上に設けられた図示しないケーブルを介して磁気ヘッド17に電気的に接続されている。基板ユニット21の本体底面にはプリント回路基板と接続するための図示しないコネクタが実装されている。
図1に示すように、HDDは、ベース12に形成された通気孔から筺体10内に流入する外気の塵挨、湿気、ガス成分を除去する呼吸フィルタ46、および可動部の稼動によって筺体内に発生した塵埃を捕獲する循環フィルタ48を備えている。これらの呼吸フィルタ46および循環フィルタ48は、磁気ディスク16の周囲に配設されている。
HDDでは、磁気ディスク16に対する磁気ヘッド17の位置決め性能を上げるため、筺体10内の空気流を整えるためシュラウド部材50および整流板51が設けられている。図1および図2に示すように、HDDは、筺体10内で磁気ディスク16の外周縁と対向して設けられたシュラウド部材50、および2枚の磁気ディスク16間に配設され磁気ディスク表面上を流れる空気流を整流する整流板51を備えている。
シュラウド部材50はベース12に固定され、また、整流板51はシュラウド部材に支持されている。本実施形態において、整流板51はシュラウド部材50と同一の材料により一体に成形されている。整流板51はシュラウド部材50と別体に形成し、シュラウド部材50に固定してもよい。この場合でも、整流板51とシュラウド部材50とは同一の材料で形成される。
シュラウド部材50は、湾曲した板状の本体52と本体から垂直に延出した板状の固定部54とを有し、合成樹脂等により一体に成形されている。本体52の一方の表面は、磁気ディスク16の外周縁に対応した円弧状に形成され、シュラウド面52aを構成している。固定部54は、シュラウド面52aに対して垂直な方向に、かつ、シュラウド面と反対方向に、本体52から延出している。
このように形成されたシュラウド部材50は、固定部54をベース12の側壁12bにねじ止め固定することにより、筺体10内に設置されている。本体52は、側壁12bと磁気ディスク16の外周縁との間に位置している。本体52のシュラウド面52aは、磁気ディスク16の外周縁と僅かな隙間を置いて対向しているとともに、ベース側壁12bの対向面12cに連続して延びている。これにより、本体52は、シュラウドを形成している。
また、シュラウド面52aには、それぞれ空気流の方向、すなわち、磁気ディスク16の回転方向Bに沿って延びる複数の捕獲溝52bが形成されている。これらの捕獲溝52bは、ベース12の底壁12aに対して垂直な方向に互いに間隔を置いて設けられている。
図1、図2、図3に示すように、整流板51は、シュラウド部材50からシュラウド面52aに対してほぼ垂直に延出し、2枚の磁気ディスク16間を通って、スピンドルモータ18の近傍まで延びている。整流板51は、例えば、シュラウド部材50側から先端に向かって幅が細くなる扇形状に形成されて、そのシュラウド部材50側の端部は、シュラウド面52aとほぼ同一の幅に形成されている。整流板51の両面は、磁気ディスク16と僅かな隙間を置いて平行に対向している。図3に示すように、整流板51は、磁気ディスク16の内周部、中周部、外周部とそれぞれ対向する内周領域51a、中周領域51b、外周領域51cを有している。
整流板51は、磁気ディスク16よりも高い熱伝導率を有している。整流板51は、樹脂材料、例えば、成型性から液晶ポリマーで形成され、磁気ディスク16に用いるガラス材(熱伝導率λ =1 W/(m・K))よりも高い熱伝導率となる値になるように、整流板材料中に樹脂自身よりも熱伝導率の高い材料を添加あるいは混練している。熱伝導率の高い材料として、例えば、窒化珪素フィラー(λ= 23W/(m・K))、炭化珪素フィラー(λ=160W/(m・K))を添加し、あるいは、銅(λ=398 W/(m・K))材やアルミ二ウム(λ=236 W/(m・K))材を練りこんでいる。磁気ディスク16がアルミニウムを主体する基材で形成されている場合、整流板51を形成する樹脂材料に、例えば、銅材を混練する。
形成加工時の流動性確保の点から、フィラーや金属材の添加量は、5〜60%の範囲が好ましい。
形成加工時の流動性確保の点から、フィラーや金属材の添加量は、5〜60%の範囲が好ましい。
上記のように、筺体10内の気流を整える整流板51を設けた場合、この整流板51は空気流との接触が多く、HDDが駆動して筺体内温度が上がった際は、筺体内の部品からの有機性の発ガスを含んだ空気流が整流板51と接触する。そして、整流板51は、磁気ディスク16よりも高い熱伝導率を有していることから、空気流中のガス成分の熱エネルギーを吸収し、整流板51の表面にガス成分を液化あるいは固化して、整流板表面に捕集することが可能となる。
整流板51を磁気ディスク16よりも高い熱伝導率を有する材料で形成した場合、図4に示すように、HDDの稼動時における整流板51の温度は、筺体10のベース12、モータ側の磁気ディスク16、およびトップカバー側の磁気ディスク16の温度よりも低く、ガス成分液化温度よりも低くすることができる。これにより、筺体10内の発ガス成分を整流板51により効率よく液化あるいは固化して捕集することが可能となる。
また、前述したように、整流板51を支持しているシュラウド部材50は、整流板と共通の材料、すなわち、磁気ディスク16よりも熱伝導率の高い材料、で形成されている。シュラウド面52aに複数の捕獲溝52bを設け、これらの捕獲溝52bにガス成分が効率的に当るようにすることで、シュラウド部材50によっても発ガス成分を捕集することができる。
通常、樹脂部品の熱伝導率は0.2W/(m・K)以下であるため、HDDのスピンドルモータやベアリング駆動によって筺体10内部の温度が上昇した際、部材自体に熱が滞留して、樹脂中の残渣成分や表面分解物などから発ガスする。これらガスを含む筺体内の空気が流れる位置に配置した整流板51に、ガスの熱エネルギーを奪う性能を有することによって、ガス中の有機成分を液化あるいは固化し、整流板51表面に留まることが可能となる。
ここでは系を単純化して、熱吸収部から放熱部への距離を10cm、放熱部位をトップカバー13全面として、このトップカバー全面から熱伝達によって自然冷却される場合を想定して、計算を行なう。
空気の熱抵抗R(air)= 0.01(熱が流れる距離)/0.0241(熱伝導率)/70e-4(放熱部面積)=59、
樹脂部品の熱抵抗R(resin)=0.01(熱が流れる距離)/0.2(熱伝導率)/70e-4(放熱部面積)=7、
炭化珪素フィラーの熱抵抗R(SiC)=0.01(熱が流れる距離)/160(熱伝導率)/70e-4(放熱部面積)=0.01、であり、ここで、80℃の熱を30℃まで冷却する場合、
空気では、Q(air)=59(R)×(80-30)=2950Wとなり、2950Wが必要となる。
樹脂部品では、Q(resin)=7(R)×(80-30)=350Wとなり、350Wが必要となる。
炭化珪素フィラーでは、Q(SiC)=0.01(R)×(80-30)=0.5Wとなり、0.5Wが必要となる。
樹脂部品の熱抵抗R(resin)=0.01(熱が流れる距離)/0.2(熱伝導率)/70e-4(放熱部面積)=7、
炭化珪素フィラーの熱抵抗R(SiC)=0.01(熱が流れる距離)/160(熱伝導率)/70e-4(放熱部面積)=0.01、であり、ここで、80℃の熱を30℃まで冷却する場合、
空気では、Q(air)=59(R)×(80-30)=2950Wとなり、2950Wが必要となる。
樹脂部品では、Q(resin)=7(R)×(80-30)=350Wとなり、350Wが必要となる。
炭化珪素フィラーでは、Q(SiC)=0.01(R)×(80-30)=0.5Wとなり、0.5Wが必要となる。
熱放熱部はトップカバー13全体であるため、
Q‘=hsΔT=5(無限空気の熱伝達率)×70e-4(放熱部面積)×(80-30)=1.75(W)
となり、1.75W分のエネルギーを放出できる。
よって、Q(air)>Q(resin)>Q’>Q(SiC)となり、炭化珪素フィラーを含有する樹脂材料で形成された整流板は、トップカバー13からの空冷を行なうことで、効果的に放熱を行え、ガス成分を冷却し捕獲することができる。
Q‘=hsΔT=5(無限空気の熱伝達率)×70e-4(放熱部面積)×(80-30)=1.75(W)
となり、1.75W分のエネルギーを放出できる。
よって、Q(air)>Q(resin)>Q’>Q(SiC)となり、炭化珪素フィラーを含有する樹脂材料で形成された整流板は、トップカバー13からの空冷を行なうことで、効果的に放熱を行え、ガス成分を冷却し捕獲することができる。
本実施形態において、整流板51の表面に、潤滑剤、例えば、磁気ディスク16の表面に塗布されている潤滑剤と同じ成分を有するフッ素系潤滑剤を含浸塗布してもよい。この場合、整流板51の表面に表面張力を持たせ、捕集したガス成分を液化して保持し易くすることができる。すなわち、整流板51表面に捕集されるガス成分を玉状にして回収することで、より整流板表面を効率よくガス捕集に用いることが可能となる。
図2に示すように、整流板51とトップカバー13との間、ここでは、整流板51を支持しているシュラウド部材50の固定部54とトップカバー13との間に、熱伝導部材60が設けられている。熱伝導部材60は、例えば、銅あるいはアルミニウムのシートで形成され、一端部がシュラウド部材50の固定部54に固定され、他端部がトップカバー13の内面に貼付されている。このような熱伝導部材60を設けることにより、整流板51から、外部空気との接触面積が大きく、熱源を持たない部品であるトップカバー13に、熱を移動させることができる。これにより、整流板51の熱を速やかに放冷し、一層効率よくガス成分を捕集する。
整流板51は、内周領域51a、中周領域51b、外周領域51cで熱伝導率が異なるように形成してもよい。本実施形態によれば、内周領域51aの熱伝導率が最も低く、内周領域51a、中周領域51b、外周領域51cの順で熱伝導率が3段階で高くなるように形成されている。例えば、熱伝導率の高いフィラーの含有量を整流板51の内周領域51aで最も少なくし、中周領域51b、外周領域51cの順にフィラーの含有量を多くしている。フィラーの含有量の差による内周領域51a、中周領域51b、外周領域51cの温度差は、例えば、20度以上が好ましい。
前述したように、整流板51の表面に付着した有機性のガス成分は、整流板51により冷却され、液状となる。そして、整流板51の熱伝導率を内周領域51aから外周領域51cに向けて段階的に変えることにより、液状コンタミ内で対流が生じて、液状コンタミは、整流板51の内周領域51aから外周領域51c側へ移動していき、メディア内周側から外周側へ移動していきシュラウド部材50に捕獲される。従って、この構成によれば、整流板51で捕獲したガス成分をシュラウド部材50に導き、磁気ディスク16の表面から離れた場所に保持することができ、捕獲したガス成分が、磁気ディスク表面上に落下することを防止できる。
上記のように構成されたHDDによれば、磁気ディスク16が高速回転することによりその回転方向Bに沿った空気流が発生する。この空気流は、磁気ディスク16の外周縁に僅かな隙間を置いて対向した側壁12bの対向面12c、シュラウド部材50のシュラウド面52a、および、磁気ディスク16間に設けられた整流板51により整流され、矢印B方向に沿って流れる。これにより、乱流の発生を抑制し、ディスクフラッターを低減することができる。また、キャリッジアッセンブリ22のサスペンション30の当たる風外乱が抑制される。そのため、風乱による磁気ディスクの振動を低減し、およびサスペンションの外乱変位を低減することができ、磁気ディスクに対する磁気ヘッドの位置決め精度が向上する。このことから、磁気ディスクの狭トラックピッチ化を可能とし、記憶容量の増大および回転数の高速化を図ることができ、パフォーマンスが高い磁気ディスク装置が得られる。
また、整流板51を磁気ディスクよりも熱伝導率が高くなるように形成することにより、気流との接触が多い整流板51により、筺体10内の発ガス成分を整流板の表面に液化あるいは固定化させて捕獲することができる。これにより、筺体内にガス成分捕獲用に専用のフィルタ等を設けることなく、筺体内の発生ガスを効率よく捕集することができ、信頼性の向上を図ることが可能なディスク装置が得られる。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施の形態においては、2枚の磁気ディスクを備えた構成について説明したが、磁気ディスクの枚数は必要に応じて増加可能である。整流板の形状、配設位置は、実施形態に限定されることなく、種々変更可能である。また、整流板の熱伝導率は、複数段階に変化する場合に限らず、内周側から外周側に連続的に変化する構成としてもよく、あるいは、全領域で一定としてもよい。
例えば、上述した実施の形態においては、2枚の磁気ディスクを備えた構成について説明したが、磁気ディスクの枚数は必要に応じて増加可能である。整流板の形状、配設位置は、実施形態に限定されることなく、種々変更可能である。また、整流板の熱伝導率は、複数段階に変化する場合に限らず、内周側から外周側に連続的に変化する構成としてもよく、あるいは、全領域で一定としてもよい。
10…筺体、12…ベース、12a…底壁、12b…側壁、12c…対向面、
13…トップカバー、16…磁気ディスク、17…磁気ヘッド、
18…スピンドルモータ、22…キャリッジアッセンブリ、24…VCM、
50…シュラウド部材、51…整流板、51a…内周領域、51b…中周領域、
51c…外周領域、52…本体、52a…シュラウド面、52b…捕獲溝、
54…固定部、60…熱伝導部材
13…トップカバー、16…磁気ディスク、17…磁気ヘッド、
18…スピンドルモータ、22…キャリッジアッセンブリ、24…VCM、
50…シュラウド部材、51…整流板、51a…内周領域、51b…中周領域、
51c…外周領域、52…本体、52a…シュラウド面、52b…捕獲溝、
54…固定部、60…熱伝導部材
Claims (8)
- 内部に複数のディスク状の記録媒体、およびこれらの記録媒体を回転するモータが収納された筺体と、
前記複数の記録媒体間に配置され、記録媒体間を流れる空気流を整流する整流板と、を備え、
前記整流板は、前記記録媒体よりも高い熱伝導率を有するディスク装置。 - 前記整流板は、前記記録媒体の内周部、中周部、外周部とそれぞれ対向する内周領域、中周領域、外周領域を有し、前記整流板は、前記内周領域の熱伝導率が最も低く、前記内周領域、中周領域、外周領域の順で熱伝導率が高くなるように形成されている請求項1に記載のディスク装置。
- 前記整流板は、熱伝導率の高いフィラーを含有する樹脂材料で形成されている請求項1または2に記載のディスク装置。
- 前記整流板の内周領域、中周領域、外周領域の順に、前記フィラーの含有量が多くなるように形成されている請求項3に記載のディスク装置。
- 前記筺体内に設けられているとともに前記整流板を支持するシュラウド部材を備え、このシュラウド部材は、前記記録媒体の外周縁に対向するシュラウド面と、このシュラウド面に空気流に沿ってそれぞれ形成された複数の捕獲溝と、を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のディスク装置。
- 前記シュラウド部材は、前記整流板と同一の材料で形成されている請求項5に記載のディスク装置。
- 前記筺体は、前記モータおよびシュラウド部材が設けられたベースと、このベースに固定されたトップカバーと、を備え、
前記シュラウド部材とトップカバーとの間に、前記シュラウド部材の熱をトップカバーに伝える熱伝導部材が設けられている請求項6に記載のディスク装置。 - 前記整流板の表面に潤滑剤が含浸塗布されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のディスク装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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