JP2012136929A - 角形鋼管柱の補強構造 - Google Patents

角形鋼管柱の補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2012136929A
JP2012136929A JP2011167710A JP2011167710A JP2012136929A JP 2012136929 A JP2012136929 A JP 2012136929A JP 2011167710 A JP2011167710 A JP 2011167710A JP 2011167710 A JP2011167710 A JP 2011167710A JP 2012136929 A JP2012136929 A JP 2012136929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
square steel
pipe column
column
side surfaces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011167710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5655738B2 (ja
Inventor
Yusuke Suzuki
悠介 鈴木
Koji Hanya
公司 半谷
Ryoichi Sugano
良一 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2011167710A priority Critical patent/JP5655738B2/ja
Publication of JP2012136929A publication Critical patent/JP2012136929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5655738B2 publication Critical patent/JP5655738B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】局部座屈後においても耐力低下を効果的に抑制するとともに変形性能を維持することができる角形鋼管柱の補強構造を提供すること。
【解決手段】角形鋼管柱1の4側面11各々に対して外面11A側及び内面11B側の少なくとも一方側から間隙Sを介して拘束手段2を対向させることで、少なくとも2側面11の座屈変形を拘束することができ、これにより角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制するとともに、局部座屈後も角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、角形鋼管柱の補強構造に関し、詳しくは、角形鋼管柱の局部座屈後の耐力低下を抑制するための角形鋼管柱の補強構造に関する。
従来、橋脚や鉄塔、建築物等の構造物に利用される円形鋼管柱の補強構造として、局部座屈の発生が予測される部位に対して、円形鋼管柱の外径よりも大きい内径を有した補強鋼管を配置することで、円形鋼管柱に局部座屈が発生しても急激な耐力低下を抑制することができる補強構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された従来の補強構造では、軸圧縮及び曲げモーメントを受ける円形鋼管柱の局部座屈として、圧縮縁の一部が径方向外側に凸状に突出する座屈モードが想定されており、さらに局部座屈が周方向に進展することによる提灯座屈が想定されている。このような座屈モードに対して従来の補強構造は、円形鋼管柱の外周を囲むようにして、かつ、所定の間隔を介して補強鋼管を設置することで、円形鋼管柱に局部座屈が発生して円形鋼管柱の一部が外側に突出したとしても、この突出した部分に補強鋼管の内面を当接させて座屈変形を拘束することにより局部座屈の進行を抑え、円形鋼管柱の急激な耐力低下を抑制するとともに変形性能を確保するように構成されている。
特許第3522415号公報
ところで、従来の補強構造は、円形鋼管柱の一部が径方向外側に突出する座屈モードに対して座屈変形の進行を抑えるものであり、そのような座屈モード以外の局部座屈や、円形鋼管柱以外の部材の局部座屈等が想定されておらず、例えば、円形鋼管柱とは座屈モードが異なる角形鋼管柱に対しては最適な補強構造とはなり得ない。このため、角形鋼管柱の局部座屈後の耐力低下を効果的に抑制することができる補強構造の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、局部座屈後においても耐力低下を効果的に抑制するとともに変形性能を維持することができる角形鋼管柱の補強構造を提供することにある。
本発明の角形鋼管柱の補強構造は、角形鋼管柱の局部座屈後の耐力低下を抑制するための角形鋼管柱の補強構造であって、前記角形鋼管柱の長手方向所定位置における4側面の外面側及び内面側の少なくとも一方側から間隙を介して対向する拘束手段を備え、前記角形鋼管柱に局部座屈が生じて前記側面が外方又は内方に変形した際に、当該側面に前記拘束手段が当接して当該変形を規制可能に構成されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、角形鋼管柱に局部座屈が生じて側面が外方又は内方に変形した際に、この側面の変形を拘束手段によって規制することで、座屈変形の進行を抑えて急激な耐力低下を抑制することができるとともに、局部座屈が生じた部分の周辺に応力を再配分することで角形鋼管柱としての変形性能を維持することができる。ここで、角形鋼管柱の局部座屈モードは、円形鋼管柱のように一部が径方向外側に突出するものとは異なり、角形鋼管柱の4側面のうちの互いに対向する一対の2側面が外方に突出するとともに、他の対向する一対の2側面が内方に凹むような変形を生じる座屈モードである。このことから、角形鋼管柱に対しては、本発明のように、4側面の各々に対して外面側及び内面側の少なくとも一方側に対向させて拘束手段を設けることで、少なくとも2側面の座屈変形を拘束することができ、これにより急激な耐力低下を抑制することができる。なお、角形鋼管柱の2側面の変形を拘束するだけでも一定の効果が期待できることから、拘束手段は4側面の外面側及び内面側の少なくとも一方側に設けられていればよいが、外面側及び内面側の両方に拘束手段を設けることで4側面全ての座屈変形を拘束すれば、耐力低下の抑制効果を高められることは自明である。
この際、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲むとともに前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束面を有した外部角形鋼管を有して構成されていてもよい。
このような構成によれば、外部角形鋼管の4つの拘束面を角形鋼管柱の4側面の外面側に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が外方に突出するように座屈変形した際に、これらの2側面に各々拘束面が当接して座屈変形を規制することができる。なお、角形鋼管柱の4側面のうち他の2側面は内方に凹むように変形するため、これらの変形を外部角形鋼管によって規制することはできないものの、外方に突出する2側面の変形を規制するだけで、角部を介して連続する他の2側面の変形も抑制されることとなり、角形鋼管柱としての急激な耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の内側に設けられて前記4側面の内面側に各々対向する内部角形鋼管又は内部円形鋼管を有して構成されていてもよい。
ここで、内部角形鋼管としては、角形鋼管柱の4側面の内面に沿った4つの拘束面を有するものでもよいし、4側面と傾斜した4面を有するとともにその角部(拘束角部)を4側面の内面に対向させて設けられるものでもよい。また、内部円形鋼管としては、角形鋼管柱の対向する内面間距離よりも若干小さな外径寸法を有したものであればよい。
このような構成によれば、内部角形鋼管又は内部円形鋼管を角形鋼管柱の4側面の内面側に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が内方に凹むように座屈変形した際に、これらの2側面に各々内部角形鋼管又は内部円形鋼管が当接して座屈変形を規制することができる。なお、角形鋼管柱の4側面のうち他の2側面は外方に突出するように変形するため、これらの2側面の変形を内部角形鋼管又は内部円形鋼管によって規制することはできないものの、内方に凹む2側面の変形を規制するだけで、角形鋼管柱としての急激な耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、角形鋼管柱の外側又は内側に設けられた鋼管は、当該鋼管の降伏耐力をσyr(N/mm2)、当該鋼管の管軸方向の長さをL(m)、前記角形鋼管柱の幅と平行な方向の当該鋼管の幅をDr(m)、当該鋼管の板厚をtr(m)としたとき、下記の式(1)を満足するように構成されていてもよい。ここで、βは、前記角形鋼管柱の幅をDp(mm)、当該角形鋼管柱の板厚をtp(mm)、当該角形鋼管柱の降伏耐力をσyp(N/mm2)、当該角形鋼管柱のヤング係数をE(N/mm2)としたとき、下記式(2)により表される。
Figure 2012136929
Figure 2012136929
これにより、角形鋼管柱の面外変形に対する拘束手段による抵抗能を最大限に発揮することが可能となり、その角形鋼管柱の面外変形による耐力低下を効果的に防止しつつ、角形鋼管柱の変形性能を効果的に維持することが可能となる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の外面側の角部に沿って設けられる4つのコーナー部材と、これらのコーナー部材間に渡って固定されて前記4側面に各々対向する4つの拘束面材とを有して構成されていてもよい。
このような構成によれば、4つの拘束面材を角形鋼管柱の4側面の外面側に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が外方に突出するように座屈変形した際に、これらの2側面に各々拘束面材が当接して座屈変形を規制することができる。なお、前述と同様に、角形鋼管柱の内方に凹む他の2側面の変形を拘束面材によって規制することはできないものの、外方に突出する2側面の変形を規制するだけで、角形鋼管柱としての急激な耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の前記4側面のうち各々対向する2側面を貫通する一対の貫通材と、これらの貫通材の先端部に固定されて前記4側面に各々対向する4つの先端部材とを有して構成されていてもよい。
ここで、4つの先端部材は、角形鋼管柱の4側面に対して外面側に設けられてもよいし、内面側に設けられてもよく、さらには4側面に対して外面側及び内面側の両方に設けられてもよい。
このような構成によれば、4つの先端部材を角形鋼管柱の4側面に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が外方又は内方に座屈変形した際に、これらの2側面に各々先端部材が当接して座屈変形を規制することができるか、又は先端部材を4側面に対して外面側及び内面側の両方に設けた場合には、4側面が外方及び内方のいずれの方向に座屈変形したとしても、その変形を規制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲むとともに前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束面を有した外部鋼管を有し、前記拘束面が中央側で前記4側面に近くなりかつ角部側で遠くなるような内向き凸の曲率を有して構成されていてもよい。
このような構成によれば、外部鋼管の4つの拘束面を角形鋼管柱の4側面の外面側に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が外方に突出するように座屈変形した際に、これらの2側面に各々拘束面が当接して座屈変形を規制することができる。この際、拘束面が内向き凸の曲率を有していることで、アーチ効果により拘束面の面外剛性を高めることができ、座屈変形した角形鋼管柱の側面が当接した際に拘束面の変形を抑制して拘束効果を高めることができる。なお、前述と同様に、角形鋼管柱の内方に凹む他の2側面の変形を外部鋼管によって規制することはできないものの、外方に突出する2側面の変形を規
制するだけで、角形鋼管柱としての急激な耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲む外部円形鋼管と、この外部円形鋼管の内面に突設されて前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束突起とを有して構成されていてもよい。
このような構成によれば、外部円形鋼管の内面に突設した4つの拘束突起を角形鋼管柱の4側面の外面側に各々対向させることで、4側面のうちの2側面が外方に突出するように座屈変形した際に、これらの2側面に各々拘束突起が当接して座屈変形を規制することができる。この際、複数の平面からなる角形よりも面外剛性の高い外部円形鋼管に拘束突起が設けられていることで、座屈変形した角形鋼管柱の側面が当接した際の拘束効果を高めることができる。なお、前述と同様に、角形鋼管柱の内方に凹む他の2側面の変形を拘束突起及び外部円形鋼管によって規制することはできないものの、外方に突出する2側面の変形を規制するだけで、角形鋼管柱としての急激な耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の幅寸法Dに対して当該角形鋼管柱の材端から0.1Dp〜0.7Dpの一部の範囲を含んで設置されていることが好ましい。
このような構成によれば、角形鋼管柱の材端から0.1Dp〜0.7Dpの一部の範囲を含んで拘束手段を設置することで、局部座屈が起こりやすい角形鋼管柱の端部近傍(例えば、柱脚部近傍)における座屈変形を効果的に拘束することができ、角形鋼管柱の耐力低下を抑制することができる。
また、本発明の角形鋼管柱の補強構造では、前記拘束手段は、前記角形鋼管柱に局部座屈が生じて前記側面が外方又は内方に変形した際に、当該側面に当接する当該拘束手段の当接箇所と、当該角形鋼管柱の側面との間のクリアランスΔが10mm以下となるように設置されていることが好ましい。
このような構成によれば、角形鋼管柱の座屈変形による座屈初期段階での耐力劣化を効果的に防止することが可能となる。
以上のような本発明の角形鋼管柱の補強構造によれば、円形鋼管とは座屈モードが異なる角形鋼管柱を対象とした場合でも、その4側面の各々に対して外面側及び内面側の少なくとも一方側から拘束手段を対向させて設けることで、少なくとも2側面の座屈変形を拘束することができ、これにより角形鋼管柱の急激な耐力低下を抑制することができる。さらに、必ずしも角形鋼管柱の4側面全ての座屈変形を拘束しなくても、少なくとも2側面の座屈変形を拘束するだけで、角形鋼管柱の耐力低下を効果的に抑制することができるとともに、角形鋼管柱の変形性能を維持させることができる。
本発明の第1実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図である。 第1実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す側面図である。 第1実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造の作用を示す平面断面図である。 (a)は角形鋼管柱に対する外部角形鋼管の取り付け構造の一形態を示す斜視図であり、(b)はその側面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図である。 第2実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図である。 第3実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す側面断面図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図であり、(b)はその変形形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図である。 図9(a)の実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す側面断面図である。 (a)は本発明の第5実施形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図であり、(b)はその変形形態に係る角形鋼管柱の補強構造を示す平面断面図である。 (a)は解析条件Iの下で行ったFEM解析での角形鋼管柱及び内部円形鋼管の寸法条件を示す平面断面図であり、(b)はその側面図である。 解析条件IのFEM解析での荷重条件について説明するための図である。 解析条件Iの解析結果から求められた全吸収エネルギーと内部円形鋼管の板厚trとの関係を示す図である。 (a)は図14における解析値aの場合の角形鋼管柱及び内部円形鋼管の変形状態を示す平面断面図であり、(b)は解析値bの場合の角形鋼管柱及び内部円形鋼管の変形状態を示す平面断面図である。 解析条件Iの解析結果から求められた無次元化回転角θ/θpと無次元化曲げモーメントM/Mpとの関係を示す図である。 解析条件Iの解析結果から求められた内部円形鋼管が受ける最大面外変形力Pと角形鋼管柱の基準化幅厚比βとの関係を示す図である。 (a)は角形鋼管柱の局部座屈により外部角形鋼管が受ける曲げモーメント分布を示す図であり、(b)は角形鋼管柱の局部座屈により内部円形鋼管が受ける曲げモーメント分布を示す図であり、(c)は角形鋼管柱の局部座屈により内部角形鋼管が受ける曲げモーメント分布を示す図であり、(d)は(a)とは条件を変えた場合の外部角形鋼管の曲げモーメント分布を示す図である。 解析条件Iの解析結果を板厚tr/式(6)を満足する最小板厚tr(min)と全吸収エネルギーの上昇率との関係で整理した図である。 (a)は解析条件IIの下で行ったFEM解析での角形鋼管柱及び内部円形鋼管の寸法条件を示す平面断面図であり、(b)はその側面図である。 解析条件IIの解析結果から求められた、角形鋼管柱の板厚tpが22mmであるときの無次元化最大曲げモーメントと変形ステップとの関係を示す図である。 解析条件IIの解析結果から求められた、角形鋼管柱の板厚tpが17mmであるときの無次元化最大曲げモーメントと変形ステップとの関係を示す図である。 解析条件IIの解析結果から求められた、角形鋼管柱の板厚tpが13.4mmであるときの無次元化最大曲げモーメントと変形ステップとの関係を示す図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、及び同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略又は簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2において、本発明の角形鋼管柱の補強構造は、角形鋼管柱1の長手方向所定位置である柱脚部に設けられる拘束手段2を備えて構成され、角形鋼管柱1の柱脚部に局部座屈が生じたとしても拘束手段2が座屈変形を規制することで、局部座屈後の角形鋼管柱1の耐力低下を抑制するとともに変形性能を確保可能に構成されている。
本実施形態の拘束手段2は、角形鋼管柱1を囲んで設けられる外部角形鋼管20で構成され、この外部角形鋼管20は、角形鋼管柱1の4つの側面11各々の外面11A側に間隙Sを介して対向する4つの拘束面21を有して構成されている。ここで、外部角形鋼管20は、それぞれの拘束面21を構成する4枚の鋼板を角部で溶接接合して角形鋼管としたものでもよいし、圧延や曲げ加工によって角筒状に成形した鋼材の端縁を溶接接合して形成したものでもよい。
このような外部角形鋼管20は、図3に示すように、圧縮軸力と曲げモーメントが作用して角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈し、4つの側面11のうちの2つの側面11が外方に変形した際に、これら2つの側面11の外面11Aに拘束面21が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。ここで、角形鋼管柱1の座屈モードは、4つの側面11のうちの互いに対向する一対(2つ)の側面11が外方に突出するとともに、他の対向する一対(2つ)の側面11が内方に凹むような変形を生じる座屈モードであることから、外方に突出する2つの側面11の座屈変形を外部角形鋼管20で規制することによって、内方に凹む他の2つの側面11の座屈変形を規制しなくても、これらの変形も抑制することができる。従って、外部角形鋼管20によって座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。
図4は本実施形態に係る拘束手段2を構成する外部角形鋼管20の角形鋼管柱1に対する取り付け構造の一形態を示す図であり、図5はその取り付け構造の他の形態を示す図である。
図4に示す取り付け構造は、角形鋼管柱1の外面11Aに溶接等により接合された支持部材91を備えており、その支持部材91上に外部角形鋼管20を支承させることにより、外部角形鋼管20が角形鋼管柱1に取り付けられている。支持部材91は、鋼材等の金属材料や樹脂材料等からなるものであり、L字状等の種々の形状に形成される。
このように、角形鋼管柱1に対する外部角形鋼管20の取り付け構造は特に限定するものではない。
〔第2実施形態〕
本実施形態の拘束手段2は、図5、図6に示すように、角形鋼管柱1を囲んで設けられるとともに、角形鋼管柱1の外面11A側の角部12に沿って設けられるアングル材等からなる4つのコーナー部材30と、これらのコーナー部材30間に渡って固定されて4つの側面11各々の外面11A側に間隙Sを介して対向する4つの拘束面材31とを有して構成されている。
このような構成によれば、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が外方に変形した際に、これら2つの側面11の外面11Aに拘束面材31が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。従って、拘束面材31によって座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。また、コーナー部材30によって角部の剛性を高めることができるので、角形鋼管柱1の側面11が座屈変形して拘束面材31に当接した際のその角形鋼管柱1の更なる面外変形を効果的に抑制することができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態の拘束手段2は、図7、図8に示すように、角形鋼管柱1の4つの側面11のうち各々対向する2つの側面に形成した貫通孔13を貫通する一対の貫通材40と、これら各々の貫通材40の先端部に固定されて4つの側面11各々の外面11Aに間隙Sを介して対向する4つの先端部材41とを有して構成されている。
ここで、貫通材40としては、少なくとも先端部にねじ山を有する鋼棒が利用できるが、鋼棒に限らず、長尺状の鋼板にボルトを接合したような部材であってもよい。また、先端部材41としては、貫通材40のねじ山に螺合できるナットが利用でき、側面11に対向するつばを有したつば付きナットが好適であるが、ナットに限らず、貫通材40の先端部に溶接固定される鋼板であってもよい。
このような構成によれば、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が外方に変形した際に、これら2つの側面11の外面11Aに先端部材41が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できることによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態の拘束手段2は、図9(a)に示すように、角形鋼管柱1の内側に設けられる内部円形鋼管50を有して構成され、この内部円形鋼管50は、角形鋼管柱1の4つの側面11各々の内面11B側に間隙Sを介して対向する外周面51を有して構成されている。すなわち、内部円形鋼管50の外径寸法は、角形鋼管柱1における互いに対向する一対の内面11B間の内法寸法よりも小さく形成され、角形鋼管柱1の内部に内部円形鋼管50が遊挿された状態で設けられている。
このような内部円形鋼管50によれば、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が内方に変形した際に、これら2つの側面11の内面11Bに内部円形鋼管50の外周面51が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。ここで、内方に凹む2つの側面11の座屈変形を内部円形鋼管50で規制することによって、外方に突出する他の2つの側面11の座屈変形を規制しなくても、これらの変形も抑制することができる。従って、内部円形鋼管50で座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。
なお、本実施形態の拘束手段2は、内部円形鋼管50に限らず、図9(b)に示すように、内部角形鋼管60であってもよく、この内部角形鋼管60は、角形鋼管柱1の4つの側面11各々の内面11B側に間隙Sを介して対向する4つの角部61を有して構成されている。すなわち、内部角形鋼管60の対角方向の外形寸法は、角形鋼管柱1における互いに対向する一対の内面11B間の内法寸法よりも小さく形成され、角形鋼管柱1の内部に内部角形鋼管60が遊挿された状態で設けられている。
このような内部角形鋼管60によっても、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が内方に変形した際に、これら2つの側面11の内面11Bに内部角形鋼管60の角部61が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。従って、内部角形鋼管60で座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。また、本実施形態の内部円形鋼管50及び内部角形鋼管60によれば、これらの拘束手段2が角形鋼管柱1の外部に露出しないことから、角形鋼管柱1の外部仕上げ寸法の拡大を防止しつつ、外観意匠に影響しない内部から補強することができる。
図10は本実施形態に係る拘束手段2を構成する内部円形鋼管50の角形鋼管柱1に対する取り付け構造の一形態を示す図である。
図10に示す取り付け構造は、角形鋼管柱1の内面11Bに溶接等により接合された支持部材91を備えており、その支持部材91上に内部円形鋼管50を支承させることにより、内部円形鋼管50が角形鋼管柱1に取り付けられている。なお、本実施形態のように、角形鋼管柱1の内面11Bに内部円形鋼管50等の拘束手段2を取り付ける場合、角形鋼管柱1は、図9に示すように4枚の鋼板を角部で溶接接合して角形鋼管としたり、圧延や曲げ加工により角筒状に成形した鋼材の端縁を溶接接合したものから構成されることが好ましい。これにより、角形鋼管柱1となる鋼材の内部に予め拘束手段2を設置してから角形鋼管柱1を組み立てることによって、角形鋼管柱1の内部に拘束手段2を簡単に設置することが可能となる。
〔第5実施形態〕
本実施形態の拘束手段2は、図11(a)に示すように、角形鋼管柱1を囲んで設けられる外部鋼管70で構成され、この外部鋼管70は、角形鋼管柱1の4つの側面11各々の外面11A側に間隙Sを介して対向する4つの拘束面71を有して構成されている。4つの拘束面71は、幅方向の中央部で角形鋼管柱1の側面11に最も近づくとともに、角部12側で側面11から遠ざかるような内向き凸の曲率を有して形成され、側面11に最も近づく中央部の内周面72と外面11Aとの間に間隙Sが確保されている。
このような外部鋼管70によれば、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が外方に変形した際に、これら2つの側面11の外面11Aに外部鋼管70の内周面72が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。従って、外部鋼管70で座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。また、拘束面71が内向き凸の曲率を有していることで、アーチ効果により拘束面71の面外剛性を高めることができ、座屈変形した角形鋼管柱1の側面11が当接した際に拘束面71の変形を抑制して拘束効果を高めることができる。
なお、本実施形態の拘束手段2は、外部鋼管70に限らず、図11(b)に示すように、角形鋼管柱1を囲んで設けられる外部円形鋼管80と、この外部円形鋼管80の内面に突設されて角形鋼管柱1の4つの側面11各々の外面11A側に間隙Sを介して対向する4つの拘束突起81とを有して構成されたものでもよい。すなわち、外部円形鋼管80の内径寸法は、角形鋼管柱1における対角方向の外形寸法よりも大きく形成され、この外部円形鋼管80の内周面に鋼板からなる拘束突起81が固定されている。
このような構成によっても、角形鋼管柱1の柱脚部が局部座屈して対向する2つの側面11が外方に変形した際に、これら2つの側面11の外面11Aに拘束突起81が当接して角形鋼管柱1の座屈変形を規制できるようになっている。従って、外部円形鋼管80及び拘束突起81で座屈変形を拘束することによって、角形鋼管柱1の急激な耐力低下を抑制できるとともに、角形鋼管柱1の変形性能を確保することができる。また、面外剛性の高い外部円形鋼管80の内周面に拘束突起81が設けられていることで、座屈変形した角形鋼管柱1の側面11が当接した際の拘束効果を高めることができる。
次に、本発明に係る拘束手段2の角形鋼管柱1に対する取り付け位置について説明する。
第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態に係る拘束手段2のように、拘束手段2が外部角形鋼管20等の管体を有して構成される場合、その管体から構成される拘束手段2は、図2に示すように、角形鋼管柱1の幅寸法Dp(mm)に対して、その軸方向の長さ寸法が0.6Dp以上となるように設定され、かつ、角形鋼管柱1の材端1aから0.4Dpの位置を中心として、その軸方向両側に0.3Dpの範囲を含むように設置されることが好ましい。換言すると、角形鋼管柱1の材端1aからその管体から構成される拘束手段2の下端部2aまでの長さL1と、上端部2bまでの長さL2とのそれぞれが0.1Dp以下0.7Dp以上となるように設置されることが好ましい。このような範囲に管体から構成される拘束手段2を設けることで、局部座屈の生じやすい角形鋼管柱1の端部近傍の座屈変形を効果的に抑制することができる。具体的には、角形鋼管柱1における局部座屈の波形は、角形鋼管柱1の材端1aから0.4Dpの位置の面外変形量が最大になることが知られていることから、この位置を中心にして材端1a側に少なくとも0.3Dpの領域と材中央側に少なくとも0.3Dの領域とを管体から構成される拘束手段2で覆うことで、局部座屈による座屈変形に対する抑制効果を高めることができる。
なお、第3実施形態に係る補強構造のように、拘束手段2が一対の貫通材40と先端部材41とを有して構成される場合、拘束手段2としての一対の貫通材40及び先端部材41は、図8に示すように、角形鋼管柱1の材端1aから0.1Dp〜0.7Dpの範囲の一部を含んで設置されていれば、上述の座屈変形を効果的に抑制する効果を発揮することが可能となる。
次に、本発明に係る拘束手段2の好ましい寸法条件について説明する。
本発明者は、本発明に係る拘束手段2の好ましい寸法条件を検討するため、以下に説明するような解析条件の下でFEM解析を行った。以下、その解析条件を解析条件Iとして
説明する。
解析条件Iでは、図9(a)に示すような形態の角形鋼管柱1の補強構造を適用した場合の、角形鋼管柱1及び内部円形鋼管50の変形挙動について解析することとした。
角形鋼管柱1及び内部円形鋼管50の寸法条件は図12に示すような条件とした。角形鋼管柱1の板厚tpについては22mm、17mm、13mmと条件を変え、内部円形鋼管50の板厚trについては様々な条件に変えて解析を行なった。材料条件は角形鋼管柱1、内部円形鋼管50のそれぞれについてBCP325、STKR490を用いた場合のヤング率等を設定した。拘束条件は角形鋼管柱1の材端1aが地盤面3に固定されているものと設定した。荷重条件は、角形鋼管柱1に降伏軸力Ny(N)の0.3倍となる圧縮軸力N(N)を負荷し、その圧縮軸力の値、方向を一定に保持したまま角形鋼管柱1の上端部1bを曲げ変形させるように載荷するものとして設定した。曲げ変形させるときの曲げ変形量は、図13に示すように、角形鋼管柱1の上端部1aを曲げ変形させたときの中心軸の曲げ変形前からの回転角をθとしたとき、図13に示すような変形履歴となるように設定した。なお、この変形履歴では、回転角θのときの角形鋼管柱1の材端1aでの曲げモーメントをMとしたとき、角形鋼管柱1に全塑性モーメントMpの曲げ荷重を負荷させたときの回転角θpに対して、2θp、4θp、6θp、8θpの最大変形量が順に正負2回ずつ与えられるものとして設定した。
解析条件Iでの解析結果から、回転角θと曲げモーメントMとの関係で整理して得られる履歴曲線の履歴面積について、全載荷履歴で積算して全吸収エネルギーを求めた。図14はその全吸収エネルギーと内部円形鋼管50の板厚trとの関係を示す図である。
このように、角形鋼管柱1の全吸収エネルギーは、内部円形鋼管50の板厚trの増加に伴い向上し、ある板厚を超えた時点で飽和する傾向があることが新たに知見された。また、この全吸収エネルギーが飽和するときの内部円形鋼管50の板厚trの値は、角形鋼管柱1の断面形状に応じて変化する傾向があることが知見された。以下、角形鋼管柱1の板厚tpが22mm、17mm、13mmそれぞれの条件の下で得られた解析値のうち、全吸収エネルギーが飽和するときの内部円形鋼管50の最小の板厚値を飽和板厚値という。
図15(a)は図14における解析値aの場合の角形鋼管柱1及び内部円形鋼管50の変形状態を示す平面断面図であり、(b)は図14における解析値bの場合の変形状態を示す平面断面図である。このように、内部円形鋼管50の板厚trが飽和板厚値より小さい場合、角形鋼管柱1の局部座屈に伴う面外変形により内部円形鋼管50に塑性ヒンジが形成されてしまうのに対して、内部円形鋼管50の板厚trが飽和板厚値である場合、その角形鋼管柱1の面外変形により内部円形鋼管50に塑性ヒンジが形成されていなかった。内部円形鋼管50に塑性ヒンジが形成されるということは、角形鋼管柱1の面外変形に対して内部円形鋼管50が十分に抵抗していないということを意味している。
また、解析条件Iでの解析結果から、回転角θを回転角θpで除算した無次元化回転角θ/θpと、曲げモーメントMを全塑性モーメントMpで除算した無次元化曲げモーメントM/Mpとを求めた。図16は、その無次元化回転角θ/θpと無次元化曲げモーメントM/Mpとの関係を示す図である。このように、内部円形鋼管50の板厚trが飽和板厚値となる場合(図中実線)と飽和板厚値より小さい場合(図中点線)とを比較すると、板厚trが飽和板厚値より小さい場合の方が、最大耐力に到達後の耐力低下が大きく、角形鋼管柱1の吸収エネルギー量が小さくなっていた。
これらのことから、角形鋼管柱1の面外変形に対する拘束手段2による抵抗能を最大限に発揮して、角形鋼管柱1の耐力低下及び変形性能の維持を可能とする拘束手段2による補強効果を十分に確保するうえでは、角形鋼管柱1の面外変形により拘束手段2が塑性ヒンジを形成しないような条件を設定することが必要となることが導かれる。
ここで、内部円形鋼管50の板厚trが飽和板厚値を超えた以降において角形鋼管柱1の全吸収エネルギーが増大しないということは、内部円形鋼管50の板厚trが飽和板厚値である場合に角形鋼管柱1から内部円形鋼管50が受ける面外変形力Pが、角形鋼管柱1の座屈変形によって内部円形鋼管50が受け得る最大面外変形力Pということになる。図17は、この最大面外変形力Pを角形鋼管柱1の基準化幅厚比βとの関係で整理した図である。ここで、基準化幅厚比βとは、角形鋼管柱1の幅をDp(mm)、角形鋼管柱1の板厚をtp(mm)、角形鋼管柱1の降伏耐力をσyp(N/mm2)、角形鋼管柱1のヤング係数をE(N/mm2)としたとき、下記式(2)により表される。基準化幅厚比βが大きいほど、ある角形鋼管柱1の幅Bに対して板厚tpが小さい断面形状となることになり、局部座屈が生じやすくなることになる。
Figure 2012136929
図17に示すように、基準化幅厚比βが大きいほど、最大面外変形力Pが小さくなる傾向があり、その基準化幅厚比βと最大面外変形力Pとの間にはほぼ線形な関係があることが新たに知見された。この線形関係を表す式として、解析値から一次回帰式を求めたところ、下記の式(3)が算出された。この最大面外変形力Pは、下記の式(3)から把握できるように、角形鋼管柱1の寸法条件に応じて定まり、拘束手段2の形態によらないものとなる。
P=−348β+622 ・・・ (3)
ここで、拘束手段2として、上述の第1実施形態、第4実施形態において説明したような、外部角形鋼管20、内部円形鋼管50、内部角形鋼管60を用いた場合において、図18(a)〜(c)に示すような位置に力Pが作用したときに、外部角形鋼管20等のそれぞれに作用する曲げモーメントについて考える。この曲げモーメントは、図18(a)〜(c)に示すような分布を示し、その最大曲げモーメントMmaxは何れの場合も図示のような位置でPDr/8となる。なお、Drは角形鋼管柱1の幅Dpと平行な方向の外部角形鋼管20等の幅Drを意味する。
すると、外部角形鋼管20等の拘束手段2が塑性ヒンジを形成しないための条件とは、上述の式(3)から算出される最大面外変形力Pが外部角形鋼管20等の拘束手段2に作用したときに、その拘束手段2に作用する最大曲げモーメントMmaxが全塑性モーメントMpとの関係で、下記の式(4)を満足すればよいことになる。
max≦Mp ・・・ (4)
ここで、全塑性モーメントMpは、下記の式(5)から導出されることが知られている。但し、Zpは拘束手段2を構成する外部角形鋼管20等の塑性断面係数(mm3)であり、σyrはその降伏耐力(N/mm2)であり、Lはその管軸方向の長さ(mm)であり、trはその板厚(mm)である。
Figure 2012136929
そして、上述の(3)〜(5)と最大曲げモーメントMmax=PDr/8を組み合わせることにより、下記の式(6)が導出される。
Figure 2012136929
因みに、図18(a)においては、外部角形鋼管20の曲げモーメントの分布として、外部角形鋼管20の各側面が角部22で回転剛性があるように接続されたとみなした場合の分布を示している。外部角形鋼管20の各側面が角部22でピン接続されているとみなした場合、その曲げモーメントの分布は、図18(d)に示すようになり、その最大曲げモーメントMmaxはPDr/4となる。この点を考慮して、上述の(3)〜(5)を組み合わせると、上述の式(6)に代替する式として、下記の式(6)´が導出される。
Figure 2012136929
ここで、図19は、拘束手段2を構成する外部円形鋼管20等の板厚trについて、上述の式(6)を満足する最小板厚tr(min)で除算した値と角形鋼管柱1の全吸収エネルギーの上昇率との関係で解析結果を整理した図である。なお、全吸収エネルギーの上昇率は、拘束手段2を設けたときの角形鋼管柱1の全吸収エネルギーについて、拘束手段2がないときの角形鋼管柱1の全吸収エネルギーで除算することにより求められる。
このように、上述の式(6)を満足する板厚trとした場合、拘束手段2がない条件と比較して全吸収エネルギーが1.2倍以上に増大していることが確認できる。また、上述の式(6)を満足する最小板厚tr(min)に対して0.6倍の板厚trとした場合、即ち、下記の式(1)を満足する場合でも、拘束手段2がない条件と比較して全吸収エネルギーを1.1倍以上にできることが確認できる。
Figure 2012136929
以上の解析条件Iの解析結果に基づき、本発明に係る拘束手段2の好ましい寸法条件として、以下のものを導出した。即ち、本発明に係る拘束手段2として、第1実施形態、第4実施形態において説明したような、外部角形鋼管20、内部円形鋼管50、内部角形鋼管60の何れかを用いる場合、それぞれの鋼管20、50、60は、上述の式(1)を満足するように構成されていることが好ましい。これにより、角形鋼管柱1の面外変形に対する鋼管20、50、60による優れた抵抗能を発揮することが可能となり、その角形鋼管柱1の面外変形による耐力低下を効果的に防止しつつ、その角形鋼管柱1の変形性能を効果的に維持することが可能となる。また、このような角形鋼管柱1の面外変形に対する鋼管20、50、60による抵抗能を最大限に発揮する観点からは、各鋼管20、50、60は、上述の式(6)を満足することがより好ましい。因みに、拘束手段2が外部角形鋼管20により構成される場合、上述の式(1)の右辺に21/2を乗算した式、又は、式(6)´を満足するように構成されていることが更に好ましく、これにより、角形鋼管柱1の面外変形による耐力低下をより効果的に防止しつつ、角形鋼管柱1の変形性能をより効果的に維持することが可能となる。
なお、上述の式(1)、(6)は、拘束手段2を構成する鋼管20、50、60の板厚trの下限値を定めるものであり、その板厚trの上限値は特に限定するものではないが、鋼材の降伏点のばらつきに対して安定して効果を発揮する観点からは、上述の式(6)を満足する最小板厚tr(min)に対して1.2倍の板厚が確保できれば十分である。このため、この板厚trは、下記の式(7)を満足することが好ましく、これにより、鋼材の降伏点のばらつきに対して安定した効果を発揮しつつ、鋼材コストを抑えることが可能となる。
Figure 2012136929
次に、本発明に係る拘束手段2と角形鋼管柱1との間のクリアランスΔ(mm)について説明する。なお、ここでいうクリアランスΔとは、角形鋼管柱1に局部座屈が生じてその側面11が外方又は内方に変形した際に、その側面11に当接する拘束手段2の当接箇所2cと、角形鋼管柱1の側面11との間の幅のことをいう。
本発明者は、本発明に係る拘束手段2について、好ましいクリランスΔを検討するため、以下に説明するような解析条件の下でFEM解析を行なった。以下、その解析条件を解析条件IIとして説明する。
解析条件IIでも、解析条件Iと同様に、図9(a)に示すような形態の角形鋼管柱1の補強構造を適用した場合の、角形鋼管柱1及び内部円形鋼管50の変形挙動について解析することとした。
角形鋼管柱1及び内部円形鋼管50の寸法条件は図20に示すような条件とした。角形鋼管柱1の板厚tpについては22mm、17mm、13.4mmと条件を変え、クリアランスΔについては様々な条件に変えて解析を行なった。この他の材料条件、拘束条件、荷重条件は、解析条件Iと同様とした。
解析条件IIでの解析結果から、変形履歴の各ステップでの角形鋼管柱1の最大曲げモーメントを全塑性モーメントMpで除算した無次元化最大曲げモーメントを求めた。図21〜図23はその無次元化最大曲げモーメントと変形履歴の各ステップとの関係を示す図である。このように、内部円形鋼管50による補強効果は、クリアランスΔが小さくなるほど向上することが把握できる。特に、クリアランスΔが10mm以下の場合、角形鋼管柱1の板厚tpによらず角形鋼管柱1の座屈変形に対する座屈初期段階での耐力劣化が抑えられていた。これは、クリアランスΔが10mm以下の場合に、角形鋼管柱1の座屈初期段階で内部円形鋼管50が角形鋼管柱1に接触して、内部円形鋼管50による座屈変形拘束効果を早期に発揮させることができたためと考えられる。また、クリアランスΔが5mm以下の場合、角形鋼管柱1の板厚tpによらず角形鋼管柱1の座屈変形に対する座屈初期段階での最大耐力が向上していた。
以上の解析結果に基づき、本発明においては、そのクリアランスΔについて、10mm以下とすることを好ましい条件としている。クリアランスΔが10mm以下であれば、角形鋼管柱1の座屈変形による座屈初期段階での耐力劣化を拘束手段2によって効果的に防止することが可能となる。また、クリアランスΔは5mm以下とすることが更に好ましい。クリアランスΔが5mm以下であれば、角形鋼管柱1の座屈変形に対する座屈初期段階での最大耐力の向上を図ることが可能となる。なお、これらの効果は、上述の第1実施形態〜第5実施形態の何れにおいても発揮させることが可能である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態においては、角形鋼管柱1の柱脚部に拘束手段2を設けたが、拘束手段2を設ける角形鋼管柱1の長手方向所定位置としては、柱脚部に限らず、柱頭部でもよいし、さらに柱中間部でもよい。さらに、角形鋼管柱1の柱脚部や柱頭部などを含んだ複数箇所に拘束手段2を設けてもよい。
また、拘束手段2の設置位置は、前記実施形態のように、角形鋼管柱1の材端から0.1Dp〜0.7Dpの範囲に限定されず、角形鋼管柱1の全長に渡って連続して拘束手段2が設けられてもよいし、断続的に拘束手段2が設けられてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1…角形鋼管柱、1a…材端、1b…上端部、2…拘束手段、2a…下端部、2b…上端部、2c…当接箇所、3…地盤面、11…側面、11A…外面、11B…内面、12…角部、20…外部角形鋼管、21…拘束面、22…角部、30…コーナー部材、31…拘束面材、40…貫通材、41…先端部材、50…内部円形鋼管、60…内部角形鋼管、70…外部鋼管、71…拘束面、80…外部円形鋼管、81…拘束突起、91…支持部材、S…間隙、Δ…クリアランス。

Claims (10)

  1. 角形鋼管柱の局部座屈後の耐力低下を抑制するための角形鋼管柱の補強構造であって、
    前記角形鋼管柱の長手方向所定位置における4側面の外面側及び内面側の少なくとも一方側から間隙を介して対向する拘束手段を備え、
    前記角形鋼管柱に局部座屈が生じて前記側面が外方又は内方に変形した際に、当該側面に前記拘束手段が当接して当該変形を規制可能に構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  2. 請求項1に記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲むとともに前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束面を有した外部角形鋼管を有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  3. 請求項1又は2に記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の内側に設けられて前記4側面の内面側に各々対向する内部角形鋼管又は内部円形鋼管を有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  4. 請求項2又は3に記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段が有する鋼管は、当該鋼管の降伏耐力をσyr(N/mm2)、当該鋼管の管軸方向の長さをL(mm)、前記角形鋼管柱の幅と平行な方向の当該鋼管の幅をDr(mm)、当該鋼管の板厚をtr(mm)としたとき、下記の式(1)を満足するように構成されていること
    を特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
    Figure 2012136929
    ここで、βは、前記角形鋼管柱の幅をDp(mm)、当該角形鋼管柱の板厚をtp(mm)、当該角形鋼管柱の降伏耐力をσyp(N/mm2)、当該角形鋼管柱のヤング係数をE(N/mm2)としたとき、下記式(2)により表される。
    Figure 2012136929
  5. 請求項1、3、4のいずれかに記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の外面側の角部に沿って設けられる4つのコーナー部材と、これらのコーナー部材間に渡って固定されて前記4側面に各々対向する4つの拘束面材とを有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  6. 請求項1に記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の前記4側面のうち各々対向する2側面を貫通する一対の貫通材と、これらの貫通材の先端部に固定されて前記4側面に各々対向する4つの先端部材とを有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  7. 請求項1、3、4のいずれかに記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲むとともに前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束面を有した外部鋼管を有し、前記拘束面が中央側で前記4側面に近くなりかつ角部側で遠くなるような内向き凸の曲率を有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  8. 請求項1、3、4のいずれかに記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱を囲む外部円形鋼管と、この外部円形鋼管の内面に突設されて前記4側面の外面側に各々対向する4つの拘束突起とを有して構成されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱の幅Dpに対して当該角形鋼管柱の材端から0.1Dp〜0.7Dpの範囲の一部を含んで設置されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の角形鋼管柱の補強構造において、
    前記拘束手段は、前記角形鋼管柱に局部座屈が生じて前記側面が外方又は内方に変形した際に、当該側面に当接する当該拘束手段の当接箇所と、当該角形鋼管柱の側面との間のクリアランスΔが10mm以下となるように設置されていることを特徴とする角形鋼管柱の補強構造。
JP2011167710A 2010-12-06 2011-07-29 角形鋼管柱の補強構造 Expired - Fee Related JP5655738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011167710A JP5655738B2 (ja) 2010-12-06 2011-07-29 角形鋼管柱の補強構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010271277 2010-12-06
JP2010271277 2010-12-06
JP2011167710A JP5655738B2 (ja) 2010-12-06 2011-07-29 角形鋼管柱の補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012136929A true JP2012136929A (ja) 2012-07-19
JP5655738B2 JP5655738B2 (ja) 2015-01-21

Family

ID=46674543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011167710A Expired - Fee Related JP5655738B2 (ja) 2010-12-06 2011-07-29 角形鋼管柱の補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5655738B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120143527A1 (en) * 2004-06-18 2012-06-07 Jfe Steel Corporation Local buckling performance evaluating method for steel pipe, steel pipe designing method, steel pipe manufacturing method, and steel pipe
JP2015074902A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 株式会社技研製作所 鋼管の補強方法及び補強装置
JP2015137511A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 三菱重工業株式会社 鉄骨構造物、及び、耐震改修工法
JP2015145589A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 ナカジマ鋼管株式会社 鋼管柱と梁との接合構造
JP2016180235A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱日立パワーシステムズ株式会社 鉄骨構造物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06167073A (ja) * 1992-04-24 1994-06-14 Sumitomo Metal Ind Ltd コンクリート充填鋼管部材の補強構造
JP3522415B2 (ja) * 1995-10-23 2004-04-26 独立行政法人土木研究所 鋼管柱の補強構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06167073A (ja) * 1992-04-24 1994-06-14 Sumitomo Metal Ind Ltd コンクリート充填鋼管部材の補強構造
JP3522415B2 (ja) * 1995-10-23 2004-04-26 独立行政法人土木研究所 鋼管柱の補強構造

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120143527A1 (en) * 2004-06-18 2012-06-07 Jfe Steel Corporation Local buckling performance evaluating method for steel pipe, steel pipe designing method, steel pipe manufacturing method, and steel pipe
US8875366B2 (en) * 2004-06-18 2014-11-04 Jfe Steel Corporation Local buckling performance evaluating method for steel pipe, steel pipe designing method, steel pipe manufacturing method, and steel pipe
JP2015074902A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 株式会社技研製作所 鋼管の補強方法及び補強装置
JP2015137511A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 三菱重工業株式会社 鉄骨構造物、及び、耐震改修工法
JP2015145589A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 ナカジマ鋼管株式会社 鋼管柱と梁との接合構造
JP2016180235A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱日立パワーシステムズ株式会社 鉄骨構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5655738B2 (ja) 2015-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5655738B2 (ja) 角形鋼管柱の補強構造
KR101134460B1 (ko) 래티스 철근을 이용한 강재빔 및 그 시공방법
US20060207211A1 (en) Spiral stirrup and steel element combination structure system
KR101204329B1 (ko) 콘크리트 구조물의 강성 증대 및 시공 편의성을 보장하기 위한 브라켓 구조
JP5705810B2 (ja) 塔状構造物、及び、塔状構造物の施工方法
JP5432763B2 (ja) 座屈拘束ブレース及びこれを用いた耐力フレーム
JP5216050B2 (ja) 履歴型ダンパ構造体
JP2016023440A (ja) 鉄骨梁
JP5822203B2 (ja) ブレースダンパー
JP2007191854A (ja) 耐力フレーム
JP5486430B2 (ja) 耐力フレームの構造
JP5294127B2 (ja) ブレースダンパー
JP2011168984A (ja) 座屈拘束ブレース
JP4533359B2 (ja) 座屈拘束ブレース、及び座屈拘束ブレースを用いた耐力フレーム
JP5651198B2 (ja) 建築物の梁支持構造
JP2005233367A (ja) 構造物の連結部材
JP5144919B2 (ja) 制震パネル
JP5968706B2 (ja) 座屈拘束ブレース
JP5417152B2 (ja) 防護柵用支柱
JP2008038983A (ja) 履歴型ダンパ
JP4242322B2 (ja) 壁パネルの取付構造
JP2005030086A (ja) 鋼管柱構造
JP2006233623A (ja) 鋼管柱の下部構造
JP6742741B2 (ja) 曲げ降伏型ダンパー
KR101288882B1 (ko) 중공 콘크리트 부재 및 이를 이용한 콘크리트 구조물

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120830

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141110

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5655738

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees