JP2012136460A - N−メチル−カルバメート基を有するピペリジン誘導体 - Google Patents
N−メチル−カルバメート基を有するピペリジン誘導体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】レニン阻害薬であるアリスキレンに代る安全の高い新規なレニン阻害剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩(ここにおいて、R1およびR2は、いずれか一方が水素原子であり、他方が下記式(a)で表される基であり、R3は、C1−4アルコキシカルボニル基(該基は、下記式(b)で表される基で置換されている。)、下記式(c)で表される基等であり、R4は、C1−4アルキル基等であり、R5およびR6は、各々独立して、同一または異なって、水素原子、C1−4アルキル基(該基は、C1−4アルコキシ等で置換されていてもよい。)等であり、R7は、C1−6アルキル基(該基は、1〜3個のフッ素原子等で置換されていてもよい。)である。)。
【選択図】なし
【解決手段】式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩(ここにおいて、R1およびR2は、いずれか一方が水素原子であり、他方が下記式(a)で表される基であり、R3は、C1−4アルコキシカルボニル基(該基は、下記式(b)で表される基で置換されている。)、下記式(c)で表される基等であり、R4は、C1−4アルキル基等であり、R5およびR6は、各々独立して、同一または異なって、水素原子、C1−4アルキル基(該基は、C1−4アルコキシ等で置換されていてもよい。)等であり、R7は、C1−6アルキル基(該基は、1〜3個のフッ素原子等で置換されていてもよい。)である。)。
【選択図】なし
Description
本発明は、医薬として有用なN−メチル−カルバメート基を有するピペリジン誘導体に関する。より詳しくは、レニン阻害剤として有効なN−メチル−カルバメート基を有するピペリジン誘導体に関する。
レニン阻害薬は、高血圧、鬱血性心不全、腎障害などの循環器系疾患の発症や進展に重要な役割を担っているレニン−アンジオテンシン(RA)系の最上流に位置するレニンを直接阻害する薬剤であり、循環器系疾患の治療薬として有用性が大いに期待されている。
実際、近年開発されたレニン阻害薬である下記構造式
実際、近年開発されたレニン阻害薬である下記構造式
また、アリスキレン以外のレニン阻害薬としては、例えば、下記式(I)
Hypertension 42(6):p.1137-43,(2003年)
Circulation 111(8):p.1012-8,(2005年)
J Hypertens. 24(Suppl 4):S82.Abstract P4.269,(2006年)
アリスキレンは臨床試験において、用量依存的な副作用として下痢などの消化管障害が認められている。またアリスキレンは、皮下に投与した際、炎症を惹起する作用を有する。アリスキレンの下痢などの消化管障害の一つの原因として、直接、接触すると考えられる部分(例えば、特に高濃度で暴露される可能性が高い口腔、胃腸等の消化管など)における炎症惹起作用が考えられる。アリスキレンと同様の皮下の炎症惹起作用は、式(I)の化合物でも観察されたため、本発明が解決しようとする課題は、安全性の高い新規な化レニン阻害剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、意外にも式(I)で表される化合物の構造に有する1級、あるいは2級アミンに特定の置換基を有する下記化合物またはその薬学上許容される塩(以下必要に応じ本発明化合物と略称することがある。)が優れたレニン阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに到った。加えて該、構造に有する1級、あるいは2級アミンの窒素原子に特定の置換基を挿入することで、炎症惹起作用に由来する作用や症状などの副作用を低減できることも見出した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
項1:式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
項1:式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
(i)C1−4アルキル基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
(ii)C3−6シクロアルキル基、または
(iii)C6−10アリール基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)である。)で置換されている。)、
2:C1−4アルキルカルボニル基(該基は、
(a)アミノ、または
(b)ヒドロキシで置換されてもよい。)、
3:C1−4アルコキシカルボニル基(該基は、下記式:
1:水素原子、
2:C1−4アルキル基(該基は、
(a)C1−4アルコキシ、
(b)C3−6シクロアルキル(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
(c)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(d)5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシで置換されてもよい。)、
3:C3−10シクロアルキル基(該基は、
(a)1〜2個のフッ素原子、または
(b)C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
4:C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、または
(b)C6−10アリール(該アリールは、ハロゲン原子またはC1−4アルコキシで置換されてもよい。)で置換されてもよい。)、
5:5員もしくは6員の飽和へテロ環基、または
6:5員〜10員の単環式もしくは多環式のヘテロアリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されてもよい。)であり、
R7は、
1:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)ヒドロキシ、
(c)C1−4アルコキシ、
(d)カルボキシ、
(e)5員もしくは6員の飽和へテロ環、
(f)C3−6シクロアルキル、
(g)C1−4アルコキシカルボニル、
(h)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(i)アミノ、
(j)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノ、
(k)5員〜7員の環状アミン、
(l)1〜2個のニトロオキシ、
(m)アミノカルボニル、または
(n)5員〜7員の環状アミノカルボニルで置換されてもよい。)、
2:C3−10シクロアルキル基(該基は、ヒドロキシで置換されてもよい。)、
3:C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
4:C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されてもよい。)、
5:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
6:5員もしくは6員の飽和へテロ環基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよいC1−4アルキルで置換されてもよい。)、
7:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されてもよい。)、
8:C3−6シクロアルキルオキシ基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、または
9:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である。]
項2:R1が水素原子であり、R2が下記式
項3:式(1)で表される化合物が、下記式
項4:R1が下記式
項5:式(1)で表される化合物が、下記式
項6: R3が、C1−4アルコキシカルボニル基(該基は、下記式
項7:R3が、下記式
項8:R4が、メチル基である、項6または項7に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項9:R3が、下記式
R7は、
1:C1−4アルキル基(該基は、
(a)アミノ、
(b)ヒドロキシ、
(c)C1−4アルコキシ、
(d)カルボキシ、
(e)C1−4アルコキシカルボニル、または
(f)C1−4アルコキシカルボニルアミノで置換されていてもよい。)、
2:C3−10シクロアルキル基、
3:C1−4アルキルカルボニル基、
4:C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
5:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
6:5員もしくは6員の飽和へテロ環基、
7:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
8:C3−6シクロアルキルオキシ基、または
9:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である、項1に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項10:R5が、水素原子であり、R6が、メチル基である、項9に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項11: R7が、
1:C1−4アルキル基、
2:C3−6シクロアルキル基、
3:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
4:C3−6シクロアルキルオキシ基、または
5:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である、項9または項10に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
1:C1−4アルキル基、
2:C3−6シクロアルキル基、
3:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
4:C3−6シクロアルキルオキシ基、または
5:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である、項9または項10に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項12: R7が、
1:C1−4アルキル基、または
2:C1−6アルコキシ基である、項11に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
1:C1−4アルキル基、または
2:C1−6アルコキシ基である、項11に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項13:式(2)
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
項14:項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
項15:項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するレニン阻害剤。
項16:項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有するレニン阻害に起因する疾病の治療剤。
項17:レニン阻害に起因する疾病の治療および/または予防における、項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩の使用。
項18:高血圧症の治療および/または予防における、項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩の使用。
項19:治療を必要とする患者に、項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩の有効量を投与することからなる、レニン阻害に起因する疾病の治療方法。
項20:項1〜項13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩と、下記薬剤群(A)から選択される薬剤とを組み合わせてなる医薬:
薬剤群(A)は、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、GLP−1、GLP−1アナログ、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、β3アゴニスト、DPPIV阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、神経栄養因子、PKC阻害剤、AGE阻害剤、活性酸素消去薬、脳血管拡張剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、ACE/NEP阻害剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、中枢性抗肥満薬、膵リパーゼ阻害薬、ペプチド性食欲抑制薬、コレシストキニンアゴニスト、キサンチン誘導体、チアジド系製剤、抗アルドステロン製剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、およびフロセミドからなる群である。
薬剤群(A)は、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、GLP−1、GLP−1アナログ、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、β3アゴニスト、DPPIV阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、神経栄養因子、PKC阻害剤、AGE阻害剤、活性酸素消去薬、脳血管拡張剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、ACE/NEP阻害剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、中枢性抗肥満薬、膵リパーゼ阻害薬、ペプチド性食欲抑制薬、コレシストキニンアゴニスト、キサンチン誘導体、チアジド系製剤、抗アルドステロン製剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、およびフロセミドからなる群である。
以下、式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を必要に応じ「本発明化合物」と総称する。
本発明化合物は、優れたレニン阻害活性を有し、高血圧症の治療薬として有用である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」などと表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。また、本明細書において、「置換されてもよい」または「置換された」なる用語を特に明示していない置換基については、「非置換」の置換基を意味する。例えば、「C1−6アルキル」とは、「非置換」であることを意味する。
本明細書において「基」なる用語は、1価基を意味する。例えば、「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を意味する。また、本明細書における置換基の説明において、「基」なる用語を省略する場合もある。尚、「置換されてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
「ハロゲン原子」は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6個を有する直鎖または分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル基」等が挙げられる。「C1−6アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
「C3−10シクロアルキル基」は、炭素数3〜10個を有し、環状の飽和炭化水素基を意味する。例えば、好ましくは、「C3−6シクロアルキル基」等が挙げられる。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルまたはノルボルニル等が挙げられる。
「C6−10アリール基」は、炭素数6〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。好ましくは「C6アリール基」(フェニル)等が挙げられる。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは多環式の基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれるヘテロ原子を同種または異なって1個以上(例えば1〜4個)を含む。好ましくは、例えば、5員もしくは6員の単環式の基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、ピロリル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリル、イソキノリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ジベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリル、シンノリル、キナゾリル、インダゾリル、ナフチリジル、キノリノリルまたはイソキノリノリル等が挙げられる。
「C1−6アルコキシ基」は、「C1−6アルキルオキシ基」と同義であり、「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ基」等が挙げられる。「C1−4アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
「C1−4アルキルカルボニル基」は、前記「C1−4アルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体的には、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、2−プロピルカルボニルまたはtert−ブチルカルボニル等が挙げられる。
「C1−4アルコキシカルボニル基」は、前記「C1−4アルコキシ基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、2−プロポキシカルボニルまたはtert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
「C1−4アルコキシカルボニルアミノ基」とは、前記「C1−4アルコキシカルボニル基」がアミノ基に1個置換した基を意味する。具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。尚、「C1−4アルキル」は、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。
「飽和ヘテロ環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種の原子を1〜3個有する5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基等が挙げられる。前記窒素原子、酸素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。具体的には、ピラニル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキソイミダゾリジニル、ジオキソイミダゾリジニル、オキソオキサゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、ジオキソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピリジニル等が挙げられる。該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合手となることはない。すなわち、該基には、例えば、ピロリジノ基などの概念は包含されない。
前記「飽和へテロ環基」は、6員の芳香族炭化水素または6員の不飽和へテロ環と縮合環を形成してもよい。例えば、前掲の5員もしくは6員の「飽和ヘテロ環基」と6員の芳香族炭化水素または6員の不飽和へテロ環が縮合した二環式の11もしくは12員の「飽和ヘテロ環」が挙げられる。6員の芳香族炭化水素としては、ベンゼンなどが挙げられる。6員の不飽和へテロ環としては、ピリジン、ピリミジンまたはピリダジン等が挙げられる。具体的には、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロプリニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾジオキサニル、イソインドリニル、インダゾリル、ピロロリジニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニルまたはテトラヒドロピリドアゼピニル等が挙げられる。
「飽和ヘテロ環オキシ基」の「飽和へテロ環」部分は、前記「飽和へテロ環基」と同じである。具体的には、ピラニルオキシ、ピロリジニルオキシ等が挙げられる。
「5員〜7員の環状アミノ」は、5員〜7員からなる環状のアミノ基を意味する。該環の窒素原子が直接「基」の結合手となる基を意味する。好ましくは、5員〜7員であり、更に好ましくは5員もしくは6員である。具体例としては、例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノオキシド、チオモルホリノジオキシド、ピペラジノ、2−ピロリドン−1−イル等が挙げられる。該環は、例えば、ハロゲン原子、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシで置換されてもよいC6アリールなどで置換されてもよい。
「5員〜7員の環状アミノカルボニル」の「5員〜7員の環状アミノ」は、前記「
5員〜7員の環状アミノ」と同じである。
5員〜7員の環状アミノ」と同じである。
本発明化合物は、「R1」を後記P1〜P174の部分構造に置き換えた化合物としても例示できる。
以下に、本発明における式(1)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。なお、本明細書において、記載の簡略化のために次の略号を使用することもある。
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
Cbz:ベンジルオキシカルボニル基
Me:メチル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
Et:エチル基
i−Pr:イソプロピル基
Bz:ベンゾイル基
TFA:トリフルオロ酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
Cbz:ベンジルオキシカルボニル基
Me:メチル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
Et:エチル基
i−Pr:イソプロピル基
Bz:ベンゾイル基
TFA:トリフルオロ酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
式(1)で表される化合物は公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、次の方法により合成できる。尚、式(1)で表される化合物は、出発原料の種類に応じて、下記に示す方法を適宜選択して、組み合わせることにより合成することができる。
製造法1
式(1)で表される化合物のうち、式(1−5)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
式(1)で表される化合物のうち、式(1−5)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
[式中、R1、R2、R5、R6およびR7は、前記項1に記載と同義である。]
1)工程1
化合物(1−3)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(1−1)を化合物(1−2)と反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約−20℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(1−2)は、文献等に記載されている方法を用いることで製造することができる。例えば、対応するケトンおよび、アルデヒドにトリホスゲンを反応させる方法(Tetrahedron Letters 30, 2033 (1989)やTetrahedron Letters 42, 7751 (2001)等)などにより製造することができる。
化合物(1−3)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(1−1)を化合物(1−2)と反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約−20℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(1−2)は、文献等に記載されている方法を用いることで製造することができる。例えば、対応するケトンおよび、アルデヒドにトリホスゲンを反応させる方法(Tetrahedron Letters 30, 2033 (1989)やTetrahedron Letters 42, 7751 (2001)等)などにより製造することができる。
2)工程2
化合物(1−5)は、不活性溶媒中、炭酸銀の存在下、化合物(1−3)を化合物(1−4)と反応させることにより製造することができる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約20℃〜約80℃の範囲から選択される。
化合物(1−5)は、不活性溶媒中、炭酸銀の存在下、化合物(1−3)を化合物(1−4)と反応させることにより製造することができる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約20℃〜約80℃の範囲から選択される。
製造法2
式(1)で表される化合物のうち、式(2−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
式(1)で表される化合物のうち、式(2−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
[式中、A、R5およびR6は、前掲と同義であり、R101は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよいC1−6アルキル基、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基、または5員もしくは6員の飽和へテロ環基である。]
1)工程1
化合物(2−2)は、不活性溶媒中、化合物(1−2)から以下の反応(i.〜ii.)を連続的に実施することにより製造することができる。不活性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、もしくはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
i.ピリジン存在下、化合物(1−2)と化合物(2−1)を反応させる。反応温度は、約−10℃〜約30℃の範囲から選択される。
ii.i.の反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に対し、トルエンを加え、得られた溶液に対し、ヨウ化ナトリウムおよびテトラブチルアンモニウムブロミドを加え反応させる。反応温度は、約80℃〜約150℃の範囲から選択される。
2)工程2
化合物(2−3)は、不活性溶媒中、無機塩基の存在下、炭酸ガスおよび化合物(2−2)を化合物(1−1)と反応させることにより製造することができる。無機塩基としては、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度は、約0℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(2−2)は、不活性溶媒中、化合物(1−2)から以下の反応(i.〜ii.)を連続的に実施することにより製造することができる。不活性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、もしくはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
i.ピリジン存在下、化合物(1−2)と化合物(2−1)を反応させる。反応温度は、約−10℃〜約30℃の範囲から選択される。
ii.i.の反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に対し、トルエンを加え、得られた溶液に対し、ヨウ化ナトリウムおよびテトラブチルアンモニウムブロミドを加え反応させる。反応温度は、約80℃〜約150℃の範囲から選択される。
2)工程2
化合物(2−3)は、不活性溶媒中、無機塩基の存在下、炭酸ガスおよび化合物(2−2)を化合物(1−1)と反応させることにより製造することができる。無機塩基としては、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度は、約0℃〜約40℃の範囲から選択される。
製造法3
式(1)で表される化合物のうち、式(3−2)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
式(1)で表される化合物のうち、式(3−2)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
[式中、Aは前掲と同じであり、R102は、アミノまたはヒドロキシで置換されてもよいC1−4アルキル基、または下記式:
1)工程1
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989 等)に記載された製造方法と同様な方法によって、化合物(1−1)から化合物(3−2)を製造することができる。
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989 等)に記載された製造方法と同様な方法によって、化合物(1−1)から化合物(3−2)を製造することができる。
製造法4
式(1)で表される化合物のうち、式(4−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
式(1)で表される化合物のうち、式(4−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
[式中、式中、Aは前掲と同じであり、およびR4は、前記項1に記載と同義である。]
1)工程1
化合物(4−2)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(4−1)をクロロ蟻酸ニトロフェニルと反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約-20℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(4−1)は、文献(例えばTetrahedron Letters 43, 1161(2002)等)に記載されている方法により製造することができる。
2)工程2
化合物(4−3)は、不活性溶媒中、添加物および塩基の存在下、化合物(1−1)を化合物(4−2)と反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。添加物としては、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。反応温度は、約-10℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(4−2)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(4−1)をクロロ蟻酸ニトロフェニルと反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。反応温度は、約-20℃〜約40℃の範囲から選択される。
化合物(4−1)は、文献(例えばTetrahedron Letters 43, 1161(2002)等)に記載されている方法により製造することができる。
2)工程2
化合物(4−3)は、不活性溶媒中、添加物および塩基の存在下、化合物(1−1)を化合物(4−2)と反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、もしくはピコリン等の有機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、または、クロロホルム、ジクロロメタンもしくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。添加物としては、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。反応温度は、約-10℃〜約40℃の範囲から選択される。
以上の各製造工程において、各反応の原料化合物が水酸基、アミノ基またはカルボキシル基のような、反応に活性な基を有する場合には、必要に応じて反応させたい部位以外のこれらの基を予め適当な保護基で保護しておき、それぞれの反応を実施した後またはいくつかの反応を実施した後に保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。水酸基、アミノ基、カルボキシル基などを保護する保護基としては、有機合成化学の分野で使われる通常の保護基を用いればよく、このような保護基の導入および除去は通常の方法に従って行うことができる(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene, P. G. M. Wuts共著、第2版、John Wiley & Sons, Inc. (1991)に記載の方法)。
例えば、水酸基の保護基としては、tert−ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられ、アミノ基の保護基としてはtert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。このような水酸基の保護基は、塩基、硫酸、酢酸などの酸の存在下、含水メタノール、含水エタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより除去することができる。また、tert−ブチルジメチルシリル基の場合は、例えばフッ化テトラブチルアンモニウムの存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中で行うこともできる。アミノ基の保護基の除去は、tert−ブチルオキシカルボニル基の場合は、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸の存在下、含水テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、含水メタノールなどの溶媒中で反応させることにより行なわれ、ベンジルオキシカルボニル基の場合は、例えば、臭化水素酸などの酸存在下、酢酸などの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
カルボキシル基を保護する場合の保護の形態としては、例えばtert−ブチルエステル、オルトエステル、酸アミドなどが挙げられる。このような保護基の除去は、tert−ブチルエステルの場合は、例えば塩酸の存在下、含水溶媒中で反応させることにより行われ、オルトエステルの場合は、例えば、含水メタノール、含水テトラヒドロフラン、含水1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒中、酸で処理し、引き続いて水酸化ナトリウムなどのアルカリで処理することにより行われ、酸アミドの場合は、例えば、塩酸、硫酸などの酸の存在下、水、含水メタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
製造法5
式(1)で表される化合物のうち、式(5−5)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
製造法5
式(1)で表される化合物のうち、式(5−5)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示す方法によって製造される。
[式中、式中、A、R5およびR7は、前掲と同義である。ただし、R30は、水素原子であり、Mは下記式:
R9は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基であり;
mは、1、2、3、または4である。]
式(5−6)および(5−7)の定義における「置換されていてもよい」の置換基としては、例えば、(a)ハロゲン原子;(b)シアノ基;(c)C3−6シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、水酸基またはC1−4アルコキシで置換されてもよい。);(d)水酸基;(e)C1−4アルコキシ基(フッ素原子、C1−4アルコキシまたはC3−6シクロアルキルで置換されてもよい。);(f)C3−6シクロアルキルオキシ基;(g)C6アリールオキシ基(該基は、ハロゲン原子、シアノおよびC1−4アルコキシからなる群から選択される同種または異種の基で置換されてもよい。);(h)ベンジルオキシ基;(i)ホルミル基;(j)C1−4アルキルカルボニル基;(k)C3−6シクロアルキルカルボニル基;(l)フェニルカルボニル基;(m)ベンジルカルボニル基;(n)ホルミルカルボニルオキシ基;(o)C1−4アルキルカルボニルオキシ基(メチルカルボニルオキシ等);(p)C3−6シクロアルキルカルボニルオキシ基(シクロプロピルカルボニルオキシ等);(q)カルボキシル基;(r)C1−4アルコキシカルボニル基;(s)C3−6シクロアルコキシカルボニル基、(t)アミノ基;(u)モノ−置換されたアミノ基(該基は、(u1)C1−6アルキル、(u2)C3−6シクロアルキル、(u3)C3−6シクロアルキルC1−4アルキル(シクロプロピルメチル等)、(u4)ベンジル、(u5)C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシカルボニル(シクロプロピルメトキシカルボニル等)、(u6)C1−4アルキルカルボニル、(u7)C3−6シクロアルキルカルボニル、(u8)飽和へテロ環C1−4アルキル(ピラニルメチル等)、(u9)飽和へテロ環カルボニル(ピラニルカルボニル等)、(u10)飽和へテロ環オキシカルボニル(ピラニルオキシカルボニル等)、(u11)飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル(ピラニルメチルカルボニル等)、または(u12)C1−4アルキルスルホニル(メチルスルホニル等)で置換される。);(v)ジ−置換されたアミノ基(該基は、前記(u1)〜(u12)から選択される同種または異種の2個の基で置換される。);(w)5員〜7員の環状アミノ基;(x)置換されてもよいアミノカルボニル基;(y)置換されてもよいアミノカルボニルオキシ基;または(z)飽和へテロ環基(該環は、例えば、C1−4アルコキシで置換されてもよいC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、またはC1−4アルキルカルボニルアミノなどで置換されてもよい。)などが挙げられる。尚、これらの置換基リストに限定されることはない。
「置換されてもよいアミノ基」とは、アミノ基、モノ−もしくはジ−置換されたアミノ基、および5員〜7員の環状アミノ基を意味する。
「置換されてもよいアミノカルボニル基」は、「置換されてもよいアミノ」がカルボニルに結合した記を意味する。「置換されてもよいアミノカルボニルオキシ基」の「置換されてもよいアミノカルボニル」部分は、前記「置換されてもよいアミノカルボニル基」と同義である。
1)工程1
化合物(5−1)は、公知の製造方法(例えば、Synthesis 1990, 12, 1159.等)を利用することで製造することが出来る。
化合物(5−2)は、化合物(5−1)と塩化スルフリルを適当な不活性溶媒中で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩化スルフリルの量は、化合物(5−1)の当量に比して0.1〜100当量であり、好ましくは0.8〜2当量である。
不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
化合物(5−2)は単離されて、もしくは単離されることなく次工程2で使用される。
化合物(5−1)は、公知の製造方法(例えば、Synthesis 1990, 12, 1159.等)を利用することで製造することが出来る。
化合物(5−2)は、化合物(5−1)と塩化スルフリルを適当な不活性溶媒中で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩化スルフリルの量は、化合物(5−1)の当量に比して0.1〜100当量であり、好ましくは0.8〜2当量である。
不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
化合物(5−2)は単離されて、もしくは単離されることなく次工程2で使用される。
2)工程2
化合物(5−4)は、化合物(5−2)と化合物(5−3)を適当な不活性溶媒中で必要に応じて適当な塩基の存在下、反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩基の量は、化合物(5−1)、もしくは化合物(5−2)の当量に比して0〜10当量であり、好ましくは0.8〜5当量である。
使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくはピリジン、もしくはN−メチルモルホリンが挙げられる。不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
化合物(5−4)は、化合物(5−2)と化合物(5−3)を適当な不活性溶媒中で必要に応じて適当な塩基の存在下、反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩基の量は、化合物(5−1)、もしくは化合物(5−2)の当量に比して0〜10当量であり、好ましくは0.8〜5当量である。
使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくはピリジン、もしくはN−メチルモルホリンが挙げられる。不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
3)工程3
化合物(5−5)は、化合物(1−1)と化合物(5−4)を、適当な不活性溶媒中で、必要に応じて適当な塩基存在下で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。
使用される場合に使用する塩基の具体例としては、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくは4−ジメチルピリジンが挙げられる。使用される塩基の量は、化合物(1−1)の当量に比して0.1〜10当量であり、好ましくは0.2〜2当量である。不活性溶媒の具体例としては、アセトン、アセトニトリル、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフランが挙げられる。
化合物(5−5)は、化合物(1−1)と化合物(5−4)を、適当な不活性溶媒中で、必要に応じて適当な塩基存在下で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。
使用される場合に使用する塩基の具体例としては、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくは4−ジメチルピリジンが挙げられる。使用される塩基の量は、化合物(1−1)の当量に比して0.1〜10当量であり、好ましくは0.2〜2当量である。不活性溶媒の具体例としては、アセトン、アセトニトリル、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフランが挙げられる。
式(1)で表される化合物は、光学活性中心を有するものも含まれ、したがって、これらはラセミ体として、または、光学活性の出発材料が用いられた場合には光学活性型で得ることができる。必要であれば、得られたラセミ体を、物理的にまたは化学的にそれらの光学対掌体に公知の方法によって分割することができる。好ましくは、光学分割剤を用いる反応によってラセミ体からジアステレオマーを形成する。異なる形態のジアステレオマーは、例えば分別結晶などの公知の方法によって分割することができる。
本発明の化合物は、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒中で、薬学上許容される塩基化合物、または酸化合物と混ぜ合わせることにより塩にすることができる。薬学上許容される塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、塩酸、硫酸、リン酸、臭素酸、硝酸等の無機酸塩、またはアンモニア、メチルアミン、シクロプロピルアミン、ジエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、tert−ブチルアミン、グリシン、フェニルアラニン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ブルシン、フェニルエチルアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン等の有機塩基塩、またはフマル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、安息香酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ホウ酸、酪酸、カンファースルホン酸、シクロペンタンスルホン酸、ドデシル硫酸、乳酸、ニコチン酸、サリチル酸およびリンゴ酸等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明化合物は、レニンに対する阻害作用より様々な疾病の治療への応用が考えられる。本明細書に記載の化合物は、高血圧症の治療薬として有用である。これらの化合物は、急性および慢性うっ血性心不全の管理にも有益である。これらの化合物は、原発性および二次性肺高血圧症、原発性および二次性アルドステロン血症、腎血管性高血圧症、原発性および二次性腎疾患(例えば、糸球体腎炎、IgA腎症、糖尿病性腎症、高血圧性腎症(腎硬化症)、ネフローゼ症候群、腎不全など)、左室肥大、左室線維化、左室拡張不全、左心室不全、心房細動、不安定狭心症、心筋梗塞、心筋症、脳卒中、血管再建術後の再狭窄、糖尿病性網膜症、認知障害(例えば、アルツハイマー病、脳血管性認知症など)の治療、および血管障害(例えば片頭痛、レイノー病など)またはアテローム性動脈硬化プロセスの最小限の抑制または予防にも有用であると期待される。また、高眼圧に関連した疾患(例えば緑内障など)の治療に有用である。加えて、これらの疾患等に対する治療効果の向上に有効である。
本発明化合物は、治療に使用する場合に、医薬組成物として、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、または経鼻的)に投与することができる。経口投与のための組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための組成物としては、例えば、注射用水性剤、もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な担体もしくは賦形剤を含有することができる。
用量は、個々の化合物により、また患者の疾患、年齢、体重、性別、症状、投与経路等により変化するが、通常は成人(体重50kg)に対して、本発明化合物またはそれらの薬学上許容される塩を、0.1〜1000mg/日、好ましくは1〜300mg/日を1日1回または2ないし3回に分けて投与する。また、数日〜数週に1回投与することもできる。
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−501、CC−555、YM−440、KRP−297、S−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等)、GLP−1、GLP−1アナログ(エキセナタイド、リラグルタイド、SUN−E7001、AVE010、BIM−51077、CJC1131等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、β3アゴニスト(例、GW−427353B、N−5984等)、DPPIV阻害剤(例、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、SYR−322等)が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット、SK−860、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BDNF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。抗高脂血剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリルフマル酸塩、アラセプリル、デラプリル塩酸塩、リジノプリル、イミダプリル塩酸塩、ベナゼプリル塩酸塩、シラザプリル、テモカプリル塩酸塩、トランドラプリル、フォシノプリルナトリウム塩、モエキシプリル塩酸塩、ペリンドプリル、キナプリル塩酸塩、ラミプリル、スピラプリル、ゾフェナプリルカルシウム塩等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、オルメサルタン メドキソミル、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタンメシル酸塩、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、アジルサルタン メドキソミル (TAK-491)、アジルサルタン(TAK-536)、フィマサルタン、プラトサルタン等)、カルシウム拮抗剤(例、ニカルジピン塩酸塩、マニジピン塩酸塩、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムロジピンべシル酸塩、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン塩酸塩、ベニジピン塩酸塩、シルニジピン、クレビジピン、ジルチアゼム塩酸塩、エホニジピン塩酸塩エタノール付加物、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン塩酸塩、レバムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル等)、ACE/NEP阻害剤(例、オマパトリラート、ファシドトリル等)、β遮断薬(例、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、メトプロロール等)、α遮断薬(例、ウラピジル、テラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン等)、αβ遮断薬(例、アモスラロール、アロチノロール、ラベタロール、カルベジロール等)が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、SR−141716A等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチアジド、ポリチアジド、メチクロチアジド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン、エプレレノン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド、メトラゾン等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
上記併用薬剤は、下記薬剤群(A)から選択される薬剤が好ましい:
薬剤群(A)は、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、GLP−1、GLP−1アナログ、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、β3アゴニスト、DPPIV阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、神経栄養因子、PKC阻害剤、AGE阻害剤、活性酸素消去薬、脳血管拡張剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、ACE/NEP阻害剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、中枢性抗肥満薬、膵リパーゼ阻害薬、ペプチド性食欲抑制薬、コレシストキニンアゴニスト、キサンチン誘導体、チアジド系製剤、抗アルドステロン製剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、およびフロセミドからなる群である。
薬剤群(A)は、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、GLP−1、GLP−1アナログ、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、β3アゴニスト、DPPIV阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、神経栄養因子、PKC阻害剤、AGE阻害剤、活性酸素消去薬、脳血管拡張剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、ACE/NEP阻害剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、中枢性抗肥満薬、膵リパーゼ阻害薬、ペプチド性食欲抑制薬、コレシストキニンアゴニスト、キサンチン誘導体、チアジド系製剤、抗アルドステロン製剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、およびフロセミドからなる群である。
更に好ましい薬剤群(A)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、ACE/NEP阻害剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、チアジド系製剤、および抗アルドステロン製剤からなる群である。
より好ましくは、アンジオテンシンII拮抗剤、カルシウム拮抗剤、およびチアジド系製剤からなる群である。
上記併用薬剤は、少なくとも1種以上、好ましくは1〜4種、更に好ましくは1〜2種、より好ましくは1種を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
本発明化合物が、併用薬剤と組み合せて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。なお、記載の簡略化のために略号を使用することもあるが、これらの略号は前記記載と同義である。
参考例1
4-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン
4-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン
Rf = 0.35 (ヘキサン:酢酸エチル = 3:1).
参考例2
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル ホルメート
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル ホルメート
Rf = 0.42 (ヘキサン:酢酸エチル = 3:1).
参考例3
4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン
4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン
Rf = 0.26 (ヘキサン:酢酸エチル = 1:1).
参考例4
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル 4-ニトロフェニル カルボネート
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル 4-ニトロフェニル カルボネート
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ8.37 (ddd, J = 9.2, 3.3, 2.2 Hz, 2H), 7.63 (ddd, J = 9.2, 3.3, 2.1 Hz, 2H), 5.23 (s, 2H), 2.23 (s, 3H).
参考例5
O-(1-クロロエチル) S-シクロヘキシル カルボノチオエート
O-(1-クロロエチル) S-シクロヘキシル カルボノチオエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ.6.60 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.48-3.36 (m, 1H), 2.11-1.95(m, 2H), 1.82 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.85-1.22 (m, 8H).
参考例6
1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ. 6.92 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.43-3.22 (m, 1H), 2.62-2.49 (m, 1H), 2.09-1.92 (m, 2H), 1.82-1.68 (m, 2H), 1.65-1.07 (m, 15H).
参考例7
(3S,4S)-1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
(3S,4S)-1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
得られた(3S,4S)-2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3,4-ジイル ジベンゾエート (44g, 129 mmol)のテトラヒドロフラン (220g)溶液に氷冷下、50% ヒドロキシアミン水溶液 (10.3g, 155 mmol)を10分間かけて滴下した。その後、室温に昇温させ、3時間攪拌した。反応液に0.5N 塩酸水 (220ml)と酢酸エチル (440ml)を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水 (300ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン (132ml)を加え、80℃下に4時間攪拌した。その後、攪拌しながら氷冷下に冷却し、2時間攪拌した。析出した固体を濾取し、参考例7の化合物 (42.8g, 93%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.09-8.06 (m, 4H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.62-7.46 (m, 4H), 5.86 (s, 2H).
参考例8
(3S,4S)-1-[({(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
(3S,4S)-1-[({(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
得られたジアステレオマー混合物 (14.4g)に酢酸エチル (49ml)を加え、50℃下に加熱し、溶解させた後、ヘプタン (24.5ml)を加え、同温下で1時間攪拌した。室温に戻し、3時間攪拌した後、析出した個体 (3.6g)を濾取した。得た個体 (3.6g)に酢酸エチル (25ml)を加えて50℃下で溶解させた後、ヘプタン (16.5ml)を加え、同温下で1時間攪拌した。室温に戻した後、2時間攪拌し、析出した個体を濾取することで、参考例8の化合物 (2.6g, 98.9% d.e.)を得た。
1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:6.88-6.78 (m, 1H), 2.68-2.53 (m, 1H), 1.58 (d, J =5.5 Hz, 3H), 1.23-1.12 (m, 6H).
(3S,4S)-1-[({(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.12-8.07 (m, 4H), 7.68-7.60 (m, 2H), 7.52-7.45 (m, 4H), 6.89 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 6.01 (brs, 2H), 2.61 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.65 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.20 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層: n-ヘキサン/塩化メチレン=60/40、流速:1.0 mL/min、温度:40℃、波長:254nm
RT 17.855 min.
実施例1
(1R)-1-{[{(2S)-1-[({(3R)-3-[(R)-(3-クロロフェニル){2-[(メトキシカルボニル)アミノ]エトキシ}メチル]ピペリジン-1-イル}カルボニル)アミノ]-3-[(3R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル]プロパン-2-イル}(メチル)カルバモイル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
(1R)-1-{[{(2S)-1-[({(3R)-3-[(R)-(3-クロロフェニル){2-[(メトキシカルボニル)アミノ]エトキシ}メチル]ピペリジン-1-イル}カルボニル)アミノ]-3-[(3R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル]プロパン-2-イル}(メチル)カルバモイル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.42-7.19 (m, 5H), 6.85-6.71 (m, 1H), 4.48-4.19 (m, 1H), 4.01-3.55 (m, 7H), 3.46-2.95 (m, 11H), 2.76 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 2.65-2.45 (m, 1H), 1.92-1.01 (m, 21H)
試験例1:In vitro レニン 阻害作用測定試験
4.2ng/mLの組換えヒトレニンを0.1M NaCl、1mM EDTAおよび0.1mg/mL BSAを含む0.1M HEPES buffer pH7.4中で基質、被験化合物とともに37℃で1時間反応させた。基質としてはArg−Glu(EDANS)−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile−His−Thr−Lys(DABCYL)−Arg、もしくはDABCYL−γ−Abu−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile−His−Thr−EDANSを最終濃度4 μMとなるように添加した。励起波長340nm、蛍光波長500nmにおける蛍光強度の上昇を、蛍光プレートリーダを用いて検出し、複数濃度の被験化合物添加時の酵素阻害活性より、50%阻害する化合物濃度をIC50値として算出した。
4.2ng/mLの組換えヒトレニンを0.1M NaCl、1mM EDTAおよび0.1mg/mL BSAを含む0.1M HEPES buffer pH7.4中で基質、被験化合物とともに37℃で1時間反応させた。基質としてはArg−Glu(EDANS)−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile−His−Thr−Lys(DABCYL)−Arg、もしくはDABCYL−γ−Abu−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile−His−Thr−EDANSを最終濃度4 μMとなるように添加した。励起波長340nm、蛍光波長500nmにおける蛍光強度の上昇を、蛍光プレートリーダを用いて検出し、複数濃度の被験化合物添加時の酵素阻害活性より、50%阻害する化合物濃度をIC50値として算出した。
試験例2:ラット単回皮下投与刺激性試験
CD系雄ラットの腹部皮下を4分割し、各1箇所ずつ、被験化合物を0.1ml、単回投与し、投与後1日目と3日目の投与部位を観察し、炎症様変化を観察した。被験化合物は、秤量し、2%濃度になるように生理食塩水を加えて調製した。
CD系雄ラットの腹部皮下を4分割し、各1箇所ずつ、被験化合物を0.1ml、単回投与し、投与後1日目と3日目の投与部位を観察し、炎症様変化を観察した。被験化合物は、秤量し、2%濃度になるように生理食塩水を加えて調製した。
比較例1:メチル 2-((R)-(3-クロロフェニル)((R)-1-((S)-2-(メチルアミノ)-3-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)プロピルカルバモイル)ピペリジン-3-イル)メトキシ)エチルカルバメート 塩酸塩
比較例2:ビス[(2S, 4S, 5S, 7S)-5-アミノ-N-(2-カルバモイル-2-メチルイソプロピル)-4-ヒドロキシ-2-(1-メチルエチル)-7-[4-メトキシ-3-(3-メトキシプロポキシ)ベンジル]-8-メチルノナナミド] モノフマレート
比較例2:ビス[(2S, 4S, 5S, 7S)-5-アミノ-N-(2-カルバモイル-2-メチルイソプロピル)-4-ヒドロキシ-2-(1-メチルエチル)-7-[4-メトキシ-3-(3-メトキシプロポキシ)ベンジル]-8-メチルノナナミド] モノフマレート
比較例1及び2の化合物を、皮下に投与した際、1日後から強い炎症の惹起が認められ、表皮の暗赤色、あるいは皮下組織の赤色巣が見られた。さらに3日後においてもさらに強い炎症が認められた。一方、式(1)で表される化合物またはその薬学上許容される塩は、炎症惹起が軽減される。
本発明の化合物は高血圧症の治療薬として有用である。これらの化合物は、急性および慢性うっ血性心不全の管理にも有益である。これらの化合物は、原発性および二次性肺高血圧症、原発性および二次性アルドステロン血症、腎血管性高血圧症、原発性および二次性腎疾患、例えば、糸球体腎炎、IgA腎症、糖尿病性腎症、高血圧性腎症(腎硬化症)、ネフローゼ症候群、腎不全、左室肥大、左室線維化、左室拡張不全、左心室不全、心房細動、不安定狭心症、心筋梗塞、心筋症、脳卒中、血管再建術後の再狭窄、糖尿病性網膜症、認知障害、例えば、アルツハイマー病、脳血管性認知症の治療、および血管障害、例えば片頭痛、レイノー病、並びにアテローム性動脈硬化プロセスを最小に抑制するためにも有用であると期待される。また、高眼圧に関連した疾患、例えば緑内障の治療に有用である。
Claims (13)
- 式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中、R1およびR2は、いずれか一方が水素原子であり、他方が下記式
で表される基であり、
[式中、R3は、
1:C1−6アルキル基(該基は、
(a)アミノ、
(b)ヒドロキシ、または
(c)下記式:
で表される基(ここにおいて、R4は、
(i)C1−4アルキル基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
(ii)C3−6シクロアルキル基、または
(iii)C6−10アリール基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)である。)で置換されている。)、
2:C1−4アルキルカルボニル基(該基は、
(a)アミノ、または
(b)ヒドロキシで置換されてもよい。)、
3:C1−4アルコキシカルボニル基(該基は、下記式:
で表される基(ここにおいて、R4は、前掲と同義である。)で置換されている。)、または
4:下記式:
で表される基(ここにおいて、R5およびR6は、各々独立して、同一または異なって、
1:水素原子、
2:C1−4アルキル基(該基は、
(a)C1−4アルコキシ、
(b)C3−6シクロアルキル(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
(c)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(d)5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシで置換されてもよい。)、
3:C3−10シクロアルキル基(該基は、
(a)1〜2個のフッ素原子、または
(b)C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、
4:C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、または
(b)C6−10アリール(該アリールは、ハロゲン原子またはC1−4アルコキシで置換されてもよい。)で置換されてもよい。)、
5:5員もしくは6員の飽和へテロ環基、または
6:5員〜10員の単環式もしくは多環式のヘテロアリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されてもよい。)であり、
R7は、
1:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)ヒドロキシ、
(c)C1−4アルコキシ、
(d)カルボキシ、
(e)5員もしくは6員の飽和へテロ環、
(f)C3−6シクロアルキル、
(g)C1−4アルコキシカルボニル、
(h)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(i)アミノ、
(j)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノ、
(k)5員〜7員の環状アミン、
(l)1〜2個のニトロオキシ、
(m)アミノカルボニル、または
(n)5員〜7員の環状アミノカルボニルで置換されてもよい。)、
2:C3−10シクロアルキル基(該基は、ヒドロキシで置換されてもよい。)、
3:C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
4:C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されてもよい。)、
5:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
6:5員もしくは6員の飽和へテロ環基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよいC1−4アルキルで置換されてもよい。)、
7:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されてもよい。)、
8:C3−6シクロアルキルオキシ基(該基は、C1−4アルコキシで置換されてもよい。)、または
9:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である。] - R4が、メチル基である、請求項6または請求項7に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
- R3が、下記式
で表される基(ここにおいて、R5およびR6は、各々独立して、同一または異なって、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、
R7は、
1:C1−4アルキル基(該基は、
(a)アミノ、
(b)ヒドロキシ、
(c)C1−4アルコキシ、
(d)カルボキシ、
(e)C1−4アルコキシカルボニル、または
(f)C1−4アルコキシカルボニルアミノで置換されていてもよい。)、
2:C3−10シクロアルキル基、
3:C1−4アルキルカルボニル基、
4:C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
5:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
6:5員もしくは6員の飽和へテロ環基、
7:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
8:C3−6シクロアルキルオキシ基、または
9:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。 - R5が、水素原子であり、R6が、メチル基である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
- R7が、
1:C1−4アルキル基、
2:C3−6シクロアルキル基、
3:C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
4:C3−6シクロアルキルオキシ基、または
5:5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である、請求項9または請求項10に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。 - R7が、
1:C1−4アルキル基、または
2:C1−6アルコキシ基である、請求項11に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
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