JP2012136406A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡便なプレス成形操作により、成形型の成形面形状を精度良く転写し、歩留まりの向上、生産性の向上に寄与する光学素子の成形方法を提供する。
【解決手段】対向面が光学素子の成形面とされた一対の上型及び下型を互いに接近させて加熱軟化した光学素材を加圧して光学素子を成形する光学素子の成形方法であって、上型31及び下型32での加圧による光学素材40の中央部の変形量(A)と、上型31及び下型32を共に光学素材40を押圧せずに接触させた状態における、光学素子41の光学有効径又は芯取径での上型31と光学素材40との隙間(B)と、上型31及び下型32を共に光学素材40を押圧せずに接触させた状態における、光学素子41の光学有効径又は芯取径での下型32と光学素材40との隙間(C)と、が次の関係式(1)
A ≧ B+C …(1)
を満たす光学素子の成形方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、プレス成形による光学素子の成形方法に係り、特に、光学素材の形状と成形型の形状とを所定の関係を有するものとし、プレス成形時の未充填等の形状不良の発生を抑制する光学素子の成形方法に関する。
近年、光学素子を得るために、ガラス材料からなる光学素材を加熱により軟化させた後、得ようとする光学素子の形状をもとに精密加工された上型と下型の間でプレス成形して光学素子形状を付与し、これを冷却固化させてなる光学素子のプレス成形方法が一般に使用されてきた。
このようにして得られる光学素子は、軟化した光学素材の中央部を押圧して、光学素材を外周部に伸展させて、上型及び下型の成形面形状を光学素材に転写して光学素子形状を付与するが、光学素材の形状や偏りによって充分に伸展せず、未充填部分が生じ、所望の光学素子形状とならない場合があった。
光学素材が所望の形状に形成されているか否かは、例えば、成形後の光学素子の肉厚を測定し、良不良を判定できる。この肉厚測定としては、第1の型部材の第1の基準点と第2の型部材の第2の基準点を予め測定しておき、プレス成形された成形体を型に挟持した状態で第1基準点と第2基準点との距離を測定して、光学素子へ測定器具を接触させることなく成形体の肉厚を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、不良形状の光学素子の発生を抑制し歩留まりを向上させるために、光学素材のプレス成形に際して、1回目のプレス成形時には光学素子の被成形面径の50〜99%の成形面を転写し、その後、2回目のプレス成形で100%の成形面を転写する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−313202号公報 特開平7−330347号公報
しかしながら、特許文献1記載の肉厚測定方法は、得られる光学素子の良不良を判定するものであって、歩留まりを向上させるものではなく、特許文献2記載の光学素子の成形方法は、プレス成形操作を2回行うため、操作が煩雑で、時間及び手間がかかるため、生産性の向上に必ずしも寄与しない構成となっていた。
そこで、本発明は、上記の事情に対処してなされ、従来と同じ簡便な1回のプレス成形操作により、成形型の成形面形状を光学素材に精度良く転写し、良品となる光学素子を効率的に得ることができる光学素子の成形方法の提供を目的とする。
本発明の光学素子の成形方法は、対向面が光学素子の成形面とされた一対の上型及び下型を互いに接近させて下型上に置かれた加熱軟化した光学素材を加圧して光学素子を成形する光学素子の成形方法であって、前記光学素材の直径を、成形する光学素子の光学有効径又は芯取径よりも大きいものとし、かつ、前記上型及び下型での加圧による前記光学素材の中央部の変形量(A)と、前記上型及び下型を共に前記光学素材を押圧せずに接触させた状態における、前記光学素子の光学有効径又は芯取径での前記上型と前記光学素材との隙間(B)と、前記上型及び下型を共に前記光学素材を押圧せずに接触させた状態における、前記光学素子の光学有効径又は芯取径での前記下型と前記光学素材との隙間(C)と、が次の関係式(1)
A ≧ B+C …(1)
を満たすことを特徴とする。
本発明の光学素子の成形方法によれば、所望の光学素子形状をプレス成形できる上型及び下型の形状に対して、プレス前の光学素材を所定の大きさ、形状としているため、少なくとも光学有効径内において成形型の成形面形状が十分に転写された光学素子を得ることができ、製品の歩留まりの向上、生産性の向上を達成できる。
本発明に用いる光学素子の成形装置の一実施形態を示した図である。 本発明に用いる光学素子の成形装置の他の実施形態を示した図である。 本発明の一実施形態である光学素子の成形方法のプレス時の動作を説明する図である。 図3における光学素子用成形型と光学素材との関係を説明する図である。
図1は、本発明に用いる光学素子の成形装置の概略構成図である(チャンバー2のみ断面で示している)。
本発明で用いる光学素子の成形装置1は、光学素子を成形するための成形室となるチャンバー2と、該チャンバー2の内部に設けた光学素材を収容した成形型を加熱して光学素材を軟化させる加熱ステージ3と、加熱軟化した光学素材をプレス成形するプレスステージ4と、プレス成形により光学素子形状が付与された光学素材を冷却する冷却ステージ5と、を有する。
ここで、成形室であるチャンバー2は、その内部において、光学素子の成形操作を行う場を提供する。このチャンバー2には、光学素子の成形型30を内部に取り入れる取入れ口と、光学素子の成形が終了した後、成形型30を取り出す取出し口が設けられ、この取入れ口及び取出し口には、それぞれ取入れシャッター6及び取出しシャッター7が設けられる。必要に応じて、これらシャッターを開閉することで、成形型30をチャンバー2から出し入れできるようになっており、チャンバー2内の雰囲気が維持される。また、この取入れ口及び取出し口には、そのチャンバー2外部にそれぞれ成形型30を載置できる成形型載置台8及び9が設けられている。
このチャンバー2の内部には、光学素子を成形するための加熱ステージ3、プレスステージ4及び冷却ステージ5が設けられており、これらの各ステージにより成形操作を行う。実際には、光学素材を収容した成形型30が、取入れ口からチャンバー2内に取り入れられ、上記の各ステージにおいて所定の処理を施されながら順番に移動し、所定の処理が終了したら成形型30は、取出し口からチャンバー2の外部に取出される。
このチャンバー2の内部において、成形型30は光学素材を軟化し、変形を容易にするもので高温に加熱されるため、成形型30が酸化されないように、チャンバー内雰囲気を窒素等の不活性ガス雰囲気とできる。この不活性ガス雰囲気とするには、チャンバー2を密閉構造として内部雰囲気を置換して達成できるが、半密閉構造とし、不活性ガスを常時チャンバー2内に供給して、チャンバー内を陽圧にしながら外部の空気が流入しないようにして不活性ガス雰囲気を維持してもよい。上記した取入れシャッター6及び取出しシャッター7は、チャンバー2内部を簡便な構成で半密閉状態とするのに効果的である。なお、これらチャンバー2及びシャッター6,7は、ステンレス、合金鋼等の高温下において、ガス、不純物が析出しない素材とするのが好ましい。
次に、本発明の成形操作を行う各ステージについて説明する。なお、各ステージの説明にあたって用いる成形型30は、一般に、光学素子の上側の光学面を形成する上型と、下側の光学面を形成する下型とで構成される一組の成形型であり、さらに上型及び下型の位置合わせを行う胴型を有する。胴型は、プレス時に、上型及び下型の光軸を同軸上に規制する中空円筒形状の内胴と、内胴の外周に設けられ上型及び下型間の距離を規制する中空円筒形状の外胴と、で構成することが好ましい。
また、この成形型30は、超硬合金やセラミックス等の素材からなり、上型及び下型は、成形する光学素子の面形状を転写するための成形面をそれぞれ有している。ここで形成される光学素子形状は、両凸、両凹、平凸、平凹、凸メニスカス、凹メニスカス形状のいずれのレンズ形状を成形する成形型であってもよい。なお、外胴を用いる場合には、高温での耐久性、耐食性、高い機械的強度を持つ材質が好ましく、さらには高い熱膨張係数を持つ材質が好ましく、具体的にはSUS等のステンレス製が好ましい。
本発明の加熱ステージ3は、成形型30に収容された光学素材を軟化させるものであり、その内部にカートリッジヒータ3aが埋め込まれた上下一対の加熱プレート3bから構成される。この加熱プレート3bは、上下一対の加熱プレート3bを成形型の上型、下型にそれぞれ接触させることにより、上型及び下型を加熱でき、さらに成形型内部に収容されている光学素材をも加熱できる。
より具体的には、加熱ステージ3において、下側の加熱プレート3bはチャンバー2の底板に、断熱板3c、プレスプレート3bがこの順番に積層して固定されており、下側のプレスプレート3bの熱をチャンバー2に伝達しない。
上側の加熱プレート3bは上下移動が可能となっており、こちらも上側の加熱プレート3b自体の熱をそのまま伝えないように断熱板3cを介してシャフト3dと接続され、このシャフト3dは図示しないシリンダーによって加熱プレート3bを上下移動可能としている。このように、加熱プレート3bを上下移動可能とすれば、上側の加熱プレート3bの成形型30の上型への接触・非接触を制御でき、所望のタイミングで成形型30と光学素材を加熱できる。
本発明のプレスステージ4は、上下のプレスプレート4b間の距離を狭めて成形型30の上型と下型との距離をも狭め、成形型30内に収容された光学素材を軟化状態のまま押圧して変形させ、上型及び下型の成形面形状を光学素材に付与して光学素子を成形する。その内部にカートリッジヒータ4aが埋め込まれた上下一対のプレスプレート4bから構成される。このプレスプレート4bを用いたプレスは前段階の加熱温度を維持しながら行われる。
より具体的には、このプレスステージ4において、下側のプレスプレート4bはチャンバー2の底板に、断熱板4c、プレスプレート4bがこの順番に積層して固定されており、下側のプレスプレート4bの熱をチャンバー2に伝達しない。
上側のプレスプレート4bは上下移動が可能となっており、こちらも上側のプレスプレート4b自体の熱をそのまま伝えないように断熱板4cを介してシャフト4dと接続され、このシャフト4dは図示しないシリンダーによってプレスプレート4bを上下移動可能としている。このように、プレスプレート4bを上下移動可能とすれば、この上側のプレスプレート4bを下降させ、下側のプレスプレート4bに載置された成形型30を用いたプレス成形ができる。このとき所定の圧力でプレス成形ができ、光学素材に高精度に光学素子形状を付与できる。
本発明の冷却ステージ5は、成形型30を冷却して光学素子形状が付与された光学素材をも冷却し、固化させるものであり、その内部に、カートリッジヒータ5aが埋め込まれた上下一対の冷却プレート5bから構成される。この冷却プレート5bは、上下一対の冷却プレート5bを成形型の上型、下型にそれぞれ接触させて、上型及び下型を冷却でき、さらに成形型内部に収容されている光学素材をも冷却できる。
より具体的には、この冷却ステージ5において、下側の冷却プレート5bはチャンバー2の底板に、断熱板5c、冷却プレート5bがこの順番に積層されて固定されており、下側の冷却プレート5bの熱をチャンバー2に伝達しないように構成されている。
上側の冷却プレート5bは上下移動が可能となっており、こちらも上側の冷却プレート5b自体の熱をそのまま伝えないように断熱板5cを介してシャフト5dと接続され、このシャフト5dは図示しないシリンダーによって冷却プレート5bを上下移動可能としている。このように、冷却プレート5bを上下移動可能とすれば、この上側の冷却プレート5bの成形型30の上型への接触・非接触を制御でき、所望のタイミングで成形型30と光学素材を冷却できる。
なお、ここでの光学素材の固化は、その素材のガラス転移点以下、より好ましくは歪点以下に冷却すればよく、十分に冷却されると光学素材の形状は安定し、変形が抑制される。ここでの冷却とは、光学素材のプレス形状を安定して付与できるように光学素材を固化する温度まで下げることをいい、その温度は、プレスプレートよりも50〜150℃程度低いだけで、依然として高温であるため、この冷却プレート5bにもその内部にヒータ5aが埋め込まれている。
また、これら各ステージの上側の加熱プレート3b、プレスプレート4b及び冷却プレート5bは、上記したように断熱板を介してシャフトに固定されており、このシャフトがシリンダーに接続されているが、ここでシリンダーは、各プレートを上下動させることができればよく、例えば、エアシリンダー、電動サーボシリンダー、油圧シリンダー、電動油圧シリンダー等のシリンダーが使用できる。
上記した、加熱プレート3b、プレスプレート4b、冷却プレート5bは、その成形型との接触面が水平面となっており、特に、プレスプレート4b、冷却プレート5bにおいては、プレスプレート4b、冷却プレート5bの成形型との接触面が傾いていた場合、成形型30の上型及び下型の中心軸が一致しなくなり、このとき製造される光学素子の光軸が一致せず不良品となってしまう。したがって、これら各ステージにおけるプレートの平行度や平面度は厳密に管理される。
これらの各ステージにおいて、プレートはステンレス、超硬合金、合金鋼等の素材の内部にカートリッジヒータを挿入し、固定したものであり、カートリッジヒータを加熱してプレートの温度を上昇させ、所望の温度に維持できる。
また、各ステージの断熱板3c,4c,5cは、セラミックス、ステンレス、ダイス鋼、ハイス鋼等の公知の断熱板を用いればよく、硬度が高くプレス成形時の圧力等によっても変形しにくく、ずれを生じることが少ないセラミックスであることが好ましい。
以上説明した加熱ステージ3、プレスステージ4、冷却ステージ5は、それぞれ所定の処理が行われる場(ステージ)を形成するものであり、各ステージによる処理を順次円滑に行えるように、成形型30は、搬送手段(図示せず)により所定のタイミングで各ステージに移送し搭載されるように制御手段によって制御されている。
より具体的には、加熱プレート3b、プレスプレート4b、冷却プレート5bによる処理は、成形型30を順次上記の順序で各プレート上へと搬送移動させながら所定の処理を行うものであり、成形型30が次のステージに移動することで、処理の終わったステージは空くため、さらに、そこに別の光学素材を収容した成形型30を搬送し、連続的に複数個の光学素子の成形操作を行うことができる。
この処理を行うための上記搬送手段は、図示していないが、例えば、ロボットアーム等により構成され、成形型載置台8から加熱プレート3bへ、加熱プレート3bからプレスプレート4bへ、プレスプレート4bから冷却プレート5bへ、冷却プレート5bから成形型載置台9へ、成形型を移動させる。
なお、この制御手段は、成形型の移動、加熱・プレス・冷却の各ステージにおける上下一対のプレートの温度や、上下移動のタイミング等をも制御し、一連の成形操作を円滑に、かつ、連続的にできるように制御している。このとき、取入れシャッター及び取出しシャッターの開閉も制御する。さらに、チャンバー2内の雰囲気が不活性ガスで満たされるように窒素の供給量やタイミング等を制御するのが好ましい。
すなわち、この光学素子の成形装置1は、1以上のポジションで温度の上げ下げを行いながら所定の処理を行う、成形型の搬送による光学素子の成形装置である。
次に、本発明の光学素子の成形方法について説明する。取入れ口側の成形型載置台8に成形型30を載置し、この成形型30の内部に光学素材を収容する。取入れシャッター6を開けて取入れ口を開口させ、この成形型30を搬送手段により加熱プレート3b上に搬送する。搬送されると、成形型30の下型は下側の加熱プレート3bに接触するため加熱プレート3bと同じ温度まで昇温される。これと同時に、上型には上方向から上側の加熱プレート3bを接触させて同様に加熱する。
このように上型及び下型が加熱されると、その内部に収容されている光学素材も加熱され、この光学素材は屈伏点以上に加熱されると変形が容易となる。一般に、加熱温度は、軟化点まで温度を上げるとレンズ表面が白濁するので屈伏点(At)から軟化点の間の温度に設定する。このとき、昇温速度は0.5〜2.5℃/sec程度が好ましい。
このようにして加熱ステージ3で十分に加熱された成形型30及び光学素材は、搬送手段により、下側のプレスプレート4b上に搬送され載置される。
プレスプレート4bも加熱プレート3bと同程度の温度に加熱されており、光学素材が軟化状態を維持するようにしている。さらに、上側のプレスプレート4bを下降させてプレスプレート4b間の距離を狭めることにより、上型と下型との距離を狭めて、成形型30の内部に収容された光学素材に圧力をかけて変形できる。
このプレス工程では、上記したように成形型30の上下から圧力をかけて光学素材のプレス成形を行い、これにより光学素材には上型及び下型の光学形成面が転写され、光学素子形状が付与される。
また、このプレス工程におけるプレスは、加熱温度が前段の加熱ステージで加熱した温度と同程度の温度であり、プレス時の圧力はレンズ成形体の単位面積当たり2.5〜37.5N/mmが好ましく、例えば10〜20N/mmが特に好ましい。
そして、このようなプレス工程を行うことで、押切りが完了した成形型30は、搬送手段によりプレスプレート4bから冷却プレート5bへと搬送される。この搬送手段は、上記した搬送手段と同様のものである。
次に、冷却プレート5bにより成形型30を冷却するが、これは、上記加熱工程と同様に、下型は下側の冷却プレート5bで、上型は上側の冷却プレート5bを下降させて接触させることで冷却する。これにより光学素材を冷却して、固化させる。このとき冷却温度は、光学素材のガラス転移点(Tg)以下が好ましく、光学素材の歪点以下がより好ましい。このとき、降温速度は0.1〜2.5℃/secが好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.0℃/secである。
加熱プレート3b、プレスプレート4b及び冷却プレート5bは、全てプレート内部に熱電対が埋め込まれており、熱電対からの出力をフィードバックしてカートリッジヒータの出力を制御して、所定のプレート温度を維持する。
なお、上記した加熱工程及び冷却工程は、それぞれ段階的に温度を変化させ緩やかに昇温又は降温させるのが好ましく、加熱工程を1以上の加熱ステージを設けることにより、段階的に光学素材の温度を上昇させて、プレスステージの直前の加熱ステージにおいて、成形温度にまでもっていく。また、冷却工程においても1以上の冷却ステージを設け、段階的に光学素材の温度を下降させて、200℃以下の温度になるようにする。このように、段階的に加熱及び冷却をすると、光学素材の急激な温度変化を抑制し、歪が生じたり、面ワレ等が生じたりする等の光学素子の特性を悪化させずに成形できる。ここで面ワレとは、光学素子が成形型から離型する際に、一部だけが先に離型し、その後に残りが離型した場合に、曲率が不連続な光学面が形成されて非球面形状精度が悪化する不良を生じる離型異常のことをいう。
このような、加熱工程及び冷却工程を実施するために、それぞれ複数の加熱ステージ及び冷却ステージを用いた光学素子の成形装置の一例を図2に示した。この図2に示した光学素子の成形装置11は、チャンバー12、第1の加熱ステージ13、第2の加熱ステージ14、第3の加熱ステージ15、プレスステージ16、第1の冷却ステージ17、第2の冷却ステージ18、第3の冷却ステージ19を有する装置構成となっており、チャンバー12には光学素子の成形装置1と同様に、成形型30の取入れ口とそれを開閉可能とする取入れシャッター20、取出し口とそれを開閉可能とする取出しシャッター21、それら取入れ口及び取出し口の外側には成形型載置台22及び23が設けられている。第3の冷却ステージ19は水冷されており、ヒータは設けられていない。
この光学素子の成形装置11は、加熱ステージを3つ、冷却ステージを3つ設けて、段階的に加熱及び冷却できる構成とした以外は、図1の光学素子の成形装置1の構成と同様である。
第1の加熱ステージ13では、光学素材をガラス転移点以下、200〜400℃程度低い温度に一旦加熱する予備加熱を行い、第2の加熱ステージ14ではガラス転移点付近の温度にまで、第3の加熱ステージ15では屈伏点+10〜30℃の温度にまで加熱する。また、プレスステージ16では成形温度を維持しながら、成形型による成形操作により光学素子形状を付与し、第1の冷却ステージ17では光学素材のガラス転移点+20℃程度まで冷却し、第2の冷却ステージ18では、さらに歪点以下にまで冷却し、第3の冷却ステージ19では、成形型が酸化されない200℃以下の温度にまで冷却するようにする。
ここで、第3の冷却ステージは、用いるプレートを、他のステージにおけるヒータの代わりに冷却水が循環するように配管を設けた水冷プレートとして、成形型を効率的に冷却できる。
ここで、上記の光学素子の成形方法におけるプレス工程における動作を断面図の図3に示した。ここで成形型30は、上型31と下型32とを有し、下型32の成形面上には光学素材40が載置されている。なお、成形型30のうち胴型の記載は省略している。
まず、加熱工程で十分に光学素材を加熱、軟化してから、成形型をプレスステージに移送し(図3(a))、ここで光学素材40を上型31及び下型32で挟み込んでプレスすると、光学素材40は変形し、光学素子形状が付与される(図3(b))。
本発明においては、このプレス成形に用いる成形型30と光学素材40とを所定の関係となるようにする。この関係については、図4を参照しながら以下説明する。図4は、プレス前後の上型31及び下型32と光学素材40との関係を説明する断面図であり、光学素子の光軸から右半分をプレス前の光学素材40、左半分をプレス後の光学素子41の形状としてそれぞれ表わした。
ここで、光学素材40は、その直径を、成形する光学素子の光学有効径又は芯取径よりも大きいものとして準備する。このように光学有効径又は芯取径よりも大きくしておけば、光学素子形状の転写の際に未充填等による転写不良の発生を低減できる。
さらに、本発明では、上記条件に加えて、上型31及び下型32を用いた加圧による光学素材40の中央部の変形量(A)と、上型31及び下型32を共に光学素材40を押圧せずに接触させた状態において、光学素子41の光学有効径又は芯取径での上型31と光学素材40との隙間(B)と、上型31及び下型32を共に光学素材40を押圧せずに接触させた状態において、光学素子41の光学有効径又は芯取径での前記下型と前記光学素材との隙間(C)と、が次の関係式(1)
A ≧ B+C …(1)
を満たすようにする。
上記関係式(1)を満たすと、プレス成形時において、光学素材を十分に変形、伸展でき、成形される光学素子の光学有効径又は芯取径内で必要かつ十分に光学素子形状が転写され、未充填やダレ等の転写不良の発生を効果的に抑制できる。
なお、光学有効径において関係式(1)を満たすと、光学有効径内において安定して転写でき、芯取径において関係式(1)を満たすと、芯取径内において安定して転写できる。
このとき、さらに(A)〜(C)は、次の関係式(2)
1.1×(B+C) ≦ A ≦ 2×(B+C) …(2)
を満たす範囲が好ましい。1.1×(B+C)以上とすれば確実に良好な転写が得られ、2×(B+C)以下とすれば、変形量が多すぎて押切に時間がかかりタクトが無駄に長くなったり、余剰のガラスが多くなりすぎたりしないので好ましい。
また、このとき、用いる光学素材としてはどの光学素子素材でも良く、プレス時の粘度は10〜109.5dPa・sとなる範囲が好ましい。
本発明において、光学素材のプレス時の成形型による加圧速度は、成形素材が成形型の空隙部分を充填しながら周囲に伸展するように0.02〜0.03mm/sであることが好ましい。また、このとき光学素材と直接接触する成形型表面は、貴金属膜又はDLC膜で被覆していてもよく、これらの素材であれば光学素材の伸展に問題を生じることはない。
上記のようにプレスした後、冷却、固化して得られた光学素子は、必要に応じてアニール工程等に付されて歪み等を除去する等の後処理を施し、さらにその外周部を切削等により所望の径を有する光学素子形状に加工し、反射防止コート等を施して最終的な製品とされる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
(実施例1〜6)
図2の光学素子の成形装置11を用いて、光学素子の成形を以下の通り行った。
ここで用いた光学素子の成形装置11は、加熱プレート、プレスプレート及び冷却プレートとしてステンレス製の100×78×18mmの直方体で内部に500Wのカートリッジヒータを3本有するプレートを用い、断熱板として、SUS304製の100×78×9mmの板状体とジルコニア製の100mm×78mm×9mmの板状体を重ね合わせたものを用いた。
また、上側のプレートを上下移動させるシリンダーは、エアシリンダーを用い、シャフト径40mmのシャフトが上側のプレートと接続、固定されている。チャンバーはSS400製の440mm×592mm×240mmの箱状で、このチャンバーの下板としては440mm×592mm×20mmのものを用いた。
また、成形型30は、上型、下型並びに内胴及び外胴を有する胴型で構成され、上型、下型及び内胴はタングステンカーバイドからなる超硬合金製で、外胴はSUSからなるものであり、プレス成形により、表1に示した形状の光学素子が得られるものを用いた。
次に、上記した成形型30の下型の成形面にホウケイ酸ガラスからなる研削研磨により作製した表1に示す光学素材を載置した。なお、この光学素材の歪点は495℃、ガラス転移点(Tg)は532℃、屈伏点(At)は573℃である。
光学素材を収容した成形型30を、搬送手段により第1の加熱プレート13b上に搬送し載置すると同時に上側の第1の加熱プレート13bを下降させて上型に接触させ、成形型30及び光学素材を300秒間加熱し、次いで、第2の加熱プレート14b上に搬送し載置すると同時に上側の第2の加熱プレート14bを下降させて上型に接触させ、成形型30及び光学素材を300秒間加熱し、さらに、第3の加熱プレート上に搬送し載置すると同時に上型の第3の加熱プレート15bを下降させて上型に接触させ、成形型30及び光学素材を300秒間加熱して光学素材を軟化状態とした。なお、第1の加熱プレート13bは280℃、第2の加熱プレート14bは500℃、第3の加熱プレート15bは600℃に設定した。
次に、成形型30をプレスプレート16b上に搬送し載置して、上側のプレスプレート16bを下降させ、この成形時のプレス圧力は5N/mm、プレス時間は250秒とした。このとき、プレスプレート16bの温度は600℃であった。
プレス後、成形型を第1の冷却プレート17b上に搬送し載置すると同時に上側の冷却プレート17bを下降させて上型に接触させ、300秒間冷却し、次いで、成形型を第2の冷却プレート18b上に搬送し裁置すると同時に上側の第2の冷却プレート18bを下降させて上型に接触させ、300秒間冷却し、さらに、成形型を第3の冷却プレート19b上に搬送し載置すると同時に上側の第3の冷却プレート19bを下降させて上型に接触させ、300秒間冷却した。このとき、第1の冷却プレート17bは550℃、第2の冷却プレート18bは450℃、第3の冷却プレート19bは20℃(冷却水温度)に設定した。
光学素材を室温になるまで冷却し、十分に冷却したところで、成形型から取り出し、光学素子を得た。得られた光学素子は所定のアニール処理により歪を除去し、さらに、芯取りして製品形状の光学素子とした。このときの形状、寸法を表1に併せて示した。
Figure 2012136406
(比較例1〜2)
成形型と成形素材の形状、寸法を表2に記載のものとした以外は、上記実施例と同様の操作により、光学素子を得た。
Figure 2012136406
(実施例7〜8)
上記比較例1〜2において、成形型は変えずに、用いる光学素材の形状、寸法が上記関係式(1)を満たすような表3に記載のものとした以外は、上記比較例と同様の操作により光学素子を得た。
Figure 2012136406
実施例1〜6は転写が良好に行われ、光学有効径内で高精度に光学素子形状を形成できた。比較例1及び2は、光学有効径内で一部未充填の部分が生じて転写が不良となったが、これに対して、実施例7及び8でそれぞれ用いる光学素材の形状を上記関係式(1)を満たすように変更したところ、転写状態が改善され、光学有効径内で高精度に光学素子形状を形成できた。このとき、転写形状の良・不良は、成形された光学素子の外観検査および面精度測定により判定した。このとき、外観検査及び面精度測定の両方共、良判定の場合に転写が良好であるとし、それ以外の場合を転写が不良とした。
外観検査:実体顕微鏡を用い、転写面の反射光を観察、反射光が連続になっていれば転写されている(良)、反射光にうねりなどの不連続性が見られる場合は転写されていない(不良)、と判定した。
面精度測定:松下電器製UA3Pを用い、転写面の形状を測定、設計形状からのズレが連続であれば転写されている(良)、部分的に曲率異常などがあれば転写されていない(不良)、と判断した。
以上に示したように、本発明の光学素子の成形方法により、1回のプレス成形により光学有効径内において成形面形状を精度よく、かつ、安定して転写し、所定形状の光学素子が得られる。したがって、製品歩留まりの向上、生産性の向上が図れる。
本発明の光学素子の成形方法は、プレス成形による光学素子の製造に用いられる。
1…光学素子の成形装置、2…チャンバー、3…加熱ステージ、4…プレスステージ、5…冷却ステージ、6…取入れシャッター、7…取出しシャッター、8,9…成形型載置台、30…成形型、31…上型、32…下型、40…光学素材、41…光学素子

Claims (3)

  1. 対向面が光学素子の成形面とされた一対の上型及び下型を互いに接近させて下型上に置かれた加熱軟化した光学素材を加圧して光学素子を成形する光学素子の成形方法であって、
    前記光学素材の直径を、成形する光学素子の光学有効径又は芯取径よりも大きいものとし、かつ、前記上型及び下型を用いた加圧による前記光学素材の中央部の変形量(A)と、前記上型及び下型を共に前記光学素材を押圧せずに接触させた状態において、前記光学素子の光学有効径又は芯取径での前記上型と前記光学素材との隙間(B)と、前記上型及び下型を共に前記光学素材を押圧せずに接触させた状態において、前記光学素子の光学有効径又は芯取径での前記下型と前記光学素材との隙間(C)と、が次の関係式(1)
    A ≧ B+C …(1)
    を満たすことを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. 前記(A)〜(C)が、次の関係式(2)
    1.1×(B+C) ≦ A ≦ 2×(B+C) …(2)
    を満たす請求項1記載の光学素子の成形方法。
  3. 前記光学有効径又は芯取径が、5〜35mmである請求項1又は2記載の光学素子の成形方法。
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