JP2012133997A - 燃料電池のクロスリーク判定方法と燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アノード3に水素ガスが供給されカソード4に酸素を含む空気が供給されて発電を行う燃料電池1のクロスリーク判定方法であって、燃料電池1を停止している間は遮断弁18とパージ弁22を閉じてアノード3に通じる流路を封止しておき、燃料電池1の停止後に所定時間毎に、封止されたアノード系内のアノード圧力をアノード圧力センサ33で測定し、該アノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、さらに、前記所定時間毎に求めた前記負圧値から最大負圧値を求め、この最大負圧値の絶対値が閾値より小さい場合に燃料電池1がクロスリークしていると判定する燃料電池のクロスリーク判定方法である。
【選択図】図1
Description
請求項1に係る発明は、
アノード(例えば、後述する実施例におけるアノード3)に燃料ガスが供給されカソード(例えば、後述する実施例におけるカソード4)に酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池1)と、
前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段(例えば、後述する実施例における水素タンク15等)と、
前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段(例えば、後述する実施例におけるコンプレッサ7等)と、
前記燃料電池のアノードに通じる流路を封止する封止手段(例えば、後述する実施例における遮断弁18、パージ弁22)と、
前記封止手段により封止されたアノード系内のアノード圧力を測定するアノード圧力測定手段(例えば、後述する実施例におけるアノード圧力センサ33)と、
システム停止中は燃料ガスが流通不可となるように前記封止手段を封止制御する制御部(例えば、後述する実施例における電子制御装置50)と、
を備える燃料電池システム(例えば、後述する実施例における燃料電池システム100)であって、
前記制御部は、
該燃料電池システムの停止後に所定時間毎に該燃料電池システムの一部を一時的に起動させるタイマー(例えば、後述する実施例におけるタイマー51)と、
前記タイマーによる起動時に前記アノード圧力測定手段を用いてアノード圧力を把握する圧力把握手段(例えば、後述する実施例における圧力把握部52)と、
前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、前記所定時間毎に求められた前記負圧値から最大負圧値を求める最大負圧値検出手段(例えば、後述する実施例における最大負圧値検出部53)と、
前記最大負圧値検出手段で求めた最大負圧値の絶対値が閾値よりも小さい場合に燃料電池がクロスリークしていると判定するクロスリーク判定手段(例えば、後述する実施例におけるクロスリーク判定部54)と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
アノード(例えば、後述する実施例におけるアノード3)に燃料ガスが供給されカソード(例えば、後述する実施例におけるカソード4)に酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池1)と、
前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段(例えば、後述する実施例における水素タンク15等)と、
前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段(例えば、後述する実施例におけるコンプレッサ7等)と、
前記燃料電池のアノードに通じる流路を封止する封止手段(例えば、後述する実施例における遮断弁18、パージ弁22)と、
前記封止手段により封止されたアノード系内のアノード圧力を測定するアノード圧力測定手段(例えば、後述する実施例におけるアノード圧力センサ33)と、
システム停止中は燃料ガスが流通不可となるように前記封止手段を封止制御する制御部(例えば、後述する実施例における電子制御装置50)と、
を備える燃料電池システム(例えば、後述する実施例における燃料電池システム100)であって、
前記制御部は、
該燃料電池システムの停止後に所定時間毎に該燃料電池システムの一部を一時的に起動させるタイマー(例えば、後述する実施例におけるタイマー51)と、
前記タイマーによる起動時に前記アノード圧力測定手段を用いてアノード圧力を把握する圧力把握手段(例えば、後述する実施例における圧力把握部52)と、
前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、前記所定時間毎に求められた前記負圧値から最大負圧値を求める最大負圧値検出手段(例えば、後述する実施例における最大負圧値検出部53)と、
前記最大負圧値検出手段が前記最大負圧値を検出してから、前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値が大気圧から所定の範囲内に入ったときまでの時間である負圧維持時間を計測する負圧維持時間計測手段(例えば、後述する実施例における負圧維持時間計測部56)と、
前記負圧維持時間計測手段により計測された負圧維持時間が閾値以下である場合に燃料電池がクロスリークしていると判定するクロスリーク判定手段(例えば、後述する実施例におけるクロスリーク判定部54)と、
を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
前記燃料電池を停止している間は前記アノードに通じる流路を封止しておき、
前記燃料電池の停止後に所定時間毎に、封止されたアノード系内のアノード圧力を測定し、該アノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、
さらに、前記所定時間毎に求めた前記負圧値から最大負圧値を求め、
この最大負圧値の絶対値が閾値より小さい場合に前記燃料電池がクロスリークしていると判定することを特徴とする燃料電池のクロスリーク判定方法である。
前記燃料電池を停止している間は前記アノードに通じる流路を封止しておき、
前記燃料電池の停止後に所定時間毎に、封止されたアノード系内のアノード圧力を測定し、該アノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、
さらに、前記所定時間毎に求めた前記負圧値から最大負圧値を求め、
前記アノード圧力が最大負圧値となったときから、前記アノード圧力の大気圧に対する負圧値が大気圧から所定の範囲内に入ったときまでの時間である負圧維持時間を計測し、
この負圧維持時間が閾値以下である場合に燃料電池がクロスリークしていると判定することを特徴とする燃料電池のクロスリーク判定方法である。
図1は、実施例1における燃料電池システム100の概略構成図である。
燃料電池1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜2をアノード3とカソード4とで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されており(図示の都合上、図1では単セルのみ示す)、アノード3に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード4に酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノード3で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜2を通過してカソード4まで移動して、カソード4で空気中の酸素と電気化学反応を起こして発電をする。
パージ弁22は、燃料電池1の発電時において、通常は閉じており、所定の条件が満たされたときに開いて、アノードオフガス中に含まれる不純物をアノードオフガスとともに希釈ボックス11へ排出する。
また、希釈ボックス11には空気供給流路8から分岐した希釈ガス流路31が接続されている。希釈ガス流路31に設けられた開閉弁32は、燃料電池1を通さずに希釈ガス(空気)を希釈ボックス11に供給する場合に開かれる。
図2は燃料電池システム停止時にアノード系の流路を封止した状態でシステム停止状態を保持したときに、燃料電池1のアノード3におけるアノード圧力が時間経過とともにどの様に変化するかを調べた実験結果である。
燃料電池1の固体高分子電解質膜2は、破損していない正常な状態においても、微量ながらガスが透過することが知られている。以下、正常な固体高分子電解質膜におけるガスの透過をクロスオーバーと称し、膜破損に起因するクロスリークと区別する。また、固体高分子電解質膜2は、空気よりも水素ガスの方が透過し易いことも知られている。
そこで、アノード圧力の最大負圧値の絶対値が閾値以下である場合には燃料電池1においてクロスリークが生じていると判定する(実施例1)。あるいは、アノード圧力が最大負圧値から大気圧(あるいは大気圧から所定範囲内の圧力)と平衡となるまでの時間が閾値以下である場合には、燃料電池1においてクロスリークが生じていると判定する(後述する実施例2)。
タイマー51は、燃料電池システム100の停止中に所定時間毎に燃料電池システム100の一部を一時的に起動させるためのタイマーであり、燃料電池システム100の停止中、電子制御装置50のタイマー51だけは作動している。このように、燃料電池システム100の停止中に所定時間毎に一時的に燃料電池システム100の一部を起動させる制御をRTC(Real Time Clock)制御と称す。
最大負圧値検出部53は、圧力把握手段52で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、所定時間毎に求められたアノード圧力の負圧値から最大負圧値を求める。詳述すると、最大負圧値検出部53は、圧力把握手段52に取り込まれたアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、この負圧値(以下、今回負圧値という)と、前回のRTC制御において最大負圧値検出部53が求めた負圧値(以下、前回負圧値という)とを比較し、今回負圧値の絶対値が前回負圧値の絶対値よりも大きい場合には、今回負圧値を前回負圧値に置き換えて記憶し、今回負圧値の絶対値が前回負圧値の絶対値よりも小さい場合には、前回負圧値を最大負圧値として判定する。
また、電子制御装置50は、起動時空気供給量算出部(起動時酸化剤ガス供給量算出手段)55を備えている。起動時空気供給量算出部55は、クロスリーク判定部54がクロスリークであると判定した場合には、最大負圧値検出部53により検出された最大負圧値に基づいてアノード3側からカソード4側へクロスリークした水素ガス量を、予め求めておいたマップ等を参照して推定し、推定されたクロスリーク量が多いほど燃料電池システム100の起動時における供給空気量が多くなるように、燃料電池システム起動時の供給空気量を算出する。
次に、この発明に係る燃料電池のクロスリーク判定方法と燃料電池システム100の実施例2を図3の図面を参照して説明する。
実施例2では、前述したように、アノード圧力が最大負圧値から大気圧(あるいは大気圧から所定範囲内の圧力)と平衡となるまでの時間が閾値以下である場合に、燃料電池1においてクロスリークが生じていると判定する。
図3は、実施例2における電子制御装置50の構成図である。実施例2の電子制御装置50は、実施例1の電子制御装置50の構成に加えて、負圧維持時間計測部(負圧維持時間計測手段)56をさらに有している。
タイマー51、圧力把握部52、最大負圧値検出部53、起動時空気供給量算出部55については、実施例1の電子制御装置50におけるものと同じであるので説明を省略する。
スタートスイッチ35のオフ信号により燃料電池システム100が停止されると、RTC制御が開始され(ステップS101)、タイマー51が所定時間を計時する毎に、前述したクロスリーク判定処理が実行される(ステップS102)。
次に、起動時に供給空気量を増量する必要があるか否かの起動時供給空気量増加判定処理を行い、供給空気量の増量が必要な場合には増加量を算出する(ステップS103)。すなわち、クロスリークありと判断された場合には、燃料電池システム100の起動時に供給空気量を増量する必要があるので、増加量を算出し、クロスリークなしと判断された場合には、燃料電池システム100の起動時に供給空気量を増量する必要はないので、増加量を算出しない。
一方、燃料電池システム100が停止中でない場合には、燃料電池システム100が起動開始となり(ステップS105)、燃料電池1のアノード3側に封止されていた水素ガスの排出に対して、空気供給による希釈処理を行う(ステップS106)。この希釈処理において、ステップS103において供給空気の増加量が算出されている場合には、その増加量による供給空気で希釈処理を実行する。
希釈処理の終了後、燃料電池1における発電を開始する(ステップS107)。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、アノード圧力を求める際に、アノード圧力センサ33で検出されたアノード圧力に対して、温度センサ34で検出された温度に基づき温度補正をしてアノード圧力を求めるようにすると、クロスリークの判定精度をさらに高めることができる。
また、前述した各実施例では、アノード圧力センサ33で検出されたアノード圧力から負圧値を求めているが、アノード圧の負圧値を直接検出するアノード圧力測定手段(例えば真空計)を用いてもよい。
また、燃料電池システムの停止後に燃料電池のカソード側の圧力(以下、カソード圧力という)が負圧になる場合には、前述した各実施例においてアノード圧力に代えてカソード圧力を用いることも可能である。
3 アノード
4 カソード
7 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段)
8 空気供給流路(酸化剤ガス供給手段)
15 水素タンク(燃料ガス供給手段)
16 水素ガス供給流路(燃料ガス供給手段)
20 エゼクタ(燃料ガス供給手段)
21 アノードオフガス流路(燃料ガス供給手段)
18 遮断弁(封止手段)
22 パージ弁(封止手段)
33 アノード圧力センサ(アノード圧力測定手段)
50 電子制御装置(制御部)
51 タイマー
52 圧力把握部(圧力把握手段)
53 最大負圧値検出部(最大負圧値検出手段)
54 クロスリーク判定部(クロスリーク判定手段)
55 起動時空気供給量算出部(起動時酸化剤ガス供給量算出手段)
56 負圧維持時間計測部(負圧維持時間計測手段)
Claims (5)
- アノードに燃料ガスが供給されカソードに酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
前記燃料電池のアノードに通じる流路を封止する封止手段と、
前記封止手段により封止されたアノード系内のアノード圧力を測定するアノード圧力測定手段と、
システム停止中は燃料ガスが流通不可となるように前記封止手段を封止制御する制御部と、
を備える燃料電池システムであって、
前記制御部は、
該燃料電池システムの停止後に所定時間毎に該燃料電池システムの一部を一時的に起動させるタイマーと、
前記タイマーによる起動時に前記アノード圧力測定手段を用いてアノード圧力を把握する圧力把握手段と、
前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、前記所定時間毎に求められた前記負圧値から最大負圧値を求める最大負圧値検出手段と、
前記最大負圧値検出手段で求めた最大負圧値の絶対値が閾値よりも小さい場合に燃料電池がクロスリークしていると判定するクロスリーク判定手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - アノードに燃料ガスが供給されカソードに酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
前記燃料電池のカソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
前記燃料電池のアノードに通じる流路を封止する封止手段と、
前記封止手段により封止されたアノード系内のアノード圧力を測定するアノード圧力測定手段と、
システム停止中は燃料ガスが流通不可となるように前記封止手段を封止制御する制御部と、
を備える燃料電池システムであって、
前記制御部は、
該燃料電池システムの停止後に所定時間毎に該燃料電池システムの一部を一時的に起動させるタイマーと、
前記タイマーによる起動時に前記アノード圧力測定手段を用いてアノード圧力を把握する圧力把握手段と、
前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、前記所定時間毎に求められた前記負圧値から最大負圧値を求める最大負圧値検出手段と、
前記最大負圧値検出手段が前記最大負圧値を検出してから、前記圧力把握手段で把握したアノード圧力の大気圧に対する負圧値が大気圧から所定の範囲内に入ったときまでの時間である負圧維持時間を計測する負圧維持時間計測手段と、
前記負圧維持時間計測手段により計測された負圧維持時間が閾値以下である場合に燃料電池がクロスリークしていると判定するクロスリーク判定手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御部は、
前記最大負圧値検出手段により検出された最大負圧値に基づいて、燃料電池における燃料ガスのクロスリーク量を推定し、該クロスリーク量が多いほど該燃料電池システム起動時の酸化剤ガスの供給量を多くするように酸化剤ガス供給量を算出する起動時酸化剤ガス供給量算出手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。 - アノードに燃料ガスが供給されカソードに酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池のクロスリークを判定する方法であって、
前記燃料電池を停止している間は前記アノードに通じる流路を封止しておき、
前記燃料電池の停止後に所定時間毎に、封止されたアノード系内のアノード圧力を測定し、該アノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、
さらに、前記所定時間毎に求めた前記負圧値から最大負圧値を求め、
この最大負圧値の絶対値が閾値より小さい場合に前記燃料電池がクロスリークしていると判定することを特徴とする燃料電池のクロスリーク判定方法。 - アノードに燃料ガスが供給されカソードに酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池のクロスリークを判定する方法であって、
前記燃料電池を停止している間は前記アノードに通じる流路を封止しておき、
前記燃料電池の停止後に所定時間毎に、封止されたアノード系内のアノード圧力を測定し、該アノード圧力の大気圧に対する負圧値を求め、
さらに、前記所定時間毎に求めた前記負圧値から最大負圧値を求め、
前記アノード圧力が最大負圧値となったときから、前記アノード圧力の大気圧に対する負圧値が大気圧から所定の範囲内に入ったときまでの時間である負圧維持時間を計測し、
この負圧維持時間が閾値以下である場合に燃料電池がクロスリークしていると判定することを特徴とする燃料電池のクロスリーク判定方法。
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JP5470234B2 (ja) | 2014-04-16 |
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