JP2012131884A - 気泡シールド工法用起泡剤とその使用方法 - Google Patents

気泡シールド工法用起泡剤とその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来品と同等以上のカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性の向上効果を有し、低濃度でも安定性が高い気泡シールド工法用起泡剤と、その使用方法を提供。
【解決手段】下記式(I)で表される化合物Aと、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物Bとを含む起泡剤と、水を含有し、AとBの質量比が90.0/10.0〜99.9/0.1である、気泡シールド工法用起泡剤。[R1−O−(AO)mSO3pX(I)〔式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種以上の混合物、mはAOの平均付加モル数であって0〜50の数、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又はヒドロキシアルキルアンモニウム基、pはXの価数である。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、気泡シールド工法用起泡剤とその使用方法に関する。
起泡剤を含む液体を発泡させて掘削土に注入し、掘削土と気泡とを混合攪拌させながら掘削する工法、即ちカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性を向上させる気泡シールド工法が知られている。
このような気泡シールド工法を実施する際に使用する起泡剤について、下記の先行技術が提案されている。
特許文献1には、気泡シールド工法に用いられる起泡力、生分解性に優れた起泡剤を提供することを目的として、特定のアルファオレフィンスルホン酸塩を含む気泡シールド工法用起泡剤が開示されている。
特許文献2には、起泡力に優れ、低濃度の水溶液で用いた場合でも泡沫安定性に優れた起泡剤を提供することを目的として、特定の硫酸エステル塩と、特定のポリエーテル化合物とを含有する気泡シールド工法用の起泡剤が開示されている。
特許文献3には、水溶性高分子と、界面活性剤と、無機塩基とを組合せたシールド工法用添加剤が開示されている。
水溶性高分子としてノニオン性セルロースエーテル、界面活性剤として脂肪族スルホン酸又はその塩、芳香族スルホン酸又はその塩、及びジアルキルスルホコハク酸又はその塩から選択された少なくとも一種のスルホン酸系界面活性、無機塩基としてアルカリ土類金属水酸化物が例示されている。
気泡シールド工法の特徴であるカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性を向上させるには、気泡の安定化が重要である。近年は環境意識の向上や作業員の負荷低減が望まれており、従来よりも気泡の安定性(泡が気泡を含んだ状態を維持できる時間をより長くすることができる性質)及び環境安全性(生分解性や添加量の減量化等)で、さらに優れた起泡剤が望まれている。
特開2007−2168号公報 特開2005−314475号公報 特開2008−144026号公報
本発明は、従来品と同等以上のカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性の向上の効果を有しつつ、低濃度であっても気泡安定性が高い泡(気泡を含んだ状態を長く維持できる泡)を形成できることから、作業時における起泡剤の使用量を減量化することができる気泡シールド工法用起泡剤と、その使用方法を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
下記一般式(I)で表される化合物Aと、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物Bとを含有しており、化合物Aと化合物Bの質量比(化合物A/化合物B)が65.0/35.0〜99.9/0.1である、気泡シールド工法用起泡剤と、その使用方法を提供する。
[R1−O−(AO)mSO3pX (I)
〔式中、
1は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種以上の混合物、
mはAOの平均付加モル数であって0〜50の数、
Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又はヒドロキシアルキルアンモニウム基、
pはXの価数である。〕
本発明の気泡シールド工法用起泡剤によれば、従来品と同等以上のカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性の向上の効果を有しつつ、低濃度であっても気泡安定性が高い泡(気泡を含んだ状態を長く維持できる泡)を形成できることから、作業時における起泡剤の使用量を減量化することができる。
<気泡シールド工法用起泡剤>
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、化合物Aと化合物Bを含むものである。
(化合物A)
化合物Aは、下記一般式(I)で表されるものである。
[R1−O−(AO)mSO3pX (I)
一般式(I)中のR1は、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基である。
一般式(I)中のR1は、起泡力の点で炭素数10〜18が好ましく、更に炭素数10〜14が好ましい。R1はアルキル基が好ましい。
一般式(I)中のAOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種以上の混合物である。具体的には、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基が挙げられる。これらの中でも、オキシエチレン基(以下、EOと表記する)を含むことが起泡力の点で好ましく、全AO中、EOの比率は、80〜100モル%、更に90〜100モル%が好ましい。
AOとしては、EOの単独、EOとオキシプロピレン基の混合が挙げられ、EOの単独が好ましい。
一般式(I)中のmは、AOの平均付加モル数であって0〜50の数であり、1〜10が好ましく、更に1〜5が起泡力の点で好ましい。
一般式(I)中のXは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又はヒドロキシアルキルアンモニウム基であり、これらの中でもアルカリ金属が好ましく、特にナトリウムが好ましい。
一般式(I)中のpは、Xの価数、すなわち1又は2であり、1が好ましい。
化合物Aは、アルキル硫酸エステルまたはその塩、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルまたはその塩であり、その具体例としては、デシル硫酸エステル塩、ラウリル硫酸エステル塩、セチル硫酸エステル塩、ミリスチル硫酸エステル塩、オレイル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンセチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンパルミチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンステアリルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸エステル塩等を挙げることができ、これらの混合物も使用することができる。
これらの中でも、起泡性の観点から、ラウリル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンセチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンパルミチルエーテル硫酸エステル塩及びポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、ラウリル硫酸エステル塩及びポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上がより好ましく、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸エステル塩が更に好ましい。
化合物Aは、エマール0、エマール40、エマール2F、エマール20C、エマール27C、エマール270J(いずれも花王株式会社製)のような市販品を使用することもできる。
(化合物B)
化合物Bは、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のものである。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜22の脂肪酸のエステルを使用することが好ましく、炭素数12〜20の脂肪酸のエステルがより好ましく、炭素数16〜20の脂肪酸のエステルが更に好ましい。
例えば、ソルビタンラウレート、ソルビタンミリスチレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート及びソルビタンオレートが挙げられ、これらのモノエステル及びトリエステルが挙げられる。これらの中でも、起泡性の観点から、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート及びソルビタンモノオレートから選ばれる1種以上が好ましく、ソルビタンモノオレートがより好ましい。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜22の脂肪酸のエステルを使用することが好ましく、炭素数12〜20の脂肪酸のエステルがより好ましく、炭素数16〜20の脂肪酸のエステルが更に好ましい。
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンミリスチレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート及びポリオキシエチレンソルビタンオレートが挙げられ、中でも、モノエステル及びトリエステルが好ましく、モノエステルがより好ましい。起泡性の観点から、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレートから選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートがより好ましい。
また、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、HLBが1.5〜18.0の範囲のものが好ましく、3.0〜16.0の範囲のものがより好ましい。
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、気泡シールド工法での使用時の気泡の安定性を高め、作業性(ポンプ移送性)を向上させる観点から、化合物Aと化合物Bの質量比(化合物A/化合物B)は65.0/35.0〜99.9/0.1の範囲であり、好ましくは80.0/20.0〜98.0/2.0の範囲であり、更に好ましくは80.0/20.0〜96.5/3.5の範囲である。
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、保存や運搬の観点から、化合物Aと化合物Bの高濃度溶液の剤型とし、この溶液を使用時に水で希釈して使用することが好ましい。前記高濃度溶液の剤型での化合物Aと化合物B以外の成分として、水を含有することが好ましい。
さらに、化合物Aと化合物Bの混合溶解性を高めるために、アルコール類を併用することができる。例えば、エチルアルコール等の炭素数7以下の一価アルコール、エチレングリコール等のグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル等のアルキレングリコールエーテルを挙げることができる。また、用途によっては、炭素数1〜4のアルコールのアルキレンオキサイド付加物も溶剤等として使用できる。
本発明の起泡剤の高濃度溶液の剤型では、起泡剤の流動性の観点から化合物Aと化合物Bの合計量の濃度で20〜60質量%水溶液とすることが好ましく、20〜40質量%水溶液がより好ましい。また、本発明の起泡剤は、高濃度水溶液でも粘度が低く、作業性(ポンプ移送性)を向上させることができる。
気泡シールド工法での使用時は、さらに水で希釈された水溶液の剤型で用いられるが、当該水溶液中の化合物Aと化合物Bの合計の含有量は、好ましくは0.01〜1.5質量%であり、より好ましくは0.05〜1.0質量%、更に好ましくは0.25〜1.0質量%である。
このように起泡剤の含有量を低くすることができるため、水溶液の粘度も低くすることができるようになり、作業性(ポンプ移送性)を向上させることができる。また起泡剤の使用量も低減させることができるため、環境安全性も高められる。
(その他の成分)
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、必要に応じて、その他の界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤等を併用することもできる。
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、化合物A、化合物B、必要に応じて他の成分と水(水道水、地下水、河川水等)を混合して製造することができる。
<気泡シールド工法用起泡剤の使用方法>
本発明の気泡シールド工法用起泡剤は、シールド工法実施時の掘削面(掘削土壁)に気泡を注入して使用する。気泡を注入する方法としては、例えば、ポンプにより圧力をかけた状態で、ノズルから噴射する方法を適用することができるが、特定の工法に限定されるものではない。
以下、具体的な使用方法を説明する。
まず、化合物Aと化合物Bの合計の含有量で0.01〜1.5質量、好ましくは0.05〜1.0質量%、更に好ましくは0.25〜1.0質量%である水溶液を調製し、この水溶液を泡立て発泡させる。
次に、発泡させた液状の気泡を掘削面(掘削土壁)、シールドマシンチャンバー内又はスクリュウコンベア内に吹付け、掘削土砂と混練させて掘削する。
液状の気泡を発生させる方法としては、起泡剤(起泡剤が粉末の場合は、予め任意の濃度に水で溶解しておく。)と水を、各々の専用ポンプにて起泡剤溶液混合タンクに移送し、起泡剤溶液タンクにて任意の濃度に希釈された気泡剤溶液を調製する。
次に、配管の中に抵抗となるもの(一般的によく使用されるものは、ビーズ状、ドーナツ状、円柱状又は金たわし状の物)を入れ、その抵抗となる物の入った配管(一般的に発泡筒という)に圧縮空気と前記にて作成された起泡剤溶液を同時に流し乱流を作り、発泡させる。
吹き付ける方法としては、例えば、ポンプにより圧力をかけた状態で、シールドマシン注入口から掘削面、チャンバー内又はスクリュウコンベア等に噴射する方法を適用することができる。
本発明の気泡シールド工法用起泡剤を使用するときは、必要に応じて施工現場にて化合物Aと化合物Bと水を混合して調製した液剤を使用することもできる。
本発明の起泡剤を調製する場合、化合物Aの水への溶解性の観点から、化合物Aを予め水に溶解した後に、化合物Bと混合する事が好ましい。
前記液剤(水溶液)中の起泡剤の濃度(化合物Aと化合物Bの合計濃度)は、上記したとおり、0.01〜1.5質量%であり、好ましくは0.05〜1.0質量%、更に好ましくは0.25〜1.0質量%である。なお、前記濃度範囲よりも高濃度(例えば10〜100倍濃度)の液剤を予め調製しておき、作業現場において水で10〜100倍に希釈して使用することもできる。
実施例及び比較例<液状の気泡シールド工法用起泡剤>
表1に示す化合物Aと化合物Bを水(水道水)に溶解させて各起泡剤の水溶液を得た。
実施例1〜21、比較例2〜4は、化合物Aの25質量%水溶液と化合物Bの粉末または液体の混合物)を用いて高濃度溶液(実施例1〜21は25.0〜32.5質量%)の剤型の起泡剤を調製した。表1に示す含有量に水で希釈し、評価した。
比較例1は、第一化成産業株式会社製の起泡剤、品名OK-1(有効成分濃度35質量%の水溶液)を使用した。
各起泡剤について、下記の方法により、破膜時間と作業性を評価した。結果を表1に示す。
(破膜時間:気泡安定性)
破膜試験容器(容量200ml)として、内部に泡膜(液膜)形成リグ(金属線からなる幅2.5cmの略長方形の枠状のもの)を備えた透明なガラス製の本体(瓶)と蓋を有するものを用意した。泡膜(液膜)形成リグは蓋側に固定されている。
まず破膜試験容器の蓋を開け、そこから本体(瓶)内に起泡剤水溶液(水温25℃)を入れた。
その後、破膜試験容器を横(蓋が側面になった状態)にして、泡膜(液膜)形成リグに起泡剤水溶液を浸す。その後、破膜試験容器をゆっくりとひっくり返し(蓋が底になった状態)て、泡膜(液膜)形成リグ内に泡膜(液膜)を形成する。(このとき、泡膜(液膜)形成リグ内に形成された泡膜(液膜)の大きさは、幅は2.5cmであり、高さは5.0cmであった。)
泡膜(液膜)形成リグ内に形成された泡膜(液膜)がこの状態のままで、室温(25℃)にて、幅2.5cmで高さが5cmの気泡を含む泡が破壊されるまでの時間(破膜時間)を測定した。破膜試験容器をひっくり返した時点を開始時間とし、泡膜(液膜)が破壊された時点を終了とした。
破膜時間が長いほど気泡が安定している(気泡安定性が高い)ことを示すものであり、破膜時間が長いほど、起泡剤の添加量が少なくできること(水溶液中の起泡剤の濃度を低くできること)を意味する。
(作業性:ポンプ移送性)
実施例1〜21、比較例1〜4の起泡剤の高濃度溶液を、ポンプにより希釈液を調製するための起泡剤溶液タンクに移送するときの移送状態を移送時間により評価した。評価基準は下記のとおりである。
○:比較例1(市販品)を使用したときの移送時間を基準時間とし、基準時間プラス10秒未満
△:ポンプによる移送時間が基準時間の10秒以上で、2倍未満
×:ポンプによる移送時間が基準時間の10秒以上で、2倍以上
基準時間を具体的な数値で表すと、ポンプ移送能力4L/分のポンプを使用して比較例1を4L移送するのに移送時間が60秒であった。
Figure 2012131884
実施例1〜21は、比較例1〜4と比べると破膜時間が大幅に延長されていた。破膜時間が長くなるほど泡沫の安定性が良くなるため、起泡剤としての性能が高くなることから、添加量の低減に繋がる。実施例11及び15〜20は、含有量が少なくなるにつれて破膜時間が短くなる傾向があるが、実施例11及び15では市販品である比較例1よりも含有量が少ないにもかかわらず、破膜時間は比較例1を上回った。具体的には、破膜時間が50分以上になることで、実用上は、比較例1〜4と比べると水溶液中の起泡剤濃度を半分にすることができるようになる。
作業性については、化合物A/化合物Bの比率が99.9/0.1〜97/3の範囲が良かった。
実施例及び比較例<液状の気泡シールド工法用起泡剤の使用方法>
表1に示す実施例11と比較例1(市販品)の起泡剤(水溶液)を使用して、砂質土(含水比15%)と粘性土(含水比39%)に対する試験を行った。
実施例11の起泡剤:比重=1.056,固形分濃度=30.6質量%であり、0.194質量%濃度の水溶液。
比較例1の起泡剤:比重=1.03,固形分濃度=35.0質量%であり、1.082質量%の水溶液。
試験の詳細は以下のとおりである。
(試験方法)
1)砂質土もしくは粘性土に水を加え、15%又は39%の含水比(骨材中に含まれる水分質量%)の骨材を調整した。
2)実施例11と比較例1の起泡剤水溶液を用意した。起泡剤(化合物Aと化合物B)量は、水溶液体積量中の起泡剤Bの体積量の濃度にて示す。
3)上記2)で調製した水溶液を、気泡作製装置(水溶液圧送ポンプはTIC TOHKEMY CORPORATION社製、型式CM-100Zを使用し、コンプレッサーは株式会社ナカトミ産業製、型式 ACP−10NCを使用し、発泡筒は内径Φ25mm長さ500mm太平洋ソイル株式会社製を組み合わせて水溶液量・エアー量・エアー吐出圧力・溶液量を任意に調整できる気泡作成装置)に空気と共に添加し、所定の発泡倍率(得られた気泡体積/添加した気泡剤水溶液体積)の泡を調製した。発泡倍率8倍は、水溶液1に対して空気7が混練発泡して8になることを意味する。
4)上記1)で調製した骨材と、上記3)で得られた泡を、15%又は40%の注入率(起泡剤体積/骨材体積)にて混合し、試験体サンプルを調製した。
5)上記の4)で得られた試験体サンプルを用いて、以下の評価方法に従って評価(スランプ試験と締固めた土のコーン指数試験)を実施した。
スランプ試験 :JIS A 1101に従った。
締固めた土のコーン指数試験:JIS A 1228に従った。
Figure 2012131884
Figure 2012131884
表2、3に示すとおり、実施例11は少ない添加量(従来品である比較例1の1/5)において、同等以上の性能が得られた。
表2は水の少ない砂が多い土を想定した試験結果である。実施例11の起泡剤量が0.63質量%(0.60×1.056)水溶液に対して、比較例1の起泡剤量は3.09質量%(3.00×1.03)である。実施例11は添加量が比較例1の1/5にもかかわらず、スランプ試験及びコーン試験の結果は同等であった。
表3は水の多い粘土質の土を想定した試験結果である。実施例11の起泡剤量が0.63質量%(0.60×1.056)水溶液に対して、比較例1の起泡剤量は3.09質量%(3.00×1.03)である。実施例11は添加量が比較例1の1/5にもかかわらず、スランプ試験及びコーン試験の結果は実施例11の方が優れていた。
なお、スランプ値は、掘削土と起泡の混合物の流動性の指標になるもので値が大きいほど流動性が高いことを示す。スランプ値が大きいほど掘削土運搬処理の作業性が優れる。また、コーン値は、掘削土と起泡混合物の硬さの指標となるもので値が小さいほど柔らかいことを示す。コーン値が小さいほどカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減される。
なお、実施例11の魚類急性毒性試験(96時間LC50)は240mg/Lであった。この数値は、従来品(比較例1)の1/5程度の数値である。また、生分解試験(DOC法)の結果、14日後の生分解度は85%であった。
よって、本発明品(実施例11)は、従来品(比較例1)と比べると、使用量を1/5にすることができ、さらに96時間LC50も1/5であるから、従来品の1/25程度の水性環境有害性に低減できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物Aと、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物Bとを含有しており、化合物Aと化合物Bの質量比(化合物A/化合物B)が65.0/35.0〜99.9/0.1である、気泡シールド工法用起泡剤。
    [R1−O−(AO)mSO3pX (I)
    〔式中、
    1は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基、
    AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種以上の混合物、
    mはAOの平均付加モル数であって0〜50の数、
    Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又はヒドロキシアルキルアンモニウム基、
    pはXの価数である。〕
  2. 化合物A及び化合物Bの合計含有量が20〜60質量%である請求項1記載の気泡シールド工法用起泡剤。
  3. 化合物Aがラウリル硫酸エステル塩及びポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上であり、
    化合物Bがソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレートから選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の気泡シールド工法用起泡剤。
  4. 請求項1記載の気泡シールド工法用起泡剤の使用方法であって、
    化合物Aと化合物Bを含む起泡剤の水溶液を調製した後、前記水溶液を泡状にして、掘削土混合して使用する気泡シールド工法用起泡剤の使用方法。
  5. 前記水溶液中の化合物Aと化合物Bの合計含有量が0.01〜1.5質量%である請求項3記載の気泡シールド工法用起泡剤の使用方法。
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