JP2012130884A - 分散剤および分散体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広範囲の分散質に適用することが可能で、少量の添加で優れた分散安定性を発揮することができる非水性分散媒用分散剤を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される化合物からなる分散剤である。
【化1】
Figure 2012130884

ただし、式(1)のRは少なくとも1個以上の芳香環を含有する炭化水素基を示し、式(1)のAOは炭素数が1ないし4のオキシアルキレン基を示し、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す1ないし30の範囲の数値であり、式(1)のXはO原子、S原子、−NR1−(R1はH原子又はC原子、H原子、O原子のいずれかから構成される基)のいずれかから構成される連結基であり、式(1)のYはC、H、O原子のいずれかから構成される連結基である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、分散剤及びその分散剤を用いてなる分散体組成物に関する。
無機物由来或いは有機物由来の等方性材料及び/又は異方性材料は、ハイブリッド材料、表面保護剤、導電ペースト、導電性インク、センサー、精密分析素子、光メモリ、液晶表示素子、ナノ磁石、熱伝媒体、燃料電池用高機能触媒、有機太陽電池、ナノガラスデバイス、研磨剤、ドラッグキャリヤー、環境触媒、塗料、印刷インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキ等の用途分野で主体材料として使用されている。この際、前記無機物由来或いは有機物由来の等方性材料及び/又は異方性材料は、水性分散媒や非水性分散媒中で微小粒子として分散体を調製して利用することで、効率よく加工特性、製品特性および素材物性を向上し、品質安定化や製造時の歩留向上に寄与する物質として産業上利用されている。
一方で、分散質の素材変更や粒子サイズの微小化や形状制御を指向することで分散質の安定分散化が難しくなり、分散質が分散媒中で短時間で凝集を生じるという問題点がある。分散質の凝集は分散体の製造において、生産性低下、加工特性低下、ハンドリング性低下および歩留低下を招くに留まらず、最終製品の製品特性、素材物性および品質の低下を引き起こす。その他、外観上でも透明性、光沢、着色力の低下、色分かれ及びクラック発生など好ましくない現象を生じることが知られている。このような分散質の凝集を抑制し、分散安定化を達成するために分散剤が使用される。
既提案の低分子量の分散剤として、カルボキシル基を有する有機化合物では、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数1〜20の飽和、不飽和のカルボン酸類の他、ヒドロキシカルボン酸類、炭素数6〜34の脂環族、芳香族カルボン酸類などがある。アルケニルコハク酸無水物類では、オクテニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物などがある。チオール基を有する有機化合物では、例えば、メルカプトエタノール、メルカプト−2−プロパノール、1−メルカプト−2、3−プロパンジオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトコハク酸、ヘキサンチオール、ペンタンジチオール、ドデカンチオール、ウンデカンチオール、デカンチオールなどのアルカンチオールがある。フェノール環を有する有機化合物では、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリブチルホスフィンなどがある。アミノ基を有する有機化合物では、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミンなどがある。また、高分子量の分散剤としては、主に顔料などの分散剤として開発されたカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エステル結合、アミド結合、芳香環、複素環などの骨格を持つ高分子型分散剤が本用途にも転用されており、ビックケミー社(Byk Chemie社)製のDISPERBYKシリーズ、エフカアディティブズ社(EFKA Additives社)製のCiba EFKAシリーズ、ルブリツォル社(Lubrizol社)製のSolsperseシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズなどが市販されている。
その他、既存の界面活性剤の分散剤としての利用も提案されており、陰イオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩、メチルタウリン酸塩などがある。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシドなどがある。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルアミンオキシドなどがある。陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などがある。その他、フッ素系界面活性剤やセルロース誘導体、ポリカルボン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩などの高分子界面活性剤がある。
上記の既存分散剤を用いて分散体の凝集を抑制して安定な分散体組成物を得るための検討が行われているが、分散媒、分散質の多様化、分散質の粒子サイズの微小化、形状の多様化、最終製品の高品質化、生産性向上、加工特性の高度要求などの点で、既提案の分散剤では要求特性を十分に満足するには至っていない。
例えば、分散媒が水である場合には分散剤の疎水性相互作用に基づく界面吸着作用やイオン性基による電気的吸着作用や芳香環由来のπ電子相互作用、更に粒子間においては、電気二重層形成による粒子間の静電反発作用の利用、及び立体障壁形成による分散安定化作用、また、安定化剤として保護コロイド剤や増粘剤の添加も効果的であり、分散安定化および凝集抑制を達成し得る多様な方策を採用できる。
一方、非水性分散媒中では疎水性相互作用、イオン性基による電気的界面吸着作用、静電反発作用の効果は極めて限定的であるために、分散剤の分散粒子への界面吸着は分散質粒子と分散剤の特定部位間の酸塩基相互作用に大きく依存することとなる。即ち、実際的には分散剤の選定は分散質の表面特性により個別最適化されることとなり、分散剤の用途は極めて限定化される状況にあり、また、合わせて分散媒に対する分散剤の親和性も使用する分散媒に合わせて個別に最適の分散剤を選択することが必要であるというのが実態である。
前記の各種イオン性界面活性剤は、水系での分散剤として極めて有効であるが、非水系分散媒中で溶解し得ないものが多く、その適用範囲も極めて限定的である。
また、分散質粒子の大きさがマイクロメーターサイズである場合には複数の吸着点による多点吸着採用や立体障壁の高密度且つ厚い保護層形成で分散系設計が可能であるため高分子量分散剤が好適に選択されるが、分散質粒子の大きさがナノメーターサイズやサブナノメーターサイズの場合には、分散質粒子の大きさと分散剤分子の大きさとの相違から高分子量分散剤による分散系設計は困難或いは限定的となる。即ち、分散質粒子の大きさに対して分子の大きさが著しく大きい高分子量分散剤を用いると、分散質粒子と分散剤の間や分散剤の分子と分散剤の分子の間での多点吸着や絡み合いや橋架けが生じて分散質粒子の凝集が促進されるため、分散安定化の点で本質的問題を抱えている。
また更に、分散安定化を指向するために、分散質粒子と分散剤との間でより強い相互作用を利用して分散系の設計をするのが定法となるが、分散媒の置換や極性変更、分散体組成物の機械的および化学的安定性確保、分散質粒子の取り出し、成膜化(高光沢、低温且つ短時間での成膜性)に加えて、分散剤除去においては分散剤の界面からの易離脱性も要求性能として兼備することが求められ、これは最終製品の生産性向上、加工特性、品質安定化においては重要な因子となる。この点においても既存の分散剤は要求性能を十分に満足するものではない。
また、ナノメーターサイズの無機微粒子(粒子径1〜100nm)或いは有機フィラーや顔料などを樹脂中に微分散した複合材料はポリマーナノコンポジットと呼ばれるが、コンポジット化により屈折率の上昇などが見込まれ、光学材料用途で使用されている。しかし、ナノメーターサイズの粒子は凝集しやすく、樹脂に対する親和性が低いために樹脂中に均一に分散させるのは極めて困難である。ナノメーターサイズの粒子を樹脂中に均一に分散させるには、水性分散媒の利用は困難、或いは限定的であり、通常は非水性分散媒中に分散剤を用いてナノ粒子を均一に分散させた分散体を調製し、この分散体に樹脂を溶解させて混合するか、或いは樹脂を溶媒に溶解させた溶液状態のものと上記分散体とを混合し、溶解および分散させる方法が有効である。このような分散剤の例として、上記特許に挙げられるようなポリオキシエチレンアルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩が使われている(特許文献1)。
また、金属粒子、金属酸化物、顔料、各種フィラー類を分散媒や樹脂へ容易に再分散可能とするための前処理として、分散質粒子を表面修飾剤や表面保護剤で被覆するか又は分散質粒子に表面修飾剤等を含浸させて利用する技術が知られているが、先行技術では分散媒の種類や分散質の添加量に制限がある場合が多く、利用範囲が極めて限定的であり、この問題を解消し得る分散剤或いは表面修飾剤や表面保護剤は見出されていない。前記問題を解消し得る分散剤、即ち、分散媒の種類や分散質の添加量に制限を受けず、広範な素材に対して汎用性のある分散剤を見出し、当該分散剤を使用する非水性分散体や、当該分散剤を分散質の表面修飾剤或いは表面保護剤として用いて、当該分散剤で被覆されるか又は当該分散剤を含浸してなる粉状或いは粒状或いはペースト状の物質が得られたならば、それらは溶媒置換や極性変更、樹脂、樹脂溶液との混合の点で工業的利用価値は極めて大きい。
例えば、この種の先行技術として、特許文献2には、金属ナノ粒子(A)と、この金属ナノ粒子(A)を被覆する保護コロイド(B)とで構成された金属コロイド粒子であって、前記保護コロイド(B)が、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)と、高分子分散剤(B2)とで構成されている金属コロイド粒子が開示されている。
また、本願出願時に未公開の特願2010−120122号には、分岐鎖を有するアルキル基および/又はアルケニル基を含有する非水性分散媒用分散剤が開示されている。この分散剤を使用すれば、広範囲の分散質に適用することが可能で、少量の添加で優れた分散安定性を発揮することができる。しかし、更に多量の無機微粒子やフィラー等の分散質を分散させることができる分散剤の開発が望まれている。
特開2004−354568号公報 特開2009−74171号公報
上記従来技術によるポリオキシエチレンアルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩の使用は、無機微粒子或いはフィラーと樹脂との組み合わせによっては、所望の分散性が得られない場合がある。例えば、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸と芳香族系の汎用光硬化性樹脂材料であるフェノキシエチルアクリレート(PHE)の組み合わせで作成した分散液は著しく透明性が無くなり、分散性の低下が見られる。このような理由により、様々な樹脂に無機微粒子を分散させることのできる分散剤が求められる。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、広範囲の分散質に適用することが可能で、少量の添加で優れた分散安定性を発揮することができ、また、多量の分散質の分散に適した散媒用分散剤を提供することにある。加えて、本発明の目的は、その分散剤を用いてなる分散体組成物を提供することにある。さらに、本発明の目的は、その分散剤で被覆されるか又はその分散剤を含浸してなる有機物粒子または無機物粒子を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の分散剤は、下記式(1)で示される化合物からなる分散剤である。
Figure 2012130884
ただし、式(1)のRは少なくとも1個以上の芳香環を含有する炭化水素基を示し、式(1)のAOは炭素数が1ないし4のオキシアルキレン基を示し、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す1ないし30の範囲の数値であり、式(1)のXはO原子、S原子、−NR1−(R1はH原子又はC原子、H原子、O原子のいずれかから構成される基)のいずれかから構成される連結基であり、式(1)のYはC、H、O原子のいずれかから構成される連結基である。
ここで、式(1)のRは下記式(2)で示されるスチレン化フェニル基であることが好ましい。
Figure 2012130884
ただし、式(2)のkは平均値であり、1ないし5の範囲の数値である。
また、式(1)のYは、炭素数が1ないし15のアルキレン基、又は下記式(3)で示される官能基であることが好ましい。
Figure 2012130884
ただし、式(3)のZは、炭素数が1ないし15のアルキレン基、ビニレン基、フェニレン基およびカルボキシル基含有フェニレン基の中から選択されるいずれかである。
本発明の無機物粒子は、上記の何れかに記載の分散剤で被覆されるか又は該分散剤を含浸してなるものである。
また、本発明の分散体組成物は、上記何れかに記載の分散剤を用いて無機物粒子を非水性分散媒中に分散してなるものである。
更に、本発明のコーティング組成物は、非水性分散媒として樹脂を用いた上記の分散体組成物を含有するものである。
また、本発明の分散体組成物は、非水性分散媒として溶剤を用いた上記の分散体組成物と樹脂との混合物を含有するものである。
本発明の部材は、上記何れかのコーティング組成物を基材上に塗布した後、反応させることにより得られるものである。
本発明によれば、従来の分散剤では困難であった分散媒へ無機微粒子或いはフィラーを分散することができ、透明性の高い安定な分散体組成物を提供することができる。また、少量の添加で多量の分散質を安定して分散させることができる分散剤を提供することができる。また、その分散剤を用いてなる分散体組成物およびその分散体組成物を含有するコーティング組成物を提供することができる。
本発明の分散剤は式(1)に記載する通り、少なくとも1個以上の芳香環を含有する炭化水素基を含む分散媒親和性部位と、オキシアルキレン基およびカルボキシル基からなる分散質親和性部位からなり、分散媒親和性部と分散質親和性部は連結基Xで連結される。以下、本発明の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
1.疎水基(R)について
本発明の分散剤に使用できる疎水基(R)において、Rは少なくとも1個以上の芳香環を含有する炭化水素基であり、具体的には、前述の式(2)で表されるスチレン化フェニル基の他、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、クミルフェニル基、o−フェニル−フェニル基、p−フェニル−フェニル基などを含有する官能基を挙げることができる。さらに、ナフタレン、アントラセン、ベンゾピレン、クリセン、コロネン、コランヌレン、ナフタセン、ピレン、トリフェニレンなどの多環芳香族炭化水素を含有する官能基も挙げることができる。なお、本願では、例えば、ナフタレンについては2個の芳香環が含まれ、アントラセンについては3個の芳香環が含まれているものとみなす。本発明の分散剤では、芳香環が分散性の向上に大きく寄与しているものと考えられる。これらの官能基うち、式(2)で表されるスチレン化フェニル基含有化合物は、本発明の目的を達成する為に好適に使用することができる。
2.連結基(X)
連結基(X)は、O原子、S原子、−NR1−のいずれかから構成される連結基であり、R1はH原子又はC原子、H原子、O原子のいずれかから構成される官能基である。R1としては、例えば、n−ヘキシル、n−オクチル基などの炭素数1〜18の飽和直鎖アルキル基、2−エチルヘキシル、イソデシル基などの炭素数が1〜18の飽和分岐アルキル基、リノール基、リノレン基、オレイル基、ヤシアルキル基、牛脂アルキル基、硬化牛脂アルキル基などの不飽和長鎖アルキル基を挙げることができる。
3.オキシアルキレン基(AO)n
本発明の分散剤に好適に選択されるアルキレンオキシド種について、式(1)においてAOは炭素数1ないし4のオキシアルキレン基を示し、具体的には炭素数2のアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。炭素数3のアルキレンオキシドはプロピレンオキシドである。炭素数4のアルキレンオキシドは、テトラヒドロフラン或いはブチレンオキシドであるが、好ましくは、1,2−ブチレンオキシドまたは2,3−ブチレンオキシドである。本発明の分散剤においてオキシアルキレン鎖(−(AO)n−)は分散剤の分散媒親和性を調整する目的でアルキレンオキシドは単独重合鎖であっても、2種以上のアルキレンオキサイドのランダム重合鎖でもブロック重合鎖でもよく、また、その組み合わせであってもよい。式(1)のアルキレンオキシドの平均付加モル数を示すnは1ないし30の範囲であるが、3ないし20の範囲にあることが好ましい。
4.連結基(Y)
連結基(Y)は炭素原子、水素原子、酸素原子からなる公知の構造から選択可能であるが、好ましくは飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、エーテル基、カルボニル基、エステル基からなり、脂環構造、芳香環構造を有していてもよく、また、繰り返し単位を有していてもよい。連結基Yに窒素原子及び/又は硫黄原子及び/又はリン原子などを含む場合は、カルボキシル基の分散質への親和効果を弱める作用があるために本発明の分散剤の構造因子としては適さない。
また、式(1)のYは炭素数が1ないし15のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1ないし8のアルキレン基であることがより好ましい。
更に、式(1)のYは前述の式(3)で示される物質であることが好ましい。ただし、式(3)において、Zは炭素数が1ないし15のアルキレン基、ビニレン基、フェニレン基およびカルボキシル基含有フェニレン基の中から選択されるいずれかである。
5.分散質粒子
本発明の分散剤により分散される分散質粒子は無機物由来粒子及び/又は有機物由来粒子から選択できる。例えば、無機物由来粒子としては、鉄、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、亜鉛、タングステン、インジウム、スズ、パラジウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀、金、白金など、及びそれらの合金、又はそれらの混合物が使用できる。その際、前述の金属粒子を媒体中から安定に取り出す為に、アルカン酸類や脂肪酸類、ヒドロキシカルボン酸類、脂環族、芳香族カルボン酸類、アルケニルコハク酸無水物類、チオール類、フェノール誘導体類、両親媒性ポリマー、高分子界面活性剤、低分子界面活性剤などの保護剤で被覆されていてもよい。その他、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ベントナイト、ドロマイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、珪藻土、カーボンブラック、黒鉛、ロックウール、グラスウール、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ(シングルウォールナノチューブ、ダブルウォールナノチューブ、マルチウォールナノチューブ)等がある。また、有機物由来粒子としては、アゾ系、ジアゾ系、縮合アゾ系、チオインジゴ系、インダンスロン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ベンゾイミダゾロン系、ペリレン系、フタロシアニン系、アントラピリジン系、ジオキサジン系等の有機顔料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、アクリル樹脂、ビニロン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ乳酸、アセテート繊維、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、澱粉、ポリアセタール、アラミド樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド等がある。本発明の分散剤により分散される前記分散質粒子は結晶状であってもアモルファス状であってもよい。また、本発明の分散剤により分散される前記分散質粒子は等方性粒子であっても異方性粒子であってもよく、繊維状であってもよい。
本発明で分散質となる前記分散質粒子は、公知の方法で得たものが使用できる。微粒子の調製方法としては、粗大粒子を機械的に解砕、微細化していくトップダウン方式と、いくつかの単位粒子を生成させ、それが凝集したクラスター状態を経由して粒子が形成されるボトムアップ方式の2通りの方式があるが、いずれの方法で調製されたものであっても好適に使用できる。また、それらは湿式法、乾式法のいずれの方法によるものであってもよい。また、ボトムアップ方式には、物理的方法と化学的方法があるが、いずれの方法によるものであってもよい。本発明の分散剤は粗大粒子を機械的に解砕、微細化していくトップダウン方式の工程中で使用してもよく、いくつかの単位粒子を生成させ、それが凝集したクラスター状態を経由して粒子が形成されるボトムアップ方式の工程中で使用してもよく、或いは、事前に前記方法で微粒子を調製後、該分散質粒子を媒体中から安定に取り出すために表面修飾剤や表面保護剤と称する公知の保護剤で被覆或いは含浸させて取り出された粒子を使用することもできる。保護剤としては前記の公知分散剤で代用することができる。
ボトムアップ方式をより具体的に説明するために、前記分散質粒子の内、金属ナノ粒子の調製法を例示する。ボトムアップ方式の内、物理的方法の代表例としてはバルク金属を不活性ガス中で蒸発させ、ガスとの衝突により冷却凝縮させてナノ粒子を生成するガス中蒸発法がある。また、化学的方法には、液相中で保護剤の存在下で金属イオンを還元し、生成した0価の金属をナノサイズで安定化させる液相還元法や金属錯体の熱分解法などがある。液相還元法としては、化学的還元法、電気化学的還元法、光還元法、または化学的還元法と光照射法を組み合わせた方法などを利用することができる。
また、本発明で好適に使用できる分散質粒子は、前記の如く、トップダウン方式、ボトムアップ方式のいずれも手法で得たものであってもよく、それらは水系、非水系、気相中のいずれの環境下で調製されたものであってもよい。
6.分散媒
本発明で使用できる分散媒としては、トルエン、キシレン、芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ジグライム 1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒、アセトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、アセトニルアセトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶媒、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸(イソ)アミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、及び、それらモノエーテル類の酢酸エステル系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル系溶剤が挙げられる。
また、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ヘプタノール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、アリルアルコール、エチレンクロロヒドリン、オクチルドデカノール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、t−アミルアルコール、sec−イソアミルアルコール、ネオアミルアルコール、ヘキシルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、ターピネオールC、L−α−ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ターピニルオキシエタノール、ジヒドロターピニルオキシエタノール、日本テルペン化学株式会社製のテルソルブMTPH、テルソルブDTO−210、テルソルブTHA−90、テルソルブTHA−70や、シクロヘキサノール、3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコール、1,4−ブタンジオール、オクタンジオール等や、日産化学工業株式会社製のファインオキソコール140N、ファインオキソコール1600、ファインオキソコール180、ファインオキソコール180N、ファインオキソコール2000などのアルコール系溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、へキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール系溶剤が挙げられる。
その他、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒などが挙げられる。また、分散媒として反応性基を有する(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニルなどのビニル系単量体、ビニルエーテル誘導体類、ポリアリル誘導体などのエチレン系不飽和単量体類も使用することができる。その他、通常の塗料用や粘接着用、成型用に利用されている各種樹脂類、オリゴマー類、単量体類も特に制限無く使用できる。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリピニルアルコールなどが挙げられる。なお、前記分散媒は単独または2種以上を混合して適宜使用することができる。なお、本発明の分散剤は非水性環境下で微粒子分散体を提供することを目的としているが、上記分散媒に対して意図的或いは偶発的を問わず、微粒子分散体の製造工程中で、或いは目的用途の都合で、或いは最終製品設計において、水の混入、混合を否定するものではない。
7.その他
本発明の分散剤は公知の方法で製造することができ、上記の範囲で疎水基の種類、アルキレンオキシド種とその付加形態、付加モル量、連結基などを特に限定して組成を最適選定することにより、公知の分散剤よりも、より広範な種類の分散質を分散でき、より広範な種類の分散媒に分散質を分散安定化できる点で産業上の利用価値は大きい。
また、本発明の分散剤は公知の精製法により含有するイオン種、特にアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、ハロゲンイオンの各イオンの含有量を低減して用いることができる。分散剤中のイオン種は分散体の分散安定性、耐触性、耐酸化性、分散塗膜の電気特性(導電特性、絶縁特性)、経時安定性、耐熱性、低湿性、耐候性に大きく影響するため、上記イオンの含有量は適宜決定することができるが、分散剤中で10ppm未満であることが望ましい。
本発明で好適に採用される分散剤の含有量は、前記非水性分散媒中で均一に分散質を分散させることができれば特に限定されるものではなく、用途などによって異なるものであるが、分散体組成物の全体を100重量%として、0.1〜20重量%の範囲内であることが好ましく、分散質粒子の含有量は、1〜90重量%の範囲内であることが好ましい。また、分散剤の含有量は、分散質粒子に対して1〜300重量%の範囲内が好適である。分散媒の含有量は、分散体組成物の全体を100重量%として、1〜99重量%の範囲内であることが好ましい。分散質粒子の平均粒径は1〜500nmの範囲内であることが好ましく、1〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
本発明の分散剤は公知の方法で製造することができる。例えば、アルコール、アミン、チオールにアルキレンオキシドを付加した一般的な非イオン界面活性剤化合物を原料として、モノハロゲン化低級カルボン酸またはその塩を用い、塩基存在下でアルキレンオキシド末端の水酸基と反応させる方法、または、酸無水物を用いてアルキレンオキシド末端の水酸基との開環反応による方法により製造することができるが、これらの方法に限定するものではない。
また、本発明の分散体組成物は公知の撹拌手段、均一化手段、分散化手段を用いて調製することができる。採用することができる分散機の一例としては、2本ロール、3本ロールなどのロールミル、ボールミル、振動ボールミルなどのボールミル、ペイントシェーカー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミルなどのビーズミル、サンドミル、ジェットミルなどが挙げられる。また、超音波発生浴中において分散処理を行うことも出来る。
また、本発明の分散剤は、非水性分散媒中での分散質粒子の分散安定化に対して、公知技術に比べて優れた分散安定化効果を発揮するのみならず、分散質粒子を媒体中から安定に取り出すための保護剤として使用することができる。分散質粒子を媒体中から安定に取り出すための保護剤の機能としては、生成粒子の凝集抑制、容器壁面への吸着抑制及び汚染防止、易再分散性付与、金属粒子の酸化防止、粒子表面の表面改質、機能性表面の劣化防止、溶媒の置換や極性変更時のショック緩和、粉末の流動性改良、粉末の固化防止などが挙げられる。本発明の分散剤は公知の保護剤よりも前記機能に優れ、アルキレンオキシドの付加形態とその付加モル量、疎水基の種類や連結基などを最適選定することにより、公知の保護剤よりも一層広範な分散媒に所望の分散質を分散安定化できる。
非水性分散媒として樹脂を用いた本発明の分散体組成物を含有するコーティング組成物または非水性分散媒として溶剤を用いた本発明の分散体組成物と樹脂との混合物を含有するコーティング組成物を塗布する基材としては、例えば、ガラス、樹脂フィルム、ガラスコンポジット、セラミックス、金属・鋼板などを使用することができる。
以下に本発明の実施例および比較例について説明する。なお、以下において、配合量を示す「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。言うまでもないが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更や修正が可能である。
<分散剤の合成>
製造例1(スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド8モル付加物の合成)
オートクレーブに、スチレン化フェノール(k=3)415g(1モル)、水酸化カリウム1g(0.018モル)を仕込み、均一に混合した。その後、反応系の温度が130℃の条件で、エチレンオキシド352g(8モル)を反応系に滴下した。エチレンオキシドの滴下終了後、この温度で圧力0.1MPaに維持し1時間熟成させて、スチレン化フェノール8EO付加物を得た。
製造例2((スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド14モル付加物の合成)
製造例1においてエチレンオキサイドの添加量を616g(14モル)とした以外は製造例1と同様の方法で行い、スチレン化フェノール14EO付加物を得た。
製造例3(分散剤1の合成)
トルエン溶媒中に、製造例1で得られたスチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド8モル付加物767g(1モル)およびモノクロロ酢酸ナトリウム152g(1.3モル)を反応器にとり、均一になるよう撹拌した。その後、反応系の温度が60℃の条件で、水酸化ナトリウム52gを添加した後、反応系の温度を80℃に昇温させ、3時間熟成させた。熟成後、50℃まで冷却し、50℃の条件で98%硫酸117g(1.2モル)を滴下することにより、白色懸濁溶液を得た。次いで、この白色懸濁溶液を蒸留水で洗浄し、溶媒を減圧留去することにより、実施例1に記載の分散剤1(R:スチレン化フェニル基(k=3)、AO:エチレンオキシド、n:8、X:O、Y:CH)を得た。
製造例4(実施例2の分散剤の合成)
製造例3において、スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド8モル付加物に代えて、スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド14モル付加物1020g(1モル)とした以外は製造例1と同様の方法で行い、実施例2に記載の分散剤(R:スチレン化フェニル(k=3)、AO:エチレンオキシド、n:14、X:O、Y:CH)を得た。
製造例5(実施例3の分散剤の合成)
スチレン化フェノール(k=2)エチレンオキシド8モル付加物654g(1モル)およびコハク酸無水物100g(1モル)を120℃で2時間反応させることで実施例3に記載の分散剤(R:スチレン化フェニル基(k=2)、AO:エチレンオキシド、n:8、X:O、Y:COCHCH)を得た。
製造例6(実施例4の分散剤の合成)
製造例3において、スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド8モル付加物に代えて、スチレン化フェノール(k=2)エチレンオキシド8モル付加物654g(1モル)を使用した以外は製造例1と同様の方法で行い、実施例4に記載の分散剤4(R:スチレン化フェニル基(k=2)、AO:エチレンオキシド、n:8、X:O、Y:CH)を得た。
製造例7(比較例1の分散剤の合成)
製造例3において、原料のEO付加物として、スチレン化フェノール(k=3)エチレンオキシド8モル付加物に代えて、イソトリデシルアルコールエチレンオキシド10モル付加物640g(1モル)を用いた以外は製造例3と同様の方法で行い、比較例3に記載の分散剤(R:イソデシル基、AO:エチレンオキシド、n:10、X:O、Y:CH)を得た。
なお上記で示した各材料およびそれ以外の実施例、比較例で使用した材料はすべて市販の材料を用いた。
<酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の作製>
市販の酸化ジルコニウム分散体(堺化学社製の商品名SZR−M、一次粒子径3nm、30重量%のメタノールを含有する分散体)100部に、以下の表1に示す分散剤1.5部と、フェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬社製の商品名ニューフロンティアPHE)又は フェニルチオエチルアクリレート(DAELIN Chemical Co.Ltd製、商品名:Electromer HRI−01)又はo−フェニルフェノキシエチルアクリレート28.5部と、3−メトキシ−3−メチルブタノール12部とを添加して混合した後、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを減圧除去し、酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体を得た。o−フェニルフェノキシエチルアクリレートについては、市販の材料を用いて分散体を作成した。
<分散体の特性評価>
a.外観の透明性
酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体を透明のガラス容器に入れ、上記ガラス容器の下に、12ポイントで印字したアルファベットを記した紙を置き、その分散体越しにアルファベットを判別できるかどうかにより、分散体の透明性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:分散体を1cm深さのガラス容器に入れたときに、12ポイントのアルファベット文字がはっきり見える。分散体が透明である。
×:分散体を1cm深さのガラス容器に入れたときに、12ポイントのアルファベット文字がはっきり見えない。分散体に濁りがある。その結果を表1に示した。
b.分散体の粘度評価
分散性が良好であった酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の粘度に関して、E型粘度計(東機産業社製の商品名RE−80R)を用いて25℃で測定を行った。その結果を表1に併せて示した。
c.分散体の屈折率評価
分散性が良好であった酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の屈折率に関して、アッベ屈折率計測機(アタゴ社製の商品名NAR−IT)を用いて25℃で測定を行った。その結果を表1に併せて示した。
Figure 2012130884
表1からわかるように、疎水基に芳香環を含み、末端基がカルボン酸である分散剤を用いた実施例1〜6は、芳香族系のアクリレートモノマーを含む分散質に対し、非常に優れた分散性を示すことがわかる。一方、疎水基に芳香環を含まない比較例1〜3および6の場合、実施例1〜6と同じ分散剤添加量では分散性が悪い結果となった。さらに、疎水基に芳香環を含む場合であっても、末端基がカルボン酸ナトリウム塩である比較例4、または、末端基がアルコールである比較例5の場合、溶媒への分散性が大きく劣る結果となった。このことから、本発明においては、芳香環とともに末端基のカルボン酸が分散性に重要な役割を有していることが分かる。
実施例1〜6に示す分散体には、分散剤とアクリレートモノマー種の組み合わせよっては、希釈溶媒を含まない条件にも関わらず、1400〜4000mPa・secと粘度が低いものがある。分散体の粘度が低いと、基材上へコーティングが容易となるため、産業的な価値が高いと言える。
また、実施例1〜6に示す分散体の屈折率は1.6〜1.645であり、それぞれもとのアクリレートモノマー種と比較して向上しており、本発明の分散剤と酸化ジルコニウムを用いた分散体組成物を用いることで、透明性と高屈折率性に優れた分散体組成物、およびコーティング材料を提供することができる。
本発明の分散体組成物は、ハイブリッド材料、表面保護剤、導電性ペースト、導電性インク、センサー、精密分析素子、光メモリ、液晶表示素子、ナノ磁石、熱伝媒体、燃料電池用高機能触媒、有機太陽電池、ナノガラスデバイス、研磨剤、ドラッグキャリヤー、環境触媒、塗料、印刷インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキ、光学薄膜、粘着剤、反射防止膜、ハードコート膜等の分野で使用できる。本発明の分散剤は前記用途製品及びその製造工程で主体成分となるナノサイズの無機物由来或いは有機物由来の等方性材料及び/又は異方性材料を非水性分散媒中で分散安定化させて、分散媒中における分散質の凝集を抑制し、長期間分散安定化を達成することで所望する製品特性、加工特性、品質安定化、生産性向上を得るために有効である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で示される化合物からなる分散剤。
    Figure 2012130884
    ただし、式(1)のRは少なくとも1個以上の芳香環を含有する炭化水素基を示し、
    式(1)のAOは炭素数が1ないし4のオキシアルキレン基を示し、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す1ないし30の範囲の数値であり、
    式(1)のXはO原子、S原子、−NR1−(R1はH原子又はC原子、H原子、O原子のいずれかから構成される基)のいずれかから構成される連結基であり、
    式(1)のYはC、H、O原子のいずれかから構成される連結基である。
  2. 式(1)のRは、下記式(2)で示されるスチレン化フェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の分散剤。
    Figure 2012130884
    ただし、式(1)のkは平均値であり、1ないし5の範囲の数値である。
  3. 式(1)のYは、炭素数が1ないし15のアルキレン基、又は下記式(3)で示される官能基であることを特徴とする請求項1記載の分散剤。
    Figure 2012130884
    ただし、式(3)のZは、炭素数が1ないし15のアルキレン基、ビニレン基、フェニレン基およびカルボキシル基含有フェニレン基の中から選択されるいずれかである。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の分散剤で被覆されるか又は該分散剤を含浸してなる無機物粒子。
  5. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の分散剤を用いて無機物粒子を非水性分散媒中に分散してなる分散体組成物。
  6. 非水性分散媒として樹脂を用いた請求項5記載の分散体組成物を含有するコーティング組成物。
  7. 非水性分散媒として溶剤を用いた請求項5記載の分散体組成物と樹脂との混合物を含有するコーティング組成物。
  8. 請求項6または7記載のコーティング組成物を基材上に塗布した後、反応させることにより得られる部材。
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