JP2012130255A - 春雨の製造方法、該製造方法で製造された春雨、およびそれを含む食品 - Google Patents

春雨の製造方法、該製造方法で製造された春雨、およびそれを含む食品 Download PDF

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Abstract

【課題】 春雨特有の食感や風味は変化させずに視認性を向上させた、外観が好ましく具材感のある春雨を提供すること。
【解決手段】 主原料として非湿熱処理澱粉を用い、副原料として湿熱処理澱粉を用いて製造することを特徴とする春雨の製造方法を提供する。特に、非湿熱処理澱粉:湿熱処理澱粉の配合量を質量比で1:0.08〜0.35とし、湿熱処理澱粉としてハイアミロースコーンスターチ湿熱処理澱粉を用いることによって、風味は従来の春雨と同様であるが、調理された食品中において、視認性に優れ、好ましい外観を有しているため、従来の春雨よりも具材感が向上された春雨を製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は春雨に関し、詳しくは、鍋料理だけでなく、スープやサラダなどの料理の具材として用いるに適した春雨の製造方法、該製造方法で製造された春雨、およびそれを含む食品に関する。
春雨は、澱粉を原料として、澱粉の糊化、澱粉の老化の工程を経て製造される食品素材であり、鍋料理や炒め物の具材として広く用いられて来た。従来、鍋料理で煮込んだ場合においても湯伸びせずコシのある春雨など、食感の改善を目的とした技術開発がなされている(例えば特許文献1参照)。
近年、春雨の新たな用途として、煮込まずに復水させて即席スープの具材として用いられたり、サラダの具材として広く用いられるようになって来ている。それに伴い、春雨に対する新たな機能が求められるようになった。
たとえば、即席スープの具材として用いる場合に、湯を注いでスープ成分を溶解し、同時に春雨を復水させた場合、スープの味が春雨に染み込むまでに時間がかかることから、これを解消するために、調味素材を春雨中に練り込んだ味付け春雨の開発が行われている(例えば特許文献2、3参照)。
また、春雨の風味付けとして、澱粉原料に色素や様々な色のついた食材を混合させて着色させた春雨が開発されているが(例えば特許文献3、4参照)、これらは春雨独特の風味や食感が損なわれた春雨であった。
このように、風味や食感は変化させずに、視認性を好ましい形で向上させることを目的とした春雨の開発はなされて来なかった。
一方、湿熱処理澱粉は各種食品の素材として広く用いられているが、視認性向上のために用いることは知られておらず、また春雨の原料として配合された例はなかった。
特開2006−141279号公報 特開2010−104279号公報 特開2007−159545号公報 特開2008−271954号公報
春雨を鍋料理や、スープ用・サラダ用の具材として用いる場合に、他の具材と比較して物足りなく感じられることや、鍋料理などの従来から用いられている料理においても、具材感が乏しく、主たる具材とするには物足りなく感じられる。このため、食しても十分な満足感が得られず、その用途も限られることから、より具材感のある春雨が求められている。
本発明者らは、春雨の具材としての価値を高めることを意図して、春雨特有の食感を保持させたままで、鍋料理用具材としてだけでなく、スープやサラダの具材にも適した春雨の開発を目指した。そして、本発明者らは、春雨の具材感には視覚での刺激が重要であることを見出し、また、即席スープや鍋スープなどのスープ中において、春雨が視覚的に容易に認識可能であったり、他の具材と視覚的に識別できること、すなわち「視認性」が、具材感と密接に関係しているとの知見を得た。さらに、本発明者らは、春雨の具材感を高める方法として、視認性を好ましい形で高めることが重要であることが分かった。
本発明の目的は、春雨特有の食感や風味は変化させずに視認性を向上させた、外観が好ましく具材感のある春雨の製造方法、該方法で製造された春雨、およびそれを含有する食品を提供することにある。
本発明者らは、澱粉原料に色素や様々な色のついた食材を混合させて着色させた春雨が開発されていることから、当初、着色させることにより容易に視認性を高められると考えた。
しかし、これらの方法では、製品保管中に経時的に色調が変化したり、調理中や喫食中に色素成分が春雨から溶出して色調が変化したり、香味成分が溶出することによって、料理の色調や風味を損ねてしまう欠点があった。
また、これらの着色させた春雨は、従来の春雨とは外観が大きく異なることから、春雨と認識されがたく、汎用性も乏しいものであった。
さらに、これらの方法は澱粉の老化に影響を及ぼす場合もあるため、加工適性が低下したり、製品春雨の物性が低下して食感も好ましいものではなかった。
本発明者らは、春雨として違和感がなく、料理の他の食材との見た目のなじみがよく、汎用性が高いことから、白色系が春雨として最も好ましい色調であると考えるとともに、春雨特有の食感を保持し、風味は変化させずに、視認性を向上させる方法を種々検討した。
そして、澱粉の種類を選択することによって、目的とする視認性の高い春雨を製造できると考え、種々の種類の澱粉について検討した。検討した澱粉の中には、春雨製麺時はある程度白色度の高いものもあったが、調理すると灰色がかった、くすんだ白色となり、色調として好ましくなく、さらに業務用サラダの具材などのように、茹で調理してから実際に喫食するまでの間に時間がかかる場合には、調理後徐々に春雨の色調の変化が起こり、外観が損なわれてしまうため、好ましいものではなかった。
このため、外観の好ましさを有し、かつ視認性が高い春雨を製造する方法について鋭意検討した。
本発明者らは、春雨の主原料である澱粉と分子的に類似する澱粉系原料を副原料として用いれば、澱粉のみの場合と同様な食感や呈味が期待できるとともに、主原料の澱粉との間の分子間相互作用が期待でき、復水した場合や煮込んだ場合でも、相互作用により容易に構造が変化せず、安定した物性を有する春雨が製造可能であるとの考えに至り、主原料である澱粉と構造的に類似している澱粉系の原料に着目した。
春雨は、澱粉を原料として、澱粉の糊化、澱粉の老化の工程を経て、製造される。
湿熱処理澱粉は、澱粉を湿熱処理することによって製造される澱粉系原料であるが、澱粉が老化しにくいことが知られており、このため、湿熱処理澱粉を副原料として用いると春雨の物性に悪影響を及ぼすと予想された。
ところが、意外にも老化しにくいことが知られている湿熱処理澱粉を春雨中に多量に含有させても、春雨の食感に大きな影響を与えず、かつ調理後も好ましい白色の色調とすることができることを見出し、さらに湿熱処理澱粉としてハイアミロース湿熱処理澱粉を用いると、特に好ましい所望の具材感が得られることが分かった。
湿熱処理澱粉の配合量は、対澱粉質量比で0.08〜0.35が好適であった。
そして、前記製造条件で製造された春雨は、明度(L*)が72.0〜74.4の範囲内であり、茹で調理した場合の明度(L*)として42.0〜54.0の範囲内であり、食品中で容易に識別できるようになり、外観も好ましく、かつ春雨としての食感、風味とも従来の春雨と同様であることを見出した。
さらに、各種食品の原材料として前記製造方法で製造した春雨を用いると、素材感を有する春雨を製造できることを見出し、前記方法で製造された春雨を具材として用いた食品に好適に用いることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に係る本発明は、主原料として非湿熱処理澱粉を用い、副原料として湿熱処理澱粉を用いて製造することを特徴とする春雨の製造方法である。
請求項2に係る本発明は、非湿熱処理澱粉:湿熱処理澱粉の配合量の質量比を1:0.08〜0.35とする、請求項1に記載の春雨の製造方法である。
請求項3に係る本発明は、湿熱処理澱粉が湿熱処理ハイアミロースコーンスターチである、請求項1または2に記載の春雨の製造方法である。
請求項4に係る本発明は、非湿熱処理澱粉が、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、緑豆澱粉、甘藷澱粉、及びタピオカ澱粉からなる群から選ばれた1種以上の澱粉である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の春雨の製造方法である。
請求項5に係る本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された春雨である。
請求項6に係る本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された、L*a*b*表色系による明度が72.0〜74.4である春雨である。
請求項7に係る本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された、茹で調理後のL*a*b*表色系による明度が42.0〜54.0である春雨である。
請求項8に係る本発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の春雨が具材として含まれた食品、または当該春雨が具材として収納された食品セットである。
本発明で製造される春雨は、茹で調理後の風味は従来の春雨と同様であるが、調理された食品中において、視認性に優れ、好ましい外観を有しているため、従来の春雨よりも具材感が向上されている。
よって、本発明の春雨は、従来の鍋料理や炒め物の副具材としての利用にとどまらず、前記料理やスープ、サラダなどの主具材としても種々の利用が可能であり、春雨の用途を拡大することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における春雨の製造方法は、主原料として非湿熱処理澱粉を用い、副原料として湿熱処理澱粉を用いて製造することを特徴とするものである。
本発明における「春雨」は、非湿熱処理澱粉を主原料とし、湿熱処理澱粉を副原料として用いて製造した麺状食品である。
本明細書における「視認性」とは、調理食品中での存在の認識されやすさを指し、具体的には、鍋スープや即席スープなどの液状食品やサラダなどの食品において、春雨の存在を容易に肉眼で見つけることができるかどうかで評価する。
本発明に用いることができる「非湿熱処理澱粉」としては、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、緑豆澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉などの、湿熱処理が施されていない澱粉が挙げられる。特に馬鈴薯澱粉、コーンスターチは入手が容易で品質的にも安定していることから、好適に用いられる。また、澱粉はなるべく不純物を含まないものを使用することが好ましい。これらの澱粉は、1種のみで、又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、本明細書において、単に「澱粉」と記載した場合には「非湿熱処理澱粉」のことを指す。
本発明における澱粉の使用量は、全原料に対して50質量%以上であり、好ましくは67質量%〜92.5質量%である。
本発明における「湿熱処理澱粉」としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、またはタピオカ澱粉などの澱粉を、湿熱処理することにより製造される、物理的に処理された澱粉が挙げられる。
湿熱処理の条件は特に限定されず、市販されている湿熱処理澱粉はいずれも使用することが出来る。
中でも、ハイアミロースコーンスターチを湿熱処理して調製された湿熱処理ハイアミロースコーンスターチは、少量の使用で春雨の視認性を向上させることができることから、本発明の湿熱処理澱粉として特に好適に用いられる。
本発明において、澱粉に対する湿熱処理澱粉の配合比は、質量ベースで、澱粉1に対して湿熱処理澱粉0.08〜0.35、好ましくは0.11〜0.25、より好ましくは0.12〜0.22の比率(質量比)とする。
澱粉に対する湿熱処理澱粉の質量比を0.08〜0.35とすることで、春雨の外観の好ましさは向上するが、食感は湿熱処理澱粉を使用しない春雨と同様な春雨の好ましい食感が保持されており、その結果、春雨の嗜好性も向上する。
澱粉に対する湿熱処理澱粉の質量比が0.08より低いと、湿熱処理澱粉を使用しない春雨と比べて明度に差がなく、春雨の視認性が向上しない。
澱粉に対する湿熱処理澱粉の質量比が0.35より高いと、湿熱処理澱粉を使用しない春雨と比べて明度に差が有り、視認性は向上するが、食感が低下し、好ましくない。
また、本発明における湿熱処理澱粉の配合量は、澱粉に対して前記質量比の範囲内であればよいが、好ましくは、全原料に対して7.5質量%〜25質量%であり、より好ましくは11質量%〜18質量%である。
湿熱処理澱粉の配合量を7.5質量%〜25質量%とすることで、春雨の外観の好ましさは向上するが、食感は湿熱処理澱粉を使用しない春雨と同様な春雨の好ましい食感が保持されており、その結果、春雨の嗜好性も向上する。
本発明において、澱粉および湿熱処理澱粉以外の原料として、カルシウムなどのミネラル、キサンタンガム等の増粘多糖類、ペクチン等のゲル化剤、クエン酸等の有機酸などの食品添加剤等も適宜用いることができる。
澱粉および湿熱処理澱粉以外の原料を用いる場合には、その配合量は、春雨特有の食感や風味を損なわず、かつ、湿熱処理澱粉を配合することによる視認性の向上を妨げない量にする必要がある。
食品添加剤等を使用する場合の配合量は、副原料である湿熱処理澱粉の配合量よりも少なくすることが望ましく、通常は全原料に対して7.5質量%より少なくし、好ましくは1質量%以下で用いる。
本発明の春雨の製造方法において、上記以外の製造条件については、一般的な春雨の製造方法と同様とすることができる。
すなわち、本発明における春雨の製造方法としては、原料と水との混練工程、蒸煮等による混合物の糊化工程、低温処理による糊化物の澱粉老化工程、および澱粉老化物の乾燥工程から実質的になる、一般的な方法が採用される。
以下に、一般的な春雨の製造工程の一例を具体的に示す。
まず、原料と水との混練工程においては、原料と水を混合して、澱粉を主とする澱粉スラリーを調製する。
次の糊化工程においては、澱粉スラリーを真空脱気した後に、押し出しによって熱湯中に投入して糊化する。または、澱粉スラリーを薄層に展開して、蒸煮等によって糊化する。
次いで、澱粉老化工程では、冷蔵温度環境下、あるいは、冷凍温度環境下で澱粉を老化させた後、麺状に成形する。
その後、乾燥工程に移る。
乾燥は、熱風乾燥や凍結乾燥などの種々の方法を用いることができる。熱風乾燥であれば、通常、60℃〜100℃程度の温度で、数分〜3時間程度送風して乾燥させる。また、凍結乾燥の場合には、通常、棚温度を50〜70℃程度とし、10〜24時間程度乾燥を行う。
上記工程を経て製造される本発明の春雨は、湿熱処理澱粉を用いない場合と比較して、春雨での明度が上昇し、茹で調理後ではその差はさらに大きくなるため、半透明のスープなどの調理食品中でも肉眼で容易に識別することができ、色調も白色を帯びているため、好ましい外観を有している。
本発明において「明度」とは、L*a*b*表色系による明度(L*値)を指す。
明度(L*値)の測定は、例えば測色計(CR−400:コニカミノルタセンシング社製)を用いて、照明・受光光学系:D/0(拡散照明垂直受光方式)、観察光源:C(通常の光)の条件にて行うことが可能である。
上記工程を経て製造される本発明の春雨の明度(L*)は72.0〜74.4であり、好ましくは73.0〜74.1である。
春雨の明度が72.0より低いと、調理後の視認性が向上せず、明度が74.4より高いものであると、視認性は向上するが、湿熱処理澱粉の配合量が多すぎるために食感が低下し、好ましくない。
上記工程を経て製造される本発明の春雨を茹で調理した後の春雨の明度(L*)は、42.0〜54.0であり、好ましくは45.0〜50.0である。
本発明の春雨の「茹で調理後の明度」を測定するための茹で調理の条件は、沸騰水中で約4分間の加熱調理とする。
本発明の方法で製造される春雨は、調理された食品中での視認性に優れているばかりでなく、麺線への加工適性の点でも優れており、麺線形状に加工しやすいため、製造ロスが少なく、また麺線の切断面が平滑であるため、形状の点でも好ましさを有している。
本発明の方法で製造される春雨は、従来の春雨と同様な条件で調理可能であり、風味も同様であるが、調理された食品中での視認性に優れており、具材感が向上しており、調理後も高い視認性や外観が維持されている。
そのため、従来の鍋料理や炒め物の副具材にとどまらず、鍋料理・炒め物の主具材やスープの主具材、サラダ用の盛り付け具材・飾りつけ具材などの具材として好適に用いることができる。
本発明は、このように本発明の春雨を具材として含む食品も提供する。
また本発明の春雨は、鍋料理用調味料と本発明の春雨とを組み合わせた鍋料理用具材セットや、スープと本発明の春雨とを組み合わせた、熱湯を注加して喫食する即席タイプの春雨スープセットなど、本発明の春雨を具材とする各種料理用の食品セットとして用いることができる。
本発明は、このように本発明の春雨を具材として含む食品セットも提供する。
以下に本発明をより具体化した実施例を記載するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]湿熱処理澱粉の配合量の影響
(1)春雨の製造方法
市販馬鈴薯澱粉および湿熱処理ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含量70%以上のコーンスターチを湿熱処理したもの)を、表1に記載の量、秤取り、水100gとともに容器に入れ、撹拌機(東京理化器械株式会社製、製品名:MAZELA)を用いて、600rpmの回転数で10分間混練した。
混練物を5分間脱気した後、混練物を50g秤取り、市販のチャック付きビニール袋に入れ、混練物に空気が封入されないように注意して、厚さ1mmになるように薄層状に展開した。
次いで、薄層物が入ったビニール袋を沸騰水中に5分間浸漬して澱粉を糊化し、予備冷却した後、冷蔵庫に入れ、4℃で2時間放置して、澱粉を老化させた。その後、ビニール袋から薄層物を取り出し、パスタマシーンを用いて1mmの幅で麺状にカットした。この麺状物を60℃で2時間乾燥させて、湿熱処理ハイアミロースコーンスターチ含量が異なる春雨を得た。
(2)(1)で製造された春雨の評価
(1)で製造した湿熱処理ハイアミロースコーンスターチの配合量の異なる春雨30gを沸騰水1L中で4分間茹でて調理した。
茹でた春雨7gをカップ状の食器(容量100mL)に入れ、さらに鶏がらスープ(株式会社ミツカン製、商品名「鶏がらつゆ」100mLを湯1Lに溶解したもの)30mLを注いで、春雨スープを作成し、熟練した官能検査員4名にて官能評価(「春雨の視認性」、「春雨の外観の好ましさ」、「春雨の食感の好ましさ」及び「春雨スープとしての嗜好」の4項目)を行った。
「春雨の視認性」は、湿熱処理ハイアミロースコーンスターチ含量が異なる7サンプルを一列に並べ、静置した状態で評価した。
具体的には、半透明の鶏がらスープ中の春雨麺線の存在量を肉眼で観察し、視覚的に捉えられるスープ内の春雨の麺線量が多いか、少ないかをサンプル間で相互比較して評価した。
官能評価は、「春雨の視認性」、「春雨の外観の好ましさ」、「春雨の食感の好ましさ」、の各項目については、5段階評価で行い、各評点は下記のように設定した。また、総合評価として「春雨スープとしての嗜好」の官能評価を3段階評価で行った。
春雨の視認性
評点1:スープ中の春雨の麺線が極めて見つけにくい
評点2:スープ中の春雨の麺線が見つけにくい
評点3:スープ中の春雨の麺線をある程度見つけられる
評点4:スープ中の春雨の麺線が見つけやすい
評点5:スープ中の春雨の麺線が極めて見つけやすい
春雨の外観の好ましさ
評点1:具材として好ましくない
評点2:具材としてあまり好ましくない
評点3:どちらとも言えない
評点4:具材として好ましい
評点5:具材として極めて好ましい
春雨の食感の好ましさ
評点1:春雨として好ましくない
評点2:春雨としてあまり好ましくない
評点3:春雨としてどちらとも言えない
評点4:春雨として好ましい
評点5:春雨として極めて好ましい
春雨スープとしての嗜好
評点○:対照区より、好む
評点△:対照区と同等に好む
評点×:対照区より、好まない
明度(L*)の測定は、次のように行った。
すなわち、春雨をミキサーで粉砕して粉状とし、篩を用いて粒径を揃えたもの(24メッシュの篩をパスし、32メッシュの篩をパスしなかったもの)を1.5g用意し、測定用の直径35mmの容器に入れ、厚さを1.2mmとした。これを黒色板の上に置いて、色彩色差計(コニカミノルタセンシング社製、CR−400)を用いて、照明・受光光学系:D/0(拡散照明垂直受光方式)、観察光源:C(通常の光)の条件で測定した。
また、茹でて調理した春雨についても、茹でた春雨を水中で3回水洗いして室温まで冷却したものを用いて、上記と同様な方法で明度を測定した。なお、測定に供した春雨は、厚さほぼ1.8mmのものを用いた。
明度の測定は5回行い、平均値を求めた。
結果を表1に示した。
表1に示されるように、湿熱処理澱粉の配合量の上昇に伴って明度(L*)が上昇したが、配合量が12質量%を超えると明度の値はほぼ一定になった。
また、茹で上がった春雨の明度(L*)も同様に上昇したが、湿熱処理澱粉の配合量20%質量までは直線的に上昇し、20質量%を超えると逆に低下した(比較例2)。
明度の上昇に伴って「視認性」も向上するが、湿熱処理澱粉の配合量が5質量%の春雨では明度も上昇せず、視認性も十分ではなかった(比較例1)。
茹で調理後の春雨は白色であり、「外観の好ましさ」は、湿熱処理澱粉の配合量20質量%までは視認性と連動して向上したが、20質量%を超えると逆に低下した(比較例2)。
また、湿熱処理澱粉の配合量が10質量%〜20質量%の春雨は、調理後室温に放置しても、対照区と比較して長時間、外観の好ましさが高く維持された。
一方、「食感の好ましさ」は、湿熱処理澱粉の配合量が12質量%〜20質量%の春雨で向上したが、その程度は小さく、湿熱処理澱粉は外観ほど食感には影響しなかった。
なお、いずれのサンプルも、春雨としての異味・異臭はせず、総合評価としての「春雨スープとしての嗜好」は、視認性が高かった湿熱処理澱粉の配合量10質量%〜20質量%の春雨ではいずれも対照よりも好まれた。
以上のように、湿熱処理澱粉を10質量%〜20質量%配合することにより、すなわち、湿熱処理澱粉を対馬鈴薯澱粉の質量比で0.11〜0.25の割合で副原料として配合することにより、外観の好ましさを有しながら、春雨の視認性を顕著に向上させることができた。
Figure 2012130255
本発明の春雨は、視認性に優れ、好ましい外観を有しているため、従来の春雨よりも具材感が向上されており、春雨の用途を拡大することができる。よって、本発明は食品産業において広く利用されるものと期待される。

Claims (8)

  1. 主原料として非湿熱処理澱粉を用い、副原料として湿熱処理澱粉を用いて製造することを特徴とする春雨の製造方法。
  2. 非湿熱処理澱粉:湿熱処理澱粉の配合量の質量比を1:0.08〜0.35とする、請求項1に記載の春雨の製造方法。
  3. 湿熱処理澱粉が湿熱処理ハイアミロースコーンスターチである、請求項1または2に記載の春雨の製造方法。
  4. 非湿熱処理澱粉が、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、緑豆澱粉、甘藷澱粉、及びタピオカ澱粉からなる群から選ばれた1種以上の澱粉である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の春雨の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された春雨。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された、L*a*b*表色系による明度が72.0〜74.4である春雨。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造された、茹で調理後のL*a*b*表色系による明度が42.0〜54.0である春雨。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の春雨が具材として含まれた食品、または当該春雨が具材として収納された食品セット。
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