JP2012127358A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの出力を充分に確保しつつ触媒の熱害発生の可能性を低減することができるエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】運転状態が高負荷時には吸気開時期を中負荷時の目標値に対して遅角させる又は排気閉時期の目標値を中負荷時の目標値に対して進角させるかの少なくともいずれか一方を行い、運転状態が中負荷時には、吸気開時期の目標値を高負荷時の目標値に対して進角させる又は排気閉時期の目標値を高負荷時の目標値に対して遅角させるかの少なくともいずれか一方を行うようにし、さらに、大気圧が低いほど中負荷時の吸気開時期の目標値を遅角させる又は中負荷時の排気閉時期の目標値を進角させるかの少なくともいずれか一方をする。
【選択図】図5

Description

本発明は、触媒の温度に応じて最適なバルブオーバラップ量となるように可変バルブタイミング機構を制御して、エンジンの出力を充分に確保しつつ触媒の熱害発生の可能性を低減したエンジンの制御装置に関する。
自動車等に搭載されるエンジンには、近年、吸気弁を開く時期(吸気開時期)と排気弁を閉じる時期(排気閉時期)とを連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構(VVT機構)を具備するものがある。このVVT機構を制御することで、バルブオーバラップ量(吸気開時期から排気閉時期までの区間)を連続的に変更することが可能である。一般的に、低中負荷領域においてはバルブオーバラップ量を増大させ、内部EGR量を増大させることにより排出ガス浄化性能の向上とポンピング損失の低減による燃費の向上が図られている。一方、高負荷域においては、出力を向上させるという観点から吸気開時期及び排気閉時期をVVT機構で制御しており、バルブオーバラップ量について言えば、エンジン回転速度の上昇に伴って比較的小さい状態から大きい状態に変化し、そして再度小さい状態へと変化することになる。このように吸気弁を開くタイミング(吸気開時期)及び排気弁を閉じるタイミング(排気閉時期)は運転状態に応じて適宜制御されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、自動車等に搭載されるエンジンから排出される排気ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等、環境に悪影響を与える虞のある汚染物質が含まれている。このため、一般的には、エンジンから排出される排気ガスが通過する排気通路に、例えば、上記汚染物質を分解(還元等)するための触媒が配されており、排気ガスができるだけ無害化された状態で大気中に放出されるようにしている。
特許第2749226号公報
上述したVVT機構を具備するエンジンでは運転状態によって所望の吸気開時期及び排気閉時期が適宜設定され、それに応じてバルブオーバラップ量が変化する。またこのバルブオーバラップ量の変化に伴って触媒に流れ込む未燃混合気の量が変化する。例えばバルブオーバラップ量の増加に伴って触媒に流れ込む未燃混合気の量も増大する。そして触媒に流れ込む未燃混合気の量が必要以上に増大すると、触媒の温度がその許容温度を越えて上昇してしまい、熱劣化や溶損といった熱害が生じてしまう虞がある。
詳細には、バルブオーバラップ量は、通常、平地(標準状態)の運転状態に合わせて設定されているため、平地の運転状態では、勿論、問題なく設定されるが、例えば、大気圧の低い高地では運転状態に適さない設定となる虞がある。
例えば、平地では、低中速の全負荷(スロットルバルブ全開)で高出力を要求している場合、出力を向上させるという観点からバルブオーバラップ量は比較的小さな値となる。一方、高地では、全負荷で高出力を要求している場合であっても、空気密度の低下に伴って吸入空気重量が減少する。このため、全負荷にも拘わらず目標とするバルブオーバラップ量は、排出ガス浄化性能の向上とポンピング損失の低減による燃費の向上を目的とした比較的大きな値となるため、高地では、未燃混合気が必要以上に触媒に供給され易くなる。
さらに、高地では平地に対して大気圧が低いため排圧は下がり、筒内と排気管との差圧が大きくなる。このため、バルブオーバラップ量を固定し筒内への吸入空気重量が同一の場合を考えると、バルブオーバラップ中に筒内から排気管へと吹き抜けてしまう空気重量が高地では平地よりも多いと考えられ、その結果、高地では、多量の未燃混合気が触媒に流入し易い。また運転状態が高負荷(空燃比は出力空燃比狙い)であると、空燃比はリッチ(未燃分の燃料が多い)状態であるため、多量の未燃混合気が触媒にさらに流入し易い。
このためVVT機構を具備するエンジンでは、上述したように触媒の温度が許容温度を超えてしまい、触媒に熱害が生じる虞がある。特に、高地では、このような触媒の熱害が生じ易い。
なお、特許文献1等に記載の制御装置では、大気圧に応じてバルブタイミングを適宜設定して、高地における出力低下を防止している。このように大気圧に応じてバルブタイミング(オーバラップ量)を設定することで、上述した触媒の熱害といった問題もある程度は抑制できるかもしれないが、触媒の熱害は、平地、高地に拘わらず大気圧以外の要因でも発生する虞はあり、単に大気圧に応じてバルブタイミングを制御することだけでは、触媒の熱害を回避する対策としては充分とはいい難い。
なお、このような問題は、高地において特に生じやすいが、勿論、平地においても生じる虞はある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの出力を充分に確保しつつ触媒の熱害発生の可能性を低減することができるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、吸気弁又は排気弁の何れか一方或いは双方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有するエンジンの制御装置であって、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、吸気量から充填効率を算出する充填効率算出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記充填効率算出手段により求まる充填効率と前記運転状態検出手段から検出された運転状態から前記吸気弁を開く時期である吸気開時期の目標値と前記排気弁を閉じる時期である排気閉時期の目標値との少なくとも一方を設定する目標値設定手段と、を備え、前記目標値設定手段は、前記運転状態が高負荷時には前記吸気開時期を中負荷時の目標値に対して遅角させる又は前記排気閉時期の目標値を中負荷時の目標値に対して進角させるかの少なくともいずれか一方をし、前記運転状態が中負荷時には、前記吸気開時期の目標値を高負荷時の目標値に対して進角させる又は前記排気閉時期の目標値を高負荷時の目標値に対して遅角させるかの少なくともいずれか一方をし、さらに、大気圧が低いほど前記中負荷時の吸気開時期の目標値を遅角させる又は前記中負荷時の排気閉時期の目標値を進角させるかの少なくともいずれか一方をすることを特徴とするエンジンの制御装置にある。
本発明の第2の態様は、前記制御装置は触媒温度検出手段と、前記触媒温度検出手段の検出結果に基づいて前記目標値設定手段によって設定された目標値を補正する補正手段と、を備え、且つ前記補正手段は、前記触媒温度検出手段の検出結果が予め設定された設定温度を越えているときに、前記目標値を減少させることを特徴とする第1の態様のエンジンの制御装置にある。
本発明の第3の態様は、前記設定温度は上下限値を備え、前記補正手段は前記上限値を超える場合に、前記吸気開時期の目標値を遅角させる又は前記排気閉時期の目標値を進角させるかの少なくともいずれか一方をし、前記下限値を下回る場合に前記吸気開時期の目標値を進角させる又は前記排気閉時期の目標値を遅角させるかの少なくともいずれか一方をすることを特徴とする第2の態様のエンジンの制御装置にある。
本発明の第4の態様は、前記エンジンが、過給機を備え、前記補正手段は、前記過給機によって過給が行われる際に、前記目標値を減少させることを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様のエンジンの制御装置にある。
本発明の第5の態様は、前記目標値設定手段は、前記運転状態が高負荷時には前記吸気開時期を中負荷時の目標値に対して遅角させるとともに前記排気閉時期の目標値を中負荷時の目標値に対して進角させ、前記運転状態が中負荷時には、前記吸気開時期の目標値を高負荷時の目標値に対して進角させるとともに前記排気閉時期の目標値を高負荷時の目標値に対して遅角させることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様のエンジンの制御装置にある。
かかる本発明のエンジンの制御装置では、バルブオーバラップ量が適正となり、エンジンの出力を充分に確保しつつ、触媒に流入する未燃混合気の量の増加に伴う過度の温度上昇を抑えて、熱害の発生に至る事態を回避することができる。
実施形態1に係る制御装置を含むエンジンシステムの概略構成図である。 実施形態1に係るタイミングチャートの一例を示す図である。 実施形態1に係る目標吸気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。 実施形態1に係る目標排気閉時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。 実施形態2に係るタイミングチャートの一例を示す図である。 実施形態2に係る目標吸気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。 実施形態2に係る目標吸気開時期の初期値の演算方法を示すブロック図である。 実施形態2に係る目標排気閉時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。
以下、実施形態に基づいて本発明について説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る制御装置を含むエンジンシステムの概略構成を示す図である。以下、本実施形態では、この制御装置を吸気管噴射型ガソリンエンジンに適用した場合を例に採って説明する。
図1に示すエンジン11は、吸気管噴射型(Multi Point Injection)のエンジンであり、シリンダヘッド12とシリンダブロック13とを有している。シリンダブロック13の各シリンダ14内には、ピストン15が往復移動自在に収容されている。このピストン15とシリンダ14とシリンダヘッド12とで燃焼室16が形成されている。ピストン15は、コンロッド17を介してクランクシャフト18に接続されている。ピストン15の往復運動は、コンロッド17を介してクランクシャフト18に伝達される。
シリンダヘッド12には吸気ポート19が形成されている。この吸気ポート19には吸気マニホールド20が接続されている。吸気ポート19には吸気弁22が設けられており、この吸気弁22は、エンジン回転に応じて回転するカムシャフト23のカム23aに倣って作動して燃焼室16と吸気ポート19との連通・遮断を行うように構成されている。吸気マニホールド20には、例えば、電磁式の燃料噴射弁24が設けられ、この燃料噴射弁24には、図示しないが、燃料バルブを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置が接続されている。
シリンダヘッド12には、さらに排気ポート25が形成されている。この排気ポート25には排気マニホールド26の一端が接続され、排気マニホールド26の他端には排気管(排気通路)27が接続されている。なお、排気ポート25には排気弁28が設けられており、排気弁28は、吸気ポート19における吸気弁22と同様に、カムシャフト29のカム29aに倣って作動して燃焼室16と排気ポート25との連通・遮断を行うように構成されている。
シリンダヘッド12には、各カム23a,29aの回転位相を進角或いは遅角させることで吸気弁22及び排気弁28の開閉タイミングを可変させる可変バルブタイミング機構(VVT機構)30,31が設けられている。これらの可変バルブタイミング機構30,31によって吸気弁及び排気弁を駆動する各カム23a,29aのクランクシャフトに対する位相をそれぞれ変更することで、吸気弁22を開く時期である吸気開時期と排気弁28を閉じる時期である排気閉時期を変更できるようになっている。
可変バルブタイミング機構30,31としては、公知の種々のものを適用することができる。例えば、各カム23a,29aの位相を連続的に変更可能な油圧式のものが好適に用いられる。また、本実施形態では、可変バルブタイミング機構30,31が吸気カム23a及び排気カム29aにそれぞれ設けられているが、可変バルブタイミング機構30,31は吸気カム23a又は排気カム29aの何れか一方に設けられていてもよい。
シリンダヘッド12には、各気筒毎に点火プラグ32が取り付けられている。各点火プラグ32には、高電圧を出力する点火コイル33が接続されている。吸気マニホールド20の上流側にはサージタンク34が設けられている。サージタンク34の上流側には吸気量を調整するスロットルバルブ35が設けられており、併せてスロットルバルブ35の開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)36が設けられている。なおスロットルバルブ35は、図示しないがアクセルペダルの操作に連動して開度が調整される。またスロットルバルブ35の上流には、吸気量を計測するエアフローセンサ37が介装されている。
排気マニホールド26に接続された排気管27には、排気浄化用の触媒38が介装されている。触媒38の上流側には、例えば、触媒38を通過する前の排ガス中の酸素濃度を検出するOセンサ39が設けられている。すなわち、このOセンサ39の出力情報に基づいて排気空燃比が検出され、排気空燃比に応じて燃料噴射量がフィードバック制御されるようになっている。また触媒38には、触媒38の温度を検出するための温度センサ(温度検出手段)40が設けられている。
そして詳しくは後述するが、本実施形態ではこの温度センサ40の検出結果に基づいて吸気開時期及び排気閉時期の目標値を補正し(補正手段)、補正した目標値となるようにVVT機構30,31をフィードバック制御することで(制御手段)、触媒38の熱害の発生を抑制している。
ECU(電子コントロールユニット)41は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。このECU41によって、エンジン11の総合的な制御が行われる。ECU41の入力側には、上述したスロットルポジションセンサ36、エアフローセンサ37、Oセンサ39、温度センサ40等の他、エンジン11のクランク角を検出するクランク角センサ42や、エンジン11の水温を検出する水温センサ43、さらには大気圧を検出する大気圧センサ44等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
一方、ECU41の出力側には、上述の燃料噴射弁24、点火コイル33、VVT機構30,31、スロットルバルブ35等の各種出力デバイスが接続されている。これら各種出力デバイスは、各種センサ類からの検出情報に基づきECU41から所定の情報が出力されている。
本実施形態の制御装置10は、このような各種センサとECU41とで構成されており、以下に詳述するように、各種センサ類によって検出したエンジン11の運転状態等の情報に基づき、吸気開時期と排気閉時期の目標値を適宜設定し(目標値設定手段)、実際の吸気開時期及び排気閉時期がこの目標値となるようにVVT機構30,31をフィードバック制御する(制御手段)。さらに、温度センサ(温度検出手段)40によって検出した触媒38の温度に応じて吸気開時期及び排気閉時期の目標値を適宜補正することで(補正手段)、触媒38の温度上昇を抑えて熱害の発生を抑制している。
本実施形態では、エンジン11の運転状態としてエンジン11のエンジン回転速度Ne及び充填効率Ecを検出し、その検出結果に応じて吸気弁22を開くタイミング(吸気開時期)の目標値(目標吸気開時期)と、排気弁28を閉じるタイミング(排気閉時期)の目標値(目標排気閉時期)とをそれぞれ設定し(目標値設定手段)、実際の吸気開時期及び排気閉時期が上記目標値となるようにVVT機構30,31を適宜フィードバック制御している。
ここで、目標吸気開時期(目標IO)及び目標排気閉時期(目標EC)は、ECU41に記憶されている各マップを参照して設定される。各マップには、平地(標準時)におけるエンジン11のエンジン回転速度Neと充填効率Ecとに応じた目標吸気開時期又は目標排気閉時期がそれぞれマッピングされている。そして運転状態検出手段であるクランク角センサ42によって検出されたエンジン11のエンジン回転速度Neと、運転状態検出手段であるエアフローセンサ37によって検出された吸気量から演算される充填効率Ecとに基づいて、各マップを参照して目標吸気開時期及び目標排気閉時期が設定される。
このように本実施形態では、目標吸気開時期及び目標排気閉時期が、平地の運転状態に応じて作成されたマップを参照して設定される。このため、例えば、大気圧等の変化が生じると、目標吸気開時期及び目標排気閉時期は最適値から外れてしまい、それに伴って触媒38の温度が過度に上昇してしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、温度検出手段である温度センサ40によって触媒38の温度を検出し、その検出結果に基づいて目標吸気開時期及び目標排気閉時期を補正するようにしたので、触媒38の過度の温度上昇を抑えることができる。
図2は、実施形態1に係るタイミングチャートの一例であり、大気圧、スロットルポジションセンサ(TPS)、充填効率Ec、触媒温度、目標吸気開時期及び目標排気閉時期の関係を示す図である。
例えば、図2に示すように、大気圧が比較的高い平地では、高負荷運転時(TPSの開度が全開に近い場合)には充填効率Ecも最大値に近い値まで上昇する。この場合、目標吸気開時期及び目標排気閉時期は出力を重視して設定される。エンジン回転速度にもよるが、目標吸気開時期及び目標排気閉時期はバルブオーバラップ量V1が比較的小さくなるように設定される。つまり目標吸気開時期が吸気上死点を基準として所定量だけ遅角側に設定され、目標排気閉時期が吸気上死点を基準として所定量だけ進角側に設定される。そして実際の吸気開時期が目標吸気開時期となり、実際の排気閉時期が目標排気閉時期となるように、VVT機構30,31がフィードバック制御される。
一方、低中負荷運転時では、例えば、TPSの開度が半開程度であると、充填効率Ecも最大値の半分程度の値(中間値近傍)となる。この場合、目標吸気開時期及び目標排気閉時期は、燃費を重視して、バルブオーバラップ量V2が高負荷運転時のバルブオーバラップ量V1よりも大きくなるように設定される。すなわち目標吸気開時期の吸気上死点を基準とした遅角量が、高負荷運転時よりもさらに増大し、目標排気閉時期の進角量もさらに増大する。そして実際の吸気開時期が目標吸気開時期となり、実際の排気閉時期が目標排気閉時期となるように、VVT機構30,31がフィードバック制御される。
このように目標吸気開時期及び目標排気閉時期が変化すると、それに伴って排気浄化用の触媒38に流れ込む未燃混合気の量が増減して触媒38の温度が変化する。ただし、上述したように目標吸気開時期及び目標排気閉時期は、平地におけるエンジン11の運転状態に応じて作成されたマップを参照して設定されているため、平地においては最適値となるため、基本的に触媒38の温度が許容温度を越えて上昇することはない。
平地よりも大気圧の低い高地では、空気の密度が低下するため平地と同じTPS開度であっても充填効率Ecは低下する。充填効率Ecは、大気圧が低いほど低くなる。図2に示すように、高地における高負荷運転時には、充填効率Ecは最大値近傍まで上昇することはなく、例えば、平地における低中負荷運転時と同様に中間値近傍となることが考えられる。このときの目標吸気開時期及び目標排気閉時期は、平地での運転状態に応じて作成されたマップを参照して設定される。したがって高地では、高負荷運転時であっても、バルブオーバラップ量V3が平地における低中負荷運転時のバルブオーバラップ量V2と同等の値となってしまう。
このため、高地(特に高負荷運転時)では、バルブオーバラップ量が大きくなり過ぎ、触媒38に流れ込む未燃混合気の量が増大してしまう。さらに高地では大気圧の低下に伴って排圧が低下するため、バルブオーバラップ量が平地と同一であっても、触媒38に流れ込む未燃混合気の量が増大してしまう。したがって、高地(特に高負荷運転時)では、触媒38の温度が許容温度を越えて上昇してしまい熱害が生じ易い。
しかしながら本実施形態では、触媒38の温度を温度センサ40によって検出し、この検出結果に基づいて、目標吸気開時期及び目標排気閉時期を適宜補正するようにした。これにより、触媒38の過度の温度上昇を防止して、触媒38の熱害の発生を抑制することができる。
以下、目標吸気開時期及び目標排気閉時期の設定及び補正処理について詳細に説明する。図3は、目標吸気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートであり、図4は、目標排気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。目標吸気開時期と目標排気閉時期とは実際には同時に設定及び補正されるが、まずは図3を参照して目標吸気開時期の設定及び補正処理について説明する。
図3に示すように、まずステップS11で、運転状態検出手段であるエアフローセンサ37及びクランク角センサ42の検出結果、つまりエンジンの回転速度Ne及び充填効率Ecに基づいて所定のマップを参照して目標吸気開時期の初期値IO_baseを求めて設定する。そして、実際の吸気開時期がこの目標吸気開時期(IO_base)となるようにVVT機構30がフィードバック制御される。
以下のステップでは、このように設定された目標吸気開時期(IO_base)を触媒38の温度に応じて適宜補正する。なお本実施形態では、目標吸気開時期の補正を所定間隔で実施し、また一回の補正における目標吸気開時期のゲイン(補正ゲイン:Gio)は一定としている。
まずステップS12で、温度センサ40によって検出された触媒38の温度が、予め設定された設定温度の上限値limitT_Uよりも高いか否かを判定し、触媒38の温度が設定温度の上限値よりも高い場合には(ステップS12:Yes)、前回の補正量ΔIO(n−1)から補正ゲインGioを減算して今回の補正量(初期値IO_baseからの補正量)ΔIO(n)とする(ステップS13)。例えば、初回の補正であれば、目標吸気開時期は初期値IO_baseであり補正量ΔIO(n−1)=0であるため、補正量ΔIO(n)=Gioとなる。
一方ステップS12で、触媒38の温度が設定温度の上限値limitT_U以下である場合には(ステップS12:No)、ステップS14で、さらに触媒38の温度が設定温度の下限値limitT_L以下であるか否かを判定する。ここで、触媒38の温度が設定温度の下限値以下であれば(ステップS14:Yes)、前回の補正量ΔIO(n−1)に補正ゲインGioを加算して今回の補正量ΔIO(n)とする(ステップS15)。触媒38の温度が設定温度の下限値よりも高い場合には(ステップS14:No)、今回の補正量ΔIO(n)を前回の補正量ΔIO(n−1)のまま維持する(ステップS16)。このように今回の補正量ΔIO(n)を演算した後、目標吸気開時期の補正を実施する。すなわち目標吸気開時期の初期値IO_baseに今回の補正値ΔIO(n)を加算した値を目標吸気開時期とする(ステップS17)。
そして、基本的には、このように補正された目標吸気開時期となるようにVVT機構30がフィードバック制御されるが、本実施形態では、さらにこの目標吸気開時期が所定範囲となるように目標吸気開時期の上限値及び下限値を設定している。
具体的には、まずステップS18で現在の目標吸気開時期が、初期値IO_baseよりも大きいか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、目標吸気開時期の上限値が初期値IO_baseに設定されており、ステップS18では目標吸気開時期がその上限値よりも大きいか否かを判定している。
なお目標吸気開時期の上限値を初期値IO_baseとしたのは、上述したように目標吸気開時期の初期値IO_baseは、平地の運転状態に応じて作成されたマップを参照して設定されているため、高地における運転状態に最適な目標吸気開時期よりも既に遅角側になっているからである。
ここで目標吸気開時期がその上限値(IO_base)よりも大きい場合には(ステップS18:Yes)、ステップS19で目標吸気開時期を初期値IO_baseとすると共に補正値ΔIO(n)を前回の補正値ΔIO(n−1)に戻して、処理を終了する。一方、目標吸気開時期が上限値(IO_base)以下の場合には(ステップS18:No)、ステップS20で目標吸気開時期が初期値(IO_base)から補正量ΔIOの限界値limitΔIOを減算した値以下であるか否かを判定する。つまり目標吸気開時期がその下限値以下であるか否かを判定する。なお限界値limitΔIOは予め設定された任意の値であり、触媒38の温度特性等に応じて適宜決定されればよい。
ここで目標吸気開時期が下限値以下であれば(ステップS20:Yes)、ステップS21でその下限値を目標吸気開時期に設定すると共に補正値ΔIO(n)を前回の補正値ΔIO(n−1)に戻して、処理を終了する。目標吸気開時期がその下限値よりも大きければ(ステップS20:No)、そのまま処理を終了する。
このように本発明では、温度検出手段40の検出結果(触媒38の温度)に応じて、バルブオーバラップ量の目標値(目標吸気開時期)を適宜補正するようにした。すなわち、触媒38の温度が、設定温度を超えて上昇した場合には、バルブオーバラップ量を減少させ、触媒38の温度上昇を抑制するようにした。これにより触媒38の過度の温度上昇が抑えられ、触媒38に熱害が発生するのを抑制することができる。
図2に示す例で説明すると、例えば、時間T1における触媒38の温度Te1は設定温度の下限値limitT_L以下であるため(ステップS14)、このときの補正量ΔIO(1)=ΔIO(0)+Gioとなる(ステップS15)。時間T1における補正は最初の補正であり、時間T0における補正量ΔIO(0)=0であるため、今回の補正量ΔIO(1)=Gioとなる。したがって、通常は、目標吸気開時期は(IO_base+Gio)となるが(ステップS17)、本実施形態では、目標吸気開時期の上限値が、初期値IO_baseに設定されているため(ステップS18)、目標吸気開時期は初期値IO_baseとなり、今回の補正量ΔIO(1)は前回の補正量ΔIO(0)に戻される(ステップS19)。
時間T2では、触媒38の温度Te2が設定温度の上限値limitT_Uよりも高い温度まで上昇しているため(ステップS12)、補正量ΔIO(2)=ΔIO(1)−Gioとなる(ステップS13)。上述のようにΔIO(1)はΔIO(0)に戻されているため、補正量ΔIO(2)=−Gioとなる。したがって、目標吸気開時期は(IO_base−Gio)となる(ステップS17)。すなわち目標吸気開時期が、初期値IO_baseから吸気上死点を基準としてGioだけ進角側に設定される。
時間T3では、時間T2と同様に触媒38の温度Te3が設定温度の上限値limitT_Uよりも高い温度に維持されているため(ステップS12)、補正量ΔIO(3)=ΔIO(2)−Gio=−2Gioとなる(ステップS13)。したがって、目標吸気開時期は(IO_base−2Gio)となる(ステップS17)。すなわち、目標吸気開時期が、初期値IO_baseから吸気上死点を基準として2Gioだけ進角側に設定される。
ちなみに、補正量の限界値limitΔIO=Gioに設定されていると仮定すると、目標吸気開時期の下限値はIO_base−Gioとなる。この場合、時間T3では、目標吸気開時期がその下限値以下となるため(ステップS20)、目標吸気開時期はIO_base−Gioとなると共に、補正量ΔIO(3)は前回の補正量ΔIO(2)に戻される(ステップS21)。
時間T4では、触媒38の温度Te4が下降し、設定温度の上限値limitT_U以下で且つ設定温度の下限値limitT_Lよりも高い温度となっているため(ステップS14)、補正量ΔIO(4)は前回の補正量ΔIO(3)のまま維持される(ステップS16)。この例では、ΔIO(4)=−2Gioとなる。したがって、目標吸気開時期も(IO_base−2Gio)のまま維持される(ステップS17)。
時間T5では、触媒38の温度Te5が設定温度の下限値limitT_L以下まで下降しているため(ステップS14)、補正量ΔIO(5)=ΔIO(4)+Gioとなる(ステップS15)。補正量ΔIO(4)=−2Gioであるため、ΔIO(5)=−Gioとなる。したがって、目標吸気開時期は(IO_base−Gio)となる(ステップS17)。すなわち、目標吸気開時期が、時間T4における値よりも吸気上死点を基準としてGioだけ遅角側に設定される。
なお、その後スロットルバルブが全閉になった場合には、目標吸気開時期の上限値と下限値とが一致した状態となるため、上述した演算自体は続行されるが、実際に目標吸気開時期が補正されることはない。
以上のように目標吸気開時期が設定及び補正され、同様に、目標排気閉時期も設定及び補正される。すなわち、目標排気閉時期の設定及び補正処理は、補正ゲインGecの加算、減算が逆になる以外は、目標吸気開時期の場合と同様である。以下、目標排気閉時期の設定及び補正について簡単に説明する。
図4に示すように、まずステップS31で、エアフローセンサ37及びクランク角センサ42の検出結果に基づいて所定のマップを参照して目標排気閉時期の初期値EC_baseを求めて設定する。ステップS32では、触媒38の温度が、設定温度の上限値limitT_Uよりも高いか否かを判定し、触媒38の温度が設定温度の上限値よりも高い場合には(ステップS32:Yes)、前回の補正量ΔEC(n−1)に補正ゲインGecを加算して今回の補正量(初期値からの補正量)ΔEC(n)とする(ステップS33)。
一方、触媒38の温度が設定温度の上限値limitT_U以下である場合には(ステップS32:No)、ステップS34で、さらに触媒38の温度が設定温度の下限値limitT_L以下であるか否かを判定する。ここで、触媒38の温度が設定温度の下限値以下であれば(ステップS34:Yes)、前回の補正量ΔEC(n−1)から補正ゲインGecを減算して今回の補正量ΔEC(n)とする(ステップS35)。触媒38の温度が設定温度の下限値よりも高い場合には(ステップS34:No)、今回の補正量ΔEC(n)を前回の補正量ΔEC(n−1)のまま維持する(ステップS36)。このように今回の補正量ΔEC(n)を演算した後、目標排気閉時期の補正を実施する。すなわち目標排気閉時期の初期値EC_baseに今回の補正値ΔEC(n)を加算した値を目標排気閉時期とする(ステップS37)。
次にステップS38で、目標排気閉時期が目標排気閉時期の初期値EC_base以下であるか否かを判定する。すなわち本実施形態では、目標排気閉時期の下限値が初期値EC_baseに設定されており、ステップS38では目標排気閉時期がその下限値以下か否かを判定する。
ここで目標排気閉時期がその下限値(初期値)以下である場合には(ステップS38:Yes)、ステップS39で目標排気閉時期を初期値EC_baseとすると共に補正値ΔEC(n)を前回の補正値ΔEC(n−1)に戻して、処理を終了する。一方、目標排気閉時期が下限値(初期値)よりも大きい場合には(ステップS38:No)、ステップS40で目標排気閉時期が初期値EC_baseに補正量ΔECの限界値limitΔECを加算した値よりも大きいか否かを判定する。つまり目標排気閉時期がその上限値よりも大きいか否かを判定する。
そして目標排気閉時期が上限値よりも大きければ(ステップS40:Yes)、ステップS41でその上限値を目標排気閉時期に設定して、処理を終了する。目標排気閉時期がその上限値以下であれば(ステップS40:No)、そのまま処理を終了する。
以上説明したように本実施形態では、目標吸気開時期及び目標排気閉時期を、触媒38の温度に応じて、つまり触媒38の温度が設定温度の上限値を超えた場合に、目標吸気開時期及び目標排気閉時期をそれぞれ減少させる補正を行うようにしたので、触媒38の過度の温度上昇を抑えることができる。したがって、触媒38の温度が許容温度を越えて上昇して熱害が生じるのを抑制することができる。
また本実施形態では、触媒38の温度が設定温度の下限値以下である場合には、目標吸気開時期及び目標排気閉時期を再び増加させる補正を行うようにした。さらに本実施形態では、目標吸気開時期及び目標排気閉時期の上限値及び下限値を設定するようにした。これにより、触媒38の温度が安定し、触媒38の排気浄化性能も良好に維持される。
また本実施形態では、設定温度にヒステリシスを持たせるようにしたので、触媒38の温度を安定させることができる。勿論、この設定温度は、必ずしもヒステリシスを持たせる必要はない。すなわち、本実施形態で説明した設定温度の上限値と下限値とが一致していてもよい。
なお、図2には、高地における目標吸気開時期が補正された例を示したが、勿論、平地における目標吸気開時期を補正するようにしてもよい。また上述したように触媒38の温度は高地において特に上昇し易いため、勿論、高地における目標吸気開時期のみを補正するようにしてもよい。具体的には、例えば、大気圧センサ44の検出結果が所定値よりも低い場合に、目標吸気開時期の補正を実施するようにしてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、平地、高地であるに拘わらず、つまり大気圧に拘わらず、平地における運転状態に応じてマッピングされたマップを参照して目標吸気開時期及び目標排気閉時期をそれぞれ設定した例を説明したが、本実施形態は、平地用と高地用のマップを記憶しておき、これらのマップを参照して、大気圧に応じた目標吸気開時期及び目標排気閉時期を設定するようにした例である。具体的には、大気圧が低いほどバルブオーバラップ量の目標値が減少するように目標吸気開時期及び目標排気閉時期を設定する。なお、制御装置10を含むエンジンシステムの構成は、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。
図5は、実施形態2に係るタイミングチャートの一例であり、大気圧、スロットルポジションセンサ(TPS)、充填効率Ec、触媒温度、目標吸気開時期及び目標排気閉時期の関係を示す図である。また図6は、実施形態2に係る目標吸気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートであり、図7は、目標吸気開時期(初期値)の演算方法を示すブロック図である。また図8は、実施形態2に係る目標排気開時期の設定及び補正処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態においても、目標吸気開時期と目標排気閉時期とは実際には同時に設定及び補正されるが、まずは目標吸気開時期の設定及び補正処理について説明する。
図6に示すように、ステップS51〜ステップS53で、エンジン11の運転状態及び大気圧に応じて目標吸気開時期の初期値IO_baseを求めて設定する。本実施形態では、例えば、図7に示すように、平地におけるエンジン11の回転速度Neと充填効率Ecとの関係で示される目標吸気開時期(IO_base)のマップ(平地用マップ)101と、高地におけるエンジン11の回転速度Neと充填効率Ecとの関係で示される目標吸気開時期(IO_base)のマップ(高地用マップ)102と、大気圧と補間係数との関係を示す係数マップ103とを具備し、これらのマップ101,102,103から現在の大気圧に最適な目標吸気開時期(IO_base)を設定する。なお目標吸気開時期の高地用マップ102とは、想定される範囲の最高地点(最低気圧)における目標吸気開時期を示すものである。
具体的には、ステップS51でエアフローセンサ37及びクランク角センサ42の検出結果に基づいて平地用マップ101から平地での目標吸気開時期の初期値IO_lを求めると共に、高地用マップ102から高地での目標吸気開時期の初期値IO_hを求める。次いで、ステップS52で大気圧センサ44の検出結果に基づいて、上記係数マップ103を参照して補間係数Kを求める。そして、ステップS53で、これらの値から下記式(1)を用いて現時点の大気圧に最適な目標吸気開時期の初期値IO_baseを算出して設定する。
IO_base=K×IO_h+(1−K)×IO_l (1)
この初期値IO_baseは、図5に示すように、平地における目標吸気開時期の初期値IO_lと、高地における目標吸気開時期の初期値IO_hとの間に設定されることになる。そして、この時点では、実際の吸気開時期が、目標吸気開時期(IO_base)となるようにVVT機構30がフィードバック制御される。
以下のステップでは、このように設定された目標吸気開時期を触媒38の温度に応じて適宜補正する。具体的には、実施形態1で説明したステップS12〜ステップS17で目標吸気開時期を適宜補正する。なおステップS12〜ステップS17の処理は、上述した通りであるので説明は省略する。
そして、基本的にはこのように補正された目標吸気開時期となるようにVVT機構30がフィードバック制御されるが、実施形態1の場合と同様に、本実施形態においても、さらにこの目標吸気開時期が所定範囲となるように目標吸気開時期の上限値及び下限値を設定している。本実施形態では、目標吸気開時期の上限値を平地での目標吸気開時期の初期値IO_lに設定し、下限値を現時点の大気圧に最適な目標吸気開時期の初期値IO_baseに設定している。
具体的には、まずステップS54で目標吸気開時期が平地での初期値IO_lよりも大きいか否かを判定する。すなわち、目標吸気開時期がその上限値よりも大きいか否かを判定する。
ここで目標吸気開時期が上限値(IO_l)よりも大きい場合には(ステップS54:Yes)、ステップS55で目標吸気開時期を上限値(IO_l)とすると共に補正値ΔIO(n)を前回の補正値ΔIO(n−1)に戻して、処理を終了する。一方、目標吸気開時期が上限値(IO_l)以下の場合には(ステップS54:No)、ステップS56で目標吸気開時期が、現時点の大気圧に最適な目標吸気開時期の初期値IO_base以下であるか否かを判定する。つまり目標吸気開時期がその下限値以下であるか否かを判定する。
ここで目標吸気開時期が下限値以下であれば(ステップS56:Yes)、ステップS57でその下限値(IO_base)を目標吸気開時期に設定すると共に補正値ΔIO(n)を前回の補正値ΔIO(n−1)に戻して、処理を終了する。目標吸気開時期がその下限値(IO_base)よりも大きければ(ステップS56:No)、そのまま処理を終了する。
また目標排気閉時期も、目標吸気開時期同様に設定及び補正される。図8に示すように、ステップS61〜ステップS63で、エンジン11の運転状態及び大気圧に応じて目標排気閉時期の初期値EC_baseを求めて設定する。すなわち、目標吸気開時期の場合と同様に、平地用マップと、高地用マップと、係数マップとから現在の大気圧に最適な目標排気閉時期(EC_base)を設定する。
具体的には、ステップS61でエアフローセンサ37及びクランク角センサ42の検出結果に基づいて平地用マップから平地での目標排気閉時期の初期値EC_lを求めると共に、高地用マップから高地での目標排気閉時期の初期値EC_hを求める。次いで、ステップS62で大気圧センサ44の検出結果に基づいて、計数マップを参照して補間係数Kを求める。そして、ステップS63で、これらの値から下記式(2)を用いて現時点の大気圧に最適な目標排気閉時期の初期値EC_baseを算出して設定する。
EC_base=K×EC_h+(1−K)×EC_l (2)
この初期値EC_baseは、図5に示すように、平地における目標排気閉時期の初期値EC_lと、高地における目標排気閉時期の初期値EC_hとの間に設定されることになる。そして、この時点では、実際の排気閉時期が、目標排気閉時期(EC_base)となるようにVVT機構30がフィードバック制御される。
以下のステップでは、このように設定された目標排気閉時期を触媒38の温度に応じて適宜補正する。具体的には、実施形態1で説明したステップS32〜ステップS37で目標排気閉時期を適宜補正する。なおステップS32〜ステップS37の処理は、上述した通りであるので説明は省略する。
そして、基本的にはこのように補正された目標排気閉時期となるようにVVT機構31がフィードバック制御されるが、実施形態1の場合と同様に、本実施形態においても、さらにこの目標排気閉時期が所定範囲となるように目標排気閉時期の上限値及び下限値を設定している。本実施形態では、目標排気閉時期の上限値を現時点の大気圧に最適な目標排気閉時期の初期値EC_baseに設定し、下限値を平地での目標排気閉時期の初期値EC_lに設定している。
具体的には、まずステップS64で目標排気閉時期が現時点の大気圧に最適な目標排気閉時期の初期値EC_baseよりも大きいか否かを判定する。すなわち、目標排気閉時期がその上限値よりも大きいか否かを判定する。
ここで目標排気閉時期が上限値(EC_base)よりも大きい場合には(ステップS64:Yes)、ステップS65で目標排気閉時期を上限値(EC_base)とすると共に補正値ΔEC(n)を前回の補正値ΔEC(n−1)に戻して、処理を終了する。一方、目標排気閉時期が上限値(EC_base)以下の場合には(ステップS64:No)、ステップS66で目標排気閉時期が、平地での目標排気閉時期の初期値EC_l以下であるか否かを判定する。つまり目標排気閉時期がその下限値以下であるか否かを判定する。
ここで目標排気閉時期が下限値以下であれば(ステップS66:Yes)、ステップS67でその下限値(EC_l)を目標排気閉時期とすると共に補正値ΔEC(n)を前回の補正値ΔEC(n−1)に戻して、処理を終了する。目標排気閉時期がその下限値(EC_l)よりも大きければ(ステップS66:No)、そのまま処理を終了する。
このように本実施形態では、補正の基準となる目標吸気開時期及び目標排気閉時期の初期値を、現時点の大気圧に応じて設定するようにしたので、触媒38の温度に応じてこの目標吸気開時期及び目標排気閉時期を適宜補正することで、平地での中負荷時の燃費を犠牲にすることなく触媒38の過度の温度上昇をより確実に抑えることができる。よって、触媒38に溶損、熱劣化等の熱害が発生する可能性をより確実に低減することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、勿論、このような実施形態に限定されるものではない。
本発明の制御装置を適用するエンジンの構成は、特に限定されるものではない。例えば、エンジンは、排気系に配設されたタービンを排気により回転させることで吸気系に配設されたコンプレッサを回転させて吸気の過給を行うターボチャージャを備えたものであってもよい。
そして、このようなターボチャージャ搭載のエンジンを制御する場合、上述した触媒温度に基づく目標吸気開時期の補正と共に、ターボチャージャによって過給が行われる際に目標吸気開時期を減少させる補正を行うようにするのが好ましい。例えば、上述の実施形態では、触媒38の温度が、設定温度の上限値limitT_U以下で且つ設定温度の下限値limitT_Lよりも高い温度となっている場合には、目標吸気開時期は補正されずに維持される。しかしながら、触媒38の温度がこのような温度となっている場合でも、ターボチャージャによって過給が行われていれば、目標吸気開時期を減少させる補正を行うようにしてもよい。
ターボチャージャによって過給されると、出力の向上を図ることができるものの、触媒に流れ込む未燃混合気の量も大幅に増加してしまうため触媒の熱害が特に発生し易くなるが、このように過給が行われている際に目標吸気開時期を減少させることで、エンジン11の出力を充分に確保しつつ、触媒の熱害をより確実に回避することができる。
また、上述の実施形態では、設定手段が目標吸気開時期及び目標排気閉時期を設定することでバルブオーバラップ量が決定される例を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、設定手段がバルブオーバラップ量の目標値を設定し、このバルブオーバラップ量の目標値に応じて目標吸気開時期及び目標排気閉時期が決定されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、吸気管噴射型のエンジンを例示して本発明を説明したが、本発明は、例えば、筒内噴射型等、他のタイプのエンジンにも採用することができることは言うまでもない。
10 制御装置
11 エンジン
12 シリンダヘッド
13 シリンダブロック
14 シリンダ
15 ピストン
16 燃焼室
17 コンロッド
18 クランクシャフト
19 吸気ポート
20 吸気マニホールド
22 吸気弁
23a カム
23 カムシャフト
24 燃料噴射弁
25 排気ポート
26 排気マニホールド
27 排気管
28 排気弁
29a カム
29 カムシャフト
30,31 可変バルブタイミング機構(VVT機構)
32 点火プラグ
33 点火コイル
34 サージタンク
35 スロットルバルブ
36 スロットルポジションセンサ(TPS)
37 エアフローセンサ
38 触媒
39 Oセンサ
40 温度センサ
41 ECU
42 クランク角センサ
43 水温センサ
44 大気圧センサ

Claims (5)

  1. 吸気弁又は排気弁の何れか一方或いは双方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有するエンジンの制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    吸気量から充填効率を算出する充填効率算出手段と、
    大気圧を検出する大気圧検出手段と、
    前記充填効率算出手段により求まる充填効率と前記運転状態検出手段から検出された運転状態から前記吸気弁を開く時期である吸気開時期の目標値と前記排気弁を閉じる時期である排気閉時期の目標値との少なくとも一方を設定する目標値設定手段と、
    を備え、
    前記目標値設定手段は、前記運転状態が高負荷時には前記吸気開時期を中負荷時の目標値に対して遅角させる又は前記排気閉時期の目標値を中負荷時の目標値に対して進角させるかの少なくともいずれか一方をし、
    前記運転状態が中負荷時には、前記吸気開時期の目標値を高負荷時の目標値に対して進角させる又は前記排気閉時期の目標値を高負荷時の目標値に対して遅角させるかの少なくともいずれか一方をし、
    さらに、大気圧が低いほど前記中負荷時の吸気開時期の目標値を遅角させる又は前記中負荷時の排気閉時期の目標値を進角させるかの少なくともいずれか一方をすることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記制御装置は触媒温度検出手段と、
    前記触媒温度検出手段の検出結果に基づいて前記目標値設定手段によって設定された目標値を補正する補正手段と、を備え、
    且つ前記補正手段は、前記触媒温度検出手段の検出結果が予め設定された設定温度を越えているときに、前記目標値を減少させることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記設定温度は上下限値を備え、
    前記補正手段は前記上限値を超える場合に、前記吸気開時期の目標値を遅角させる又は前記排気閉時期の目標値を進角させるかの少なくともいずれか一方をし、前記下限値を下回る場合に前記吸気開時期の目標値を進角させる又は前記排気閉時期の目標値を遅角させるかの少なくともいずれか一方をすることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記エンジンが、過給機を備え、
    前記補正手段は、前記過給機によって過給が行われる際に、前記目標値を減少させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記目標値設定手段は、前記運転状態が高負荷時には前記吸気開時期を中負荷時の目標値に対して遅角させるとともに前記排気閉時期の目標値を中負荷時の目標値に対して進角させ、
    前記運転状態が中負荷時には、前記吸気開時期の目標値を高負荷時の目標値に対して進角させるとともに前記排気閉時期の目標値を高負荷時の目標値に対して遅角させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のエンジンの制御装置。
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