JP2012126758A - バイオフィルム除去剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオフィルムを効率的に除去し得るバイオフィルム除去剤の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物を1種以上含有し、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを除去するバイオフィルム除去剤。
R−CONH−(CH−COOM (1)
〔式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数10〜22の炭化水素基を示し、nは1〜6の整数を示し、Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、バイオフィルム除去剤に関する。より詳細には、微生物及び微生物産生物質からなるバイオフィルムを固体表面から除去し、微生物が関与する様々な分野においてバイオフィルムに起因する危害を防止するためのバイオフィルム除去剤に関する。
バイオフィルムは生物膜やスライムとも言われ、一般に水系で微生物が物質の表面に付着・増殖することによって微生物細胞内から多糖やタンパク質、核酸などの高分子物質を産生して構造体を形成したものを指す。バイオフィルムが形成されると、微生物を原因とする危害が発生して様々な産業分野で問題を引き起こす。例えば、食品プラントの配管内にバイオフィルムが形成されると、このバイオフィルムが剥がれ落ち、製品内への異物混入につながるだけでなく、微生物由来の毒素で食中毒の原因となる。更に、金属表面へのバイオフィルム形成は金属腐食の原因となり、設備の老朽化を促進する。
更に、バイオフィルムを形成した微生物集合体に対しては、水系に分散浮遊状態にある微生物に対する場合と比較して、殺菌剤・静菌剤のような微生物制御薬剤の効果が十分に出ないことも多い。例えば医療の面では近年、医療器具の狭い隙間や空孔内に微生物が残存してバイオフィルムを形成し、これを原因とする院内感染例が数多く報告されている。ヒト口腔内においては歯に形成するバイオフィルム、いわゆるデンタルプラーク(歯垢)がう蝕や歯周病の原因となることは良く知られており、これらの問題について長い間検討がなされている。
タンパク質は、環境の変化により分子間同士でネットワーク構造を形成し、例えばアミロイド、インクルージョンボディと呼ばれる強固な構造体、凝集体を形成することが知られている(非特許文献1、2)。バイオフィルムは一旦形成され成熟が進むと除去が非常に困難となることが知られているが、その一因はこのようなタンパク質の強固な構造体が存在することによると考えられる。
バイオフィルムを除去する技術としては、これまでに、酵素(特許文献1、2)、カチオン性界面活性剤を含む殺菌剤(特許文献3)、次亜ハロゲン酸や過酸化水素(特許文献4)などの薬剤を利用して、固体表面に付着したバイオフィルムの分解や除去を行う方法が提案されている。
特表2006−507850号公報 特表2010−511623号公報 特開2007−297318号公報 特開2008−184516号公報
長谷川ら、細胞工学、vol. 20、p. 1495-1501(2001) M. M. Carrio et al., J. Biotech., Vol. 96, p. 3-12(2002)
既に成熟したバイオフィルムは、微生物によって産出される高分子物質でフィルム状に覆われていることから、酵素や殺菌剤などの薬剤をバイオフィルムの深部まで作用させることは難しい。とりわけ、前述のようなタンパク質の強固な構造体が形成されたバイオフィルムに関しては、上記特許文献1−4に開示される技術によっても効率的に除去することは困難であった。また、酵素を利用する従来技術に関しては、酵素活性が温度に大きく依存することから、十分な効果を発揮するには厳密な温度調整を要するという制限もあった。
本発明の課題は、固体表面に形成したバイオフィルム、中でも、従来技術において特に除去が困難であった、タンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを効率的に除去し得るバイオフィルム除去剤を提供することにある。
本出願人は、上記課題につき鋭意検討した結果、下式(1)で表される構造を有する化合物が、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムに対し特異的に除去効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、式(1)で表される化合物から選ばれる1種以上を含有し、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを除去するバイオフィルム除去剤を提供する。
R−CONH−(CH−COOM (1)
〔式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数10〜22の炭化水素基を示し、nは1〜6の整数を示し、Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。〕
本発明のバイオフィルム除去剤は、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを効率的に除去することができる。
[バイオフィルム除去剤]
本発明のバイオフィルム除去剤は、有効成分として式(1)で表される化合物〔以下、化合物(1)という〕を1種以上含有する。
R−CONH−(CH−COOM (1)
〔式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数10〜22の炭化水素基を示し、nは1〜6の整数を示し、Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。〕
化合物(1)において、Rの炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基及びヒドロキシアルキル基が挙げられ、アルキル基、アルケニル基が好ましく、これらは直鎖でも分岐鎖でもよいが、バイオフィルム除去効果の点から、炭素数10〜22のものであり、炭素数12〜18のものが好ましく、中でも、炭素数12〜14の飽和アルキル基、炭素数12〜18の不飽和アルキル基が更に好ましい。また、Rは単一組成の炭化水素基であっても混合組成の炭化水素基であってもよく、天然由来(例えば、ヤシ油、パーム核油、大豆、菜種由来)の混合アルキル基も好適に用いることができる。
化合物(1)において、nは、バイオフィルム除去効果の点から、1又は2であるものが好ましく、1であるものが更に好ましい。
Mは、水素原子又は塩形成性陽イオンであり、ここで塩形成性陽イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン、又は塩基性アミノ酸の陽イオンが挙げられる。バイオフィルム除去効果の点から、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸が好ましく、水素原子、アルカリ金属が更に好ましく、アルカリ金属が特に好ましい。ここで、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好まく、アルカリ土類金属としては、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましい。また、アルカノールアミン塩としては、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩が好ましく、塩基性アミノ酸塩としては、アルギニン塩、ヒスチジン塩、リジン塩が好ましい。
化合物(1)の好適な例としては、N−アシルグリシン及びN−アシル−β−アラニン、又はそれらのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩が挙げられる。中でも、N−アシルグリシンのナトリウム塩、カリウム塩が、高いバイオフィルム除去性能を示すため好ましい。
化合物(1)は、(ヒドロキシ)脂肪酸とアミノ酸を反応させることにより得られるが、製造方法は特に限定されるものではない。また、化合物(1)は、バイオフィルム除去効果を阻害しない範囲で未反応物、副生成物を含んでいてもよい。
本発明のバイオフィルム除去剤は、バイオフィルムへ作用させる場面においては、通常、水溶液の状態で用いられる。水溶液中の化合物(1)の濃度は、0.3〜30質量%が好ましく、1.0〜10質量%がより好ましく、1.0〜7.0質量%が更に好ましい。また、水溶液のpH(25℃)は、バイオフィルム除去効果の点から、6〜12.5の範囲が好ましく、7〜12の範囲がより好ましく、7.5〜11.5の範囲が更に好ましく、8〜11の範囲が特に好ましい。ここで、水溶液のpH(25℃)は、HORIBA pH Meter F-21((株)堀場製作所製)を用いて原液で測定した値である。
本発明のバイオフィルム除去剤は、カルシウムや鉄などの多価金属イオンを捕捉しバイオフィルム除去効果を更に高める観点から、金属イオン捕捉剤(キレート剤)を含有することが好ましい。
金属イオン捕捉剤(キレート剤)の好適な具体例としては、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、アミノトリメチレンホスホン酸(ATMP)、又はそれらの塩などが挙げられる。中でも、EDTA又はその塩が、高いバイオフィルム除去効果をもたらすため好ましい。
これら金属イオン捕捉剤(キレート剤)を使用する場合、水溶液中の金属イオン捕捉剤(キレート剤)の濃度は、捕捉対象である多価金属イオン濃度に応じて適宜変更し得るが、0.1〜2.5質量%の範囲が好ましく、0.5〜2質量%の範囲が更に好ましい。
本発明のバイオフィルム除去剤を用いてバイオフィルムを除去する方法としては、バイオフィルムを形成した固体表面にバイオフィルム除去剤を、浸漬、塗布あるいは散布により接触させる方法が挙げられる。このとき、更に、スポンジ、タオル、ブラシ、水流などの物理力を加えてもよい。バイオフィルム除去剤を接触させておく時間は、付着しているバイオフィルムの量、バイオフィルム除去剤の濃度、接触時の温度、物理力の有無により異なるが、通常は数秒から数時間の範囲であり、作業性も考慮すると、好ましくは10秒以上、より好ましくは10秒〜1時間であり、更に好ましくは10秒〜30分、特に好ましくは10秒〜10分である。接触処理後は、流水などにより、除去されたバイオフィルムを速やかにすすぎ流すことが望ましい。
また、バイオフィルム除去剤を接触させておく温度は、厳密に制御する必要はないが、0〜100℃の範囲にあることが好ましく、10〜80℃の範囲にあることがより好ましく、20〜50℃が更に好ましい。
本発明のバイオフィルム除去剤が除去対象とするバイオフィルムは、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムである。
背景技術欄にて述べた通り、バイオフィルムは、微生物が固体表面に付着し増殖する過程において、微生物細胞内から多糖やタンパク質、核酸などの高分子物質を産生して構造体を形成したものである。一般的に微生物の種類、また同じ微生物でも由来や微生物が置かれた固体表面状態を含む環境によって形成されるバイオフィルムの組成が異なることが知られているが、本出願人は、固体表面に付着し増殖する微生物の種類によって、形成されるバイオフィルムの高分子物質組成が大きく異なり、バイオフィルムを形成する組成によって従来開発されてきたバイオフィルム除去剤や各種界面活性剤のバイオフィルム除去性に大きく影響していることを見出した。微生物が形成するバイオフィルムの組成について、下記表1に示す通り、緑膿菌(NBRC13275)は核酸を主成分とし、タンパク質(24.8質量%;BSA換算)の比較的少ないバイオフィルムを形成するのに対し、アシネトバクター(環境単離株)は多糖を主成分とし、タンパク質(40.2質量%;BSA換算)も比較的多いバイオフィルムを、また、黄色ブドウ球菌(NBRC13276)はタンパク質(70.6質量%;BSA換算)の極めて多いバイオフィルムを形成することを確認した(実験方法の詳細は<バイオフィルム構成比率の測定方法>欄に記載)。
Figure 2012126758
従来のバイオフィルム除去剤に関しては、緑膿菌等に由来するタンパク質量の少ないバイオフィルムに関しては十分な除去効果を発現するものの(例えば、先の特許文献2参照)、バイオフィルム中のタンパク質量の増大に伴って、その除去効果は著しく低下してしまう。これとは対照的に、本発明のバイオフィルム除去剤は、タンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルム(例えば、アシネトバクター由来のバイオフィルム)に対して特異的に除去効果を発現する。予期せぬことに、本発明のバイオフィルム除去剤は、従来のバイオフィルム除去剤では除去が非常に困難であった、タンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で50質量%以上にも達するバイオフィルム(例えば、黄色ブドウ球菌由来のバイオフィルム)に対して、より一層高い除去効果を奏することを確認した(実施例参照)。すなわち、本発明のバイオフィルム除去剤は、黄色ブドウ球菌の生成するバイオフィルムに対して特に高い除去性能を示す。
以上の通り、有効成分として化合物(1)を用いる本発明のバイオフィルム除去剤は、従来のバイオフィルム除去剤では除去が非常に困難であったタンパク質量の多いバイオフィルムに対し特異的に除去効果を発現するものである。
<バイオフィルム構成比率の測定方法>
人体に有害、ないしは美観の面から不良である原因菌として知られている黄色ブドウ球菌(NBRC13276)、アシネトバクター(環境単離菌)、及び緑膿菌(NBRC13275)を選択し、各々に由来するバイオフィルムについて、そのタンパク質、多糖、核酸の比率を以下の方法で測定した。
黄色ブドウ球菌はTSB No.2液体培地(シグマ社製)で、アシネトバクターはMHB液体培地(和光純薬社製)で、緑膿菌はLB培地(和光純薬社製)で、それぞれ、37℃、20時間培養した。各種菌の培養液を滅菌生理食塩水で100倍に希釈後、黄色ブドウ球菌はTSB No.2寒天培地に、アシネトバクターはMHB寒天培地に、緑膿菌はNAC寒天培地(栄研化学社製)に各10枚塗抹し、それぞれ、37℃で48時間培養した。140 mM NaCl、10 mM EDTAを含むpH 7.5の水溶液(A液と略す)を各寒天培地上に5 ml添加し、菌層部をコンラージ棒で掻きとる操作を各プレートに対し2回実施し、菌液を回収した。回収した菌液を30分間攪拌し、8000 rpm、20 min 15℃で遠心分離した。上澄みを回収し、0.2 μmのメンブレンフィルター(Nalgene filtration product社)でろ過した。一方、菌層にA液100 mlを加え、同様に攪拌し、液を遠沈管に集め、1分間ボルテックス(Scientific Industry社、G-560)にて攪拌を行い、遠心分離、ろ過する操作を3回行った。ろ液を集め、透析セルロースチューブに封入し、5Lのイオン交換水下で48時間(2回イオン交換水を交換)透析し、低分子化合物を除いた。
回収した液体をLowry法(測定キットはナカライテスク社製)で測定し、測定キットの指示に従い、ウシ血清アルブミンによる検量線からタンパク質濃度を定量し、タンパク質由来のバイオフィルム量とした。また回収した液体をフェノール硫酸法によって、黄色ブドウ球菌及びアシネトバクターはマンノースによる検量線から、緑膿菌はアルギン酸による検量線から多糖類濃度を定量し、多糖類由来のバイオフィルム量とした(非特許文献3)。さらに、回収した液体について260nmの吸収極大を測定して核酸の存在を確認後、透析分の固形分からタンパク質量と多糖類量を引いて核酸量とし、核酸由来のバイオフィルム量とした。
〔非特許文献3〕Hodge,J.E. and Hofreiter,B.T.1962. Methods in Carbohydrate Chemistry vol.1,pp.380-394
実施例及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。
<化合物(1)>
・化合物1−1:N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム塩(味の素社製 アミライトGCK−12K、30%水溶液)
・化合物1−2:N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン(100mM HCl(和光純薬社製)でアミライトGCK−12Kを中和して調製)
・化合物1−3:N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム塩(味の素社製 アミライトGCS)
・化合物1−4:N−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩(N−ラウロイル−β−アラニン(三井化学社製 LBA)をKOH(和光純薬社製)で等モル中和して調製)
<化合物(1’):化合物(1)の比較成分>
・化合物1’−1:ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸カリウム塩(花王社製 エマール4.0K)
・化合物1’−2:オクタン酸ナトリウム(関東化学社製)
・化合物1’−3:オクチル硫酸ナトリウム(和光純薬社製)
・化合物1’−4:アルキルアミドプロピルベタイン(花王社製 アンヒトール20AB、30%水溶液)
・化合物1’−5:アルキルスルホヒドロキシベタイン(花王社製 アンヒトール20HD、30%水溶液)
・化合物1’−6:ヤシ油脂肪酸ソルビタン(花王社製 レオドールスーパーSP−L10)
・化合物1’−7:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル(花王社製 エマルゲン106)
・化合物1’−8:セチルトリメチルアンモニウムクロライド(花王社製 コータミン60W、30%水溶液)
・化合物1’−9:アルキルグルコシド(花王社製 マイドール12)
・化合物1’−10:ラウロイルメチルタウリンナトリウム塩(日光ケミカル社製 ニッコールLMT)
・化合物1’−11:N−アシルアスパラギン酸ナトリウム塩(旭化成ケミカルズ社製 アミノフォーマFLMS−P1)
・化合物1’−12:N−アシルグルタミン酸カリウム塩(味の素社製 アミソフトCK−11F)
・化合物1’−13:塩化カルシウム(和光純薬)
・化合物1’−14:αアミラーゼ(ノボザイムズ社製 ターマミル120L)
<金属イオン捕捉剤(キレート剤)>
・キレート剤1:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(和光純薬社製)
・キレート剤2:ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩(アクゾ ノーベル社製 ディゾルビンA−92)
実施例1−22及び比較例1−15
表2に示す成分を用い、以下に示す方法で表2に示す組成のバイオフィルム除去剤を調製した(ここで、実施例1−22及び比較例1−14は下記<バイオフィルム除去剤の調製1>に従って、また比較例15は下記<バイオフィルム除去剤の調製2>に従ってそれぞれ調製した)。得られたバイオフィルム除去剤のバイオフィルム除去性能を下記要領で評価した。結果を表2に示す。
なお、表2中の濃度はバイオフィルム除去剤全量に対する有効分濃度(質量%)で示す。また、以下の記載においては、特に断りのない限り、「%」は「質量%」の意を示す。
<バイオフィルム除去剤の調製1>
100 mlのガラスビーカーに、スターラーピース(直径8mm x 30 mm、増田理化工業製)を挿入し、さらにバイオフィルム除去剤の出来上がり質量が100gとなるように、表2に示す質量比率にて、全ての成分を投入した。ウォーターバスにて80℃まで昇温し、100 rpmで30分間撹拌した。水溶液の外観が均一になったことを確認し、室温(25℃)まで冷却した。
<バイオフィルム除去剤の調製2>
100 mlのガラスビーカーに、スターラーピース(直径8mm x 30 mm、増田理化工業製)を挿入し、さらにバイオフィルム除去剤の出来上がり質量が100gとなるように、表2に示す質量比率にて、全ての成分を投入した。室温(25℃)下、100 rpmで5分間撹拌し、水溶液の外観が均一になったことを確認した。
<バイオフィルム除去性能の評価>
黄色ブドウ球菌(NBRC13276)1株を、25 mlのTBS No.2培地(シグマ社製)で37℃、22時間振盪培養した。波長600 nmの濁度を測定し(濁度計 HITACHI社製 U-2800)、濁度が0.1となるようにTBS No.2培地で希釈した後、底面が平面である滅菌96ウェルプレート(ファルコン社製)の各ウェルに0.15 ml添加して、37℃、24時間あるいは48時間静置培養した。また、ポジティブコントロールとして、同じプレートの異なるウェルに菌を含まないTSB No.2培地を0.15 ml加えたサンプルも調製した。なお、アシネトバクター(環境単離菌)はMHB液体培地(和光純薬社製)を用いて、緑膿菌(NBRC13275)はLB培地(和光純薬社製)を用いて、同様に試験サンプルとポジティブコントロールをそれぞれ調製した。上澄みを廃棄後、各ウェルに0.2 mlの滅菌イオン交換水(以下、滅菌水という)を添加し、上澄みを廃棄する操作(以下、washという)を2回行った。次いで、各ウェルに0.2 mlの滅菌水を添加し、表2に示す各バイオフィルム除去剤を添加する直前まで保持した。
上澄みの廃棄直後、特に記載がない限り、室温(25℃)で保存した表2に示す各バイオフィルム除去剤を各ウェルに添加し、室温(25℃)で1分放置した。なお室温以外のサンプルに関しては、サンプルを各温度のインキュベーターにあらかじめ1晩保存し、上澄みの廃棄直後、サンプルの温度が変化しないようすばやく各ウェルに添加した。
その後上澄みを廃棄し、2回washした。また、バイオフィルム除去剤の代わりに滅菌水を用いて同様の操作を行ったものをネガティブコントロールとし、ポジティブコントロールは滅菌水で同様の操作を実施した。
その後、各ウェルに、クリスタルバイオレット(和光純薬社製)の0.1%水溶液0.2 mlを添加し、室温で10分放置した。滅菌水で2回washした後、95%エタノール溶液(シグマ社製)0.2 mlを各ウェルに添加し、4℃で一晩放置した。次いで、各ウェルに関し、570 nmの吸光度を測定した。得られた吸光度値を下記の式に代入し、バイオフィルム除去率を算出した。
なお、上記全ての工程は無菌状態にて実施した。
バイオフィルム除去率(%)=100×[(An−Ap)−(As−Ap)]/(An−Ap)
式中、
As:サンプル吸光度
An:ネガティブコントロール吸光度
Ap:ポジティブコントロール吸光度
Figure 2012126758
Figure 2012126758

Claims (5)

  1. 式(1)で表される化合物を1種以上含有し、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを除去するバイオフィルム除去剤。
    R−CONH−(CH−COOM (1)
    〔式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数10〜22の炭化水素基を示し、nは1〜6の整数を示し、Mは水素原子又は塩形成性陽イオンを示す。〕
  2. 更に金属イオン捕捉剤(キレート剤)を含有する、請求項1記載のバイオフィルム除去剤。
  3. 前記式(1)のRが炭素数12〜14の飽和アルキル基である請求項1又は2記載のバイオフィルム除去剤。
  4. 前記式(1)のnが1又は2である請求項1〜3の何れか1項記載のバイオフィルム除去剤。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載のバイオフィルム除去剤を用いて、固体表面に形成したタンパク質構成比率がBSA(ウシ血清アルブミン)換算で30質量%以上のバイオフィルムを除去する方法。

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