JP2012126225A - 二輪自動車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性を損なうことなく、直進性能及び旋回性能を両立させうる二輪自動車用空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】この二輪自動車用空気入りタイヤ2は、その外面がトレッド面18をなすトレッド4と、このトレッド4の半径方向内側に位置するベルト12とを備えている。このベルト12は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなるプライ28を備えている。それぞれのコードは、周方向に対して傾斜して延在している。このコードの端の撚り数は、このコードの中央の撚り数よりも少ない。好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤ2では、上記コードの撚り数が、中央から端に向かって連続的に変化している。このコードの撚り数が、中央から端に向かって段階的に変化していてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪自動車用空気入りタイヤに関する。
二輪自動車は、その車体を傾斜して旋回する。二輪自動車用タイヤのトレッドは、旋回容易の観点から、小さな曲率半径を有する。このタイヤでは、直進走行時には、トレッドの赤道面の部分(クラウン領域)が接地する。旋回走行時には、このクラウン領域よりも軸方向外側の領域、換言すれば、サイドウォールに近いトレッドの部分(ショルダー領域)が接地する。
このタイヤでは、直進性能を向上させるには、主としてクラウン領域の仕様が検討される。旋回性能を向上させるには、主としてショルダー領域の仕様が検討される。この検討例が、特開平6−344715号公報、特開2001−294013公報、特開2003−237312公報、特開2005−48326公報、特開2007−30719公報及び特開2009−120002公報に開示されている。
特開平6−344715号公報 特開2001−294013公報 特開2003−237312公報 特開2005−48326公報 特開2007−30719公報 特開2009−120002公報
トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層された、ベルトを備えるタイヤがある。このベルトは、並列された多数のコードを含んでいる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。このコードは、トレッドの内側に沿ってこのトレッドの一端から他端に向かって延在している。
その長さ方向において、コードの断面形状を変えることにより、耐久性の向上について検討された例がある(例えば、特開2005−48326公報)。しかし、直進性能及び旋回性能の両立の観点から、クラウン領域及びショルダー領域の各領域に要求される性能に合わせて、長さ方向におけるコード各部の仕様が検討された例は見あたらない。
直進性能及び旋回性能の両立を図るために、ベルトがクラウン領域に位置するセンター部と、それぞれがこのセンター部の軸方向外側に位置する一対のサイド部とで構成されることがある。この場合、センター部及びサイド部のそれぞれは、異なるプライで形成される。このような構成を有するベルトには、センター部とサイド部とが継ぎ合わされた部分(継ぎ目)が存在する。この継ぎ目は特異であるため、この継ぎ目において操作性が極端に変化するという問題がある。ライダーは、この操作性の変化に違和感を感じてしまう。
本発明の目的は、操作性を損なうことなく、直進性能及び旋回性能を両立させうる二輪自動車用空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの半径方向内側に位置するベルトとを備えている。このベルトは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなるプライを備えている。それぞれのコードは、周方向に対して傾斜して延在している。このコードの端の撚り数は、このコードの中央の撚り数よりも少ない。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記コードの撚り数が、中央から端に向かって連続的に変化している。上記コードが中央と端との間に撚り数が異なる複数の区分を有することにより、このコードの撚り数が中央から端に向かって段階的に変化していてもよい。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記コードの端の撚り数は15回/10cm以上30回/10cm以下である。上記コードの中央の撚り数は、この端の撚り数の1.5倍以上2.5倍以下である。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記トレッドは、軸方向において複数の領域に分割されている。
本発明に係るタイヤの製造方法は、
(1)撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが交互に設けられた長尺コードが多数準備される工程と、
(2)これら長尺コードが、先端を揃えて配列された後、トッピングゴムとともに押し出され、シートが形成される工程と、
(3)上記撚り数の少ない部分が上記コードの端となるようにこのシートが切断され、プライが形成される工程と、
(4)上記撚り数の多い部分が赤道上に位置するようにこのプライが配置されたローカバーが得られる工程と、
(5)このローカバーが、加圧及び加熱される工程と
を含む。
上記シートの形成工程において、各長尺コードは上記シートの切断方向に対して傾斜するように配置される。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記長尺コードは癖付けされたワイヤーを用いて形成されている。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記長尺コードは、上記撚り数の少ない部分と同等の撚り数を有する基準コードにさらに撚りをかけて形成されている。
本発明によれば、操作性が損なわれることなく、直進時のトラクション性能及び接地感が向上されるとともに、旋回性能も向上された二輪自動車用空気入りタイヤ得られうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのベルトの一部が示された拡大分解斜視図である。 図3は、図2のベルトに含まれるコードが示された概略図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図5は、図4のタイヤのベルトに含まれるコードが示された概略図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された空気入りタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面18を備えている。このトレッド面18は、路面と接地する。このトレッド面18には、溝が刻まれていない。このトレッド面18に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端20から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22は、リング状である。コア22は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。典型的には、コア22にスチール製ワイヤーが用いられる。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ26からなる。カーカスプライ26は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ26は、コア22の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
図示されていないが、カーカスプライ26は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカスが採用されてもよい。
ベルト12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側プライ28i及び外側プライ28oからなる。
図2に示されるように、内側プライ28iは、並列された多数のコード30iとトッピングゴム32iとからなる。それぞれのコード30iは、周方向に対して傾斜している。コード30iの傾斜角度が、符号θrで示されている。この傾斜角度θrの絶対値は、10°以上35°以下が好ましい。
内側プライ28iのコード30iは、有機繊維からなる。有機繊維の好ましい材質としては、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが例示される。なお、コード30iの材質がスチールとされてもよい。
図2に示されるように、外側プライ28oは、並列された多数のコード30oとトッピングゴム32oとからなる。それぞれのコード30oは、周方向に対して傾斜している。このコード30oの傾斜方向は、内側プライ28iのコード30iの傾斜方向とは逆である。コード30oの傾斜角度が、符号θrで示されている。この傾斜角度θrの絶対値は、10°以上35°以下が好ましい。
外側プライ28oのコード30oは、有機繊維からなる。有機繊維の好ましい材質としては、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが例示される。なお、コード30oの材質がスチールとされてもよい。このタイヤ2では、外側プライ28oのコード30oには、内側プライ28iのコード30iと同等のものが用いられている。この外側プライ28oのコード30oに、内側プライ28iのコード30とは異なるものが用いられてもよい。
図3には、このタイヤ2のベルト12に含まれるコード30が示されている。この図3には、符号a及びbで示された部分におけるコード30の撚りの状況も示されている。符号aで示されているのがコード30の中央であり、符号bで示されているのがコード30の端である。
このタイヤ2では、コード30の中央aは赤道上に位置している。コード30の端bは、トレッド4の端20の近傍に位置している。コード30は、トレッド4の内側に沿ってこのトレッド4の一端20から他端20に向かって延在している。
図3に示されているように、コード30は、その端bの撚り数が中央aの撚り数よりも少なくなるように構成されている。このタイヤ2では、1本のコード30に撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが存在している。図示されていないが、このコード30は、その撚り数が中央aから端bに向かって漸減するように構成されている。換言すれば、このコード30の撚り数は、その中央aから端bに向かって連続的に変化している。なお、この中央aの撚り数は、赤道面の左右5cmの範囲におけるコード30の撚り数で表される。端bの撚り数は、各プライ28の端から10cmの範囲におけるコード30の撚り数で表される。
このタイヤ2は、次のようにして製造される。撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが一定の間隔で交互に設けられた、長尺コード(図示されず)が多数準備される。
この長尺コードの形成に際しては、撚り機において巻き取り量を一定としてこの撚り機の回転数を上げることにより、撚り数の多い部分が形成される。巻き取り量を減らしてこの撚り機の回転数を上げることにより、撚り数の多い部分が形成されてもよい。この製造方法では、撚り機の巻き取り量又は回転数を制御することにより、撚り数に変化がつけられる。
この製造方法では、撚りの戻りを防止するという観点から、癖付けされたワイヤー(図示されず)を組み合わせて、長尺コードが形成されてもよい。この場合、長尺コードの形成が容易という観点から、癖付けの振幅及びピッチを長さ方向に変化させたワイヤーが用いられるのが好ましい。
この製造方法では、多数の長尺コードが、それらの先端を揃えて配列された後、トッピングゴム32とともに押し出され、シートが形成される。このシートの形成に際しては、これら長尺コードは、その延在方向が後述するシートの切断方向に対して傾斜するように配置される。
シートを切断して、プライ28が形成される。シートは、長尺コードの撚り数の少ない部分がプライ28におけるコード30の端bとなるように、切断される。このようにして形成されたプライ28では、コード30の撚り数の多い部分がその中央に配置される。
この製造方法では、シートの切断方向はタイヤ2の周方向に一致する。前述したように、シートの形成に際しては、これら長尺コードは、その延在方向がシートの切断方向に対して傾斜するように配置される。この傾斜角度は、前述の、コード30の傾斜角度θrに一致する。
プライ28は、インナーライナー14、カーカス10、ビード8、サイドウォール6、トレッド4等の部材とともにフォーマー(図示されず)に供給される。このフォーマーにおいて、プライ28が他の部材と組み合わされ、ローカバー(未架橋タイヤとも言う)が得られる。このローカバーの成形においては、プライ28は、これに含まれるコード30の撚り数の多い部分が赤道上に位置するように配置される。
ローカバーは、開かれたモールド(図示されず)に投入される。投入のとき、ブラダー(図示されず)は収縮している。投入により、ブラダーはローカバーの内側に位置する。ガスの充填により、ブラダーが膨張する。この膨張により、ローカバーは変形する。モールドが締められて、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーは、モールドのキャビティ面とブラダーの外面とに挟まれて、加圧される。ローカバーは、ブラダー及びモールドからの熱伝導により、加熱される。ローカバーのゴム組成物は、加圧と加熱とにより流動する。加熱により、ゴム組成物が架橋反応を起こして、タイヤ2が得られる。
前述したように、このタイヤ2では、ベルト12に含まれるコード30の中央aは赤道上に位置している。このコード30の中央aは、撚り数が多いので、伸びやすい。このタイヤ2のクラウン領域Cは、柔軟である。このクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ2は、直進性能に優れる。
前述したように、このタイヤ2では、ベルト12に含まれるコード30の端bはショルダー領域Sに位置している。このコード30の端bは、撚り数が少ないので、伸びにくい。このコード30の端bの部分は、ショルダー領域Sの剛性を向上しうる。このショルダー領域Sは、旋回性能の向上に寄与しうる。
このタイヤ2では、撚り数の少ないコード30の端bがショルダー領域Sに配され、撚り数の多いコード30の中央aがクラウン領域Cに配されているので、旋回性能及び直進性能が両立されうる。しかも、前述したように、このタイヤ2では、コード30の撚り数は、その中央aから端bに向かって連続的に変化している。このため、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、操作性の急な変化が効果的に抑制されている。このタイヤ2によれば、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ2は、操作性を損なうことなく、直進性能及び旋回性能の両立を達成しうる。
このタイヤ2では、コード30の端bの撚り数は15回/10cm以上30回/10cm以下が好ましい。この撚り数が30回/10cm以下に設定されることにより、コード30の端bの部分が伸びにくくなり、ショルダー領域Sの剛性が効果的に向上しうる。このショルダー領域Sは、旋回性能の向上に寄与しうる。この観点から、この撚り数は25回/10cm以下がより好ましい。この撚り数が15回/10cm以上に設定されることにより、コード30の耐久性が適切に維持される。この観点から。この撚り数は20回/10cm以上がより好ましい。なお、コード30の撚り数は、JIS−L1017に準じて計測される。
このタイヤ2では、コード30の中央aの撚り数は、このコード30の端bの撚り数の1.5倍以上2.5倍以下が好ましい。この中央aの撚り数が端bの撚り数の1.5倍以上に設定されることにより、コード30の中央aの部分が伸びやすくなり、クラウン領域Cに適切な柔軟性が付与される。適切な柔軟性を有するクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ2は、直進性能に優れる。この観点から、この中央aの撚り数は端bの撚り数の1.8倍以上がより好ましい。この中央aの撚り数が端bの撚り数の2.5倍以下に設定されることにより、クラウン領域Cの剛性が適切に維持されうる。この観点から、この中央aの撚り数は端bの撚り数の2.2倍以下がより好ましい。
このタイヤ2では、コード30の中央aの撚り数は35回/10cm以上60回/10cm以下がより好ましい。この撚り数が35回/10cm以上に設定されることにより、コード30の中央aの部分が伸びやすくなり、クラウン領域Cに適切な柔軟性が付与される。適切な柔軟性を有するクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ2は、直進性能に優れる。この観点から、この撚り数は40回/10cm以上がさらに好ましい。この撚り数が60回/10cm以下に設定されることにより、クラウン領域Cの剛性が適切に維持されうる。この観点から、この撚り数は50回/10cm以下がさらに好ましい。
本発明では、タイヤ2及び後述するタイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤ2及び後述するタイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2及び後述するタイヤに空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2及び後述するタイヤには荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2及び後述するタイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2及び後述するタイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
図4は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ34の一部が示された断面図である。このタイヤ34は、チューブレスタイプである。このタイヤ34は、二輪自動車に装着される。このタイヤ34は、トレッド36、サイドウォール38、ビード40、カーカス42、ベルト44、インナーライナー46及びチェーファー48を備えている。このタイヤ34は、トレッド36及びベルト44以外は図1に示されたタイヤ2の構成と同等の構成を有している。なお、この図4において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ34は、図4中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ34の赤道面を表す。
トレッド36は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド36は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド36は、トレッド面50を備えている。このトレッド面50は、路面と接地する。このトレッド面50には、溝が刻まれていない。このトレッド面50に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。
図示されているように、このタイヤ34では、トレッド36は軸方向において分割されている。このトレッド36は、複数の領域52から構成されている。これら領域52は、軸方向に並べられている。
このタイヤ34では、トレッド36は、第一の領域52aと、一対の第二の領域52bとからなる。この第一の領域52aは、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域52bは、この第一の領域52aの軸方向外側に位置している。このタイヤ34では、このトレッド36の一端54から他端54までの部分は3分割されている。
このタイヤ34では、トレッド36は、軸方向において3分割され、2種類の領域52から構成されている。なお、このトレッド36が、その分割数が5とされ、3種類の領域52から構成されてもよい。この場合、このトレッド36は、赤道上に位置する第一の領域52と、この第一の領域52の軸方向外側に位置する一対の第二の領域52と、それぞれの第二の領域52の軸方向外側に位置する一対の第三の領域52とからなる。このトレッド36が、その分割数が7とされ、4種類の領域52から構成されてもよい。この場合、このトレッド36は、赤道上に位置する第一の領域52と、この第一の領域52の軸方向外側に位置する一対の第二の領域52と、それぞれの第二の領域52の軸方向外側に位置する一対の第三の領域52と、それぞれの第三の領域52の軸方向外側に位置する一対の第四の領域52とからなる。このトレッド36が、その分割数が9とされ、5種類の領域52から構成されてもよい。この場合、このトレッド36は、赤道上に位置する第一の領域52と、この第一の領域52の軸方向外側に位置する一対の第二の領域52と、それぞれの第二の領域52の軸方向外側に位置する一対の第三の領域52と、それぞれの第三の領域52の軸方向外側に位置する一対の第四の領域52と、それぞれの第四の領域52の軸方向外側に位置する一対の第五の領域52とからなる。このタイヤ34では、トレッド36を構成する領域52の種類がNとされたとき、その分割数は(2N−1)で示される。このタイヤ34では、トレッド36が分割されるから、このNは2以上の自然数である。このタイヤ34の生産性の観点から、このNは6以下であるのが好ましい。生産性を損なうことなくタイヤ34の性能の向上が図れるという観点から、このNは5以下であるのがより好ましい。
このタイヤ34では、第一の領域52aは、第二の領域52bの硬度よりも低い硬度を有している。この第一の領域52aは、クラウン領域Cの柔軟性に寄与しうる。このタイヤ34は、直進直進走行時のトラクション性能及び接地感に優れる。この観点から、この第一の領域52aの硬度は、65以下が好ましい。クラウン領域Cの剛性が適切に維持されうるという観点から、この第一の領域52aの硬度は50以上が好ましい。なお、本発明では、上記硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、23°Cの条件下でタイプAのデュロメータがタイヤ34に押しつけられて測定される。
このタイヤ34では、第二の領域52bは、第一の領域52aの硬度よりも高い硬度を有している。この第二の領域52bは、 ショルダー領域Sの剛性を向上しうる。このタイヤ34は、旋回性能に優れる。この観点から、この第二の領域52bの硬度は、60以上が好ましい。優れた乗り心地が維持されうるという観点から、この第二の領域52bの硬度は70以下が好ましい。
ベルト44は、トレッド36の半径方向内側に位置している。ベルト44は、カーカス42の半径方向外側に位置している。ベルト44は、カーカス42と積層されている。ベルト44は、カーカス42を補強する。ベルト44は、内側プライ56i及び外側プライ56oからなる。
図示されていないが、内側プライ56iは並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、周方向に対して傾斜している。コードの傾斜角度θrの絶対値は、10°以上35°以下が好ましい。
内側プライ56iのコードは、有機繊維からなる。有機繊維の好ましい材質としては、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが例示される。なお、コードの材質がスチールとされてもよい。
図示されていないが、外側プライ56oは並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、周方向に対して傾斜している。このコードの傾斜方向は、内側プライ56iのコードの傾斜方向とは逆である。コードの傾斜角度θrの絶対値は、10°以上35°以下が好ましい。
外側プライ56oのコードは、有機繊維からなる。有機繊維の好ましい材質としては、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、レーヨン及びナイロンが例示される。なお、コードの材質がスチールとされてもよい。このタイヤ2では、外側プライ56oのコードには、内側プライ56iのコードと同等のものが用いられている。この外側プライ56oのコードに、内側プライ56iのコードとは異なるものが用いられてもよい。
図5には、このタイヤ34のベルト44に含まれるコード58が示されている。この図5には、符号a、b及びcで示された部分のコード58の撚り状況も併せて示されている。
図5において、符号aで示されているのがコード58の中央である。このタイヤ34では、このコード58の中央aが赤道上に位置している。符号bで示されているのが、このコード58の端である。このタイヤ34では、このコード58の端bはトレッド36の端54の近傍に位置している。このコード58は、トレッド36の内側に沿ってこのトレッド36の一端54から他端54に向かって延在している。
このタイヤ34では、コード58は、撚り数が異なる複数の区分60から構成されている。このコード58は、第一の区分60pと、一対の第二の区分60qと、一対の第三の区分60rとからなる。このコード58の中央aが位置する部分が第一の区分60pであり、このコード58の端bが位置する部分が第三の区分60rである。このコード58の符号cで示された部分が位置するのが第二の区分60qである。この第二の区分60qは、この第一の区分60pと第三の区分60rとの間に位置している。なお、符号cで示される位置は、第二の区分60qの中心である。
このタイヤ34では、第二の区分60qは第一の区分60pの撚り数よりも少ない撚り数を有している。第三の区分60rは、第二の区分60qの撚り数よりもさらに少ない撚り数を有している。このタイヤ34では、コード58が中央aと端bとの間に、それぞれが撚り数の異なる、3の区分60を有することにより、このコード58の撚り数が中央aから端bに向かって段階的に変化している。この変化により、このコード58は、その端bの撚り数が中央aの撚り数よりも少なくなるように構成されている。このタイヤ34では、1本のコード58に撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが存在している。
このタイヤ34は、次のようにして製造される。撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが一定の間隔で交互に設けられた、長尺コード(図示されず)が多数準備される。この製造方法では、撚り数が少ない部分(第三の区分60r)と同等の撚り数を有する基準コード(図示されず)にさらに撚りをかけて、この長尺コードが形成されるのが好ましい。生産性の観点から、予め癖付けされた基準コードを用いて、この長尺コードが形成されてもよい。
この製造方法では、多数の長尺コードが、それらの先端を揃えて配列された後、トッピングゴムとともに押し出され、シートが形成される。このシートの形成に際しては、これら長尺コードは、その延在方向が後述するシートの切断方向に対して傾斜するように配置される。
シートを切断して、プライ56が形成される。シートは、長尺コードの撚り数の少ない部分がプライ56におけるコード58の端bとなるように、切断される。このようにして形成されたプライ56では、コード58の撚り数の多い部分がその中央に配置される。
この製造方法では、シートの切断方向はタイヤ34の周方向に一致する。前述したように、シートの形成に際しては、これら長尺コードは、その延在方向がシートの切断方向に対して傾斜するように配置される。この傾斜角度は、前述の、コード58の傾斜角度θrに一致する。
プライ56は、インナーライナー46、カーカス42、ビード40、サイドウォール38、トレッド36等の部材とともにフォーマー(図示されず)に供給される。このフォーマーにおいて、プライ56が他の部材と組み合わされ、ローカバーが得られる。このローカバーの成形においては、プライ56は、これに含まれるコード58の撚り数が多い部分が赤道上に位置するように配置される。
ローカバーは、開かれたモールド(図示されず)に投入される。投入のとき、ブラダー(図示されず)は収縮している。投入により、ブラダーはローカバーの内側に位置する。ガスの充填により、ブラダーが膨張する。この膨張により、ローカバーは変形する。この変形は、シェーピングと称されている。モールドが締められて、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーは、モールドのキャビティ面とブラダーの外面とに挟まれて、加圧される。ローカバーは、ブラダー及びモールドからの熱伝導により、加熱される。ローカバーのゴム組成物は、加圧と加熱とにより流動する。加熱により、ゴム組成物が架橋反応を起こして、タイヤ34が得られる。
前述したように、このタイヤ34では、そのベルト44において、コード58の中央aは赤道上に位置している。コード58の中央aの撚り数は多いので、このコード58の中央aの部分は伸びやすい。このため、このタイヤ34のクラウン領域Cには、柔軟性がある。このクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ34は、直進性能に優れる。
前述したように、このタイヤ34では、そのベルト44において、コード58の端bはショルダー領域Sに位置している。このコード58の端bの撚り数は少ないので、このコード58の端bの部分は伸びにくい。この端bの部分は、ショルダー領域Sの剛性を向上しうる。このショルダー領域Sは、旋回性能の向上に寄与しうる。
このタイヤ34では、撚り数の少ないコード58の端bがショルダー領域Sに配され、撚り数の多いコード58の中央aがクラウン領域Cに配されているので、旋回性能及び直進性能が両立されうる。しかも、前述したように、このタイヤ34では、コード58の撚り数は中央aから端bに向かって段階的に変化している。このため、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、操作性の急な変化が効果的に抑制されている。このタイヤ34によれば、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ34は、操作性を損なうことなく、直進性能及び旋回性能の両立が達成されうる。
このタイヤ34では、コード58の端bの撚り数は15回/10cm以上30回/10cm以下が好ましい。この撚り数が30回/10cm以下に設定されることにより、コード58の端bの部分が伸びにくくなり、ショルダー領域Sの剛性が効果的に向上する。このショルダー領域Sは、旋回性能の向上に寄与しうる。この観点から、この撚り数は25回/10cm以下がより好ましい。この撚り数が15回/10cm以上に設定されることにより、コード58の耐久性が適切に維持される。この観点から。この撚り数は20回/10cm以上がより好ましい。
このタイヤ34では、コード58の中央aの撚り数は、このコード58の端bの撚り数の1.5倍以上2.5倍以下が好ましい。この中央aの撚り数が端bの撚り数の1.5倍以上に設定されることにより、コード58の中央aの部分が伸びやすくなり、クラウン領域Cに適切な柔軟性が付与される。適切な柔軟性を有するクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ34は、直進性能に優れる。この観点から、この中央aの撚り数は端bの撚り数の1.8倍以上がより好ましい。この中央aの撚り数が端bの撚り数の2.5倍以下に設定されることにより、クラウン領域Cの剛性が適切に維持されうる。この観点から、この中央aの撚り数は端bの撚り数の2.2倍以下がより好ましい。
このタイヤ34では、コード58の中央aの撚り数は35回/10cm以上60回/10cm以下がより好ましい。この撚り数が35回/10cm以上に設定されることにより、コード58の中央aの部分が伸びやすくなり、クラウン領域Cに適切な柔軟性が付与される。適切な柔軟性を有するクラウン領域Cは、直進走行時のトラクション性能及び接地感の向上に寄与しうる。このタイヤ34は、直進性能に優れる。この観点から、この撚り数は40回/10cm以上がさらに好ましい。この撚り数が60回/10cm以下に設定されることにより、クラウン領域Cの剛性が適切に維持されうる。この観点から、この撚り数は50回/10cm以下がさらに好ましい。
このタイヤ34では、操作性の向上の観点から、第二の区分60qにおけるコード58の撚り数は、上記コード58の中央aの撚り数よりも少なく、上記コード58の端bの撚り数よりも多いのが好ましい。操作性を効果的に向上しうるという観点から、この第二の区分60qにおけるコード58の撚り数は、中央aの撚り数と端bの撚り数とのメジアンであるのが好ましい。
図4において、符号Pで示されているのは、トレッド36の分割位置である。この分割位置は、第一の領域52aと第二の領域52bとの境界位置である。符号X及びYで示されているのは、コード58の撚り数が変化する位置(以下、変化点)である。変化点Xは、コード58の第一の区分60pと第二の区分60qとの境界位置である。変化点Yは、コード58の第二の区分60qと第三の区分60rとの境界位置である。
このタイヤ34では、直進走行から旋回走行に移行する場合、変化点Xの部分、分割位置Pの部分、変化点Yの部分の順に、タイヤ34は路面と接触していく。旋回走行から直進走行に移行する場合においては、変化点Yの部分、分割位置Pの部分、変化点Xの部分の順に、タイヤ34は路面と接触していく。このタイヤ34では、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、特性が徐々に変化していくので、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ34では、操作性が効果的に向上されている。
このタイヤ34では、変化点Xの部分と分割位置Pの部分とが同時に路面と接触することが防止されている。このタイヤ34では、分割位置Pの部分と変化点Yの部分とが同時に路面と接触することが防止されている。このタイヤ34では、特性の変化する部分が分散している。このタイヤ34では、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、操作性の急な変化が抑制されている。このタイヤ34によれば、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ34では、操作性が効果的に向上されている。
このタイヤ34では、トレッド36が分割されているので、操作性向上の観点から、コード58における撚り数の変化点を過剰に設ける必要がない。このトレッド36の分割は、長尺コードの生産性低下を防止しうる。
図4において、両矢印L1で示されているのは、分割位置Pから変化点Xまでの距離を表している。両矢印L2で示されているのは、この分割位置Pから変化点Yまでの距離を表している。この距離L1及びL2は、ベルト44の外面62に沿って計測される。
このタイヤ34では、好ましくは、距離L1は0よりも大きい。換言すれば、分割位置Pは変化点Xから離れた位置に配置されている。分割位置Pが変化点Xと重複しないように配置されているので、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、操作性の急な変化が抑制されている。このタイヤ34によれば、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ34では、操作性が効果的に向上されている。
このタイヤ34では、好ましくは、距離L2は0よりも大きい。換言すれば、分割位置Pは変化点Yから離れた位置に配置されている。分割位置Pが変化点Yと重複しないように配置されているので、直進走行から旋回走行に移行する場合においても、旋回走行から直進走行に移行する場合においても、操作性の急な変化が抑制されている。このタイヤ34によれば、ライダーは違和感を感じることなく、二輪自動車を操縦しうる。このタイヤ34では、操作性が効果的に向上されている。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、180/55R17である。このタイヤのベルトには、その撚り数が中央から端に向かって連続的に変化するように構成されたコードが用いられている。このコードの中央は、赤道上に位置している。このコードの中央の撚り数は、60回/10cmである。このコードの端は、トレッドの端の近傍に位置している。このコードの端の撚り数は、30回/10cmである。この中央の撚り数のこの端の撚り数に対する比(中央/端)は、2.0である。このコードは、ナイロン繊維からなり、その繊度は1400dtexである。このコードの傾斜角度θrは、26°である。なお、このコードは、癖付けをされることなく形成されている。
[実施例2−4]
中央の撚り数及び端の撚り数を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例5−9]
中央の撚り数を変えて比(中央/端)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例10−14]
中央の撚り数及び端の撚り数を変えて比(中央/端)を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例1]
比較例1は、従来のタイヤである。このタイヤのベルトに含まれるコードの撚り数は、その中央においてもその端においても同じである。このタイヤでは、その撚り数が40回/10cmとされたコードが用いられている。このコードは、ナイロン繊維からなり、その繊度は1400dtexである。このコードの傾斜角度θrは、26°である。
[比較例2−4]
コードの撚り数を下記表1の通りとした他は比較例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例18]
図4に示された基本構成を備え、下記表5に示された仕様を備えた実施例18の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、180/55R17である。このタイヤのベルトには、その撚り数が中央から端に向かって段階的に変化するように構成されたコードが用いられている。その赤道上に位置する第一の区分の撚り数、つまり、このコードの中央の撚り数は、60回/10cmである。トレッドの端の近傍に位置する第三の区分の撚り数、つまり、このコードの端の撚り数は、30回/10cmである。この第一の区分と第三の区分との間に位置する第二の区分の撚り数は、45回/10cmである。中央の撚り数の端の撚り数に対する比(中央/端)は、2.0である。コードは、ナイロン繊維からなり、その繊度は1400dtexである。このコードの傾斜角度θrは、26°である。このコードは、癖付けをされることなく形成されている。このことが、表5中、「B」で示されている。このタイヤのトレッドは、軸方向において分割されている。このことが、表5中、「D」で示されている。このトレッドの分割位置Pは、コードの変化点X及びYのそれぞれとは重複していない。このことが、表5中、「G」で示されている。
[実施例17]
トレッドの分割位置Pをコードの変化点Xと重複させた他は実施例18と同様にして、タイヤを得た。トレッドの分割位置Pがコードの変化点Xと重複していることが、表5中、「NG」で示されている。
[実施例16]
軸方向に分割されたトレッドでなく、軸方向に一体で構成されたトレッドを用いた他は実施例18と同様にして、タイヤを得た。軸方向に一体で構成されたトレッドが用いられていることが、表5中、「ND」で示されている。
[実施例15]
軸方向に分割されたトレッドでなく軸方向に一体で構成されたトレッドを用い、癖付けをされて形成されたコードを用いた他は実施例18と同様にして、タイヤを得た。この癖付けをされて形成されたコードが用いられていることが、表5中、「A」で示されている。
[走行テスト]
試作タイヤを排気量が600ccである市販の自動二輪車(4サイクル)の後輪に装着し、その内圧が200kPaとなるように空気を充填した。前輪には、市販のタイヤ(サイズ:120/70R17)を装着し、その内圧が200kPaとなるように空気を充填した。この自動二輪車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。評価項目は、トラクション性能、接地性、旋回性能及び移行時の操作性である。この結果が、下記表1、表2、表3、表4及び表5に10点が満点とされた指数値で示されている。この数値が大きいほど、良好である。
Figure 2012126225
Figure 2012126225
Figure 2012126225
Figure 2012126225
Figure 2012126225
表1、表2、表3、表4及び表5に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、様々な空気入りタイヤにも適用されうる。
2、34・・・タイヤ
4、36・・・トレッド
6、38・・・サイドウォール
8、40・・・ビード
10、42・・・カーカス
12、44・・・ベルト
28i、28o、28、56i、56o、56・・・プライ
30i、30o、30、58・・・コード
32i、32o、32・・・トッピングゴム
52、52a、52b・・・領域
60、60p、60q、60r・・・区分
62・・・外面

Claims (8)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの半径方向内側に位置するベルトとを備えており、
    このベルトが、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなるプライを備えており、
    それぞれのコードが、周方向に対して傾斜して延在しており、
    このコードの端の撚り数が、このコードの中央の撚り数よりも少ない、二輪自動車用空気入りタイヤ。
  2. 上記コードの撚り数が、中央から端に向かって連続的に変化している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記コードが中央と端との間に撚り数が異なる複数の区分を有することにより、このコードの撚り数が中央から端に向かって段階的に変化している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記コードの端の撚り数が、15回/10cm以上30回/10cm以下であり、
    上記コードの中央の撚り数が、この端の撚り数の1.5倍以上2.5倍以下である請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記トレッドが、軸方向において複数の領域に分割されている請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 撚り数の少ない部分と撚り数の多い部分とが交互に設けられた長尺コードが多数準備される工程と、
    これら長尺コードが、先端を揃えて配列された後、トッピングゴムとともに押し出され、シートが形成される工程と、
    上記撚り数の少ない部分が上記コードの端となるようにこのシートが切断され、プライが形成される工程と、
    上記撚り数の多い部分が赤道上に位置するようにこのプライが配置されたローカバーが得られる工程と、
    このローカバーが、加圧及び加熱される工程と
    を含んでおり、
    上記シートの形成工程において、各長尺コードが上記シートの切断方向に対して傾斜するように配置されている、タイヤの製造方法。
  7. 上記長尺コードが、癖付けされたワイヤーを用いて形成されている請求項6に記載のタイヤの製造方法。
  8. 上記長尺コードが、上記撚り数が少ない部分と同等の撚り数を有する基準コードにさらに撚りをかけて形成されている請求項6に記載のタイヤの製造方法。
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