JP2012126188A - 車両用フレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドシルやピラー等の車両用フレーム構造として、側突荷重等に対する変形抑制効果の高い構造を提供する。
【解決手段】中空のフレーム本体2の内部に、該フレーム本体の内部を横断するようにバルクヘッド10を配設した構成において、前記バルクヘッド10の板面部に、車外側に位置する第1辺部10aの中央より該辺部の両端の各角部10d、10d寄りの部位と、該部位に対応する車内側に位置する第2辺部10bの両端の角部10e、10eとを互いに交わることなく結ぶ2つの第1リブ21、21と、前記第1辺部10aの両端の各角部10d、10dと、該角部の対角線上に位置する前記第2辺部10bの両端の角部10e、10eとを互いに交わって結ぶ2つの第2リブ22、22とを設け、これらのリブにより、フレーム本体2に外方から作用する荷重を分散して車内側へ伝達する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体を構成するサイドシルやピラー等のフレーム構造に関し、車両の車体構造技術の分野に属する。
自動車等の車両においては、車体の側部下縁に配設されて前後方向に延びるサイドシルや、車体側面の開口部に沿って配設されて上下方向に延びるピラーなどの各種フレームが設けられるが、この種のフレームは、例えば側突や前突に対して車室内を保護するために、或いは車体のねじり剛性を向上させて車両の良好な操縦安定性を実現するために、所要の強度や剛性が要求され、そこで、中空のフレーム本体の内部に補強体を配設し、フレーム全体としての重量増を極力抑制しながら、その強度や剛性を向上させることが試みられている。
例えば特許文献1には、車体の側部下縁に沿って前後方向に延びるサイドシル(ロッカー)のリーンフォースメントとインナパネルとで形成される閉断面内に、該閉断面を長手方向に仕切る金属板でなるバルクヘッドを配設した構成が開示されており、このバルクヘッドは、側突時におけるロッカーの閉断面崩れを効果的に抑制するため、板面に車外側の下方位置から車内側の上方位置へ延びる補強ビードを設けた構成とされている。
また、特許文献2には、同じくサイドシル(ロッカー)を構成するインナパネルとアウタパネルとで形成される閉断面内に、硬質樹脂で略X字状に形成された補強部材を配設し、該補強部材の各端部を閉断面の4箇所の角部に、発泡性接着剤を用いてそれぞれ内側から接合させた構成が開示されている。
特開2008−120179号公報 特開2009−173109号公報
前記引用文献1、2の構成は、いずれも、サイドシルに車体外方から入力される側突荷重を剛性の高い車外側の角部から車内側の角部へ伝達することにより、該サイドシルの断面変形を防止しようとするものであるが、特許文献1のバルクヘッドは、補強ビードにより、側突荷重をロッカーの車外側の下方の角部から車内側の上方の角部へ伝達する構成であり、また、特許文献2のものも、側突荷重をロッカーの車外側の上下の角部から車内側の上下の角部へ対角線状に伝達する構成で、前者のものでは、車外側の上方の角部に入力された荷重は車内側へ確実に伝達できず、また、後者のものも、例えば車外側の下方の角部に入力された荷重は車内側の上方の角部に集中的に伝達されることになって、側突荷重を分散することができず、いずれも、耐側突性能が必ずしも十分とはいえない面がある。
そこで、本発明は、サイドシルやピラー等の車両用のフレーム構造として、車体外方からの荷重を効果的に分散しながら車内側へ伝達することが可能な構造を実現して、側突荷重等による当該フレームの断面変形を効果的に抑制することを第1の課題とする。また、本発明は、前記課題に加えて、車体のねじり剛性を向上させるのに有効なフレーム構造を実現することを第2の課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に係る発明は、中央面部とその両側に続く一対の側面部とで断面略コ字状とされた2つのフレーム構成部材を対向させて両側面部の端部同士を接合することにより形成された中空のフレーム本体の内部に、該フレーム本体の内部を横断するようにバルクヘッドが配設され、かつ、前記2つのフレーム構成部材のうちの一方のフレーム構成部材の中央面部が車体外方を向くように配置される車両用フレーム構造であって、前記バルクヘッドは、前記一方のフレーム構成部材の中央面部に沿う第1辺部と、他方のフレーム構成部材の中央面部に沿う第2辺部と、両フレーム構成部材の側面部に沿い、前記第1、第2辺部の端部同士を結ぶ一対の第3辺部とで囲まれた板面部を有し、かつ、該板面部に、前記第1辺部の中央より該辺部の両端の各角部寄りの部位と、該部位に対応する前記第2辺部の両端の角部とを互いに交わることなく結ぶ2つの第1線状補強部と、前記第1辺部の両端の各角部と、該角部の対角線上に位置する前記第2辺部の両端の角部とを互いに交わって結ぶ2つの第2線状補強部とが設けられていることを特徴とする。
ここで、前記第1線状補強部の第1辺部側の端部が位置する該辺部両端の角部寄りの部位には、その角部自体も含まれるが、例えば板面部の周囲に周壁部が設けられる場合においては、該周壁部と第1線状補強部との重なりを回避し、或いは製造上の理由等から、該第1線状補強部の第1辺部側の端部が、該辺部の両端の角部から中央側に寄った位置に設けられることがある。また、前記第1線状補強部の第2辺部側の端部、及び第2線状補強部の第1、第2辺部側の端部が位置する角部には、隣接する辺部が交わる角の近傍が含まれる。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の車両用フレーム構造において、前記バルクヘッドの板面部に、前記一対の第3辺部における前記フレーム構成部材の側面部同士の接合部に対応する部位を結ぶ第3線状補強部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の車両用フレーム構造において、前記第3線状補強部は、前記2つの第2線状補強部の交点を通らないように設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用フレーム構造において、前記バルクヘッドは樹脂製であり、前記第1、第2線状補強部、及び前記第3線状補強部が設けられる場合における該第3線状補強部は、前記板面部に設けられたリブであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載の車両用フレーム構造において、前記リブは、前記板面部の両面に設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の車両用フレーム構造において、前記バルクヘッドは、前記板面部に略直交して設けられて該板面部の周囲を囲む周壁部を有することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の車両用フレーム構造において、前記周壁部のフレーム本体の長手方向に沿う幅寸法は、バルクヘッドの前記第1辺部側の部位より前記第2辺部側の部位の方が広くされていることを特徴とする。
そして、請求項8に係る発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用フレーム構造において、前記バルクヘッドは金属製であり、前記第1、第2線状補強部、及び前記第3線状補強部が設けられる場合における該第3線状補強部は、前記板面部に設けられたビードであることを特徴とする。
上記の構成により、前記各請求項に係る発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に係る発明によれば、中空のフレーム本体の内部に該フレーム本体の内部を横断するように配設されるバルクヘッドの板面部に、車体外方側に位置する第1辺部の中央より該辺部の両端の各角部寄りの部位と、該部位に対応する車体内方側に位置する第2辺部の両端の角部とを互いに交わることなく結ぶ2つの第1線状補強部と、前記第1辺部の両端の各角部と、該角部の対角線上に位置する前記第2辺部の両端の角部とを互いに交わって結ぶ2つの第2線状補強部とを設けたので、例えば当該車両の側突時等において、フレーム本体の車体外方の面に荷重が加わったときに、この荷重は、前記バルクヘッドの車外側に位置する第1辺部の中央より両端の角部寄りの部位から、該部位に対応する車内側の第2辺部の両端の角部に向けて、第1線状補強部を介して伝達されると同時に、同じく車外側に位置する第1辺部の両端の角部から、該角部の対角線上に位置する車内側の第2辺部の両端の角部に向けて、第2線状補強部を介して伝達されることになる。
つまり、車外側の第1辺部の一端の角部ないし該角部寄りの部位から車内側の第2辺部の両端の角部に荷重が分散されて伝達され、また、車外側の第1辺部の他端の角部ないし該角部寄りの部位からも、車内側の第2辺部の両端の角部に荷重が分散されて伝達されることになる。
これにより、フレーム本体に外方から加わった荷重が、該フレーム本体の車体外方の面に上下方向に偏って入力された場合にも、バルクヘッドにおける車内側の第2辺部の上下両端の角部の両方にほぼ均等に伝達されて、該フレーム本体の車内側の面の広い範囲で受け止められることになる。その結果、重量増加を抑制して当該車両の燃費の改善ないし省エネルギー効果の向上を図りつつ、前記荷重によるフレーム本体の断面形状の変形を抑制して、例えばサイドシルの耐側突性能を向上させることが可能となる。
また、請求項2に係る発明によれば、前記バルクヘッドの板面部に、一対の第3辺部における前記フレーム構成部材の側面部同士の接合部に対応する部位を結ぶ第3線状補強部を設けたから、フレーム本体の前記2箇所の接合部が互いに離間し或いは接近するような変形が抑制されることになる。この変形は、例えば車体のねじれによって生じることがあるもので、この変形が抑制されることにより、車体のねじり剛性が向上し、当該車両の操縦安定性が向上する。
ところで、前記第3線状補強部を設ける場合に、この補強部が互いに交わる2つの第2線状補強部の交点を通ると、3つの線状補強部が一点で交わることになり、この場合、各線状補強部によって伝達される荷重がそれらの交点に集中し、該交点の近傍でバルクヘッドの強度が不足し、破損するおそれが生じる。
これに対し、請求項3に係る発明によれば、前記第3線状補強部を設ける場合に、該補強部が前記2つの第2線状補強部の交点を通らないように設けるので、この交点に荷重が集中することが抑制され、該交点近傍でのバルクヘッドの破損が抑制されるなど、該バルクヘッドの強度が向上することになる。
また、請求項4に係る発明によれば、前記バルクヘッドを樹脂製とし、前記各線状補強部を板面部に設けたリブとしたことにより、比較的簡素な構成で、上記のような荷重の分散伝達効果ないし断面形状の変形抑制効果が実現される。
そして、請求項5に係る発明によれば、バルクヘッドが樹脂製の場合に、前記リブを板面部の両面に設けたので、車体外方からの荷重がバルクヘッドの片面側に偏ることなく、両面に均等に分散されて車内側に伝達されることになり、荷重の分散がさらに良好に行われて、フレーム本体の変形抑制効果がさらに向上することになる。
また、請求項6に係る発明によれば、前記バルクヘッドに板面部の周囲を囲む周壁部を設けたので、フレーム本体に入力される車体外方からの荷重が、周壁部が存在しない場合に比べて、フレーム本体の長手方向に広い幅でバルクヘッドに入力されると共に、車内側へも広い幅で伝達されることになり、フレーム本体の変形がさらに効果的に抑制されると共に、バルクヘッドのフレーム本体の内面に対する広い接合面積を確保することができ、該バルクヘッドをフレーム本体の内部に、正規の姿勢で良好に配設することが可能となる。
そして、請求項7に係る発明によれば、前記バルクヘッドにおける周壁部のフレーム本体の長手方向に沿う幅寸法を、第1辺部側より第2辺部側の方が広くなるように設定したので、フレーム本体の車体外方の面から入力される荷重が車内側の面にさらに分散されて伝達されることになり、バルクヘッドの荷重分散伝達性能がさらに向上することになる。
そして、請求項8に係る発明によれば、前記バルクヘッドを金属製とし、前記各線状補強部を板面部に設けたビードとしたことにより、前記請求項4の発明と同様に、比較的簡素な構成で、荷重の分散伝達効果が実現される。
本発明の実施形態に係るフレーム構造の要部を示す斜視図である。 同じくフレーム構造の要部を示す断面図である。 同実施形態におけるバルクヘッドの単体斜視図である。 同じく平面図である。 同じく側面図である。 車体のねじれによるフレーム本体の変形の説明図である。 バルクヘッドの他の実施形態を示す正面図である。
以下、本発明のフレーム構造を、車体の側部下縁に配設されて前後方向に延びるサイドシルに適用した場合の実施形態について説明する。
図1に示すように、前記サイドシル1は中空のフレーム本体2を有し、該フレーム本体2は、アウタパネル3とインナパネル4とで構成されていると共に、図2に示すように、前記アウタパネル3は、車体外方を向く中央面部3aと、その上下の縁部に連続して車内側へ折曲された上面部3b及び下面部3cとを有し、全体として断面形状が略コ字状とされている。また、インナパネル4は、車体内方を向く中央面部4aと、その上下の縁部に連続して車外側へ折曲された上面部4b及び下面部4cとを有し、前記アウタパネル3と同様、全体として断面形状が略コ字状とされている。
そして、アウタパネル3の前記上面部3b及び下面部3cの端部にはフランジ部3d、3eがそれぞれ設けられていると共に、インナパネル4の前記上面部4b及び下面部4cの端部にもフランジ部4d、4eがそれぞれ設けられており、両パネル3、4を対向させた状態で、アウタパネル3のフランジ部3d、3eと、インナパネル4のフランジ部4d、4eとをそれぞれ接合することにより、前後方向に延びる中空部を有するフレーム本体2が形成されている。
また、図1、図2に示すように、このフレーム構造においては、前記フレーム本体2の内部に、樹脂でなる複数(1つのみ図示)のバルクヘッド10が適宜間隔を隔てて該フレーム本体内部を横断するように配設されている。このバルクヘッド10は、周囲が発泡接着剤5を介してフレーム本体2の内面に接合されており、これにより、該フレーム本体2の内部が長手方向に仕切られている。
次に、このバルクヘッド10の構成を図3〜5により説明すると、該バルクヘッド10は、フレーム本体2の中空部を仕切る板面部11と、該板面部11と直交し、該板面部11からフレーム本体2の長手方向の両側に延びて該板面部11の周囲を囲む周壁部12とを有し、全体形状が、前記アウタパネル3の中央面部3aに沿う第1辺部10aと、該第1辺部10aに対向して、前記インナパネル4の中央面部4aに沿う第2辺部10bと、前記両パネル3、4の上面部3b、4b及び下面部3c、4cにそれぞれ沿い、前記第1、第2辺部10a、10bの上下の端部同士を結ぶ上下一対の第3辺部10c、10cとで囲まれた略四角形状とされている。
なお、この実施形態では、前記アウタパネル3の上面部3bと下面部3c、及び前記インナパネル4の上面部4bと下面部4cは、いずれもフランジ側がやや開いたコ字状とされて、フレーム本体2の断面形状が正確には略六角形状とされており、これに伴って、前記バルクヘッド10の上下の第3辺部10c、10cは山形に折曲した形状とされ、該バルクヘッド10も、正確には略六角形状とされている。
また、図4にバルクヘッド10の平面形状を示すように、前記周壁部12のフレーム本体2の長手方向に沿う幅寸法は、前記第1辺部10a側の寸法W1より第2辺部10b側の寸法W2の方が広くされている。
そして、このバルクヘッド10の前記周壁部12で囲まれた板面部11の両面には、複数のリブが設けられており、次に、図2、図3により、一方の面を例にとって、これらのリブの構成を説明する。
まず、前記バルクヘッド10の第1辺部10aの中央より該第1辺部10aの上下両端の角部10d、10d寄りの部位a、aと、該角部10d、10dと上下に対応する第2辺部10bの両端の角部10e、10eとの間に、互いに交わることなく、略ハ字状をなして延びる2つの第1リブ21、21が設けられている。
また、前記第1辺部10aの両端の角部10d、10dと、これらの角部10d、10dの対角線上に位置する前記第2辺部10bの両端の角部10e、10eとの間に、X字状に交わって延びる2つの第2リブ22、22が設けられている。
さらに、前記の上下一対の第3辺部10c、10cの山形をなす折れ曲がり部b、bを結ぶように、1つの第3リブ23が設けられている。この第3リブ23は、前記2つの第2リブ22、22の交点cを通らないように設けられ、2つの第1リブ21、21と2つの第2リブ22、22とに、合計4箇所で交わっている。
なお、この実施形態のバルクヘッド10のように、上下の第3辺部10c、10cが折曲されて全体形状が略六角形状とされている場合は、型抜き等の製造上の問題がなければ、前記第1リブ21、21の部位a、aに位置する第1辺部10a側の端部を、該辺部10aの両端の角部10d、10dに設けてもよい。
さらに、このバルクヘッド10には、これをフレーム本体2の内部に配設するための構成として、第1辺部10aの上部における周壁部12の外面に仮止めピンの係合部12aが設けられていると共に、下方の第3辺部10cにおける周壁部12の下面には、一対の脚部12b、12bが設けられている。
そして、このバルクヘッド10をフレーム本体2の内部に配設するときは、アウタパネル3とインナパネル4との接合前に、バルクヘッド10の周壁部12の外面に未発泡の発泡接着剤5を塗布した上で、図2に示すように、前記係合部12aに係合させたピン6をアウタパネル3に設けた孔3fに挿通し、かつ脚部12b、12bを該アウタパネル3の下面部3c上に設置して、該バルクヘッド10をアウタパネル3の内側にセットする。そして、この状態で該アウタパネル3とインナパネル4とを接合すると共に、その後、前記接着剤5を発泡させる。
これにより、図1、図2に示すように、バルクヘッド10が、サイドシル1のフレーム本体2の内部に、発泡接着剤5を介して、該フレーム本体2の中空部を横断するように配設されることになる。
次に、以上のようなフレーム構造を備えたサイドシル1におけるバルクヘッド10の作用を説明する。
図2に示すように、当該車両の側突時等において、サイドシル1に外方から大きな荷重Fが加わった場合、この荷重Fはフレーム本体2を構成するアウタパネル3の中央面部3aからバルクヘッド10の第1辺部10aに入力され、該バルクヘッド10を介してインナパネル4側に伝達されることになる。
このとき、前記第1辺部10aの中央より該辺部両端の角部10d、10d寄りの部位a、aと、該角部10d、10dと上下に対応する第2辺部10bの両端の角部10e、10eとの間に、互いに交わることなく延びる2つの第1リブ21、21が設けられているので、前記荷重Fは、まず、このリブ21、21を介して、第2辺部10bの剛性の高い上下両端の角部10e、10eにそれぞれ伝達されることになる。
また、前記第1辺部10aの両端の角部10d、10dと、これらの角部10d、10dの対角線上に位置する第2辺部10bの両端の角部10e、10eとの間にも、互いに交わって延びる2つの第2リブ22、22が設けられているから、前記荷重Fは、これらのリブ22、22を介しても、第2辺部10bの両端の角部10e、10eにそれぞれ伝達されることになる。
つまり、前記荷重Fは、第1辺部10aの上端の角部10dないしその近傍から、一方の第1リブ21を介して第2辺部10bの上方の角部10eに伝達されると同時に、一方の第2リブ22を介して第2辺部10bの下方の角部10eにも伝達されることになり、また、第1辺部10aの下端の角部10dないしその近傍から、他方の第1リブ21を介して第2辺部10bの下方の角部10eに伝達されると同時に、他方の第2リブ22を介して第2辺部10bの上方の角部10eにも伝達されることになり、第1辺部10aの上部に入力された荷重も下部に入力された荷重も、第2辺部10b側の2つの角部10e、10eに分散されて伝達されることになる。
これにより、サイドシル1に外方から加わった荷重Fが、アウタパネル3の中央面部3aに上下均等に入力された場合はもとより、該中央面部3aに上下方向に偏って入力された場合にも、バルクヘッド10における第2辺部10bの上下両端の角部10e、10eの両方に分散されてほぼ均等に伝達され、剛性の高いこれらの角部10e、10eで確実に受け止められることになる。その結果、インナパネル4への局部的な荷重の作用が抑制され、側突荷重等によるサイドシル1ないしフレーム本体2の断面形状の変形が抑制されることになる。
また、車体に例えば路面の凹凸等に起因してねじり荷重が加わった場合、サイドシル1のフレーム本体2は、図6に変形を誇張して示すように、アウタパネル3及びインナパネル4の上面部3b、4bと下面部3c、4cのフランジ3d、4d及び3e、4eによる上下の接合部x、yが互いに離間するように変形する。
これに対し、前記バルクヘッド10には、上下一対の第3辺部10c、10cの折れ曲がり部b、b、即ち、前記フレーム本体2におけるアウタパネル3とインナパネル4の上下の接合部x、yに対応する部位を結ぶ第3リブ23が設けられているから、この第3リブ23により、前記フレーム本体2の上下の接合部x、yが離間するような変形が抑制されることになる。これにより、車体のねじり剛性が向上し、当該車両の良好な操縦安定性が実現される。
その場合に、前記第3リブ23は、2つの第2リブ22、22の交点cを通らないから、これらのリブ22、22、23を伝達する荷重が一点で集中することが回避されて、荷重の集中による該バルクヘッド10の中央部における破損等が抑制されることになり、該バルクヘッド10の強度が向上する。
さらに、この実施形態に係るバルクヘッド10は、前記第1〜第3リブ21〜23が板面部11の両面に設けられているから、サイドシル1のアウタパネル3から入力される荷重が該バルクヘッド10の片面側に偏ることなく、板面部11の両面に均等に分散されてインナパネル4側に伝達されることになり、荷重の分散伝達性能がさらに向上することになる。
また、前記板面部11の周囲を囲む周壁部12を有するので、前記荷重Fがフレーム本体2の長手方向に比較的広い幅でバルクヘッド10に入力されると共に、インナパネル4側へも広い幅で伝達されることになり、フレーム本体2の変形がさらに効果的に抑制されると共に、フレーム本体2の内面に対する該バルクヘッド10の広い接合面積を確保することができ、該バルクヘッド10が正規の姿勢で良好に配設されることになる。
そして、この周壁部12は、図4に示すように、第1辺部10a側の寸法W1より第2辺部10b側の寸法W2の方が広くされているので、フレーム本体2のアウタパネル3側から該バルクヘッド10に入力される荷重がインナパネル4側に向けて分散されながら伝達されることになり、荷重の分散伝達性能がさらに向上することになる。
また、この実施形態に係るバルクヘッド10においては、図3に示すように、前記第1〜第3リブ21〜23の板面部11からの高さが、第1〜第3辺部10a、10b、10cに接する端部より中間部のほうが低くされており、これにより、これらのリブ21〜23の荷重伝達性能を低下させない範囲で、バルクヘッド10の軽量化が図られている。
そして、軽量化に関し、図8に示すバルクヘッド10’においては、板面部11’における周壁部12’と各リブ21’、22’、23’とで仕切られた部分のうち、比較的面積が大きく、荷重伝達性能への影響が比較的少ない部分に、開口部11a’が設けられており、これにより、リブによる荷重伝達性能を低下させることなく、バルクヘッド10’の軽量化が図られている。
なお、以上の実施形態では、バルクヘッド10、10’は樹脂で形成されているが、金属でバルクヘッドを形成することもでき、その場合は、板面部に、前記リブに代えてビードが設けられることになる。
また、以上の実施形態は、本発明をサイドシル1に適用した場合のものであるが、サイドシル以外に例えばセンタピラー等にも適用することができ、ピラーに適用した場合は、フレーム本体2のアウタパネル3及びインナパネル4の上面部3b、4b、下面部3c、4cは、例えば前面部、後面部となる。
以上のように、本発明によれば、車体の耐側突性能や耐ねじり変形性能等に優れたはフレーム構造が実現されるので、本発明は、車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 サイドシル(フレーム)
3 アウタパネル(フレーム構成部材)
4 インナパネル(フレーム構成部材)
10、10’ バルクヘッド
10a 第1辺部
10b 第2辺部
10c 第3辺部
10d、10e 角部
11、11’ 板面部
12、12’ 周壁部
21、21’ 第1リブ(第1線状補強部)
22、22’ 第2リブ(第2線状補強部)
23、23’ 第3リブ(第3線状補強部)

Claims (8)

  1. 中央面部とその両側に続く一対の側面部とで断面略コ字状とされた2つのフレーム構成部材を対向させて両側面部の端部同士を接合することにより形成された中空のフレーム本体の内部に、該フレーム本体の内部を横断するようにバルクヘッドが配設され、かつ、前記2つのフレーム構成部材のうちの一方のフレーム構成部材の中央面部が車体外方を向くように配置される車両用フレーム構造であって、
    前記バルクヘッドは、前記一方のフレーム構成部材の中央面部に沿う第1辺部と、他方のフレーム構成部材の中央面部に沿う第2辺部と、両フレーム構成部材の側面部に沿い、前記第1、第2辺部の端部同士を結ぶ一対の第3辺部とで囲まれた板面部を有し、
    かつ、該板面部に、前記第1辺部の中央より該辺部の両端の各角部寄りの部位と、該部位に対応する前記第2辺部の両端の角部とを互いに交わることなく結ぶ2つの第1線状補強部と、前記第1辺部の両端の各角部と、該角部の対角線上に位置する前記第2辺部の両端の角部とを互いに交わって結ぶ2つの第2線状補強部とが設けられていることを特徴とする車両用フレーム構造。
  2. 前記バルクヘッドの板面部に、前記一対の第3辺部における前記フレーム構成部材の側面部同士の接合部に対応する部位を結ぶ第3線状補強部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
  3. 前記第3線状補強部は、前記2つの第2線状補強部の交点を通らないように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用フレーム構造。
  4. 前記バルクヘッドは樹脂製であり、
    前記第1、第2線状補強部、及び前記第3線状補強部が設けられる場合における該第3線状補強部は、前記板面部に設けられたリブであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用フレーム構造。
  5. 前記リブは、前記板面部の両面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両用フレーム構造。
  6. 前記バルクヘッドは、前記板面部に略直交して設けられて該板面部の周囲を囲む周壁部を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車両用フレーム構造。
  7. 前記周壁部のフレーム本体の長手方向に沿う幅寸法は、バルクヘッドの前記第1辺部側の部位より前記第2辺部側の部位の方が広くされていることを特徴とする請求項6に記載の車両用フレーム構造。
  8. 前記バルクヘッドは金属製であり、
    前記第1、第2線状補強部、及び前記第3線状補強部が設けられる場合における該第3線状補強部は、前記板面部に設けられたビードであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用フレーム構造。
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