JP2012126170A - ブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキシステムに、ブレーキ操作子12F、12Rの回動量を検出する入力側ポテンショメータ28F、28Rと、第2マスターシリンダ36F、36Rの押圧量を検出する出力側ポテンショメータ38F、38Rと、車輪制動手段のブレーキキャリパの温度又はこのブレーキキャリパの作動液の温度を検出する温度センサ42F、42Rとを設けた。
【効果】従来の2個の圧力センサを、2個のポテンショメータと1個の温度センサに置き換えた。温度センサで、ブレーキキャリパの温度又はこのブレーキキャリパの作動液の温度を検出し、この温度に基づいて制動力を補正させるようにした。結果、温度の変化によってブレーキフィーリングに影響を与えにくいブレーキシステムが提供される。
【選択図】図2
Description
そして、特許文献1では、入力側圧力に対応した出力側圧力になるようにアクチュエータ(液圧モジュレータ(46))を駆動させることにより、制動制御を実施する。
圧力センサは、圧力を電気信号に変換するために高価な圧電素子を使用するなどして、全体として高価なものとなる。
このブレーキシステムは、さらに、
前記ブレーキ操作子の回動量を検出する入力側ポテンショメータと、
前記第2マスターシリンダの押圧量を検出する出力側ポテンショメータと、
前記車輪制動手段のブレーキキャリパの温度又はこのブレーキキャリパの作動液の温度を検出する温度センサと、
前記入力側ポテンショメータの検出値に対応した前記出力側ポテンショメータの目標値を定めて、該目標値に前記出力側ポテンショメータの検出値が合うように前記モータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度センサから検出される温度に応じて、前記目標値を補正することを特徴とする。
制御部は、さらに、車輪速センサで得た第1速度情報と、一定時間後に車輪速センサで得た第2速度情報との差を一定時間で除すことにより得られる減速度を演算する機能を有し、温度情報に加えて前記減速度に基づいて目標値を補正することを特徴とする。
そのためには、車輪速センサが必要であるが、車輪速センサはABS対応車両に常備されているものが使えるので、本発明を実施するに際し、コストの上昇を極力抑えることができる。
相関を数式化してもよいが、本発明のようにマップ化しておけば、迅速にマップが選択され、制御の高速化が図れる。結果、応答性能が高まり、好ましいブレーキフィーリングが保たれる。
図1に示されるように、自動二輪車10は、ハンドル11に、運転者の手で操作される前側ブレーキ操作子12F(Fは前を示す添え字。以下同じ)を備え、前側車輪13F近傍に前側車輪速センサ14F及び前側車輪制動手段15Fを備える。この前側車輪制動手段15Fは、前側車輪13Fに取付ける前側ブレーキディスク16Fと、この前側ブレーキディスク16Fを制動する前側ブレーキキャリパ17Fとからなる。
説明を容易にするために非コンビネーションモードでの前側車輪制動システムを説明する。
前側車輪制動は、前側車輪の回転速度がゼロ又は所定値以下の第1モードと、前側車輪の回転速度が所定値以上の第2モードと、前側車輪の回転速度が所定値以上で且つ前側操作子の操作量が所定値以上の第3モードとの何れかが選択される。
第1モード:
前側車輪速センサ14Fで得た速度情報を制御部20で取得し、前側車輪速度が所定値以下と判断した時には、制御部20は、第1ソレノイドバルブ23F(常時閉)を閉じ、常開型電磁弁24F(常時開)を開き、第2ソレノイドバルブ25F(常時閉)を閉じた状態とする。
前側車輪速センサ14Fで得た速度情報を制御部20で取得し、前側車輪速度が所定値以上であると判断した時には、制御部20は、第1ソレノイドバルブ23Fを開く。電磁弁24Fは開いたまま、第2ソレノイドバルブ25Fは閉じたままである。すなわち、第2モードは、いわゆるBBWに切換わる前段階の準備モードである。
前側車輪速センサ14Fで得た速度情報を制御部20で取得し、前側車輪速度が所定値以上であると判断し且つ入力側ポテンショメータ28Fで得た操作量情報を制御部20で取得し、操作量が所定値以上であると判断した時には、制御部20は、第1ソレノイドバルブ23Fは開いたままで、電磁弁24Fを閉じ、第2ソレノイドバルブ25Fを開ける。
カム軸35Fの回動量は出力側ポテンショメータ38Fで検出する。
コンビネーションブレーキングでは、前側ブレーキ操作子12Fが操作されたときには、後側ブレーキ操作子12Rの操作の有無に無関係に、前側車輪と後側車輪とに一定の比率で制動を掛ける。この制御は制御部20によって実施する。
この操作をABS操作といい、制御部20がカム軸35Rを戻し、ピストン37Rを後退させることでABS操作を行う。
後側においても同様である。
作動液の温度は、走り出しの時点では、ほぼ外気温度と同じである。走行中は制動操作を行うため、ブレーキディスク及びブレーキキャリパの温度が上がり、この影響を受けてピストンシールによるピストンのロールバック(戻り)量が変化する。
このことをグラフ化すると、次のようになる。
すなわち、温度が低いときには目標値は小さくともよいので例えばマップ1を選択し、温度がそれより高ければ目標値を嵩上げする必要があるので例えばマップ2を選択する。後側ブレーキ操作子についても同様。
図4に示すグラフを、マップAと呼ぶ。
図2において、前側モータ33Fによりカム軸35Fの回動を実施する。カム軸35Fの回動量(角度)を変えるとピストン37Fの反力が変化する。すなわち、前側カム軸角θcfに基づいて、前側モータ33Fの負荷が変化する。この負荷はモータ電流が指標となる。この原理から、次に述べるマップBを作製することができる。
図6に示すように、前側カム軸角θcfaを読込み(ST01)、前側モータ電流Ifaを読込む(ST02)。マップB(図5)により、前側モータ電流IfaがI1とI2の間にあるか否かを調べる(ST03)。否であれば警報音を鳴らし(ST04)、異常を表示してフローを終える(ST05)。
読込んだ前側温度TfaがT1より小さいか否かを調べ(ST08)、小さければマップA(図4)でマップ1を選択する(ST09)。
制御部は前側カム軸角θcfが目標値θcfcに合致するように前側モータを正転又は逆転させる(ST11)。
すなわち、制御部は、入力側ポテンショメータの検出値θfaに対応した出力側ポテンショメータの目標値θcfcを定めて(ST10)、該目標値θcfcに出力側ポテンショメータの検出値θcfaが合うようにモータを制御する(ST11)。
先に述べたように、作動液の温度は、走り出しの時点では、ほぼ外気温度と同じである。走行中は制動操作を行うため、ブレーキディスク及びブレーキキャリパの温度が上がり、この影響を受けてピストンシールによるピストンのロールバック(戻り)量が変化する。
このことをグラフ化すると、次のようになる。
すなわち、減速度が大きいときには目標値は小さくともよいので例えばマップ5を選択し、減速度がそれより小さければ目標値を嵩上げする必要があるので例えばマップ6を選択する。後側ブレーキ操作子についても同様。
以上に説明したマップA、マップB及びマップCを用いて実施する制御フローを次に説明する。なお、ブレーキシステムの前側と後側は基本構成が同一であるため、前側を例に説明する。
図9に示すように、前側カム軸角θcfaを読込み(ST21)、前側モータ電流Ifaを読込む(ST22)。マップB(図5)により、前側モータ電流IfaがI1とI2の間にあるか否かを調べる(ST23)。否であれば警報音を鳴らし(ST24)、異常を表示してフローを終える(ST25)。
X3<X2<X1の関係にある減速度閾値X3〜X1は図7のマップC作製時に、実証実験などにより予め決めておく。
読込んだ前側温度TfaがT1より小さいか否かを調べ(ST31)、小さければST32へ進み、減速度Afが減速度閾値X1より大きいか否かを調べる。大きければ、マップC(図7)でマップ5を選択する(ST33)。
制御部は前側カム軸角θcfが目標値θcfcに合致するように前側モータを正転又は逆転させる(ST35)。
そのためには、車輪速センサが必要であるが、車輪速センサはABS対応車両に常備されているものが使えるので、本発明を実施するに際し、コストアップの虞はない。
図9において、ST31とST32を入れ替え、ST36とST37を入れ替え、ST39とST40を入れ替えることもできる。したがって、制御フローは、本発明の目的を達成する範囲において、任意に変更することは差し支えない。
Claims (3)
- 運転者によって操作されるブレーキ操作子(12F、12R)に連動して液圧を発生する第1マスターシリンダ(27F、27R)と、この第1マスターシリンダ(27F、27R)によって得られた液圧により制動力を発生する車輪制動手段(15F、15R)と、前記第1マスターシリンダ(27F、27R)と前記車輪制動手段(15F、15R)とを接続して前記液圧を伝達する主液圧回路(31F、31R)と、この主液圧回路(31F、31R)に設けられ前記液圧を伝達又は遮断する常開型電磁弁(24Fまたは24R)と、モータ(33F、33R)により第2マスターシリンダ(36F、36R)を押圧し前記車輪制動手段(15F、15R)を作動させ得る液圧を発生させる液圧モジュレータ(19F、19R)とを備えているブレーキシステムにおいて、
このブレーキシステムは、さらに、
前記ブレーキ操作子(12F、12R)の回動量を検出する入力側ポテンショメータ(28F、28R)と、
前記第2マスターシリンダ(36F、36R)の押圧量を検出する出力側ポテンショメータ(38F、23R)と、
前記車輪制動手段(15F、15R)のブレーキキャリパ(17F、17R)の温度又はこのブレーキキャリパ(17F、17R)の作動液の温度を検出する温度センサ(42F、42R)と、
前記入力側ポテンショメータ(28F、28R)の検出値に対応した前記出力側ポテンショメータ(38F、38R)の目標値を定めて、該目標値に前記出力側ポテンショメータ(38F、38R)の検出値が合うように前記モータ(33F、33R)を制御する制御部(20)と、を備え、
前記制御部(20)は、前記温度センサ(42F、42R)から検出される温度に応じて、前記目標値を補正することを特徴とするブレーキシステム。 - 前記ブレーキシステムは、さらに、車輪(13F、13R)の速度を検出する車輪速センサ(14F、14R)を備え、
前記制御部(20)は、さらに、前記車輪速センサ(14F、14R)で得た第1速度情報と、一定時間後に前記車輪速センサ(14F、14R)で得た第2速度情報との差を前記一定時間で除すことにより得られる減速度を演算する機能を有し、前記温度情報に加えて前記減速度に基づいて前記目標値を補正することを特徴とする請求項1記載のブレーキシステム。 - 前記温度のみ又は前記温度及び前記減速度をパラメータとして前記入力側ポテンショメータ(28F、28R)の検出値と前記目標値との相関を段階的に定めておき、この相関を前記制御部20に与え、前記制御部(20)は前記段階的に定めた相関を切り換えることで前記補正を実施することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブレーキシステム。
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