JP2012125914A - 鋲打機 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の気化および/または混合について改善を施した鋲打機を提供する。
【解決手段】液化ガスである場合を含む燃料を貯蔵するための燃料タンク5と、燃料タンク5と弁6を介して接続され、かつ鋲打ちプランジャを推進するピストンを具備する燃焼室3と、燃焼室3内において、燃料と空気の混合ガスに点火するための点火装置11とを備える鋲打機において、燃焼室3内に気化用部材8を設け、この気化用部材8に向かって燃料が噴射されるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋲打機(ネイルガン)、特に請求項1の前提部に記載の手動式鋲打機に関する。
特許文献1は、液化ガスが、燃料タンクから弁を経由して第1の燃焼室に噴射されるようになっている、ガスによって鋲打される鋲打機を開示している。ここで、第1の燃焼室は、ガスの消費量を節減するため、開口を有する複数の隔壁によって、さらに複数のチャンバに仕切られている。
一般に、燃料、特に液化ガスによって鋲打ちされる鋲打機においては、燃焼室内に噴射される燃料が、迅速かつ完全に気化しなければならないという問題が存在する。
米国特許第4913331号明細書
本発明は、燃料の気化および/または混合について改善を施した鋲打機を提供することを目的する。
上記の課題は、冒頭に述べた鋲打機に対し、請求項1に記載の特徴を付加することによって解決される。本発明においては、受動型の気化用部材に燃料(好ましくはプロパンガス等の液化ガス)を噴射することにより、燃料の気化および/または分散を容易に実現することができる。気化用部材は、当初は冷却状態で使用され、燃料は、気化用部材への衝突時の衝撃によって効率的に霧状となるか、または気化用部材の広い表面積に基づいて分散される。その後、気化用部材は、最初の燃焼プロセスを1回または複数回繰り返す過程で熱せられるため、それ以降に噴射される燃料は、容易に気化する。
本発明の一態様によれば、気化用部材は、最初の燃焼プロセスを行う前に、外部のエネルギー源(電気的加熱素子)を介して加熱される。しかし、気化用部材は、構造の簡素化およびコスト削減の観点から、外部のエネルギー源と接続された素子とともに用いるよりも、完全に受動型であるのが好ましい。
一般に、気化用部材は、燃焼室の自由空間部分に突出して設けられているのが好ましい。この場合、燃焼は、気化用部材によって妨げられることはなく、燃焼の過程で発生する圧力波は、容易に気化用部材を通過する。なお、気化用部材は、燃焼室の自由空間の一部のみに進入しているのが特に好ましい。
本発明の他の態様によれば、気化用部材は、概ね平板状に拡がり、かつ気化用部材に向かう燃料の流れ、および/または燃焼室の中心軸に対して90°よりも小さい角度で傾斜している。気化用部材の傾斜角度は、概ね20°ないし概ね70°であるのが好ましい。燃料は、燃焼室の側部から噴射されることと併せて、効率的に分散かつ気化され、点火されたガスの拡散または燃焼のプロセスが妨げられることはない。
ガスの拡散と燃焼の伝播ができるだけ妨げられないようにするため、気化用部材によってカバーされる領域の面積は、気化用部材に向かう燃料の流れの断面積の3分の2、特に2分の1よりも大きくないか、および/または燃焼室(3)の中心軸に直交する横断面の面積の2分の1よりも大きくないようにするのが好ましい。燃焼室の中心軸は、通常は、鋲打ちプランジャの移動方向を示す軸と考えてよい。
気化用部材に多数の穿孔を設け、気化用部材に向かう燃料の流れの一部は、これらの穿孔を通過するようになっているのが好ましい。ただし、必ず通過しなければならない訳ではない。燃料の流れは、気化用部材の穿孔を通過するならば、分散および霧状化が容易に実現する。さらに、穿孔を有することによって、気化用部材の表面積が大きくなるならば、粘性をもつ燃料の気化も良好に行われる。気化用部材の表面積の拡大に代えて、またはこれに加えて、気化用部材にリブ立てや毛羽立てのような処置を講ずることもできる。気化用部材の全表面積に占める穿孔の面積の割合は、概ね20%ないし概ね70%であるのが特に好ましい。
実用性とコスト的な観点から、気化用部材は、パンチングメタル、ワイヤメッシュもしくはグレーティングのいずれかで形成されているのが好ましい。種々の厚さと穿孔の口径をもつパンチングメタル、ワイヤメッシュおよびグレーティングは、種々の材料のものを安価に入手することができる。
気化用部材は、一般に、スチールや銅等の金属から形成するのが好ましい。金属製気化用部材の熱容量と熱伝導性は、表面積や、燃料の平均的な噴射量に合わせて、最適化することができる。その際、パラメータは、噴射された燃料が効率的に気化し、かつ気化する際に気化用部材の温度の大幅な低下を招かないよう、一方では、気化用部材ができるだけ速やかに加熱され(全体的な熱容量をできるだけ小さくする)、他方では、気化用部材の高温が持続するようなものを選択する。
本発明の好ましい態様においては、気化用部材の穿孔の少なくとも一部は、炎を通過させうる大きさを有する。穿孔の断面積は、4mm2、またはこれを超える大きさであるのが好ましい。こうすれば、点火の後、炎の先端部ができるだけ速やかに拡散する可能性が高まる。
本発明の好ましい態様によれば、燃焼室は、弁を介して前記燃料タンクと接続している噴射ノズルを備える。これは、燃焼室内で、円錐形の燃料の流れを生成するためである。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記噴射ノズルは、気化用部材の方向を向いている。この場合、気化用部材は、燃料の流れを完全にカバーするように設置するのが好ましい。一方、気化用部材は、燃料の流れの一部だけをカバーするように設置することもできる。
本発明の他の好ましい態様によれば、気化用部材は、燃焼室に噴射される燃料の流れを2つまたはこれを超える数の分流にするためのビームスプリッタ部を有する。こうすれば、燃焼室内における燃料の気化および/または分散特性は、さらに改善される。
本発明の一実施形態に係る鋲打機の模式的な縦断面図である。 図1に示す鋲打機における燃焼室の一部を省略した斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る鋲打機の一部の模式的な縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る鋲打機における燃焼室の一部の模式図である。
上記以外の本発明の特徴および効果は、以下の例示的な実施形態および引用形式請求項の記載から明らかになるであろう。
以下では、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す、本発明の一実施形態に係る手動式鋲打機のハウジング1は、グリップ部1a、下方および前方に位置するハウジングフレーム1b、ならびに前方のハウジングフレーム1bに接続された、鋲その他の打ち込み可能な締着手段を送り出すマガジン2を備えている。
ハウジング1内には、鋲打ちプランジャ3bに固定されたピストン3aが接続した燃焼室3が設けられている。さらに、燃焼室3の中には、燃料と空気の混合、および排ガスと外気の入れ替えを円滑に行うため、電動式のファン4が設けられている。
燃料は、ハウジング1の下部に位置する燃料タンク5に貯蔵される。この燃料となるのは、液化ガス、例えばプロパンガスその他の好適なガスである。一方、燃料タンク5は、蓄圧式の燃料タンクである。燃料タンク5は、ハウジング1内に固定されており、長寿命で、かつ燃料を再充填することができる。また、燃料タンク5は、導管を介して、弁6と接続されている。液化ガスは、弁6を介して、所定量が燃焼室2へ送られる。
燃料としての液化ガスを貯蔵する燃料タンク5は、ハウジングフレーム1b内に収容されている。ここで、燃料タンク5は、弁6に隣接しており、さらに、この弁6からは、燃料送給管7が燃焼室3へ向かっている。燃料送給管7は、燃焼室3内における受動的な気化用部材8の近傍まで延びている。
さらに、ハウジング内のエネルギー循環経路には、アキュムレータ式の電気的エネルギー貯蔵器9が設けられている。エネルギー貯蔵器9は、コントローラ10に電力を供給する。一方、コントローラ10は、弁を電気的に制御するとともに、燃焼室3内にあってスパークを発生させる点火プラグ11に給電する。また、コントローラ10は、グリップ部1aに設けられた操作スイッチ12とも接続されている。このため、作業員は、燃焼室3への燃料の送給と燃焼室3内での燃料の点火をコントロールしつつ、この鋲打機を扱うことができる。
気化用部材8は、パンチングメタルの表面を滑らかにしたものを裁断することにより得られる。この気化用部材8は、燃焼室の中心軸またはピストン3aの行程の方向に対して約45°の角度をなすように変形しており、かつその自由端は、燃焼室3内に延出している。図2は、燃焼室の切り欠いた図を実写的に表したものである。この図においては、燃焼室3内のファン4が設けられている後方の領域は除かれている。燃焼室3のシリンダ形壁体の開口からは、点火プラグ11が突出している。点火プラグ11には、旗状のパンチングメタル8が固定されている。パンチングメタル8のうち点火プラグ11に隣接している部分は、概ね弧状をなしており、パンチングメタル8の下方にあって、図2からは捉えることができない燃料送給管の噴射口に重なっている。
図2から明らかなように、パンチングメタル8(すなわち気化用部材)は、燃焼室3のシリンダ状自由空間の一部だけを占有している。パンチングメタル8によってカバーされる領域の、シリンダ形燃焼室の中心軸に直交する横断面の全面積に占める割合は4分の1程度にすぎない。
本発明に係る鋲打機は、以下の手順に沿って稼働する。
操作スイッチ12を動かすと、コントローラ10が定める量の液化ガスが、燃料タンク5から燃料送給管7を経由して、燃焼室3へ送られる。液化ガスの流れは、図2の下方からパンチングメタル8に至り、パンチングメタル8を通過する際に細分された上で飛散する。この際、燃料の一部は、流れに偏向を生じたり霧状になったりして、パンチングメタル8の穿孔8aを通過する。また、他の一部は、パンチングメタルの穿孔された表面に吸着するが、表面積が大きいため、迅速に気化する。
気化は、最初の燃焼プロセスを1回または複数回繰り返した後に促進される。なぜならば、気化用部材が熱せられるからである。
燃料の霧散および/または気化は、パンチングメタル8を通じて促進されるため、点火プラグ11は、パンチングメタル8に隣接して設けるのが有利である。
パンチングメタル8において、穿孔8aが占める割合は、全表面積の約30〜50%である。穿孔8aの全表面積に占める割合は、炎が、穿孔8aを通じて延びやすくなるよう、大きくするのが有利である。
図3(部分断面図)に示す、本発明の他の実施形態に係る手動式鋲打機は、鋲打ちプランジャ3bに固着されたピストン3aが接続された燃焼室3を備えている。燃焼室3内には、図示されていないが、空気と燃料の混合、および排ガスと外気の入れ替えを円滑に行うために、ファンが設置されている。同様に図示されていないコントローラは、燃焼室3内にあって電気信号に応じてスパークを発生させる点火プラグ11に給電する。
弁を介して燃料タンクに接続している燃料送給管7は、噴射ノズル13を経て、燃焼室3内に通じている。図示していない弁を経由して、1回に使用される燃料が計量されると、この燃料は、燃料送給管7を経て噴射ノズル13に到達し、好ましくは円錐形の流れ14となるように、燃焼室3内に噴射される。噴射ノズル13の向きは、気化用部材8が、円錐形の燃料の流れ14に完全に曝されるよう、燃焼室3内に設けられた気化用部材8に対して調整される。この場合、燃料の流れ14は、気化用部材8の一部だけに衝突する。
図3に示す気化用部材8は、穿孔8aを有する平坦なパンチングメタルである。パンチングメタル8は、燃焼室3内において、燃焼室の中心軸、鋲打ちプランジャ3bの行程の方向、またはピストン3aの移動方向に対して、約30°の角度をなすように傾いている。穿孔8aは、それぞれ、円形または方形をなしており、炎がパンチングメタル8を通過しうるよう、概ね4mm2の面積を有している。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る鋲打機における燃焼室の一部の模式図である。燃料送給管15は、燃焼室(図示せず)内で開放している燃料注入口16を有している。燃焼室は、燃料送給管15を経由して、燃料注入口16から、図示のような形状の燃料の流れ17となって、燃焼室内に注入される。燃料注入口16は、噴射ノズルとして形成されており、燃料送給管15を経由して、図示されていない弁、および、この弁を介して、同様に図示されていない燃料タンクと接続されている。
燃焼室内には、気化用部材18が設けられている。燃料注入口16は、図示のような形状の燃料の流れ17を燃焼室内に注入するが、燃料の流れ17が気化用部材18に向かうように、気化用部材18の方を向いている。気化用部材18は、2つの互いに傾斜した部分をもつビームスプリッタ部を有する。これら2つの部分は、それぞれ、気化用部材18に噴射される燃料の流れ17に対して40°の角度をなすように設定されており、この2つの部分は、燃料注入口16から噴射される燃料の流れ17を完全にカバーしている。これら2つの部分の少なくとも一方は、特に、パンチングメタル、ワイヤメッシュもしくはグレーティングで形成されているのがよい。

Claims (15)

  1. 燃料が液化ガスである場合を含み、
    前記燃料を貯蔵するための燃料タンク(5)と、
    前記燃料タンク(5)に弁(6)を介して接続され、かつ鋲打ちプランジャを推進するピストン(3a)を具備する燃焼室(3)と、
    前記燃焼室(3)内において、燃料と空気の混合ガスに点火するための点火装置(11)とを備える鋲打機において、
    前記燃焼室(3)内には気化用部材(8)が設けられており、この気化用部材(8)に向かって燃料が噴射されるようになっていることを特徴とする鋲打機。
  2. 前記気化用部材(8)は、前記燃焼室(3)の自由空間に突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋲打機。
  3. 前記気化用部材(8)は、前記燃焼室(3)の自由空間の一部のみを占有していることを特徴とする請求項2に記載の鋲打機。
  4. 前記気化用部材(8)は、概ね平板状に拡がり、かつ気化用部材(8)に向かう燃料の流れ、および/または燃焼室(3)の中心軸に対して90°よりも小さい角度で傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋲打機。
  5. 前記気化用部材(8)の傾斜角度は、概ね20°ないし概ね70°であることを特徴とする請求項4に記載の鋲打機。
  6. 前記気化用部材(8)によってカバーされる領域の面積は、気化用部材(8)に向かう燃料の流れの断面積の3分の2、特に2分の1よりも大きくないか、および/または燃焼室(3)の中心軸に直交する横断面の面積の2分の1よりも大きくないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鋲打機。
  7. 前記気化用部材(8)は、多数の穿孔(8a)が設けられており、特に、気化用部材(8)に向かう燃料の流れの一部は、これらの穿孔(8a)を通過するようになっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鋲打機。
  8. 気化用部材(8)の全表面積に対して穿孔(8a)が占める面積の割合は、概ね20%ないし概ね70%であることを特徴とする請求項7に記載の鋲打機。
  9. 前記気化用部材(8)は、パンチングメタルまたはワイヤメッシュもしくはグレーティングとして構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の鋲打機。
  10. 前記穿孔(8a)の少なくとも一部は、炎を通過させうる大きさを有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の鋲打機。
  11. 前記燃焼室(3)は、特に前記燃焼室(3)内の燃料の流れが円錐形となるよう、弁を介して前記燃料タンク(5)と接続している噴射ノズルを備えていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の鋲打機。
  12. 前記噴射ノズルは、気化用部材の方向を向いていることを特徴とする請求項11に記載の鋲打機。
  13. 前記気化用部材は、燃料の流れを完全にカバーするように設置されることを特徴とする請求項11または12に記載の鋲打機。
  14. 前記気化用部材は、燃料の流れの一部だけをカバーするように設置されることを特徴とする請求項11または12に記載の鋲打機。
  15. 前記気化用部材は、ビームスプリッタ部を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の鋲打機。
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