JP2012123072A - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学式手ブレ補正機能を備えるインナーフォーカス方式ズームレンズにおいて、高変倍比でありながら広画角化と小型化を両立し、レンズ枚数削減を達成する。
【解決手段】ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、正の屈折力を有する第4レンズ群GR4と、正の屈折力を有する第5レンズ群GR5とを備える。第1レンズ群GR1は、物体側より、負レンズL1、第1の正レンズL2、第2の正レンズL3の順に配され、負レンズL1の第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、G1R1を最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径とし、fwを広角端におけるレンズ全系の焦点距離として、以下の条件式−10.0<G1R1/fw<−3.0を満足する
【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関し、特に撮影時の手ブレなどによる像ブレを光学的に補正するズームレンズおよびそのズームレンズを備えた撮像装置に関する。
近年、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の小型撮像装置は、民生用のみならず家庭用としても広く普及している。これら小型の撮像装置に関しては、撮像素子の小型化に伴い、レンズ系全体が小型、高変倍比で、かつ、高性能な広角ズームレンズが求められている。
一般にビデオカメラに用いられるズームレンズとして、最も物体側に配置される第1レンズ群以外のレンズ群を移動させてフォーカスを行うインナーフォーカス式のズームレンズが知られている。このインナーフォーカス式のズームレンズは、レンズ系全体の小型化が容易であり、しかも画素数の多い撮像素子に適した結像性能が得られるものとして知られている。
このようなインナーフォーカス式のズームレンズとしては、4群インナーズームレンズ方式が主流となっている(例えば、特許文献1参照。)。この4群インナーズームレンズ方式では、第1レンズ群および第3レンズ群を固定し、第2レンズ群を光軸方向に移動させて主に変倍を行うとともに、第4レンズ群を光軸方向に移動させて変倍による焦点位置の補正と合焦を行う。
ただし、この4群インナーズームレンズ方式では、上述のような第1レンズ群の構成では広角端における半画角はせいぜい30度程度である。そのため、広画角化を図ろうとすると、第1群に入射する軸外光束の光線高が高くなってしまい、第1群の有効径が増大してしまうという問題があった。
これに対して、4群インナーフォーカス方式ズームレンズにおいて、第1レンズ群を5枚構成とすることにより、種々のバリエーションに対して高変倍比でありながら、広角化と小型化を両立させるレンズが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009−175628号公報 特許第4007258号公報
上述の従来技術では、4群インナーフォーカス方式ズームレンズにおいて、第1レンズ群を5枚構成とすることにより、広角化と小型化を図っている。しかしながら、従来の4群インナーフォーカス方式ズームレンズでは、第1レンズ群を通過する光線の傾角を抑えるためにアフォーカル系を構成する負の屈折力を有する構成要因と正の屈折力を有する構成要因との間をガラスで埋める構成がとられていた。そのため、第1レンズ群の第2レンズの厚みが大きくなってしまうという問題があった。また、近年要求が高まっている光学式手ブレ補正機能に十分対応していないという問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、光学式手ブレ補正機能を備えるインナーフォーカス方式ズームレンズにおいて、高変倍比でありながら広画角化と小型化を両立し、レンズ枚数削減を達成することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とからなるインナーフォーカス型のズームレンズにおいて、上記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、上記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、条件式(1)−10.0<G1R1/fw<−3.0を満足するズームレンズである。但し、G1R1を最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径とし、fwを広角端におけるレンズ全系の焦点距離とする。これにより、ズームレンズにおいて、第1レンズ群の負レンズの第1面の凹面の屈折力の観点から、広角化と前玉径の小型化を両立させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、条件式(2)−8.0<G1R1/fw<−5.0をさらに満足することが望ましい。これは、条件式(1)の範囲をさらに限定することにより、広角化と前玉径の小型化を一層図るものである。
また、この第1の側面において、条件式(3)0.03<H1'/f1<0.3をさらに満足することが望ましい。これは、第1レンズ群の主点および焦点距離の観点から、広角化と前玉径の小型化を両立させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、条件式(4)3.9<f1L/fw<5.9をさらに満足することが望ましい。但し、f1Lを上記第1レンズ群の最も像側に位置するレンズの焦点距離とする。これは、第1レンズ群の最も像側に位置するレンズの屈折力の観点から、広角化と前玉径の小型化を両立させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記第1レンズ群内の少なくとも1つの面は非球面であることが望ましい。特に、上記第1レンズ群の最も像側に配されるレンズが非球面レンズであることが望ましい。これにより、望遠端における球面収差を効率良く補正するという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記第5レンズ群は、物体側から順に負の屈折力を有した前群と、正の屈折力を有した後群とによって構成され、上記前群および上記後群の何れか一方を光軸に垂直な方向に移動させることにより、像面上に形成される像も光軸に垂直な方向に移動させるようにしてもよい。これにより、小型化を図りながら画像ブレを補正するという作用をもたらす。
また、本発明の第2の側面は、物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群とを有するインナーフォーカス型のズームレンズにおいて、上記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、上記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、条件式(1)−10.0<G1R1/fw<−3.0を満足するズームレンズである。但し、G1R1を最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径とし、fwを広角端におけるレンズ全系の焦点距離とする。これにより、ズームレンズにおいて、第1レンズ群の負レンズの第1面の凹面の屈折力の観点から、広角化と前玉径の小型化を両立させるという作用をもたらす。
また、本発明の第3の側面は、複数のレンズ群を備えて上記複数のレンズ群同士の間隔を変えることにより変倍を行うズームレンズと、上記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える撮像装置であって、上記ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とからなるインナーフォーカス型のズームレンズであり、上記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、上記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、条件式(1)−10.0<G1R1/fw<−3.0を満足する撮像装置である。但し、G1R1を最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径として、fwを広角端におけるレンズ全系の焦点距離とする。これにより、撮像装置においてズームレンズの第1レンズ群の負レンズの第1面の凹面の屈折力の観点から、広角化と前玉径の小型化を両立させるという作用をもたらす。
本発明によれば、高変倍比でありながら広画角化と小型化を両立し、レンズ枚数削減を達成することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の第1の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。 本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。 本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。 本発明の第2の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。 本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。 本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。 本発明の第3の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。 本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。 本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。 本発明の第1乃至第3の実施の形態によるズームレンズを撮像装置100に適用した例を示す図である。
本発明のズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群GR4と、正の屈折力を有する第5レンズ群GR5とからなるインナーフォーカス型のズームレンズにおいて、第1レンズ群GR1は、物体側より、負レンズL1、第1の正レンズL2、第2の正レンズL3の順に配され、負レンズL1の第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、G1R1を最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径とし、fwを広角端におけるレンズ全系の焦点距離として、以下の条件式(1)−10.0<G1R1/fw<−3.0を満足するものである。ズームレンズが条件式(1)を満足することにより、第1レンズ群GR1を3枚構成とした場合において、前玉の小型化かつ広角端における焦点距離の広角化を実現することができる。なお、第5レンズ群GR5は省略することも可能である。
条件式(1)は、第1レンズ群GR1に広角化と前玉径の小型化を両立させるのに適した構成を与えるための条件を示すものであり、凹面(第1面)の屈折力(パワー)の強さを表している。物体側に向ける凹面(第1面)の曲率半径を規定することで、広角化と前玉径の小型化を両立させることとが可能となる。条件式(1)の下限を下回ると、第1面で大きく光線を跳ね下げる力が弱まり前玉径の大型化を招く。このとき、サイズを維持しようとすると所望の広角化が困難となる。また、条件式(1)の上限を上回ると、第1面での強力な負の屈折力により負のディストーションおよび非点収差が発生し性能劣化を招く。
また、本発明のズームレンズは、条件式(1)の範囲内において、望ましくは条件式(2)−8.0<G1R1/fw<−5.0をさらに満足するものである。
また、本発明のズームレンズは、望ましくは、H1'を第1レンズ群の最も像側の面の頂点から第1レンズ群の像側の主点までの間隔(主点は像側を基準としており、−は物体側、+は像側を表す)とし、f1を第1レンズ群の焦点距離として、条件式(3)0.03<H1'/f1<0.3をさらに満足するものである。
条件式(3)は、第1レンズ群GR1に広角化と前玉径の小型化を両立させるのに適した構成を与えるための条件を示すものである。第1レンズ群GR1の像側主点が、第1レンズ群GR1の最も像側の面より十分像側に生じるように各レンズの屈折力配置を規定することで、広角化と前玉径の小型化を両立させることが可能となる。条件式(3)の下限を下回ると、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の主点間隔が大きくなるために広角化が難しくなる。また、条件式(3)の上限を上回ると、第1レンズ群GR1を通る軸外光束の高さが高くなり、前玉径の大型化を招く。
なお、条件式(3)においては、さらに、0.07<H1'/f1<0.2を満足することがより望ましい。
また、本発明のズームレンズは、望ましくは、f1Lを第1レンズ群GR1の最も像側に位置するレンズの焦点距離として、条件式(4)3.9<f1L/fw<5.9をさらに満足するものである。
条件式(4)は、第1レンズ群GR1の最も像側に位置するレンズの屈折力を規定するものである。条件式(4)の上限を上回ると、本発明における3枚のレンズから成る第1レンズ群GR1内では十分に光線高を下げきれずに、絞りSより物体側において構成される前群(GR1およびGR2)の大型化を招く。また、条件式(4)の下限を下回ると、最も像側に位置するレンズの曲率が強くなり、変倍に伴う収差補正が困難になる。
なお、条件式(4)においては、さらに、4.2<f1L/fw<5.9を満足することがより望ましい。
また、本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群GR1内の少なくとも1つの面は非球面であり、望ましくは、第1レンズ群GR1の最も像側に配置されるレンズL3は非球面レンズで構成されるものである。第1レンズ群GR1の最も像側に配置されるレンズL3を非球面レンズで構成することにより、望遠端における球面収差を効率良く補正することができる。
また、本発明のズームレンズにおいて、第5レンズ群GR5は、物体側から順に負の屈折力を有した前群L11と、正の屈折力を有した後群L12とによって構成され、前群L11および後群L12の何れか一方を光軸に垂直な方向に移動させることにより、像面上に形成される像も光軸に垂直な方向に移動させる。これにより、手ブレ等による画像のブレを、第5レンズ群GR5内の可動群を光軸に略垂直な方向に移動させることにより補正する構成としている。最も像面側に位置する第5レンズ群GR5内の可動群を手ブレ補正用の可動レンズ群に設定することにより、光束の有効径が比較的に小さい部分であることから、レンズ鏡筒の大型化を防ぐことが可能となる。また、手ブレ補正時における他のレンズ群での光束位置変動に対する影響が少なくてすみ、合わせてレンズ鏡筒の大型化を防ぐことが可能となる。さらに、可動群前後のスペース確保に対する制約も少なく、光学性能の向上およびレンズ鏡筒の小型化を実現することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(数値実施例1)
2.第2の実施の形態(数値実施例2)
3.第3の実施の形態(数値実施例3)
4.適用例(撮像装置)
なお、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。すなわち、「面番号」は物体側から数えてi番目の面、「Ri」は前記i番目の面の曲率半径、「Di」は物体側から数えてi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔(レンズ中心厚あるいは空気間隔)である。「Ni」は第iレンズを構成する材質のd線(波長587.6nm)における屈折率、「νi」は第iレンズを構成する材質のd線(波長587.6nm)におけるアッベ数、「f」はレンズ全系の焦点距離、「Fno」は開放F値、「ω」は半画角を示すものとする。また「∞」は当該面が平面であることを、「ASP」は当該面が非球面(aspherical)であることをそれぞれ示す。また、軸上面間隔「Di」のうち可変間隔に関しては「可変」と表示する。
また、各実施の形態において用いられるズームレンズには、レンズ面が非球面によって構成されるものがある。レンズ面の頂点から光軸方向の距離を「x」、光軸と垂直な方向の高さを「y」、レンズ頂点での近軸曲率を「c」、円錐定数を「к」とすると、
x=cy2/(1+(1−(1+к)c221/2
+A2y2+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10
によって定義されるものとする。なお、A2、A4、A6、A8およびA10は、それぞれ第2次、第4次、第6次、第8次および第10次の非球面係数である。
<1.第1の実施の形態>
[ズームレンズの構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。この第1の実施の形態におけるズームレンズは、物体側より順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、第4レンズ群GR4、第5レンズ群GR5が配列されてなる。第1レンズ群GR1は正の屈折力を有し、第2レンズ群GR2は負の屈折力を有し、第3レンズ群GR3は正の屈折力を有し、第4レンズ群GR4は正の屈折力を有し、第5レンズ群GR5は正の屈折力を有する。
第1レンズ群GR1は、物体側より順に、物体側に強い凹面を向けた負レンズL1と正レンズL2との接合レンズ、および、正レンズL3の3枚のレンズによって構成される。また、レンズL3は、非球面レンズによって構成されている。
第2レンズ群GR2は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズL4、および、両凹レンズL5と正レンズL6との接合レンズの3枚によって構成される。レンズL4は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第3レンズ群GR3は、物体側より順に、正レンズL7、および、負レンズL8の2枚によって構成される。レンズL7は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第4レンズ群GR4は、正レンズL9と負レンズL10との接合レンズによって構成される。正レンズL9の物体側の面は非球面形状によって構成されている。
第5レンズ群GR5は、物体側より順に、負の屈折力を有するレンズL11によって構成された光軸に垂直な方向に移動可能とされた可動群と、正の屈折力を有するレンズL12によって構成された位置が常時固定とされた固定群とによって構成されている。また、レンズL12は両面ともに非球面形状によって構成されている。
なお、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間には絞りSが配置され、第5レンズ群GR5と像面IMGとの間にはフィルタFLが配置されている。
[ズームレンズの緒元]
表1に、第1の実施の形態におけるズームレンズに具体的数値を適用した数値実施例1のレンズデーターを示す。
Figure 2012123072
この第1の実施の形態におけるズームレンズでは、第4面、第5面、第6面、第7面、第12面、第13面、第16面、第21面、第22面は、上述の通り非球面形状によって構成されている。これら各面の円錐定数к、第4次、第6次、第8次および第10次の非球面係数A4、A6、A8およびA10を、表2に示す。
Figure 2012123072
この第1の実施の形態において、広角端から望遠端へとレンズ位置が変化する際に、以下の各レンズ群の間隔が変化する。すなわち、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間隔D5、第2レンズ群GR2と絞りとの間の間隔D10、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間の間隔D15、第4レンズ群GR4と第5レンズ群GR5との間の間隔D18である。広角端(f=1.0)、中間焦点距離(f=2.92)、望遠端(f=8.5)における間隔D5、D10、D15およびD18の各数値、焦点距離f、開放F値Fno、ならびに、半画角ωを、表3に示す。
Figure 2012123072
[ズームレンズの収差]
図2乃至4に本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの各収差図を示す。図2は、本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。図3は、本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。図4は、本発明の第1の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。それぞれにおいて、(a)球面収差図、(b)非点収差図および(c)歪曲収差図をそれぞれ示している。
なお、球面収差図において、実線はd線(587.56nm)、破線はC線(波長656.3nm)、一点鎖線はg線(波長435.8nm)における値を示す。また、非点収差図において、実線DSはサジタル像面、破線DMはメリディオナル像面における値を示す。
<2.第2の実施の形態>
[ズームレンズの構成]
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。この第2の実施の形態におけるズームレンズは、第1の実施の形態と同様に、物体側より順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、第4レンズ群GR4、第5レンズ群GR5が配列されてなる。そして、第1の実施の形態と同様に、第1レンズ群GR1は正の屈折力を有し、第2レンズ群GR2は負の屈折力を有し、第3レンズ群GR3は正の屈折力を有し、第4レンズ群GR4は正の屈折力を有し、第5レンズ群GR5は正の屈折力を有する。
第1レンズ群GR1は、物体側より順に、物体側に強い凹面を向けた負レンズL1、正レンズL2および正レンズL3の3枚のレンズによって構成される。また、レンズL3は、非球面レンズによって構成されている。
第2レンズ群GR2は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズL4、両凹レンズL5と正レンズL6との接合レンズの3枚によって構成される。レンズL4は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第3レンズ群GR3は、物体側より順に、正レンズL7、正レンズL8と負レンズL9との接合レンズの3枚によって構成される。レンズL7は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第4レンズ群GR4は、正レンズL10の1枚のみによって構成される。レンズL10は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第5レンズ群GR5は、物体側より順に、負の屈折力を有するレンズL11によって構成された光軸に垂直な方向に移動可能とされた可動群と、正の屈折力を有するレンズL12によって構成された位置が常時固定とされた固定群とによって構成されている。また、レンズL11およびレンズL12は両面ともに非球面形状によって構成されている。
なお、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間には絞りSが配置され、第5レンズ群GR5と像面IMGとの間にはフィルタFLが配置されている。
[ズームレンズの緒元]
表4に、第2の実施の形態におけるズームレンズに具体的数値を適用した数値実施例2のレンズデーターを示す。
Figure 2012123072
また、第5面、第6面、第7面、第8面、第13面、第14面、第18面、第19面、第22面、第23面は、上述の通り非球面形状によって構成されている。これら各面の円錐定数к、第2次、第4次、第6次、第8次および第10次の各非球面係数A2、A4、A6、A8およびA10を、表5に示す。
Figure 2012123072
この第2の実施の形態において、広角端から望遠端へとレンズ位置が変化する際に、以下の各レンズ群の間隔が変化する。すなわち、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間隔D5、第2レンズ群GR2と絞りSとの間の間隔D10、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間の間隔D15および第4レンズ群GR4と第5レンズ群GR5との間の間隔D18である。広角端(f=1.0)、中間焦点距離(f= 2.89)、望遠端(f= 8.34)における間隔D6、D11、D17およびD19の各数値、焦点距離f、開放F値Fno、ならびに、半画角ωを、表6に示す。
Figure 2012123072
[ズームレンズの収差]
図6乃至8に本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの各収差図を示す。図6は、本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。図7は、本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。図8は、本発明の第2の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。それぞれにおいて、(a)球面収差図、(b)非点収差図および(c)歪曲収差図をそれぞれ示している。なお、各収差図における線種は第1の実施の形態において説明したものと同様である。
<3.第3の実施の形態>
[ズームレンズの構成]
図9は、本発明の第3の実施の形態におけるズームレンズの構成例を示す図である。この第3の実施の形態におけるズームレンズは、第1の実施の形態と同様に、物体側より順に、第1レンズ群GR1、第2レンズ群GR2、第3レンズ群GR3、第4レンズ群GR4、第5レンズ群GR5が配列されてなる。そして、第1の実施の形態と同様に、第1レンズ群GR1は正の屈折力を有し、第2レンズ群GR2は負の屈折力を有し、第3レンズ群GR3は正の屈折力を有し、第4レンズ群GR4は正の屈折力を有し、第5レンズ群GR5は正の屈折力を有する。
第1レンズ群GR1は、物体側より順に、物体側に強い凹面を向けた負レンズL1と正レンズL2との接合レンズ、および、正レンズL3の3枚のレンズによって構成される。また、レンズL3は、非球面レンズによって構成されている。
第2レンズ群GR2は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズL4、両凹レンズL5と正レンズL6との接合レンズの3枚によって構成される。レンズL4は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第3レンズ群GR3は、物体側より順に、正レンズL7、正レンズL8と負レンズL9との接合レンズの3枚によって構成される。レンズL7は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第4レンズ群GR4は、正レンズL10の1枚のみによって構成される。レンズL10は両面ともに非球面形状によって構成されている。
第5レンズ群GR5は、物体側より順に、負の屈折力を有するレンズL11によって構成された光軸に垂直な方向に移動可能とされた可動群と、正の屈折力を有するレンズL12によって構成された位置が常時固定とされた固定群とによって構成されている。また、レンズL11およびレンズL12は両面ともに非球面形状によって構成されている。
なお、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間には絞りSが配置され、第5レンズ群GR5と像面IMGとの間にはフィルタFLが配置されている。
[ズームレンズの緒元]
表7に、第3の実施の形態におけるズームレンズに具体的数値を適用した数値実施例3のレンズデーターを示す。
Figure 2012123072
また、第4面、第5面、第6面、第7面、第12面、第13面、第17面、第18面、第19面、第20面、第21面、第22面は、上述の通り非球面形状によって構成されている。これら各面の円錐定数к、第2次、第4次、第6次、第8次および第10次の各非球面係数A2、A4、A6、A8およびA10を、表8に示す。
Figure 2012123072
この第3の実施の形態において、広角端から望遠端へとレンズ位置が変化する際に、以下の各レンズ群の間隔が変化する。すなわち、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間隔D5、第2レンズ群GR2と絞りSとの間の間隔D10、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間の間隔D15、および、第4レンズ群GR4と第5レンズ群GR5との間の間隔D18である。広角端(f=1.0)、中間焦点距離(f= 2.90)、望遠端(f= 8.34)における間隔D5、D10、D16およびD18の各数値、焦点距離f、開放F値Fno、ならびに、半画角ωを、表9に示す。
Figure 2012123072
[ズームレンズの収差]
図10乃至12に本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの各収差図を示す。図10は、本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの広角端における各収差図である。図11は、本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの広角端と望遠端との中間焦点距離における各収差図である。図12は、本発明の第3の実施の形態によるズームレンズの望遠端における各収差図である。それぞれにおいて、(a)球面収差図、(b)非点収差図および(c)歪曲収差図をそれぞれ示している。なお、各収差図における線種は第1の実施の形態において説明したものと同様である。
[条件式のまとめ]
表10に第1乃至第3の実施の形態の数値実施例1乃至3における各値を示す。この値からも明らかなように、条件式(1)乃至(4)を満足することがわかる。また、各収差図に示すように、広角端、広角端と望遠端との中間焦点距離位置および望遠端において、各種収差もバランスよく補正されていることがわかる。
Figure 2012123072
<4.適用例>
[撮像装置の構成]
図13は、本発明の第1乃至第3の実施の形態によるズームレンズを撮像装置100に適用した例を示す図である。この撮像装置100は、第1乃至第3の実施の形態によるズームレンズ120と、そのズームレンズ120により形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子130とを備える。撮像素子130としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光電変換素子を利用することができる。ズームレンズ120としては、ここでは、第1乃至第3の実施の形態のレンズ群を単レンズに簡略化して示している。
撮像素子130によって形成された電気信号は、映像分離回路140によってフォーカス制御用の信号が制御回路150に供給され、映像用の信号は後段の(図示しない)映像処理回路へ供給される。映像処理回路へ送られた信号は、その後の処理に適した形態に加工されて、表示、記録、転送等の処理に利用される。
制御回路150には、例えば、ズームボタンの操作等、外部からの操作信号が入力され、その操作信号に応じて種々の処理がなされる。例えば、ズームボタンによるズーミング指令が入力されると、指令に応じた焦点距離状態とすべく、ドライバ回路160および170を介して駆動部161および171を動作させて、各レンズ群GR2およびGR4を所定の位置へと移動させる。各センサ162および172によって得られた各レンズ群GR2およびGR4の位置情報は制御回路150に入力されて、ドライバ回路160および170へ指令信号を出力する際に参照される。また、制御回路150は映像分離回路140から送られた信号に基づいてフォーカス状態をチェックし、最適なフォーカス状態が得られるように、ドライバ回路170および駆動部171を介して第4レンズ群GR4を位置制御する。
撮像装置100は手ブレ補正機能(防振機能)を備えている。例えば、シャッターレリーズボタンの押下に伴う撮像素子130におけるブレを手ブレ検出回路180が検出する。この手ブレ検出回路180は、例えば、ジャイロセンサーにより実現される。手ブレ検出回路180からの信号が制御回路150に入力されると、制御回路150において画像のブレを補償するためのブレ補正角が算出される。その算出されたブレ補正角に基づいて、ドライバ回路190を介して駆動部191を動作させて、第5レンズ群GR5のレンズL12を光軸に垂直な方向にシフトさせる。第5レンズ群GR5のレンズL12の位置はセンサ192によって検出されており、センサ192によって得られたレンズL12の位置情報は制御回路150に入力されて、ドライバ回路190へ指令信号を送出する際に参照される。
ここでは、第5レンズ群GR5のうち像側のレンズL12の位置を移動させる例について説明した。一般に、第5レンズ群GR5においてレンズL11には高分散の硝材が用いられ、レンズL12には低分散の硝材が用いられる。手ブレ補正のためにレンズを移動させると色収差による劣化が発生するため、なるべく低分散の硝材を使用したレンズL12を移動させる方が色収差の発生を抑制することができる。ただし、レンズL11を移動させるようにしても構わない。
また、手ブレ補正機能が不要な場合には、第5レンズ群GR5を取り除いて構成することも可能である。したがって、この場合には第1レンズ群から第4レンズ群までによってズームレンズが構成される。
この撮像装置100が適用される具体的製品としては、各種の形態を採りうる。例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラが組み込まれた携帯電話、カメラが組み込まれたPDA(Personal Digital Assistant)等々のデジタル入出力機器のカメラ部等として、広く適用することができる。
このように、本発明の実施の形態によれば、光学式手ブレ補正機構を備える高変倍ズームレンズにおいて、第1レンズ群を3枚構成としながら、半画角が約36度という広画角化と前玉径小型化とを両立することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
100 撮像装置
120 ズームレンズ
130 撮像素子
140 映像分離回路
150 制御回路
160、170、190 ドライバ回路
161、171、191 駆動部
162、172、192 センサ
180 手ブレ検出回路

Claims (9)

  1. 物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とからなるインナーフォーカス型のズームレンズにおいて、
    前記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、前記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、以下の条件式(1)を満足するズームレンズ。
    (1)−10.0<G1R1/fw<−3.0
    但し、
    G1R1:最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径
    fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
    とする。
  2. 以下の条件式(2)をさらに満足する請求項1記載のズームレンズ。
    (2)−8.0<G1R1/fw<−5.0
  3. 以下の条件式(3)をさらに満足する請求項1記載のズームレンズ。
    (3)0.03<H1'/f1<0.3
    但し、
    H1':前記第1レンズ群の最も像側の面の頂点から前記第1レンズ群の像側の主点までの間隔(−は物体側、+は像側)
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    とする。
  4. 以下の条件式(4)をさらに満足する請求項1記載のズームレンズ。
    (4)3.9<f1L/fw<5.9
    但し、
    f1L:前記第1レンズ群の最も像側に位置するレンズの焦点距離
    とする。
  5. 前記第1レンズ群内の少なくとも1つの面は非球面である請求項1記載のズームレンズ。
  6. 前記第1レンズ群の最も像側に配されるレンズが非球面レンズである請求項5記載のズームレンズ。
  7. 前記第5レンズ群は、物体側から順に負の屈折力を有した前群と、正の屈折力を有した後群とによって構成され、前記前群および前記後群の何れか一方を光軸に垂直な方向に移動させることにより、像面上に形成される像も光軸に垂直な方向に移動させる
    請求項1記載のズームレンズ。
  8. 物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群とを有するインナーフォーカス型のズームレンズにおいて、
    前記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、前記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、以下の条件式(1)を満足するズームレンズ。
    (1)−10.0<G1R1/fw<−3.0
    但し、
    G1R1:最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径
    fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
    とする。
  9. 複数のレンズ群を備えて前記複数のレンズ群同士の間隔を変えることにより変倍を行うズームレンズと、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える撮像装置であって、
    前記ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有して位置が常時固定とされた第1レンズ群と、負の屈折力を有して変倍のために光軸方向に位置が移動可能とされた第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、変倍による焦点位置の補正と合焦のために位置が移動可能とされた第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とからなるインナーフォーカス型のズームレンズであり、
    前記第1レンズ群は、物体側より、負レンズ、第1の正レンズ、第2の正レンズの順に配され、前記負レンズの第1面は物体側に凹面を向けた形状からなり、以下の条件式(1)を満足する撮像装置。
    (1)−10.0<G1R1/fw<−3.0
    但し、
    G1R1:最も物体側に位置するレンズ面の曲率半径
    fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
    とする。
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