JP2012122749A - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電界効果型トランジスタを用いるバイオセンサであり、トータルコストが低いバイオセンサを提供する。
【解決手段】ゲート電極と、前記ゲート電極の一部と重畳し、両端にドレイン電極およびソース電極が配置された半導体膜と、前記ゲート電極の他の一部と重畳し、被測定物が配置されるイオン感応膜とにより構成されるセンサトランジスタを有し、前記半導体膜、前記ドレイン電極、前記ソース電極のいずれか1以上は透明であり、前記センサトランジスタのオンオフ比は2以上であることを特徴とするバイオセンサを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオセンサに関する。特に電界効果トランジスタ型のセンサ手段を用いるバイオセンサに関する。
血液や細胞等の生体試料やその中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。その一つとして、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、以下、FETという)型のセンサ手段を用いるバイオセンサが知られ、特にISFET(Ion−sensitive FET)と呼ばれている。ISFETを用いたDNAやタンパク質等の生体成分、細胞などの検出系への応用が盛んに研究されている(たとえば、特許文献1参照。)。
このようなバイオセンサは、主にシリコンウェハ上に形成される場合が多い。この理由の一つとして、高性能なLSI向けのシリコントランジスタの集積回路の技術とMEMS(Micro Electro Mechanical System)の技術との融合が容易であるという点から、検出精度の高いバイオセンサの製造が比較的容易であったことが挙げられる。
国際公開WO05/090961号
バイオセンサとして、従来技術において、シリコンウェハ上に形成される高性能なトランジスタが用いられる。しかし、その一方で、例えば液晶ディスプレイの画素制御に用いられているアモルファスシリコン膜などを半導体層に用いた薄膜トランジスタ(TFT)をガラス基板上やプラスチック基板上に形成してバイオセンサとして用いることも考えられる。
そもそも、一般的な薄膜トランジスタの使用用途としては、液晶ディスプレイの画素駆動が挙げられる。すなわち、液晶ディスプレイの画素駆動においては、薄膜トランジスタのオン期間で画素に電荷を充電し、オフ期間ではその電荷を維持するといった方法が用いられるのが一般的である。このオフ期間で流れるリーク電流が大きい場合はそのリーク電流によって充電された電荷が放電され、対向している透明電極との間の電界強度が減少し、液晶の透過率が変化してしまう。さらにこのオフ期間はオン期間よりも時間が長いためによりオフ電流を小さくする必要がある。この様な背景から例えば液晶ディスプレイの背面板に用いられている薄膜トランジスタは、オフ状態におけるリーク電流(オフリーク電流)が極めて低くなるように、オンオフ比が10の4乗から6乗以上となることが要求されている。
図7は、オフ状態におけるリーク電流(オフリーク電流)が極めて低く、オンオフ比が10の6乗程度となる薄膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電流の関係を示すグラフの一例を示す。図7のグラフにおいて、ドレイン電流の大きさを線形スケールと対数スケールとによって示している。2つの縦軸のうち左側の縦軸が、線形スケールの目盛であり、非議側の縦軸が対数スケールでの目盛である。図7に示すようにゲート電圧が−10Vから0Vの直前までにおけるドレイン電流の大きさは約10−13Aである。このときのドレイン電流がオフリーク電流となる。一方、ゲート電圧が約0V以上になると、急激にドレイン電流が増加し、ゲート電圧が10Vのときには、ドレイン電流の大きさは10―7Aとなる。
しかしながら、薄膜トランジスタにおいては、必ずオンオフ比が10の4乗から6乗以上となるわけではない。すなわち、ゲート絶縁膜の絶縁性が確保されながらもトランジスタとしてのオフリーク電流が大きくなってしまう場合がある。例えばソースドレイン電極と半導体の接合界面が崩れている場合そこでのリーク電流が発生する。他にも外部エネルギー例えば光エネルギーなどの影響でキャリアが生成されてオフリーク電流が増加してしまうケースなどもある。オンオフ比が10の4乗から6乗以上とならないと、液晶ディスプレイの画素駆動には向かないため、オンオフ比が10の4乗から6乗以上とならない薄膜トランジスタは、不良品として扱われていた。
このため、従来においてはオフリーク電流を小さくすることは至上命題であった。このため、製造プロセス中の工程を工夫することによって、オフリーク電流を小さくすることが実現されてきた。例えば、ソースドレイン電極の接合問題に対しては、ポリシリコンTFTの場合には、ソースドレイン電極と接する高い不純物濃度層と真性半導体とを直接接合せず、間に比較的低い不純物濃度の導電層を設け、これにより電界強度の緩和を行って接合不良を回避する技術が用いられている。さらに例えば酸化物TFTの場合には酸素原子の欠損によってキャリアが誘起されてしまうので、アニールなどの工程によってキャリア濃度の低減作業が必要になる場合もある。
しかし、これらの目的のために、従来技術においては、TFTの製造工程に、イオン注入の工程を追加する必要がある。このため、プロセスコストの増加が避けられないこととなる。以上の様にトランジスタのオフリーク電流の低減はプロセスによってはプロセスコストを高くせしめる要因となりえる。このため、従来の薄膜トランジスタの技術を用いてバイオセンサを製造すると、コストが高くなってしまうことになる。
バイオセンサに薄膜トランジスタを使用する事を考えた場合には、使用用途によっては上記の様な非常に低いオフ電流が求められないケースが多々ある。すなわち、これはトランジスタをバイオセンサとして用いる場合には、ゲート電極にかかる電位変化を、ソースドレイン電極間に流れる電流値により計測する手法が用いられる。そして、液晶ディスプレイの画素制御の際には、ソースドレイン電極の片側に充電する形であり、その充電された電荷を保持する為に低いリーク電流が求められるが、バイオセンサ用のトランジスタとしてはそのような負荷対象がゲート電極に接続される。ゲート絶縁膜の絶縁性が確保されれば、上記の様なオフリーク電流の問題はバイオセンサ型のデバイスでは問題にならないことに本願発明者は注目した。
そこで、本発明の一実施形態として、ゲート電極と、前記ゲート電極の一部と重畳し、両端にドレイン電極およびソース電極が配置された半導体膜と、前記ゲート電極の他の一部と重畳し、被測定物が配置されるイオン感応膜とにより構成されるセンサトランジスタを有し、前記半導体膜、前記ドレイン電極、前記ソース電極のいずれか1以上は透明であり、前記センサトランジスタのオンオフ比は2以上であることを特徴とするバイオセンサを提供する。
また、本発明の別の一実施形態として、ゲート電極と、前記ゲート電極の一部と重畳し、両端にドレイン電極およびソース電極が配置された半導体膜と、前記ゲート電極の他の一部と重畳し、被測定物が配置されるイオン感応膜とにより構成されるセンサトランジスタを有し、前記半導体膜、前記ドレイン電極、前記ソース電極のいずれか1以上は透明であり、前記センサトランジスタのオンオフ比は2以上であることを特徴とするバイオセンサの動作方法であって、前記イオン感応膜上に前記被測定物を配置し、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に電圧を印加して前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に流れる電流を測定することを含む、バイオセンサの動作方法を提供する。
本発明によれば、液晶の画素制御に求められるような低いオフリーク電流は必要なく、精査されたプロセスが必要とされず、従来よりも低コストにてバイオセンサを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバイオセンサの上面図と等価回路図。 本発明の一実施形態に係るバイオセンサの断面図。 本発明の一実施形態に係るバイオセンサの断面図。 ゲート電圧に対するドレイン電極とソース電極との間に流れる電流値の変化を示すグラフの一例図。 本発明の一実施形態に係るバイオセンサのゲート電圧とドレイン電流との関係を示すグラフの一例図。 本発明の一実施形態に係るバイオセンサの上面図。 一般的な薄膜トランジスタのゲート電圧とドレイン電流との関係を示すグラフの一例図。
以下、図面を参照して、本発明に係るバイオセンサについて説明する。なお、本発明は、種々の態様において実施することが可能である。従って、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定して解釈されるものではない。なお、以下の説明において参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、繰り返して説明することを省略する。また、図面においては、膜の厚さや長さを誇張して記載する場合がある。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサに用いられるセンサトランジスタの上面図を示す。センサトランジスタは、半導体膜101と、ドレイン電極およびソース電極102、103と、ゲート電極104とを有する。
半導体膜101は、半導体材料から構成される膜である。半導体材料としては、アモルファス酸化物を用いることができる。そのようなアモルファス酸化物の主成分は、InMZnOと表すことができ、ここで、Mは、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)のうち少なくとも1種である。この中でも、アモルファス酸化物としては、MがGaであるInGaZnO系のものを用いるのが好ましい。InGaZnO系のアモルファス酸化物は、室温から150°C程度の低温で成膜が可能である。このため、半導体膜101が形成される基材が耐熱性に乏しいプラスチックやガラスにより構成されている場合でも使用することができる。また、InGaZnO系のアモルファス酸化物には、必要に応じて、Al、Fe、Snなどが加えられていてもよい。
また、半導体膜101の別の材料として、酸化物亜鉛(ZnO)を主成分とする酸化物半導体が用いられていてもよい。ZnOを主成分とする場合には、真性の酸化物亜鉛の他に、必要に応じて、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、窒素(N)及び炭素(C)等のp型ドーパント及びホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等のn型ドーパントがドーピングされた酸化亜鉛及びマグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などがドーピングされた酸化亜鉛を加えたものであってもよい。さらに、第1の半導体膜131は、錫を添加した酸化インジウム(インジウム錫オキサイド:ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)または酸化マグネシウム(MgO)などの酸化物半導体から形成されていてもよい。
ドレイン電極およびソース電極102、103は、導電性材料により構成される電極である。例えば、チタン、アルミ、銅、金等を用いることができる。酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等を用いることができる。ドレイン電極およびソース電極102、103は、半導体膜102の両側に配置され、また、半導体膜102とオーミック接触して配置される。このため、ゲート電極104に電圧が印加され半導体膜102にチャネルが形成されると、そのチャネルを介してドレイン電極およびソース電極102、103の間に電流を流すことが可能となる。
ゲート電極104は、導電性材料により構成される電極である。ゲート電極104は、ドレイン電極およびソース電極102、103と同様の材料を用いて構成することができる。本発明の一実施形態においては、ゲート電極104は、センサトランジスタを上面から見た場合、図1に示すように、半導体膜101と重なる部分を有する。また、イオン感応膜と重なる部分を有する。イオン感応膜の上には被測定物を配置することが可能である。このため、ゲート電極104は、イオン感応膜を介して検出される被測定物の電位を半導体膜101に伝達することが可能となる。
図1(b)は、図1(a)のセンサトランジスタの等価回路図を示す。センサトランジスタは、電界効果トランジスタの一種105である。そのゲート電極108が、ゲート電極104に対応し、そのドレイン電極およびソース電極106、107がドレイン電極およびソース電極102、103に対応する。
図1(a)のI−I断面線における断面図を図2に示す。図2において、基材201の上に、ゲート電極104が配置され、ゲート電極104の上にイオン感応膜202が配置されている。イオン感応膜202の上に被測定物203が配置される。
基材201は、絶縁性の材料である。例えば、ガラスなどの無機材料や、PENまたはPETなどのプラスチック(ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)に代表される有機材料であってもよい。
イオン感応膜202は、被測定物203に添加された試料に含まれる被検出物、例えば、細胞、DNA、糖鎖、タンパク質等を配置可能なものである。イオン感応膜202は、透明な絶縁材料を用い、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化アルミニウム等を用いることができる。
また、上述した材料を用いて、基板201と、半導体膜101と、ドレイン電極およびソース電極102、103と、ゲート電極104とを形成する場合に、基板201と、半導体膜101と、ドレイン電極およびソース電極102、103と、ゲート電極104との少なくとも一つの材料を透明とすることも可能である。特に基材201とイオン感応膜202とゲート電極104とは、透明であることが好ましい。ここで透明とは、顕微鏡などの観察機器を用いて基材201からイオン感応膜202の上に配置された被測定物203を観察することができる程度に透明であればよい。
また、被測定物203が液体などの場合に、被測定物203をゲート電極104の上に配置されるイオン感応膜202の上に滞留させるために、イオン感応膜202の上にガラス等の材質の隔壁が設けられていてもよい。
図3(a)、図3(b)それぞれは、図1(a)のII−II断面線における断面図を示す。図3(a)は、ゲート電極104が半導体膜101よりも基材201側に配置された構成を示し、図3(b)は、半導体膜104がゲート電極104よりも基材201側に配置された構成を示す。
図3(a)においては、基材201の上に、ゲート電極104が配置されている。ゲート電極104を覆って基材201の上にゲート絶縁膜301が配置されている。ゲート絶縁膜301は、イオン感応膜202と同様の材料を用いることができる。ゲート絶縁膜301の上に、半導体膜101が配置され、その両側に、ドレイン電極およびソース電極102、103が配置されている。半導体膜101とドレイン電極およびソース電極102、103との上には、保護膜302が配置されている。
図3(b)においては、基材201の上に、半導体膜101が配置され、その両側にドレイン電極およびソース電極102、103が配置されている。半導体膜101とドレイン電極およびソース電極102、103との上には、ゲート絶縁膜303が配置され、ゲート絶縁膜303の上にゲート電極104が配置されている。そして、保護膜304が、半導体膜101とドレイン電極およびソース電極102、103とゲート絶縁膜303とゲート電極104とを覆っている。
図3(a)、図3(b)において、イオン感応膜202は、ゲート絶縁膜301または保護膜302と一体となっていてもよい。また、イオン感応膜202は、ゲート絶縁膜301または保護膜302のいずれとも異なっていてもよい。
また、被測定物203が配置される位置は、半導体膜101の上であってもよい。この場合には、半導体膜101は透明であってもよい。半導体膜101を透明とすることにより、基材201の側から、半導体膜101の上に配置される被測定物203を観察することが可能となる。
図4は、ドレイン電極およびソース電極102、103(106、107)間の電圧を一定とした場合での、ゲート電圧Vとドレイン電流Iとの関係を示すグラフである。なお、ゲート電圧Vとは、ゲート電極104(108)とドレイン電極およびソース電極102、103(106、107)とのいずれかとの間に印加される電圧である。ドレイン電流Iとは、ドレイン電極およびソース電極102、103(106、107)間に流れる電流である。
一般的にバイオセンサの技術分野においては、ゲート電圧を−5V程度から5V程度までの範囲で変化させる場合が多い。したがって、Vの変化する範囲は、例えば10V程度の範囲となる。センシングの対象物質(被測定物)によっては、Vの変化する範囲はもう少し狭い範囲に設定することも可能であり、また、センシングの対象物質によって適宜調整することが可能である。例えば、対象物質などによっては、ゲート電圧を約−10Vから10Vまでの範囲に変化させる場合もある。したがって、本発明においては、ゲート電圧の範囲は特に限定されないものとする。
本発明の一実施形態に係るバイオセンサにおいては、イオン感応膜の上に配置される被測定物の電位が、ゲート電圧Vとして半導体膜101に伝達される。これにより半導体膜101に形成されるチャネルの電気伝導度が変化する。
オンオフ比を、バイオセンサによる測定時にゲート電圧が変化する範囲の両端の電圧におけるドレイン電流の変化の大きさの比として定義する。すなわち、図4に示すように、バイオセンサによる測定時にゲート電圧が変化する範囲がVからVであるとき、ゲート電圧がVであるときのドレイン電流Iの大きさに対するゲート電圧がVであるときのドレイン電流Iの大きさの比(I/I)と定義する。このとき、オンオフ比が2を下回り、小さな値となると、ゲート電圧VがVとVとの間の範囲を変化しても、ドレイン電流Iの変化量が小さくなり、小さな電流範囲を精密に測定する必要があり、被測定物の測定が困難となる。このため、高価な電源と電流計が必要となるなどの問題が生ずる。したがって、オンオフ比は2以上であることが好ましい。
通常、バイオセンサによる測定時にゲート電圧が変化する範囲は、−5V以上から5V以下あるいは、−10V以上から10V以下の範囲であるので、ゲート電圧を5Vまたは10Vにしたときのドレイン電流の大きさを求め、その値を、ゲート電圧を−5Vまたは−10Vにしたときのドレイン電流の大きさにより除することにより、オンオフ比を算出することができる。
一方でオンオフ比の上限は、例えば50あるいは100以下であってもよいが、オンオフ比には特に上限はない。ただし、本発明の一実施形態においては、I>0であることが必要である。したがって、オンオフ比が例えば100を超えると、Iが過大となる場合がある。また、VがVとVとの間の範囲を変化する場合、ドレイン電流Iは、図4に示すように、ゲート電圧Vの変化に対して線形に変化するのが好ましい。ドレイン電流Iからセンシングの対象物質の状態を測定するのが容易になるからである。
オンオフ比を2以上とする必要条件は、半導体膜101の種類や作製条件にもよるため一義的な定義はないが、例えばIGZOなどの酸化物半導体を例にとるとキャリア濃度を1019cm−3以上とすることである。
なお、測定を行なう際には、被測定物とドレイン電極およびソース電極102、103のいずれかとの間に所定の電圧(たとえば、V以上、V以下の電圧)を印加するために、参照電極を被測定物に接触させてもよい。これにより、参照電極に印加される電位に応じたIの変化のプロファイルを得ることもできる。
以上のように、本実施形態においては、例えば液晶の画素制御に求められるような低いオフリーク電流は必要なく、精査されたプロセスが必要とされず、トータルコストが低いバイオセンサが提供される。
以下、本実施形態に係るバイオセンサを製造した実施例について具体的に説明する。
本実施例では、ボトムゲート・トップコンタクト構造のトランジスタ型センサをガラス基板上に作製した。先ず、ガラス基板の全面に厚さ100nmのゲート電極膜をスパッタ成膜した後、レジストパターンをフォトリソグラフィーで形成した後にエッチングし、ゲート電極膜を所定パターンにパターニングしてゲート電極を形成した。次に、そのゲート電極を覆うように厚さ300nmの酸化ケイ素をゲート絶縁膜として全面に形成した。このゲート絶縁膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、8インチのSiOターゲットに投入電力:2.0kW(=6W/cm)、圧力:0.3Pa、Oガスにて形成した。この後、ドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。
次に、ゲート絶縁膜を覆うように、全面に、In:Ga:Znが1:1:1のInGaZnO系IGZO半導体膜(InGaZnO)を厚さ25nmとなるように形成した。IGZO半導体膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、室温(25℃)、Ar:Oを30:50とした条件下で、4インチのInGaZnO(In:Ga:Zn=1:1:1)ターゲットを用いて形成した。次に、このIGZO半導体膜上にレジストパターンをフォトリソグラフィーで形成した後、シュウ酸溶液でウェットエッチングし、そのIGZO半導体膜をパターニングし、所定パターンからなるIGZO半導体膜を形成した。
次に、IGZO半導体膜上の全面に厚さ200nmのチタニウム膜をソース電極及びドレイン電極とするためにスパッタ成膜した後、レジストパターンをフォトリソグラフィーで形成した後に過酸化水素水とアンモニアの混合溶液でウェットエッチングし、チタニウム膜を所定パターンにパターニングしてソース電極及びドレイン電極を形成した。このとき、ソース電極及びドレイン電極は、IGZO半導体膜上であってIGZO半導体膜の中央部直上以外に離間したパターンとなるように形成した。
次に、ソース電極、ドレイン電極及びIGZO半導体膜の全てを覆うように、厚さ100nmの酸化ケイ素をパッシベーション層としてRFマグネトロンスパッタリング法で形成し、ドライエッチングによりコンタクトホールを形成した。こうしてセンサトランジスタを有するバイオセンサを製造した。なお、このセンサトランジスタにおいて、ゲート長、ゲート幅は、それぞれ10μmである。
図5は、このように製造したバイオセンサのゲート電圧に対するドレイン電流の大きさを測定した結果を示す。図5は、図7と同様に、ドレイン電流の大きさを線形スケールと対数スケールとによって示している。なお、この測定においては、Vを−10Vとし、Vを10Vとして測定範囲を定め、0.1Vごとにドレイン電流を測定した。この場合、図5より、ゲート電圧が−10Vである場合のドレイン電流の大きさは、2×10−7Aであり、ゲート電圧が10Vであるときのドレイン電流の大きさは、4.5×10−7Aであるので、オンオフ比は2.25であり、オンオフ比は2以上となることがわかる。
(実施形態2)
図6は、本発明の別の一実施形態に係るバイオセンサの上面図を示す。図6においては、符号600は、被測定物が配置されるエリアを示し、この周囲に実施形態1に係る、オンオフ比が2以上のセンサトランジスタが配置される。このエリアは、複数の領域600(1)、600(2)、600(3)、600(4)に分割されており、それぞれの分割された領域に、イオン感応膜が配置されている。特にエリア600はマトリクス状に複数の領域に分割され、この分割に応じてイオン感応膜がマトリクス状に配置されていることが好ましい。
イオン感応膜600(1)、600(2)、600(3)、600(4)の下には、ゲート電極601(G)、602(G)、603(g)604(G)がそれぞれ配置され、エリア600の周囲に配置されたセンサトランジスタの半導体膜601(H)、602(H)、603(H)、604(H)に、エリア600に配置された被測定物の電位を伝達する。
それぞれのセンサトランジスタは、図1、図3と同様に、半導体膜601(H)、602(H)、603(H)、604(H)それぞれの両側にドレイン電極およびソース電極601(D),601(S)、602(D),602(S)、603(D),603(S)、604(D),604(S)が配置され、半導体膜601(H)、602(H)、603(H)、604(H)それぞれとオーミック接触している。
本実施形態に係るバイオセンサにおいては、複数のバイオセンサトランジスタが用いられるが、液晶の画素制御に求められるような低いオフリーク電流は必要なく、実施形態1の実施例にて説明したように精査されたプロセスが必要とされず、低コストにてバイオセンサを提供することができる。
101…半導体膜;102、103…ドレイン電極、ソース電極;104…ゲート電極

Claims (6)

  1. ゲート電極と、
    前記ゲート電極の一部と重畳し、両端にドレイン電極およびソース電極が配置された半導体膜と、
    前記ゲート電極の他の一部と重畳し、被測定物が配置されるイオン感応膜とにより構成されるセンサトランジスタを有し、
    前記半導体膜、前記ドレイン電極、前記ソース電極のいずれか1以上は透明であり、前記センサトランジスタのオンオフ比は2以上であることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記半導体膜は、キャリア濃度が1019cm−3以上である酸化物半導体であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記被測定物と前記ドレイン電極および前記ソース電極のいずれか一との間に所定の電圧を印加する参照電極を有する請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記センサトランジスタは複数配置され、前記イオン感応膜が複数マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  5. ゲート電極と、前記ゲート電極の一部と重畳し、両端にドレイン電極およびソース電極が配置された半導体膜と、前記ゲート電極の他の一部と重畳し、被測定物が配置されるイオン感応膜とにより構成されるセンサトランジスタを有し、前記半導体膜、前記ドレイン電極、前記ソース電極のいずれか1以上は透明であり、前記センサトランジスタのオンオフ比は2以上であることを特徴とするバイオセンサの動作方法であって、
    前記イオン感応膜上に前記被測定物を配置し、
    前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に電圧を印加して前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に流れる電流を測定することを含む、バイオセンサの動作方法。
  6. 前記バイオセンサは参照電極を有し、
    前記参照電極によって前記被測定物と前記ドレイン電極および前記ソース電極のいずれか一との間に所定の電圧を印加することをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の、バイオセンサの動作方法。
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