JP2012121937A - 炭化水素類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重質炭化水素油を既設装置の改造を行わずに処理し、炭素数3と炭素数4の炭化水素類及びガソリン留分の収率を向上させ、接触分解残油の収率を低減させ、C重油を減産する炭化水素類の製造方法の提供。
【解決手段】原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油L1を直接脱硫装置1で処理して直接脱硫常圧残油を得る。次に、直接脱硫常圧残油を減圧蒸留装置2で処理して直接脱硫減圧軽油L5及び直接脱硫減圧残油L6を得る。さらに、直接脱硫減圧軽油L5と、直接脱硫常圧残油L4aと、間接脱硫減圧軽油L7とを含有する混合油を残油流動接触分解装置3で処理し、燃料ガス、炭素数3と炭素数4の炭化水素類、ガソリン留分、灯油留分、軽油留分及び接触分解残油とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素類の製造方法に関する。
数年前から、景気後退により、各種産業の稼働率減少、国内の自動車保有台数の減少、地球温暖化防止対策の推進、地球温暖化防止技術の発達等に伴い、石油製品の需要は低迷を続けており、特に国内の燃料油需要は減少が顕著である。国内の燃料油販売量はピークであった1999年度に比べて2009年度は2割減少となっている。その中でもC重油の需要減少が著しく、今後も需要増加は期待できない状況である。この状況の下、石油精製会社各社における製油所の稼働率は低迷を余儀なくされており、そのための対策に苦慮している。
従来、C重油の製造基材として、直接脱硫常圧残油、減圧蒸留残油(VR)、間接脱硫減圧軽油、流動接触分解残油、動粘度調整材等が使用されてきた。しかし、C重油の需要減少に伴い、これらの基材の必要量も減少しており、その結果常圧蒸留装置、減圧蒸留装置及び直接脱硫装置の稼働率も低下している。一方、コスト削減を目的として、購入原油中の重質原油の比率が高くなっている状況の中で、ガソリン用基材、軽油用基材の確保のために、流動接触分解装置等分解装置の稼働率が高くなっている。
このような状況の中で、これまで以上にコスト削減を図る必要があり、需要が減少しているC重油基材の製造量を削減し、ガソリン用基材、軽油用基材のように必要な基材の製造量を増やす製造方法が求められている。
しかし、既存の各種製油装置、製造装置は、その性格上、装置の改造をしないで、原料の種類、処理条件を大きく変更することは難しい。したがって、特許文献1〜3に開示されているように、各種装置を組み合わせた事例は記載されているが、これまでの既存の各種製油装置、製造装置に関する従来の技術が記載されているのみである。
また、特許文献4〜5に開示されているように、流動接触分解法による軽質オレフィンの製造方法も従来の技術が記載されているのみである。
したがって、これらの通常の製油方法、処理方法では、前記の状況の変化に対応するための方策としては全く不十分で、既設装置で、装置改造を行わずに、状況変化に対応する
方法、方策が求められている。
特開平5−230473号公報 特開平5−230474号公報 特開平5−239472号公報 特表2002−513777号公報 特表2002−513821号公報
本発明は、既設装置を用いて重質炭化水素油を処理するに際し、その既設装置の改造を行わなくとも、炭素数3の炭化水素類(特にプロピレン)、炭素数4の炭化水素類(特にブテン類)及び分解ガソリン留分(CCG)の収率を向上させ、流動接触分解残油(CLO)の収率を低減させることが可能であり、C重油の減産を図る上で有用な炭化水素類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、従来、C重油の基材として使用していた直接脱硫常圧残油(RDSBTM)中に含まれる貴重な流動接触分解装置用原料である直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)留分を減圧蒸留装置により回収し、回収した直接脱硫減圧軽油にさらに間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)を混合して、減圧軽油の混合比率を高め、軽質化した原料を用いて残油流動接触分解装置で処理することで、原料軽質化により分解反応が進み、残油流動接触分解装置から得られる炭素数3の炭化水素類(特にプロピレン)、炭素数4の炭化水素類(特にブテン類)及び分解ガソリン留分の収率向上を図ることができ、流動接触分解残油(CLO)の収率低減を図ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。また、それと同時に、C重油減産を行うことが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、従来、残油流動接触分解装置の主な原料として、原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油を直接脱硫装置で処理して得られた直接脱硫常圧残油と間接脱硫減圧軽油の混合油を用いるのが通常である。
前記のように、数年前からC重油の需要減退が顕著であり、それに伴い減圧蒸留装置の稼働率が低下している。また、従来、直接脱硫装置は、脱硫重油基材としての直接脱硫常圧残油の製造装置としての位置付けであり、直接脱硫常圧残油の一部を残油流動接触分解装置で処理していた。しかし、C重油の需要減退により、脱硫重油基材の需要が低下していることから、残油流動接触分解装置で処理する直接脱硫常圧残油の量を増加させたいが、直接脱硫装置の能力に対して、残油流動接触分解装置の能力が不足しているため、残油流動接触分解装置で処理する直接脱硫常圧残油の量を増加させることができない。
一方、常圧蒸留装置における処理原油の重質化に伴い、残油流動接触分解装置で処理される原料が重質化し、当該装置から得られるものの内、付加価値の低い流動接触分解残油の収率が高くなっている。したがって、流動接触分解残油が余剰となり、残油流動接触分解装置の稼動率を高めることができない要因の一つとなっている。
そこで、本発明者らが鋭意研究した結果、直接脱硫常圧残油中に多く含まれている貴重な流動接触分解装置用原料である直接脱硫減圧軽油留分を回収し、残油流動接触分解装置の原料として使用することによって、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油(AR)を直接脱硫装置で処理して直接脱硫常圧残油(RDSBTM)を得る第1の工程と、前記直接脱硫常圧残油を減圧蒸留装置で処理して直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)及び直接脱硫減圧残油(RDS−VR)を得る第2の工程と、前記直接脱硫減圧軽油と、前記直接脱硫常圧残油と、間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)とを含有する混合油を残油流動接触分解装置(RFCC装置)で処理し、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油を得る第3の工程とを備えることを特徴とする炭化水素類の製造方法に関する。
前記第3の工程においては、得られる炭素数3の炭化水素類の液収率が10.1LV%以上、炭素数4の炭化水素類の液収率が15.0LV%以上で、かつ、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の合計液収率が111.5LV%以上であることが好ましい。
また、前記第3の工程においては、前記混合油に占める前記直接脱硫減圧軽油及び間接脱硫減圧軽油の合計の混合比率が、前記混合油全量を基準として50容量%〜80容量%であることが好ましい。
また、前記第3の工程においては、得られた流動接触分解残油を、前記残油流動接触分解装置内に、前記残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対して1.0容量%〜10.0容量%の比率でリサイクルして、前記残油流動接触分解装置を運転することが好ましい。
また、前記第3の工程においては、混合油の15℃における密度が0.900g/cm〜0.910g/cm、10容量%留出温度が330℃〜390℃、50容量%留出温度が410℃〜480℃、90容量%留出温度が520℃〜600℃、硫黄分が0.5質量%以下、残留炭素分が5質量%以下であることが好ましい。なお、流動接触分解残油を残油流動接触分解装置にリサイクルする場合、上記の混合油の密度及び留出温度は、当該流動接触分解残油を含まない混合油の密度及び留出温度を意味する。
以下に詳述する。
従来、C重油の基材として使用していた直接脱硫常圧残油(RDSBTM)中には多くの貴重な流動接触分解装置用原料である直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)留分が含まれており、より付加価値の高い半製品化又は製品化することが望ましい。
この貴重な直接脱硫減圧軽油留分を回収し、残油流動接触分解装置(RFCC装置)の稼働率を高めるために、残油流動接触分解装置で処理する前に、減圧蒸留装置であらかじめ処理し、直接脱硫減圧軽油留分を得て、残油流動接触分解装置の原料として、直接脱硫減圧軽油、直接脱硫常圧残油及び間接脱硫減圧軽油を混合した混合油全量に対する脱硫減圧軽油の混合比率を高めて、残油流動接触分解装置で処理する方法を見出したのが本発明である。
すなわち、前記残油流動接触分解工程において、得られる炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分それぞれの残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する液収率を高めること、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する合計液収率を高めること、及び残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する流動接触分解残油の液収率を低下させることを見出したのが本発明である。
また、残油流動接触分解装置の原料を直接脱硫減圧残油主体(ボトムリッチ)から、直接脱硫減圧軽油及び間接脱硫減圧軽油を合わせた脱硫減圧軽油の混合比率向上へ変更することにより軽質化を図り(VGOリッチ)、この原料軽質化により、分解反応が進み、残油流動接触分解装置から得られる炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類及び分解ガソリン留分の収率向上を図ることができた。また、それと同時に、C重油を減産することが可能となった。
一方、残油流動接触分解装置の原料の軽質化に伴い、触媒上に堆積するコーク収率が低下し、触媒再生時にコークを燃焼した際得られる燃焼熱の減少から、再生塔の熱不足が発生する。これにより、残油流動接触分解に必要な反応温度を維持できないおそれがあるが、本発明によれば、残油流動接触分解装置内に残油流動接触分解残油をリサイクルして処理することによりコーク収率を向上させることができ、また残油流動接触分解に必要な反応温度を維持することができることにより、運転制約を回避することができる。
本発明により、従来、C重油の基材として使用していた直接脱硫常圧残油(RDSBTM)中に含まれる貴重な流動接触分解装置用原料である直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)留分を減圧蒸留装置により回収し、軽質化した原料を用いて残油流動接触分解装置で処理することにより、C重油を減産することが可能になる。
すなわち、C重油基材として直接脱硫常圧残油を使用するのに対して、減圧蒸留装置により直接脱硫減圧軽油留分を回収した残分である直接脱硫減圧残油(RDS−VR)を使用することにより、C重油を減産することができるとともに、直接脱硫減圧残油に粘度調整材として混合する、残油流動接触分解装置から得られる分解軽油留分の需要増加につながり、分解軽油留分の余剰抑制にもつながる。
また、前記残油流動接触分解工程において、得られる炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分それぞれの残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する収率を高めること、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する合計収率を高めること、及び残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する流動接触分解残油の収率を低下させることが可能になる。
また、原料軽質化により、残油流動接触分解装置における分解反応が進み、得られる炭素数3の炭化水素類(特にプロピレン)、炭素数4の炭化水素類(特にブテン類)及び分解ガソリン留分の増産を図ることが可能になる。
本発明の炭化水素類の製造方法に好適に用いられる製造装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の炭化水素類の製造方法に好適に用いられる製造装置の一例を示す概略図である。図1に示した製造装置においては、上流から直接脱硫装置1、減圧蒸留装置2、残油流動接触分解装置3、C重油貯蔵タンク4がこの順序で設けられている。
直接脱硫装置1には、ラインL1を通って、原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油(AR)が供給される。ここで、常圧蒸留残油(AR)とは、常圧蒸留装置で原油を常圧において蒸留して得られる残油である(常圧塔底油ともいう。)。常圧蒸留装置で処理される原油の種類は特に限定されるものではなく、1種類の原油を用いてもよく、2種類以上の原油を混合して用いてもよい。ここで、常圧蒸留残油とは、例えば、15℃における密度が0.95g/cm〜1.05g/cm、沸点が280℃以上の残油である。
直接脱硫装置1には固定床触媒が充填されており、常圧蒸留残油(AR)中の硫黄分を水素との反応により低減し、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)が得られる。直接脱硫常圧残油(RDSBTM)の一部は、ラインL2を通って減圧蒸留装置2に移送される。なお、ラインL2には分岐ラインL3が設けられており、さらに分岐ラインL3には、残油流動接触分解装置3に連結した分岐ラインL4a、並びにC重油貯蔵タンク4に連結されたL4bがそれぞれ連結されている。これにより、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)の他部を、残油流動接触分解装置3及びC重油貯蔵タンク4に移送することが可能となっている。ここで、直接脱硫常圧残油とは、例えば、15℃における密度が0.90g/cm〜0.97g/cm、沸点が330℃以上の残油である。
減圧蒸留装置2では、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)の減圧蒸留により、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)及び直接脱硫減圧残油(RDS−VR)が得られる。ここで、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)及び直接脱硫減圧残油(RDS−VR)とは、減圧蒸留装置で直接脱硫常圧残油(RDSBTM)を減圧下で蒸留して得られる減圧軽油留分及び残油(減圧塔底油ともいう。)である。直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)はラインL5を通って残油流動接触分解装置3に移送される。また、直接脱硫減圧残油(RDS−VR)はラインL6を通ってC重油貯蔵タンク4に移送される。ここで、直接脱硫減圧軽油とは、例えば、15℃における密度が0.85g/cm〜0.95g/cm、沸点が300℃〜590℃の減圧軽油留分で、直接脱硫減圧残油とは、例えば、15℃における密度が0.97g/cm〜1.05g/cmの残油である。
残油流動接触分解装置3には、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)に加えて、ラインL4aから直接脱硫常圧残油(RDSBTM)が、ラインL7から間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)が、それぞれ移送される。ここで、間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)とは、間接脱硫装置で減圧軽油を水素加圧下で水素化処理して得られるものである。ここで、間接脱硫減圧軽油とは、例えば、15℃における密度が0.83g/cm〜0.93g/cm、沸点が280℃〜550℃の減圧軽油留分である。
残油流動接触分解装置3は流動床触媒を使用して、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)と直接脱硫常圧残油(RDSBTM)と間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)とを含有する混合油を分解処理し、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油が得られる。燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分及び分解軽油留分は、分解反応後、精留塔にて分留することによって得ることができる。これらの留分は、それぞれラインL8〜L13を通って移送される。また、流動接触分解残油(CLO又はスラリー油とも呼ばれる)は精留塔の残油として得られる。分解軽油留分の一部はラインL13を通って移送され、他部はラインL14を通ってC重油貯蔵タンク4に移送される。さらに、C重油貯蔵タンク4に移送される流動接触分解残油の一部は、ラインL15から分岐したラインL16を通って残油流動接触分解装置3にリサイクル供給される。なお、図1には、ラインL14が、C重油貯蔵タンク4に流動接触分解残油を移送するラインL17に連結した例を示したが、ラインL14はC重油貯蔵タンク4に直接連結していてもよい。
ここで、燃料ガスとは、主に窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン及び炭素数2の炭化水素類であり、炭素数3の炭化水素類とは、主にプロパン及びプロピレンであり、炭素数4の炭化水素類とは、主にブタン類及びブテン類である。
さらに、分解ガソリン留分とは、例えば、沸点が35℃〜210℃で、オレフィン類を
30容量%〜40容量%、芳香族分を15容量%〜25容量%含有するガソリン留分であり、分解灯油留分とは、例えば、沸点が85℃〜260℃の灯油留分であり、分解軽油留分とは、例えば、沸点が160℃〜390℃で、硫黄分が0.2質量%〜0.5質量%の軽油留分であり、流動接触分解残油とは、例えば、沸点が220℃〜600℃、硫黄分が0.5質量%〜1.0質量%の残油である。
従来、残油流動接触分解装置の原料として、原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油(AR)、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)、間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)、又はこれらの混合物が使用されている。また、通常の運転条件としては、反応温度が500℃〜540℃、反応圧力が110kPaG〜160kPaGであり、本発明における残油流動接触分解についても通常の運転条件で差し支えない。
残油流動接触分解装置においては、触媒上に堆積したコークを再生工程で熱と空気により燃焼させ、得られた燃焼熱を接触分解反応のエネルギーとして、必要な反応温度の維持に利用するのが一般的である。
しかし、残油流動接触分解装置の原料を直接脱硫常圧残油主体(ボトムリッチ)から直接脱硫減圧軽油及び間接脱硫減圧軽油主体(VGOリッチ)に変更すると、原料の軽質化のため、触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、触媒再生工程で熱と空気によりコークを燃焼させて得られる燃焼熱が減少し、再生塔の熱不足が発生する。その結果、接触分解反応のエネルギーが不足し、残油流動接触分解に必要な反応温度を維持できなくなる。そこで、残油流動接触分解装置から得られる流動接触分解残油を残油流動接触分解装置内にリサイクルし、見掛け上原料を重質化し、触媒上に堆積するコーク量を多くして、必要な接触分解反応温度を維持する方法を見出した。このリサイクルにより、各留分の収率向上を図ることができるとともに、流動接触分解残油の収率を低減することができた。
本実施形態に係る残油流動接触分解工程において、得られる炭素数3の炭化水素類の液収率が10.1LV%以上であることが必要で、10.4LV%以上であることが好ましく、10.6LV%以上であることがさらに好ましく、11.0LV%以上であることが最も好ましい。また、得られる炭素数4の炭化水素類の液収率が15.0LV%以上であることが必要で、15.5LV%以上であることが好ましく、16.0LV%以上であることがさらに好ましく、16.5LV%以上であることが最も好ましい。
ここでいう液収率とは、得られた炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類それぞれの質量を15℃における密度(g/cm)で割って液体容量換算した値を、残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量の質量を15℃における密度で割って液体容量換算した値で割ったそれぞれの商に100を掛けた値を意味する。
本実施形態に係る残油流動接触分解工程において、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の合計液収率が111.5LV%以上であることが必要で、112.0LV%以上であることが好ましく、112.5LV%であることがさらに好ましく、113.0LV%以上であることが最も好ましい。
ここでいう合計液収率とは、得られた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油それぞれの質量を15℃における密度(g/cm)で割って液体容量換算した値の合計を、残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量の質量を15℃における密度で割って液体容量換算した値で割ったそれぞれの商に100を掛けた値を意味する。
残油流動接触分解装置3(RFCC装置)で直接脱硫減圧軽油、直接脱硫常圧残油にさらに間接脱硫減圧軽油を混合した原料油を処理するにおいて、直接脱硫減圧軽油、直接脱硫常圧残油及び間接脱硫減圧軽油の混合原料全量に対する直接脱硫減圧軽油と間接脱硫減圧軽油の合計量の混合比率が80容量%以下であることが必要で、75容量%以下であることが好ましく、70容量%以下であることがさらに好ましく、また、
50容量%以上が必要で、55容量%以上であることが好ましく、60容量%以上であることがさらに好ましく、63容量%以上が最も好ましい。ここで、50容量%未満では、直接脱硫減圧軽油、直接脱硫常圧残油及び間接脱硫減圧軽油の混合原料全量に対する直接脱硫減圧軽油と間接脱硫減圧軽油の合計量の混合比率が低くなり、その結果、残油流動接触分解装置(RFCC装置)で処理して得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。
残油流動接触分解装置内にリサイクルする流動接触分解残油の比率は、残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対して、1.0容量%以上であることが必要で、3.0容量%以上であることが好ましく、4.0容量%以上であることがより好ましい。また、10.0容量%以下であることが必要で、8.0容量%以下であることが好ましい。ここで、1.0容量%未満では、触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。さらに、10.0容量%を超えると、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。
また、残油流動接触分解装置において、処理する原料油の15℃における密度は、0.900g/cm以上であることが必要で、0.902g/cm以上であることが好ましく、0.905g/cm以上であることがさらに好ましく、また、0.910g/cm以下であることが必要で、0.908g/cm以下であることが好ましく、0.907g/cm以下であることがさらに好ましい。15℃における密度が0.900g/cm未満であると、触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。一方、0.910g/cm3を超えると、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。
ここでいう15℃における密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に準拠して測定される値を意味する。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の10容量%留出温度(以下、「T10」と略す。)は、330℃以上であることが必要で、340℃以上であることが好ましく、350℃以上であることがさらに好ましく、360℃以上であることが最も好ましく、また、390℃以下であることが必要で、385℃以下であることが好ましく、380℃以下であることがさらに好ましい。T10が330℃未満であると、
触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。一方、T10が390℃を超えると、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の50容量%留出温度(以下、「T50」と略す。)は、410℃以上であることが必要で、420℃以上であることが好ましく、430℃以上であることがさらに好ましく、440℃以上であることが最も好ましく、また、480℃以下であることが必要で、470℃以下であることが好ましく、460℃以下であることがさらに好ましい。T50が410℃未満であると、
触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。一方、T50が480℃を超えると、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の90容量%留出温度(以下、「T90」と略す。)は、520℃以上であることが必要で、540℃以上であることが好ましく、560℃以上であることがさらに好ましく、また、600℃以下であることが必要で、590℃以下であることが好ましく、580℃以下であることがさらに好ましい。T90が520℃未満であると、触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。一方、T90が600℃を超えると、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。なお、ここでいうT10、T50及びT90とは、それぞれJISK 2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠して測定される値を意味する。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の硫黄分含有量は、0.5質量%以下であることが必要で、0.4質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが最も好ましい。ここでいう硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に準拠して測定される値を意味する。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の残留炭素分は、5質量%以下であることが必要で、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。本発明において残留炭素分とは、JIS K 2270「原油及び石油製品−残留炭素分の求め方−」に準拠して測定される値を意味する。
残油流動接触分解装置3において、処理する原料油の50℃における動粘度は特に限定されるものではないが、30mm/s以上であることが好ましく、35mm/s以上であることがより好ましく、40mm/s以上であることがさらに好ましく、また、80mm/s以下であることが好ましく、70mm/s以下であることがより好ましく、60mm/s以下であることがさらに好ましい。50℃における動粘度が30mm/s未満であると、原料が軽質となるため、触媒上に堆積するコーク量が少なくなり、接触分解反応のエネルギーが不足し、必要な反応温度を維持できないことから、好ましくない。一方、80mm/sを超えると、原料が重質となるため、触媒上に堆積するコーク量が多くなり、再生塔温度が上昇し、処理量の低下や反応温度の低下により、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分の収率が低くなり、好ましくない。ここでいう50℃における動粘度とは、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠して測定される値を意味する。
上記の通り、本実施形態に係る炭化水素類の製造方法においては、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)中に含まれる貴重な流動接触分解装置用原料である直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)留分を回収し、軽質化した原料を用いて残油流動接触分解装置で処理する(残油流動接触分解工程)。これにより、C重油を減産することが可能になる。
すなわち、前記残油流動接触分解工程において、得られる炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分それぞれの残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する収率を高めること、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する合計収率を高めること、及び残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対する流動接触分解残油の収率を低下させることが可能になる。
また、原料軽質化により、残油流動接触分解装置から得られる炭素数3の炭化水素類(特にプロピレン)、炭素数4の炭化水素類(特にブテン類)の収率の向上、かつ、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の合計液収率の向上を図ることが可能になる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、常圧蒸留残油(AR)、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)及び間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)を用いた。各基材の性状を表1に示す。
Figure 2012121937
[実施例1〜4及び比較例1〜3]
実施例1〜4及び比較例1〜3においては、それぞれ表1に示した常圧蒸留残油(AR)、直接脱硫常圧残油(RDSBTM)、直接脱硫減圧軽油(RDS−VGO)及び間接脱硫減圧軽油(HDS−VGO)を用いて、図1と同様の構成を有する製造装置にて炭化水素類の製造を行った。各実施例又は比較例におけるRFCC装置へのフィード原料の混合比率及び混合油の性状、RFCC運転条件、並びに得られた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の各収率を表2、3に示す。
表2、3に記載の残油流動接触分解工程における各留分及び流動接触分解残油の各収率はすべて液収率(LV%)を示している。ここで、液収率とは、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油について得られたそれぞれの質量を15℃における密度(g/cm)で割って液体容量換算した値を、残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量の質量を15℃における密度で割って液体容量換算した値で割ったそれぞれの商に100を掛けた値を意味する。
表2、3に記載のコーク収率は、触媒上に堆積するコークの質量を原料チャージ量全量の質量で割った値に100を掛けた百分率を意味する。
表2、3に記載の流動接触分解残油(CLO)リサイクル比率は、残油流動接触分解装置にリサイクルするCLOの量(KL/時間)を残油流動接触分解装置への原料チャージ量合計(KL/時間)で割った値に100を掛けた百分率を意味する。
表2、3に記載の各種収率は以下の算出方法により求めた。
(1)残油流動接触分解工程において、得られた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油それぞれの液収率の算出方法
得られた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油のそれぞれの容量を、残油流動接触分解装置への原料チャージ容量全量で割った商を100倍し、それぞれの液収率を求める。
(2)残油流動接触分解工程において、得られた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の合計液収率の算出方法
前記(1)で求められた燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油のそれぞれの液収率を合計して求める。
(3)コーク収率の算出方法
触媒上に堆積するコークの質量を原料チャージ量全量の質量で割った値に100を掛けた百分率として求める。
Figure 2012121937
Figure 2012121937
[RFCC装置における各収率の評価]
RFCC装置における処理方法についての評価は、炭素数3の炭化水素類(C3)及び炭素数4の炭化水素類(C4)の収率、収率合計により行った。表2、3の結果から明らかなように、本発明にかかる実施例1〜4の炭素数3の炭化水素類(C3)及び炭素数4の炭化水素類(C4)及び分解ガソリン留分(CCG)の各液収率、液収率合計は、比較例1〜3に比べて向上していることがわかる。
また、流動接触分解残油(CLO)のリサイクルにより、リサイクルしない場合(比較例1〜3)と比較して、コーク収率を同程度に確保できており、反応温度も同程度に維持できていることから、流動接触分解残油(CLO)のリサイクルの効果が現れており、その結果としてCLOの液収率が低減することがわかる。
本発明は、既設装置で、装置改造を行わずに、各工程により重質炭化水素油を処理する方法であって、原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油を直接脱硫装置で処理する工程、次いで、得られた直接脱硫常圧残油を減圧蒸留装置で処理する工程、しかる後に、得られた直接脱硫減圧軽油に、直接脱硫常圧残油及び間接脱硫減圧軽油を混合した原料油を残油流動接触分解装置で処理する工程により重質炭化水素油を処理することができ、残油流動接触分解装置から得られる炭素数3の炭化水素類(特にプロピレン)、炭素数4の炭化水素類(特にブテン類)及び分解ガソリン(CCG)の収率向上、流動接触分解残油(CLO)の収率低減を図るとともに、C重油の減産が可能になる重質炭化水素油の処理方法として産業上きわめて有用である。
1・・・直接脱硫装置、2・・・減圧蒸留装置、3・・・残油流動接触分解装置、4・・・C重油貯蔵タンク、L1〜L17・・・ライン。

Claims (5)

  1. 原油を常圧蒸留装置で処理して得られた常圧蒸留残油を直接脱硫装置で処理して直接脱硫常圧残油を得る第1の工程と、
    前記直接脱硫常圧残油を減圧蒸留装置で処理して直接脱硫減圧軽油及び直接脱硫減圧残油を得る第2の工程と、
    前記直接脱硫減圧軽油と、前記直接脱硫常圧残油と、間接脱硫減圧軽油とを含有する混合油を残油流動接触分解装置で処理し、燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油を得る第3の工程と
    を備えることを特徴とする炭化水素類の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、得られる炭素数3の炭化水素類の液収率が10.1LV%以上、炭素数4の炭化水素類の液収率が15.0LV%以上であり、かつ、得られる燃料ガス、炭素数3の炭化水素類、炭素数4の炭化水素類、分解ガソリン留分、分解灯油留分、分解軽油留分及び流動接触分解残油の合計液収率が111.5LV%以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素類の製造方法。
  3. 前記第3の工程において、前記混合油に占める前記直接脱硫減圧軽油及び間接脱硫減圧軽油の合計の混合比率が、前記混合油全量を基準として50容量%〜80容量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素類の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、得られる流動接触分解残油を、前記残油流動接触分解装置内に、前記残油流動接触分解装置への原料チャージ量全量に対して1.0容量%〜10.0容量%の比率でリサイクルして、前記残油流動接触分解装置を運転することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭化水素類の製造方法。
  5. 前記第3の工程において、前記混合油の15℃における密度が0.900g/cm〜0.910g/cm、10容量%留出温度が330℃〜390℃、50容量%留出温度が410℃〜480℃、90容量%留出温度が520℃〜600℃、硫黄分が0.5質量%以下、残留炭素分が5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭化水素類の製造方法。
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