JP2010111596A - C4留分の処理装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】未利用のC4留分を効率よく付加価値の高いものに利用できるC4留分処理装置を提供する。
【解決手段】
流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200からの未利用のC4留分、エチレン製造装置300からの未利用のC4留分を貯溜設備110で一括に回収する。イソオクテン製造装置120でC4留分中のイソブテンを重合させて高オクタン価ガソリン基材のイソオクテンを製造する。一方、C4留分中の1−ブテンは異性化処理装置130で2−ブテンに異性化処理する。この2−ブテンとエチレン製造装置300からのエチレンとからプロピレン製造装置140でプロピレンに不均化反応させプロピレンを製造する。未反応の残留ノルマルブタンなどのブタン類は、返送装置150にてエチレン製造装置300へ返送しエチレンを製造させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、石油精製プラントおよび石油化学プラントのうちの少なくともいずれか一方の流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)から生産される未利用のC4留分や、炭化水素油を原料としてエチレンを製造するエチレン製造装置から生産される未利用のC4留分とのうちの少なくともいずれか一方から、高オクタン価でかつクリーンなガソリン基材やプロピレン等の高付加価値製品を製造する未利用のC4留分の処理装置およびその方法に関する。
ナフサのスチームクラッキングや重質軽油留分や残油の流動接触分解などの技術開発の発展に伴って、主としてノルマルブテン、イソブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ブタジエンなどの炭素数4の成分を含有する留分であるC4留分(以下、単に「C4留分」という)も大量に生産されるようになったが、その有効利用は十分に図られておらず、未利用留分として燃料に使用されているような状況となっている。
そこで、ブタジエンなどのジエン成分を除去したC4オレフィン成分を有効に使用する方法が検討されている。
近年では、クラッキングに由来するC4オレフィン成分を重合して、ガソリン基材を製造する方法が各種提供されている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。これらの特許文献1ないし特許文献3に開示されたガソリン基材の製造方法においては、重合により得られたC4オレフィン成分の二量体や三量体から未反応のC4成分を分離した後、蒸留処理を施すことによって、ガソリン基材として有用な留分を回収しているものである。
また、蒸留処理と水素化処理を併用して、ガソリン基材を製造する方法も知られている(例えば、特許文献4)。
さらには、水素化処理後の留分中の軽質分を効率よく除去してガソリン基材を製造する方法も知られている(例えば、特許文献5)。
特開昭54−133502号公報 特開昭56−40618号公報 特開昭57−96087号公報 特開平7−82573号公報 特開2006−241352号公報
ところで、C4留分は、原油の常圧蒸留により分留される重質軽油留分を流動接触分解装置により接触分解処理したり、残油を残油流動接触分解装置により接触分解することで、ガソリンや灯油および軽油等の基材を製造する際に副生成物として生産される。その他、ナフサ等を原料とするエチレン製造装置で、ナフサ等のスチームクラッキングによりエチレンやプロピレンを製造する際に副生成物として生産される。
したがって、各プラントで生産されるC4留分は、副生産物であるため比較的量が少なく、上述した従来のガソリン基材を製造するためには、別途C4留分を確保する必要がある。このように、従来の方法では、C4留分から効率よくガソリン基材を製造することが困難であることから、熱量の観点で重油や天然ガスなどと同等に利用できるので、各プラント毎に反応装置の燃料などに利用しているのが現状である。
一方、昨今のグローバル化の進展に伴い、中国や東南アジア等で建設が進んでいる最新の石油精製プラントや石油化学プラントは従来に比較し大規模化、効率化が進んでおり、我が国の製油所、石油化学工場も一層の効率化が要求されている。この要請を受け、複数の企業、プラント間での連携を強化する石油コンビナートの高度統合運営技術の研究開発が進められている。
本発明は、このような点に鑑み、個々の石油精製プラントや石油化学プラントにおいては燃料としてのみ使用されていた未利用のC4留分を、複数の企業、プラント間で効率よく回収し、高オクタン価のガソリン基材やプロピレン等の付加価値の高いものに転換できるC4留分の処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明のC4留分の処理装置は、石油精製プラントおよび石油化学プラントのうちの少なくともいずれか一方の流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)から生産されるC4留分と、炭化水素油を原料としてエチレンを製造するエチレン製造装置から生産されるC4留分とのうちの少なくともいずれか一方を貯溜する貯溜設備と、この貯溜設備に貯溜されたC4留分中のイソブテンを用いてイソブテンを重合させてイソオクテンを製造させるイソオクテン製造装置と、前記貯溜設備に貯溜されたC4留分中の1−ブテンを2−ブテンに異性化させる異性化処理装置と、この異性化処理装置で製造される2−ブテンと、前記エチレン製造装置で製造されるエチレンとを用いて、プロピレンを製造させるプロピレン製造装置と、前記貯溜設備、イソオクテン製造装置、異性化処理装置およびプロピレン製造装置から排出される前記C4留分中の未反応のブタン類を前記エチレン製造装置の原料として返送する返送装置と、を具備したことを特徴とする。
本発明では、前記イソオクテン製造装置は、前記C4留分中のブタジエンなどのジエン類を水素化処理する水添処理装置を備えた構成とすることが好ましい。
本発明では、前記イソオクテン製造装置は、前記イソブテンを重合(二量化)反応させた重合反応生成物を分留し、イソブテンの二量化生成物であるイソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材より炭素数が少ない留分と、前記ガソリン基材より炭素数が多い留分と、に分留する分留装置を備えた構成とすることが好ましい。
イソオクテンは、リサーチ法オクタン価(RON)が100程度の高オクタン価を有しており、高オクタン価ガソリン基材として有用である。また、従来のベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物を主成分とする高オクタン価ガソリン基材は、主として脱硫重質ナフサ、特に炭素数6〜10の飽和炭化水素を脱水素環化することによって製造されていたが、この脱水素環化反応は大きな吸熱反応であるため安定して反応を行うためには大量の熱量を必要とするが、イソブテンの二量化によるイソオクテンの製造は発熱反応であるので省エネルギーの観点からも有効な高オクタン価ガソリン基材の製造方法である。
本発明では、前記イソオクテン製造装置は、運転条件を変更することによりイソブテンの重合度合いを変更可能に構成されたことが好ましい。
本発明では、前記イソオクテン製造装置は、前記C4留分からイソブテンとその他の留分とに分留するイソブテン分留装置を備えた構成とすることが好ましい。
本発明のC4留分の処理方法は、石油精製プラントおよび石油化学プラントのうちの少なくともいずれか一方の流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)から生産されるC4留分と、炭化水素油を原料としてエチレンを製造するエチレン製造装置から生産されるC4留分とのうちの少なくともいずれか一方を回収して貯溜する貯溜工程と、この貯溜工程で貯溜したC4留分中のイソブテンを用いてイソブテンを重合させてイソオクテンを製造させるイソオクテン製造工程と、前記貯溜工程で貯溜した前記C4留分に含まれる1−ブテンを2−ブテンに異性化処理する異性化工程と、この異性化工程で製造される2−ブテンと、前記エチレン製造装置で製造されるエチレンとを用いて、プロピレンを製造させるプロピレン製造工程と、前記貯溜工程、イソオクテン製造工程、異性化工程およびプロピレン製造工程から排出される前記C4留分中の未反応のブタン類を前記エチレン製造装置の原料として返送する返送工程と、を実施することを特徴とする。
本発明では、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)から生産される未利用のC4留分と、エチレン製造装置から生産される未利用のC4留分とを回収して、その留分中に含まれるイソブテンを選択的に重合(二量化)させて高オクタン価のガソリン基材であるイソオクテンを製造させるとともに、回収した未利用のC4留分に含まれる1−ブテンを2−ブテンに異性化処理して、エチレン製造装置で製造されるエチレンと不均化反応させてプロピレンを製造させるとともに、未反応のブタン類はエチレン製造装置へ返送し、エチレンを製造させる原料とする。
このため、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)やエチレン製造装置から生産される未利用のC4留分が複数プラント、複数企業から一括して回収されることで、後段での効率的な処理が得られる必要量が容易に確保され、高付加価値のガソリン基材となるイソオクテンを効率よく製造できるとともに、高付加価値のプロピレンが製造され、さらに残留する未反応のブタン類はエチレン製造装置でエチレン製造の原料として利用されるので、従来、燃料としてのみ使用されていた流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)やエチレン製造装置からの未利用のC4留分から効率よく高付加価値の高オクタン価のガソリン基材や石油化学の基礎化学原料を製造できる。
以下、本発明に係る未利用のC4留分の処理装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のC4留分処理装置の概略構成を示す概念図である。
[C4留分処理装置の構成]
図1に示すように、C4留分処理装置100は、原油の常圧蒸留により得られる重質軽油留分や残油留分を流動接触分解処理する流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200と、ナフサを原料としてスチームクラッキングによりエチレンを製造するエチレン製造装置300とが、それぞれの装置において生産されるC4留分を回収するC4留分の貯溜設備110に接続され、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200およびエチレン製造装置300から回収されるC4留分を処理する。
このC4留分処理装置100には、さらにC4留分中のイソブテンを重合(二量化)してイソオクテンを製造するイソオクテン製造装置120と、C4留分中の1−ブテンを2−ブテンに異性化する異性化処理装置130と、異性化処理装置130で製造される2−ブテンとエチレン製造装置300で製造されるエチレンを不均化反応によりプロピレンに変換するプロピレン製造装置140と、C4留分中の未反応のブテン類等をエチレン製造装置300に返送し、エチレン製造装置300の原料とする返送装置150と、図示しない制御装置などを備えている。
そして、貯溜設備110には、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200からC4留分を流通して貯溜設備110内に流入させる(R)FCCC4留分通路210と、エチレン製造装置300からC4留分を流通して貯溜設備110内に流入させるエチレンC4留分流通路310とが接続されている。
ここで、貯溜設備110に貯溜されるC4留分は、ノルマルブタン、イソブタン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、ブタジエンにて全成分のほとんどが構成されている。
また、イソオクテン製造装置120は、貯溜設備110に流通経路111を介して接続され、流通経路111を介して貯溜設備110から供給されるC4留分中のイソブテンを用いて高オクタン価でかつ硫黄分等を含まないクリーンなガソリン基材であるイソオクテンを製造する。
このイソオクテン製造装置120は、図示しない前処理装置と、重合(二量化)反応装置と、分留装置と、などを備えている。
前処理装置は、貯溜設備110から流出するC4留分中のブタジエン等のジエン類を水素化処理する図示しない水添処理装置およびC4留分をそれぞれの成分に蒸留分離する分留装置を備えている。
重合(二量化)反応装置は、C4留分中に含まれるイソブテンを重合(二量化)反応させる。この重合反応装置は、イソブテンの二量体であるイソオクテンが高濃度で生成される条件で運転される。
分留装置は、重合反応装置に接続され、重合反応装置で重合反応させた重合反応生成物からイソオクテンを主成分とするガソリン基材を分留して回収する。すなわち、分留装置は、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材の炭素数より少ない炭素数の留分となる未反応のC4留分と、イソブテンの重合が進行した三量体以上のガソリン基材の炭素数より多い炭素数の重合副生成物と、に分留する。
この分留装置で回収されたガソリン基材は、既に脱硫処理されて流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200で生産されたC4留分と、ナフサ等をスチームクラッキング処理してエチレンを製造するエチレン製造装置300からのC4留分を原料としているので、硫黄分や窒素分および芳香族成分が含まれておらずクリーンでかつオクタン価が100程度と高い良質なガソリン基材として得られる。
さらに、異性化処理装置130は、貯溜設備110に供給経路112を介して接続され、供給経路112を介して貯溜設備110から供給されるC4成分を異性化処理する。
具体的には、異性化処理装置130は、貯溜設備110に貯溜されたC4留分から1−ブテンを蒸留により分留し、得られた1−ブテンを選択的に2−ブテンに異性化する。
また、プロピレン製造装置140は、異性化処理装置130に接続され、異性化処理装置130で製造された2−ブテンと、エチレンとを用いて不均化反応によりプロピレンを製造する。
すなわち、プロピレン製造装置140は、図示しない、不均化反応装置と、分離装置と、などを備えている。
不均化反応装置は、異性化処理装置130に接続されているとともに、エチレン製造装置300で製造されたエチレンが供給されるエチレン供給路320が接続されている。そして、不均化反応装置は、異性化処理装置130から供給される2−ブテンと、エチレン製造装置300からエチレン供給路320を介して供給されるエチレンとをプロピレンに不均化反応させてプロピレンを生成させる触媒を備えている。
分離装置は、不均化反応装置に接続され、不均化反応装置で製造されたプロピレンを分留して回収できるようになっている。
そして、貯溜設備110に貯溜されたC4留分からイソオクテン製造装置120の原料として分離されたイソブテン、および異性化処理装置130の原料として分離された1−ブテン、さらにプロピレン製造装置140の原料として分離された2−ブテンの残留C4成分、主としてノルマルブタンとイソブタンは、返送装置150に接続されている。
また、返送装置150には、イソオクテン製造装置120、異性化処理装置130、およびプロピレン製造装置140が接続され、それぞれの装置での未反応の成分、主としてノルマルブタンとイソブタンが回収される。この返送装置150は、エチレン製造装置300に接続され、回収した未反応のノルマルブタン、イソブタンをエチレン製造装置300へ返送し、エチレン製造の原料として供給する。
制御装置は、C4留分処理装置100全体の処理動作を制御する。すなわち、制御装置は、貯溜設備110に貯溜するC4留分の貯溜量を、図示しないセンサなどにて検出する。そして、制御装置は、貯溜設備110に貯溜するC4留分を流通させる流量の制御として流通経路111および供給経路112に設けられた図示しないバルブなどを制御する。また、制御装置は、イソオクテン製造装置120におけるイソオクテンを製造する運転状態、異性化処理装置130における異性化処理の運転状態、プロピレン製造装置140におけるプロピレンを製造する運転状態などを制御する。さらに、制御装置は、返送装置150を制御し反応処理成分を回収・返送する処理を制御する。
[C4留分処理装置の処理動作]
まず、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200において生産されるC4留分は、(R)FCCC4留分流通路210を介して貯溜設備110へ流入されて貯溜された状態とする。同様に、エチレン製造装置300において生産されるC4留分は、エチレンC4留分流通路310を介して貯溜設備110へ流入されて貯溜された状態とする。なお、制御装置は、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200およびエチレン製造装置300から流入される流量をそれぞれ検出する。
そして、制御装置は、貯溜設備110に貯溜するC4留分をイソブテンや1−ブテンなどのそれぞれの成分毎に分留し、得られた各成分を、流通経路111や流通経路112を適宜制御し、イソブテンをイソオクテン製造装置120へ、1−ブテンを異性化処理装置130に供給する。
イソオクテン製造装置120では、制御装置にて適宜運転状態が制御され、貯溜設備110から供給されるC4留分を、前処理装置の水添処理装置にてC4留分中のブタジエンをブタンに変換する水素化処理をし、イソブテンの重合(二量化)反応の触媒毒となる不純物のブタジエンを除去する。そして、重合反応装置でC4留分中のイソブテンを二量体のイソオクテンに重合させる重合反応をする。この後、分留装置で、イソオクテンを主成分とする高オクタン価のガソリン基材と、イソオクテン以外の未反応C4留分および重合副生成物とに分留する。
そして、分留した未反応C4留分は、その留分中の1−ブテンは異性化処理装置130へ供給させ、ノルマルブタン、イソブタンは返送装置150に供給させる。また、回収したガソリン基材は、例えばガソリン調製のための工程へ供給させる。
なお、異性化処理装置130や返送装置150へ供給される未反応のC4成分は、制御装置にて流量が検出される。
そして、制御装置は、異性化処理装置130への流量に応じて供給経路112を制御し、貯溜設備110に貯溜するC4留分から1−ブテンを分留し異性化処理装置130へ適宜供給させる。
異性化処理装置130では、制御装置にて適宜運転状態が制御され、貯溜設備110から供給される1−ブテン留分を、異性化処理する。すなわち、混合物中の1−ブテンを2−ブテンに異性化させる処理をする。
そして、制御装置は、異性化処理装置130で異性化処理した生成物の2−ブテンをプロピレン製造装置140へ供給させる。この供給量は、制御装置にて検出される。また、制御装置は、2−ブテンの供給量に応じてエチレン供給路320を制御し、エチレン製造装置300からエチレンをプロピレン製造装置140へ適宜供給させる。
プロピレン製造装置140では、制御装置にて適宜運転状態が制御され、供給されたエチレンと異性化処理装置130からの2−ブテンとを不均化反応装置でプロピレンに不均化反応させ、プロピレンを生成させる。そして、分離装置で反応生成物からプロピレンを分留して回収し、プロピレン以外の残留物は返送装置150へ流出させる。
そして、制御装置は、返送装置150により、プロピレン製造装置140の分離装置からのプロピレン以外の残部である未反応成分をエチレン製造装置300へ返送させる。
また、制御装置は、貯溜設備110に貯溜されたC4留分からイソオクテン製造装置120の原料として分離されたイソブテン、および異性化処理装置130の原料として分離された1−ブテン、さらにプロピレン製造装置140の原料として分離された2−ブテンの残留C4成分、主としてノルマルブタンとイソブタンを、返送装置150に返送し、さらに、返送装置150によりエチレン製造装置300の原料としてエチレン製造装置300へ返送させる。
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態では、複数のプラントや複数の企業の流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200から生産されるC4留分、およびエチレン製造装置300から生産されるC4留分を貯溜設備110で一括に回収し、イソオクテン製造装置120でイソブテンを重合(二量化)させて高オクタン価のガソリン基材であるイソオクテンを製造させる。さらに、回収したC4留分のうちの1−ブテンを、異性化処理装置130で異性化処理して2−ブテンとし、エチレン製造装置300で製造されるエチレンとプロピレン製造装置140でプロピレンへ不均化反応させてプロピレンを製造させ、C4留分中の未反応のノルマルブタンやイソブタンは返送装置150にてエチレン製造装置300へ返送してエチレン製造の原料とさせる。
このため、複数の企業、複数のプラントの流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200およびエチレン製造装置300から製造されるC4留分が一括して回収されることで、後段での効率的な処理が得られる必要量が容易に確保され、高付加価値のガソリン基材となるイソオクテンを効率よく製造できる。特に、オクタン価が100と高く硫黄成分や芳香族成分を含まないクリーンなガソリン基材を製造できる。さらには、イソブテン以外のC4成分であるブテンは高付加価値のプロピレンの製造に利用され、残留する未反応のブタンはエチレン製造装置300でナフサより効率よくエチレンに製造できる原料として利用されるので、石油精製プラントや石油化学プラントで製造される未利用のC4留分から効率よく高付加価値の材料を製造できる。
そして、イソオクテン製造装置120として、C4留分中のブタジエンなどのジエン類を水素化処理する水添処理装置を備えた構成としている。
このため、C4成分として混在するブタジエンが水素化処理によりブタンに変換されるので、重合反応装置におけるイソブテンの重合反応処理時にブタジエンが重合する不都合を防止でき、効率よく高度にイソオクテンを製造できる。
また、イソオクテン製造装置120として、重合反応装置で重合反応させた重合反応生成物を分留し、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材より炭素数が少ない成分と、ガソリン基材より炭素数が多い成分と、に分留する分留装置を備えた構成としている。
このため、イソオクテンを高濃度に含有する良質のガソリン基材が得られるとともに、イソオクテン以外の残部を後工程で有効利用させることができる。特に、ガソリン基材より炭素数が少ない成分である残留C4成分と、ガソリン基材より炭素数が多い成分である重合副生成物とにさらに分留することで、未反応のノルマルブタンやイソブタンなどのC4成分はエチレン製造装置300の原料として供給でき、重合副生成物はクリーンな溶剤や軽油基剤などの他の原料として利用することもでき、従来、未利用留分として燃料としてのみ利用されていた石油精製プロセスや石油化学プロセスからのC4留分の全てが、より効率的な処理および高付加価値製品へとその有効利用を図ることができる。
[実施形態の変形例]
なお、以上に説明した態様は、本発明の一態様を示すものであって、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良は、本発明の内容に含まれるものである。また、本発明を実施する際における具体的な構成および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構成や形状などとしても問題はない。
すなわち、貯溜設備110は、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200およびエチレン製造装置300の運転状態に応じていずれか一方のみからのC4留分が貯溜した状態でイソオクテン製造装置120や異性化処理装置130以降で処理する状態となってもよい。
さらに、貯溜設備110は、さらに他の反応装置や処理装置からのC4留分を貯溜する構成を付加してもよい。
また、イソオクテン製造装置120は、分留装置にてイソオクテンを分留した残部を、そのまま返送装置150を経由してエチレン製造装置300の原料とする構成として説明したが、イソブテンの重合が進行した三量体以上のガソリン基材の炭素数より多い炭素数の重合副生成物は返送装置150で回収させてエチレン製造装置300へ返送させたり、重合副生成物が三量体、四量体などとさらに細かく生成している場合あるいはさらに三量体、四量体に分留し、三量体は硫黄分および芳香族成分を含まないクリーンな溶剤として利用し、四量体は軽油基材として利用したりしてもよい。
そして、イソオクテン製造装置120の前処理装置として、貯溜設備110からのC4留分からイソブテンを分留する装置を設け、分留したイソブテンのみを重合反応装置で重合反応させてもよい。この場合、分留したイソブテン以外の残部は、上述したように、異性化処理装置130や返送装置150へ適宜供給する構成とすることがC4留分を有効利用できるので好ましい。そして、この分留する装置を設けてイソブテンのみが重合反応装置へ供給、特にブタジエンが重合反応装置へ供給されない構成となっていれば、水添処理装置にて水添処理した後に重合反応させなくてもよい。
また、イソオクテン製造装置120の重合反応装置として、運転条件を変動させてイソブテンから三量体や四量体などの重合度合いが異なる運転条件に変更できる構成としてもよい。この構成により、二量体のガソリン基材、あるいは三量体の溶剤、または四量体の軽油基剤など、需要に応じて高付加価値製品を適宜製造でき、汎用性を向上できる。
プロピレン製造装置140は、C4留分を貯溜設備110に供給するエチレン製造装置300からエチレンが供給される構成のみならず、別途入手したエチレンを用いてもよい。なお、C4留分を貯溜設備110に供給するエチレン製造装置300からエチレンの供給を受ける構成とすることで、本処理系内で処理できるので好ましい。
また、返送装置150は、炭素数が多い重合副生成物については、例えば図1にも示すように、流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)200などの分解炉へ供給して別途分解ガソリン基材や石油化学原料を生成される構成としてもよい。
本発明は、従来、未利用留分として燃料以外に有効利用されていなかった流動接触分解装置や残油流動接触分解装置から生産される未利用のC4留分や、エチレン製造装置から生産される未利用のC4留分から、高付加価値のガソリン基材およびプロピレンを製造できるとともに、反応性が低いノルマルブタンなどのブタン類も有効にエチレンに変換できる。
本発明のC4留分処理装置の概略構成を示す概念図である。
符号の説明
100…C4留分処理装置
110…貯溜設備
120…イソオクテン製造装置
130…異性化処理装置
140…プロピレン製造装置
150…返送装置
200…流動接触分解装置(残油流動接触分解装置を含む)
300…エチレン製造装置

Claims (6)

  1. 石油精製プラントおよび石油化学プラントのうちの少なくともいずれか一方の流動接触分解装置から生産されるC4留分と、炭化水素油を原料としてエチレンを製造するエチレン製造装置から生産されるC4留分とのうちの少なくともいずれか一方を貯溜する貯溜設備と、
    この貯溜設備に貯溜されたC4留分中のイソブテンを用いてイソブテンを重合させてイソオクテンを製造させるイソオクテン製造装置と、
    前記貯溜設備に貯溜されたC4留分中の1−ブテンを2−ブテンに異性化させる異性化処理装置と、
    この異性化処理装置で製造される2−ブテンと、前記エチレン製造装置で製造されるエチレンとを用いて、プロピレンを製造させるプロピレン製造装置と、
    前記貯溜設備、イソオクテン製造装置、異性化処理装置およびプロピレン製造装置から排出される前記C4留分中の未反応のブタン類を前記エチレン製造装置の原料として返送する返送装置と、
    を具備したことを特徴としたC4留分の処理装置。
  2. 請求項1に記載のC4留分の処理装置であって、
    前記イソオクテン製造装置は、前記C4留分中のジエン類を水素化処理する水添処理装置を備えた
    ことを特徴としたC4留分の処理装置。
  3. 請求項2に記載のC4留分の処理装置であって、
    前記イソオクテン製造装置は、前記イソブテンを重合反応させた重合反応生成物を分留し、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材より炭素数が少ない成分と、前記ガソリン基材より炭素数が多い成分と、に分留する分留装置を備えた
    ことを特徴としたC4留分の処理装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のC4留分の処理装置であって、
    前記イソオクテン製造装置は、運転条件を変更することによりイソブテンの重合度合いを変更可能に構成された
    ことを特徴としたC4留分の処理装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のC4留分の処理装置であって、
    前記イソオクテン製造装置は、前記C4留分からイソブテンとその他の留分とに分留するイソブテン分留装置を備えた
    ことを特徴としたC4留分の処理装置。
  6. 石油精製プラントおよび石油化学プラントのうちの少なくともいずれか一方の流動接触分解装置から生産されるC4留分と、炭化水素油を原料としてエチレンを製造するエチレン製造装置から生産されるC4留分とのうちの少なくともいずれか一方を回収して貯溜する貯溜工程と、
    この貯溜工程で貯溜したC4留分中のイソブテンを用いてイソブテンを重合させてイソオクテンを製造させるイソオクテン製造工程と、
    前記貯溜工程で貯溜した前記C4留分に含まれる1−ブテンを2−ブテンに異性化処理する異性化工程と、
    この異性化工程で製造される2−ブテンと、前記エチレン製造装置で製造されるエチレンとを用いて、プロピレンを製造させるプロピレン製造工程と、
    前記貯溜工程、イソオクテン製造工程、異性化工程およびプロピレン製造工程から排出される前記C4留分中の未反応のブタン類を前記エチレン製造装置の原料として返送する返送工程と、を実施する
    ことを特徴とするC4留分の処理方法。
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