JP2012120823A - 運転適性診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モニタ1と、スイッチと、記憶手段と、制御手段とを備え、制御手段は、プログラムの実行により実現する手段として、複数種類の移動物体とライン14をモニタ1に表示する表示手段と、選択対象の移動物体を設定する設定手段と、移動物体の動きを制御する動き制御手段と、移動物体がライン14を越えたかを判断する第一判断手段と、第一判断手段がライン14を越えたと判断した場合にスイッチがオン操作されたかを判断する第二判断手段と、第二判断手段がオン操作されたと判断した場合にライン14を越えた移動物体が選択対象の移動物体であるかを判断する第三判断手段と、第三判断手段が選択対象の移動物体であると判断した場合にオン操作時に移動物体がライン14に重なっているかを判断する第四判断手段と、前記判断手段による判断結果に基づき運転適性を診断する診断手段とを有している。
【選択図】図2
Description
単純反応時間とは、刺激が1種類でその刺激に対して所定の反応を行う場合の反応時間である。弁別反応時間とは、複数の刺激のうち特定の一つの刺激に対してだけ反応する場合の反応時間である。
この特許文献1に記載された運転適性診断装置は、被験者の反射運動能力、静的視力、動体視力を検査することにより、被験者の運転適性を診断するように構成されている。
反射運動能力の検査では、被験者がウォーニング(発光ダイオード)の点燈表示を視認した際に直ちにブレーキペダルの踏み込み操作を行い、表示からブレーキペダルの踏み込み操作までの遅れ時間を算出する。
動体視力の検査では、Aで示す検査記号とB〜Zで示す非検査記号を、液晶パネル上に任意の時間に且つ任意の位置に表示し、被験者が検査記号を視認した際に直ちにトリップノブを操作し、検査記号の表示からトリップノブの操作までの遅れ時間を算出する。
このことから、反射運動能力の検査は単純反応時間の測定に相当し、動体視力の検査は弁別反応時間の測定に相当すると考えられる。
また、特許文献1に記載された装置は、単純反応時間の測定と弁別反応時間の測定が全く異なる方法で実行される。そのため、装置(プログラム含む)の構成が複雑化するとともに、被験者は検査毎に異なる操作を要求されることから、被験者の負担が大きくなるという問題があった。
そのため、複数種類の移動物体の中から選択対象の移動物体を設定する際に、全てを選択対象に設定すれば単純反応時間を測定することができ、一部を選択対象に設定すれば弁別反応時間を測定することができる。その結果、単純反応時間と弁別反応時間の両方に基づいて運転適性を診断することができ、高い信頼度で被験者の運転適性を診断することが可能となる。
また、設定手段による選択対象の設定を変えるのみで単純反応時間の測定と弁別反応時間の測定を切り換えることができるため、装置の構成を簡易化することができる。しかも被験者は、単純反応時間の測定と弁別反応時間の測定を、同様の方法で且つ同じ操作で行うことができるため、被験者の操作が非常に容易となり、被験者の負担を軽減することが可能である。
これにより、実際に自動車を運転している時に想定される、他の自動車等の移動物体に対する反応を利用して運転適性が判断されることとなり、運転適性を高い信頼度で診断することが可能となる。
図1は本発明に係る運転適性診断装置の第一実施形態の構成を示すブロック図である。
本発明に係る運転適性診断装置は、被験者が視認するモニタ(1)と、被験者がオンオフ操作するスイッチ(2)と、所定のプログラムを記憶する記憶手段(3)と、前記プログラムを実行する制御手段(4)とを備えている。
制御手段(4)は、前記所定のプログラムを実行することにより実現する手段として、表示手段(5)、設定手段(6)、動き制御手段(7)、第一判断手段(8)、第二判断手段(9)、第三判断手段(10)、第四判断手段(11)、診断手段(12)を備えている。以下、各手段について説明する。
複数種類の移動物体は、色、形、大きさ等を異ならせることにより、被験者が視覚により異なる種類であることを判別可能となっている。例えば、色を異ならせる場合は赤色と青色、形を異ならせる場合は丸と四角のように設定する。
本発明においては、色を異ならせることにより判別可能とすることが好ましい。これは、選択対象の移動物体の設定が容易であるとともに、被験者にとって分かり易い設定とすることができるからである。
ラインは、1本又は複数本の直線であってもよいし、円形や四角形等の閉じた図形を形成する線であってもよい。
図2(a)は、移動物体(13)が一方向(下方向)に移動する2色の球からなり、ライン(14)が1本の直線からなる例である。
図2(b)は、移動物体(13)が二方向(左右方向)に移動する2色の球からなり、ライン(14)が平行な2本の直線からなる例である。
図2(c)は、移動物体(13)がランダムな方向に移動する2色の球からなり、ライン(14)が円形の線からなる例である。
図2(d)は、モニタ(1)の表示領域を複数の区画に分割した例であり、表示手段(5)によってこのような区画線を表示することもできる。
尚、図中の矢印は移動物体(13)の動きの説明の便宜上描いているものであり、実際のモニタ(1)には矢印は表示されない。矢印の長さは移動物体(13)の速度を示している。
ここで、「選択対象」とは、被験者が検査時に反応すべき(スイッチをオン操作すべき)対象である。
例えば、複数種類の移動物体(13)が赤色と青色の球である場合において、赤色の球を選択対象に設定すると、被験者は赤色の球がライン(14)に重なった時にスイッチ(2)をオン操作すべきであるが、青色の球がライン(14)に重なった時にスイッチ(2)を操作してはならない設定となる。
一方、設定手段(6)は、所定プログラムに従って全ての移動物体(13)を選択対象として設定することもできる。この場合、被験者は検査時に反応すべき(スイッチをオン操作すべき)対象と反応すべきでない対象とを判別する必要がないため、単純反応時間の検査を行うことができる。
つまり、設定手段(6)により設定される選択対象により、単純反応時間と弁別反応時間の両方の検査を行うことができる。
移動物体(13)の数とは、1回の検査においてモニタ(1)上に表示される移動物体(13)の数であり、例えば10個や20個等に設定される。
具体的には、移動物体(13)が移動する方向、速度、距離、位置(初期位置)を、所定プログラムに従って制御する。
例えば、図2(a)は移動物体(13)が一方向(下方向)に移動するように制御した場合、図2(b)は移動物体(13)が二方向(左右方向)に移動するように制御した場合、図2(c)は移動物体(13)がランダムな方向に移動するように制御した場合を示している。
例えば、移動物体(13)が赤色と青色の球であって、赤色の球を選択対象に設定した場合、被験者がスイッチ(2)をオン操作した時にライン(14)を越えた球(移動物体)(11)が赤色であるか否かを判断する。
図3はスイッチ(2)がオン操作された時の移動物体(13)とライン(14)の位置関係を示す図である。
図3(a)は移動物体(13)がライン(14)に重なっている場合、図3(b)は移動物体(13)がライン(14)に重なっていない場合を示している。
言い換えると、図3(a)は被験者が適正なタイミングでスイッチ(2)を押した場合、図3(b)は被験者がスイッチ(2)を押すタイミングが遅れた場合(移動物体(13)がライン(14)を越えてからスイッチが押された場合)である。
具体的には、第四判断手段(11)が、スイッチ(1)のオン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていると判断した場合に、スコアを加算する。
一方、第三判断手段(10)が、ライン(14)を越えた移動物体(13)が選択対象の移動物体でないと判断した場合(第1の場合)、又は、第四判断手段(11)が、スイッチ(2)のオン操作時に移動物体がラインに重なっていないと判断した場合(第2の場合)に、スコアを減算する。
第2の場合において、診断手段(12)は、スイッチ(2)がオン操作された時の移動物体(13)とライン(14)との距離を算出し、当該距離に比例してスコアの減算を行う。距離が長くなることは被験者の反応時間が長くなったことを意味するため、減算量を多くする。
以下、この診断方法について具体例を示して説明する。但し、この具体例はあくまでも一例であってこの方法には限定されない。
制御手段(4)が所定プログラムに基づいて上記各手段を実行することにより、モニタ(1)に10個の移動物体(赤色球5個と青色球5個)(13)が表示され、赤色球が選択対象に設定され、これら10個の移動物体が移動して順次ライン(14)を越えたとする。
被験者には、モニタ(1)上の表示で若しくは口頭で、赤色の球(ボール)がラインに重なった時にスイッチを押すように伝える。モニタ上に表示させる場合には、表示手段(5)が前記所定プログラムの実行により、モニタ上に「赤色の球がラインに重なった時にスイッチを押して下さい」等の表示を行うようにすればよい。。
この場合において、ライン(14)を越えた移動物体(球)の色と、夫々の移動物体(球)に対する被験者の反応と、反応に基づくスコアの加算又は減算と、加算又は減算により算出されたスコアの例を表1に示す。
1番目の球:被験者が、選択対象である赤色の球がラインに重なった時にスイッチONしているため、スコアが加算されている。(スコア加算:+10)
2番目の球:被験者が、選択対象である赤色の球に対してスイッチONしているが、球がラインを1mm越えているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−1)
3番目の球:被験者が、選択対象でない青色の球に対してスイッチONしていないため、スコアは加算も減算もされていない。(スコア加算/減算:0)
4番目の球:被験者が、選択対象である赤色の球に対してスイッチONしているが、球がラインを2mm越えているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−2)
5,6番目の球:被験者が、選択対象でない青色の球に対してスイッチONしていないため、スコアは加算も減算もされていない。(スコア加算/減算:0)
7番目の球:被験者が、選択対象である赤色の球に対してスイッチONしているが、球がラインを3mm越えているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−3)
8番目の球:被験者が、選択対象でない青色の球に対してスイッチONしていないため、スコアは加算も減算もされていない。(スコア加算/減算:0)
9番目の球:被験者が、選択対象でない青色の球に対してスイッチONしているため、スコアは減算されている。(スコア減算:−10)
10番目の球:被験者が、選択対象である赤色の球がラインに重なった時にスイッチONしているため、スコアが加算されている。(スコア加算:+10)
上記1番目から10番目の球に対するスコアの加算/減算により算出されたスコアは、+10−1−2−3−10+10=+4となっている。
表2に対応テーブルの一例を示す。
この診断結果は、被験者が移動物体(球)を選択(赤と青の2色から赤を選択)してからスイッチをオン操作しているため、弁別反応時間に基づく診断結果となる。
制御手段(4)が所定プログラムに基づいて上記各手段を実行することにより、モニタ(1)に10個の移動物体(赤色球5個と青色球5個)(13)が表示され、赤色球と青色球が選択対象に設定され、これら10個の移動物体が移動して順次ライン(14)を越えたとする。
被験者には、モニタ(1)の表示で若しくは口頭で、色に関係なく球がラインに重なった時にスイッチを押すように伝える。
この場合において、ライン(14)を越えた移動物体(球)の色と、夫々の移動物体(球)に対する被験者の反応と、反応に基づくスコアの加算又は減算と、加算又は減算により算出されたスコアの例を表3に示す。
1,3,6,9,10番目の球:被験者が、球がラインに重なった時にスイッチONしているため、スコアが加算されている。(スコア加算:+10)
2,8番目の球:被験者が、球がラインを1mm越えた時にスイッチONしているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−1)
4番目の球:被験者が、球がラインを2mm越えた時にスイッチONしているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−2)
5,7番目の球:被験者が、球がラインを3mm越えた時にスイッチONしているため、越えた距離(移動物体とラインとの距離)に比例してスコアが減算されている。(スコア減算:−3)
上記1番目から10番目の球に対するスコアの加算/減算により算出されたスコアは、+10−1+10−2−3+10−3−5+10+10=+36となっている。
表4に対応テーブルの一例を示す。
この診断結果は、被験者が移動物体(球)を選択せずにスイッチをオン操作しているため、単純反応時間に基づく診断結果となる。
記憶手段(3)に記憶された所定プログラムに従って設定手段(6)により移動物体の数(n)及び選択対象が設定される。(ステップS1)。
動き制御手段(7)により、所定プログラムに従って設定されている移動物体(13)の位置(初期位置)、速度、方向、距離に基づいて、表示手段(5)によりライン(14)と共にモニタ(1)に表示された移動物体(13)が順次移動する。(ステップS2)
第一判断手段(8)により、移動物体(13)がライン(14)を越えたか否かが判断される。(ステップS3)
移動物体(13)がライン(14)を越えたと判断された場合、第二判断手段(9)によりスイッチ(2)がオン操作されたか否かが判断される。(ステップS4) ラインを越えていないと判断された場合、移動物体は移動を続行する。
スイッチ(2)がオン操作された場合、第三判断手段(10)によりライン(14)を越えた移動物体(13)が選択対象の移動物体であるか否かが判断される。(ステップS5) スイッチ(2)がオン操作されていない場合、その移動物体に対する反応に関してはスコアの加算/減算は行われず、次の移動物体が移動することとなる。
ライン(14)を越えた移動物体(13)が選択対象の移動物体であると判断された場合、第四判断手段(11)により、オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっているか否かが判断される。(ステップS6) ライン(14)を越えた移動物体(13)が選択対象の移動物体ではないと判断された場合、スコアが減算される。(ステップS8)
オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていると判断された場合、スコアが加算される。(ステップS7) オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていないと判断された場合、オン操作時の移動物体とラインの距離に比例してスコアが減算される。(ステップS9)
上記ステップS2〜S9の処理は、ライン(14)を越える移動物体(13)が設定数(n)に達するまで繰り返されて、スコアが加算又は減算される。
検査時間(例えば1分間)が経過すると検査は終了する。(ステップS10)
診断手段(12)は、加算又は減算により算出されたスコアと共に、算出スコアを対応テーブルに当てはめて求められた診断結果をモニタ(1)に表示する。(ステップS11)
この場合、制御手段(4)が前記プログラムの実行により実現する手段として、移動物体(13)がどの区画(A〜H)においてライン(14)を通過したかを判別する第五判断手段を有するように設定する。そして、診断手段(12)が、第一乃至第四判断手段と第五判断手段による判断結果に基づいて、移動物体(13)が各区画(A〜H)においてライン(14)を通過した時のスコアを夫々算出するように設定することにより、被験者が視野のどの領域における反応が悪いかを確認して運転時に注意するように促すことができる。
第六判断手段は、第五判断手段がスイッチ(2)がオン操作されたと判断した場合に、移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲(警告範囲)内にあるか否かを判断する。
警告手段は、第六判断手段が移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲内にあると判断した場合に、被験者に対して警告信号を発する。警告信号としては、音や光による信号が挙げられる。例えば、警告手段は、音による警告信号を発する場合、ブザーを鳴らす。光による警告信号を発する場合、ランプ(電球やLED等)を点灯させる、或いはモニタ(1)に表示される移動物体(13)の色を変化させる等の動作をする。
上述した診断手段(12)は、第六判断手段が移動物体(13)が前記所定距離範囲内にあると判断した場合にスコアを減算する。
例えば、図6に示すように、ライン(14)が円形の線からなる場合において、ライン(14)から円の中心までの全距離(円の半径)を100%としたとき、ライン(14)から円中心に向けて5〜20%の距離範囲(図6の斜線範囲)に設定することができる。
この場合、スイッチ(2)がオン操作された時に、移動物体(13)が図6の斜線範囲内にある場合は、移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲内にあると判断されて警告信号が発せられる。
モニタ(1)に表示された移動物体(13)が順次移動した(ステップS2)後において、第一判断手段(8)が移動物体(13)がライン(14)を越えたか否かを判断する前に、第五判断手段はスイッチ(2)がオン操作されたか否かを判断する。(ステップS2−1)
第五判断手段がスイッチ(2)がオン操作されたと判断した場合、第六判断手段は移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲内にあるか否かを判断する。(ステップS2−2) スイッチ(2)がオン操作されていないと判断した場合、移動物体(13)は移動を続行する。
第六判断手段が移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲内(例えば図6の斜線範囲内)にあると判断した場合、警告手段により被験者に対して警告信号が発せられ(ステップS2−3)、診断手段(12)によりスコアが減算される。(ステップS2−4)
所定距離範囲内にないと判断した場合、警告手段は被験者に対して警告信号を発しない。
その後、第一例と同じステップS3へと移行する。
以降のステップは第一例と同様である。
このとき、制御手段(4)が、前記所定のプログラムの実行により実現する手段として、第五判断手段、第六判断手段、警告手段を備えている場合、被験者に対して警告信号を発するとともにスコアを減算することができる。
より詳しくは、上記したような不正な操作がなされると、第五判断手段がスイッチ(2)がオン操作されたと判断した場合において、第六判断手段が移動物体(13)がライン(14)から離れた所定距離範囲内にあると判断することになるので、警告手段が被験者に対して警告信号を発するとともに、診断手段(12)がスコアを減算する。
予め被験者に対して警告信号の意味を口頭でもしくはモニタ(1)に表示させて伝えておくことにより、自分が行っている操作が不正であることを被験者に認識させて不正な操作を止めさせることができる。また、不正な操作が行われるとスコアが減算される。これにより、誤った診断結果が得られることが防がれ、信頼度の高い診断結果を得ることが可能となる。
この場合における、表示手段(5)によりモニタ(1)に表示された画像の例を図7に示す。
図示のように、動き制御手段(7)による移動物体(13)の移動が上下左右方向から四角形等の閉じた図形内に侵入する動きでなされるようにすると、移動物体の動きが交差点に進入する自動車等の動きを模したものとなる。
そのため、実際に自動車を運転している時に想定される状況に類似する条件下の反応を利用して運転適性が判断されることとなり、運転適性を高い信頼度で診断することが可能となる。
第三実施形態の装置は、上記した第一実施形態の装置と基本構成は共通している。そのため、共通する構成についての説明は重複を避けるために省略し、異なる構成について説明する。
第三実施形態の装置は、上記した制御手段(4)が所定のプログラムを実行することにより実現する各手段のうち、第三判断手段(10)を備えていない。
具体的には、第四判断手段(11)が、スイッチ(1)のオン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていると判断した場合(第1の場合)に、スコアを加算する。
一方、第四判断手段(11)が、スイッチ(2)のオン操作時に移動物体がラインに重なっていないと判断した場合(第2の場合)に、スコアを減算する。
第2の場合において、診断手段(12)は、スイッチ(2)がオン操作された時の移動物体(13)とライン(14)との距離を算出し、当該距離に比例してスコアの減算を行う。距離が長くなることは被験者の反応時間が長くなったことを意味するため、減算量を多くする。
以下、この診断方法について具体例を示して説明する。但し、この具体例はあくまでも一例であってこの方法には限定されない。
所定プログラムに基づく動き制御手段(7)による制御により、複数の移動物体(図示例では球)(13)が、任意の方向(図示例では左右方向)から順次、四角形の枠(17)内に侵入する動きを行う。移動物体(13)は枠(17)内に侵入した時に視認できなくなるが、視認できない状態のままでライン(14)に向かって移動を続ける。
被験者には、モニタ(1)の表示で若しくは口頭で、枠(17)内に入って視認できなくなった移動物体(13)の動きを予測して、移動物体がラインに重なったと思った時にスイッチを押すように伝える。
この場合において、夫々の移動物体(球)に対する被験者の反応と、反応に基づくスコアの加算又は減算と、加算又は減算により算出されたスコアの例を表5に示す。
表5について説明は、表3についての説明と同様であるため省略する。
この診断結果は、被験者が移動物体(球)を選択せずにスイッチをオン操作しているため、単純反応時間に基づく診断結果となる。
記憶手段(3)に記憶された所定プログラムに従って設定手段(6)により移動物体の数(n)が設定される。(ステップS1)
動き制御手段(7)により、所定プログラムに従って設定されている移動物体(13)の位置(初期位置)、速度、方向、距離に基づいて、表示手段(5)によりライン(14)及び枠(17)と共にモニタ(1)に表示された移動物体(13)が順次移動する。(ステップS2)
第一判断手段(8)により、移動物体(13)がライン(14)を越えたか否かが判断される。(ステップS3)
移動物体(13)がライン(14)を越えたと判断された場合、第二判断手段(9)によりスイッチ(2)がオン操作されたか否かが判断される。(ステップS4) ラインを越えていないと判断された場合、移動物体は移動を続行する。
スイッチ(2)がオン操作された場合、第四判断手段(11)により、オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっているか否かが判断される。(ステップS5) スイッチ(2)がオン操作されていない場合、その移動物体に対する反応に関してはスコアの加算/減算は行われず、次の移動物体が移動することとなる。
オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていると判断された場合、スコアが加算される。(ステップS6) オン操作時に移動物体(13)がライン(14)に重なっていないと判断された場合、オン操作時の移動物体とラインの距離に比例してスコアが減算される。(ステップS7)
上記ステップS2〜S7の処理は、ライン(14)を越える移動物体(13)が設定数(n)に達するまで繰り返されて、スコアが加算又は減算される。
検査時間(例えば1分間)が経過すると検査は終了する。(ステップS8)
診断手段(12)は、加算又は減算により算出されたスコアと共に、算出スコアを対応テーブルに当てはめて求められた診断結果をモニタ(1)に表示する。(ステップS9)
第四実施形態の装置は、上記した第一実施形態の装置と基本構成は共通している。そのため、共通する構成についての説明は重複を避けるために省略し、異なる構成について説明する。
第四実施形態の装置は、上記した制御手段(4)が所定のプログラムを実行することにより実現する各手段として、表示手段(5)、設定手段(6)、動き制御手段(7)、速度制御手段(15)、速度差判断手段(16)、診断手段(12)を備えている。
以下、各手段について説明する。
図12はモニタ(1)に表示された2種類の移動物体(13a)(13b)の一例を示す。図12(a)に示す例では、一方の移動物体(13a)が右側、他方の移動物体(13b)が左側に配置されている。より具体的には、一方の移動物体(13a)が右側に1つ、他方の移動物体(13b)が左側に1つ配置されている。図12(b)に示す例では、一方の移動物体(13a)が上側、他方の移動物体(13b)が下側に配置されている。より具体的には、一方の移動物体(13a)が上側において左右に分かれて2つ、他方の移動物体(13b)が下側において左右に分かれて2つ配置されている。
例えばモニタ(1)の背景色が白の場合、一方の移動物体(13a)は黒、他方の移動物体(13b)は灰色に表示される。この場合、一方の移動物体(13a)は背景色に対するコントラストが大、他方の移動物体(13b)は背景色に対するコントラストが小となる。
この2種類の移動物体の動きは、自動車で道路を走行した時に、道路の左右にある物体が自動車の進行に伴って運転者の前方から後方に流れていく様子を模している。
診断手段(12)は、速度差判断手段(16)による判断結果に基づいて被験者の運転適性を診断する。具体的には、スイッチ(2)がオン操作された時の移動物体の速度差が小さいほどスコアが高くなるようにし、算出されたスコアの合計値に基づいて被験者の運転適性を診断する。
以下、この診断方法について具体例を示して説明する。但し、この具体例はあくまでも一例であってこの方法には限定されない。
図12に示すように、モニタ(1)には、動き制御手段(7)により動きが制御される2種類の移動物体(13a)(13b)(図示例では棒)が表示される。2種類の移動物体(13a)(13b)は、モニタ(1)の背景色に対するコントラストが異なる色(例えば、黒と灰色)に表示される。
所定プログラムに基づく動き制御手段(7)による制御により、2種類の移動物体(13a)(13b)が奥から手前(矢印参照)又は手前から奥に向けて移動する動きを行う。2種類の移動物体(13a)(13b)のうち少なくとも一方は移動速度が徐々に速く又は遅くなる。
被験者には、モニタ(1)の表示で若しくは口頭で、2種類の移動物体の速度が同じになった時にスイッチを押すように伝える。
この場合において、移動物体に対する被験者の反応と、反応に基づくスコアの例を表6に示す。
表7に対応テーブルの一例を示す。
動き制御手段(7)により、所定プログラムに従って設定されている2種類の移動物体(13a)(13b)の位置(初期位置)、速度、方向に基づいて、モニタ(1)に表示された移動物体(13)が移動する。(ステップS1)
速度制御手段(15)により、2種類の移動物体(13a)(13b)の一方又は両方の移動速度が変化する。(ステップS2)
スイッチ(2)がオン操作された時、速度差判断手段(16)がオン操作された時の2種類の移動物体の速度差を判断してスコアを算出する。(ステップS3)
診断手段(12)は、速度差判断手段(16)による判断結果に基づいて被験者の運転適性を診断する。(ステップS4)
上記ステップS1〜S3の処理は、1回でもよいし複数回繰り返して行ってもよい。
診断手段(12)は、算出されたスコアと共に、算出スコアを対応テーブルに当てはめて求められた診断結果をモニタ(1)に表示する。(ステップS4)
2 スイッチ
3 記憶手段
4 制御手段
5 表示手段
6 設定手段
7 動き制御手段
8 第一判断手段
9 第二判断手段
10 第三判断手段
11 第四判断手段
12 診断手段
13 移動物体
13a 移動物体
13b 移動物体
14 ライン
15 速度制御手段
16 速度差判断手段
17 枠
Claims (12)
- 被験者が視認するモニタと、被験者がオンオフ操作するスイッチと、所定のプログラムを記憶する記憶手段と、前記プログラムを実行する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、前記プログラムの実行により実現する手段として、
視覚により判別可能な複数種類の移動物体と、該移動物体が通過するラインを、前記モニタに表示する表示手段と、
前記複数種類の移動物体の中から被験者が選択すべき選択対象の移動物体を設定する設定手段と、
前記モニタに表示される移動物体の動きを制御する動き制御手段と、
前記移動物体が前記ラインを越えたか否かを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段が前記移動物体が前記ラインを越えたと判断した場合に、前記スイッチがオン操作されたか否かを判断する第二判断手段と、
前記第二判断手段が前記スイッチがオン操作されたと判断した場合に、前記ラインを越えた移動物体が前記選択対象の移動物体であるか否かを判断する第三判断手段と、
前記第三判断手段が前記ラインを越えた移動物体が前記選択対象の移動物体であると判断した場合に、前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっているか否かを判断する第四判断手段と、
前記第一判断手段乃至前記第四判断手段による判断結果に基づいて被験者の運転適性を診断する診断手段と、
を有していることを特徴とする運転適性診断装置。 - 被験者が視認するモニタと、被験者がオンオフ操作するスイッチと、所定のプログラムを記憶する記憶手段と、前記プログラムを実行する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、前記プログラムの実行により実現する手段として、
移動物体と、該移動物体が通過するラインを、前記モニタに表示する表示手段と、
前記モニタに表示される移動物体の動きを制御する動き制御手段と、
前記移動物体が前記ラインを越えたか否かを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段が前記移動物体が前記ラインを超えたと判断した場合に、前記スイッチがオン操作されたか否かを判断する第二判断手段と、
前記第二判断手段が前記スイッチがオン操作されたと判断した場合に、前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっているか否かを判断する第四判断手段と、
前記第一判断手段、前記第二判断手段及び前記第四判断手段による判断結果に基づいて被験者の運転適性を診断する診断手段と、
を有していることを特徴とする運転適性診断装置。 - 前記診断手段は、
前記第四判断手段が、前記第三判断手段が前記ラインを越えた移動物体が前記選択対象の移動物体であると判断した時に、前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっていると判断した場合に、スコアを加算し、
前記第三判断手段が、前記第二判断手段が前記スイッチがオン操作されたと判断した時に前記ラインを越えた移動物体が前記選択対象の移動物体でないと判断した場合、又は、前記第四判断手段が、前記第三判断手段が前記ラインを越えた移動物体が前記選択対象の移動物体であると判断した時に前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっていないと判断した場合に、スコアを減算し、
前記加算及び/又は減算により算出されたスコアに基づいて被験者の運転適性を診断することを特徴とする請求項1記載の運転適性診断装置。 - 前記診断手段は、
前記第四判断手段が、前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっていると判断した場合に、スコアを加算し、
前記第四判断手段が、前記オン操作時に前記移動物体が前記ラインに重なっていないと判断した場合に、スコアを減算し、
前記加算及び/又は減算により算出されたスコアに基づいて被験者の運転適性を診断することを特徴とする請求項2記載の運転適性診断装置。 - 前記診断手段は、
前記第四判断手段が前記移動物体が前記ラインに重なっていないと判断した場合に、前記スイッチがオン操作された時の前記移動物体と前記ラインとの距離を算出し、
前記距離に比例して前記スコアの減算を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の運転適性診断装置。 - 前記視覚により判別可能な複数種類の移動物体が、色の相違により判別可能であることを特徴とする請求項1又は3記載の運転適性診断装置。
- 前記ラインが直線状であって、前記動き制御手段による前記移動物体の移動が一方向又は二方向になされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の運転適性診断装置。
- 前記ラインが円状であって、前記動き制御手段による前記移動物体の移動がランダムな方向になされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の運転適性診断装置。
- 前記ラインが閉じた図形であって、前記動き制御手段による前記移動物体の移動が上下左右方向から前記閉じた図形内に侵入する動きでなされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の運転適性診断装置。
- 前記表示手段が、前記ラインを囲う枠を前記モニタに表示し、
前記動き制御手段は、前記移動物体が前記枠内に侵入した時に該移動物体を視認不能とし、前記スイッチがオン操作された時に前記移動物体を視認可能とする請求項1乃至6いずれかに記載の運転適性診断装置。 - 前記制御手段は、前記プログラムの実行により実現する手段として、
前記第一判断手段が前記移動物体が前記ラインを越えたか否かを判断する前に、前記スイッチがオン操作されたか否かを判断する第五判断手段と、
前記第五判断手段が前記スイッチがオン操作されたと判断した場合に、前記移動物体が前記ラインから離れた所定距離範囲内にあるか否かを判断する第六判断手段と、
前記第六判断手段が前記移動物体が前記所定距離範囲内にあると判断した場合に、被験者に対して警告信号を発する警告手段とを有しており、
前記診断手段は、前記第六判断手段が前記移動物体が前記所定距離範囲内にあると判断した場合に前記スコアを減算することを特徴とする請求項3乃至10いずれかに記載の運転適性診断装置。 - 被験者が視認するモニタと、被験者がオンオフ操作するスイッチと、所定のプログラムを記憶する記憶手段と、前記プログラムを実行する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、前記プログラムの実行により実現する手段として、
左右又は上下に分かれて配置され且つ前記モニタの背景色に対するコントラストが異なる2種類の移動物体を、前記モニタに表示する表示手段と、
前記モニタに表示される2種類の移動物体を、奥から手前又は手前から奥に向けて移動させ、移動物体が奥にある時は小さく手前にある時は大きくなるように制御する動き制御手段と、
前記2種類の移動物体のうち少なくとも一方の移動速度を変化させる速度制御手段と、
前記スイッチがオン操作された時の2種類の移動物体の速度差を判断する速度差判断手段と、
前記速度差判断手段による判断結果に基づいて被験者の運転適性を診断する診断手段と、
を有していることを特徴とする運転適性診断装置。
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