本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、二つの球受皿7,8が上下に列設されており、下部球受皿8の右側方に発射ハンドル9が配設される。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。このセンターケース13には、画像表示器14が組み付けられている。画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には演出図柄や各種演出画像等が表示される。また、この画像表示器14の表示画面には、本発明に係るQRコード(登録商標)も表示される(図4参照)。
また、センターケース13には、画像表示器14の周囲に複数のLED(発光ダイオード)が配設される。この複数のLEDのうち、右上部の6個が特別図柄表示装置15であり、下部右側の2個が普通図柄表示装置16である。また、下部中央の4個のLEDは、特別図柄用抽選データの記憶数(特別図柄始動記憶数)を示す特別始動記憶数表示装置17であり、下部左側の4個は、普通図柄用抽選データの記憶数(普通図柄始動記憶数)を表示する普通始動記憶数表示装置18である。
特別図柄表示装置15は、その6個のLEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものである。後述するように、特別図柄表示装置15は、所定契機によって、各LEDを点滅させることにより夫々の特別図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した態様で特別図柄を停止表示する。本実施例では、右端下側のLEDのみが点灯した態様がハズレ態様、それ以外の点灯態様が当り態様として設定されており、特別図柄が当り態様で停止表示された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技作動を実行する。そして、特別図柄表示装置15の当り態様によって、特別遊技状態後に、通常遊技状態または確変遊技状態のいずれかへ移行するようにしている。尚、確変遊技状態とは、後述するように、前記「大当り」となる確率を通常遊技状態に比して高くする状態である。
一方、普通図柄表示装置16は、LEDの点灯態様によって普通図柄を表示するものである。後述する普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、このLEDが順次点滅することで普通図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した態様で普通図柄を停止表示する。下側のLEDのみが点灯した態様が当り態様、上下のLEDが点灯した態様がハズレ態様に設定されており、当り態様で停止表示された場合には、後述の普通電動役物23を拡開作動する。
図2に示すように、センターケース13の左側には普通始動ゲート19が設けられている。この普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、普通始動ゲート19に具備された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて上記の普通図柄表示装置16のLEDが点滅開始する。
また、図2に示すように、センターケース13の直下位置には特別始動口20を有する普通電動役物23が配設される。普通電動役物23は、特別始動口20の開口幅を変動させる開閉翼片24を備えている。普通図柄表示装置16で普通図柄が当り態様で停止表示すると、ソレノイドによって開閉翼片24が所定時間拡開駆動されて、特別始動口20へ入球し易い状態となる。そして、特別始動口20を遊技球が通過すると、普通電動役物23に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。また、特別始動口20を遊技球が通過すると、所定数の賞球が払い出される。
普通電動役物23の直下、かつアウト口30の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵するソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知する球検知スイッチが設けられる。
また、普通電動役物23の両側には一般入賞装置29が配設されており、遊技球が一般入賞装置29に入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技作動を制御する制御回路を、図3を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選データを参照して図柄生成行程の当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを四つの制御基板62,63,64,68へ出力し、これらの制御基板62,63,64,68の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、払出制御基板64、及び発射制御基板68の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート19、普通電動役物23、特別電動役物26、一般入賞装置29等が接続される。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチによる遊技球検出を調べ、遊技球を検出していると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物23や特別電動役物26等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、画像表示器14を制御する画像制御基板65、音声演出を制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からの演出コマンドが入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該演出コマンドで指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けて制御コマンドを送信する。
上記の画像制御基板65には、画像表示器14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、表示態様を制御処理する画像制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。画像制御基板65は、演出制御基板62から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを画像制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記データに従って画像表示器14に所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板66は、上記の演出制御基板62より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された多数の演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出用ランプの点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、演出ランプを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板67は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の演出制御基板62から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、演出用ランプを発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、特別始動記憶数表示装置17、普通始動記憶数表示装置18を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、各装置のLEDの点灯、点滅等を制御する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LEDを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この図柄制御基板63は、図柄制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、各装置のLEDを発光作動するドライバを配した図柄作動基板に出力し、この図柄作動基板が、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板64には、遊技球の貸球や賞球等の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板64は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う機外装置であるプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
上記の発射制御基板68には、球発射装置41を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板68の入力ポートには、発射ハンドル9に内蔵された回動角度検知センサから発射ハンドル9の現在角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板68の出力ポートには球発射装置41が接続されており、発射制御基板68は、発射ハンドル9からの入力信号に応じた電圧強度で、球発射装置41に内蔵されたロータリーソレノイドを間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
遊技者による発射ハンドル9の回動操作に従って球発射装置41から遊技球が発射されると、該遊技球が遊技盤10の遊技領域12を転動流下する。そして、遊技球が上記の普通始動ゲート19を通過すると、普通図柄表示装置16の二個のLEDが点滅開始して、普通図柄が変動開始する。普通図柄は所定時間経過すると変動を停止し、当り態様又はハズレ態様により停止表示される。そして当り態様で停止表示された場合には普通電動役物23を拡開作動して特別始動口20を所定時間開放する。
一方、遊技者による発射ハンドル9の回動操作により発射された遊技球が、上記した普通電動役物23の特別始動口20を通過した場合、各種テーブルから乱数抽選が行われて特別図柄用抽選データが生成される。そして、生成された特別図柄用抽選データの消化に従って、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し、図柄生成行程が開始される。そして、各特別図柄が点滅を停止すると、遊技者に特別図柄の態様を認識させるため、特別図柄を一定時間(約1秒)停止表示する。ここで、特別図柄が当り態様で停止表示されると「大当り」となり、後述の特別遊技作動を実行する特別遊技状態へ移行する。
また、通常、図柄生成行程の実行中は、スピーカや演出用ランプが所定態様で作動し、また、画像表示器14の表示画面で演出用の図柄が変動する。ここで、表示画面では、場合によって遊技者の大当りへの期待感を高めるいわゆるリーチ変動が実行される。かかるリーチ変動を実行する場合には、通常よりも当り態様で確定表示する頻度が高くなるように設定されており、遊技者はリーチ変動により大当りの期待感を高め得るとともに、表示画面での多様な演出態様により、演出用図柄の変動停止まで興奮を持続させることができる。
上記の特別図柄用抽選データとしては、特別始動口20に流入した遊技球を普通電動役物23に内蔵された球検知スイッチにより検知することにより、記憶装置ROMに格納された特別図柄用の各種テーブルから夫々抽出した複数の乱数値からなる。特別図柄用抽選データを構成する各乱数値は、上述したように、特別図柄の当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するためのものであり、具体的には、当落判定するための大当り乱数値、当りとなる場合の停止図柄態様を決定するための大当り図柄乱数値等を含む。このような特別図柄用抽選データの消化により、当該データの大当り乱数値を判定し、その判定結果が当りであると、大当り図柄乱数値に従って当り態様を選定する。これに従って、特別図柄の図柄生成行程では、選定した当り態様の停止図柄態様を特別図柄表示装置15で停止表示する。
特別始動口20への入賞によって生成された特別図柄用抽選データは、当該特別図柄用抽選データの消化により図柄生成行程が開始されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。具体的には、特別図柄の変動中および後述する特別遊技作動の実行中に生成された特別図柄用抽選データは直ぐに消化されず、前記特別始動記憶領域に記憶保持される。ここで、特別始動記憶領域には最大4個までの特別図柄用抽選データを保持可能となっており、特別始動記憶領域に4個の特別図柄用抽選データが保持されている場合には、特別始動口20へ入賞しても特別図柄用抽選データが生成されない。このように特別始動記憶領域に記憶されている未消化の特別図柄用抽選データが、所謂特別図柄始動記憶であり、上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって該特別図柄始動記憶の記憶数(特別図柄始動記憶数)を報知している。そして、未消化の特別図柄用抽選データを消化して特別図柄を変動開始する際には、特別始動記憶数表示装置17のLEDを一個消灯する。
上記した特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する作動であり、上述したように、特別図柄が当り態様で停止して大当りとなることにより開始する。その後、所定回数の開閉ラウンドを満了することにより当該特別遊技作動を満了する。ここで、一回の開閉ラウンドは、大入賞口25の30秒間開放または9個の入賞のいずれか一方を満足することにより満了する。特別遊技作動では、この開閉ラウンドを16回繰り返し実行する。このような特別遊技作動を実行する特別遊技状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。
さらに、本実施例にあっては、この特別遊技状態の後に、通常遊技状態と確変遊技状態とのいずれかに移行するようにしている。いずれの状態へ移行するかは、上記した特別図柄用抽選データを構成する大当り図柄乱数値により決定される。すなわち、特別図柄用抽選データの消化によって、大当り乱数値が当り判定された場合に、大当り図柄乱数値を有効として、該大当り図柄乱数値が予め設定された確変乱数値であると、特別遊技状態の後に確変遊技状態へ移行し、該確変乱数値以外であると、通常遊技状態へ移行するようになっている。そして、確変遊技状態と通常遊技状態とは、次に特別図柄が当り確定して特別遊技状態へ移行することにより満了する。すなわち、パチンコ遊技が進行している場合には、特別遊技状態と、確変遊技状態又は通常遊技状態とのいずれかの遊技状態となっている。尚、図柄生成行程では、大当り図柄乱数値に従って停止図柄態様が特別図柄表示装置15で表示されることから、該停止図柄態様によって、特別遊技状態後に通常遊技状態または確変遊技状態のいずれに移行するかを報知している。
ここで、通常遊技状態と確変遊技状態とは、通常の遊技が進行する状態であり、上記の特別遊技状態以外ではこれらいずれかの遊技状態となる。この確変遊技状態は、通常遊技状態に比して、特別図柄が当り易くなる遊技状態である。具体的には、特別図柄の当選確率(当り態様で確定する確率)が、通常遊技状態では1/300であるのに対し、確変遊技状態では1/30となる。また、確変遊技状態では、特別図柄を変動表示する平均時間が通常遊技状態の半分に短縮されるとともに、普通図柄の変動時間も通常遊技状態よりも短縮される。さらには、確変遊技状態では、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となるとともに、普通電動役物23の開放状態が通常遊技状態より長い時間維持される。このように確変遊技状態では、普通電動役物23の開放頻度が増加し且つ開放状態に維持する時間が長くなることにより、特別始動口20へ入賞させ易い状態となる。
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例にあっては、上述した確変遊技状態の連続移行回数が所定数に達した場合に、図4のように画像表示器14で複数のQRコード(登録商標)48a〜48g(又は、図示しないQRコード48h〜48n、図示しないQRコード48o〜48u)を順次表示するQRコード連続表示作動を、所定回数繰返し実行する。これら各QRコード48a〜48g(およびQRコード48h〜48u)には、予め記憶されたURLが含まれており、遊技者はが携帯電話で読み取って、URLのWebサイトにアクセスすることで、当該Webサイトから遊技特典を獲得できる。
ここで、二十一個のQRコード48a〜48uは七個毎に三グループに分類されており、QRコード48a〜48gが所属する光学コード群51と、QRコード48h〜48nが所属する光学コード群52と、QRコード48o〜48uが所属する光学コード群53とを設定している(図5参照)。各QRコード48a〜48uは、夫々に設定されているURLから獲得できる遊技特典の種別に応じて、三グループに分類されている。尚、遊技特典としては、本実施例にあって、当該パチンコ遊技機1のテーマに基づいたキャラクタ画像が設定されている。
例えば、パチンコ遊技機1のテーマが「戦国武将」である場合には、キャラクタ画像として、「織田信長」「伊達政宗」等の画像が設定されている。そして、これら複数のキャラクタ画像を、「大名」や「武将」、知名度、人気等によって、前記したように三つのグループに分類している。具体例としては、光学コード群51には、「織田信長」、「上杉謙信」、「伊達政宗」等の有名な戦国大名のキャラクタ画像を獲得できる各URLを含むQRコード48a〜48gが所属する。また、光学コード群52には、「直江兼続」、「前田慶次」、「真田幸村」等の人気戦国武将のキャラクタ画像を獲得できる各URLを含むQRコード48h〜48nが所属する。また、光学コード群53には、「高山右近」、「石田三成」、「柴田勝家」等の有名な戦国武将のキャラクタ画像を獲得できる各URLを含むQRコード48o〜48uが所属する。
このように設定された三個の光学コード群51〜53のうちの一つが、上記のように確変遊技状態の連続移行回数が所定数に達することによって選択される(図5参照)。そして、選択された光学コード群に所属するQRコードを順次表示するQRコード連続表示作動を実行する。ここで、本実施例にあっては、確変遊技状態が特別遊技状態を介して二回連続して移行した場合に光学コード群53を選択し、確変遊技状態が五回連続して移行した場合に光学コード群52を選択し、確変遊技状態が九回連続して移行した場合に光学コード群51を選択するように処理を行う(図5参照)。すなわち、確変遊技状態へ二回連続して移行すること、五回連続して移行すること、九回連続して移行することが、本発明にかかる光学コード表示条件として夫々設定されている。
各光学コード群51〜53にあって、光学コード群53が最も選択され易く、次に光学コード群52が選択され易く、光学コード群51が選択され難くなっている。これにより、QRコード48a〜48gを遊技者が取得可能な機会は、最も少なく、QRコード48o〜48uの取得可能な機会が最も多く発生する。すなわち、QRコード48a〜48gに設定されたキャラクタ画像が、最も獲得し難く、これに伴ってプレミア性が高くなる。
上述したQRコード連続表示作動を実行する処理としては、図5のように、選択した光学コード群に所属する七個のQRコードを有効として、この七個のQRコードを画像表示器14で順次表示する。ここで、七個のQRコードの表示順序は、予め設定されており、その順序に従って表示するようにしている。また、QRコードの表示としては、順次表示する各QRコードを画像表示器14で約2秒間表示するようにしている。ここで、QRコードの表示としては、該QRコードが携帯電話により読み取り可能な状態で表示されていることを言う。これにより、遊技者がQRコードを携帯電話により取得し易くしている。このように七個のQRコードを順次表示するQRコード連続表示作動を、三回連続して繰り返すようにしている。そのため、各QRコードが三回表示される。
本実施例にあって、上記のQRコードの表示順序としては、光学コード群51を選択した場合、QRコード48a、QRコード48b、QRコード48c、・・・QRコード48gの順序を設定している。また、光学コード群52を選択した場合には、QRコード48h、QRコード48i、・・・QRコード48nの順序を設定している。また、光学コード群53を選択した場合には、QRコード48o、QRコード48p、・・・QRコード48uの順序を設定している。そして、各光学コード群51,52,53のいずれの場合にあっても、前記表示順序により各QRコードを三回連続して繰り返す。
例えば、光学コード群51を選択した場合には、図4のように、QRコード48a〜48gが画像表示器14の画面で右から左に移動して、順番に最前面に表示されるような演出をしている。図4(A)のようにQRコード48aを最前面に表示して、携帯電話で取り込み可能とする。この場合には、QRコード48aのみが取り込み可能であることから、QRコード48aを表示している状態である。次に図4(B)のようにQRコード48bを最前面に表示するようにして、QRコード48bのみを表示して取り込み可能としている。このように各QRコード48a〜48gを順次表示していく。尚、光学コード群52や光学コード群53を選択した場合にあっても、夫々に所属するQRコードを同様に表示する。
一方、本実施例1のパチンコ遊技機1にあっては、図1のように、上記した前枠5の上部球受皿7の前側部位に光学コード停止ボタン55が配設されており、遊技者により押圧操作(ボタン操作)可能となっている。この光学コード停止ボタン55は、図3のように、上記した主制御基板60に接続されており、該光学コード停止ボタン55の押圧操作により発信したON信号を主制御基板60に入力する。
上記したQRコード連続表示作動の実行中に、光学コード停止ボタン55が押圧操作されると、画像表示器14で表示中のQRコードを所定時間一時停止する。ここで、一時停止する時間は、本実施例にあって約8秒間として設定している。これにより、QRコード48a〜48uを携帯電話等により比較的容易に取得することができる。一時停止する時間(約8秒間)が経過すると、再びQRコード連続表示作動を再開する。尚、本実施例にあっては、QRコード連続表示作動を三回繰返し実行する期間中にQRコード48a〜48uを一時停止できる上限回数を二回に設定している。すなわち、光学コード停止ボタン55からのON信号が三回以上あると、そのON信号を無効とするようにしている。これにより、QRコード連続表示作動の実行中に多数のQRコードが取得されてしまうことを抑制している。
次に、上記した光学コード群51,52,53を選択してQRコード48a〜48uを表示する処理について説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1の制御処理としては、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによって、図示しないメイン処理が所定間隔(2ms)で実行される。このメイン処理によって、遊技の主要な制御処理が実現される。
メイン処理では、電源投入時であるか否かの判定。入賞に係る制御処理を行う入賞検出処理、各種乱数カウンタの値を更新するカウンタ値更新処理、異常検出処理、特別図柄の当選判定等を行う特別始動口処理、普通図柄の当選判定等を行う普通始動口処理、特別図柄の表示制御等を行う特別図柄処理、普通図柄の表示制御を行う普通図柄処理、特別遊技作動の制御を行う大入賞口処理、普通電動役物23の作動制御を行う普通電動役物処理、各制御基板へ制御コマンドを出力するコマンド出力処理等のサブルーチンを順次実行する。さらに、本実施例にあっては、光学コード選択表示処理(図5)、光学コード一時停止処理(図6)のサブルーチンもメイン処理に設定されている。
なお、このメイン処理の制御処理内容の多くは、従来のパチンコ遊技機で採用されているものである。このため、以下では、本発明の要部に係るサブルーチンについての制御処理のみを詳述し、従来と同様の制御処理を行うサブルーチンについての説明は省略する。
図示しない上記の特別始動口処理では、未消化の特別図柄用抽選データを消化することにより、図柄生成行程を開始して、該特別図柄用抽選データを構成する各種乱数値に従って図柄生成行程の停止図柄態様や演出態様等を決定する。ここで、上述したように、大当り乱数値が当り判定され、かつ大当り図柄乱数値が確変乱数値であると、確変移行フラグ=1とする。さらに、通常遊技状態では、確変連続フラグ=1とする。この確変連続フラグは、大当り図柄乱数値を有効とする毎に、確変乱数値と連続して一致することにより累積加算され、確変遊技状態への連続移行する回数を示す。尚、有効とした大当り図柄乱数値が確変乱数値と不一致となると、確変連続フラグがリセット(=0)される。
図示しない上記の特別図柄処理では、上記した特別図柄用抽選データの消化に伴って、特別図柄表示装置15で特別図柄を変動開始する。その後、特別図柄表示装置15を当り確定する停止図柄態様で停止すると、図示しない上記の大入賞口処理により特別遊技作動を実行開始し、特別遊技状態へ移行する。そして、大入賞口処理では、大入賞口25を所定回数繰返し開閉する開閉ラウンドが満了すると、確変移行フラグを確認し、該確変移行フラグ=1の場合には確変フラグ=1とする。これにより、特別遊技状態から確変遊技状態へ移行する。
尚、上記の特別始動口処理では、確変遊技状態で、大当り乱数値を当り判定し且つ大当り図柄乱数値が確変乱数値と一致すると、上記した確変連続フラグが累積される。そして、特別遊技状態を介して確変遊技状態へ連続して移行する。このように確変遊技状態へ特別遊技状態を介して連続する移行回数が、前記の確変連続フラグにより表される。すなわち、確変遊技状態へ二回連続して移行した場合には確変連続フラグ=2であり、五回連続して移行した場合には確変連続フラグ=5であり、九回連続して移行した場合には確変連続フラグ=9である。
上記した本発明の要部にかかる光学コード選択表示処理では、図5のように、コードフラグ=0の場合に、確変フラグ=1かつ確変連続フラグ=2であると、光学コード群53を選択し、該光学コード群53に所属する七個のQRコード48o〜48uを有効とする。そして、連続表示フラグ=1として、QRコード48o〜48uを順次連続して表示するQRコード連続表示作動処理を実行する。このQRコード連続表示作動処理では、上述したように、QRコード48oからQRコード48uまでを画像表示器14で順番に表示していき、QRコード48uを表示すると、連続表示フラグ=2として、再度QRコード48o〜48uを順次表示する。同様に、QRコード48uを表示すると、連続表示フラグ=3として、再度QRコード48o〜48uを順次表示する。このように、QRコード48o〜QRコード48uを順次表示する作動を三回繰り返すと(連続表示フラグ=3)、連続表示フラグ=0とし且つコードフラグ=1とする。
さらに、上記の光学コード選択表示処理では、コードフラグ=1の場合に、確変フラグ=1かつ確変連続フラグ=5であると、光学コード群52を選択し、該光学コード群52に所属する七個のQRコード48h〜48nを有効とする。そして、同様に、QRコード連続表示作動処理により、QRコード48hからQRコード48nまでを画像表示器14で順番に表示する。QRコード48h〜48nの表示を三回繰返すと、連続表示フラグ=0且つコードフラグ=2とする。
さらに、上記の光学コード選択表示処理では、コードフラグ=2の場合に、確変フラグ=1かつ確変連続フラグ=9であると、光学コード群51を選択し、該光学コード群51に所属する七個のQRコード48a〜48gを有効とする。そして、同様に、QRコード連続表示作動処理により、QRコード48aからQRコード48gまでを画像表示器14で順番に表示する(図4参照)。QRコード48a〜48gの表示を三回繰返すと、連続表示フラグ=0且つコードフラグ=0とする。
尚、特別図柄処理では、上記したコードフラグ=1,2の場合に、確変連続フラグ=0となると、該コードフラグ=0とするようにしている。
一方、図6の光学コード一時停止処理では、連続表示フラグ=1,2,3の場合(QRコード連続表示作動処理の実行中)に、上記した光学コード停止ボタン55からON信号を入力すると、一時停止時間として8秒間をセットして、一時停止表示作動処理により、QRコード連続表示作動処理により表示しているQRコードを表示停止する一時停止表示作動を実行する。一時停止時間の8秒が経過すると、前記一時停止表示作動処理を満了してQRコードの連続表示を再開し、一時停止フラグ=1とする。一時停止フラグ=1の場合に、光学コード停止ボタン55からON信号が入力すると、同様に、割込処理によりQRコードを一時停止する。そして、一時停止フラグ=2とする。一時停止フラグ=2の場合には、光学コード停止ボタン55からON信号が入力しても、割込処理を実行しない。尚、一時停止フラグ=1,2の場合に、連続表示フラグ=0となると、該一時停止フラグ=0とする。
上述したように本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、確変遊技状態への連続移行回数が所定数となった場合に、QRコード48a〜48uを順次表示するようにしていることから、遊技者は、順次表示するQRコード48a〜48uのなかから、遊技者が自らの意志でいずれかのQRコードを選択して携帯電話等により取り込むことによって、キャラクタ画像を獲得できる。このようにキャラクタ画像という遊技特典を獲得するためには、遊技者の積極的な参加が必要であることから、従来に無い新たな遊技性を提供することができる。ここで、遊技特典の獲得遊技としては、順次表示するQRコード48a〜48uのなかから、遊技者が自らの意志でいずれかのQRコードを選択して取り込むこととしており、QRコードによる所謂「くじ引き」遊技となっている。これにより、遊技特典の獲得への遊技者の感情を効果的に刺激することができると共に、キャラクタ画像の獲得への興味を比較的長期間維持することができ得る。
図4のように、上記した光学コード選択表示処理により画像表示器14でQRコード48a〜48uを表示している状態で、遊技者が携帯電話で表示中のQRコードを取り込むと、該QRコードに表されたURLを取得できる。そして、遊技者がこのURLのWebサイトに接続することにより、上記したキャラクタ画像を獲得することができる。ここで、携帯電話でQRコードを取り込んでから、Webサイトに接続してキャラクタ画像をダウンロードするまでには、時間を要する。そのため、光学コード選択表示処理によるQRコード連続表示作動の実行中に、遊技者により獲得可能なキャラクタ画像の画像数を抑制できる。また、上記したように、光学コード停止ボタン55の押圧操作によって一時停止できる回数を制限(二回まで)したことによっても、遊技者により獲得可能なキャラクタ画像の画像数を抑制できる。
上述した本実施例の構成にあって、光学コード選択表示処理と光学コード一時停止処理とを実行する主制御基板60と演出制御基板62とにより、本発明にかかる光学コード表示制御手段が構成されている。ここで、光学コード選択表示処理が、本発明の表示群選択処理と光学コード表示処理とを構成している。本実施例のQRコード48a〜48uにより、本発明の光学コードが構成されている。そして、各光学コード群51,52,53に所属するQRコードを順次表示するQRコード連続表示作動処理により、本発明にかかる光学コード連続表示作動が実行されていると共に、該QRコード連続表示作動処理を三回繰り返すようにする処理により、本発明の光学コード表示処理が構成されている。また、キャラクタ画像が、本発明の遊技特典である。また、確変遊技状態への連続移行回数として設定した三回連続、五回連続、九回連続により、本発明の光学コード表示条件が夫々設定されている。また、QRコード48a〜48uを表示する画像表示器14により、本発明にかかる光学コード表示器が構成されている。
上述した実施例の構成にあっては、二十一個のQRコードを設定し、七個毎に分類して三個の光学コード群を設定した構成であるが、QRコードの設定数や光学コード群の設定数を適宜設定することができる。また、QRコードの光学コード群への分類についても、適宜設定することができる。ここで、各光学コード群毎に異なるQRコードが設定されていても良いし、同じQRコードを複数の光学コード群に設定していても良い。さらに、一の光学コード群に、同じQRコードを複数個設定しても良い。
各QRコードにより遊技者が獲得できる遊技特典としては、キャラクタ画像の他にも、ゲームアイテムやゲームパスワード等のように適宜設定することもできる。また、全てのQRコードに遊技特典を設定せずに、遊技特典の無いQRコードを設定することもできる。
また、選択した光学コード群に所属するQRコードの表示順序としては、予め複数の順序を設定しておき、光学コード表示条件の成立毎に、いずれかの順序を選択するようにしても良い。また、表示順序をランダムに決めるようにしても良い。さらにまた、光学コード連続作動毎に、表示順序を変えるようにしても良い。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。