JP2012119455A - 太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】光起電力素子を封止する一対のフィルムの片方に紫外線吸収剤を添加したとしても、実使用条件下において、もう一方のフィルムに紫外線吸収剤が移動し難い、太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】光起電力素子を封止するための第1フィルムと第2フィルムとからなる一対の封止フィルムであり、第2フィルムは光起電力素子の裏面に設けられ、分子量が1000以上の紫外線吸収剤が含有されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
従来、化石燃料に代るエネルギーとして太陽光エネルギーが注目されている。特に近年、太陽光エネルギーを利用する目的でつくられた、いわゆる太陽電池モジュールが様々な分野で急速に普及しつつある。
太陽電池モジュールは、一般的には、ガラス基板、上面封止フィルム、光起電力素子(例えばシリコン発電素子)、下面封止フィルム、裏面シートの順で積層されてなり、加熱加圧して接着一体化されることで製造される。
図6は、一般的な太陽電池モジュール5の断面図である。図6に示すように、一般的な太陽電池モジュール5は、太陽光(図6の矢印)を受ける面を最表面とすると、当該最表面から順に、ガラス基板51、上面封止フィルム52、光起電力素子53、下面封止フィルム54、裏面シート(バックシートと称すこともある)55で構成されている。
このような太陽電池モジュール5における各封止フィルム(図6の例であると、上面封止フィルム52、下面封止フィルム54)は、光起電力素子53を被覆し、当該素子を温度変化、湿度、衝撃などの過酷な外部環境から守りつつ、ガラス基板51や裏面シート55との接着を確保するために必要である。従って、このような太陽電池モジュール5の各封止フィルムには、透明性、耐候性、耐熱性、接着性などが要求され、これらの要求を満たすため、架橋剤、架橋助剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などが配合されている。
例えば、特許文献1に開示されているように、封止フィルムや裏面シートの耐候性を向上させるために、当該封止フィルム(図6の例であると、上面封止フィルム52、下面封止フィルム54)に、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の各種有機化合物からなる紫外線吸収剤を含有させている。
特開平11−317475号公報
ところで、近年、太陽電池モジュールにおける光起電力素子の発電効率を向上させるために紫外領域(おおよそ300nm〜400nm)の光も受光することにより、当該光起電力素子の発電効率を向上させることができるといった知見が得られている。そのため、最表面に近い封止フィルム、より具体的には図6の例であると上面封止フィルム52や下面封止フィルム54に従来添加されていた紫外線吸収剤が添加されていない封止フィルムとする要求がある。
しかしながら、封止フィルム、より具体的には図6の例であると上面封止フィルム52、下面封止フィルム54において紫外線吸収剤を添加しない場合、紫外線により裏面シート55が劣化(黄変)するといった虞がある。なお、裏面シート55は、太陽電池モジュール5において、当該太陽電池モジュール5を衝撃などから保護する等のために設けられているものであり、裏面シート55が劣化すると、結果として太陽電池モジュール5の耐衝撃性、耐水性などが損なわれてしまう。
また一方で、図6に示した太陽電池モジュール5の例において、例えば、下面封止フィルム54にのみ紫外線吸収剤を添加することも考えられる。しかしながら、当該下面封止フィルム54にのみ紫外線吸収剤を添加しても、太陽電池モジュール5の実際の使用環境によっては上記下面封止フィルム54に添加されていた紫外線吸収剤が、例えば光起電力素子53間の隙間を通り、上面封止フィルム52に徐々に移動してしまう。
つまり、太陽電池モジュール5における光起電力素子53の発電効率を向上させるために、最表面に近い封止フィルム(上面封止フィルム52)に紫外線吸収剤を添加していなかったのにもかかわらず、当該上面封止フィルム52は紫外線吸収剤が添加されている状態になってしまう。その結果、光起電力素子53が紫外領域(おおよそ300nm〜400nm)の光を受光することができなくなり、発電効率を経時的に低下させてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光起電力素子を封止する一対のフィルムの片方に紫外線吸収剤を添加したとしても、実使用条件下において、もう一方のフィルムに紫外線吸収剤が移動し難い、太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の太陽電池モジュール用封止フィルムは、光起電力素子を封止するための第1フィルムと第2フィルムとからなる一対の封止フィルムであり、第1フィルムは光起電力素子の表面に設けられ、第2フィルムは光起電力素子の裏面に設けられ、第1フィルムにおける波長350nmの光の透過率が80%以上である。また、下記の方法で試験した場合における第1フィルムの透過率減衰割合が10%以下であることを特徴とする。以下、試験方法、つまり上記透過率減衰割合の算出方法について説明する。
ガラス板としては、光透過性の点から、鉄分の少ない白板ガラス(高透過ガラス)が好ましい。また、表面に凹凸をつけた型板ガラスが好ましい。まず、厚さ0.5mm、長さ100mm、幅50mmの第1フィルムと、厚さ0.5mm、長さ100mm、幅50mmの第2フィルムとを幅方向で接触させ、厚さ3.9mm、長さ100mm、幅50mmの2枚のガラス板で第1フィルムと第2フィルムとを挟み込んだテストプレートを得た。そして、テストプレートにおける第1フィルムと第2フィルムとの継ぎ目から第1フィルム方向に5mmの箇所(測定面積幅10mm×長さ5mm角)で波長350nmの光の透過率を測定した(測定1)。その後、テストプレートを85℃で14日間加熱し、このテストプレートにおける透過率を上記測定1と同様の方法で測定した(測定2)。そして上記測定1および上記測定2で得られたデータにつき、上記測定1での透過率を100とした場合における上記測定2での透過率を透過率減衰割合とした。
また、本発明は、上記太陽電池モジュール用封止フィルムにより光起電力素子が封止されてなる太陽電池モジュールである。
本発明によれば、光起電力素子を封止する一対のフィルムの片方に紫外線吸収剤を添加したとしても、実使用条件下において、もう一方のフィルムに紫外線吸収剤が移動し難い、太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用封止フィルムを用いた太陽電池モジュールの断面を示した図 テストプレート3を示した図 テストプレート3における紫外領域の光の透過率の測定領域を示した図 テストプレートにおける光の透過率を示した図(実施例) テストプレートにおける光の透過率を示した図(比較例) 一般的な太陽電池モジュールを説明するための図
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールについて説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用封止フィルムを用いた太陽電池モジュールの構成について説明する。なお、以下の説明において、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用封止フィルムを用いた太陽電池モジュールを単に太陽電池モジュール1と称すことがある。
図1は、太陽電池モジュール1の断面を示した図である。
具体的には、図1は太陽電池モジュール1の断面図である。図1において、太陽電池モジュール1は、図1に示すように、太陽光(図1の矢印)を受ける面を最表面とすると、当該最表面から順に、ガラス基板11、第1フィルム12、光起電力素子13、第2フィルム14、裏面シート(バックシートと称すこともある)15で構成されている。なお、それぞれの厚さは、上記ガラス基板11で3〜4mm程度、上記第1フィルム12で0.5mm程度、光起電力素子13で0.2mm程度、上記第2フィルム14で0.5mm程度、裏面シート15で0.3mm程度である。
以上が太陽電池モジュール1の構成である。
本出願人は鋭意検討した結果、第1フィルム12と第2フィルム14との関係において、上記第2フィルム14に紫外線吸収剤を添加したとしても、太陽電池モジュール1の実際の使用環境を想定した条件において当該第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動し難い、太陽電池モジュール1を作製するに至った。
以下、本発明を詳細に説明するがこれらの説明は本発明を限定するものではない。従って、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
まず、図1のガラス基板11、光起電力素子13、および裏面シート15について説明し、次いで、第1フィルム12および第2フィルム14について説明する。
図1のガラス基板11は、工業用に機能性を付加したガラス製の平面な基板である。なお、ガラス基板11は、例えば、そのガラスの組成によりソーダライムガラス系、無アルカリガラス系などがあり、液晶テレビ(LCD)、プラズマテレビ(PDP)、ノートパソコンなどの平面ディスプレイ(FPD)、有機ELなどで用いられる一般的な板ガラスでよい。なお、太陽電池モジュール1におけるガラス基板11は、上述したような板ガラスの他、透明樹脂等であってもよい。また、ガラス基板11としては、光透過性の点から、鉄分の少ない白板ガラス(高透過ガラス)、表面に凹凸をつけた型板ガラスが好ましい。
図1の光起電力素子13は、太陽光を受け光電変換を行う部分である。なお、図1の光起電力素子13は、一般的な太陽電池モジュールに用いられる公知な素子を種々選択すればよいが、例えば、光起電力素子13の一例として、pn接合型多結晶シリコン、pin接合型アモルファスシリコン、およびCuInSe2、CuInS2、GaAs、CdS/Cu2S、CdS/CdTe、CdS/InP、CdTe/Cu2Teをはじめとする化合物半導体などが挙げられる。
図1の裏面シート15は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、広くはポリエチレン系樹脂をはじめとするポリオレフィン系樹脂の他、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂なども挙げられる。その中でも、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂が好適に用いられる。さらにはアルミニウム箔等の金属やシリカ、アルミナ、窒化珪素等無機金属化合物を積層した積層シートとすればガスバリア性をさらに高めることができ好適である。なお、裏面シート15は、板ガラスなどであってもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用封止フィルム、つまり上記第1フィルム12および上記第2フィルム14について、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、太陽電池モジュール1は、上記したガラス基板11、第1フィルム12、光起電力素子13、第2フィルム14および裏面シート15で構成されている。なお、太陽電池モジュール1は、例えば、ガラス基板11上にシート状に成形した第1フィルム12、光起電力素子13、シート状に成形した第2フィルム14および裏面シート15を順次積層して、加熱圧着(例えば真空加熱圧着法)することによって作製される。
次に、上記した第1フィルム12および第2フィルム14について、以下より具体的に説明する。なお、光起電力素子13については上述したので、その説明は省略する。
上記第1フィルム12は、例えば、主に低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(いわゆるEVA樹脂、以下EVA樹脂と称すことがある)等のポリオレフィン系樹脂を用いて、Tダイ法により厚さ0.5mm程度のシート状のフィルムに成形される。なお、上記のように第1フィルム12は、主にポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリビニルブチラール樹脂、アイオノマー樹脂等)を用いてなるものであるが、上記ポリオレフィン系樹脂の中でも、特に、酢酸ビニル含量が15%〜40%程度のEVA樹脂が好ましい。なお、上記第1フィルム12には、必要に応じて架橋剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料等の添加剤が適宜配合されてもよいが、紫外線吸収剤は添加しない方が好ましい。
上記第2フィルム14は、上記第1フィルム12と同様に、例えば、主に低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、EVA樹脂等のポリオレフィン系樹脂を用いて、Tダイ法により厚さ0.5mm程度のシート状のフィルムに成形される。同様に、上記第2フィルム14もまた、主にポリオレフィン系樹脂を用いてなるものであるが、上記ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリビニルブチラール樹脂、アイオノマー樹脂等)の中でも、特に、酢酸ビニル含量が15%〜40%程度のEVA樹脂が好ましい。
なお、上記第2フィルム14には、必要に応じて架橋剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料等の添加剤が適宜配合されてもよいが、当該第2フィルム14には、上記第1フィルム12と異なり、紫外線吸収剤が必須の添加剤として当該上記第2フィルム14に添加されている。
ここで、上記第2フィルム14に添加するのに好ましい紫外線吸収剤を説明する。上記第2フィルム14に添加される紫外線吸収剤は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上である高分子型紫外線吸収剤である。好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上である。
上記第2フィルム14に添加される高分子型紫外線吸収剤として、例えば、一方社油脂工業株式会社製の商品名ULS−935LH、ULS−700、ULS−635L、ULS−1935LH、ULS−1700、ULS−1635等、大塚化学株式会社製の商品名RUVA−93等が好適である。
また、上記各有機化合物の他に上記第2フィルム14に添加される紫外線吸収剤として、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系等の各有機化合物が挙げられ、その中でも特に、2、2’−ジヒドロキシ−4−4’−ジメトキシベンゾフェノン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール等、金属錯体(例えば、[2、2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミン・ニッケル、ニッケルビス[O−エチル(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスホネート等)や、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛等の無機系の紫外線吸収剤も上記第1フィルムへの移動が無視できる量に限って用いることができる。
なお、上記第2フィルム14に添加される紫外線吸収剤は、例えば、上記第2フィルム14がEVA樹脂からなるフィルムとした場合、当該EVA樹脂に対して、0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜1.4質量%である。
以下、実施例および比較例に基づき更に詳細に本発明を説明するが、本発明の実施例のみに限定されるのではなく、本発明の効果を損なわない量的質的範囲で、各含有成分の組成の組み合わせや配合量を変更してもよい。
本発明は、上述したように、例えば、図1に示すような太陽電池モジュール1の第1フィルム12と第2フィルム14との関係において、第2フィルム14に紫外線吸収剤を添加したとしても、太陽電池モジュール1の実際の使用環境を想定した条件において第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動し難い、第1フィルム12および第2フィルム14である。
そこで、本出願人は、第1フィルム12および第2フィルム14との関係において、実施例として、太陽電池モジュール1の実際の使用環境を想定した条件において、以下説明する条件に従って作製した当該第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動し難いことを以下の試験により確認した。
また、詳細は後述するが、出願人は比較例として、第2フィルム14に添加した紫外線吸収剤とは異なる紫外線吸収剤を、当該第2フィルム14に添加し、同様の実験を行った。
(実施例)
[テストプレートについて]
まず、図2に示すようなテストプレート3を作製した。具体的には、図2の(a)に示すように、テストプレート3は、X2からX1に向かって順に、ガラス板21(具体的には、図1の(a)のガラス基板11と同様でもよい)、テストフィルム22、ガラス板21(具体的には、図1の(a)のガラス基板11と同様でもよい)といった構成になっている。言い換えると、テストフィルム22は2枚の透明なガラス板21で挟まれている。そして、ガラス板21によってテストフィルム22を挟んだ後、真空加熱装置において熱板温度150℃とし、真空状態で5分放置し、その後10分間プレスし、テストプレート3(図2の(b)参照)を作製した。
なお、ガラス板21は、厚さ3.9mm、長さ100mm、幅50mmのものを使用した。
[テストフィルムについて]
ここでテストフィルム22について説明する。テストフィルム22は、図2の(b)に示すように、第1フィルム12と第2フィルム14とが幅方向で接触した状態で、2枚のガラス板21によって挟まれている。なお、第1フィルム12と第2フィルム14とは具体的には以下の通りである。
第1フィルム:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量28%、MFR20g/10分、融点71℃)100質量部、架橋剤(t−ブチルパーオキシ2−エチルへキシルモノカーボネート)1.0質量部をリボンブレンダーでドライブレンドし、押出機(一軸、口径90mm)で溶融混練し、Tダイを用いて押出成形法にて厚さ0.5mmのフィルムを得た。Tダイの温度は90℃、スクリュー回転数は20rpmであった。該フィルムから長さ50mm、幅50mmに切り出した。
第2フィルム:第1フィルムの組成に紫外線吸収剤(一方社油脂工業株式会社製の商品名ULS−635L;紫外線吸収性をもつ骨格(ベンゾフェノン系)を側鎖に有するアクリル共重合体、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量約20000)を0.4質量部添加した以外は、第1フィルムと同様にして得た。
[紫外線吸収剤の移動割合]
図2に示したテストプレート3を85℃、14日間加熱し、テストフィルム22において、第2フィルム14に含有されていた紫外線吸収剤がどの程度第1フィルム12に移動したかを調べた。具体的には、図3の(a)に示すように、まず、85℃、14日間加熱する前のテストプレート(加熱前)3において、第1フィルム12と第2フィルム14との継ぎ目から第1フィルム12方向に5mmの箇所(測定面積幅10mm×長さ5mm角、図3の(a)におけるAで示した箇所)での、紫外領域の光の透過率を測定した。
そして、85℃、14日間加熱後のテストプレート(加熱後)4において、同様に図2の(b)に示すAの箇所での紫外領域の光の透過率を測定した。
測定機器:日本分光株式会社製の紫外可視分光光度計(品番:V−570)
測定結果を図4に示す。図4において、実線は加熱前のテストプレート3における光の透過率を示し、破線は加熱後のテストプレート4における光の透過率を示した。
まず、上述したようにテストフィルム22における第1フィルム12には紫外線吸収剤は配合されていないので、図4の実線を紫外線吸収剤の移動割合の基準と考える。つまり、仮に第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動するのであれば、図4の実線に比べて透過率の減衰がみられることとなる。逆に第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動しないのであれば、図4の実線とほぼ同じ曲線が得られると考えられる。
ここで、第1フィルム12および第2フィルム14を実際の製品に組み込み(太陽電池モジュールに組み込み)、実使用で耐えうる基準として、図4の実線における波長350nmの光の透過率を100とした場合に、85℃、14日間加熱した後の透過率が91.5以上と設定する。つまり、第2フィルム14に添加された紫外線吸収剤が第1フィルム12に移動したとしても、どの程度の量まで許容できるかを設定する。
その結果、図4の破線に示すように、本実施例に係るテストフィルム22では97であり、上記基準を満たすことが分かった。
(比較例)
次に、上記実施例と異なる紫外線吸収剤を上記第2フィルム14に添加した第2フィルムを作製し、同様の測定を行った。なお、第2フィルム14に添加されている紫外線吸収剤が異なる以外は上記実施例と同様であるので、その説明は省略する。
第2フィルム:第1フィルムの組成に紫外線吸収剤(シプロ化成株式会社製のSEESORB151;1,4-bis(4-benzoyl-3-hydroxyphenoxy)-butane、分子量482.5)を0.4質量部添加した以外は、第1フィルムと同様にして得た。
透過率の測定結果を図5に示す。なお、図5において実線は加熱前であり、破線は加熱後である。図5の破線に示すように、図5の実線における波長350nmの光の透過率を100とした場合に、加熱後であると65まで減衰し、上記基準を満たさないことがわかった。
以上より、上記第2フィルム14に添加される紫外線吸収剤は、重量平均分子量が1000以上である高分子型のものを用いればよいことが分かった。つまり、上述した図1の(a)を再び参照し説明すると、融点が70℃以上、より好ましくは120℃以上の紫外線吸収剤を第2フィルム14に添加すれば、太陽電池モジュール1の実際の使用環境においても当該第2フィルム14に添加されていた紫外線吸収剤が、例えば光起電力素子13間の隙間を通り、第1フィルム12に徐々に移動してしまう虞がない。さらには、紫外線により裏面シート15が劣化(黄変)するといった虞もない。
そして、結果として、光起電力素子13が紫外領域(おおよそ300nm〜400nm)の光をも受光するができ、発電効率を向上させることができるようになる。
本発明に係る太陽電池モジュール用封止フィルム、およびそれを用いた太陽電池モジュールは、例えば、電力を必要とする各種電子機器の電源、太陽光発電などで用いられるソーラーパネル等に有用に適用できる。
1、5…太陽電池モジュール
11、51…ガラス基板
12…第1フィルム
13、53…光起電力素子
14…第2フィルム
15、55…裏面シート
21…ガラス板
22…テストフィルム
3、4…テストプレート
52…上面封止フィルム
54…下面封止フィルム

Claims (5)

  1. 太陽電池モジュール用封止フィルムであって、
    前記太陽電池モジュール用封止フィルムは、光起電力素子を封止するための第1フィルムと第2フィルムとからなる一対の封止フィルムであり、
    前記第1フィルムは前記光起電力素子の表面に設けられ、
    前記第2フィルムは前記光起電力素子の裏面に設けられ、
    前記第1フィルムにおける波長350nmの光の透過率が80%以上であり、
    前記第1フィルムおよび前記第2フィルムの少なくとも一方に紫外線吸収剤が含有されており、
    下記の方法で試験した場合における前記第1フィルムの透過率減衰割合が10%以下であることを特徴とする、太陽電池モジュール用封止フィルム。
    <試験方法>
    (1)厚さ0.5mm、長さ50mm、幅50mmの前記第1フィルムと、厚さ0.5mm、長さ50mm、幅50mmの前記第2フィルムとを幅方向で接触させ、厚さ0.5mm、長さ50mm、幅50mmの2枚のガラス板で前記第1フィルムと前記第2フィルムとを挟み込んだテストプレートを得た。
    (2)前記テストプレートにおける前記第1フィルムと前記第2フィルムとの継ぎ目から前記第1フィルム方向に5mmの箇所(測定面積幅10mm×長さ5mm角)で波長350nmの光の透過率を測定した。
    (2)前記テストプレートを85℃で14日間加熱した。
    (3)このテストプレートにおける透過率を前記(2)と同様の方法で測定した。
    (4)前記(2)での透過率を100とした場合における前記(3)での透過率を前記透過率減衰割合とした。
  2. 前記紫外線吸収剤は前記第2フィルムにのみ含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止フィルム。
  3. 前記紫外線吸収剤の分子量が1000以上であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止フィルム。
  4. 前記第2フィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)からなり、
    前記第2フィルムには前記エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に対して0.01〜2質量%の前記紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止フィルム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1に記載の太陽電池モジュール用封止フィルムにより光起電力素子が封止されてなる太陽電池モジュール。
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