JP2012119088A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】整合器内部の損傷を回避可能なプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、高周波電源10と、高周波電源からの電力が印加される負荷30と、高周波電源から負荷への印加電力による高周波放電によりプラズマが生成される処理室40と、高周波電源と負荷との間でインピーダンス整合を行う、1以上の可変リアクタンス(C1、C2)、入力端子及び出力端子を有する構成要素を備える整合器20と、整合器内に設けられ、各構成要素のリアクタンス値をもとに、高周波電源から整合器に印加可能な限界値を算出する算出手段27と、算出手段から限界値を受け、高周波電源から負荷への出力の目標値を指示する制御部50を備え、制御部は、目標値が限界値を超えた場合、高周波電源の出力を低減又は停止するように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、容量結合プラズマ(CCP)や誘導結合プラズマ(ICP)を用いた半導体製造装置、電子デバイス製造装置などのプラズマ処理装置に関する。
使用周波数が数百kHz〜数百MHzの高周波(RF)プラズマ生成するために、例えば、容量結合プラズマ(CCP)処理装置や、誘導結合プラズマ(ICP)などが用いられている。CCP処理装置は、通常、反応ガスが封入された処理室内に2枚の並行平板電極を備え、この並行平板電極に高周波電源からの電力を印加することにより電界が形成されて放電し、処理室内にプラズマが生成される。
また、ICP処理装置は、処理室の外部にアンテナを備え、該アンテナに高周波電源からの電力を印加することにより、アンテナを流れる電流が作る磁界により処理室内で放電してプラズマが生成され、その磁界の時間変化で誘導される電界によりプラズマが維持される。
このようなCCPやICPを用いた高周波放電では、一般的に高周波電源と負荷(CCPでは電極、ICPではアンテナ)の間に整合器が配置されている。整合器により、整合器の可変コンデンサの容量を制御して、放電中にインピーダンス整合を行っている。この整合器によるインピーダンス整合動作は、負荷側の構成や放電条件により負荷インピーダンスが変化しても、高周波電源から負荷に効率よく電力を供給するためである。
こうした整合器を備えた装置の例として、例えば、特許文献1には、反応室内に設置された電極と、前記電極間にプラズマを発生させるための高周波電源と、前記高周波電源から発生する高周波電源をコントロールするオペレーションユニットと、過電流保護手段を有し前記電極間のインピーダンスを整合するマッチングボックスとから構成されたことを特徴とする高周波電力供給装置が開示されている。また、特許文献1に記載の高周波電力供給装置は、マッチングボックス内に過電流保護手段を設けることにより、マッチングボックスと電極とをつなぐ同軸ケーブルに流れる電流のオンオフを制御して、同軸ケーブルの焼損を防止するものである。
特開昭61−216325号公報
しかしながら、特許文献1に記載の高周波電力供給装置では、同軸ケーブルの焼損を防止するだけで、マッチングボックス内の各構成要素に過電圧・過電流値が印加されてしまうことがあり、整合器内部の損傷を防止することができない。
そこで、本発明の目的は、整合器内部の損傷を回避可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるプラズマ処理装置は、高周波電源と、前記高周波電源からの電力が印加される負荷と、前記高周波電源から前記負荷への印加電力による高周波放電によりプラズマが生成される処理室と、前記高周波電源と前記負荷との間でインピーダンス整合を行う、1以上の可変リアクタンス、入力端子及び出力端子を有する構成要素を備える整合器と、前記整合器内に設けられ、前記各構成要素のリアクタンス値をもとに、前記高周波電源から前記整合器に印加可能な限界値を算出する算出手段と、前記算出手段から前記限界値を受け、前記高周波電源から前記負荷への出力の目標値を指示する制御部を備え、前記制御部は、前記目標値が前記限界値を超えた場合、前記高周波電源の出力を低減又は停止するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、整合器内に設けられた、整合器に印加可能な限界値を算出する算出手段と、算出手段から受信した限界値により高周波電源の出力を制御する制御部を設けることにより、高周波電源の出力電力と負荷インピーダンス値の組合せに係わらず、整合器内の各構成要素で設計上許容される電圧、電流値を超えてしまうことを防止することで整合器が損傷する事態を回避することができる。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の全体構成図である。 図1に示す整合器の内部構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施例について、図を用いて説明する。
図1は、本実施例に係るプラズマ処理装置の全体構成を示す。図1に示すプラズマ処理装置は、例えばCCPやICPなどを用いた半導体製造装置や電子デバイス製造装置などに適用されるものである。
図1に示すプラズマ処理装置は、高周波電源10と、高周波電源10に電気的に接続され、高周波電力が印加される負荷30と、その負荷30が配設される処理室40とを有している。処理室40には、高周波電源10から負荷30への印加電力による高周波放電によりプラズマが生成される。
CCPを用いた高周波放電の場合、負荷30は、反応ガスが封入された処理室40内に配設される電極である。この場合には、高周波電源10からの電力印加によりその電極に形成される電界によって放電し、プラズマが生成される。また、ICPを用いた高周波放電の場合、負荷30は、処理室40外に配設されるアンテナである。この場合には、高周波電源10からの電力印加によりアンテナを流れる電流が作る磁界により処理室40内で放電してプラズマが生成され、その磁界の時間変化で誘導される電界によりプラズマが維持される。
図1に示すプラズマ処理装置には、高周波電源10と負荷30との間に整合器20が配置されている。整合器20は、負荷30側の構成や放電条件により負荷インピーダンスが変化しても、高周波電源10から負荷30に効率よく電力を供給するため、高周波放電時に高周波電源10と負荷30との間のインピーダンス整合を行うものである。
図1に示すプラズマ処理装置には、高周波電源10の出力電力の目標値を指示するための制御部50が配置される。制御部50は、整合器20から出力される限界電力値が高周波電源10の出力電力の目標値を超えないように、高周波電源10の出力電力の目標値を低減する。具体的には、目標値(1000W)が限界電力(2000W)より低くければ、高周波電源10から目標値そのままの1000Wが整合器20に出力される。一方、目標値(1000W)が限界電力(500W)より高い値であれば、制御部50によって目標値は500Wに制限され、高周波電源10から500Wが出力される。
このように制御部50が高周波電源10と整合器20とを一元制御することで、整合器内各部位で設計上許容される電圧、電流値を超えて、高周波電源から整合器に電力が導入されることはない。
図2は、整合器20の内部構成を示す。整合器20は、1以上の可変リアクタンスと、入力端子RF IN及び出力端子RF OUTを有する構成要素を備える。具体的には、図2に示すように、整合器20は、高周波電源10側に接続された入力端子RF INと接続され、かつ整合器20の入力インピーダンスを検出するインピーダンス検出器23と、整合器20の出力インピーダンスと負荷インピーダンスを共役複素数(共役関係)となるように整合させる第一可変コンデンサC1、第二可変コンデンサC2を備えている。なお、本例では、可変コンデンサを用いたが、これに限定されず、可変インダクタンスを用いてもよい。可変コンデンサと可変インダクタンスを総称して、可変リアクタンスと呼ぶ。
さらに、整合器20は、第一可変コンデンサC1を回転するための第一可変コンデンサ駆動用モータ21と、第二可変コンデンサC2を回転するための第二可変コンデンサ駆動用モータ22と、第一可変コンデンサ駆動用モータ21及び第二可変コンデンサ駆動用モータ22を制御し、高周波電源10と負荷30のインピーダンス整合を行なうためのコントローラ(算出手段)27とを備えている。
整合器20の可変コンデンサC1、C2の位置調整による放電中のインピーダンス整合動作は、公知技術が適用可能であるため、その詳細については省略する。
インピーダンス検出器23は、入力端子RF INと可変コンデンサC1、C2との間に配置され、インピーダンス整合を行うための入力インピーダンスを検出し、そのインピーダンス値をコントローラ(算出手段)27に出力する。
コントローラ27は、インピーダンス検出器23から入力された入力インピーダンスをもとに、高周波電源10と負荷30とのインピーダンス整合をとるように可変コンデンサC1、C2の制御を行う。本実施例では、このコントローラ(算出手段)27は、通常のインピーダンス整合動作の制御に加え、可変コンデンサC1、C2の位置情報、即ちリアクタンス値をもとに、電源10から整合器20の入力端子RF INに印加可能な限界電力値を算出する。
この限界電力値は、高周波放電時に高周波電源10と負荷30との間のインピーダンス整合がとれている条件において、整合器内の各構成要素における電圧、電流が設計上許容される電圧、電流をいずれも超えることのない最大の印加可能電力値であり、可変コンデンサC1、C2の位置と整合器内の回路定数から一義的に算出される。
なお、本例では、限界電力値を用いたが、これに限定されず、例えば、限界電力値までのマージンや限界電力値に対する現在の電力値などを用いてもよい。これらを総称して、限界値を称す。
具体的には、高周波電源から整合器への入力される限界電力値は、コントローラ27によって、以下のように計算される。
まず、構成要素として、出力端子RF OUTの限界電力値を求める。
整合が取れている条件において、可変コンデンサC1、C2の位置情報から負荷30の負荷インピーダンスZload=Rload+jXloadが算出される(Rloadはインピーダンスの実数部、Xloadはインピーダンスの虚数部)。
次に、整合器20の出力端子RF OUT部の電圧をVout、電流をIout、整合器20の入力端子RF INに印加される電力をPinとし、整合器20内部での損失がないとすると
Iout=√(Pin/Rload) ・・・(式1)
Vout=Iout×│Zload│ ※│Zload│はZloadの絶対値 ・・・(式2)
との関係が成り立つ。
設計上許容されるIoutは、出力端子RF OUT部の構造、主に電流容量によってきまるので、式1より
Pin=Iout×Rload ・・・(式3)
の関係より、出力端子RF OUT部の許容される電流値より印加可能な電力値が算出される。
同様に、設計上許容されるVoutは、出力端子RF OUT部の構造、主に絶縁距離によってきまるので、式1、式2より
Pin=(Vout/│Zload│)×Rload ・・・(式4)
の関係より、出力端子RF OUT部の許容される電圧値より、高周波電源10から整合器20へ印加可能な限界電力値が算出される。
同様にRF OUT以外の構成要素(C1,C2、L、入力端子RF IN)に関しても印加可能な限界電力値を計算する。
以上の計算で求めた全構成要素の限界電力値のうち、最も小さい限界電力値が、整合器の限界電力値として算出される。この限界電力値は、コントローラ27によって、制御部50に送信される。
このようにして、本実施例では制御部50は、高周波電源10の出力電力の目標値(例えば、6kWを60秒))を設定するとともに、目標値が限界電力値(5kW)を超えた場合、高周波電源の出力を低減する(例えば、5kW)ように制御する。逆に投入時間を長くする(例えば、72秒)ことで、高周波電源の出力エネルギーを低減前の同じ(360kJ)にすることができる。また、こうすることで、プラズマ処理装置を停止することがないので、スループットを向上させることができる。
また、制御部50は、高周波電源10の目標値が限界電力値(5kW)を超えた場合、高周波電源10の出力を停止するように制御してもよい。
これにより、整合器内の各構成要素で設計上許容される電圧、電流値を超え、それが継続することで整合器内の各構成要素が損傷する事態を回避することができる。
10:高周波電源
20:整合器
21、22:可変コンデンサ駆動用モータ(可変リアクタンス)
23:インピーダンス検出器
27:コントローラ(算出手段)
30:負荷
40:処理室
50:制御部

Claims (1)

  1. 高周波電源と、
    前記高周波電源からの電力が印加される負荷と、
    前記高周波電源から前記負荷への印加電力による高周波放電によりプラズマが生成される処理室と、
    前記高周波電源と前記負荷との間でインピーダンス整合を行う、1以上の可変リアクタンス、入力端子及び出力端子を有する構成要素を備える整合器と、
    前記整合器内に設けられ、前記各構成要素のリアクタンス値をもとに、前記電源から前記整合器に印加可能な限界値を算出する算出手段と、
    前記算出手段から前記限界値を受け、前記高周波電源から前記負荷への出力の目標値を指示する制御部を備え、
    前記制御部は、前記目標値が前記限界値を超えた場合、前記高周波電源の出力を低減又は停止するように制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
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