JP2012117343A - アンカー工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】拘束長(20)と自由長(FL)の境界(20E)よりも地上側の位置で加圧パッカー(30)を膨張し、拘束長(20)と自由長(FL)の境界と加圧パッカー(30)との間の領域(G)にグラウトホースを介してグラウト充填し、前記領域(G)のグラウトが十分に強度を得た後に、緊張用ジャッキ(40)によりグラウンドアンカー(10)に緊張力を付与し、その後、グラウンドアンカー(10)を定着具(32)に定着して、自由長(FL)にグラウトを充填する。
【選択図】図5
Description
ここで、現存するアンカーの荷重容量からすると、遥かに大きな荷重が要求される。また、重く大きなアンカーテンドン3を一体のテンドン材にまとめるには、それ相当の結束を行う必要が生じる。
係るアンカーテンドン3をボーリング孔12に挿入した場合には、ボーリング孔12内でアンカーテンドン3が挿入以前の形状に復帰しようとして、大きく曲折してしまうことがある。その様にアンカーテンドン3が曲折すると、自由長にグラウトが充填される際に、アンカーテンドン3における摩擦損失が大きくなり易い。
また、アンカーテンドン3を一体のテンドン材にまとめるために結束すると、図12で示すように、結束バンド5がアンボンドチューブ7を締め付けて、アンボンドチューブ7に凹凸が生じてしまうので、アンカーテンドン3における摩擦損失が大きくなり易い。
例えば、図13で示すように、結束バンド5により結束されると、アンボンドチューブ7が鋼より線10と接触してしまう場合があり、アンボンドチューブ7と接触した鋼より線10の伸びを阻害してしまう。
また、図14で示すように、複数本の鋼より線10が束ねられた場合には、半径方向内側の鋼より線10−I(図14でハッチングを付した鋼より線)の伸びは阻害されないが、半径方向外側の鋼より線10−O(図14でハッチングを付していない鋼より線)の伸びは阻害されてしまう。
そのため、同時に緊張したとしても、それぞれの鋼より線に作用する荷重(引張力)は均一となる可能性は低い。そのため、大容量の1本ものテンドンは、施工品質に問題ありと言わざるを得ない。
各々の鋼より線の自由長における摩擦損失が一様でないと、各鋼より線に均等な荷重(或いは、引張力)が導入されない。
「摩擦損失を低減する」ことは、緊張管理における伸び量が適正である、或いは、鋼より線において適正な量の伸びが発生する、と言う意味合いもある。ここで、アンカーが大容量の場合には、下式で示される有効な緊張力の効率を考慮すると、
拘束長部に伝達される有効な緊張力=緊張荷重−摩擦損失
摩擦損失を無視することはできなくなり、摩擦損失が1%単位で変化しても、経済性が大きく変化すると思われる。
グラウンドアンカーは堅固な地盤に定着される拘束長(図15における符号20)、アンカー緊張材の緊張力を伝達する自由長(図15における符号FL)、地上の固定しようとする定着部を支える定着頭部から構成される。
アンカー緊張材は概ね純粋なバネであり、一方に緊張力を与えた場合には、当該緊張力を与えた側とは反対側に、その緊張力を100%伝達することができる。しかしながら、アンカーの場合、定着頭部からアンカー緊張材に与えた力(緊張力)は、拘束長部に100%伝わる事は有り得ない。
通常、自由長FLにおいて、非直線状態のアンカー緊張材はグラウトによって拘束されており、 グラウト→アンボンドシース→グリス→緊張材 の順で、擬似的摩擦係数μを介して、拘束圧力Nが作用する。係る拘束圧力Nの作用によって、緊張力によるアンカー緊張材の自由長FLにおける伸びが阻害されると言う現象を、アンカーを施工する者は経験する。
図15において、ジャッキ40によって、アンカー緊張材3に緊張力P=100を付与する。
自由長FLには、 F=μ×N の摩擦抵抗力が発生しているため、鋼より線の緊張力Tは、
P=T+μN ・・・(式−1)
となり、 P>T の関係にある。
この場合、擬似的摩擦係数μは、その一部が、粘着力Φである可能性が存在する。
ここで、「抵抗部材」とは、定着くさびやアンカーヘッド32のくさび穴の様に、緊張力を阻害する可能性のある部材を意味している。
緊張力Pは、緊張力T1として、100%伝達していると思われるので、
P=T1 ・・・(式−2)
が成立する。ジャッキ40による緊張時において、荷重計Mが示す数値は、
P=T1=M ・・・(式−3)
に他ならない。
T2=T3+Fn ・・・(式―4)
ここで、Fnは任意の区間における摩擦抵抗力(=μN)である。
摩擦抵抗力Fn(=μN)は自由長FLにおける摩擦抵抗力であるため、拘束長20近傍が最も大きい。ジャッキ40による緊張時において、緊張力T2、T3は
T2>T3 ・・・(式−5)
が成立している。
定着した場合には、ジャッキ40は撤去され(図16においては、ジャッキ40を点線で示すことにより、ジャッキ40を撤去したことを表現している)、アンカー緊張材3はアンカーヘッド32に固定されている。
ジャッキ40を撤去したので緊張力P、T1は消滅している。
定着後は、緊張力T2によって(或いは、アンカー緊張材3の弾性反撥力或いは収縮力により)アンカーヘッド32を地中側に引き戻す方向に作用する緊張力が残る。
しかし、上記(式−5)は成立しない。
図16で示す定着後における摩擦抵抗力Fnが作用する方向は、定着前の状態(ジャッキ40で緊張:図15)とは逆方向になるので、図16の定着後は、上記(式−5)とは逆に、
T2<T3 ・・・(式−6)
となることが予想される。その場合、T2とT3は、
T2=T3−μN ・・・(式−7)
図15、図16で示すように、荷重計Mはアンカーヘッド32の直下に位置しているため、 T2=D ・・・(式−8)
ここで、Dは、荷重計Mが表示する数値(指示値)である。
図15で示す緊張中には、荷重計Mの指示値Dは、ジャッキ40の緊張力Pと同じである。しかし、定着した瞬間(アンカー緊張材3をアンカーヘッド32に固定した瞬間:図16)に、荷重計Mが表示する数値Dは、上記緊張力T2相当の値を示すことになる(式−8参照)。
近年、図15、図16で示すように荷重計を装着する施工事例が増加しており、上記した様に、ジャッキ40で緊張力Pを付与する緊張状態から、定着状態(アンカー緊張材3をアンカーヘッド32に固定して、ジャッキ40を撤去した状態)になった直後に、荷重計Mの指示値Dが急減する現象に突き当たる事が日常化していた。
特に、自由長における摩擦損失が大きいと、上記(式−7)(式−8)より、荷重計Mの指示値Dが非常に小さくなる。
しかし、定着状態になった直後に、何故、荷重計Mの指示値Dが急減するのかという理由については検討されないまま、工事が進められてしまう事が殆どであった。そして、定着状態になった直後に荷重計Mの指示値Dが急減する理由について言及する文献は存在せず、その対策については何等講じられていないのが現状である。
また、現在のグラウンドアンカーは12.7mm、あるいは15.2mmのPC鋼線を最大でも12本程度を束ねて、テンドンとして施工している。これ以上のテンドンも存在するが、施工管理に高度な熟練を必要とする。
現存のグラウンドアンカーのサイズは、削孔効率、人力による移動や修正の限界、緊張用ジャッキの製造コスト、施工時の取り扱いを考えた結果であり、合理的なサイズとしては限界でもある。
搬入に際しても、一般の大型トラック等によって、容易に施工現場まで搬入することが出来る。
一方、12.7mmの鋼より線60本から成るテンドンであれば、その総重量は、12.7mmの12本鋼より線のテンドンの約5倍の4t以上となってしまう。それに加えて、テンドンとしてのユニットに組み上げるためには、相当量のスペーサーや結束バンドを使用する必要があるので、当該スペーサー及び結束バンドの重量も付加される。そして当該スペーサー及び結束バンドの材質を樹脂にしたのでは、必要な強度を得ることが出来ないので、金属製にせざるを得ないので、スペーサー及び結束バンドの重量は非常に大きい数値となる。
さらに、工場で組み立てた場合には、施工現場への搬入が、多大な労力及びコストを必要とする作業になってしまう。
一方、12.7mmの鋼より線60本からなるアンカーを使用する場合には、1000tクラスのジャッキを使用する必要がある。1000tクラスのジャッキは、重量が3t以上になり、据付や撤去に際しては多大な労力を必要とする。
さらに、60本全てのPC鋼線を正確に緊張管理する事は、かなり困難である。
それに加えて、12.7mmの鋼より線60本からなるアンカーの容量は、12.7mmの12本の鋼より線からなるアンカーの5倍であるのに対して、12.7mmの鋼より線60本からなるアンカーを緊張するための緊張装置の規模は、12.7mmの12本の鋼より線からなるアンカーを緊張する装置の12倍以上であり、アンカーの容量と比例関係にはない。
すなわち、例えば12.7mmの鋼より線60本からなるアンカーの様な大容量のアンカーテンドンを1本のみ用いることは、問題が多い。
しかし、係る従来技術(特許文献1)はアンカー引き抜き力の向上を目的としており、上述した様な問題に対処するものではない。
P=T1=T3とするかが効率の高いアンカー工法の提供につながると言ってよい。
そのためには、図15、図16で示す緊張力T1、T3間に存在する摩擦損失成分F(=μN)を無くせばよいと理解できる。
発明者は、上述した知見に基いて、上記摩擦損失成分F(=μN)を激減させることが出来る技術を創作するに至った。
拘束長(20)と自由長(FL)の境界よりも地上側の位置で加圧パッカー(30)を膨張する工程と、
拘束長(20)と自由長(FL)の境界(拘束長20の上端20E)と加圧パッカー(30)との間の領域(G)に、グラウトホース(GL)を介してグラウト充填する工程と、
前記領域(G:拘束長20と自由長FLの境界20Eと加圧パッカー30との間の領域)のグラウトが十分に強度を得た後に、緊張用ジャッキ(油圧ジャッキ40)によりグラウンドアンカー(10)に緊張力を付与する工程と、
グラウンドアンカー(10)を定着具(アンカーヘッド32)に定着して、(緊張用ジャッキ40を撤去して、)自由長(FL)にグラウトを充填する工程を有することを特徴としている。
そのため、複数のグラウンドアンカー(10)は上端側(地上側)が下端側(地中側)に比較して開く様に配置し、アンカープレート(36A)の上面が、グラウンドアンカー(10)の各々と直交する様に形成されている(例えば、アンカープレート36Aの上面が、球面状に形成されている)のが好ましい。
そのため、大掛かりな装置や機械を使用すること無く、通常のサイズのジャッキ(40)でテンドンユニット(U)ごとに緊張管理を行うことが出来る。
多サイクル試験に対応できるだけの耐力を得た各テンドンユニット(U)に対して、自由長(FL)のグラウトに先立って、ジャッキ(40)で緊張すると、自由長(FL)におけるアンカー(10)は、アンボンドチューブ内のグリス粘性以外の抵抗を受けることなく、理論値に近似した伸び特性を示す。そして、ジャッキ(40)により付与された緊張力(P)に等しい導入力が、拘束部(アンカーヘッド32)へ伝達される。
特に深度の大きな(長い)アンカーでは、グラウトの自重だけでも相当な圧力となり、摩擦損失は急激に増大するので、拘束長(20)へ伝達される緊張力はきわめて小さかった。
それに対して、加圧パッカー(30)と拘束長(20)と自由長(FL)の境界(拘束長20の上端20E)の間の領域のみにグラウト充填されており、その他の自由長(FL)にはグラウトは充填されていない本発明では、自由長(FL)におけるグラウンドアンカー(10)には、グラウト材による摩擦抵抗(F=μN)が作用せず、ジャッキ(40)によりアンカーに付与された緊張力は、摩擦抵抗(F=μN)に消費されることなく、拘束長(20)に伝達されるのである。
そのため、荷重計Mの信頼性を損なうことも防止される。
そして、アンカープレート(36A)の面積を大きくしなくても、ジャッキ(40)を設置することが出来るため、グラウンドアンカー(複数の鋼より線のグループ10−1〜10−3)の上端を支持する構成をコンパクトにすることが可能である。
図1において、アンカーテンドンを構成する鋼より線10が、ボーリング孔12中に挿入されている。鋼より線10の下方は、拘束長20を構成している。
拘束長20の上端20Eから地上部分GLの間の符号FLで示す部分は自由長である。
図1、図3〜図7では、図示の簡略化のため、鋼より線10は1本のみ示している。換言すれば、図1、図3〜図7では図示の簡略化のため1本のグラウンドアンカーのみが図示されており、図1、図3〜図7を参照した説明では、当該グラウンドアンカーが「鋼より線10」と標記されている。
図1で示す状態では、加圧保持パッカー30は加圧流体ライン(図示せず)を介して加圧流体が供給されて膨張しており、ボーリング孔12の内壁を押圧して、隔壁を構成している。
図1において、拘束長20の上端20Eから加圧保持バッカー30の下端までの距離は、符号Lで示されている。
明確には図示されていないが、3ユニット〜10ユニット程度のグラウンドアンカーユニットUは、1本のボーリング孔12内に、セパレータ(図示せず)により間隔を保持した状態で仕切られて、挿入されている。
そして、加圧保持パッカー30が設けられている鋼より線10を包含するユニットの中央には、グラウト供給ラインLGが配置されている。図3を参照して後述するが、グラウト供給ラインLGを介して、図3において符号Gで示されている領域に加圧グラウトを行なう。
なお、図2では5本の鋼より線10と加圧保持パッカー30が設けられているが、あくまでも例示であり、鋼より線10を包含するユニット数が5ユニットに限定される趣旨ではない。
図3において、加圧グラウトが行なわれる領域、すなわち、自由長FLにおける加圧保持バッカー30よりも下方の領域、或いは、拘束長20の上端20Eから加圧保持バッカー30の下端までの領域(長さLで示す領域)は符号Gで示されている。
図3において、加圧グラウトが行なわれた領域Gは、拘束長20とは逆方向のハッチングを付して示されている。
その際に、自由長FLに全くグラウト材が充填されていなければ、図4で示すように、拘束長20の上端20E、換言すれば、自由長さ部分FLに全くグラウト材が充填されていない場合における拘束長20と自由長FLの境界部分に、最大の応力が作用する。
図4では、自由長FLに全くグラウト材が充填されていない状態において、拘束長20に作用する応力σの分布を模式的に示している。図4及び図5において、符号Lσで示す矢印方向は、対応する拘束長20に作用する引張応力σの数値を示している。
亀裂が発生すると、応力集中によりしきい値SLを超える応力が亀裂の先端に作用するため、応力のピークが矢印R方向に進行し、それと共に、亀裂も矢印R方向に進展することになる。そして、最終的には、亀裂が拘束長20の垂直方向全域に進展して、拘束長20が地中に固定される力が喪失して、最悪の場合には、拘束長20が地上側に引き出されてしまう。
ここで、加圧グラウト領域Gの上端部(或いは、パッカー30と加圧グラウト領域Gの境界部分)に応力集中が発生して亀裂が生じたとしても、当該亀裂の長さをKL、安全率をSとした場合に、加圧グラウト領域Gの長さLを L≧KL×S となる様に設定することにより、当該亀裂が拘束長20まで進展することを防止出来る。
すなわち、図3で示す様に、加圧保持バッカー30よりも下方の領域に加圧グラウトを施すことにより、鋼より線10に引張力P(図6参照)を作用しても、拘束長20が地中に固定される力が喪失してしまう事態が防止される。
図6で示す状態では、従来技術とは異なり、自由長FLには、加圧保持バッカー30下方の加圧グラウト領域Gを除き、グラウト材が充填されていない。そのため、自由長FLにおけるグラウト材と鋼より線10の摩擦抵抗は殆ど存在しない。
従って、油圧ジャッキ40で引張力Pを鋼より線10に作用すれば、引張力Pの大部分が拘束長20に作用し、引張力Pの分だけ鋼より線10に伸びが生じる。
なお、図6、図7において、符号Mは荷重計を示している。
そして図7で示す状態で、自由長FLに充填グラウトを施工する。これにより、アンカー施工が完了する。
なお図7において、符号34は、鋼より線10をアンカーヘッド32に固定するための固定部材(フレシネー)を示している。
図6の工程で油圧ジャッキ40により付加された引張力Pがほとんど損失せずに鋼より線10に作用して、鋼より線10に伸びが生じるので、鋼より線10をアンカーヘッド32に固定して、油圧ジャッキ40を撤去すれば、伸びた鋼より線10が元に戻ろうとする収縮力がアンカーヘッド32に作用するからである。
従って、荷重計Mの信頼、アンカー施工に対する信頼が損なわれてしまう恐れも生じない。
そのため、図示の実施形態では、例えば、既存のグラウンドアンカーEHD永久アンカー5−7、5−12(弘和産業株式会社販売のアンカーの商品名)のような1ユニット当り770kNから1320kN程度の、高水密性を有する堅牢で細径のグラウンドアンカー(以下、グラウンドアンカーを、「鋼より線のグループ」或いは「グループ」と標記することがある)を必要荷重分だけ、複数本用いている。
そして、複数本のグラウンドアンカー(分離した複数の鋼より線のグループ)の各々が、アンカープレート36、36A(図8〜図10参照)を貫通し、アンカーヘッド32で固定されて、例えばダム堤体1の上面1U(図11参照)等に固定されている。
上述した鋼より線のグループ或いはグラウンドアンカーであれば、径寸法は小さいので、比較的小型の油圧ジャッキ40で緊張力を付与することが出来る。
複数の鋼より線のグループに対して複数の油圧ジャッキ40により引張力Pを付加する状態が、図8で示されている。図8では、3つの鋼より線のグループ10−1、10−2、10−3が示されている。
図8ではグループ10−1についてのみ油圧ジャッキ40を設置しているが、図8を見れば明らかなように、隣接するグループ10−2、10−3について油圧ジャッキを設置すれば、図8で示す油圧ジャッキ40と干渉してしまう。そのため、ボーリング孔12の内径とアンカープレート36を大きくして、隣接する油圧ジャッキ40が干渉しない様に設定する必要があり、鋼より線10上端を支持する構成をコンパクトにすることが難しい場合がある。
図9、図10において、鋼より線のグループ10−1、10−2、10−3は、下方のグラウト施工領域Gの部分(図9の下側)に比較して、地上側(図9の上側)が広がっている。ここで、鋼より線のグループ10−1、10−2、10−3は、ボーリング孔12内において、セパレータ(図示せず)により間隔を保持した状態で仕切られて、挿入されている。
図9において、隣接するグループ間の角度(図9ではグループ10−2と10−3が形成する角度:分割部分の開き角)θは、5°未満にすることが好ましい。係る角度θは、隣接する油圧ジャッキ40が干渉しない様に設定される。
アンカープレート36A上面が球面に形成されているのは、アンカーブレート36Aの面積を大きくすることなく、隣接する油圧ジャッキ40同士を干渉せずに配置するためである。
なお、隣接する油圧ジャッキ40同士を干渉せずに配置できるのであれば、アンカープレート36A上面を、ダム堤体1の上面1U(図11参照)に対して角度θ(図9ではグループ10−2と10−3が形成する角度:分割部分の開き角)だけ傾斜した円錐表面形状としても良い。
なお、図示の実施形態は、ダム提体補強アンカーに代表されるような大荷重鉛直アンカーについて適用されるのが好ましい。そして、例えばグラウンドアンカーとしては、市販品(例えば、弘和産業株式会社販売の「EHD永久アンカー5−7、5−12」)であって、1ユニット当り770kNから1320kN程度の高水密性を有する堅牢で細径のグラウンドアンカーを必要荷重分だけ用いることが好適である。
3・・・アンカーテンドン
5・・・結束バンド
7・・・アンボンドチューブ
10・・・鋼より線
12・・・ボーリング孔
20・・・拘束長
20E・・・拘束長上端
30・・・加圧保持バッカー
32・・・アンカーヘッド
34・・・固定部材
36、36A・・・アンカープレート
40・・・油圧ジャッキ
FL・・・自由長
G・・・加圧グラウト領域
L・・・加圧グラウト領域の垂直方向長さ
LG・・・グラウト供給ライン
M・・・荷重計
U・・・グラウンドアンカーユニット
Claims (1)
- 複数の細径のグラウンドアンカー各々と加圧パッカーによりグラウンドアンカーユニットを構成し、複数のグラウンドアンカーユニットと1本のグラウトホースをボーリング孔に挿入する工程を有し、当該挿入する工程では、複数のグラウンドアンカーユニットはセパレータにより仕切られた状態で挿入され、
拘束長と自由長の境界よりも地上側の位置で加圧パッカーを膨張する工程と、
拘束長と自由長の境界と加圧パッカーとの間の領域に、グラウトホースを介してグラウト充填する工程と、
前記領域のグラウトが十分に強度を得た後に、緊張用ジャッキによりグラウンドアンカーに緊張力を付与する工程と、
グラウンドアンカーを定着具に定着して、自由長にグラウトを充填する工程を有することを特徴とするアンカー工法。
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