JP2012113315A - 半導電性部材の製造方法及び無端ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む樹脂溶液にカーボンブラックを分散したカーボンブラック分散液及びカーボンブラックを含まない粘度調整液を混合して半導電性塗料を作製する工程と、該半導電性塗料を塗布して半導電性部材を成形する工程と、を含む半導電性部材の製造方法であって、粘度が1〜20Pa・sの範囲の樹脂溶液にカーボンブラックを分散させて前記カーボンブラック分散液を調製し、該カーボンブラック分散液と前記樹脂溶液より粘度の高い粘度調整液とを混合して前記半導電性塗料を作製することを特徴とする半導電性部材の製造方法。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、所望の電気抵抗値を有する半導電性部材を得るための半導電性塗料を効率的に調製することができ、製造工程への負荷を低減することができると共に、電気抵抗値の均一な半導電性部材を安定して得ることができる半導電性部材の製造方法及びそれを用いた無端ベルトを提供することを目的とする。
<1> 少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む樹脂溶液にカーボンブラックを分散したカーボンブラック分散液及びカーボンブラックを含まない粘度調整液を混合して半導電性塗料を作製する工程と、該半導電性塗料を塗布して半導電性部材を成形する工程と、を含む半導電性部材の製造方法であって、
粘度が1〜20Pa・sの範囲の樹脂溶液にカーボンブラックを分散させて前記カーボンブラック分散液を調製し、該カーボンブラック分散液と前記樹脂溶液より粘度の高い粘度調整液とを混合して前記半導電性塗料を作製する半導電性部材の製造方法である。
<2> 前記粘度調整液は少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む<1>に記載の半導電性部材の製造方法である。
<半導電性部材の製造方法>
本発明の第1の半導電性部材の製造方法(以下、「第1の本発明」と称する)は、少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む樹脂溶液にカーボンブラックを分散したカーボンブラック分散液及びカーボンブラックを含まない粘度調整液を混合して半導電性塗料を作製する工程と、該半導電性塗料を塗布して半導電性部材を成形する工程と、を含む半導電性部材の製造方法であって、粘度が1〜20Pa・sの範囲の樹脂溶液にカーボンブラックを分散させて前記カーボンブラック分散液を調製し、該カーボンブラック分散液と前記樹脂溶液より粘度の高い粘度調整液とを混合して前記半導電性塗料を作製することを特徴とする。
以下、第1〜第2の本発明について、各々説明する。
前記のように、第1の本発明に係る半導電性部材の製造方法は、カーボンブラック分散液と粘度調整液とを混合して半導電性塗料を作製する工程と、該半導電性塗料を塗布して半導電性部材を成形する工程とを含むものである。第1の本発明においては、上記カーボンブラック分散液を粘度が1〜20Pa・sの範囲の樹脂溶液を用いて分散を行うことにより調製し、これに前記樹脂溶液より高粘度の粘度調整液を混合することにより、半導電性塗料を作製する。
まず、本発明におけるカーボンブラック分散液について説明する。
カーボンブラック分散液は樹脂溶液に所定量のカーボンブラックを混合し、分散機にて分散することにより調製される。樹脂溶液に用いられる樹脂としては、特に制限されないが、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等から選択することができる。
なお、本発明においては、前記各種樹脂を溶剤に溶解して樹脂溶液を調製するが、該樹脂溶液としては、高分子量化した樹脂を溶解した溶液だけでなく、後述するポリイミド前駆体溶液のように、反応して樹脂になる樹脂前駆体の溶液も含まれる。
PI樹脂はその前駆体を加熱反応して得る。PI前駆体であるポリアミド酸溶液は、テトラカルボン酸の無水物とジアミンとから合成される。テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及びこれらの混合物が挙げられる、ジアミンとしては、例えば、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
粘度が1Pa・s未満の場合、カーボンブラックのブラウン運動が起こりやすいために、粒子の結合による再凝集が起きやすい。また、粘度が20Pa・sを越える場合、溶液の流動性が低下するために、分散時の圧力をさらに高くしなくてはならなくなったり、分散により多くの時間を要するようになり、通過回数を増やさなくてはならなくなったりする。
なお、カーボンブラックの数平均粒子径は、例えば大塚電子製の動的光散乱式測定器PAR−IIIを用いて測定できる。測定条件は、clock rate:100μs、accumulate time:10回、correlate ch:128、温度:20℃、溶媒:N−メチルピロロドンである。
本発明においては、分散方法としてメディアを使用しない衝突型分散機を用いるのが好適である。衝突型分散機とは、2つ以上に分割した溶液を衝突させて分散する分散機であり、上記溶液として、樹脂溶液とカーボンブラックとを混合したカーボンブラック混合液を用いる。
なお、分散後の溶液粘度は、微細に分散されたカーボンブラックが加わることにより分散前の粘度より上昇し、3〜30Pa・sになることがある。
本工程では、作製した半導電性塗料を金属等の基体に塗布して、必要により乾燥、熱処理等を行って半導電性部材を成形する工程である。
以下、本発明の半導電性部材が好ましく用いられる無端ベルトの成形を例にとって説明する。
図2は、塗布中の塗布装置の概略断面図である。但し、塗布主要部のみを示し、円筒状芯体の昇降手段などの周辺部は省略した。なお、本明細書において、「円筒状芯体上に塗布する」とは、円筒状芯体の表面及び該表面に層を有する場合はその層上に塗液を塗布する意味である。また、「円筒状芯体を上昇」とは液面との相対関係であり、「円筒状芯体を停止し、塗布液面を下降」させる場合を含む。
また、好ましい表面抵抗率は1×108Ω/□〜1×1015Ω/□の範囲、より好ましくは1×1010Ω/□〜1×1013Ω/□の範囲であり、さらに好ましくは1×1011Ω/□〜1×1012Ω/□の範囲である。
表面抵抗率または体積抵抗率が低すぎると、例えば、転写部材として用いる場合に転写時に電流が流れすぎて転写画像が乱れることがあり、一方、表面抵抗率または体積抵抗率が高すぎると、転写電流が流れないために転写できなくなることがある。
ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I) ・・・ 式(1)
ρv=19.6×(V/I)×t ・・・ 式(2)
第2の本発明に係る半導電性部材の製造方法は、前記第1の本発明の要件を満たし、更に第1の本発明と同様の工程を含み、半導電性塗料を作製する工程において、予め、前記カーボンブラック分散液及びカーボンブラックを含まない抵抗調整液の混合比の異なる2種以上の試験塗料を作製し、該試験塗料を用いて各々抵抗確認部材を成形し、該各々の抵抗確認部材の抵抗値から前記半導電性塗料におけるカーボンブラック分散液及び抵抗調整液の混合比を決定するものである。
ここで、上記抵抗確認部材の抵抗値とは、表面抵抗率または体積抵抗率のいずれかを意味する。以下同様である。
第2の本発明におけるカーボンブラック分散液、抵抗調整液に用いられる好ましい材料は、第1の本発明において説明したカーボンブラック分散液、粘度調整液に各々好ましく用いられるものと同様であり、また、カーボンブラック分散液における樹脂とカーボンブラックとの比率も同様である。
すなわち、塗料中のカーボンブラック含有量と該塗料から成形される部材の表面抵抗率は比例関係にあるため、図5の抵抗調整液の混合比と部材の表面抵抗率との関係に示すように、抵抗調整液の混合比と部材の表面抵抗率との関係も比例関係となる。したがって、所望の抵抗値を跨るように任意の混合比P、Qの試験塗料を調整しそれらの部材としての表面抵抗率を確認すれば、比例計算により最適混合比Rを決定することができる。
テストピースの面積は50mm×200mm程度、厚みは2〜10mm程度とすることが好ましい。
円筒状のテストピースの場合、簡便な塗布方法として、図8に示すように、試験塗料26を付着させた金属等の円柱基体20を回転させてこれに掻き取り棒を押し当てて塗布する方法が採用できる。その際、所望の膜厚を得るには、例えば円柱基体20表面の両端部に所望の厚さの粘着テープ22を巻いて、円柱基体20の表面から段差を持たせ、その間隙に試験溶液26を付着させ、円柱基体20を回転させて掻き取り棒を押し当てて掻きとることが好ましい。
この場合の円柱基体20の外径は30〜80mm、長さは100〜500mmとするこが好ましく、また、テストピースの厚みは1〜5mm程度とすることが好ましい。
上記半導電性部材を成形する工程と同じ条件としては、第1の本発明において無端ベルトの加熱処理条件として例示した条件が好ましい。
上記のようにして作製した半導電性塗料を用いて半導電性部材を成形する工程の詳細は、第1の本発明において説明した内容と同様である。第2の本発明により製造された半導電性部材は、前述の好ましい表面抵抗率、体積抵抗率の範囲において所望の抵抗値に精度よく制御されたものであり、また、第1の本発明のように調製したカーボンブラック分散液を用いれば、同様に使用前後での表面抵抗率の変化量が少ないものとして製造することができる。
本発明の無端ベルトは、前記各製造方法により作製される半導電性部材を用いてなる。無端ベルトを構成する好ましい材料、好ましい製造方法は前述の通りである。無端ベルトの厚さは、75〜85μmの範囲であることが好ましい。
CTLはヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物などの電荷輸送剤を、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステルなどのバインダー樹脂と混合して塗布される。
CGLの膜厚は、0.05〜1μm程度、CTLの膜厚は、15〜40μm程度が一般的である。上記各層の形成は、環状塗布法や他の公知の方法で行ってよい。各層形成の際、特開2003−337434号公報開示のように、芯体上の無端ベルトを取り外さない状態で各層を塗布し、全てができた後に芯体から取り外すのがよい。
<各特性の測定方法>
まず、下記の実施例等において用いた特性測定方法について説明する。
(カーボンブラックの数平均粒子径)
各例において、ポリアミド酸ワニスにカーボンブラックを分散した分散液について、大塚電子製の動的光散乱式測定器PAR−IIIを用いて測定を行った。測定条件はclock rate:100μs、accumulate time:10回、correlate ch:128、温度:20℃、溶媒:NMPである。このときの個数基準平均粒子径のメジアン値を数平均粒子径とした。
表面抵抗率の測定は、図3に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ、円柱状電極部Cの外径:16mm、リング状電極部Dの内径:30mm、外径:40mm)を用い、電圧100Vを印加し、10秒後の電流値を求めて算出した。
体積抵抗率の測定は、図4に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ、円柱状電極部Cの外径:16mm、リング状電極部Dの内径:30mm、外径:40mm)を用い、電圧100Vを印加し、30秒後の電流値を求めて算出した。
<実施例1−1>
低粘度ワニス(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとが等モル含まれるポリアミド酸のNMP溶液で、イミド転化後の固形分率が18質量%、粘度が5Pa・s)100質量部に、カーボンブラック(Degussa製、SpecialBlack4、pH:3、揮発分:14質量%)を14.4質量部添加して混合しカーボンブラック混合液とし、衝突型分散機であるジーナス製「Geanus PY、衝突部の最小部断面積0.032mm2」を用い、圧力を200MPaで前記カーボンブラック混合液を2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて分散した。分散に要した時間は、12時間であった。次いで、目開き25μmのステンレス焼結フィルターを用いてろ過し、粗大粒子物類を除去し、カーボンブラック分散液を得た。分散液の収率は93%であった。
この半導電性塗料の特性を表1に示す。
結果を表1に示す。なお、この変化量(常用対数値)が±0.8logΩを越えると転写時の濃度ムラとなる。
低粘度ワニス(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが等モル含まれるポリアミド酸のNMP溶液で、イミド転化後の固形分率が18質量%、粘度が20Pa・s)100質量部に、カーボンブラック(Degussa製SpecialBlack4、pH:3、揮発分:14質量%)を11.2質量部添加し、衝突型分散機であるジーナス製「Geanus PY、衝突部の最小部断面積0.032mm2」を用い、圧力を200MPaで溶液を2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて分散した。分散に要した時間は、12時間であった。次いで、目開き25μmのステンレス焼結フィルターを用いてろ過し、粗大粒子物類を除去し、カーボンブラック分散液を得た。
低粘度ワニス(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを等モル含むポリアミド酸のNMP溶液で、イミド転化後の固形分率が18質量%、粘度が35Pa・s)100質量部に、カーボンブラック(Degussa製SpecialBlack4、pH:3、揮発分:14質量%)を5.6質量部添加し、衝突型分散機であるジーナス製「Geanus PY、衝突部の最小部断面積0.032mm2」を用い、圧力を200MPaで溶液を2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて分散した。分散に要した時間は、14時間であった。次いで、目開き25μmのステンレス焼結フィルターを用いてろ過し、粗大粒子物類を除去し、カーボンブラック分散液を得た。
カーボンブラック分散液の特性と無端ベルトの初期抵抗値、表面抵抗率変化量(常用対数値)をまとめて表1に示す。
低粘度ワニス(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを等モル含むポリアミド酸のNMP溶液で、イミド転化後の固形分率が18質量%、粘度が35Pa・s)100質量部に、カーボンブラック(Degussa製SpecialBlack4、pH:3、揮発分:14質量%)を11.2質量部添加し、衝突型分散機であるジーナス製「Geanus PY、衝突部の最小部断面積0.032mm2」を用い、圧力を200MPaで溶液を2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて分散した。分散に要した時間は、35時間であった。次いで、目開き25μmのステンレス焼結フィルターを用いてろ過し、粗大粒子物類を除去してカーボンブラック分散液を得た。
半導電性塗料の特性、無端ベルトの初期抵抗値、表面抵抗率変化量をまとめて表1に示す。
実施例1において使用したものと同一の低粘度ワニス及びカーボンブラックを用い、低粘度ワニス100質量部にカーボンブラックを14質量部添加したものを、横型サンドミル(Dyno社製、Dynomill KDL)に直径2mmのジルコニアビーズを内容積の約60体積%充填し、直径90mmの攪拌羽を回転数1592rpmで回転させたところへ5回通して分散を行った。分散時間は12時間であった。次いで、目開き25μmのステンレス焼結フィルターを用いてろ過し、粗大粒子物類を除去し、カーボンブラック分散液を得た。分散液の収率は78%であった。
半導電性塗料の特性、無端ベルトの初期抵抗値、表面抵抗率変化量(常用対数値)をまとめて表1に示す。なお、表1において「分散時間」とは最終的な塗料100質量部あたりの分散時間として換算したものである。また、CBとはカーボンブラックの略である。
<実施例2−1>
まず、実施例1−1と同様にして、カーボンブラック分散液を作製した。このカーボンブラック分散液100質量部に、抵抗調整液としてカーボンブラックを含まないワニス(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを等モル含むポリアミド酸のNMP溶液で、イミド転化後の固形分率が18質量%、粘度が140Pa・s)を各々141.9質量部、156.2質量部の混合比で混合し、脱泡して、試験塗料を2種作製した。
この半導電性塗料を用いて、実施例1−1と同様にして円筒状の半導電性部材を作製し、室温に冷えた後、皮膜を円筒状芯体から抜き取り、無端ベルトを得た。この方法で同じ塗布液から20本の無端ベルトを作製して、表面抵抗率の平均を求めた。
それらの各々の決定された混合比、半導電性部材の表面抵抗率の平均値の結果をまとめて表2に示した。
実施例2−1において、半導電性塗料の作製を抵抗確認部材の作製を行わずに、カーボンブラック分散液100質量部に対して抵抗調整液を実施例2−1における5回の分散の平均混合比である144.0質量部として塗料を作製し、同様に無端ベルトを作製して表面抵抗率の測定を行った。
同様のカーボンブラック分散から無端ベルト作製及び表面抵抗率測定までを計5回繰返した。各々の半導電性部材の表面抵抗率の平均値の結果をまとめて表3に示した。
芯体として、外径30mm、長さ400mmのアルミニウム管を用意し、球形アルミナ粒子によるブラスト処理により、表面をRa:0.3μmに粗面化した。その表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、250℃で1時間、焼き付け処理した。次いで、芯体1を図2に示すように、環状塗布槽7に通し、その下にも他の芯体1’を取り付けた。
この条件では、250℃に2時間10分、300℃以上の温度に1時間15分、置かれている。なお、380℃というのは後述するPFAが焼成できる温度である。
参考例1において、PI樹脂の加熱条件として、図12のホに示すように、380℃まで1時間で上昇させ、次に380℃に40分間保持した後、1時間20分かけて常温に戻した。この条件では、250℃に1時間30分、300℃以上の温度に1時間15分、置かれていることになり、250℃での時間が不足である。実施例1と同様にしてMIT試験機にて破断が起こるまでの屈曲回数を測定したところ、最大値1200回、最小値750回、平均値940回という結果であった。
実施例1と同様にして、円筒状芯体に塗膜を形成した。次いで、3分以内に芯体の軸方向を水平にし、6rpmで回転させながら、140℃で30分間乾燥した。乾燥機内では、熱風が上方から約5m/sの速度で吹き降りて芯体に当たっている。
また、無端ベルトを切り開いた後、体積抵抗を細かく測定した結果を図14に示す。図の横軸は無端ベルトの周方向の位置、縦軸は無端ベルトの軸方向の位置を示し、目盛は任意座標であり、図中の数値は体積抵抗の指数を示す。この結果によれば、体積抵抗は109.1〜109.4Ωcmの範囲であり、ばらつきは小さかった。
この無端ベルトは電子写真用転写ベルトとして使用することができ、直径20mmのロールに張架して、A4用紙5万枚の通紙耐久試験を行っても、転写ベルトは何ら支障なく使用することができた。
参考例3において、イミド化の加熱条件として、常温から300℃まで2時間で上昇させ、300℃に30分間保持し、常温まで1時間40分で冷却した。この場合、250℃に1時間、300℃に30分間置かれたことになる。他は同様にして無端ベルトを作製し、実施例2と同様に破断が起こるまでの屈曲回数を測定したところ、最大値1100回、最小値700回、平均値850回という結果であった。
この無端ベルトを直径20mmのロールに張架して電子写真用転写ベルトとして使用した場合、A4用紙の通紙耐久試験を行うと、約2万枚で転写ベルトは端部から破断が生じ、耐久性は不足する結果であった。
Claims (5)
- 少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む樹脂溶液にカーボンブラックを分散したカーボンブラック分散液及びカーボンブラックを含まない粘度調整液を混合して半導電性塗料を作製する工程と、該半導電性塗料を塗布して半導電性部材を成形する工程と、を含む半導電性部材の製造方法であって、
粘度が1〜20Pa・sの範囲の樹脂溶液にカーボンブラックを分散させて前記カーボンブラック分散液を調製し、該カーボンブラック分散液と前記樹脂溶液より粘度の高い粘度調整液とを混合して前記半導電性塗料を作製することを特徴とする半導電性部材の製造方法。 - 前記粘度調整液は少なくとも樹脂または樹脂前駆体を含む請求項1に記載の半導電性部材の製造方法。
- 前記カーボンブラックの分散を、2つ以上に分割したカーボンブラック混合液を、150MPa以上の圧力で衝突させて行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導電性部材の製造方法。
- 予め、前記カーボンブラック分散液及び前記粘度調整液の混合比の異なる2種以上の試験塗料を調製し、該試験塗料を用いて各々抵抗確認部材を成形し、該各々の抵抗確認部材の抵抗値から前記半導電性塗料におけるカーボンブラック分散液及び粘度調整液の混合比を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導電性部材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導電性部材の製造方法により得られる半導電性部材を用いたことを特徴とする無端ベルト。
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