JP2012112804A - 原子力発電所の冷却設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全性を損なうことなく、海水系保全作業を迅速に完了可能な原子力発電所の冷却設備を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかる原子力発電所の冷却設備122は、各号機の海水熱交換器建屋108a〜108dまたは屋外海水ポンプピット109a〜109dに、それぞれ、RCW系160a〜160dのRCW熱交換器162a〜162dと、EECW系182a〜182dのEECW熱交換器184a〜184dと、SW系146a〜146dのSWポンプと、RHRS系のRHRSポンプとを備える。さらに、屋外海水ポンプピット109a〜109dのうち少なくとも2つに、海水を汲み上げる追加SWポンプ154a、154が設置される。そして、各号機それぞれのRCW熱交換器162a〜162dに、追加SWポンプ154a、154bが連絡配管156によって接続される。
【選択図】図4

Description

本発明は、原子力発電所の冷却設備に関し、より詳細には海水を取り入れて冷却する設備に関する。
原子力発電所では、電気事業法第五四条にもとづき、定期検査(以下、「定検」と称する)が実施されている。定検では複数の作業が並行して実施されるが、以前は100日程度の期間がかかることが多かった。しかし、近年では技術進歩により、安全性を充分に確保しつつ、その期間が短縮されてきている。定検のために原子炉を停止させている期間が短いほど、発電所の設備利用率が向上されるが、さらなる定検の短縮が望まれている。
特許文献1に例示されるように、原子力発電所では、カーテンウォール内側の取水口(入江部)から、スクリーン設備が備えられた取水路を介して海水を取り入れている。具体的には、特許文献2では海水ポンプ収納建屋にて取水路を通過してきた海水をポンプで汲み上げ、冷熱源として利用している。
特許文献3に記載されているように、スクリーン設備、取水路、海水熱交換器建屋および屋外海水ポンプピットの機器や配管の保全作業(以下「海水系保全作業」と称する)も、定検に含まれている。かかる海水系保全作業に際しては、角落としにより対象部分を外洋から隔離して実施する必要がある。その一方で、原子炉停止中も燃料の崩壊熱を除去(冷却)し続けたり、非常用ディーゼル発電機冷却器の冷却能力を確保したりする必要がある。
これより、例えば、補助冷却海水系ポンプのA系、B系、C系3つ全てを外洋から隔離することができなかった(いずれかを運転させておく必要があった)。そのため、従来、対象部分の一部を(対象部分の半分程度を)外洋から隔離して、運転系列を切り替えて海水系保全作業を実施していた。
特開平9−54190号公報 特開平8−179089号公報 特開平11−202088号公報
上述したように、今後さらなる定検の短縮が望まれている。その一環として海水系保全作業も短縮が望まれているが、現状においては、もはや人的資源の投入量と個々の作業の効率化は限界近くまで来ており、これ以上の大幅な短縮は難しくなっている。そのため、海水系保全作業を飛躍的に短縮する画期的な技術が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、安全性を損なうことなく、海水系保全作業を迅速に完了可能な原子力発電所の冷却設備を提供し、定検の短縮に寄与することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、角落としにより対象部分全てを外洋から隔離し、対象部分の海水系保全作業を全体同時に進行できれば、その期間を飛躍的に短縮できるのではないかと考えた。この場合、上記原子炉停止中の燃料の崩壊熱の除去(冷却)、あるいは非常用ディーゼル発電機冷却器の冷却能力の確保が問題となる。そこで、さらに検討を重ね、以下の本発明を完成するに至った。なお、以下では、冗長な記載を避けるために、各系統等を略称で記載する(略称の詳細については、実施形態中に記載する)。
本発明の代表的な構成は、それぞれが独立して稼動可能な複数の号機を備え、各号機の海水熱交換器建屋および屋外海水ポンプピットが近接して設置された原子力発電所の冷却設備であって、各号機の海水熱交換器建屋または屋外海水ポンプピットに、それぞれ、冷却水を循環させて原子炉建屋補機を冷却するRCW系のRCW熱交換器と、冷却水を循環させてD/G冷却器を冷却するEECW系のEECW熱交換器と、RCW熱交換器に冷却用の海水を供給するSW系のSWポンプと、EECW熱交換器に冷却用の海水を供給するRHRS系のRHRSポンプとを備え、さらに、各号機の屋外海水ポンプピットのうち少なくとも2つに、海水を汲み上げる追加SWポンプを備え、各号機それぞれのRCW熱交換器に、追加SWポンプが連絡配管によって接続されていて、いずれかの号機の角落とし時に、追加SWポンプを稼働させて、角落としした号機のRCW熱交換器に連絡配管を介して海水を供給し、その号機のRCW系に冷却水を循環させることを特徴とする。
かかる構成によれば、他の号機の追加SWポンプにより取り入れた海水を、連絡配管を通じて、角落しした号機のSW系に流入させることができる。これより、角落としにより対象部分全てを外洋から隔離し(いずれかのポンプ等を運転させる必要なく)、対象部分の海水系保全作業を全体同時に進行することができる。そのため、海水系保全作業を迅速に完了することができ、ひいては定検の短縮に寄与することが可能となる。
当該原子力発電所は、RCW熱交換器の冷却水出口側とEECW熱交換器の冷却水出口側とを結ぶ行き配管と、EECW熱交換器の冷却水入口側とRCW熱交換器の冷却水入口側とを結ぶ戻り配管と、をさらに備え、いずれかの号機の海水熱交換器建屋の角落とし時に、角落としした号機の行き配管と戻り配管を介してEECW系に冷却水を循環させてD/G冷却器を冷却すると好ましい。これにより、D/G冷却器の冷却能力を確保することができ、安全性を確実に確保可能である。
本発明によれば、安全性を損なうことなく、海水系保全作業を迅速に完了可能な原子力発電所の冷却設備を提供し、定検の短縮に寄与することが可能である。
本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備が適用される原子力発電所を例示する図である。 図1に示す原子力発電所の一号機並びに二号機の海水熱交換器建屋および屋外海水ポンプピットの拡大図である。 図1に示す原子力発電所の三号機並びに四号機の海水熱交換器建屋および屋外海水ポンプピットの拡大図である。 図1に示す原子力発電所の一号機および二号機の要部の構成を示すブロック図である。 図1に示す原子力発電所の三号機および四号機の要部の構成を示すブロック図である。 本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備を利用した定検時の工程を説明するガントチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
なお、本実施形態では、以下の略称を使用する。すなわち、CW(Circulating Water System)は、循環水系とする。SW(Auxiliary Sea Water System)系は、補助冷却海水系とする。TCW(Turbine Building Cooling Water System)系は、タービン建屋補機冷却系とする。RCW(Reactor Building Cooling Water System)系は、原子炉補機冷却系とする。PLR(Primary Loop Recirculation System)系は、原子炉再循環系とする。CUW(Clean Up Water System)系は、原子炉冷却材浄化系とする。FPC(Fuel Pool Cooling and Filtering System)系は、燃料プール冷却浄化系とする。EECW(Emergency Equipment Cooling Water System)系は、非常用ディーゼル補機冷却系とする。RHRS(Residual Heat Removal Sea Water System)系は、残留熱除去系海水系とする。RHRC(RHR intermediate Loop Closed Cooling Water System)系は、残留熱除去系中間ループ系とする。HPCSS(High Pressure Core Spray D/G Sea Water System)系は、高圧炉心スプレイ系ディーゼル補機海水系とする。HPCSC(HPCS D/G intermediate Loop Cooling Water System)系は、高圧炉心スプレイ系ディーゼル補機冷却中間ループ系とする。HVAC(Heating Ventilating Cooling Water System)系は、換気空調冷却系とする。IA(Instrument Air System)系は、計装用圧縮空気系とする。SA(Service Air System)系は、所内用空気圧縮系とする。Hx/B(Heat Exchanger Building)は、海水熱交換器建屋とする。D/G(Diesel Generator)は、非常用ディーゼル発電機とする。CRD(Control Rod Drive)は、制御棒駆動機構とする。M/C(Metal Clad Switch Gear)は、金属閉鎖配電盤(メタクラ)とする。PLR_MG(Motor Generator)セットはPLR電動機・発電機セットとし、RWSWポンプは廃棄物処理設備用海水ポンプとする。Hx(Heat Exchanger)は、熱交換器とする。なお、(A)はA系とし、(B)はB系とし、(C)はC系とし、(D)はD系とする。
図1は、本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備122が適用される原子力発電所100を例示する図である。図1に例示する原子力発電所100は、それぞれが独立して稼動可能な一号機102a、二号機102b、三号機102cおよび四号機102dを備えている。
一号機102aは、原子炉建屋104a、タービン建屋106a、海水熱交換器建屋108aおよび屋外海水ポンプピット109aを含む。同様に、二号機102bは原子炉建屋104b、タービン建屋106b、海水熱交換器建屋108bおよび屋外海水ポンプピット109bを含み、三号機102cは原子炉建屋104c、タービン建屋106c、海水熱交換器建屋108cおよび屋外海水ポンプピット109cを含み、四号機102dは原子炉建屋104d、タービン建屋106d、海水熱交換器建屋108dおよび屋外海水ポンプピット109dを含む。
ここで、各号機の海水熱交換器建屋108a〜108dおよび屋外海水ポンプピット109a〜109dは、近接して設置されている。これらは、取水口110から流入した取水開渠112内の海水を取り入れる役割を担う。冷熱源として利用された海水は、放水口116a、116bから排出される。
一号機102aおよび二号機102bには、共用設備として、コントロール建屋(制御建屋)118aおよびサービス建屋120aが設けられている。三号機102cおよび四号機102dには、共用設備として、コントロール建屋118bおよびサービス建屋120bが設けられている。
図2は、図1に示す原子力発電所100の一号機102a並びに二号機102bの海水熱交換器建屋108a、108bおよび屋外海水ポンプピット109a、109bの拡大図である。図3は、図1に示す原子力発電所100の三号機102c並びに四号機102dの海水熱交換器建屋108c、108dおよび屋外海水ポンプピット109c、109dの拡大図である。また、図4は、図1に示す原子力発電所100の一号機102aおよび二号機102bの要部の構成を示すブロック図であり、図5は、図1に示す原子力発電所100の三号機102cおよび四号機102dの要部の構成を示すブロック図である。なお、図2と図3、図4と図5は、図示の都合上分割したものであり、実際には連絡配管156は連続している(点Lにて連続している)。
図2、図3に示すように、一号機102a〜四号機102dの各屋外海水ポンプピット109a〜109dには、それぞれ、CW系のCWポンプ(A)124a〜124d、CWポンプ(B)126a〜126d、CWポンプ(C)128a〜128dが備えられる。CW系は主タービンに供給された水蒸気を凝縮・回収する復水器に冷却用の海水を供給する系統である。
各海水熱交換器建屋108a〜108dには、それぞれ、RHRS系のRHRSポンプ(A)130a〜130d、RHRSポンプ(B)132a〜132d、RHRSポンプ(C)134a〜134d、RHRSポンプ(D)136a〜136dが備えられる。RHRS系は、EECW系182a〜182dのEECW熱交換器184a〜184d(図4、図5参照)およびRHRC系熱交換器(不図示)に冷却用の海水を供給する系統である。すなわち、RHRSポンプ(A)130a〜130d、RHRSポンプ(B)132a〜132d、RHRSポンプ(C)134a〜134d、RHRSポンプ(D)136a〜136dは、EECW熱交換器184a〜184dに冷却用の海水を供給する。
各海水熱交換器建屋108a〜108dには、それぞれ、HPCSS系のHPCSSポンプ138a〜138dが備えられる。HPCSS系は、HPCSC系熱交換器(不図示)に海水を供給する系統である。HPCSC系は、HPCS用のD/GおよびD/G冷却器に冷却水を供給する系統である。
一号機102aおよび二号機102bの屋外海水ポンプピット109a、109b、並びに三号機102cおよび四号機102dの屋外海水ポンプピット109c、109dには、それぞれ、廃棄物処理建屋を循環する冷却水を供給するRWSWポンプ(A)140a、140b、RWSWポンプ(B)142a、142b、RWSWポンプ(C)144a、144bが備えられる。
詳細には、一号機102aおよび三号機102cの屋外海水ポンプピット109a、109cに、RWSWポンプ(A)140a、140b、RWSWポンプ(B)142a、142bが備えられる。二号機102bおよび四号機102dの屋外海水ポンプピット109b、109dに、RWSWポンプ(C)144a、144bが備えられる。通常運転時において、RWSWポンプ(A)140a、140b、RWSWポンプ(B)142a、142b、RWSWポンプ(C)144a、144bは、常用として2台が運転し、予備機として1台が待機する。
各屋外海水ポンプピット109a〜109dには、それぞれ、SW系146a〜146d(図4、図5参照)のSWポンプ(A)148a〜148d、SWポンプ(B)150a〜150d、SWポンプ(C)152a〜152dが備えられる。SW系146a〜146dは、RCW系160a〜160d、TCW系の冷却水を海水によって冷却する系統である。
すなわち、SWポンプ(A)148a〜148d、SWポンプ(B)150a〜150d、SWポンプ(C)152a〜152dは、2次冷却系のRCW熱交換器162a〜162d(図4、図5参照)に冷却用の海水を供給する。通常運転時において、SWポンプ(A)148a〜148d、SWポンプ(B)150a〜150d、SWポンプ(C)152a〜152dは、常用として2台が運転し、予備機として1台が待機する。
各号機の屋外海水ポンプピット109a〜109dは、定検の際に、取水路側114a〜114dが角落とし(角入れ)により、外洋から隔離される。そこで、本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備122では、各号機の屋外海水ポンプピット109a〜109dのうち少なくとも2つに海水を汲み上げる追加SWポンプ154a、154bを設置する。そして、各号機のSW系146a〜146dとこの追加SWポンプ154a、154bの吐出側とを連絡配管156で接続する。少なくとも、各SW系146a〜146dに連絡配管156が接続する箇所には、弁158a〜158dを設ける(図4、図5参照)。
なお、各号機とも屋外海水ポンプエリアは、一般に、機器や配管が密集しており、新規に追加SWポンプ154a、154bを設置するスペースを見つけることが難しい。しかし、本実施形態では廃棄物処理建屋が2つの号機ごとに共用であることから、二号機102b、四号機102dの屋外海水ポンプエリアにはRWSWポンプ(C)144a、144bが1個ずつしか設置されない。そのため、二号機102b、四号機102dの屋外海水ポンプエリアには若干スペースがあいており、好適に追加SWポンプ154a、154bを設置することができる。
図4、図5に示すように、連絡配管156は、各海水熱交換器建屋108a〜108dの二次冷却系のRCW熱交換器162a〜162dに、各SW系146a〜146dを介して接続されている。すなわち、追加SWポンプ154a、154bにより、連絡配管156を介して取り入れられた海水は、RCW系160a〜160dの2次冷却系のRCW熱交換器(RCW−2Hx)162a〜162dに供給される。RCW系160a〜160dは、冷却水を循環させて、主に原子炉建屋104a〜104dにある原子炉建屋補機(ポンプ軸受、熱交換器等)を冷却する系統である。
二次冷却系のRCW熱交換器162a〜162dは、FPC熱交換器164a〜164d、IA・SA冷却器166a〜166d、HVAC冷凍機168a〜168d、CRD油冷却器170a〜170d等を冷却する役割を担う。定検の際には熱負荷対象外であるが、通常運転時には、さらに、PLR_MGセット冷却器172a〜172d、PLRポンプ電動機冷却器174a〜174d、一次冷却系のRCW熱交換器176a〜176d等を冷却する役割を果たす。一次冷却系のRCW熱交換器(RCW−1Hx)176a〜176dは、通常運転時には、CUW熱交換器178a〜178d、PLRポンプ冷却器180a〜180d等を冷却する役割を果たす。
本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備122では、RCW熱交換器162a〜162dの冷却水出口側とEECW熱交換器184a〜184dの冷却水出口側とが、行き配管186a〜186dで結ばれている。また、EECW熱交換器184a〜184dの冷却水入口側とRCW熱交換器162a〜162dの冷却水入口側とが、戻り配管188a〜188dにより結ばれている。これにより、RCW系160a〜160dとEECW系182a〜182dとが接続されるため、冷却水を循環させてD/G冷却器190a〜190dおよびHx/B電気品室192a〜192d等を冷却するEECW系182a〜182dの性能を満足することができ、安全性を確実に確保可能である。
なお、行き配管186a〜186dには、それぞれ弁194a〜194dが設けられる。同様に、戻り配管188a〜188dにも、それぞれ弁196a〜196dが設けられる。これは、通常運転時において、常用の系統から非常用の系統を隔離しておく系統隔離の考えに基づくものであり(通常運転時には弁194a〜194d、196a〜196dを閉める)、安全性の基準に適合するためである。
上述した構成によれば、いずれかの号機で取水路側114a〜114dが角落とし(角入れ)し、冷却水源の海水が供給されない状態となっても追加SWポンプ154aもしくは154bを稼働させ、他の号機から角落としした号機のRCW熱交換器162a〜162dに連絡配管156を介して海水を供給し、RCW系160a〜160dに冷却水を循環させて補機を冷却することが可能である。また、角落としした号機では、その行き配管186a〜186dと戻り配管188a〜188dを介してEECW系182a〜182dにも冷却水が供給される。これにより、定検に際して、外部電源喪失時に全交流電源喪失とならないよう、D/G冷却器190a〜190dの冷却能力を確保可能である。なお、行き配管186a〜186d、戻り配管188a〜188dに換えて、EECW熱交換器184a〜184dを海水で冷却する配管を新設してもよい。
上記によれば、対象部分全てを外洋から隔離するように角落としを実施することができ(いずれかのSWポンプ等を運転させる必要がなく)、海水系保全作業を全体同時に進行することができる。よって、海水系保全作業を迅速に完了することができる。RCW系160a〜160d、EECW系182a〜182dの冷却能力は確保されるので、安全性も確実に確保される。
具体例として、次式に示されるように、主な冷却対象の総合熱量が11485×10kcal/hであるのに対し、二次冷却系のRCW熱交換器162a〜162dの交換熱量は13300×10kcal/hである。よって、1815×10kcal/h程度の余裕がある。なお、本実施形態のように他の号機から海水を引いてくるのではなく、新規にターボ冷凍機等の冷熱源を設置することも考えられる。しかし、このような場合、充分な冷却能力を確保するためにはその設置スペースが通常広大となる(試算では、約1440m)ため、既設の原子力発電所に適用するのは困難である。また、その電源供給元を確保するのも困難である。
Figure 2012112804
本実施形態の原子力発電所の冷却設備122では、運転中の他の号機のSWポンプ(A)148a〜148d、SWポンプ(B)150a〜150d、SWポンプ(C)152a〜152d(常用として2台が運転し、予備機として1台が待機)を利用することなく、追加SWポンプ154a、154bを設置するので、他の号機の安全性を低下させることもない。
図6は、本実施形態にかかる原子力発電所の冷却設備122を利用した定検時の工程を説明するガントチャートである。ここでは、1月7日〜3月2日までの55日間で定検を実施する場合の工程について例示している。なお、各工程の後の括弧内の数字はその工程に要する日数である。
図6に示すように、従来、例えば屋外海水ポンプピット109a〜109dの対象部分をまず南側だけ外洋から隔離し(南側角落)、その後、南側と入れ替えて北側を外洋から隔離し(北側角落)、それぞれ海水系保全作業を実施していた。海水系保全作業はクリティカル工程(定検期間を決定する作業を組み合わせた工程)ではないが、サブクリティカル工程(潜在的にクリティカル工程となり得る工程)となる可能性がある作業であった。
現状では、南側角落、北側角落に伴う海水系保全作業の期間が16日間しか確保できていなかった。点検方法をカートリッジ(入替点検)式にして24時間体制で作業を行っても、16日間で南側、北側の海水系保全作業を完了することはかなり難しく、海水系保全作業を飛躍的に短縮する画期的な技術が望まれていた。
上述した原子力発電所の冷却設備122によれば、南側、北側の両側を角落としして、海水系保全作業を全体同時に進行することができる。すなわち、全体で32日間の期間を確保できることから、作業期間設定にかなりの裕度を待たせることができる。例えば、労力を分散するために、南側と北側の角落としや角上げを別々に行う(両側の角落としや角上げをずらす)ような、充分余裕がある作業設定を組むことができる。また、クリティカル工程の短縮に伴い、海水系保全作業が定検全体の期間短縮の障害になることもなく、定検の短縮に寄与することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、原子力発電所の冷却設備、より詳細には海水を取り入れて冷却する設備として利用することができる。
100…原子力発電所、102a…一号機、102b…二号機、102c…三号機、102d…四号機、104a〜104d…原子炉建屋、106a〜106d…タービン建屋、108a〜108d…海水熱交換器建屋、109a〜109d…屋外海水ポンプピット、110…取水口、112…取水開渠、114a〜114d…取水路側、116a、116b…放水口、118a、118b…コントロール建屋、120a、120b…サービス建屋、122…原子力発電所の冷却設備、124a〜124d…CWポンプ(A)、126a〜126d…CWポンプ(B)、128a〜128d…CWポンプ(C)、130a〜130d…RHRSポンプ(A)、132a〜132d…RHRSポンプ(B)、134a〜134d…RHRSポンプ(C)、136a〜136d…RHRSポンプ(D)、138a〜138d…HPCSSポンプ、140a、140b…RWSWポンプ(A)、142a、142b…RWSWポンプ(B)、144a、144b…RWSWポンプ(C)、146a〜146d…SW系、148a〜148d…SWポンプ(A)、150a〜150d…SWポンプ(B)、152a〜152d…SWポンプ(C)、154a、154b…追加SWポンプ、156…連絡配管、158a〜158d…弁、160a〜160d…RCW系、162a〜162d…二次冷却系のRCW熱交換器、164a〜164d…FPC熱交換器、166a〜166d…IA・SA冷却器、168a〜168d…HVAC冷凍機、170a〜170d…CRD油冷却器、172a〜172d…MGセット冷却器、174a〜174d…PLRポンプ電動機冷却器、176a〜176d…一次冷却系のRCW熱交換器、178a〜178d…CUW熱交換器、180a〜180d…PLRポンプ冷却器、182a〜182d…EECW系、184a〜184d…EECW熱交換器、186a〜186d…行き配管、188a〜188d…戻り配管、190a〜190d…D/G冷却器、192a〜192d…Hx/B電気品室、194a〜194d…弁、196a〜196d…弁

Claims (2)

  1. それぞれが独立して稼動可能な複数の号機を備え、各号機の海水熱交換器建屋および屋外海水ポンプピットが近接して設置された原子力発電所の冷却設備であって、
    前記各号機の海水熱交換器建屋または屋外海水ポンプピットに、それぞれ、
    冷却水を循環させて原子炉建屋補機を冷却するRCW系のRCW熱交換器と、
    冷却水を循環させてD/G冷却器を冷却するEECW系のEECW熱交換器と、
    前記RCW熱交換器に冷却用の海水を供給するSW系のSWポンプと、
    前記EECW熱交換器に冷却用の海水を供給するRHRS系のRHRSポンプと、を備え、
    さらに、前記各号機の屋外海水ポンプピットのうち少なくとも2つに、海水を汲み上げる追加SWポンプを備え、
    前記各号機それぞれの前記RCW熱交換器に、前記追加SWポンプが連絡配管によって接続されていて、
    いずれかの号機の角落とし時に、前記追加SWポンプを稼働させて、角落としした号機の前記RCW熱交換器に前記連絡配管を介して海水を供給し、該号機の前記RCW系に冷却水を循環させることを特徴とする原子力発電所の冷却設備。
  2. 前記RCW熱交換器の冷却水出口側と前記EECW熱交換器の冷却水出口側とを結ぶ行き配管と、
    前記EECW熱交換器の冷却水入口側と前記RCW熱交換器の冷却水入口側とを結ぶ戻り配管と、をさらに備え、
    いずれかの号機の角落とし時に、角落としした号機の前記行き配管と戻り配管を介して前記EECW系に冷却水を循環させて前記D/G冷却器を冷却することを特徴とする請求項1に記載の原子力発電所の冷却設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015093059A1 (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 株式会社 東芝 原子炉注水システム、原子力施設及び原子力プラントの配管系統

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