JP2012112126A - トラップ装置 - Google Patents

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JP2012112126A JP2010260361A JP2010260361A JP2012112126A JP 2012112126 A JP2012112126 A JP 2012112126A JP 2010260361 A JP2010260361 A JP 2010260361A JP 2010260361 A JP2010260361 A JP 2010260361A JP 2012112126 A JP2012112126 A JP 2012112126A
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健一 新井
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Abstract

【課題】排水トラップの封水切れを抑制すると共に封水切れに伴う音鳴りを発生し難くする。
【解決手段】浴槽パン排水経路8の途中に封水を溜める浴槽パントラップ部4を設け、浴槽パン排水経路8の入側を浴槽パン排水部30を介して大気に開放し、出側を洗い場パン排水トラップ6及び浴槽排水トラップ2のそれぞれの封水の上限水位よりも上方位置で、各排水トラップ2,6から排出される排水が流れるトラップ本体経路に合流させたトラップ装置22である。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラップ装置に関し、詳しくは排水トラップの封水切れによる騒音発生を未然に防止するための技術に関するものである。
従来から、洗い場パンからの排水が流れる洗い場パン排水トラップと、浴槽からの排水が流れる浴槽排水トラップと、浴槽を設置する浴槽パンからの排水が流れる浴槽パン排水トラップとを備える。浴槽排水トラップからの排水が流れる第1排水路と、浴槽パン排水トラップからの排水が流れる第2排水路と、洗い場パン排水トラップから排出される排水が流れる第3排水路とを合流部で合流させて共通の排水管で排水するトラップ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが上記特許文献1に示された従来例では、浴槽内の大量の水を排水する場合或いは洗い場パン上の大量の水を排水する場合には、合流部に大きな負圧が発生して、排水が行なわれない排水トラップに溜められている封水が合流部側に強く引き込まれて封水切れを起こす。この場合、封水切れ状態で空気が吸い込まれる際に不快な「ゴボゴボ音」が発生するという問題があった。
そこで、他の従来例として、合流部を大気に開放させる空気吸入管を加え、空気吸入管の途中に、封水を溜めるトラップ部と、トラップ部と合流部との間に流出口が流入口よりも上方に配置された水溜め部を介在させ、空気吸入管の吸気口を浴槽パン排水部又は洗い場パンのいずれかに開口させる。この吸気口を洗い場パン排水トラップの封水が切れる下限水位よりも高い位置で且つ浴槽パン排水部又は洗い場パンのいずれかの封水の上限水位よりも低い位置に配置したトラップ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に示された従来例では、浴槽排水時に合流部に負圧が発生したときに空気吸入管内に引き込み力が作用する。このとき、空気吸入管内の封水はトラップ部から水溜め部内に移動して一時溜められた状態で、合流部に空気が吸引されることで負圧が低下して、洗い場パン排水トラップの封水切れや不快な「ゴボゴボ音」の発生を防ぐ構造である。
しかしこの従来例では、浴槽排水トラップ、洗い場パン排水トラップ、浴槽パン排水トラップに加えて、空気吸入管を設ける必要がある。しかも空気吸入管を封水構造とするために吸入管内部に水溜め部を設ける必要がある。このため、トラップ装置の構造が複雑となり、製品強度が不足しやすいといった問題がある。
特開2005−282123号公報 特開2008−240370号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、排水トラップの封水切れを抑制できると共に音鳴りを発生し難くできるトラップ装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、本発明は、洗い場パンからの排水が流れる洗い場パン排水トラップと、浴槽からの排水が流れる浴槽排水トラップと、各排水トラップから排出される排水が流れるトラップ本体経路とを備えると共に、浴槽を設置する浴槽パンからの排水が流れる浴槽パン排水経路を前記トラップ本体経路に合流させて、この合流部から共通の排水管で排出するようにしたトラップ装置であって、前記浴槽パン排水経路の途中に封水を溜める浴槽パントラップ部を設け、前記浴槽パン排水経路の入側を浴槽パン排水部を介して大気に開放し、出側を前記洗い場パン排水トラップ及び前記浴槽排水トラップのそれぞれの封水の上限水位よりも上方位置で前記トラップ本体経路に合流させてなることを特徴としている。
また、前記浴槽パン排水経路の断面径寸法を前記トラップ本体経路の断面径寸法よりも小さく形成するのが好ましい。
また、前記浴槽パン排水経路の経路断面を、浴槽パン排水経路の全長に亘って略均一に形成するのが好ましい。
本発明は、排水トラップの封水切れを抑制できると共に音鳴りを発生し難くできるものである。
本発明の一実施形態のトラップ装置を用いた浴室の排水構造を説明する概略構成図である。 同上のトラップ装置の斜視図である。 同上のトラップ装置の平面図である。 同上のトラップ装置の側面断面図である。 (a)〜(e)は同上の浴槽側トラップ本体部のエルボの平面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図である。 (a)〜(d)は同上の洗い場側トラップ本体部の平面図、正面図、左側面図、右側面図である。 同上の浴槽側トラップ本体部の上面外周部を覆う流路閉止部材を下面から見た斜視図である。 (a)〜(c)は同上の浴槽水排水開始時の説明図である。 (a)〜(c)は同上の浴槽水排水途中の説明図である。 (a)〜(c)は同上の浴槽水排水終了後の説明図である。 (a)〜(c)は同上の洗い場排水開始時の説明図である。 (a)〜(c)は同上の洗い場排水途中の説明図である。 (a)〜(c)は同上の洗い場排水終了後の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
浴室を構成する浴室ユニットAは、図1に示すように、浴槽1を設置する浴槽パン3と、洗い場パン5とで構成される床パンの周囲に、図示省略した壁パネル及びドアを有する出入り口枠をそれぞれ立設する。壁パネル及び出入り口枠で囲まれた部分の上端部に天井パネルを配設して構成してある。
上記浴室ユニットAからの排水は、浴槽1からの湯水の排水、浴槽1を設置する浴槽パン3からの湯水の排水、洗い場パン5からの湯水の排水の3種類の排水がある。本例のトラップ装置22は、浴槽1からの排水が流れる浴槽排水トラップ2と、浴槽1を設置する浴槽パン3からの排水が流れる浴槽パン排水経路8と、洗い場パン5からの排水が流れる洗い場パン排水トラップ6とを備えている。
図1中のLは、浴槽排水トラップ2、浴槽パン排水経路8に設けられる浴槽パントラップ部4、洗い場パン排水トラップ6のそれぞれの封水の上限水位である。なお図1、図9〜図14では、図面の理解を容易にするために浴槽排水トラップ2と浴槽パントラップ部4の高さを異ならせている。
トラップ装置22は、図2〜図4に示すように、浴槽パン3側に固定される浴槽側トラップ本体部23と、洗い場パン5側に固定される洗い場側トラップ本体部16とを備えている。なお図3中の51はヘアキャッチャーである。
浴槽側トラップ本体部23は、浴槽排水トラップ2の主体となるもので、上方に開口した有底筒状をしている。浴槽側トラップ本体部23の側壁には、第1排水筒部27と、第2排水筒部28とが横方向から接続されている。
浴槽側トラップ本体部23に設けられるエルボ11には、図5に示すように、第2排水筒部28に連通する第2排水口部31が設けられる。エルボ11内に挿入されて流路を仕切るエルボカバー13(図2、図4)には、第1排水筒部27に連通する排水穴50が設けられている。
浴槽排水口24からの排水は、排水穴50を介して第1排水筒部27内に溜められて浴槽排水トラップ2が構成される。
浴槽パン排水部30からの排水は、第2排水口部31を介して第2排水筒部28内に溜められる。
一方、洗い場側トラップ本体部16は、図2〜図4に示すように、上方に開口した有底筒状をしており、内部には洗い場パン排水トラップ6を構成する封水筒17が嵌め込まれている。
図6に示すように、洗い場側トラップ本体部16の上部外周部の片側半分に沿って前記第1排水筒部27に接続される第1排水路7が形成され、他の片側半分に沿って後述する浴槽パン排水経路8が形成されている。
さらに洗い場側トラップ本体部16の上部には、洗い場パン排水トラップ6内の排水を排出する第2排水路9が形成されている。この第2排水路9と上記第1排水路7とがトラップ本体経路を構成している。そして、第2排水路9の出口部14は第1排水路7の出口部12と一箇所に集まって筒状をした合流部36に連通していると共に、この合流部36に共通の排水管(図示せず)が接続されている。なお本例では2つの出口部12、14から合流部36への排出方向(矢印X,Yで示す方向)がほぼ平行となっている。
浴槽パン排水経路8の途中には、封水を溜める浴槽パントラップ部4が設けられている。浴槽パントラップ部4の出側は合流部36に連通する排水路13となっている。ここでは、浴槽パントラップ部4と排水路13とが、1本の連続した通気管で構成されている。図6(d)に示すように、浴槽パントラップ部4の入側(図6(d)の右側)は洗い場側トラップ本体部16の下部外周部に沿って水平に延びて、上記第2排水筒部28の下部に連通している。浴槽パントラップ部4の出側(図6(d)の左側)は、洗い場側トラップ本体部16の下部から上部側に向けて上り傾斜して、その先端が水平な排水路13に連通している。
本例の浴槽パン排水経路8を構成する通気管の断面径寸法は、トラップ本体経路の断面径寸法よりも小さく形成されている。さらに、通気管の経路断面を浴槽パン排水経路8の全長に亘って均一化されている。排水路13の先端は、合流部36の天井面に開放された吐出管26(図1)に連通している。この吐出管26の開放面は、洗い場パン排水トラップ6及び浴槽排水トラップ2のそれぞれの封水の上限水位L(図1)よりも上方に位置している。これにより、浴槽排水や洗い場排水が、浴槽パン排水経路8内に逆流しない構造となっている。
図7は、浴槽側トラップ本体部23の上面外周部を覆う流路閉止部材37を示している。流路閉止部材37は中央が開口した円環状に形成されており、第1排水路7を上から覆うカバー部7aと、浴槽パン排水経路8を上から覆うカバー部8aとを備えている。本例では第1排水路7を覆うカバー部7aの内面から4個のリブ38〜40が突設されている。第1、第2のリブ38は第1排水路7内に流れる排水の勢いを制限するためのものであり、必ずしも2個に限らず1個でもよい。第3のリブ39は第1排水路7の出口部12(図7)の真上に位置して、該出口部12を狭めて排水流量を制限するためのものである。第4のリブ40は第1排水路7内の排水が隣接する第2排水路9内に流れ込まないようにするためのものであり、第1〜第3のリブ38、39よりも下方へ大きく突出している。
次に浴槽排水動作を説明する。
浴槽排水前は、図8(a)のように、浴槽排水トラップ2、浴槽パントラップ部4、洗い場パン排水トラップ6は、それぞれ、封水により水密的に封止されている。浴槽排水を開始すると、図8(b)→(c)のように浴槽排水トラップ2から第1排水路7を経て合流部36に大量の浴槽水が排水されて、合流部36に大きな負圧が発生する。このとき、浴槽パントラップ部4内、洗い場パン排水トラップ6内の封水に対してそれぞれ引き込み力が作用する。ここで、浴槽パン排水経路8の断面径寸法をトラップ本体経路の断面径寸法よりも小さくすることで、浴槽パントラップ部4内の封水量を洗い場パン排水トラップ6の封水量よりも少なくしてある。これにより図9(a)のように、浴槽パントラップ部4の封水の方が早く合流部36に引き込まれる。そして、浴槽パントラップ部4の封水全てが引き込まれた後は図9(b)→(c)のように、浴室内の空気が浴槽パン排水部30から浴槽パン排水経路8(浴槽パントラップ部4、排水路13、吐出管26)内を通って合流部36に吸い込まれる。これにより、浴槽排水中は合流部36の負圧が低下し続けるようになり、洗い場パン排水トラップ6の封水切れが発生し難くなる。またこのとき、浴槽パン排水経路8の出側の吐出管26を合流部36の天井に開放しているので、多量の浴槽排水が浴槽パン排水経路8内に逆流することがない。この結果、洗い場パン排水トラップ6の封水切れを抑制できると共に、不快な音鳴りも発生し難くなる。
その後、浴槽排水が完了すると、合流部36が正圧状態に戻ることにより浴槽パン排水経路8からの空気吸引が終了する。その後、図10(a)→(b)のように、浴槽パン3上に排水が溜まると、この溜まった排水が浴槽パン排水部30から浴槽パントラップ部4内に流れ込んで再び封水を形成する(図10(c))。これにより、浴槽パン排水経路8の封水切れ状態が長期に亘って継続することはない。
一方、洗い場排水の場合を図11〜図13を参照して説明する。洗い場排水前は、図11(a)のように、浴槽排水トラップ2、浴槽パントラップ部4、洗い場パン排水トラップ6は、それぞれ、封水により水密的に封止されている。洗い場排水が開始すると、図11(b)→(c)のように洗い場パン排水トラップ6から第2排水路9を経て合流部36に大量の洗い場水が排水されて、合流部36に大きな負圧が発生する。これにより、浴槽パントラップ部4内、浴槽排水トラップ2内の封水に対してそれぞれ引き込み力が作用する。このとき、浴槽パン排水経路8の断面径寸法をトラップ本体経路の断面径寸法よりも小さくすることで、浴槽パントラップ部4内の封水量を洗い場パン排水トラップ6内の封水量よりも少なくしている。これにより、前述した浴槽排水の場合と同様に、図12(a)のように、浴槽パン排水経路8内の封水の方が早く合流部36に引き込まれる。その後、図12(b)→(c)のように、浴室内の空気が浴槽パン排水経路8を通って合流部36に引き込まれて、合流部36の負圧が低下する。これにより浴槽排水トラップ2の封水切れが抑制されると共に、不快な音鳴りも発生し難くなる。
その後、洗い場排水が完了すると、合流部36が正圧状態に戻ることにより浴槽パン排水経路8からの空気吸引が終了する。その後、図13(a)→(b)のように、浴槽パン3上に排水が溜まると、この溜まった排水が浴槽パン排水部30から浴槽パントラップ部4内に流れ込んで封水が形成される(図13(c))。これにより、浴槽パン排水経路8の封水切れ状態が長期に亘って継続することがない。
しかして、上記構成によれば、浴槽パン排水経路8は、通常時は浴槽パントラップ部4の封水で水密的に封止できるものである。また、浴槽排水時(或いは洗い場パン排水時)には、浴槽パントラップ部4内の封水を合流部36に排出する排水管として機能し且つ合流部36を大気に開放する通気管として機能する。つまり、浴槽パン排水経路8は、浴槽パン排水機能と通気管機能とを1つの経路で担った構造となり、結果、トラップ装置22の構造を簡略化でき、製品強度を確保しやすくなる。
また本例では、浴槽パン排水経路8の断面径寸法をトラップ本体経路よりも小さく形成しているので、浴槽パントラップ部4内の封水量が、浴槽排水トラップ2及び洗い場パン排水トラップ6のそれぞれの封水量よりも少なくなる。従って、浴槽パントラップ部4内の封水が合流部36に吸引されやすくなると共に、封水の流速が速くなって排水能力が向上する。これにより、浴槽パン3内に汚れなどがあっても、この汚れの排出を容易にできる。そのうえ、断面径寸法の小さい浴槽パン排水経路8から合流部36に空気が吸い込まれるときに空気の流速が早くなり、合流部36の負圧低下をより迅速にできる利点もある。
ところで、浴槽パン排水経路8の経路断面が不均一の場合には乱流が発生して音鳴りの原因になりやすい。そこで本例では、浴槽パン排水経路8の経路断面を、浴槽パン排水経路8の全長に亘って略均一な通気管で構成している。従って、浴槽パン排水経路8内での排水の流れを円滑にして、乱流に伴う音鳴りを生じ難くさせることができる。
1 浴槽
2 浴槽排水トラップ
3 浴槽パン
4 浴槽パントラップ部
5 洗い場パン
6 洗い場パン排水トラップ
8 浴槽パン排水経路
30 浴槽パン排水部
36 合流部
L 排水トラップの上限水位

Claims (3)

  1. 洗い場パンからの排水が流れる洗い場パン排水トラップと、浴槽からの排水が流れる浴槽排水トラップと、各排水トラップから排出される排水が流れるトラップ本体経路とを備えると共に、浴槽を設置する浴槽パンからの排水が流れる浴槽パン排水経路を前記トラップ本体経路に合流させて、この合流部から共通の排水管で排出するようにしたトラップ装置であって、前記浴槽パン排水経路の途中に封水を溜める浴槽パントラップ部を設け、前記浴槽パン排水経路の入側を浴槽パン排水部を介して大気に開放し、出側を前記洗い場パン排水トラップ及び前記浴槽排水トラップのそれぞれの封水の上限水位よりも上方位置で前記トラップ本体経路に合流させてなることを特徴とするトラップ装置。
  2. 前記浴槽パン排水経路の断面径寸法を前記トラップ本体経路の断面径寸法よりも小さく形成したことを特徴とする請求項1記載のトラップ装置。
  3. 前記浴槽パン排水経路の経路断面を、浴槽パン排水経路の全長に亘って略均一に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトラップ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014224383A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 積水ホームテクノ株式会社 浴槽パン用排水トラップおよびこの浴槽パン用排水トラップが用いられた浴室ユニット
JP2017190669A (ja) * 2017-07-26 2017-10-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 浴室の排水構造

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