JP2012111251A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池の容量を小さくし、車両全体の重量を低減して、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすること。
【解決手段】冷房運転時、膨張弁22a,22bを通過した低温低圧の液状冷媒を蒸発気化させ、車内の空気から熱を奪う室内熱交換器21a,21bを備えた室内機ユニット12と、冷房運転時、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒を凝縮液化させて車外の空気に放熱し、暖房運転時、コンプレッサ11に戻される低温低圧のガス状冷媒が通過する室外熱交換器23を備えた室外機ユニット13と、暖房運転時、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱し、水循環ポンプ43から吐出されて水配管44を循環する水を加熱して温水とする暖房用熱交換器41と、この暖房用熱交換器41を通過した温水から吸熱し、車内の空気に熱を与えるヒータコア42とを備えたヒータユニット14とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用空気調和装置、特に、電気エネルギーを動力源とする車両(例えば、電気バス)に搭載されて好適な車両用空気調和装置に関するものである。
電気エネルギーを動力源とする車両(以下、「電気自動車」という。)では、エンジンの冷却水を利用して車内の暖房を行うことができないため、例えば、特許文献1に開示されたPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いた熱媒体加熱装置を用いて車内の暖房を行うようにしている。
特開2008−56044号公報
しかしながら、PTCヒータを用いた熱媒体加熱装置による車内の暖房は、消費電力が大きく、電気自動車の航続距離を低下させる要因の一つになっている。そのため、電気自動車に搭載される蓄電池の容量(すなわち、寸法および重量)は、消費電力が最も大きくなる暖房運転をした場合でも、必要とされる航続距離を支障なく走行できるように決定(選定)されている。その結果、従来の電気自動車においては、容量の大きな蓄電池を選定しなければならず、車両全体の重量が増加し、また、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペース(収容スペース)を確保しなければならないといった問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電気自動車に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮するコンプレッサと、冷房運転時、内部を通過する冷媒を減圧・膨張させて低温・低圧の冷媒にする膨張弁と、この膨張弁を通過した低温低圧の液状冷媒を蒸発気化させて、車内の空気から熱を奪う室内熱交換機とを備えた室内機ユニットと、冷房運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒を凝縮液化させて車外の空気に放熱するとともに、暖房運転時、前記コンプレッサに戻される低温低圧のガス状冷媒が通過する室外熱交換器を備えた室外機ユニットと、暖房運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプから吐出されて水配管を循環する水を加熱して温水とする暖房用熱交換器と、この暖房用熱交換器を通過した温水から吸熱して、前記車内の空気に熱を与えるヒータコアとを備えたヒータユニットとを備えている。
本発明に係る車両用空気調和装置によれば、車内の暖房は、コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプから吐出されて水配管を循環する水を加熱して温水とし、この温水から吸熱して、車内の空気に熱を与えるようにして行われることになる。
すなわち、本発明に係る車両用空気調和装置によれば、車内の暖房は、消費電力が大きく、電気自動車の航続距離を低下させる要因の一つとなっているPTCヒータを用いた熱媒体加熱装置を用いることなく行われることになる。
これにより、電気自動車に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができる。
上記車両用空気調和装置において、前記室外熱交換器の除霜を行う除霜運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒の一部が、前記暖房用熱交換器に流されるように構成されているとさらに好適である。
このような車両用空気調和装置によれば、室外熱交換器の除霜を行う除霜運転時においても、車内を暖房することができる。
また、室外熱交換器の除霜を行う除霜運転時におけるコンプレッサの高圧が所定値(閾値)を超えないよう、コンプレッサの高圧をコントロール(調整)することができる。
上記車両用空気調和装置において、第2の水循環ポンプから吐出されて第2の水配管を循環する水を加熱して温水とする電気ヒータと、この電気ヒータを通過した温水から吸熱して、前記車内の空気に熱を与えてフロントガラスの除霜を行う温風を作り出す第2のヒータコアとを備えているとさらに好適である。
このような車両用空気調和装置によれば、第2の水循環ポンプから吐出されて第2の水配管を循環する水は、電気ヒータにより確実に加熱されることになる。
これにより、第2のヒータコアからフロントガラスに温風が確実に吹き付けられ、運転手の視界を確保することができる。
本発明に係る電気自動車は、上記いずれかの車両用空気調和装置を具備している。
本発明に係る電気自動車によれば、車内の暖房は、コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプから吐出されて水配管を循環する水を加熱して温水とし、この温水から吸熱して、車内の空気に熱を与えるようにして行われることになる。
すなわち、本発明に係る電気自動車によれば、車内の暖房は、消費電力が大きく、電気自動車の航続距離を低下させる要因の一つとなっているPTCヒータを用いた熱媒体加熱装置を用いることなく行われることになる。
これにより、当該電気自動車に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができる。
上記電気自動車において、前記室内熱交換器は、当該電気自動車の天井部に配置され、前記ヒータコアは、当該電気自動車の床部に配置されているとさらに好適である。
このような電気自動車によれば、車内を最も効率よく冷房、暖房することができる。
上記電気自動車において、前記室外機ユニットが、リアオーバーハングに設けられた搭載スペース内に収められているとさらに好適である。
このような電気自動車によれば、室外熱交換器に雪が積もるのを回避することができ、室外熱交換器の除霜間隔を延ばすことができて、暖房運転を長時間継続して行うことができる。
本発明に係る車両用空気調和装置によれば、電気自動車に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る車両用空気調和装置を搭載した電気自動車の概略全体斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車両用空気調和装置の冷房運転時の回路図である。 本発明の一実施形態に係る車両用空気調和装置の暖房運転時の回路図である。 本発明の一実施形態に係る車両用空気調和装置の除霜(デフロスト)運転時の回路図である。 冷房運転時、暖房運転時、除霜(デフロスト)運転時の各電磁弁の開閉状態を示す図表である。
以下、本発明に係る車両用空気調和装置の一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る車両用空気調和装置を搭載した電気自動車の概略全体斜視図、図2は本実施形態に係る車両用空気調和装置の冷房運転時の回路図、図3は本実施形態に係る車両用空気調和装置の暖房運転時の回路図、図4は本実施形態に係る車両用空気調和装置の除霜(デフロスト)運転時の回路図、図5は冷房運転時、暖房運転時、除霜(デフロスト)運転時の各電磁弁の開閉状態を示す図表である。
図1から図4の少なくともいずれかに示すように、電気自動車(以下、「電気バス」という。)1に搭載され得る車両用空気調和装置10は、コンプレッサ(圧縮機)11と、室内機ユニット12と、室外機ユニット13と、ヒータユニット(暖房ユニット)14とを主たる要素として構成されたものである。
なお、図1中の符号1aはフロントガラス、符号15は運転席の右横に配置されたコントロールパネル、符号16は電気バス1の中央部床下に配置された温水加温(加熱)用の電気ヒータ(例えば、PTCヒータ)、符号17,18はそれぞれ最後部座席の背面に形成された空間内に配置された冷房用(クーラ用)のインバータ、リレーボックス(コントローラ)である。
コンプレッサ11は、低温・低圧のガス状冷媒を圧縮して高温・高圧のガス状冷媒とするものであり、図示しない電動モータにより駆動されるようになっている。
室内機ユニット12は、電気バス1の前方左側に位置する屋根Rの上に設置されたエバポレータ(室内熱交換器:第1の熱交換器)21aと、図示しないエバポレータファン(室内ファン)と、(第1の)膨張弁22aと、電気バス1の前方右側に位置する屋根Rの上に設置されたエバポレータ(室内熱交換器:第1の熱交換器)21bと、図示しないエバポレータファン(室内ファン)と、(第1の)膨張弁22bとを備えている。
エバポレータ21a,21bは、冷房運転時、膨張弁22a,22bを通過した低温低圧の液状冷媒を蒸発気化させて、車内の空気(内気)から熱を奪う機能を備えた平箱状(直方体状)の構造物である。
エバポレータファンは、エバポレータ21a,21bへの吸い込み風量を増加させるためのものであり、このエバポレータファンの作動により、エバポレータ21a,21b内におけるガス状冷媒の蒸発気化がより促進されることとなる。
膨張弁22a,22bは、その内部を通過する冷媒を減圧・膨張させて低温・低圧の冷媒にするバルブである。
室外機ユニット13は、電気バス1のリアオーバーハングに設けられた図示しない搭載スペース(収容スペース)内に収められており、コンデンサ(室外熱交換器:第2の熱交換器)23と、図示しないコンデンサファンとを備えている。
コンデンサ23は、冷房運転時、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒を凝縮液化させて車外の空気(外気)に放熱する機能を備えた平箱状(直方体状)の構造物である。
コンデンサファンは、コンデンサ23への吸い込み風量を増加させるためのものであり、このコンデンサファンの作動により、コンデンサ23内におけるガス状冷媒の液化がより促進されることとなる。
コンプレッサ11とコンデンサ23とは、その途中に(第1の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)が接続された(第1の)冷媒配管31を介して接続されている。
コンデンサ23とエバポレータ21a,21bとは、その途中に逆止弁24、レシーバ25、ドライヤ26、(第2の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)、膨張弁22a,22bがコンデンサ23の側から順に接続された(第2の)冷媒配管32を介して接続されている。
エバポレータ21a,21bとコンプレッサ11とは、(第3の)冷媒配管33を介して接続されている。
コンデンサ23と逆止弁24との間に位置する冷媒配管32の途中と、ドライヤ26と電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)との間に位置する冷媒配管32の途中とは、その途中に(第2の)膨張弁27、(第3の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_6」を付した電磁弁)がコンデンサ23の側から順に接続された(第4の)冷媒配管34を介して接続されている。
ドライヤ26と電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)との間で、冷媒配管34が接続されている箇所よりも電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)の側に位置する冷媒配管32の途中と、冷媒配管33の途中とは、その途中に(第4の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)、(第1の)絞り(キャピラリチューブ)28が冷媒配管32の側から順に接続された(第5の)冷媒配管35を介して接続されている。
電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)とコンデンサ23との間に位置する冷媒配管31の途中と、冷媒配管35が接続されている箇所よりもコンプレッサ11の側に位置する冷媒配管33の途中とは、その途中に(第5の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)が接続された(第6の)冷媒配管36を介して接続されている。
コンプレッサ11と電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)との間に位置する冷媒配管31の途中と、冷媒配管32の途中と膨張弁27とを接続する冷媒配管34の途中とは、その途中に(第6の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_5」を付した電磁弁)、(第2の)絞り(キャピラリチューブ)29が冷媒配管31の側から順に接続された(第7の)冷媒配管37を介して接続されている。
コンプレッサ11と電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)との間に位置する冷媒配管31の途中と、逆止弁24とレシーバ25との間に位置する冷媒配管32の途中とは、その途中に後述する暖房用熱交換器41、(第7の)電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)が冷媒配管31の側から順に接続された(第8の)冷媒配管38を介して接続されている。
ヒータユニット14は、暖房用熱交換器(水加熱用熱交換器:第3の熱交換器)41と、少なくとも一つ(本実施形態では二つ)のヒータコア42と、((温)水循環)ポンプ43と、ポンプ43から送出(吐出)された(温)水を、暖房用熱交換器41、ヒータコア42、ポンプ43の順に循環させる水配管44とを備えており、ポンプ43から送出された(温)水は、冷媒配管38を介して暖房用熱交換器41に導かれた冷媒と熱交換され、冷媒から吸熱して温水となる。
つぎに、図2を用いて冷房運転時の冷媒の流れを説明するとともに、図5を用いて冷房運転時の各電磁弁の開閉状態を説明する。
図5に示すように、冷房運転時、電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)は(全)開状態とされ、電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_5」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_6」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)は(全)閉状態とされる。
その結果、図2に示すように、コンプレッサ11から送出(吐出)された冷媒が、冷媒配管31→電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)→冷媒配管31→コンデンサ23→冷媒配管32→逆止弁24→冷媒配管32→レシーバ25→冷媒配管32→ドライヤ26→冷媒配管32→電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)→冷媒配管32→膨張弁22a,22b→冷媒配管32→エバポレータ21a,21b→冷媒配管33→コンプレッサ11の順に循環し、電気バス1内の空間がエバポレータ21a,21bを通過した冷気(冷風)により冷房されることになる。
つづいて、図3を用いて暖房運転時の冷媒の流れを説明するとともに、図5を用いて暖房運転時の各電磁弁の開閉状態を説明する。
図5に示すように、暖房運転時、電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_6」を付した電磁弁)は(全)開状態とされ、電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_5」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)は(全)閉状態とされる。
その結果、図3に示すように、コンプレッサ11から送出(吐出)された冷媒が、冷媒配管31→冷媒配管38→暖房用熱交換器41→冷媒配管38→電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)→冷媒配管38→冷媒配管32→レシーバ25→冷媒配管32→ドライヤ26→冷媒配管32→冷媒配管34→電磁弁(図2から図5において符号「SV_6」を付した電磁弁)→冷媒配管34→膨張弁27→冷媒配管34→冷媒配管32→コンデンサ23→冷媒配管31→冷媒配管36→電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)→冷媒配管36→冷媒配管33→コンプレッサ11の順に循環し、電気バス1内の空間がヒータコア42を通過した暖気(温風)により暖房されることになる。
つぎに、図4を用いて除霜(デフロスト)運転時の冷媒の流れを説明するとともに、図5を用いて除霜(デフロスト)運転時の各電磁弁の開閉状態を説明する。
図5に示すように、除霜(デフロスト)運転時、電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_5」を付した電磁弁)は(全)開状態とされ、電磁弁(図2から図5において符号「SV_1」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_3」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_6」を付した電磁弁)は(全)閉状態とされ、電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)は基本的に(全)閉状態とされ、コンプレッサ11の高圧が所定値(閾値)を超えてしまうような場合に(全)開状態とされる。
その結果、図4に示すように、コンプレッサ11から送出(吐出)された冷媒が、基本的に冷媒配管31→冷媒配管37→電磁弁(図2から図5において符号「SV_5」を付した電磁弁)→冷媒配管37→絞り29→冷媒配管37→冷媒配管34→冷媒配管32→コンデンサ23→冷媒配管31→冷媒配管36→電磁弁(図2から図5において符号「SV_2」を付した電磁弁)→冷媒配管36→冷媒配管33→コンプレッサ11の順に循環し、コンデンサ23の除霜が行われることになる。
このとき、ポンプ43は停止されている。
また、除霜運転中に、コンプレッサ11の高圧が所定値(閾値)を超えてしまうような場合には、電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)、電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)が(全)開状態とされ、コンプレッサ11から送出(吐出)された冷媒の一部が、冷媒配管31→冷媒配管38→暖房用熱交換器41→冷媒配管38→電磁弁(図2から図5において符号「SV_4」を付した電磁弁)→冷媒配管38→冷媒配管32→レシーバ25→冷媒配管32→ドライヤ26→冷媒配管32→冷媒配管35→電磁弁(図2から図5において符号「SV_7」を付した電磁弁)→冷媒配管35→絞り28→冷媒配管35→冷媒配管33→コンプレッサ11の順に循環し、コンプレッサ11の高圧が所定値(閾値)を超えないよう、コンプレッサ11の高圧がコントロール(調整)されることになる。
このとき、ポンプ43は運転され、ポンプ43から送出された(温)水は、冷媒配管38を介して暖房用熱交換器41に導かれた冷媒と熱交換され、冷媒から吸熱して温水となり、電気バス1内の空間がヒータコア42を通過した暖気(温風)により暖房されることになる。
なお、本実施形態では、フロントガラス1aを除霜(デフロスト)するのに用いられる暖気(温風)は、電気ヒータ16(図1参照)により加熱された(温められた)温水を、図示しない(ポンプ43とは別の)第2のポンプおよび(水配管44とは別の)第2の水配管を介して(ヒータコア42とは別の)第2のヒータコアに循環させ、この第2のヒータコアを通過する温水と熱交換されることにより作り出されている。
本実施形態に係る車両用空気調和装置10によれば、車内の暖房は、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプ43から吐出されて水配管44を循環する水を加熱して温水とし、この温水から吸熱して、車内の空気に熱を与えるようにして行われることになる。
すなわち、本実施形態に係る車両用空気調和装置10によれば、車内の暖房は、消費電力が大きく、電気バス1の航続距離を低下させる要因の一つとなっているPTCヒータを用いた熱媒体加熱装置を用いることなく行われることになる。
これにより、電気バス1に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができる。
また、本実施形態に係る車両用空気調和装置10によれば、コンデンサ23の除霜を行う除霜運転時、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒の一部が、暖房用熱交換器41に流されるように構成されている。
これにより、コンデンサ23の除霜を行う除霜運転時においても、車内を暖房することができる。
また、コンデンサ23の除霜を行う除霜運転時におけるコンプレッサ11の高圧が所定値(閾値)を超えないよう、コンプレッサ11の高圧をコントロール(調整)することができる。
さらに、本実施形態に係る車両用空気調和装置10によれば、第2の水循環ポンプから吐出されて第2の水配管を循環する水を加熱して温水とする電気ヒータと、この電気ヒータを通過した温水から吸熱して、車内の空気に熱を与えてフロントガラス1aの除霜を行う温風を作り出す第2のヒータコアとを備えており、第2の水循環ポンプから吐出されて第2の水配管を循環する水は、電気ヒータにより確実に加熱されることになる。
これにより、第2のヒータコアからフロントガラス1aに温風が確実に吹き付けられ、運転手の視界を確保することができる。
本実施形態に係る車両用空気調和装置10を具備した電気バス1によれば、車内の暖房は、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプ43から吐出されて水配管44を循環する水を加熱して温水とし、この温水から吸熱して、車内の空気に熱を与えるようにして行われることになる。
すなわち、本実施形態に係る車両用空気調和装置10を具備した電気バス1によれば、車内の暖房は、消費電力が大きく、電気バス1の航続距離を低下させる要因の一つとなっているPTCヒータを用いた熱媒体加熱装置を用いることなく行われることになる。
これにより、当該電気バス1に搭載される蓄電池の容量を小さくすることができ、車両全体の重量を低減することができて、容量の大きな蓄電池を収容するための搭載スペースを極力小さくすることができる。
本実施形態に係る車両用空気調和装置10を具備した電気バス1によれば、室外機ユニット13は、リアオーバーハングに設けられた搭載スペース内に収められている。
これにより、コンデンサ23に雪が積もるのを回避することができ、コンデンサの除霜間隔を延ばすことができて、暖房運転を長時間継続して行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
また、上述した実施形態において、エバポレータ21a,21bが、電気バス1の天井部に配置され、ヒータコア42が、電気バス1の床部に配置されているとさらに好適である。
これにより、車内を最も効率よく冷房、暖房することができる。
1 電気バス(電気自動車)
1a フロントガラス
10 車両用空気調和装置
11 コンプレッサ
12 室内機ユニット
13 室外機ユニット
14 ヒータユニット
16 電気ヒータ
21a エバポレータ(室内熱交換器)
21b エバポレータ(室内熱交換器)
22a 膨張弁
22b 膨張弁
23 コンデンサ(室外熱交換器)
41 暖房用熱交換器
42 ヒータコア
43 水循環ポンプ
44 水配管

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮するコンプレッサと、
    冷房運転時、内部を通過する冷媒を減圧・膨張させて低温・低圧の冷媒にする膨張弁と、この膨張弁を通過した低温低圧の液状冷媒を蒸発気化させて、車内の空気から熱を奪う室内熱交換器とを備えた室内機ユニットと、
    冷房運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒を凝縮液化させて車外の空気に放熱するとともに、暖房運転時、前記コンプレッサに戻される低温低圧のガス状冷媒が通過する室外熱交換器を備えた室外機ユニットと、
    暖房運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒から吸熱して、水循環ポンプから吐出されて水配管を循環する水を加熱して温水とする暖房用熱交換器と、この暖房用熱交換器を通過した温水から吸熱して、前記車内の空気に熱を与えるヒータコアとを備えたヒータユニットとを備えていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記室外熱交換器の除霜を行う除霜運転時、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス状冷媒の一部が、前記暖房用熱交換器に流されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 第2の水循環ポンプから吐出されて第2の水配管を循環する水を加熱して温水とする電気ヒータと、この電気ヒータを通過した温水から吸熱して、前記車内の空気に熱を与えてフロントガラスの除霜を行う温風を作り出す第2のヒータコアとを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用空気調和装置を備えていることを特徴とする電気自動車。
  5. 前記室内熱交換器は、当該電気自動車の天井部に配置され、前記ヒータコアは、当該電気自動車の床部に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電気自動車。
  6. 前記室外機ユニットが、リアオーバーハングに設けられた搭載スペース内に収められていることを特徴とする請求項4または5に記載の電気自動車。
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