JP2012111138A - 光拡散性積層樹脂板およびその製造方法 - Google Patents

光拡散性積層樹脂板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発煙などによる生産性の低下やブツの発生を抑制し、かつ良好な鏡面性を保ちつつ、端面の外観が良好な光拡散性積層樹脂板を提供すること。
【解決手段】0.11重量%〜20重量%の光拡散剤(a)を含有するメタクリル樹脂(A)からなる基材層の少なくとも一方の面に、0.1重量%〜10重量%の光拡散剤(b)を含有するメタクリル樹脂(B)からなる表面層が積層されてなる光拡散性積層樹脂板であり、0.5mm〜10mmの厚みを有し、かつ以下の(I)〜(IV)を満たしている。
(I)光拡散剤(a)および光拡散剤(b)が、同種の光拡散剤であること、
(II)メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(a)の割合が、メタクリル樹脂(B)に含有される光拡散剤(b)の割合よりも多いこと、
(III)表面層の厚みが、光拡散性積層樹脂板の厚みの1/10以下であること、および
(IV)基材層の表面層側表面と、表面層の基材層側表面とは接していること。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な外観を有する光拡散性積層樹脂板およびその製造方法に関する。より詳細には、表示装置の保護板、照明カバー、照明看板、建材分野における積層紙(障子紙、襖紙、壁紙など)、和紙調照明カバーなどに好適に用いられる、良好な外観を有する光拡散性積層樹脂板およびその製造方法に関する。
従来、照明カバー、透過型ディスプレイ用の光拡散板、看板などの部材として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの透明樹脂に、有機系光拡散剤または無機系光拡散剤を分散させた光拡散板が広く用いられている。
このような光拡散板は、光を拡散させることを主眼としている。しかし、近年、照明カバーや各種ディスプレイ用の光拡散板としては、光を拡散させるとともに、光を有効に利用することが望まれている。すなわち、所定の方向に光を十分に拡散させ、しかも光源が透けない(光源のエネルギーを有効に利用できる)光拡散板が望まれている。
特許文献1には、2層の樹脂層に含有されるそれぞれの光拡散剤の粒径が2倍以上異なる光拡散性積層樹脂板が開示されている。また、特許文献2には、光を拡散させる粒子として、扁平率、屈折率、平均粒径など所定の条件を満たす架橋重合体粒子を含有した基材層および表面層からなる光源保護カバー用光拡散性積層樹脂板が開示されている。これらの光拡散性積層樹脂板は、所定の方向に光を十分に拡散させることができ、さらに光源のエネルギーを有効に利用することができる。
しかし、これらの光拡散性積層樹脂板は、使用時に最も端の部分である切断面(端面)の外観が良好ではないという問題がある。
光拡散性積層樹脂板の基材層または表面層の光拡散剤濃度が高くなると、光拡散剤が凝集して大粒子径の凝集体が発生する。例えば、凝集体が表面層に存在すると、目視で確認され、このような光拡散性積層樹脂板はブツ欠陥として扱われる。さらに、従来の光拡散性積層樹脂板は、製造時に発煙が生じ、発煙物がロール(冷却ロール等)に付着してロール汚れが発生し、生産性の低下を招く場合がある。これは、光拡散剤(特に無機系粒子)が、水分を含みやすく、また微粒子表面に凝集を防止するための処理(例えば、ステアリン酸のような高級脂肪酸の塗布など)が施されている場合が多く、そのため、高温溶融下において高級脂肪酸も加熱されて揮発・蒸散することにより発煙が生じ、光拡散性積層樹脂板の製造時にその発煙物がロールに付着してロール汚れが発生することがあるからである。また、光拡散剤として有機系微粒子を用いる場合、微粒子の製造段階で添加される分散剤など種々の要因で、ロール汚れが発生する場合がある。
特開平7−100985号公報 特開平10−3811号公報
本発明の目的は、発煙などによる生産性の低下やブツの発生を抑制し、かつ良好な鏡面性を保ちつつ、端面の外観が良好な光拡散性積層樹脂板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明の光拡散性積層樹脂板は、以下の構成からなる。
(1)0.11重量%〜20重量%の光拡散剤(a)を含有するメタクリル樹脂(A)からなる基材層の少なくとも一方の面に、0.1重量%〜10重量%の光拡散剤(b)を含有するメタクリル樹脂(B)からなる表面層が積層されてなる光拡散性積層樹脂板であって、該樹脂板が0.5mm〜10mmの厚みを有し、かつ以下の(I)〜(IV)を満たす、ことを特徴とする光拡散性積層樹脂板。
(I)光拡散剤(a)および光拡散剤(b)が、同種の光拡散剤であること、
(II)メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(a)の割合が、メタクリル樹脂(B)に含有される光拡散剤(b)の割合よりも多いこと、
(III)表面層の厚みが、光拡散性積層樹脂板の厚みの1/10以下であること、および
(IV)基材層の表面層側表面と、表面層の基材層側表面とは接していること。
(2)前記表面層が、前記基材層の両面に積層されてなる(1)に記載の光拡散性積層樹脂板。
(3)前記光拡散剤(a)が、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋アクリル系樹脂粒子、架橋メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂粒子、およびシリコーン樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、(1)または(2)に記載の光拡散性積層樹脂板。
(4)前記基材層と前記表面層とが、共押出成形で積層一体化される工程を含む、(1)から(3)のいずれかに記載の光拡散性積層樹脂板の製造方法。
本発明の光拡散性積層樹脂板の製造方法は、上記基材層と上記表面層とが、共押出成形により成形され、積層一体化される工程を含む、ことを特徴とする。
本発明の光拡散性積層樹脂板は、表面層の拡散剤濃度を、基材層の拡散剤濃度よりも低い特定の範囲とし、さらに、光拡散性積層樹脂板が特定の厚みを有し、かつ基材層の厚みと表面層の厚みとの比が特定の範囲であるため、表面層に存在する拡散剤に起因する発煙が増加したり、ロールへの密着性が低下したりすることがなく、ブツの発生も抑制され、かつ良好な鏡面性を保つことができる。加えて、表面層の光拡散剤と基材層の光拡散剤とが同種のものであり、基材層の表面層側表面と表面層の基材層側表面とが接しているため、端面が良好な外観を有する。したがって、本発明によれば、発煙などによる生産性の低下やブツの発生を抑制し、かつ良好な鏡面性を保ちつつ、端面の外観が良好な光拡散性積層樹脂板を提供することができる。
本発明の光拡散性積層樹脂板は、0.11重量%〜20重量%の光拡散剤(a)を含有するメタクリル樹脂(A)からなる表面層の少なくとも一方の面に、0.1重量%〜10重量%の光拡散剤(b)を含有するメタクリル樹脂(B)からなる樹脂層が積層されてなる。本発明の光拡散性積層樹脂板は、0.5mm〜10mmの厚みを有し、好ましくは1mm〜8mm、より好ましくは2mm〜5mmの厚みを有する。
本発明において、メタクリル樹脂(A)、(B)とは、その構成単位としてメタクリル酸またはメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなど)を、50重量%以上含有する樹脂(ホモポリマーおよびコポリマー)のことをいう。メタクリル樹脂の分子量は特に限定されない。
このようなメタクリル樹脂(A)、(B)としては、例えば、メタクリル酸のホモポリマー、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなど)のホモポリマー、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルと共重合可能な不飽和単量体とのコポリマーなどが挙げられる。
メタクリル酸またはメタクリル酸エステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなど)、主となるメタクリル酸エステルとは異なるメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
このようなメタクリル樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、メタクリル樹脂(A)とメタクリル樹脂(B)とは、同一の樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。メタクリル樹脂(A)とメタクリル樹脂(B)とが異なる場合としては、例えば分子量による違い、ホモポリマーとコポリマーの違い、コポリマーにおけるメタクリル酸エステルとの共重合成分の違い、共重合成分の含有割合の違いなどが挙げられるが、メタクリル樹脂(A)の屈折率とメタクリル樹脂(B)の屈折率との差の絶対値は小さい方が好ましい。
本発明に用いられる光拡散剤としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの無機粒子;架橋アクリル系樹脂粒子;架橋アクリル−スチレン共重合体系樹脂粒子;シリコーン樹脂粒子などが挙げられる。
これらの中でも、コスト、樹脂との混練性、得られる光拡散性積層樹脂板の色合いなどの点から、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋アクリル系樹脂粒子、架橋メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂粒子、およびシリコーン樹脂粒子が好ましく、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋メタクリル酸メチル−スチレン共重合体粒子がより好ましい。光拡散剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、本発明の光拡散性積層樹脂板は、以下の(I)〜(IV)の要件を満たす必要がある:
(I)光拡散剤(a)および光拡散剤(b)が、同種の光拡散剤であること、
(II)メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(a)の割合が、メタクリル樹脂(B)に含有される光拡散剤(b)の割合よりも多いこと、
(III)表面層の厚みが、光拡散性積層樹脂板の厚みの1/10以下であること、および
(IV)基材層の表面層側表面と、表面層の基材層側表面とは接していること。
本発明においては、光拡散剤(a)および光拡散剤(b)は、同種の光拡散剤が用いられる。ここで、「同種の光拡散剤」とは、例えば、硫酸バリウム同士や炭酸カルシウム同士のように、同じ種類に分類される光拡散剤のことをいい、平均粒径が同一であっても異なっていてもよく、さらに、無機粒子の場合には結晶構造などが、有機粒子の場合には分子量などが同一であっても異なっていてもよい。光拡散剤(a)および光拡散剤(b)は、均一な光拡散性が得られ、かつ端面の外観が良好になるという点で、同一の光拡散剤を用いることが好ましい。
光拡散剤(a)および光拡散剤(b)として、異種の光拡散剤を用いた場合(例えば、光拡散剤(a)として硫酸バリウムを用い、光拡散剤(b)として炭酸カルシウムを用いた場合など)、光拡散性積層樹脂板の端面において、基材層と表面層との界面が明瞭に識別できるようになり、光拡散性積層樹脂板の外観が悪くなるため好ましくない。
本発明においては、光拡散剤(a)は、メタクリル樹脂(A)に、0.11重量%〜20重量%、光拡散剤(b)は、メタクリル樹脂(B)に、0.1重量%〜10重量%の割合で含有され、メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(a)の割合が、メタクリル樹脂(B)に含有される光拡散剤(b)の割合よりも多くする必要がある。すなわち、基材層に含有される光拡散剤の割合が、表面層に含有される光拡散剤の割合よりも多くする必要がある。
光拡散剤(a)は、メタクリル樹脂(A)に、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは0.8重量%〜5重量%の割合で含有される。光拡散剤(b)は、メタクリル樹脂(B)に、好ましくは0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.1〜1.8重量%の割合で含有される。光拡散剤(a)および光拡散剤(b)のそれぞれにおいて、2種以上の光拡散剤を用いる場合は、これらの合計含有量がそれぞれ上記範囲となるようにすればよい。
光拡散剤(a)の含有割合が0.11重量%未満の場合、あるいは光拡散剤(b)の含有割合が0.1重量%未満の場合、十分な光拡散効果が得られない。一方、光拡散剤(a)の含有割合が20重量%を超える場合、得られる光拡散性積層樹脂板の引張強度や耐衝撃性が低下する傾向にある。光拡散剤(b)の含有割合が10重量%を超える場合、光拡散性積層樹脂板の表面が粗くなり、例えば製造時にロールへの密着性が低下し、密着していない部分から発煙して発煙物がロールに付着してロール汚れが発生する。
本発明においては、表面層の厚みが光拡散性積層樹脂板の厚みの1/10以下である。1/10を超える場合、光拡散性積層樹脂板の端面の外観が損なわれる点で好ましくない。表面層の厚みは、光拡散性積層樹脂板の厚みの、好ましくは1/12以下、より好ましくは1/15以下である。また、表面層の厚みの下限値は、成形可能な厚みであればよいが、得られる表面層の厚みを均一にできる点や、基材層において光拡散剤の凝集体が発生しても、得られる光拡散性積層樹脂板の表面においてブツとして認識されないようにできる点を考慮して、好ましくは0.02mm以上、より好ましくは0.03mm以上であるのがよい。
表面層は、基材層の少なくとも一方の面に積層されるが、好ましくは基材層の両面に積層される。表面層が基材層の両面に積層される場合、表面層はいずれも同一の厚みであってもよく、異なる厚みであってもよい。なお、表面層が基材層の両面に積層される場合、両方の表面層の合計厚みが上記の割合(光拡散性積層樹脂板の全厚に対する表面層の厚みの割合が1/10以下)を満たす必要がある。
本発明においては、基材層と表面層とが、接着剤層を介することなく接している。このように、基材層と樹脂層とが、接着剤層を介することなく接触することによって、基材層と表面層との界面がほとんど視認できなくなり、端面の外観が良好(ほぼ単層に見える)な光拡散性積層樹脂板が得られる。
基材層と樹脂層とが、接着剤層を介することなく接触するように積層する方法としては、例えば、共押出成形法、溶融押出ラミネート法、積層一体化ラミネート法、コーティング法などが挙げられる。本発明の光拡散性積層樹脂板は、特に、基材層と表面層とを共押出成形で積層一体化することにより、好適に得られる。この共押出成形は、2基または3基の一軸または二軸の押出機を用いて、基材層の材料(光拡散剤(a)を含有するメタクリル樹脂(A))と表面層の材料(光拡散剤(b)を含有するメタクリル樹脂(B))とを、それぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイなどを介して積層することにより行われる。
積層一体化されたシート状またはフィルム状の溶融樹脂を、例えば、ロールユニットなどを用いて冷却固化し、本発明の光拡散性積層樹脂板が得られる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(光拡散性積層樹脂板の調製)
PMMA樹脂ペレット(住友化学(株)製、スミペックスEX)に、光拡散剤として炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、カルテックスRR、重量平均粒子径5μm、屈折率1.57〜1.60)を2重量%の割合となるように添加し、スーパーミキサーで混合した。得られた混合物を二軸押出機で溶融混練してメタクリル樹脂(A)のペレットを調製した。
メタクリル樹脂(A)とは別に、上記スミペックスEXに、カルテックスRRを0.1重量%の割合となるように添加し、スーパーミキサーで混合した。得られた混合物を二軸押出機で溶融混練してメタクリル樹脂(B)のペレットを調製した。
次いで、得られたメタクリル樹脂(A)のペレットを、東芝機械(株)製の65mmφ一軸押出機で、そして得られたメタクリル樹脂(B)のペレットを、東芝機械(株)製の45mmφ一軸押出機でそれぞれ溶融し、フィードブロック法にて、275℃に設定したT型ダイスを介して押し出すことによりメタクリル樹脂(A)の両表面にメタクリル樹脂(B)を溶融積層一体化させ積層シートを作製した。なお、溶融積層一体化は、メタクリル樹脂(A)からなる層の両表面に積層されたメタクリル樹脂(B)からなる層がそれぞれ同一の厚みとなるようにし、かつ、積層シートの全厚に対して、該積層シートにおけるメタクリル樹脂(B)からなる層の合計厚みが1/30となるように行った。得られた積層シートを、一対の表面が平滑な金属製のロールの間に挟み込んで成形し、全厚3mmの光拡散性積層樹脂板(メタクリル樹脂(B)からなる表面層の1層当たりの厚み:0.05mm)を調製した。
(実施例2〜8)
光拡散剤の種類および含有割合を、それぞれ表1に記載の種類および含有割合にしたこと以外は、実施例1と同様にして光拡散性積層樹脂板を調製した。なお、硫酸バリウムについては、日本化学工業(株)製「AD硫酸バリウム(重量平均粒子径1.4μm、屈折率1.64)」を用い、酸化チタンについては、石原産業(株)製「タイペークR830(ルチル型、重量平均粒子径0.25μm、屈折率2.72)」を用い、そしてMS系架橋粒子(メタクリル酸メチル−スチレン共重合架橋微粒子)については、積水化成品工業(株)製「テクポリマーXX−24K(重量平均粒子径5μm、屈折率1.52)」を用いた。
(比較例1、3、および4)
光拡散剤の種類および含有割合を、それぞれ表1に記載の種類および含有割合にしたこと以外は、実施例1と同様にして光拡散性積層樹脂板を調製した。
(比較例2)
上記スミペックスEXに、カルテックスRRを2重量%の割合となるように添加し、スーパーミキサーで混合した。得られた混合物を二軸押出機で溶融混練してメタクリル樹脂(A)のペレットを調製した。次いで、得られたメタクリル樹脂(A)のペレットを、東芝機械株式会社製の65mmφ一軸押出機で、275℃に設定したT型ダイスを介して押し出して所定の厚みを有するメタクリル樹脂(A)からなる単層シートを調製した。
さらに、スミペックスEXに、カルテックスRRを0.2重量%の割合となるように添加し、スーパーミキサーで混合した。得られた混合物を二軸押出機で溶融混練してメタクリル樹脂(B)のペレットを調製した。次いで、得られたメタクリル樹脂(B)のペレットを、東芝機械株式会社製の65mmφ一軸押出機で、275℃に設定したT型ダイスを介して押し出して所定の厚みを有するメタクリル樹脂(B)からなる単層シートを調製した。
次いで、メタクリル樹脂(A)からなるシートの表面に、接着剤層(アクリル系重合型接着剤(住友化学株式会社製、セメント7))を介してメタクリル樹脂(B)からなるシートを置いた。ゴム弾性を有する2本のロールに挟み込んで、空気を抜きつつ貼り合わせて、メタクリル樹脂(A)からなるシートとメタクリル樹脂(B)からなるシートとが接着するまで放置し、光拡散性積層樹脂板を得た。
(比較例5)
光拡散剤の種類および含有割合を、表1に記載の種類および含有割合にしたこと以外は、比較例2と同様にして光拡散性積層樹脂板を調製した。
(比較例6)
メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(炭酸カルシウム)の含有割合を2.2重量%にし、メタクリル樹脂(B)に光拡散剤を含有しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光拡散性積層樹脂板を調製した。
各実施例および比較例で得られた光拡散性積層樹脂板について、以下の評価方法にて、ブツ発生個数、鏡面性、発煙など生産性、および端面外観をそれぞれ調べた。
<ブツ発生個数>
得られた光拡散性積層樹脂板の任意の部分をA4サイズの大きさに切り取り、目視でブツの個数を数え、以下の基準で評価した。
○:ブツの個数が5個未満(ブツがない、または極めて少ない)。
△:ブツの個数が5個以上20個未満(ブツが少ない)。
×:ブツの個数が20個以上(ブツが多い)。
<鏡面性>
得られた光拡散性積層樹脂板の任意の部分を切り取り、表面に反射した蛍光灯の写り込みの様子を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:反射した蛍光灯の像が、明確である場合。
△:反射した蛍光灯の像が、ややぼやけている場合(光沢が失われている場合)。
×:反射した蛍光灯の像が、明らかにぼやけている場合。
<発煙など生産性>
光拡散性積層樹脂板の生産時に、T型ダイス出口から一対のロールに挟み込まれるまでの間の積層シートからの発煙、および成形時のロールの汚れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:発煙などの生産上の問題が一切ない場合。
△:やや発煙が認められるが、生産上、問題になるレベルではない場合。
×:発煙し、ロール汚れなどが認められ、収率の低下などを招く恐れがある場合。
<端面外観>
得られた光拡散性積層樹脂板の任意の部分を切り取り、端面をプラビューティーで研磨加工した後、端面を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:基材層と表面層との界面が、目視上観察できない(単層に見える)場合。
△:基材層と表面層との界面が、目視上僅かに確認できる(ほぼ単層に見える)場合。
×:基材層と表面層との界面が、目視上明らかに確認できる(多層に見える)場合。
試験結果を表1に示す。
Figure 2012111138
表1に示すように、本発明の光拡散性積層樹脂板は、発煙などによる生産性の低下やブツの発生を抑制し、かつ良好な鏡面性を保ちつつ、端面の外観が良好であることがわかる。
本発明によれば、発煙などによる生産性の低下やブツの発生を抑制し、かつ良好な鏡面性を保ちつつ、端面の外観が良好な光拡散性積層樹脂板を提供することができる。したがって、本発明は、表示装置の保護板、照明カバー、照明看板などで有用である。また、本発明の光拡散性積層樹脂板は、和紙などの両面に配置され、プレスなどで一体積層化することにより、破れず耐候性に優れ光沢感のある和紙風シートが得られる。このような和紙風シートは、障子紙、襖紙、壁紙などの建材分野、和紙調照明カバーなどに有用である。

Claims (4)

  1. 0.11重量%〜20重量%の光拡散剤(a)を含有するメタクリル樹脂(A)からなる基材層の少なくとも一方の面に、0.1重量%〜10重量%の光拡散剤(b)を含有するメタクリル樹脂(B)からなる表面層が積層されてなる光拡散性積層樹脂板であって、
    該樹脂板が0.5mm〜10mmの厚みを有し、かつ以下の(I)〜(IV)を満たす、ことを特徴とする光拡散性積層樹脂板。
    (I)光拡散剤(a)および光拡散剤(b)が、同種の光拡散剤であること、
    (II)メタクリル樹脂(A)に含有される光拡散剤(a)の割合が、メタクリル樹脂(B)に含有される光拡散剤(b)の割合よりも多いこと、
    (III)表面層の厚みが、光拡散性積層樹脂板の厚みの1/10以下であること、および
    (IV)基材層の表面層側表面と、表面層の基材層側表面とは接していること。
  2. 前記表面層が、前記基材層の両面に積層されてなる、請求項1に記載の光拡散性積層樹脂板。
  3. 前記光拡散剤(a)が、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋アクリル系樹脂粒子、架橋メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂粒子、およびシリコーン樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の光拡散性積層樹脂板。
  4. 前記基材層と前記表面層とが、共押出成形で積層一体化される工程を含む、請求項1から3のいずれかの項に記載の光拡散性積層樹脂板の製造方法。
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