JP2012110547A - 消臭性フォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セル膜を除去したポリウレタンフォーム11の表面にシルクスクリーン印刷により、消臭剤とバインダーの混合液21を塗布し、混合液塗布後のポリウレタンフォーム11Aの表面にエアー53を吹き付けて混合液21をポリウレタンフォームの内部に侵入させ、エアー吹き付け後のポリウレタンフォーム11Bを加熱して混合液を乾燥させることにより、セル膜を除去したポリウレタンフォームの内部まで消臭剤を付着させ、エアコンや空気清浄機のフィルター等として好適な消臭性フォームを製造する。
【選択図】図1
Description
前記消臭性フォームの製造方法として、消臭剤を配合したフォーム原料を発泡させてポリレタンフォームを得る方法と、発泡後のポリウレタンフォームに後工程で消臭剤を含浸させる方法がある。
ロールコータ含浸法は、例えば図2に示すように、コンベア71上にポリウレタンフォーム72を載置して一方向へ搬送し、コンベア71上のポリウレタンフォーム72の上面を押圧しながら回転する回転ロール75と前記回転ロール75に近接して回転する回転ロール76との間に、上方から消臭剤とバインダーとの混合液77を供給し、前記回転ロール75の表面に付着させた混合液77をポリウレタンフォーム72の表面に供給し、さらに前記回転ロール75によるポリウレタンフォーム72の押圧によって混合液77をポリウレタンフォーム72の内部に含浸させる方法である。
また、含浸による消臭性フォームの製造方法では、ポリウレタンフォームに対する消臭剤の付着量のコントロールが難しく、ポリウレタンフォームの骨格表面に消臭剤が過剰に付着して骨格間の隙間を消臭剤が塞ぐことにより、圧力損失が大になってフィルターにとって重要な通気性を損なうようになったり、逆にポリウレタンフォームの骨格表面に対する消臭剤の付着量が少なくなって消臭性が劣るようになったりすることがあり、良好な通気性及び消臭性を安定して得難い問題がある。
塗装工程では、図1の(A)に示すように、セル膜を除去したポリウレタンフォーム11の表面にシルクスクリーン印刷により、消臭剤とバインダーの混合液21を塗布し付着する。前記セル膜を除去したポリウレタンフォームは、爆発法や溶解法等の公知のセル膜除去処理によりポリウレタンフォームのセル膜が除去されたものであり、三次元網状骨格構造からなる。使用するポリウレタンフォームは、セル数8〜20個/25mm(JIS K6400−1)のものが、通気性及び圧力損失の点で好ましい。セル膜を除去したポリウレタンフォームの厚みは、3〜20mm程度が好ましい。なお、シルクスクリーン印刷は、孔印刷もしくはスクリーン印刷とも称される。
なお、常温で固体の粉状の消臭剤としては、その粒子径が、0.1〜100μmが好ましい。100μm以上の大きな粒子径となると、スクリーン印刷時に、目づまりを起こす危険性があるからである。
また、前記混合液21における消臭剤の量は0.1〜30重量%であるのが好ましい。
セル膜を除去したポリウレタンフォームとして、セル数8個/25mm、密度30kg/m3のポリウレタンフォーム、品名:MF−8、株式会社イノアックコーポレーション製を、厚み6.5mm×300mm×300mmにしたものを用いた。セル膜を除去したポリウレタンフォームの重さ(塗布前の重さ)は17.4gであった。また、消臭剤として、金属化合物を担持させた無機多孔質体、品名:エフニカ、南姜エフニカ(株)製、バインダーとしてアクリル系粘着剤、品名:BPW6195、東洋インキ製造株式会社製を用い、消臭剤の含有率が1.76重量%となるように消臭剤とバインダーの混合液(25℃の粘度15.4Pa・s)を調製した。
その後、ポリウレタンフォームを加熱炉に収容し、80℃で60分間加熱して乾燥させる乾燥工程を行い、実施例1の消臭性フォームを製造した。
実施例1の塗布工程において、消臭剤の含有率が2.47重量%となるように消臭剤とバインダーの混合液(25℃の粘度18.2Pa・s)を調製し、また、スクリーン上に供給した混合液の量を120gとした以外は、実施例1と同様にして実施例2の消臭性フォームを製造した。なお、ポリウレタンフォームの上面に対する単位面積当たりの混合液の付着予定量は120g/m2、単位面積当たりの実際の混合液の付着量は120g/m2であった。
・実施例3
実施例2において、セル膜を除去したポリウレタンフォームとして、セル数30個/25mm、密度30kg/m3のポリウレタンフォーム、品名:MF−30、株式会社イノアックコーポレーション製を用いた以外は、実施例2と同様にして実施例3の消臭性フォームを製造した。なお、ポリウレタンフォームの上面に対する単位面積当たりの混合液の付着予定量は120g/m2、単位面積当たりの実際の混合液の付着量は121g/m2であった。
実施例1で用いたセル膜を除去したポリウレタンフォーム(セル数8個/25mm)のみで比較例1の消臭性フォームを形成した。
・比較例2
実施例1で用いたポリウレタンフォームと混合液を使用し、図2に示したロールコータ含浸法によって混合液をポリウレタンフォームに含浸させ、その後に加熱乾燥させて比較例2の消臭性フォームを製造した。なお、含浸前と含浸後のポリウレタンフォームの重量を測定して、単位面積当たりの実際の混合液の付着量を計算した。単位面積当たりの実際の混合液の付着量は302g/m2であった。
・比較例3
実施例3で用いたポリウレタンフォームと混合液を使用し、図2に示したロールコータ含浸法によって混合液を含浸させ、その後に加熱乾燥させて比較例3の消臭性フォームを製造した。なお、含浸前と含浸後のポリウレタンフォームの重量を測定して、単位面積当たりの実際の混合液の付着量を計算した。単位面積当たりの実際の混合液の付着量は308g/m2であった。
圧力損失試験は、JIS D 1612の自動車用エアクリーナ試験方法に準じて、通過空気量を数段階にかえて、それぞれについて供試エアクリーナーの入り口と出口の圧力差を測定した。
アセトアルデヒド除去試験は、テドラーバックに、実施例あるいは比較例の試験体(6.5mm×100mm×100mm)を収容し、吸引ポンプでテドラーバック内のエアーを抜き、次にドライエアー4Lをテドラーバックに充填し、さらにアセトアルデヒド(1050ppm)をテドラーバックに100ml投入し、初期のアセトアルデヒド濃度と、1日後のアセトアルデヒド濃度を検知管で測定した。そして、アセトアルデヒド残留%(1日後のアセトアルデヒド濃度/初期のアセトアルデヒド濃度)を計算した。表1に試験結果を示す。
さらに、比較例1はアセトアルデヒド残量%が79%であったのに対し、実施例1乃至実施例3ではアセトアルデヒド残量が0%であり、優れた消臭性を有することがわかる。
また、ロールコータ含浸法で製造した比較例2及び比較例3と比べて実施例1乃至実施例3は圧力損失が小さいことから、本発明の製造方法によれば、圧力損失が小さく通気性の良好な消臭性フォームが得られることがわかる。
11A 混合液が塗布されたセル膜の除去されたポリウレタンフォーム
11B エアー吹き付け工程後のセル膜の除去されたポリウレタンフォーム
21 混合液
31 スクリーン
41 スキージ
51 エアー吹き付け装置
61 加熱装置
Claims (2)
- セル膜を除去したポリウレタンフォームに消臭剤を付着させた消臭性フォームの製造方法において、
前記ポリウレタンフォームの表面にシルクスクリーン印刷により、消臭剤とバインダーの混合液を塗布する塗布工程と、
前記混合液塗布後のポリウレタンフォームの表面にエアーを吹き付けて前記混合液をポリウレタンフォームの内部に侵入させるエアー吹き付け工程と、
前記エアー吹き付け後のポリウレタンフォームを加熱して前記混合液を乾燥させる乾燥工程と、
よりなることを特徴とする消臭性フォームの製造方法。 - 前記塗布工程のシルクスクリーン印刷では、前記ポリウレタンフォームの表面に70〜300メッシュのスクリーンを配置し、前記スクリーン上に前記混合液を供給して前記スクリーン上をスキージで擦って前記ポリウレタンフォームの表面に前記混合液を付着させることを特徴とする請求項1に記載の消臭性フォームの製造方法。
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