JP2012110215A - 同期電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 調整用に逆起電圧を観測できる回転数まで同期電動機を回転させることなく、同期電動機と回転角センサの角度差を調整できる装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも1つの実施形態の同期電動機制御装置は、回転子に電気的突極性を有する同期電動機2と、同期電動機の回転角度を検出する回転角度センサ3と、同期電動機2を制御する制御指令を受け取るインバータ1と、同期電動機2の任意の回転角度方向に定義した直交座標に基づき、インバータへ出力する制御指令値を出力する電流制御部6と、電流制御部6が出力する制御指令値に対し、電圧を印加する指令を生成する高周波電圧指令生成5部と、制御指令値と電圧を印加する指令に基づき、同期電動機2の電気的突極方向の角度と回転角度センサにより検出される回転角度の回転角度差を演算する角度差演算部10と、角度差演算部10が演算する回転角度差に基づき、回転角度センサを補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、同期電動機制御装置に関する。
回転子に界磁用巻線や永久磁石、鉄心を用いた電動機は、電動機の回転に同期して固定子に通電し、トルクを発生させるため、同期電動機と呼ばれる。より詳しくは、界磁巻線を用いて回転子磁束を発生させ、トルクを得るものを単に同期電動機、回転子に永久磁石を用いて回転子磁束を発生させ、マグネットトルクを得るものを永久磁石同期電動機、回転子に鉄心のみを用いてリラクタンストルクを得るものをリラクタンスモータなどと呼ぶ。
上記のような同期電動機は、一般的に運転中の回転角度を計測し、適切な位相角に通電することによって高効率に高トルクを得る制御が行われている。
回転角度を計測するためにはレゾルバやエンコーダ(パルスジェネレータ)等に代表される回転角度センサを設置するのが一般的である。例えばレゾルバは、ロータが同期電動機の回転軸に設置され、同期電動機の固定子側に設置されたステータから高周波励磁をかけ、回転トランスとして作用するロータの作用をステータ巻線で観測することにより回転角度を検出する。また、エンコーダは、多数のスリットを設けた円盤を回転軸に設置し、スリットに光やレーザーを当てて透過光を観測することで、円盤のスリットに応じたパルス情報を得、パルスをカウントすることによって相対的な回転角度を得る。
上述したような回転角度センサを用いる同期電動機の制御システムにおいて、回転角度センサの位置決めは駆動性能を決める重要な要因である。すなわち、例えば永久磁石同期電動機の場合、回転子の磁石磁束方向を回転の基準方向として、電気的に90度進んだ方向に電流を流すことによって効率的にトルクを発生させることができるが、回転角度センサの基準位置に誤差がある場合、正確に磁石磁束方向に対して90度進んだ方向に電流を流すことができず、常に基準位置の誤差の分だけ電流位相にも誤差が生じることになる。電流位相に誤差があると、発生トルクが低下し、損失の増大や加減速性能の低下を招くことになる。最悪の場合、誤差が大きいと発生トルクの正負が逆転し、意図しない回転方向に回転してしまうことも考えられる。
回転角センサの位置決めは、センサのステータ・ロータをそれぞれ同期電動機のステータ・ロータの基準点と一致させる作業を要する。しかし、組立工程等の制約により、センサを同期電動機に組み付ける際に精度よく設置することが難しいため、組み立て後に電動機の制御装置側で調整する場合が多い。具体的には、センサの出力する回転角度情報をレゾルバ/デジタルコンバータなどによってデジタル値に変換し、以下に説明するような手段によって回転角センサのゼロ点の誤差を補償する値を計測し、制御装置に記憶させることによって、組み立て時の取り付け誤差を補償する。
図12に同期電動機の回転角度とセンサの回転角度、およびそれぞれのステータとロータの基準点の角度差の関係を示す。同期電動機とセンサの角度差Δθは、数(1)のように、それぞれのステータ基準点の差Δθsとロータ基準点の差Δθrの和で表される。
Figure 2012110215
回転角センサの位置決め調整は、Δθに相当する値を計測し、制御装置にパラメータとして記憶しておくことを意味する。
調整方法としては、例えば永久磁石同期電動機の場合、一般的に磁石磁束方向をロータの基準方向に取り、制御装置で速度制御を行って十分高い回転速度まで回転させた時、同期電動機の端子に現れる逆起電圧が磁石磁束の90度進み位相となることを利用する。制御装置でこの動作を行う場合は、一定回転速度まで回転させた後、電流指令をゼロとして電流制御した時の電圧指令ベクトル位相が回転角度の90度進み位相となるよう、角度差パラメータを調整すればよい。
また、調整対象の同期電動機が負荷機に接続されている場合は、同期電動機の相端子を開放し、負荷機から一定回転速度で回転させた時の同期電動機端子電圧を計測してもよい。この時の端子電圧は逆起電圧そのものになっているので、その位相を計測し、回転角センサの出力する角度との相関でΔθを決めることができる。
特開2010−166701号公報
上述したような方法により、同期電動機と回転角センサの角度差を調整することが可能となるが、上述した方法は同期電動機を回転させなければならないため、調整用に制御装置と組み合わせて駆動する工程が必要になる上、専用設備が必要となり、時間もかかるなどの不都合がある。また調整した値を制御装置に記憶させた後は、同期電動機と調整値を一対として管理する必要があり、管理の手間がかかる。
また、同期電動機を組み込んだ装置の稼働中に同期電動機もしくは回転角センサが故障した場合、故障した同期電動機やセンサを交換することになるが、交換作業によって同期電動機とセンサの回転角度の関係が変化してしまうため、交換後にも上述したセンサの調整作業が必要となるため、交換後に少なくとも同期電動機を単体で回転させることができる状態にしなければならない。もしくは、同期電動機本体を取り外し、専用の調整設備に組み込んで調整試験を行わなければならず、いずれの場合でも作業時間や手間がかかる。
本発明は上述した課題を解決するために成されたものであり、調整用に逆起電圧を観測できる回転数まで同期電動機を回転させることなく、同期電動機と回転角センサの角度差を調整できる装置を提供することを目的とする。
実施形態の同期電動機制御装置は、回転子に電気的突極性を有し、回転子の回転に同期した位相に交流電流を流すことによりトルクを発生する同期電動機と、同期電動機に接続され、同期電動機の回転角度を検出する回転角度センサと、同期電動機と接続され、同期電動機を制御する制御指令を受け取るインバータと、同期電動機の任意の回転角度方向に定義した直交座標に基づき、インバータへ出力する制御指令値を出力する電流制御部と、電流制御部が出力する制御指令値に対し、電圧を印加する指令を生成する高周波電圧指令生成部と、制御指令値と前記電圧を印加する指令に基づき、同期電動機の電気的突極方向の角度と回転角度センサにより検出される回転角度の回転角度差を演算する角度差演算部と、角度差演算部が演算する回転角度差に基づき、回転角度センサと前記同期電動機の実回転角度とを対応させるため、回転角度センサを補正する回転角検出部とを有している。
第1の実施形態の同期電動機の制御システム図。 永久磁石同期電動機のベクトル制御における座標定義を示す図。 回転高周波交番電圧の波形図。 回転高周波交番電圧の回転位相図。 高周波電流のサンプリング点を示す図。 第2の実施形態の同期電動機の制御システム図。 第2の実施形態の制御動作を示すフローチャート。 第2の実施形態の電流波形と工程の説明図。 高周波電流軌跡を示す図。 第3の実施形態の同期電動機の制御システム図。 第3の実施形態の制御動作を示すフローチャート。 第4の実施形態の制御動作を示すフローチャート。 第4の実施形態の同期電動機の制御システム図。 LL演算処理のシステム図。 第4の実施形態のセンサ回転角度のサンプリング点を示す図。 電動機と回転角センサの回転角度定義を示す図。
以下、実施形態の同期電動機の回転角度センサ調整のための制御部について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1乃至図5を参照し、詳細に説明する。図1は、インバータ1、同期電動機2、回転角度センサ3、制御部4、高周波電圧指令生成部5、電流制御部6、回転角設定部7、γδ/3相変換8、PWM処理部9、角度差演算部10、3相/γδ変換11、回転角検出部12を示している。
同期電動機2は、固定子と回転子から成り、固定子に設置された複数相の固定子巻線に電流を流して固定子磁束を発生させ、回転子磁束と固定子磁束の相互作用によりトルクを得る電動機であり、特に回転に同期した位相に電流を流すことによって所望のトルクを得られるという特性を持つ。また、電気的突極性は、電動機の回転に同期した回転直交2軸座標系(一般的にdq軸座標系と呼ぶ)で電動機をモデル化した時、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqが異なる特性のことを指す。電気的突極性を持つ永久磁石同期電動機の場合、Ld < Lqとなることが多く、この特性は逆突極性と呼ぶこともある。逆突極性を持つ永久磁石同期電動機では、Ld < Lqなる特性に起因するリラクタンストルクを利用することができ、総発生トルクを向上させることができるという利点がある。
回転角度センサ3は、同期電動機2の固定子側と回転子側それぞれに設置され、前述のような電磁気的作用や光学的作用に基づいて同期電動機2の回転角度を計測し、回転角度に対応した回転角度信号Dを出力する。回転角度信号Dは一般的にアナログ値や所定の分解能のパルスである。制御装置では、それらの信号を入力として制御演算に使用できるようにデジタル変換し、回転角度を得る。
同期電動機2を制御する制御装置は、電動機に供給する電力を直流から交流に変換するインバータ1と、インバータ1の各素子へのスイッチング指令を出力する制御部4から成る。
図1において、回転角度設定部7は、所望の回転角度θsetを出力し、γδ/3相変換部8および3相/γδ変換部11に出力する。θsetは常に一定値であり、値は任意に設定してもかまわないし、設定時点の回転角度センサ3の出力角度を用いてもよい。回転角度センサ3出力値を用いる場合、設定後に同期電動機2が回転してセンサ出力が変動したとしても、回転角度設定部7は一定の回転角度を出力するように動作する。
PWM処理部9は、一般的には三角波比較PWMが用いられる。電圧指令と三角波キャリアを比較することにより、インバータの各スイッチング素子のON/OFFゲート指令を生成する。
電流制御部6は、ベクトル制御などの制御方法を用いて、同期電動機2の電流を制御する。ベクトル制御について、以下回転子に永久磁石を用いた永久磁石同期機を例として説明する。
まず、図2に示すように、固定子に対応した任意の基準方向(例えばU相巻線の中心方向)をα軸、これに直交する方向をβ軸と定義し、同期電動機2の回転角度θmだけ回転したdq軸座標系を定義する。また、同様にα軸からθsetだけ回転したγδ座標系を定義する。このような定義に基づくと、永久磁石同期電動機の電圧・電流の関係は、数(2)の電圧方程数で表される。
Figure 2012110215
電流指令は、トルク指令等に基づいてγ軸電流指令Iγ ref、δ軸電流指令Iδ refが数(3)のように与えられる。
Figure 2012110215
次に、上記電流指令Iγ ref,Iδ refと、同期電動機に流れる電流のγ軸応答値Iγ res、δ軸応答値Iδ resとを入力として、例えば次のような比例積分制御により、γ軸電圧指令Vγ ref、δ軸電圧指令Vδ refが演算される。
Figure 2012110215
次に、以上のように出力されるγ軸電圧指令Vγ ref、δ軸電圧指令Vδ refを、γδ座標系の回転角度θsetに基づいて、γδ/3相変換部において、次のような演算により座標変換を行い、3相電圧指令V ref,V ref,V refが演算される。
Figure 2012110215
数(5)により求められた3相電圧指令が、PWM処理部9へ入力される。
また、ベクトル制御で用いる電流応答は、回転角度設定部から出力された回転角度θsetに基づいて、3相/γδ変換部において次のような演算によりγ軸電流応答値Iγ res,δ軸電流応答値Iδ resを求める。
Figure 2012110215
高周波電圧指令生成部5は、所定値である回転角度θvで回転する回転高周波交番電圧指令を生成する。高周波交番電圧指令は、周波数fhの単振動電圧を振幅として、回転角度θvでγδ軸座標上を回転する電圧指令であり、数(7)〜(10)のように表される。
Figure 2012110215
Figure 2012110215
Figure 2012110215
Figure 2012110215
上述のように決めた高周波交番電圧指令を図3に、この時のθvを図4に示す。なお、図3,4において、V=50[V],fh=1000[Hz], fv=10[Hz]である。
角度差演算部10は、回転高周波交番電圧指令を印加することによって同期電動機2に流れる回転高周波電流応答を用い、回転高周波交番電圧指令の回転位相θvの1/2周期、すなわちθvの2倍角の1周期に対応する1次フーリエ級数演算を行った結果得られる係数に基づいて、γδ座標系から見た同期電動機2のロータの相対回転角度θfを計算する。
そして相対回転角度θf、γδ座標系の回転角度θset、および回転角度センサ3が出力する回転角度θsを用いて、数(11)のように回転角度センサ3と実際の回転角度との角度差Δθを求め、回転角検出部12へ出力する。
Figure 2012110215
回転角検出部12では、回転角度センサ3からの信号を元に回転角度値を得て、角度差演算部からの出力Δθと加算して補正した値θcをγδ/3相変換部8および3相/γδ変換部11へ出力する。
次に、角度差演算部10の処理によって相対回転角度θfを計算する原理について説明する。まず、永久磁石同期電動機の電圧方程数(数(2))において、高周波電圧を印加して高周波電流を観測するため、微分項以外の項は微分項に比べて十分小さく、無視することができるので、微分項に関する成分を抽出すると、数(12)となる。
Figure 2012110215
数(12)をγδ座標系に座標変換し、電流について解くと、数(13)を得る。
Figure 2012110215
数(13)において、数(7)〜(10)で表される回転高周波交番電圧を印加すると、数(14)のような電流応答が得られる。
Figure 2012110215
数(14)で表される電流応答から回転高周波交番電圧の位相角θv方向の成分Ihvを抽出すると、数(15)を得る。
Figure 2012110215
数(15)から、Ihvのsinθ成分の振幅Ihvsを抽出し、フーリエ級数展開によって2θvに関する余弦成分aθvと正弦成分bθvを演算すれば、以下のように相対回転角度θfを求めることができる。
Figure 2012110215
電流のフーリエ級数展開については、一般的な数(17)を用いることが可能である。
Figure 2012110215
hvからsinθ成分の振幅Ihvsを抽出するには、簡単な方法としては、高周波電圧のゼロクロスタイミングで電流をサンプルする方法がある。電流サンプルタイミングを図5に示す。
図5において、各サンプリング値から振幅Ihvsを以下のように計算できる。
Figure 2012110215
以上の演算によりθfを求めることができ、θsetおよびθsは既知であるため、数(11)によって角度差Δθを計算することができる。
ここで、回転高周波交番電圧の交番周波数fhを十分高く設定することにより、この電圧によって流れる高周波電流の周波数も高くなる。この電流によって発生するトルクは正負の高周波となるため、上記演算を行っている間に、発生トルクによって同期電動機2が回転することはほとんどないと言える。
また、図5のタイミングでの電流検出は、必ずしも精度よく指定された時点で検出できなくともよく、Ihvsを等価的に得られれば、タイミングのずれは許容できる。例えば図5の各サンプリング点前後の複数の点で高速サンプリングし、時間的に平均を取ることによって、等価的に指定された時点でサンプリングしたのとほぼ同じ値を得ることができる。この場合、単一のサンプリングよりもノイズの影響を受けにくいという効果が得られる。
また、数(7)で表される回転高周波交番電圧の振幅Vhは、簡単には矩形波状の信号でもよい。矩形波状信号には同一周波数、同一位相の正弦波成分が含まれているので、原理に変更なくそのまま適用でき、矩形波信号は制御装置において正負の値の切り替えだけで作成することができるので、演算負荷を軽減することができる。
この場合、高周波電流は三角波状になることが予想されるので、三角波の各ピーク値でサンプリングすることが望ましい。これは矩形波回転高周波交番電圧の正負切り替わりタイミングでサンプリングすることと等価であるため、サンプリングタイミングの管理も簡単になる。
また、三角波の各ピークでサンプリングしなくとも、例えば常に十分高速にサンプリングしておき、三角波の傾きを計算することで、等価的なピーク値を導くこともできる。
(効果)
以上述べた実施形態の制御装置の制御システムによれば、同期電動機を回転させることなく、容易に回転角度センサの誤差を補正することが可能となる。そのため、回転角度センサの組込み時の調整工数削減や、同期電動機と制御装置の管理の簡易化、故障時の交換作業の簡易化を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。尚、図1乃至5と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、第1の実施形態に流電流指令設定部21が付加されている。図6に示すように、直流電流指令設定部21は、γδ座標系の電流指令(IγrefとIδref)を設定し、電流制御部6へ出力する。
図7に示すように、本実施形態の制御システムは、直流電流指令を印加して磁極を固定する第一の工程(S21)と、同期電動機2の静止の確認(S22)、回転高周波交番電圧を印加して高周波電流により回転角度センサの補正を行う第二の工程(S23)を備えている。
直流電流指令を印加する第一の工程(S21)および直流電流指令設定部21の目的は、同期電動機2の磁極の固定である。第二の工程(S23)で回転角度センサの補正を行う際、角度差演算部10によって角度差を演算している間に同期電動機2の回転子が回転してしまうと、演算結果の角度差が正しく演算されず、誤差が発生してしまう。そこで、第一の工程(S21)において、回転角度θsetの位相で基準軸αから回転して固定されているγδ座標系の角度に対し、直流電流指令を与え、電流制御を行う。これによって、同期電動機2の磁極は電流が作る磁束の方向に固定される。その際、同期電動機2の実回転角と、電流の作る磁束の基準軸αからの位相が一致していれば回転子は動かない。もし一致していなければ回転子は回転することになるが、回転する角度は電気角で180度未満であるので、機械角ではさらに小さい角度分しか動かないことになる。
図8に本実施形態の制御システムを実施したん場合の電流応答例を示している。第一の工程(S21)で直流電流を流した後、第二の工程(S23)に移行し、高周波電流が流れている。図8では、電流指令(Iγref)には正の指令値を、電流指令(Iδref)にはゼロの指令値を与えている。このように設定すると、回転子はγδ座標系のγ軸の方向に固定される。この時、直流電流を印加していくと回転子が回転して、γ軸に対してやや振動的に動く可能性もあるが、十分長い時間印加しておくことによって減衰し、静止する。
さらに、速度制御を行うことによって静止するまでの時間を短縮することもできる。この場合、回転子の回転速度は回転角度センサの回転角度を微分することによって容易に得ることができ、回転角度の誤差があったとしても、速度は影響を受けないため、正確な速度が得られるので、十分速度制御が可能である。速度制御は、従来から一般的に用いられているPI制御で十分であり、入力の速度指令はゼロとし、出力のトルク指令を電流指令(Iδref)に与え、電流指令(Iγref)には直流電流指令を一定値で与える。このように構成すれば、同期電動機2が負荷に接続されていない、いわゆるフリーラン状態であれば、回転子が静止した時の電流指令(Iδref)はゼロとなり、直流電流指令をIγ方向に印加する上記状態と等価となる。
以上に述べたように本実施形態の制御システムは、直流電流を印加したことによってγ軸方向に静止した後、直流電流指令は固定したまま、第二の工程に移行する。第二の工程は、直流電流を流している以外は第1の実施形態での処理と同一である。
次に、直流電流を印加して回転子を静止させ、回転角度の補正を行う効果について説明する。第二の工程で実施する回転角度補正処理は、補正演算中に回転子の回転角度が変化しない、すなわち静止した状態であることが望ましい。通常、回転子が負荷に接続されていないか、接続されていても負荷が稼動していなければ、同期電動機2側からトルクを発生しなければ回転子が回転することはない。しかし、補正演算中には高周波電流が流れるため、瞬時的なトルクが発生する。高周波電流は交番高周波電流のため、平均トルクはゼロになるが、瞬時的なトルクによって回転子が微小に回転してしまう可能性はゼロではない。そこで、直流電流を印加して、補正演算中の回転子を固定することで、高周波電流によって発生するトルクにより回転子が回転することを防止することが可能となる。
また、インバータ1のデッドタイムの影響による補正演算の誤差を排除することが可能となる。PWM処理部9で処理した上下アームのゲート信号に対して、信号のH/L切り替わり時にインバータの上下アームが短絡しないよう、両方のゲート信号がLとなるようにデッドタイム期間を設けている。しかし、このデッドタイム期間中の出力電圧は、該当アームの相電流の方向で決まるため、電圧指令とは異なった電圧が出力されてしまう可能性がある。相電流の応答値を用いてデッドタイム中に異なった電圧指令を補正するデッドタイム補償を行うことによって、この状況を回避することができるが、特に相電流がゼロ付近であると、この補償を行うのが難しくなってしまう。特に、高周波電流を流す場合、頻繁に相電流のゼロクロスが発生するため、デッドタイム期間中の出力電圧誤差によって、角度差演算にも誤差が発生し、正しい補正値を演算できなくなってしまう。
直流電流を印加する本実施形態は、このような状況を回避可能である。すなわち、直流電流を印加することによって、各相電流が常に正または負となる状況を作り出すことができるため、デッドタイムの出力電圧への影響が高周波電流によらず常に一定となるため、補正演算への影響を排除することが可能となる。
図9に、以上の状況を模数的に表した電流軌跡を示す。図9において、網掛けで示した領域に電流ベクトルが入っていれば、各相の電流の符号が正負切り替わることがなく、デッドタイムの影響が一様であるといえる。直流電流を印加することにより、高周波電流が流れたとしても各相の電流符号が切り替わることがなくなる。ちなみに、網掛け領域は、点線で囲まれた6個の領域のどれであっても同じ効果が得られる。例えば、本実施形態の第一の工程(S21)を行う前に、直流電流を印加せずに第二の工程(角度誤差補正演算)(S23)を行って、デッドタイムによる補正誤差が多少含まれているとしても、概略の回転角度を求め、上記6個の領域のうち、その回転角度が含まれる領域を選択して、その領域の中心角度に直流電流が流れるように直流電流を設定して、第一の工程(S21)を行い、その後再び第二の工程(S23)を行うことによって、確実にデッドタイムの影響を排除することができる。
以上のように構成することによって、本実施形態の制御部では、補正演算中の回転子の回転を防止しつつ、デッドタイムの影響を排除して、精度よく回転角度センサの誤差を補正することが可能となるため、回転角度センサ組込み時の調整工数削減や、電動機と制御装置の管理の簡易化、故障時の交換作業の簡易化を実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図10乃至図11を参照し、詳細に説明する。尚、図1乃至9と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
図10の制御部30は、第1の実施形態に直流電流指令設定部31、磁極判別用電流指令設定部32、磁極極性判別部33、切替スイッチ34が付加されたものである。直流電流指令設定部31は、γδ座標系の電流指令(IγrefとIδref)を設定し、電流制御部6へ出力する。磁極極性判別用電流指令設定部32は、磁極極性のための電流指令を設定し、電流制御部6へ出力する。後段の切換えスイッチ34において、直流電流指令設定部31からの電流指令と磁極極製判別用電流指令設定部32からの電流指令のどちらが電流制御部6へ接続されるか選択される。磁極極性判別部33は、電流応答を元に、磁極極性が反転しているか否かを判定し、磁極極性判定指令を回転角検出部12へ出力する。
切替スイッチ34の切り替わり方法について説明する。直流電流印加処理のとき切替スイッチ34は直流電流指令設定部31と電流制御部6が接続するように切り替わり、直流電流指令が電流制御部6へ入力されることになる。一方、磁極極性判別処理のとき切替スイッチ34は磁極極性判別用電流指令設定部32と電流制御部6が接続されるように切り替わり、磁極極性判別用電流指令が電流制御部6へ入力される。
第1の実施形態の角度差演算方数では、数(16)からも明らかなように、高周波交番電圧の回転位相の2倍角に基づいて補正角度θfを求めるため、実際の回転子の磁極位置に対して、0度か180度のどちらかの角度が演算され、どちらであるかはわからない。もし回転角度センサが少なくとも実磁極位置に対して±90度の精度で設置されているような場合は、計算した補正角度は0度であることが確実であるが、上記の精度を満たしていない場合、0度なのか180度なのかを判別する必要がある。
以上の理由から、本実施形態では、第一の工程(S31)、電動機の静止を確認する工程(S)32、第二の工程(S33)に第三の工程(S34)が付加されている。図11のフローチャートにおいて、第二の工程(S32)までで回転角度センサの角度が0度か180度のあいまいさで補正されているため、続く第三の工程で磁極極性を判別する。
第三の工程(S34)による磁極極性の判別は、例えば永久磁石同期電動機の場合、磁石方向に正と負の直流電流を印加すると同時に同じく磁石方向に高周波交番電圧を印加する。直流電流によって発生する磁束が磁石磁束と同じ方向の場合、双方の磁束の和によって、磁気飽和が発生し、d軸インダクタンスが低下する。逆方向の場合、双方の磁束は打ち消しあうので磁気飽和は発生せず、d軸インダクタンスは低下しない。インダクタンスは、印加した高周波電圧によって流れた高周波電流の振幅によって計算することができるので、正方向に直流電流を流したときと負方向に直流電流を流したときの高周波電流の振幅によって、磁極極性を判別することができる。
以上のように構成することによって、本実施形態の制御部は、演算原理に起因する補正角度のあいまいさを排除でき、精度よく回転角度センサの誤差を補正することが可能となるため、回転角度センサ組込み時の調整工数削減や、電動機と制御装置の管理の簡易化、故障時の交換作業の簡易化を実現することが可能となる。
なお、第1の実施形態から第3の実施形態に記載した方法は、そのまま回転角度の推定にも用いることが可能で、回転角度センサを設置しないシステムに適用することによって、回転角度センサのコストや組み立て工数の削減ができ、センサ断線などによる不具合のない頑強なシステムを構成することができるようになる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について、図12から図15を参照して説明する。尚、図1乃至9と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、図12に示す、電動機加速制御工程と回転速度判定工程、および回転角度再補正工程が追加されている。以下、その点について説明する。
(作用)
図12には、第1システム400、第2システム401に加えて、第3システム403の工程が追加されることになる。第1システム400及び第2システム401は第1の実施形態から第3の実施形態中で説明をしたので、ここでは省略する。 第3システム403の電動機加速制御工程(S44)では、回転角度センサ3からの回転角度を第1システム400の回転角補正工程(S43)で補正した補正後回転角度を用いて同期電動機2を加速する制御が行われる。具体的には、例えば図13に示すような(直流電流指令設定部)21と接続される速度制御部41と、速度制御部41と接続されるトルク指令/電流指令変換部43と、速度演算部41及び回転角度センサ3と接続される回転速度演算部42が設けられ、また、回転速度演算部42と積算部43が接続され、積算部43とγδ/3相変換8、3相/γδ変換11が接続する構成となる。この構成は、センサ出力回転角度を回転速度演算部42に入力し、微分演算をすることで求めた回転速度応答と、回転速度指令を速度制御部41に入力する。速度演算部41は回転速度応答と回転速度指令に基づき、PI制御によりトルク指令を演算する。演算されたトルク指令は、トルク指令/電流指令変換部43に入力される。入力されたトルク指令は電流指令に換算され、γδ軸電流指令として電流制御部6へ出力され、最終的にゲート指令がインバータ1へ出力されることによって同期電動機2の速度制御を行っている。この時、速度制御部41に入力される回転速度指令値は、後段の回転速度判定工程(S45)における判定速度以上となるように設定する。
また、電動機加速制御工程(S44)以外の加速度制御方法として、、Iδ refに正の一定指令値を入力する方法が挙げられる。一定指令値を入力したIδ refに応じた電流制御によってIδ電流が流れれば、正トルクが発生する。すでに第2システム401において磁極極性判別(S44)は行われているので、正トルクが発生することで同期電動機2は正回転方向に加速することになる。
またこの時に、同期電動機2に負荷が接続されており、負荷トルク等により加速が弱い、もしくは加速しない場合には、Iδ refを大きくする、もしくは数(3)に示すように、より適切な電流指令を与え、大きな加速トルクを得るように変更すればよい。この制御方法の場合、速度は制御していないため、過大な回転速度に達する前に加速を終了する必要がある。本実施形態では回転速度判定工程(S45)を設けているため、本工程において判定速度以上となった時に電流指令をゼロに変更すればよい。この方法であれば、速度制御部41が不要となるため、制御演算の簡略化が可能となる効果が得られる。
回転速度判定工程(S45)では、同期電動機2の回転速度が所定値(判定速度、判定回転数)以上となったか否かを判定する。所定値(判定速度、判定回転数)は、同期電動機2の回転子磁束によって固定子に誘起される逆起電圧が有意な値として観測できる程度の値(速度、回転数)に設定する。例えば、最大回転数の10%程度であれば、一般的な永久磁石同期電動機では有意な値として観測できる実験的実績があるため、十分と言える。当然、観測できる電圧はより大きい方が、さまざまな誤差要因の影響を受けにくくなるため、10%を下限として、許容される最大の回転数まで加速した方がよいといえる。
回転角度再補正工程(S46)では、まず回転角度センサ3のセンサ出力回転角度θsを用いて、電流を制御する電流指令値をゼロとし、同期電動機2に流れる電流をゼロに制御する。次に、電流がゼロとなる制御に対応する電圧指令位相角θVrefを演算する。電圧指令位相角θVrefは、数(4)に示す電流制御出力電圧を用い、数(19)のように逆正接処理で求められる。
Figure 2012110215
電流がゼロの時の電圧指令位相角θVrefは回転子磁束による逆起電圧に等しく、回転子磁束方向から正確に90度進み方向であるため、電圧指令位相角θVrefから90度を減算した値が回転子磁束方向となる。電圧指令位相角θVrefはセンサ出力回転角度θsで制御した時の電圧指令位相角であるから、これから90度を減算すれば、直ちに再補正用角度差Δθを求めることができるので、これを用いてセンサ回転角の再補正を行う。再補正用角度差Δθを求める式を数(20)に示す。
Figure 2012110215
また、より簡単な方法としてγ軸電圧指令Vγ refがゼロになるようにPLL(Phase Locked Loop)を構成し、PLLによって演算された回転角を調整用の回転角度とする方法がある。この演算方法のブロック図を図14に示す。図14には、Kp演算部47aとKi演算部47b、第1積分演算部47cで構成される比例・積算処理部47、積算部48、第2積分部49が示されている。γ軸電圧指令Vγ refは比例・積算処理部47に入力され、比例・積算処理部47内で、Kp_PLLとKi_PLLの値と乗算される。Ki_PLLと乗算された値はさらに積分され、その2つの値が積算部48で積算され、γ軸電圧指令Vγ refをゼロにするよう調整用速度ωadjが算出される。調整用速度ωadjは、第2積分演算部49に入力され、調整用速度ωadjが積分された調整用回転角度θadjが第2積分演算部49より出力される。図13に示すように、この調整用回転角度θadjをγδ/3相変換ブロック8および3相/γδ変換ブロック11への入力として用いることで、調整用回転角度θadjを回転角とする制御ループが構成され、γ軸電圧指令Vγ refがゼロとなる調整用回転角θadjを得ることができる。
上記制御によってγ軸電圧指令Vγ refがゼロとなるため、電圧指令はδ軸電圧指令Vδ refのみとなる。そのため、δ軸電圧指令Vδ refが逆起電圧と一致することになるが、δ軸はγ軸から90度進み方向にあるため、この時、調整用回転角度θadjの方向となっているγ軸が回転子方向を表す。この回転角度を同期電動機2の回転角度θmとして再補正用角度差Δθを求める。なお、PLL内の調整用速度ωadjおよび調整用回転角度θadjの初期値は、本処理の開始時点でのセンサ回転角速度とセンサ出力回転角度θsを用いればよい。ここではセンサ出力回転角度θsに誤差が含まれるという前提であるが、初期値設定後はPLLによってこの誤差が補正され、誤差が含まれない調整用回転角度θadjを求めることができる。
また、図15を用いて、前述した再補正用角度差Δθを求める処理よりも処理時間の短縮が可能となる方法を説明する。図15に示す、α軸電圧Vα ref、回転角度θm、センサ出力回転角度θsを用いて再補正用角度差Δθを算出する。図15(a)のα軸電圧Vα refは、γ軸電圧指令Vγ ref、δ軸電圧指令Vδ refで表される電圧指令ベクトルを静止座標αβ軸として表現した際の、α軸の電圧指令ベクトルである。α軸電圧Vref αにはダウンゼロクロスタイミング49(正から負へゼロクロスするタイミング)が存在する。ダウンゼロクロスタイミング49で、図15(c)のセンサ出力回転角度θsを測定する。検出したセンサ出力回転角度θsとα軸電圧Vref αから算出される図15(b)の回転角度θmを数(20)に用いることで再補正用角度差Δθとする方法もある。この方法は、回転角度基準軸であるα軸の電圧が正から負へゼロクロスする瞬間は回転角度がゼロとなる瞬間であるから、この瞬間のセンサ回転角が角度誤差を表すという原理に基づいている。この方法によれば、ホールドタイミングを管理する制御が必要となるが、速度制御やPLLなどの数値演算処理が不要となり、処理時間の短縮化を図ることができる。
(効果)
本実施形態では逆起電圧に基づいて再補正を行う。ただし、逆起電圧が観測できる十分な速度まで回転させるためには、少なくとも符号が異ならない所望のトルクを発生させる必要があり、そのために第一の回転角補正工程と磁極判別工程がある。このように構成すれば、少なくとも符号が異ならない所望のトルクを発生させて電動機を十分な速度まで回転させることができ、さらにその状態での逆起電圧位相から回転角度を再補正することができるため、精度の高い補正が可能となる。
以上のように構成することによって、本実施形態の制御部は、電流検出誤差等の影響により、補正値そのものに誤差が含まれる場合においても、電流検出誤差等の影響を受けない他の方法で再補正することで、さらに制御精度を向上させることが可能となる。
上記で説明された全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。そのため、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 インバータ
2 同期電動機
3 回転角度センサ
4 制御部
5 高周波電圧指令生成部
6 電流制御部
7 回転角設定部
8 γδ/3相変換
9 PWM処理部
10 角度差演算部
11 3相/γδ変換
12 回転角検出部
20 制御部
21 直流電流指令設定部
30 制御部
31 直流電流指令設定部
32 磁極判別用電流指令設定部
33 磁極極性判別部
34 切替スイッチ
40 制御部
41 速度制御部
42 回転速度演算部
43 トルク指令/電流指令変換部
44 比例・積算処理部
47 比例・積算部
47a Kp演算部
47b Ki演算部
47c 第1積分演算部
48 積算部
49 第2積分部

Claims (6)

  1. 回転子に電気的突極性を有し、回転子の回転に同期した位相に交流電流を流すことによりトルクを発生する同期電動機と、
    前記同期電動機に接続され、前記同期電動機の回転角度を検出する回転角度センサと、前記同期電動機と接続され、前記同期電動機を制御する制御指令を受け取るインバータと、
    前記同期電動機の任意の回転角度方向に定義した直交座標に基づき、前記インバータへ出力する制御指令値を出力する電流制御部と、
    前記電流制御部が出力する制御指令値に対し、電圧を印加する指令を生成する高周波電圧指令生成部と、
    前記制御指令値と前記電圧を印加する指令に基づき、前記同期電動機の電気的突極方向の角度と前記回転角度センサにより検出される回転角度の回転角度差を演算する角度差演算部と、
    前記角度差演算部が演算する回転角度差に基づき、前記回転角度センサと前記同期電動機の実回転角度とを対応させるため、前記回転角度センサを補正する回転角検出部と、
    を有する同期電動機制御装置。
  2. 回転子に電気的突極性を有し、回転子の回転に同期した位相に交流電流を流すことによりトルクを発生する同期電動機と、
    前記同期電動機に接続され、前記同期電動機の回転角度を検出する回転角度センサと、前記同期電動機と接続され、前記同期電動機を制御する制御指令を受け取るインバータと、
    前記同期電動機の任意の回転角度方向に定義した直交座標に基づき、回転高周波交番電圧指令を印加する高周波電圧指令生成部と、
    前記回転高周波交番電圧指令によって流れる高周波電流応答に対して、前記高周波電圧指令生成部の回転高周波交番電圧指令の回転位相の2倍角に対する演算結果に基づき、前記同期電動機の直交座標と前記同期電動機の電気的突極方向の角度差を演算する角度差演算部と
    前記角度差演算部が演算する回転角度差に基づき、前記回転角度センサと前記同期電動機の実回転角度とを対応させるため、前記回転角度センサを補正する回転角検出部と、
    を有する同期電動機制御装置。
  3. 前記同期電動機及び前記回転角度センサにおいて、同期電動機の磁極を固定するための直流電流を流しと、
    直流電流を流して磁極を固定した状態で電圧を印加し、前記同期電動機と前記回転角度センサの角度差を演算し、前記回転角度センサを補正する磁極位置調整手段と
    を備える請求項1または2記載の同期電動機制御装置。
  4. 前記磁極位置調整手段において、
    直交座標と同期電動機の電気的突極方向の角度差を演算して回転角度センサの補正後、磁極極性判別を実施する磁極極性判別手段と、
    を備える請求項3記載の同期電動機制御装置。
  5. 前記磁極位置調整手段において、
    回転角度センサの補正後、同期電動機の逆起電圧が十分に観測できる回転数まで回転させる工程を備え、
    逆起電圧に基づいて回転角度センサを再補正する逆起電圧補正部と、
    を備える請求項3または乃至4記載の同期電動機制御装置。
  6. 前記磁極位置調整装置において、
    同期電動機の磁極を固定する直流電流は、回転高周波交番電圧によって流れる高周波電流の振幅よりも大きい値とすることを特徴とした請求項3乃至5のいずれか1項記載の同期電動機制御装置。
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