JP2012109943A - 電力線通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信媒体である電力線へ突発的に発生するインパルス性雑音の影響を、既存の方式にてインパルス性雑音の特性に応じて緩和することが可能となり、電力線通信を支障なく実現することが可能となる電力線通信システムを提供する。
【解決手段】送信機11はLINデータ信号を電力線3で搬送するための変調部13、所定の帯域の信号を通過させるフィルタ14及び、正弦波出力器(図中は正弦波)15にて構成される。対称的に受信機12は、正弦波出力器15、フィルタ16、及び復調する復調部17にて構成される。電力線3には、伝播する信号の振幅を所定の振幅(受信信号振幅)に制限するリミッタ6が接続される。
【選択図】図2
【解決手段】送信機11はLINデータ信号を電力線3で搬送するための変調部13、所定の帯域の信号を通過させるフィルタ14及び、正弦波出力器(図中は正弦波)15にて構成される。対称的に受信機12は、正弦波出力器15、フィルタ16、及び復調する復調部17にて構成される。電力線3には、伝播する信号の振幅を所定の振幅(受信信号振幅)に制限するリミッタ6が接続される。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の通信装置を含む通信システムに関する。特に、通信媒体として電力線を用いる場合に、電力線に接続されるアクチュエータから突発的に発生するインパルス性雑音の影響を軽減して通信を行なうことができる電力線通信システムに関する。
近年では、複数の通信装置を接続し、各通信装置に夫々機能を割り振って相互にデータを交換し、連携して多様な処理を行なわせるシステムが各分野で利用されている。通信システムでは、通信装置間を接続する通信媒体に発生する雑音が、通信の品質に影響する。したがって、雑音を防ぐように対策を行なうか、又は雑音の影響を受けないように通信を実現する必要がある。
車両に配される車載LAN(Local Area Network)の分野では、通信装置であるECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)を用い、各ECUに夫々特化させた処理を行なわせて相互にデータを交換することにより、システムとして多様な機能を実現させている。車両制御は機械的制御から電気的制御への移行が進み、各ECUの機能の特化、システムにて実現される機能が増加している。これに伴い、通信装置の数及び種別は増加し、通信装置間を接続する通信線(車載ハーネス)の数も増加する。また、通信システムで送受信されるデータ量の増加に伴い、より高速に大量のデータを送受信することが必要とされている。
車両の分野では特に、車両の重量を軽減して燃費向上させること又は駆動電力を低減することが望まれる。また、車両内空間を広くして乗員の快適性を向上することも望まれる。したがって車載LANで用いる通信線の数を減らし、車載ハーネスの重量を軽減することが求められている。
そこで、既存の電力線に通信用の搬送波を重畳して通信を実現するPLC(Power Line Communication)が注目されており、車載LANへの適用も提案されている(例えば、特許文献1参照)。車載LANにPLCを適用することにより、省線化を実現し、車載ハーネスの重量を軽減することが可能となる。
インパルス性雑音については、データの再送等を行なうなどの対処によって影響を低減することができるなど、(車載)PLCではこれまで詳細な分析及び回避策が検討されてこなかった。しかしながら、特に車両の分野では通信媒体となる電力線にイベントドリブンで動作するアクチュエータが接続され、しかも送受信されるデータの内容によっては安全性のために低遅延且つ高信頼にデータが送受信されることが求められる。定期的に発生するインパルス性雑音であれば、定期的なある期間における信号の信頼性を低く見積もれば済む。例えば、屋内PLCの場合は、インパルス性雑音が発生する周期が、商用電源の周期に同期することが知られており、当該周期に基づいて検出することにより、比較的高精度にインパルス性雑音を検出でき、これを避けることができる。一方で例えば、車両における電動のドアロックの施錠/解錠は、運転者又は同乗者のスイッチのオン/オフ操作に対応する動作に応じて行なわれ、ドアロックのスイッチのオン/オフによって、通信媒体である電力線に接続されるドアロックアクチュエータ等からインパルス性雑音が発生するから、上述のような時間的な特性を学習しておくことができない。
また、車載PLCを実現する場合、新たな通信プロトコル及び通信用のハードウェアを作成するよりも、従来の通信プロトコル及び車載通信機器を用いることによって、比較的安価に実現することが望ましい。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、通信媒体である電力線へ、該電力線接続されるアクチュエータから突発的に発生するインパルス性雑音の影響を軽減して通信を行なうことができる電力線通信システムを提供することを目的とする。
第1発明に係る電力線通信システムは、車両に搭載された複数の通信装置が、前記車両内に配索された電力線を介して通信を行なう通信システムにおいて、前記電力線を伝播する信号の振幅を所定振幅値内に制限する振幅制限器を備え、前記複数の通信装置は、前記電力線に発生するインパルス性雑音の周波数と異なる搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調するようにしてあることを特徴とする。
伝送路となる電力線に、発生時には高い振幅を示してその後減衰する減衰正弦波のインパルス性雑音が発生する。このインパルス性雑音は非常に高い振幅を持ち、発生から減衰までに最大で10μs程度の時間を要する。データ信号の搬送波周波数が、データ信号のシンボル長が減衰正弦波に対して十分に長ければ、振幅制限器にてインパルス性雑音の大きな振幅の影響を緩和することが可能となる。
また車両内に配索される電力線にて通信を行なう場合、当該電力線に接続されるアクチュエータの非周期的な動作によって任意のタイミングに、且つ、集中的に減衰正弦波の異インパルス性雑音が発生するという知見が得られている。このような車載PLCによる通信で特に、位相変調方式、及び振幅制限器がインパルス性雑音の影響を効果的に緩和することが可能となる。なおシンボル長がインパルス性雑音の発生継続時間に対して十分に長い車載通信のプロトコルとして、通信速度が20kbpsまでのLIN(Local Interconnect Network)が好ましい。
第2発明に係る電力線通信システムは、車両に搭載された複数の通信装置が、前記車両内に配索された電力線を介して通信を行なう通信システムにおいて、前記電力線を伝播する信号の振幅を所定振幅値内に制限する振幅制限器を備え、前記複数の通信装置には、第1の搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調して前記電力線を介した低速通信を行う複数の第1の通信装置と、前記第1の搬送波周波数とは異なる第2の搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調して前記電力線を介した高速通信を行う複数の第2の通信装置とを含み、前記第1の搬送周波数は、前記第2の搬送波周波数より、前記電力線に発生するインパルス性雑音の周波数に近く、前記第1の通信装置が変調した信号のシンボル長は、前記インパルス性雑音の長さより長いことを特徴とする。
本発明では、第1の搬送波周波数にて電力線通信を行う第1の通信装置のグループと、第2の搬送波周波数にて電力線通信を行う第2の通信装置のグループとが、共通の電力線を利用して電力線通信を行う構成、いわゆる多重通信を行う構成とする。通信速度を比較した場合に、第1の通信装置が低速通信を行い、第2の通信装置が高速通信を行うとすれば、第1の搬送波周波数がインパルス性雑音の(ピーク)周波数に近く、第2の搬送波周波数がインパルス性雑音の周波数から遠くなるように、搬送周波数を設定する。なお第1の搬送周波数は、インパルス性雑音の周波数と同じであってもよい。また第1の通信装置の変調信号のシンボル長は、インパルス性雑音より長く設定する。
これらによって、第1の通信装置が行う電力線通信は、第1の搬送周波数がインパルス性雑音の周波数に近い(又は同じ)場合であっても、振幅制限器によるインパルス性雑音の振幅制限効果、及び、シンボル長がインパルス性雑音より長いことにより、インパルス性雑音に影響されることなく正常な通信を行うことができる。また第1の搬送周波数をインパルス性雑音の周波数に近付けることができるため、インパルス性雑音の影響を受ける虞のある第2の通信装置による高速通信にて使用する第2の搬送波周波数をインパルス性雑音の周波数から遠ざけることができ、第2の通信装置の通信がインパルス性雑音により妨げられることを防止できる。
これらによって、第1の通信装置が行う電力線通信は、第1の搬送周波数がインパルス性雑音の周波数に近い(又は同じ)場合であっても、振幅制限器によるインパルス性雑音の振幅制限効果、及び、シンボル長がインパルス性雑音より長いことにより、インパルス性雑音に影響されることなく正常な通信を行うことができる。また第1の搬送周波数をインパルス性雑音の周波数に近付けることができるため、インパルス性雑音の影響を受ける虞のある第2の通信装置による高速通信にて使用する第2の搬送波周波数をインパルス性雑音の周波数から遠ざけることができ、第2の通信装置の通信がインパルス性雑音により妨げられることを防止できる。
第3発明に係る電力線通信システムは、前記位相偏移変調は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)であり、前記複数の通信装置は同期検波方式にてデータ信号を受信するようにしてあることを特徴とする。
本発明では、BPSK方式及び同期検波方式を採用することにより、既存の通信デバイスを用いてPLCシステムを実現することが可能となる。
第4発明に係る電力線通信システムは、前記位相偏移変調は、DBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)であり、前記複数の通信装置は遅延検波方式にてデータ信号を受信するようにしてあることを特徴とする。
本発明では、DBPSK方式及び遅延検波方式を採用することにより、既存の通信デバイスを用いてPLCシステムを実現することが可能となる。
第5発明に係る電力線通信システムは、前記所定の振幅値は、前記電力線に発生するインパルス性雑音の特性に基づき予め定められてあることを特徴とする。
本発明では、振幅制限器によって制限される所定の振幅値が、通信システムにて発生すると推測されるインパルス性雑音の特性によって定められることにより、インパルス性雑音の影響をより精度良く除去することが可能となる。車載PLCであれば特に、伝送路となる電力線に発生するインパルス性雑音の特性が、回路構成に応じて顕著となる可能性がある。したがって通信システムの回路構成に応じた雑音特性、特に振幅に関するインパルス性雑音特性の影響を効果的に除去することが可能となる。
第6発明に係る電力線通信システムは、前記所定の振幅値が、通信装置間で送受信する信号の振幅値の2倍以下であることを特徴とする。
本発明では、振幅制限器によって制限される所定の振幅値を、通信装置間で送受信される信号(変調されて電力線に重畳される信号)の振幅値の2倍以下とする。本願発明者は、車両の電力線に発生するインパルス性雑音の特性を調査し、この特性をモデル化してシミュレーションを行った。このシミュレーションにおいて振幅制限器が制限する振幅値を送受信信号の振幅値の2倍とした場合、インパルス性雑音の影響を十分に低減することができる結果が得られた。このことから、送受信信号の振幅値の2倍以下に振幅を制限することによって、インパルス性雑音による影響のない電力線通信を実現できる。
本発明による場合、通信媒体である電力線へ突発的に発生するインパルス性雑音の影響を、既存の方式にてインパルス性雑音の特性に応じて緩和することが可能となり、電力線通信を支障なく実現することが可能となる。特に、電力線に接続される発生源からのインパルス性雑音の特性が顕著であれば、これを回避した通信が可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態では、本発明を車両に搭載されるECU間の通信をPLCにて実現する車載PLCシステムに適用した例を挙げて説明する。
なお、以下に説明する実施の形態では、本発明を車両に搭載されるECU間の通信をPLCにて実現する車載PLCシステムに適用した例を挙げて説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態における車載PLCシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態における車載PLCシステムは、車両内に配される通信装置である複数のECU1,1,…と、各ECU1,1,…により制御されて作動する複数のアクチュエータ2,2,…と、ECU1及びアクチュエータ2へ電力を伝送する電力線3と、ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へ電力を供給する電源4と、電力線3の分岐及び中継のためのジャンクションボックス(図中J/B)5と、電力線3に接続されるリミッタ6とを含む。
図1は、実施の形態における車載PLCシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態における車載PLCシステムは、車両内に配される通信装置である複数のECU1,1,…と、各ECU1,1,…により制御されて作動する複数のアクチュエータ2,2,…と、ECU1及びアクチュエータ2へ電力を伝送する電力線3と、ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へ電力を供給する電源4と、電力線3の分岐及び中継のためのジャンクションボックス(図中J/B)5と、電力線3に接続されるリミッタ6とを含む。
ECU1,1,…は、マイクロコンピュータを用い、電源回路を介して電力の供給を受け、PLCによるデータの送受信、及び図示しない他の構成部の動作を制御する装置である。ECU1,1,…は夫々送信機、且つ受信機として動作し、相互にデータを交換する。実施の形態におけるECU1,1,…は、LIN(Local Interconnect Network)コントローラの機能を有し、ECU1,1,…間の通信プロトコルはLINとする。
電源4は、エンジンからの動力を得て発電するオルタネータ又は該オルタネータにより蓄電されるバッテリであり、マイナス端子が接地されており、プラス端子は電力線3を介してジャンクションボックス5に接続されている。電源4は例えば12Vの駆動電圧を各ECU1,1,…又はアクチュエータ2へ供給する。
ジャンクションボックス5は、電力線3の分岐及び中継回路を備える。ジャンクションボックス5には複数の電力線3,3,…が分岐接続する。これらの複数の電力線3,3,…は各ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へ夫々接続される。なおアクチュエータ2,2,…への接続リレーのON/OFFは、夫々のアクチュエータ2,2,…を制御するECU1が制御するように、ECU1にスイッチが内蔵されている。スイッチがONの場合はアクチュエータ2へ電源4からの電力が供給され、アクチュエータ2が作動するように構成されている。
ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…はいずれも、接続されている電力線3が自身に含まれる各構成及び負荷を介してボディーアースへ接続(接地)されるように内部で構成されている。
このように構成される車載PLCシステムでは、各ECU1,1,…は電力線3,3,…を介して電源4からの電力の供給を受けて動作するのみならず、電力線3,3,…へ通信用の搬送波を重畳して制御のためのデータを送受信する。これにより、実施の形態における車載PLCシステムでは、ECU1,1,…間に走行制御に用いるデータ又は映像データ等を送受信するための通信用の信号線を別途車内に配索する必要がない。したがって、ハーネスの省線化及び軽量化を実現することができる。
図1に示したように、ECU1,1,…がデータ通信を行なう電力線3にはアクチュエータ2が接続されているので、電力線3ではイベントドリブン型にてインパルス性雑音が発生する。アクチュエータの1つは例えば、車両のドアのロックを作動させるドアロックモータである。ドアロックモータを作動させるために、これを制御するECU1がスイッチをONとすると、ドアロックモータが例えば約95ミリ秒回転し、その間に、電力線に多数のインパルス性雑音が発生する。インパルス性雑音の主な起因はモータのブラシ放電であり、約95ミリ秒後はインパルス性雑音の発生頻度は十分に低くなる。ドアロックモータのスイッチのON/OFFのタイミングは、任意のタイミングであるので、ドアロックモータを起因とするインパルス性雑音を回避するためには、時間的な回避ではなく通信信号の搬送波周波数をインパルス性雑音の周波数と異ならしめたり、影響を受けにくい通信方式を選定したりすることが必要になる。
そこで実施の形態における車載PLCシステムでは、電力線3で発生するインパルス性雑音の影響を回避するため、通信の搬送波の変調方式を規定し、リミッタ6を含んで構成する。以下、電力線3で発生するインパルス性雑音の影響を回避するためにECU1,1,…が備えるべき送受信機11,12の構成及びリミッタ6の構成について説明する。そして、当該構成によりインパルス性雑音の影響を回避した通信が実現できるかを検討した結果を説明する。
図2は、実施の形態における車載PLCシステムを構成する送信機11及び受信機12の接続構成を概略的に示すブロック図である。
ECU1内部にて、LINコントローラの機能により他のECU1へデータを送信すべく出力されるデータ信号は、PLCにおける通信を行なうための送信機11へ入力される。同様に、受信機12にて受信されたデータ信号がLINコントローラの機能によりECU1を構成するプロセッサへ通知され、電力線3をLINバスとする送受信が可能となる。
送信機11は、LINデータ信号を電力線3で伝送するための変調部13、所定の帯域の信号を通過させるフィルタ14及び、正弦波出力器(図中は正弦波)15にて構成される。対称的に受信機12は、リミッタ6、正弦波出力器15、フィルタ16、及び復調する復調部17にて構成される。
変調部13は、ECU1内部の他の構成部から入力されるデータ信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)又はDBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)にて変調して出力する。例えば、変調に用いる搬送波の周波数Fc は20MHz又は10MHzとすることができる。対称的に、復調部17は搬送波からデータ信号を復調する。
フィルタ14及びフィルタ16は、ルートロールオフフィルタを用い、ロールオフ率は0.5とする。
正弦波出力器15は、搬送波に乗算するための正弦波sin(2πFct)を出力する。
このように構成される送信機11はデータ信号をBPSK方式又はDBPSK方式により変調し、受信機12は同期検波又は遅延検波方式によってデータ信号を受信する(送信機11がBPSK方式の変調を行う場合、受信機12は同期検波方式でデータ信号を受信し、送信機11がDBPSK方式の変調を行う場合、受信機12は遅延検波方式でデータ信号を受信する)。
リミッタ6は、電力線3に伝播する信号の振幅を所定の振幅(受信信号振幅)に制限する。図3は、実施の形態におけるリミッタ6の入出力特性を示すグラフである。図3に示す2つのグラフは夫々、横軸に入力される信号の振幅レベル、縦軸に出力される信号の振幅レベルを示し、右方向及び上方向が正、下方向及び左方向が負である。
実施の形態におけるリミッタ6は図3の左に示すハードリミッタの特性を有するとする。図3に示すようにリミッタ6は、入力される信号の振幅が受信信号の振幅よりも大きくても受信信号の振幅にて出力する。
なおリミッタ6は、図3の右に示すソフトリミッタの特性を有するものを用いてもよい。ソフトリミッタの場合受信信号の振幅の2倍までに制限する。この場合リミッタ6は、入力される信号の振幅が受信信号の振幅の2倍まではそのまま出力するが、振幅の2倍を超過した場合は受信信号の振幅の2倍にて出力する。
またリミッタ6は、図2に示すように乗算器の手前に配するのみでなく、乗算器及びフィルタ16の間、又は、フィルタ16及び復調部17の間に配してもよい。
図4は、実施の形態における車載PLCシステムを構成するリミッタ6によりインパルス性雑音の影響を緩和する効果を概念的に示す説明図である。図4中の破線に示す波形はインパルス性雑音を示し、太線の矩形は、横がLINに基づくデータ信号の1シンボル分のシンボル長であり、縦が受信信号の振幅値を示す。図4中の下部には、リミッタ6により振幅が制限された後のインパルス性雑音の波形が示されている。
図4に示すように、LINの伝送容量は最大20kbps(1シンボル長が50μ秒)であり、シンボル長がインパルス性雑音の高い振幅を示す幅1つ分に対して十分に長い。したがってリミッタ6にて振幅を制限することによって、1シンボルに対する影響をより効果的に緩和することが可能となる。なお、シンボル長よりも十分に短いサンプリングタイミングにて、各シンボル内の信号レベルの高低の判定を行ない、より多い判定結果を信号レベルとして確定させるなどの処理を行なってもよい。
図5は、インパルス性雑音の発生時間の測定結果を示すグラフであり、実際に車両内の電力線3にて発生するインパルス性雑音の発生時間を測定した結果である。なお、図5においては、横軸にインパルス性雑音の発生時間[μs]を示し、縦軸に相補累積分布(CCDF(Complementary Cumulative Distribution Function))の値[%]を示してある。
図5に示すように、検出されたインパルス性雑音の約99%以上は、その発生時間が約18μ秒以下である(即ち、約18μ秒以上のインパルス性雑音は約1%以下である)という測定結果が得られた。このことから、LINのシンボル長である50μ秒は、車両に発生するインパルス性雑音の発生時間に対して十分に長いことが分かる。電力線を伝送する信号のシンボル長をインパルス性雑音の発生時間に対して十分に長く設定することで、インパルス性雑音の影響を効果的に緩和できる。
図2に戻り説明を続ける。
図2に示すように送受信機11,12が構成され、送信機11から送信される信号は電力線3にて伝送される。電力線3には複数のアクチュエータ2,2,…が接続されているためにそれらがインパルス性雑音の雑音源となって搬送波にインパルス性雑音が加算される。また、各ECU1,1,…の送受信機11,12の入力には白色ガウス雑音(AWGN:Additive White Gaussian Noise)が搬送波に加算される。
図2に示すように送受信機11,12が構成され、送信機11から送信される信号は電力線3にて伝送される。電力線3には複数のアクチュエータ2,2,…が接続されているためにそれらがインパルス性雑音の雑音源となって搬送波にインパルス性雑音が加算される。また、各ECU1,1,…の送受信機11,12の入力には白色ガウス雑音(AWGN:Additive White Gaussian Noise)が搬送波に加算される。
インパルス性雑音及び白色ガウス雑音が加算された搬送波がリミッタ6へ入力されると、リミッタ6が振幅を、図3に示すように受信信号の振幅に制限して出力する。これにより、インパルス性雑音の影響が緩和される。
リミッタ6から出力された搬送波は受信機12内部の乗算器に到達する。受信機12内部の乗算器は、到達した搬送波に対し、正弦波出力器15からの正弦波を乗算してフィルタ16を通過させた後復調部17にて復調し、データ信号としてECU1内部にてプロセッサへ通知する。
このように、送信機11が変調方式にBPSK又はDBPSKを用い、受信機12にて同期検波又は遅延検波を用いて復調し、且つ伝送路である電力線3にリミッタ6を接続することにより、LINによる通信をPLCにて実現することが可能である。
次に、図2に示したように構成される送受信機11,12を備え、リミッタ6を備えることにより、実施の形態における車載PLCシステムにてインパルス性雑音の影響を回避した通信が実現できるかを検討する。
インパルス性雑音の影響を回避した通信が実現できるか否かは、図2に示した送受信機11,12及びリミッタ6を含む構成に、所定のインパルス性雑音をシミュレーションによって発生させたときのBER(Bit Error Rate)により評価する。
シミュレーションによって発生させるインパルス性雑音を含む雑音を作成した。図6は、シミュレーションに用いる雑音の作成方法を概念的に示す説明図である。
インパルス性雑音を作成するためにまず実際に、アクチュエータ2としてドアロックモータが接続された電力線3に発生するインパルス性雑音を含む雑音を測定しておく。しかしながら、測定雑音からインパルス性雑音を真に検出し、再現することは非常に困難である。そこで、測定により得られた雑音の各サンプリングタイミングにおける状態が、インパルス性雑音が発生している状態であるか、発生していない状態であるかの2状態のいずれであるかを、隠れマルコフガウスモデル及びBW−MAP法を用いて推定した結果を時系列に並べた推定状態行列を得る。また発生したインパルス性雑音の周波数は、10MHz及び30MHzにピークを持つことが分かった。以後得られた推定状態行列及びインパルス性雑音の周波数等の特性を用い、インパルス性雑音を作成する。
図6中の最上段に示す波形が、推定状態行列を矩形波として示したものであり、1矩形波の長さの1状態と、連続してインパルスが発生していると判定された長さとが対応する。「0」はインパルス性雑音が発生していない状態(白色ガウス雑音のみ)、「1」はインパルス性雑音が発生している状態(インパルス性雑音と白色ガウス雑音との混合)である。図6に示すように、車載PLCでは連続した区間で、インパルス性雑音が発生している状態が継続する。車載PLCにて発生するインパルス性雑音は図4に示したように減衰正弦波であったからである。
次に、図6の上から2段目に示すように、インパルス性雑音が発生した区間(「1」が続く区間)を、その区間と同じ長さの窓関数に置き換えた。窓関数はハニング窓を用いた。
次に、上述したようにインパルス性雑音の周波数周期は10MHz及び30MHzにピークを持つことが分かったから、作成するインパルス性雑音も、10MHz及び30MHzの2つの周波数にピークを持つように、窓関数W1 (t)に、2つの周波数F1 ,F2 の正弦波の和を乗算したW2 (t)を得る(式1)。なお2つの正弦波の位相は夫々φ1 ,φ2 とし、ともに0〜2πの範囲のランダムな位相をとる。また、この位相は検出区間毎にランダム且つ独立に決まるものとする。
次に、作成されるインパルス性雑音の振幅の最大値を、測定されたインパルス性雑音の振幅に各区間で一致させた。つまり、振幅を「1」に規格化された関数W2 (t)に、測定されたインパルス性雑音の振幅A(i)を乗算した。図6中のA(i)は、i番目に測定された減衰正弦波であるインパルス性雑音の最大振幅の絶対値である。
最後に、受信機12の特性に応じた白色ガウス雑音を背景雑音として加算し、シミュレーションに用いる雑音とした。
図7は、シミュレーションに用いるインパルス性雑音の特性を示すグラフである。上段に1つのインパルス性雑音の波形を示し、下段に周波数特性を示す。作成した雑音のインパルス性雑音は、窓関数を用いたため、図7の上段に示すように中央に高い振幅を持ち、減衰する左右対称の波形を示す。また、図7の下段に示すように、作成したインパルス性雑音の周波数は、実際に測定されたインパルス性雑音と同様に10MHz及び30MHzにピークを有する。
図8は、インパルス性雑音の特性の測定結果を示すグラフであり、実際に車両内の電力線3にて発生するインパルス性雑音を測定した結果である。図8においては、上段に1つのインパルス性雑音の波形を示し、下段に周波数特性を示してあり、これは図7のシミュレーション用のインパルス性雑音の特性に対応させたものである。
測定されたインパルス性雑音は、図8の上段に示すように、高い振幅を持って急峻に変化する波形の後、徐々に振幅が低くなり且つ変化が緩やかになる減衰波形を示す。また、測定されたインパルス性雑音の周波数は、図8の下段に示すように、約12MHzと約33MHzとにピークを有する。このように、図7に示したシミュレーション用のインパルス性雑音の特性は、図8に示した実測のインパルス性雑音の特性に近いものであることが分かる。
図6及び図7に示したように作成したインパルス性雑音を含む雑音を、図2に示した構成の通信システムの電力線3に発生させ、受信エラーがどの程度発生するかのシミュレーションを実行した。なおシミュレーションは、搬送波の周波数を5、10、15、20、25、30MHzと変えて複数回行なった。なお、信号のサンプリング周波数は100MHzとした。
図9及び図10は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、図9にBPSK方式+同期検波方式(ただしリミッタ6なし)のシミュレーション結果を示し、図10にDBPSK方式+遅延検波方式(ただしリミッタ6なし)のシミュレーション結果を示す。横軸に1ビット当たりの信号電力対背景雑音電力Eb /N0 [dB]を示し、縦軸にBERを示す。図9及び図10に示すように、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、「×」のシンボルで示す搬送波の周波数が20MHzのときのBERが比較的よい。なお、搬送波の周波数がインパルス性雑音の周波数と同一の10MHz及び30MHzのときは、Eb /N0 が高い領域でもBERが悪い。
また図9及び図10に示すように、搬送波の周波数を20MHzとした場合には、Eb /N0 を60[dB]程度とすることにより、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、BERを10-4程度にすることが可能であることが推定される。
図11は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、BPSK方式+同期検波方式(リミッタ6あり)及びDBPSK方式+遅延検波方式(リミッタ6あり)のシミュレーション結果を共に示す。図11に示すように、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、搬送波周波数が20MHzのときのBERが低い。搬送波周波数がインパルス性雑音と同一の周波数のときも、リミッタ6なしの場合比較して改善しているが、20MHzの場合と比較するとBERが高い。
また、図11に示すように、搬送波の周波数を、インパルス性雑音の周波数と同一の10MHz及び30MHz以外の周波数、例えば20MHzとした場合には、BPSK方式でのEb /N0 を11[db]程度、DBPSK方式でのEb /N0 を13[db]程度とすることにより、BERを10-4程度にすることが可能であることが推定される。リミッタ6によりEb /N0 が50[db]程度改善されている。
これにより、LINプロトコルを用い、インパルス性雑音の影響を回避した車載PLCシステムを実現することは可能である。
このように、既存のLINを通信プロトコルとした場合に、BERを10-6程度に抑えることが可能であり、実用的である。したがって、BPSK方式にて変調し、同期検波方式にて受信し、リミッタ6を用いる構成、及び、DBPSK方式にて変調し、遅延検波方式にて受信し、リミッタ6を用いる構成により、インパルス性雑音の影響を軽減してLIN用の通信ケーブルを省線化した車載ハーネス及び車載通信システムを実現することができる。
上記の図9〜図11に示したシミュレーション結果は、図6に示すようにインパルス性雑音を、ハニング窓の窓関数に基づいて生成し、シミュレーションに用いたものである。これは、車載PLCにて発生するインパルス性雑音が図4に示したような減衰正弦波であったためである。しかし本願発明者は、車載PLCにて発生するインパルス性雑音が、指数減衰正弦波により近似できることを見出し、インパルス性雑音を指数減衰正弦波としたシミュレーションによる再検証を行った。図12は、シミュレーションに用いる雑音の作成方法を概念的に示す説明図である。
図12の上から2段目に示すように、インパルス性雑音が発生した区間(「1」が続く区間)を、その区間と同じ長さの包絡線パルスに置き換えた。なお包絡線パルスは指数減衰関数を用いた。
次に、インパルス性雑音の周波数周期は10MHz及び30MHzにピークを持つため、作成するインパルス性雑音も、10MHz及び30MHzの2つの周波数にピークを持つように、指数減数関数による包絡線パルスP1 (t)に、2つの周波数F1 ,F2 の正弦波の和を乗算したP2 (t)を得る(式2)。
その後は図6の場合と同様に、振幅を「1」に規格化された包絡線パルスP2 (t)に、測定されたインパルス性雑音の振幅A(i)を乗算し、受信機12の特性に応じた白色ガウス雑音を背景雑音として加算し、シミュレーションに用いる雑音とした。
図13は、シミュレーションに用いるインパルス性雑音の特性を示すグラフであり、図12に示した方法で作成したインパルス性雑音の特性である。上段に1つのインパルス性雑音の波形を示し、下段に周波数特性を示す。図13の上段に示すように、作成したインパルス性雑音の振幅は、そのピークから指数関数で減衰する。また、図13の下段に示すように、作成したインパルス性雑音の周波数は、実際に測定されたインパルス性雑音と同様に10MHz及び30MHzにピークを有する。図13に示したシミュレーション用のインパルス性雑音の特性は、図8に示した実測のインパルス性雑音の特性により近いものである。
図12及び図13に示したように作成したインパルス性雑音を含む雑音を、図2に示した構成の通信システムの電力線3に発生させ、受信エラーがどの程度発生するかのシミュレーションを実行した。なおシミュレーションは、搬送波の周波数が10MHz及び20MHzの場合について行った。
図14は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、BPSK方式+同期検波方式(ただしリミッタ6なし)のシミュレーション結果(図中の「×」のシンボルで示すBPSK−Cを参照)と、DBPSK方式+遅延検波方式(ただしリミッタ6なし)のシミュレーション結果(図中の「○」のシンボルで示すDBPSK−Dを参照)とを共に示してある。図14に示すように、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、破線で示す搬送波の周波数が20MHzのときのBERがよく、実線で示す搬送波の周波数が10MHzのときのBERが悪い。
図15は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、BPSK方式+同期検波方式(ただしリミッタ6あり)のシミュレーション結果と、DBPSK方式+遅延検波方式(ただしリミッタ6あり)のシミュレーション結果とを共に示してある。なおリミッタ6は、図3に示したハードリミッタを用いており、受信信号の振幅にて振幅制限を行っている。図15に示すように、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、破線で示す搬送波の周波数が20MHzのときのBERがよく、実線で示す搬送波の周波数が10MHzのときのBERが悪い。
また、図14に示したリミッタ6なしの場合、搬送波の周波数を20MHzとすれば、Eb /N0 を55[db]程度とすることにより、BERを10-4程度にすることが可能である。これに対して図15に示したリミッタ6ありの場合、搬送波の周波数を20MHzとすれば、Eb /N0 を11[db]程度とすることにより、BERを10-4程度にすることが可能である。即ち、リミッタ6(ハードリミッタ)を用いることによって、Eb /N0 が40[db]程度改善されている。
図16は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、BPSK方式+同期検波方式(ただしリミッタ6あり)のシミュレーション結果と、DBPSK方式+遅延検波方式(ただしリミッタ6あり)のシミュレーション結果とを共に示してある。なおリミッタ6は、図3に示したソフトリミッタを用いており、受信信号の振幅の2倍にて振幅制限を行っている。図16に示すように、BPSK方式及びDBPSK方式のいずれの場合であっても、破線で示す搬送波の周波数が20MHzのときのBERがよく、実線で示す搬送波の周波数が10MHzのときのBERが悪い。
また図16に示したリミッタ6ありの場合、搬送波の周波数を20MHzとすれば、Eb /N0 を11[db]程度とすることにより、BERを10-4程度にすることが可能である。即ち、リミッタ6(ソフトリミッタ)を用いることによって、Eb /N0 が40[db]程度改善されている。
LINプロトコルによる車載PLCシステムに求められる通信品質は、Eb /N0 が60[db]でBERが10-4以下である。よって、搬送波の周波数をインパルス性雑音の周波数と異なる周波数(例えば20MHz)とした場合、リミッタ6を用いることによって、Eb /N0 が改善され、要求される通信品質を十分に満たすことができる。なお、リミッタ6による制限振幅は、ハードリミッタの場合に受信信号の振幅以下とし、ソフトリミッタの場合に受信信号の振幅の2倍以下とすることで、要求される通信品質を十分に満たすことができる。
また上記構成とすることによってEb /N0 が改善されるため、送信機11が出力する通信信号の出力電力を低減することができる。これにより、送信機11の消費電力を低減することができると共に、通信に伴って放射されるノイズを低減することができる。
図17は、シミュレーションにより得られた通信エラーの特性を示すグラフであり、横軸を通信速度(ビットレート)[Mbit/s]とし、縦軸をBERとしたものである。なお、本シミュレーション結果は、DBPSK方式+遅延検波方式にて通信を行うと共に、リミッタ6(ハードリミッタ)を用いた構成でのものである。また、搬送波の周波数を10MHz又は20MHzとし、信号のEb /N0 を20dB、40dB又は60dBとしてシミュレーションを行った。また本シミュレーションでは、搬送波周波数が10MHz且つEb /N0 を10dBとした場合にはビットレート100kbit/s及び200kbit/sにてエラーが発生したが、これ以外の場合にはビットレート100kbit/s及び200kbit/sにてエラーが発生しなかったため、図17のグラフではシミュレーション結果をプロットしていない。
図17に示すように、搬送波の周波数をインパルス性雑音の周波数と異なる20MHzとした場合、ビットレートを200kbit/s以下とすることでエラーの発生を低減する(エラーの発生をなくす)ことができる。LINプロトコルによる車載PLCシステムに求められる通信品質は、Eb /N0 が60[db]でBERが10-4以下であるため、本構成ではこの通信品質を十分に満たすことができる。またLINプロトコルの通信速度は20kbit/sであり、本構成ではこの通信速度の約10倍まで高速化を実現することが可能である。
上述の実施の形態では、PLCシステムを車載LANに適用した場合の構成を説明した。しかしながら本発明はこれに限らず、インパルス性雑音を発生させる可能性のある負荷を制御するための通信システムに適用可能である。
(実施の形態2)
図18は、実施の形態2における車載PLCシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態2の車載PLCシステムは、通信に関して2つのグループに分類され、第1の通信グループに属する第1のECU210aと、第2の通信グループに属する第2のECU201bとが、共通の電力線3に接続され、この電力線3を介した通信をそれぞれ行っている。
図18は、実施の形態2における車載PLCシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態2の車載PLCシステムは、通信に関して2つのグループに分類され、第1の通信グループに属する第1のECU210aと、第2の通信グループに属する第2のECU201bとが、共通の電力線3に接続され、この電力線3を介した通信をそれぞれ行っている。
第1のECU201aは、図2に示した送信機11及び受信機12を有しており、実施の形態1のECU1と略同じ構成であるが、データ信号の変調/復調に用いる搬送波の周波数が異なる。実施の形態2に係る第1のECU201aが用いる搬送波(第1の搬送波)の周波数は、電力線3に発生するインパルス性雑音の(ピーク)周波数と略同じ周波数、例えば10MHzに設定されている。また第1のECU201aが電力線3を介して送受信する信号のシンボル長は、図4に示すようにインパルス性雑音より十分に長い(例えば50μ秒)。
図14及び図15に示したシミュレーション結果を比較すると、搬送波の周波数がインパルス性雑音の周波数と同じ10MHzであっても、第1のECU201aがリミッタ6を備えることによって、BERに対する十分な改善効果が得られる。
第2のECU201bも同様に、図2に示した送信機11及び受信機12を有しており(ただしリミッタ6を有さない構成であってよい)、第1のECU201aと略同じ構成であるが、第1のECU201aより高速な通信を行う。即ち、第2のECU201bが送受信する信号のシンボル長は、第1のECU201aのものより短い(例えば100n秒)。また第2のECU201bが用いる搬送波(第2の搬送波)の周波数は、電力線3に発生するインパルス性雑音の周波数と異なる周波数、例えば20MHzに設定されている。
即ち、実施の形態2に係る車載PLCシステムでは、低速の電力線通信を行う第1のECU201aは、インパルス性雑音の周波数に近い第1の搬送波周波数を用い、高速の電力線通信を行う第2のECU201bは、インパルス性雑音の周波数から遠い第2の搬送波周波数を用いる。第1のECU201aはシンボル長が長く、且つ、リミッタ6を備えたことでインパルス性雑音に対する影響が少ないため、第1のECU201aの搬送波周波数をインパルス性雑音の周波数に近付けることができ、これによって第2のECU201bが搬送波周波数として利用可能な周波数帯を広げることができる。第2のECU201bの搬送周波数をインパルス性雑音の周波数から十分に遠ざけることによって、第2のECU201bによる電力線通信に対するインパルス性雑音の影響を抑制することができる。
なお、上述の実施の形態2においては、第1のECU201aのシンボル長を50μ秒とし、第1の搬送波周波数を10MHzとし、第2のECU201bのシンボル長を100n秒とし、第2の搬送波周波数を20MHzとしたが、これらの数値は一例であって、これに限るものではない。また、2つの通信グループが共通の電力線3を介して通信を行う構成としたが、これに限るものではなく、3つ以上の通信グループが共通の電力線3を介して通信を行う構成であってもよく、この場合には最も低速な通信を行う通信グループにて用いる搬送波周波数をインパルス性雑音の周波数に最も近づければよい。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ECU(通信装置)
2 アクチュエータ
3 電力線
6 リミッタ(振幅制限器)
2 アクチュエータ
3 電力線
6 リミッタ(振幅制限器)
Claims (6)
- 車両に搭載された複数の通信装置が、前記車両内に配索された電力線を介して通信を行なう通信システムにおいて、
前記電力線を伝播する信号の振幅を所定振幅値内に制限する振幅制限器を備え、
前記複数の通信装置は、前記電力線に発生するインパルス性雑音の周波数と異なる搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調するようにしてあること
を特徴とする電力線通信システム。 - 車両に搭載された複数の通信装置が、前記車両内に配索された電力線を介して通信を行なう通信システムにおいて、
前記電力線を伝播する信号の振幅を所定振幅値内に制限する振幅制限器を備え、
前記複数の通信装置には、
第1の搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調して前記電力線を介した低速通信を行う複数の第1の通信装置と、
前記第1の搬送波周波数とは異なる第2の搬送波周波数のデータ信号を、位相偏移変調により変調して前記電力線を介した高速通信を行う複数の第2の通信装置と
を含み、
前記第1の搬送周波数は、前記第2の搬送波周波数より、前記電力線に発生するインパルス性雑音の周波数に近く、
前記第1の通信装置が変調した信号のシンボル長は、前記インパルス性雑音の長さより長いこと
を特徴とする電力線通信システム。 - 前記位相偏移変調は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)であり、
前記複数の通信装置は同期検波方式にてデータ信号を受信するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力線通信システム。 - 前記位相偏移変調は、DBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)であり、
前記複数の通信装置は遅延検波方式にてデータ信号を受信するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力線通信システム。 - 前記所定の振幅値は、前記電力線に発生するインパルス性雑音の特性に基づき予め定められてあること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電力線通信システム。 - 前記所定の振幅値は、通信装置間で送受信する信号の振幅値の2倍以下であること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電力線通信システム。
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