JP2012109544A - 環状構造を有する有機化合物 - Google Patents

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Akira Sakakibara
顕 榊原
Masanobu Tanaka
正信 田中
Hideyuki Higashimura
秀之 東村
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Abstract

【課題】本発明は、電界発光素子の発光輝度を向上できる材料を提供することを目的とする。
【解決手段】式(1)で表される構成単位を含む有機化合物、前記有機化合物を含む、積層構造体、電荷注入材料及び/又は電荷輸送材料、電界発光素子、並びに光電変換素子。
【化1】
Figure 2012109544

(式中、R1は(2+n1)価の有機基である。
1は1以上の整数である。
2は1価の有機基である。複数個のR2が存在する場合、各々のR2は同一であっても異なっていてもよい。構成単位の数が2つ以上である場合、それぞれの構成単位は互いに同じ構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、環状構造を有する有機化合物に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の電界発光素子の作製において、アニオン基を有し、かつ、ヘテロ原子を環上に含まない環状構造を有する有機化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒として用いた溶液の塗布によって成膜可能な電子注入層の材料として用いられることが知られている(非特許文献1)。
Advanced Materials 2001,13,1274−1278
しかし、上述の材料を電子注入層の材料として用いた場合であって、電界発光素子の発光輝度が十分ではなかった。
そこで、本発明は、電界発光素子の発光輝度を向上できる材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の<1>〜<12>の第1の有機化合物を提供する。
<1>式(1)で表される構成単位を含む有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、R1は(2+n1)価の有機基である。
1は1以上の整数である。
2は式(2)で表される基を含む1価の有機基である。複数個のR2が存在する場合、各々のR2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2012109544
(式中、
1は、周期表の第1族、第2族及び第4族〜第13族の金属カチオン、置換基を有していてもよいアンモニウムカチオン、置換基を有するホスホニウムカチオン、置換基を有するスルホニウムカチオン、置換基を有するスルホキソニウムカチオン、並びに置換基を有するヨードニウムカチオンからなる群から選ばれるカチオンである。複数個のM1が存在する場合、各々のM1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
3は、カチオンを包接できる環状構造を1又は2以上含む、(1+n4)価の有機基である。環状構造内には酸素原子及び硫黄原子の一方又は両方が含まれ、それらの原子の総数は4個以上である。複数個のR3が存在する場合、各々のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
4は2価の有機基である。複数個のR4が存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は、−CO2 -、−SO2 -、−SO3 -、−PO3 2-又は−BRa 3 -である。複数個のY1が存在する場合、各々のY1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
aは水素原子又は1価の有機基である。Raの一部又は全部が互いに結合して環を形成していてもよく、各々のRaは互いに同一であっても異なっていてもよい。
1はカウンターアニオンである。複数個のZ1が存在する場合、各々のZ1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2は0以上の整数である。
3は0又は1である。複数個のn3が存在する場合、各々のn3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
4は0以上の整数である。
aは0より大きい数である。
bは0以上の数である。
1=1であるとき、n2≧1であり、かつn4≧1である。
1≧2であるとき、複数個のn2から選ばれる1つ以上のn2が1以上であり、かつ、複数個のn4から選ばれる1つ以上のn4が1以上である。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<2>R1が、置換基を有していてもよい(2+n1)価の芳香族基である、上記<1>に記載の有機化合物。
<3>M1が、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+及び(R54+からなる群から選ばれるカチオンである上記<1>又は<2>に記載の有機化合物。
(式中、R5は、水素原子又は1価の有機基である。R5は、その全部又は一部が互いに結合して環を形成していてもよく、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<4>R3に含まれる環状構造が、クリプタンド、スフェランド、カルセランド、環状糖及びクラウンエーテルからなる群から選ばれる環状構造である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の有機化合物。
<5>Y1が−CO2 -である、上記<1>〜<4>のいずれか一項の有機化合物。
<6>式(3)で表される有機化合物である、上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
1、R2及びn1は前記と同じ意味である。)
<7>式(3)で表される有機化合物が、式(4)で表される有機化合物である、上記<6>に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
1、X2及びR2は前記と同じ意味である。
6は水素原子又は1価の有機基である。
5は1又は2である。
6は0又は1である。
ただし、n5+n6=2である。)
<8>式(4)で表される有機化合物が、式(5)で表される有機化合物である、上記<7>に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
1、X2、R6、M1、n5及びn6は前記と同じ意味である。
Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
7は、2価の有機基である。各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
7は2以上の整数である。複数個のn7が存在する場合、各々のn7は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<9>式(4)で表される有機化合物が、式(6)で表される有機化合物である、上記<7>に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
1、X2、E、R6、M1、n5及びn6は前記と同じ意味である。
Qは、2価の有機基である。複数個のQが存在する場合、各々のQは互いに同一であっても異なっていてもよい。
8は、2価の有機基である。各々のR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
9は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
8は3以上の整数である。複数個のn8が存在する場合、各々のn8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
9は0又は1である。複数個のn9が存在する場合、各々のn9は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<10>式(7)で表される構成単位を含む、上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
2は前記と同じ意味である。
10は水素原子又は1価の有機基である。
10は1又は2である。
11は0又は1である。
ただし、n10+n11=2である。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<11>式(7)で表される構成単位が、式(8)で表される構成単位である、上記<10>に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
10、M1、n10及びn11は前記と同じ意味である。
Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
11は、2価の有機基である。各々のR11は互いに同一であっても異なっていてもよい。
12は2以上の整数である。複数個のn12が存在する場合、各々のn12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<12>式(7)で表される構成単位が、式(9)で表される構成単位である、上記<10>に記載の有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
G、R10、M1、n10及びn11は前記と同じ意味である。
Tは2価の有機基である。複数個のTが存在する場合、各々のTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
12は、2価の有機基である。各々のR12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
13は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR13が存在する場合、各々のR13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
13は3以上の整数である。複数個のn13が存在する場合、各々のn13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
14は0又は1である。複数個のn14が存在する場合、各々のn14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
また、本発明は以下の積層構造体、電荷注入材料及び/又は電荷輸送材料、電界発光素子、並びに光電変換素子を提供する。
<13>上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載の有機化合物を含む積層構造体。
<14>上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載の有機化合物を含む電荷注入材料及び/又は電荷輸送材料。
<15>上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載の有機化合物を含む電界発光素子。
<16>上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載の有機化合物を含む光電変換素子。
更に、本発明は以下の<17>〜<20>の第2の有機化合物を提供する。
<17>式(10)で表される有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
6は、水素原子又は1価の有機基である。
7は、2価の有機基である。各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
5は1又は2である。
6は0又は1である。
ただし、n5+n6=2である。
7は2以上の整数である。複数個のn7が存在する場合、各々のn7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、メタンスルホナート基、ホウ酸残基(−B(OH)2)、ホウ酸アルキルエーテル残基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
14は1価の有機基である。複数個のR14が存在する場合、各々のR14は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<18>式(11)で表される有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Qは、2価の有機基である。複数個のQが存在する場合、各々のQは互いに同一であっても異なっていてもよい。
6は、水素原子又は1価の有機基である。
8は、2価の有機基である。各々のR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
9は、水素原子又は1価の有機基である。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
15は1価の有機基である。複数個のR15が存在する場合、各々のR15は互いに同一であっても異なっていてもよい。
3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、メタンスルホナート基、ホウ酸残基、ホウ酸アルキルエーテル残基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
5は1又は2である。
6は0又は1である。
ただし、n5+n6=2である。
8は3以上の整数である。複数個のn8が存在する場合、各々のn8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
9は0又は1である。複数個のn9が存在する場合、各々のn9は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<19>式(12)で表される構成単位を含む有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
10は、水素原子又は1価の有機基である。
11は2価の有機基である。複数個のR11が存在する場合、各々のR11は互いに同一であっても異なっていてもよい。
16は1価の有機基である。複数個のR16が存在する場合、各々のR16は互いに同一であっても異なっていてもよい。
10は1又は2である。
11は0又は1である。
ただし、n10+n11=2である。
12は2以上の整数である。複数個のn12が存在する場合、各々のn12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
<20>式(13)で表される構成単位を含む有機化合物。
Figure 2012109544
(式中、
Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Tは2価の有機基である。複数個のTが存在する場合、各々のTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
10は水素原子又は1価の有機基である。
17は1価の有機基である。複数個のR17が存在する場合、各々のR17は互いに同一であっても異なっていてもよい。
20は、2価の有機基である。各々のR20は互いに同一であっても異なっていてもよい。
21は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR21が存在する場合、各々のR21は互いに同一であっても異なっていてもよい。
10は1又は2である。
11は0又は1である。
ただし、n10+n11=2である。
13は3以上の整数である。複数個のn13が存在する場合、各々のn13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
14は0又は1である。複数個のn14が存在する場合、各々のn14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の第1の有機化合物は、電荷注入材料、電荷輸送材料等の、有機エレクトロルミネッセンス素子等の電界発光素子の材料として、電界発光素子の発光輝度を向上できるので有用である。また、本発明の第1の有機化合物は、有機薄膜太陽電池等の光電変換素子の材料として、光電変換素子の光電変換効率を向上させることが期待できる。更に、本発明の第1の有機化合物は、安定な有機電解質として電解反応やコンデンサー等の用途も期待できる。本発明の第2の有機化合物は、第1の有機化合物の前駆物質として有用である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
まず本明細書において使用する用語について説明する。用語について特に説明されていない場合には、以下の定義を用いる。
本明細書において、構造式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、nHexはノルマルヘキシル基、nOctはノルマルオクチル基、nBuはノルマルブチル基、tBuはtert−ブチル基、Tsはトシル基、TfOはトリフルオロメタンスルホナート基、cHexはシクロヘキシル基、p−tolはパラトリル基を表す。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その直後に記載された化合物又は基を構成する水素原子が無置換の場合及び水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されている場合の双方を含み、置換基によって置換されている場合には、水酸基、ニトロ基、炭素原子数1〜60のヒドロカルビル基、炭素原子数1〜60のヒドロカルビルオキシ基、架橋基等の置換基によって置換されていてもよいことを意味し、これらの中でも、簡便に合成できるので、炭素原子数1〜30のヒドロカルビル基又は炭素原子数1〜30のヒドロカルビルオキシ基で置換されていることが好ましく、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基又は炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で置換されていることがより好ましく、炭素原子数1〜12のヒドロカルビル基又は炭素原子数1〜12のヒドロカルビルオキシ基で置換されていることが更に好ましい。
上記のヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。上記のヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、ターフェニリル基、3,5−ジフェニルフェニル基、3,4−ジフェニルフェニル基、ペンタフェニルフェニル基、4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基及びコロニル基が挙げられ、簡便に合成できるので、好ましくはメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、ターフェニリル基、3,5−ジフェニルフェニル基、3,4−ジフェニルフェニル基、ペンタフェニルフェニル基、4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基、9−フェナントリル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、又はフェニル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はオクチル基である。
上記のヒドロカルビルオキシ基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。上記のヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロパノキシ基、2−プロパノキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロプロパノキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジロキシ基、α,α−ジメチルベンジロキシ基、2−フェネチルオキシ基、1−フェネチルオキシ基、フェノキシ基、アルコキシフェノキシ基、アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及びペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられ、簡便に合成できるので、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、1−プロパノキシ基、2−プロパノキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基又は3,7−ジメチルオクチルオキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、1−プロパノキシ基、2−プロパノキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基又はオクチルオキシ基である。
上記の架橋基とは、熱、光、熱重合開始剤又は光重合開始剤の作用で重合反応を起こすことにより、2分子以上の分子間で結合を形成することができる基を表す。架橋基としては、例えば、エテニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリルアミジル基、メタクリル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリルアミジル基、エテニルオキシ基、エテニルアミノ基、ヒドロキシシリル基、及び小員環(例えば、シクロプロパン、シクロブタン、ベンゾシクロブテン、エポキシド、オキセタン、ジケテン、チイラン、ラクトン、ラクタム)の構造を含有する基、及び、シロキサン誘導体の構造を含有する基がある。上記の基の他に、エステル結合又はアミド結合を形成可能な基の組み合わせも利用できる。エステル結合又はアミド結合を形成可能な基の組み合わせとしては、例えば、エステル基とアミノ基、エステル基とヒドロキシル基等の組み合わせが挙げられる。
本明細書において「有機基」とは、特に説明されていない場合には、炭素原子及び水素原子を有する基を示す。
本明細書において「構成単位」とは、有機化合物中に1個以上存在する単位を意味し、「繰り返し単位」(即ち、有機化合物中に2個以上存在する単位)として有機化合物中に存在していてもよい。3個以上の構成単位が存在する場合、その有機化合物は「高分子化合物」と言い換えてもよい。構成単位は、本明細書中の式に示す構造中[]の中に示す構造である。
本明細書において、「第1の有機化合物」は、以下説明するように、前記式(1)、(7)、(8)、(8’)、(9)又は(9’)で表される構成単位を含む有機化合物である。即ち、「第1の有機化合物」は、式(1)で表される構成単位を含む有機化合物であり、式(7)で表される構成単位は、式(1)で表される構成単位の例である。式(8)及び(9)で表される構成単位は、式(7)で表される構成単位の例である。前記式(8’)及び(9’)で表される有機化合物は、それぞれ、式(8)及び(9)で表される構成単位を有する有機化合物の例である。
「第1の有機化合物」は、前記式(3)、(4)、(5)、(5’)、(6)又は(6’)で表される有機化合物でもある。前記式(3)、(4)、(5)及び(6)で表される有機化合物は、前記式(1)で表される構成単位を含む有機化合物の例である。前記式(3)で表される有機化合物は、前記式(1)で表される構成単位を1個有する有機化合物の例である。前記式(4)で表される有機化合物は、前記式(1)又は(7)で表される構成単位を1個有する有機化合物の例であり、前記式(3)で表される有機化合物の例である。前記式(5)で表される有機化合物は、前記式(1)、(7)又は(8)で表される構成単位を1個有する有機化合物の例であり、前記式(3)又は(4)で表される有機化合物の例である。前記式(6)で表される有機化合物は、前記式(1)、(7)又は(9)で表される構成単位を1個有する有機化合物の例であり、前記式(3)又は(4)で表される有機化合物の例である。前記式(5’)及び(6’)で表される有機化合物は、それぞれ、式(5)及び(6)で表される有機化合物の例である。
本明細書において、「第2の有機化合物」は、以下説明するように、前記式(12)、(12’)、(13)又は(13’)で表される構成単位を1個以上有する有機化合物、或いは、式(10)、(10’)、(11)又は(11’)で表される有機化合物である。式(12)又は(13)で表される構成単位を1個有する有機化合物が、それぞれ、式(10)又は(11)で表される有機化合物に対応する。前記式(10’)及び(11’)で表される有機化合物は、それぞれ、式(10)及び(11)で表される有機化合物の例である。前記式(12’)及び(13’)で表される構成単位を有する有機化合物は、それぞれ、式(12)及び(13)で表される構成単位を有する有機化合物の例である。
本明細書において、「カチオンを包接できる環状構造」における「包接できる」とは、環状構造の環上に存在する酸素原子及び硫黄原子のうちから選ばれる2個以上の原子が、カチオン(例えば、金属カチオン、有機カチオン)と非共有結合を介して相互作用できることと定義する。環状構造としては、簡便に合成できるので、クリプタンド、スフェランド、カルセランド、環状糖又はクラウンエーテルが好ましく、クリプタンド、スフェランド又はクラウンエーテルがより好ましく、クリプタンド又はクラウンエーテルが更に好ましく、クラウンエーテルが特に好ましい。
<第1の有機化合物>
本発明の第1の有機化合物について以下説明する。
本発明の第1の有機化合物は、上記式(1)で表される構成単位を含む。以下、式(1)で表される構成単位について説明する。
式(1)中、R1で表される(2+n1)価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよい(2+n1)価の芳香族基が挙げられ、以下の式1−1〜1−49で表される分子から水素原子(2+n1)個を除いた原子団が好ましい。これらの中でも、R1としては、簡便に合成できるので、式1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−9、1−10、1−20、1−24、1−26、1−27、1−32、1−35及び1−39で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子(2+n1)個を除いた原子団が好ましく、式1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−20、1−27、1−32及び1−35で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子(2+n1)個を除いた原子団が更に好ましく、式1−1又は1−35で表される分子から水素原子(2+n1)個を除いた原子団が特に好ましい。なお、下記の構造中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上が、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
式(1)中、n1は1以上の整数である。n1は1又は2であることが好ましい。
式(1)中、R2は上記式(2)で表される基を含む1価の有機基である。複数個のR2が存在する場合、各々のR2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(2)中、M1は、周期表の第1族、第2族及び第4族〜第13族の金属カチオン、置換基を有していてもよいアンモニウムカチオン、置換基を有するホスホニウムカチオン、置換基を有するスルホニウムカチオン、置換基を有するスルホキソニウムカチオン、並びに置換基を有するヨードニウムカチオンからなる群から選ばれるカチオンである。複数個のM1が存在する場合、各々のM1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は、電荷注入性又は電荷輸送性が優れるので、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、(R54+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+又はBa2+であることが好ましく、Li+、Na+、K+、Rb+,Cs+、(R54+、Mg2+又はCa2+であることがより好ましく、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+又は(R54+であることが更に好ましく、Li+、Na+、K+又はCs+であることが特に好ましい。
5は水素原子又は1価の有機基である。R5は、その全部又は一部が互いに結合して環を形成していてもよい。各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。
5としては、例えば、水素原子、及び、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、R5は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基、又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、メチル基又は1−ブチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(2)中、R3は、カチオンを包接できる環状構造を1又は2以上含む、(1+n4)価の有機基である。環状構造内には酸素原子及び硫黄原子の一方又は両方が含まれ、それらの原子の総数は4個以上である。複数個のR3が存在する場合、各々のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
3に含まれる環状構造としては、例えば、クリプタンド、スフェランド、カルセランド、環状糖及びクラウンエーテルからなる群から選ばれる環状構造が挙げられる。これらの中でも、簡便に合成できるので、クリプタンド、スフェランド及びクラウンエーテルからなる群から選ばれる環状構造が好ましく、スフェランド及びクラウンエーテルからなる群から選ばれる環状構造がより好ましく、クラウンエーテルが更に好ましく、クラウンエーテルが特に好ましい。R3においては、環状構造内に窒素原子が含まれないことが好ましい。R3には1又は2以上の環状構造が含まれる。R3に2以上の環状構造が含まれる場合、同一の構造の環状構造が2つ以上含まれていてもよいし、異なる構造の環状構造が含まれていてもよい。
3に含まれる環状構造がクリプタンドである場合、R3の好ましい例としては、有機化合物が簡便に合成できるので、以下の式2−1〜2−3で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基が挙げられる。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
3に含まれる環状構造がスフェランドである場合、R3の好ましい例としては、有機化合物が簡便に合成できるので、以下の式2−4で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基が挙げられる。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
3に含まれる環状構造がカルセランドである場合、有機化合物が簡便に合成できるので、R3の好ましい例としては、以下の式2−5で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基が挙げられる。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
3に含まれる環状構造が環状糖である場合、有機化合物が簡便に合成できるので、R3の好ましい例としては、以下の式2−6〜2−8で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基が挙げられる。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
3に含まれる環状構造がクラウンエーテルである場合、R3の好ましい例としては、以下の式2−9〜2−58で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基が挙げられる。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
1がLi+である場合、有機化合物がLi+を包接しやすいので、R3は、式2−9、2−14、2−19、2−22、2−23、2−24、2−32、2−33、2−38、2−41、2−42、2−47、2−48、2−49、2−50、2−51又は2−52で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることがより好ましく、式2−9、2−14、2−19、2−22、2−23又は2−24で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることが更に好ましく、式2−9、2−19又は2−22で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることが特に好ましい。
がNa+、K+又はCs+である場合、有機化合物がNa+、K+又はCs+を包接しやすいので、R3は、式2−11、2−16、2−20、2−28、2−29、2−30、2−31、2−36、2−37、2−40、2−43、2−44、2−56、2−57又は2−58で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることがより好ましく、式2−11、2−16、2−20、2−28、2−29、2−30又は2−31で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることが更に好ましく、式2−11、2−16又は2−29で表される分子から水素原子を(1+n4)個除いた原子団を含む(1+n4)価の有機基であることが特に好ましい。
式(2)中、R4は2価の有機基である。複数個のR4が存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
4としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。
置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R4は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェナントリレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基及びビフェニレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ビニレン基、フェニレン基が更に好ましく、プロピレン基、ブチレン基及びフェニレン基が特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(2)中、Y1は、−CO2 -、−SO2 -、−SO3 -、−PO3 2-又は−BR 3 -である。複数個のY1が存在する場合には、各々のY1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
−CO2 -、−SO2 -、−SO3 -、−PO3 2-及び−BR 3 -は、金属カチオンや有機カチオンを対カチオンとするアニオン基である。これらの中でも、簡便に合成できるので、Y1は、−CO2 -又は−SO3 -であることが好ましく、−CO2 -であることがより好ましい。
上記Raは水素原子又は1価の有機基である。Raの一部又は全部が互いに結合して環を形成していてもよく、各々のRaは互いに同一であっても異なっていてもよい。
aとしては、例えば、水素原子、及び、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、Raは、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基又はフェニル基が更に好ましく、メチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(2)中、Z1はカウンターアニオンである。複数個のZ1が存在する場合、各々のZ1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
1としては、例えば、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、R5SO3 -、R5CO2 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BPh4 -、B[3,5−(CF32634 -、B[N−Imidazolyl]4 -、BF4 -及びPF6 -が挙げられる。中でも、CF3SO3 -、CF3CO2 -、BPh4 -、B[3,5−(CF32634 -、B[N−Imidazolyl]4 -、BF4 -又はPF6 -が好ましく、B[3,5−(CF32634 -、B[N−Imidazolyl]4 -、BF4 -又はPF6 -であることがより好ましく、B[N−Imidazolyl]4 -であることが更に好ましい。R5は前記と同じ意味である。
式(2)中、n2は0以上の整数であり、0又は1であることが好ましい。
式(2)中、n3は0又は1であり、0であることが好ましい。複数個のn3が存在する場合、各々のn3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(2)中、n4は0以上の整数であり、1であることが好ましい。
1=1であるとき、n2≧1であり、かつn4は1以上である。
1≧2であるとき、複数個のn2から選ばれる1つ以上のn2が1以上であり、複数個のn4から選ばれる1つ以上のn4は1以上である。
式(2)中、aは0より大きい数であり、1以上3以下であることが好ましい。
式(2)中、bは0以上の数であり、0以上2以下であることが好ましい。
式(1)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
本発明の第1の有機化合物は、上記式(3)で表される有機化合物であることが好ましい。
式(3)中、X1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
1及びX2としては、簡便に合成できるので、水素原子が好ましい。
1及びX2としての置換基を有していてもよいアルキル基は、炭素原子数が1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基及び2−アダマンチル基が好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基又は3,7−ジメチルオクチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、1−ブチル基及びオクチル基が更に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
1及びX2としての置換基を有していてもよいアリール基は、炭素原子数が4〜50の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいアリール基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、好ましい例としては、以下の式X−1〜X−56で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基が挙げられる。これらの中でも、簡便に合成できるので、式X−32、X−33、X−34、X−35、X−36、X−37、X−38、X−39、X−40、X−41、X−42、X−43、X−44又はX−56で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基であることが好ましく、式X−34、X−35、X−39、X−40、X−41、X−42、X−43、X−44又はX−56で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基であることがより好ましく、式X−34、X−35、X−41、X−42又はX−44で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基であることが更に好ましく、式X−34又はX−40で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基であることが特に好ましい。なお、下記の構造式中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第1の有機化合物は、上記式(4)で表される有機化合物であることが好ましい。
式(4)中、X1、X2及びR2は前記と同じ意味である。
式(4)中、R6は水素原子又は1価の有機基である。R6としては、例えば、水素原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を含む1価の有機基、及び、置換基を有していてもよいエステル基を含む1価の有機基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいエステル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を含む1価の有機基、及び、置換基を有していてもよいエステル基を含む1価の有機基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、R6は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基又は4−トリル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(4)中、n5は1又は2である。
式(4)中、n6は0又は1である。ただし、n5+n6=2である。
式(4)で表される有機化合物は、上記式(5)で表される有機化合物であることが好ましい。
式(5)中、X1、X2、R6、M1、n5及びn6は前記と同じ意味である。
式(5)中、Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。簡便に合成できるので、複数個のEから選ばれる1つ以上のEが、酸素原子であることが好ましい。
式(5)中、R7で表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。
置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R7は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基又はビフェニレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ビニレン基又はフェニレン基であることが更に好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることが特に好ましい。
なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(5)中、n7は2以上の整数である。複数個のn7が存在する場合、各々のn7は互いに同一であっても異なっていてもよい。有機化合物がカチオンを包接しやすいので、n7は2〜5であることが好ましく、2〜4であることが更に好ましい。
式(5)で表される有機化合物は、下記式(5’)で表される有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(5’)中、X1、X2、E、R6、R7、M、n5及びn6は前記と同じ意味である。
式(5’)で表される有機化合物の中でも、下記式5−1〜5−168で表される有機化合物が好ましい。下記構造式において、M1は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
上記式のうちMがLi+である分子としては、有機化合物がLi+を包接しやすいので、式5−113、5−117、5−121、5−125、5−129、5−133、5−137、5−141、5−145、5−149、5−153、5−157、5−161及び5−165で表される分子がより好ましく、式5−113、5−141、5−145、5−149、5−153、5−157、5−161及び5−165で表される分子が更に好ましく、式5−113、5−141及び5−145で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがNa+である分子としては、有機化合物がNa+を包接しやすいので、式5−2、5−10、5−30、5−34、5−38、5−42、5−46、5−50、5−54、5−58、5−66、5−86及び5−94で表される分子がより好ましく、式5−2、5−30、5−34、5−38、5−42、5−46、5−50及び5−54で表される分子が更に好ましく、式5−2、5−30及び5−34で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがK+である分子としては、有機化合物がK+を包接しやすいので、式5−3、5−11、5−31、5−35、5−39、5−43、5−47、5−51又は5−55で表される分子がより好ましく、式5−3、5−31、5−35、5−39、5−43、5−47、5−51及び5−55で表される分子が更に好ましく、式5−3、5−31及び5−35で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがCs+である分子としては、有機化合物がCs+を包接しやすいので、式5−4、5−12、5−32、5−36、5−40、5−44、5−48、5−52及び5−56で表される分子がより好ましく、式5−4、5−32、5−36、5−40、5−44、5−48、5−52及び5−56で表される分子が更に好ましく、式5−4、5−32及び5−36で表される分子が特に好ましい。
式(4)で表される有機化合物は、上記式(6)で表される有機化合物であることも好ましい。
式(6)中、X1、X2、R6、M1、E、n5及びn6は前記と同じ意味である。
式(6)中、Qで表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基、及び、置換基を有していてもよいヒドロカルビレンオキシ基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレンオキシ基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、Qは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、シクロプロピレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロヘキシレンオキシ基、α,α−ジメチレンベンジルオキシ基、1−フェネチレンオキシ基、2−フェネチレンオキシ基、ビニレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基、オレイレンオキシ基、フェニレンオキシ基、トリレンオキシ基、ビフェニレンオキシ基、ターフェニレンオキシ基、3,5−ジフェニルフェニレンオキシ基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレンオキシ基、ナフチレンオキシ基、アントリレンオキシ基又はフェナントリレンオキシ基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、ビニレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基、フェニレンオキシ基、トリレンオキシ基又はビフェニレンオキシ基であることがより好ましく、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基又はフェニレンオキシ基であることが更に好ましく、メチレンオキシ基又はフェニレンオキシ基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(6)中、R8で表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R8は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが更に好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ビニレン基又はプロペニレン基であることが特に好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることがとりわけ好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(6)中、R9は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
9としては、例えば、水素原子、及び、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R9は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基又はドデシル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(6)中、n8は3以上の整数である。複数個のn8が存在する場合、各々のn8は互いに同一であっても異なっていてもよい。有機化合物がカチオンを包接しやすいので、n8は3〜5であることが好ましい。
式(6)中、n9は0又は1である。複数個のn9が存在する場合、各々のn9は互いに同一であっても異なっていてもよい。簡便に合成できるので、n9は1であることが好ましい。
式(6)で表される有機化合物は、下記式(6’)で表される有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(6’)中、X1、X2、Q、E、R6、R8、R9、M1、n5、n6、n8及びn9は前記と同じ意味である。
式(6’)で表される有機化合物としては、下記式6−1〜6−168で表される有機化合物が好ましい。下記構造式において、Mは前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
上記式のうちM1がLi+である分子としては、有機化合物がLi+を包接しやすいので、式6−113、6−117、6−121、6−125、6−129、6−133、6−137、6−141、6−145、6−149、6−153、6−157、6−161及び6−165で表される分子がより好ましく、式6−113、6−141、6−145、6−149、6−153、6−157、6−161及び6−165で表される分子が更に好ましく、式6−113、6−141及び6−145で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがNa+である分子としては、有機化合物がNa+を包接しやすいので、式6−2、6−10、6−30、6−34、6−38、6−42、6−46、6−50、6−54、6−58、6−66、6−86及び6−94で表される分子がより好ましく、式6−2、6−30、6−34、6−38、6−42、6−46、6−50及び6−54で表される分子が更に好ましく、式6−2、6−30及び6−34で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがK+である分子としては、有機化合物がK+を包接しやすいので、式6−3、6−11、6−31、6−35、6−39、6−43、6−47、6−51及び6−55で表される分子がより好ましく、式6−3、6−31、6−35、6−39、6−43、6−47、6−51及び6−55で表される分子が更に好ましく、式6−3、6−31及び6−35で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちM1がCs+である分子としては、有機化合物がCs+を包接しやすいので、式6−4、6−12、6−32、6−36、6−40、6−44、6−48、6−52及び6−56で表される分子がより好ましく、式6−4、6−32、6−36、6−40、6−44、6−48、6−52及び6−56で表される分子が更に好ましく、式6−4、6−32及び6−36で表される分子が特に好ましい。
本発明の第1の有機化合物は、上記式(7)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
式(7)中、R2は前記と同じ意味である。
式(7)中、R10で表される1価の有機基としては、例えば、水素原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を含む1価の有機基、及び、置換基を有していてもよいエステル基を含む1価の有機基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいエステル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を含む1価の有機基、及び、置換基を有していてもよいエステル基を含む1価の有機基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基又は4−トリル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(7)中、n10は1又は2である。
式(7)中、n11は0又は1である。ただし、n10+n11=2である。
式(7)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(7)で表される構成単位を含む有機化合物の中でも、上記式(8)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
式(8)中、R10、M1、n10及びn11は前記と同じ意味である。
式(8)中、Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。簡便に合成できるので、複数個のGから選ばれる1つ以上のGが、酸素原子であることが好ましい。
式(8)中、R11で表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。
置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R11は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基又はビフェニレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ビニレン基又はフェニレン基であることが更に好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(8)中、n12は2以上の整数である。複数個のn12が存在する場合、各々のn12は互いに同一であっても異なっていてもよい。有機化合物がカチオンを包接しやすいので、n12は2〜5であることが好ましく、2〜4であることが更に好ましい。
式(8)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(8)で表される構成単位を含む有機化合物は、下記式(8’)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(8’)中、G、R10、R11、M1、n10、n11及びn12は前記と同じ意味である。2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(8’)で表される構成単位を含む有機化合物としては、下記式8−1〜8−24で表される構成単位を含む有機化合物が好ましい。下記構造式において、M1は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
上記式のうちM1がLi+である分子としては、有機化合物がLi+を包接しやすいので、式8−1、8−5及び8−9で表される分子がより好ましく、式8−5及び8−9で表される分子が更に好ましく、式8−9で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちM1がNa+である分子としては、有機化合物がNa+を包接しやすいので、式8−2、8−6及び8−10で表される分子がより好ましく、式8−2及び8−6で表される分子が更に好ましく、式8−2で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちM1がK+である分子としては、有機化合物がK+を包接しやすいので、式8−3、8−7及び8−11で表される分子がより好ましく、式8−3及び8−7で表される分子が更に好ましく、式8−3で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちM1がCs+である分子としては、有機化合物がCs+を包接しやすいので、式8−4、8−8及び8−12で表される分子がより好ましく、式8−4及び8−8で表される分子が更に好ましく、式8−4で表される分子が特に好ましい。
式(7)で表される構成単位を含む有機化合物は、上記式(9)で表される構成単位を含む有機化合物であることも好ましい。
式(9)中、R10、M1、G、n10及びn11は前記と同じ意味である。
式(9)中、Tで表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基、及び置換基を有していてもよいヒドロカルビレンオキシ基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレンオキシ基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、Tとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、シクロプロピレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロヘキシレンオキシ基、α,α−ジメチレンベンジルオキシ基、1−フェネチレンオキシ基、2−フェネチレンオキシ基、ビニレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基、オレイレンオキシ基、フェニレンオキシ基、トリレンオキシ基、ビフェニレンオキシ基、ターフェニレンオキシ基、3,5−ジフェニルフェニレンオキシ基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレンオキシ基、ナフチレンオキシ基、アントリレンオキシ基又はフェナントリレンオキシ基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、ビニレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基、フェニレンオキシ基、トリレンオキシ基又はビフェニレンオキシ基であることがより好ましく、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、オクチレンオキシ基、デシレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、2−エチルヘキシレンオキシ基、3,7−ジメチルオクチレンオキシ基、プロペニレンオキシ基、ブテニレンオキシ基又はフェニレンオキシ基であることが更に好ましく、メチレンオキシ基又はフェニレンオキシ基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(9)中、R12で表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R12は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基又はビフェニレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ビニレン基又はフェニレン基であることが更に好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(9)中、R13は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR13が存在する場合、各々のR13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
13としては、例えば、水素原子、及び置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R13は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基又はドデシル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(9)中、n13は3以上の整数である。複数個のn13が存在する場合、各々のn13は互いに同一であっても異なっていてもよい。有機化合物がカチオンを包接しやすいので、n13は3〜5であることが好ましい。
式(9)中、n14は0又は1であり、1であることが好ましい。複数個のn14が存在する場合、各々のn14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(9)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(9)で表される構成単位を含む有機化合物は、下記式(9’)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(9’)中、G、T、R10、R12、R13、M1、n10、n11及びn13及びn14は前記と同じ意味である。2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(9’)で表される構成単位を含む有機化合物の中でも、下記の式9−1〜9−24で表される構成単位を含む有機化合物が好ましい。下記構造式において、M1は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
上記式のうちM1がLi+である構造としては、有機化合物がLi+を包接しやすいので、式9−1、9−5及び9−9で表される分子がより好ましく、式9−5及び9−9で表される分子が更に好ましく、式9−9で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがNa+である構造としては、有機化合物がNa+を包接しやすいので、式9−2、9−6及び9−10で表される分子がより好ましく、式9−2及び9−6で表される分子が更に好ましく、式9−2で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちMがK+である分子としては、有機化合物がK+を包接しやすいので、式9−3、9−7及び9−11で表される分子がより好ましく、式9−3及び9−7で表される分子が更に好ましく、式9−3で表される分子が特に好ましい。
上記式のうちM1がCs+である分子としては、有機化合物がCs+を包接しやすいので、式9−4、9−8及び9−12で表される分子がより好ましく、式9−4及び9−8で表される分子が更に好ましい。
本発明の第1の有機化合物は、前記式(1)、(7)、(8)、(8’)、(9)及び(9’)で表される構成単位から選ばれる1つ以上の構成単位を含んでいればよく、これら以外の他の構成単位を含んでいてもよい。該他の構成単位としては、以下の式(14)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2012109544
式(14)中、R18は、2価の基であり、通常は2価の有機基であり、好ましくは、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、又は置換基を有していてもよい2価の脂環式アルキル基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい2価の芳香族基である。前記芳香族基、複素環基及び脂環式アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜60のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜60のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜60のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜60のアリールオキシ基及び置換基を有していてもよい炭素原子数2〜60のアシル基が挙げられる。なお、上記基の炭素原子数には、それぞれの基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。
18としては、下記式14−1〜14−58で表される分子から水素原子2個を除いた原子団が挙げられる。これらの中でも、簡便に合成できるので、R18としては、式14−1、14−2、14−3、14−10、14−12、14−24、14−32、14−34、14−35、14−36、14−37、14−38、14−50、14−51、14−52、14−53、14−54、14−55、14−56、14−57及び14−58で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が好ましく、式14−1、14−24、14−32、14−34、14−35、14−36、14−37、14−38、14−50、14−51、14−52、14−53、14−54及び14−55で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団がより好ましく、式14−32、14−35、14−36、14−37、14−38、14−50、14−51、14−52及び14−53で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が更に好ましく、式14−35、14−38及び14−53で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が特に好ましい。下記の構造式において、Mは前記と同じ意味である。なお、下記の構造中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子が、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第1の有機化合物が、前記式(1)、(7)、(8)、(8’)、(9)及び(9’)で表される構成単位から選ばれる構成単位を有する場合、該構成単位の、第1の有機化合物に占める割合は、有機化合物が簡便に合成できるので、第1の有機化合物に含まれる全ての構成単位の合計を100モル%としたとき、1モル%以上100モル%以下の範囲であることが好ましく、5モル%以上100モル%以下の範囲であることがより好ましく、10モル%以上100モル%以下の範囲であることが更に好ましく、15モル%以上100モル%以下の範囲であることが特に好ましい。第1の有機化合物において、前記式(7)、(8)、(8’)、(9)及び(9’)で表される構成単位以外に含まれ得る構成単位は、前述したように、前記式(14)で表される構成単位であることが好ましく、前記式(14)で表される構成単位のみであることがより好ましい。
本発明の第1の有機化合物が、他の構成単位を含まない態様としては、前記式(3)、(4)、(5)、(5’)、(6)及び(6’)で表される有機化合物が挙げられる。
本発明の第1の有機化合物の分子量は、溶解性と成膜性が良好となるので、1×103以上1×106以下が好ましく、1×103以上5×105以下がより好ましく、1×103以上2×105以下が更に好ましい。ここで、第1の有機化合物が多分散の場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算によって算出される数平均分子量を分子量とする。
<第2の有機化合物>
本発明の第2の有機化合物について以下説明する。
本発明の第2の有機化合物の一態様である、上記式(10)で表される有機化合物について説明する。
式(10)中、E、R6、R7、n5、n6及びn7は前記と同じ意味である。
式(10)中、X3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、メタンスルホナート基、ホウ酸残基、ホウ酸アルキルエーテル残基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
3及びX4としては、有機化合物が簡便に合成できるので、水素原子が好ましい。
3及びX4としての、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基及びメタンスルホナート基の中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、クロロ基、ブロモ基及びヨード基が好ましく、クロロ基及びブロモ基がより好ましく、ブロモ基が更に好ましい。
3及びX4としては、有機化合物が簡便に合成できるので、ホウ酸残基及びホウ酸アルキルエーテル残基も好ましい。ホウ酸アルキルエーテル残基とは、ホウ酸残基の2つの水酸基に、アルキル基がエーテル結合してなる残基を意味する。ホウ酸アルキルエーテル残基は、4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル基であることが好ましい。
3及びX4としての置換基を有していてもよいアルキル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、簡便に合成できるので、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基及び2−アダマンチル基が好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基及び3,7−ジメチルオクチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、1−ブチル基及びオクチル基が更に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
3及びX4としての置換基を有していてもよいアリール基の炭素原子数は、1〜20の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいアリール基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中で、好ましい例としては、前記した式X−1〜X−50で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基が挙げられ、これらの中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、式X−32、X−33、X−34、X−35、X−36、X−37、X−38、X−39、X−40、X−41、X−42、X−43、X−44で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基が好ましく、X−34、X−35、X−39、X−40、X−41、X−42、X−43又はX−44で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基がより好ましく、式X−34、X−35、X−41、X−42又はX−44で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基が更に好ましく、式X−34又はX−40で表される分子から水素原子を1個除いた原子団を含む1価の有機基が特に好ましい。
式(10)中、R14で表される1価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、R14は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(10)で表される有機化合物は、下記式(10’)で表される有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(10’)中、X3、X4、E、R6、R7、R14、n5、n6及びn7は前記と同じ意味である。
式(10’)で表される有機化合物としては、下記式10−1〜10−240で表される有機化合物が挙げられ、その中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、式10−1、10−29、10−33、10−37、10−41、10−45、10−49、10−53、10−113、10−141、10−145、10−149、10−153、10−157、10−161、10−165、10−173、10−189、10−197、10−213、10−221、10−237で表される有機化合物がより好ましく、式10−1、10−29、10−33、10−37、10−41、10−45、10−49、10−53、10−173及び10−189で表される有機化合物が更に好ましく、式10−1、10−29、10−33、10−173又は10−189で表される有機化合物が特に好ましい。下記構造式において、R14は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第2の有機化合物の、別の一態様である、上記式(11)で表される有機化合物について説明する。
式(11)中、X3、X4、E、Q、R6、R8、R9、n5、n6、n8及びn9は前記と同じ意味である。
式(11)中、R15で表される1価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、R15は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、エチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(11)で表される有機化合物は、式(11’)で表される有機化合物が好ましい。
Figure 2012109544
式(11’)中、X3、X4、E、Q、R6、R8、R9、R15、n5、n6、n8及びn9は前記と同じ意味である。
式(11’)で表される有機化合物の中でも、下記式11−1〜11−240で表される有機化合物が好ましい。その中でも、簡便に合成できるので、式11−1、11−29、11−33、11−37、11−41、11−45、11−49、11−53、11−113、11−141、11−145、11−149、11−153、11−157、11−161、11−165、11−173、11−189、11−197、11−213、11−221、及び11−237で表される有機化合物がより好ましく、式11−1、11−29、11−33、11−37、11−41、11−45、11−49、11−53、11−173、及び11−189で表される有機化合物が更に好ましく、式11−1、11−29、11−33、11−173、及び11−189で表される有機化合物が特に好ましい。下記構造式において、R15は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第2の有機化合物の一態様である、上記式(12)で表される構成単位を含む有機化合物について説明する。
式(12)中、G、R10、R11、n10、n11及びn12は前記と同じ意味である。
式(12)中、R16で表される1価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、R16は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(12)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(12)で表される構成単位を含む有機化合物は、下記式(12’)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(12’)中、G、R10、R11、R16、n10、n11及びn12は前記と同じ意味である。2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(12’)で表される構成単位を含む有機化合物の中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、下記式12−1〜12−24のいずれかで表される構成単位を含む有機化合物が好ましく、式12−1、12−5又は12−9で表される構成単位を含む有機化合物がより好ましく、式12−1又は12−9で表される構成単位を含む有機化合物が更に好ましく、式12−1で表される構成単位を含む有機化合物が特に好ましい。下記構造式において、R16は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第2の有機化合物の一態様である、上記式(13)で表される構成単位を含む有機化合物について説明する。
式(13)中、G、T、R10、n10、n11、n13及びn14は前記と同じ意味である。
17で表される1価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、R17は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、エチル基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(13)中、R20で表される2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R20は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、α,α−ジメチレンベンジル基、1−フェネチレン基、2−フェネチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、オレイレン基、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、3,5−ジフェニルフェニレン基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はフェナントリレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、2−エチルヘキシレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、フェニレン基、トリレン基又はビフェニレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ビニレン基又はフェニレン基であることが更に好ましく、エチレン基又はプロピレン基であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(13)中、R21は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR21が存在する場合、各々のR21は互いに同一であっても異なっていてもよい。
21としては、例えば、水素原子、及び、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が挙げられる。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、1〜60の範囲であることが好ましい(なお、上記炭素原子数には、上記基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。)。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。中でも、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基又は9−フェナントリル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ベンジル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基又は4−ビフェニル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基又はドデシル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。なお、上記例及び好ましい例として示した基はいずれも、置換基を有していてもよい。
式(13)において、2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(13)で表される構成単位を含む有機化合物は、式(13’)で表される構成単位を含む有機化合物であることが好ましい。
Figure 2012109544
式(13’)中、G、T、R10、R17、R20、R21、n10、n11、n13及びn14は前記と同じ意味である。2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。即ち、括弧[]で囲まれる構造が2つ以上連結している場合、それぞれの構造は互いに同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
式(13’)で表される構成単位を含む有機化合物の中でも、有機化合物が簡便に合成できるので、下記式13−1〜13−24のいずれかで表される構成単位を含む有機化合物が好ましく、式13−2、13−6又は13−10のいずれかで表される構成単位を含む有機化合物がより好ましく、式13−2又は13−10で表される構成単位を含む有機化合物が更に好ましく、式13−2で表される構成単位を含む有機化合物が特に好ましい。下記構造式において、R16は前記と同じ意味である。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第2の有機化合物は、式(12)、(13)、(12’)及び(13’)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位を含んでいればよく、これら以外の他の構成単位を含んでいてもよい。該他の構成単位としては、以下の式(15)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2012109544
式(15)中、R19は、2価の基であり、通常は2価の有機基であり、好ましくは、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、又は置換基を有していてもよい2価の脂環式アルキル基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい2価の芳香族基である。芳香族基、複素環基及び脂環式アルキル基が有していてもよい置換基は、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜60のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜60のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜60のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜60のアリールオキシ基及び置換基を有していてもよい炭素原子数2〜60のアシル基から選ばれる基が挙げられる。なお、上記基の炭素原子数には、それぞれの基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まれない。
19としては、下記式15−1〜15−55で表される分子から水素原子2個を除いた原子団が挙げられる。これらの中でも、簡便に合成できるので、R19としては、式15−1、15−2、15−3、15−10、15−12、15−24、15−32、15−34、15−35、15−36、15−37、15−38、15−50、15−51、15−52、15−53、15−54及び15−55で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が好ましく、式15−1、15−24、15−32、15−34、15−35、15−36、15−37、15−38、15−50、15−51及び15−52からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団がより好ましく、式15−34、15−36、15−37、15−38及び15−50で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が更に好ましく、式15−34、15−36及び15−50で表される分子からなる群から選ばれる分子から水素原子2個を除いた原子団が特に好ましい。なお、下記の構造中、水素原子が除かれる箇所以外の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子が、置換基によって置換されていてもよい。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
Figure 2012109544
本発明の第2の有機化合物が、前記式(12)、(13)、(12’)及び(13’)で表される構成単位から選ばれる構成単位を有する場合、該構成単位の、第2の有機化合物中に占める割合は、簡便に合成できるので、第2の有機化合物を構成する全ての構成単位の合計を100モル%としたとき、1モル%以上100モル%以下の範囲であることが好ましく、5モル%以上100モル%以下の範囲であることがより好ましく、10モル%以上100モル%以下の範囲であることが更に好ましく、15モル%以上100モル%以下の範囲であることが特に好ましい。第2の有機化合物において、前記式(12)、(13)、(12’)及び(13’)で表される構成単位以外の構成単位としては、前述したように、前記式(15)で表される構成単位であることが好ましく、前記式(15)で表される構成単位のみであることがより好ましい。
本発明の第2の有機化合物が、他の構成単位を含まない態様としては、前記式(10)、(10’)、(11)、及び(11’)で表される有機化合物が挙げられる。
本発明の第2の有機化合物の分子量は、溶解性と成膜性が良好となるので、1×103以上1×106以下が好ましく、1×103以上5×105以下がより好ましく、1×103以上2×105以下が更に好ましい。ここで、第2の有機化合物が多分散の場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算によって算出される数平均分子量を分子量とする。
<有機化合物の製造方法>
次に、本発明の第1の有機化合物及び第2の有機化合物の製造方法について、以下に一例を挙げて説明する。
まず、第1工程として、第1の有機化合物の前駆物質としての、第2の有機化合物を製造する。第2の有機化合物は、以下のようにして製造され得る。まず、芳香環上に水酸基と複数個の脱離基とを有する芳香族化合物と、脱離基を1つ以上有するアルキルエーテルとの間で、塩基性条件下でO−アルキル化反応を進行させて、ハロゲン基を複数個有する芳香族エーテル化合物を得る。ここで、該脱離基は、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基又はメタンスルホナート基であることが好ましい。
前記反応に用い得る有機溶媒としては、用いる化合物によっても異なるが、一般には、副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理及び/又は脱水処理を施した溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒を用いる場合には、不活性ガス雰囲気下で反応を行うことが好ましい。
前記反応に用い得る塩基としては、用いる化合物によっても異なるが、一般には、副反応を抑制するために、弱塩基性の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウムを用いることが好ましい。
第2の有機化合物の製造は、上記したのと同じ脱離基を複数個有する芳香族エーテル化合物と、他の有機化合物とを、公知の縮合反応を用いて連結させる方法によってもよい。このような縮合方法として、例えば、0価パラジウム触媒(Pd(0)触媒)によるSuzukiカップリング反応により縮合する方法が挙げられる。即ち、脱離基を複数個有する芳香族エーテル化合物と、ホウ酸残基又はホウ酸アルキルエーテル残基を有する有機化合物とを、縮合させる方法によることができる。他の縮合方法としては、0価ニッケル錯体(Ni(0)触媒)存在下でGrignard試薬及びアリールハライドをKumada−Tamaoカップリング反応により縮合する方法;0価ニッケル錯体により縮合する方法;FeCl3等の酸化剤により縮合する方法;電気化学的に酸化的に縮合する方法等が挙げられる。
Suzukiカップリング反応に用い得る有機溶媒としては、用いる化合物によって異なるが、一般には、0価パラジウム触媒の劣化を抑制するために、十分に脱酸素処理を施したものを用いることが好ましく、不活性ガス雰囲気下で反応を進行させることが好ましい。
次に、第2工程として、第1工程で得られた前駆物質である第2の有機化合物から、第1の有機化合物を製造する。第1の有機化合物の製造には、例えば、金属水酸化物、アルキルアンモニウムヒドロキシド等を用いる加水分解反応を用いるが、その中でも金属水酸化物を用いる加水分解反応を用いることが好ましく、アルカリ金属の金属水酸化物を用いる加水分解反応を用いることが更に好ましく、水酸化セシウムを用いる加水分解反応を用いることが特に好ましい。
<積層構造体>
本発明の積層構造体について以下説明する。本発明の積層構造体は、第1の有機化合物を含む積層構造体である。
本発明の積層構造体が、第1の有機化合物を含む形態としては、第1の有機化合物を含む層を1層以上有する形態が好ましい。本発明の積層構造体における、第1の有機化合物を含む層の存在位置は限定されない。通常、積層構造体は、第1の電極と第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に位置する発光層とを含んでおり、必要に応じて更に、第1の電極と第2の電極の間に位置する発光層以外の構成要素を含んでいる。本発明の積層構造体において、第1の有機化合物を含む層は、発光層として含まれていてもよいし、光層以外の構成要素として含まれていてもよい。
本発明の積層構造体は、例えば、電界発光素子又は光電変換素子として用いることができる。積層構造体を電界発光素子として用いる場合は、積層構造体は、通常、発光層を有している。積層構造体を光電変換素子として用いる場合は、積層構造体は、通常、電荷分離層を有している。
本発明の第1の有機化合物は、電荷の注入性、輸送性、発光性に優れるため、該有機化合物を含む本発明の積層構造体を電界発光素子として用いる場合、高輝度で発光する素子が得られる。本発明の積層構造体を光電変換素子として用いる場合、光電変換効率が高い素子が得られる。
<電界発光素子>
本発明の電界発光素子について以下説明する。本発明の電界発光素子は、本発明の第1の有機化合物を含む電界発光素子である。本発明の電界発光素子は、本発明の積層構造体の好ましい用途の一つである。
本発明の電界発光素子は、通常、陰極、陽極、及び発光層を有する。発光層は、陰極と陽極との間に位置する。本発明の電界発光素子は、陰極と陽極との間に、発光層以外の任意の構成要素を備えていてもよい。本発明の電界発光素子は、第1の有機化合物を含む層を、発光層として有していてもよいし、該任意の構成要素として有していてもよい。
電界発光素子は、通常、任意の構成要素として基板を更に有する。本発明の電界発光素子において、第1の有機化合物を含む層は、陰極と陽極との間に位置する層として含まれ得る。本発明の電界発光素子が、第1の有機化合物を含む層を、発光層以外の層として有する場合の構成としては、基板の面上に、陰極、陽極、発光層及び本発明の有機化合物を含む層、並びに必要に応じてその他の任意の構成要素を設けた構成が挙げられる。本発明の電界発光素子が、第1の有機化合物を含む層を発光層として有する場合の構成としては、例えば、基板の面上に、陰極、陽極、有機化合物を含む層、並びに必要に応じてその他の任意の構成要素を設けた構成が挙げられる。
本発明の電界発光素子の一態様としては、基板上に陽極が設けられ、その上層に発光層が積層され、更にその上層に陰極が積層される態様が例示される。他の一態様としては、基板上に陰極が設けられ、その上層に発光層が積層され、更にその上層に陽極が積層される態様が例示される。本発明の電界発光素子は、基板側から採光する所謂ボトムエミッションタイプの電界発光素子、基板と反対側から採光する所謂トップエミッションタイプの電界発光素子、及び、両面採光型の電界発光素子のいずれであってもよい。本発明の電界発光素子は、保護膜、バッファー膜、反射層等の任意の層を有していてもよい。なお、電界発光素子の構成については、下記にて別途詳述する。電界発光素子の外側には、封止膜、封止基板等の封止層が覆い被せられていてもよく、これにより、電界発光素子が外気と遮断されている発光装置を形成し得る。
本発明の電界発光素子における、第1の有機化合物を含む層の存在位置としては、例えば、陰極と発光層との間の層、及び、陽極と発光層との間の層が挙げられる。本発明の電界発光素子は、第1の有機化合物を含む層を、例えば、電荷注入層、電荷輸送層又は発光層とし有することができ、中でも、電荷注入層及び/又は電荷輸送層として有することが好ましく、電子注入層及び/又は電子輸送層として有することがより好ましい。
なお、本明細書において、電子輸送層と正孔輸送層を総称して「電荷輸送層」と言う。
また、電子注入層と正孔注入層を総称して「電荷注入層」と言う。
第1の有機化合物を含む層を形成する方法としては、例えば、第1の有機化合物を含有する溶液を用いて成膜する方法が挙げられる。
このような溶液からの成膜に用いる溶媒としては、溶解度パラメーターが9.3以上である溶媒が好ましい。該溶媒の例(各括弧内の値は、各溶媒の溶解度パラメーターの値を表す)としては、水(21)、メタノール(12.9)、エタノール(11.2)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(9.9)、tert−ブチルアルコール(10.5)、アセトニトリル(11.8)、1,2−エタンジオール(14.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(11.5)、ジメチルスルホキシド(12.8)、酢酸(12.4)、ニトロベンゼン(11.1)、ニトロメタン(11.0)、1,2−ジクロロエタン(9.7)、ジクロロメタン(9.6)、クロロベンゼン(9.6)、ブロモベンゼン(9.9)、ジオキサン(9.8)、炭酸プロピレン(13.3)、ピリジン(10.4)、二硫化炭素(10.0)、及びこれらの溶媒から選ばれる2種以上の溶媒の混合溶媒が挙げられる。溶媒1と溶媒2との混合溶媒の場合には溶解度パラメーター(δm)は、δm1×φ12×φ2により求めることとする(δ1は溶媒1の溶解度パラメーター、φ1は溶媒1の体積分率、δ2は溶媒2の溶解度パラメーター、φ2は溶媒2の体積分率である。)。ここで、溶解度パラメーターとは、浅原照三著「溶剤ハンドブック」(14版、講談社、1996年発行)に記載の値を用いる。
溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法等の塗布法が挙げられる。
第1の有機化合物を含む層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、2nm〜500nmであることが好ましく、2nm〜200nmであることがより好ましい。
電界発光素子は、通常、陰極、陽極、及び、陰極と陽極間に位置する発光層を有するが、これら以外の任意の構成要素を備えていてもよい。
本発明の電界発光素子は、第1の有機化合物を含む層を、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層及び電子輸送層からなる群から選ばれる層として有していてもよい。
ここで、陽極とは、正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給する電極をいう。陰極とは、電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給する電極をいう。
発光層とは、電界発光素子に対し電界を印加した際に、(1)陽極側に隣接する層より正孔を受け取り、陰極側に隣接する層より電子を受け取る機能、(2)受け取った電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、及び、(3)電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能、を発揮し得る層をいう。
電子注入層及び電子輸送層とは、陰極から電子を受け取る機能、電子を輸送する機能、及び、陽極から注入された正孔を障壁する機能からなる群から選ばれる1つ以上の機能を有する層をいう。
正孔注入層及び正孔輸送層とは、陽極から正孔を受け取る機能、正孔を輸送する機能、発光層へ正孔を供給する機能、及び陰極から注入された電子を障壁する機能からなる群から選ばれる1つ以上の機能を有する層をいう。
本発明の電界発光素子が有し得る層構成について以下に説明する。
以下の層構成の例示において、符号「−」は各層が隣接して積層されていることを示す。
本発明の電界発光素子は、下記の層構成(a)を有していてもよい。また、本発明の電界発光素子は、層構成(a)から、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選ばれる1層以上を省略した層構成を有していてもよい。層構成(a)において、第1の有機化合物を含む層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、及び電子輸送層からなる群から選ばれる1つ以上の層として用いることができる。
(a)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−陰極
電界発光素子が、第1の有機化合物を含む層を発光層として有する場合には、本発明の電界発光素子は下記の層構成(a’)を有していてもよい。層構成(a’)は、層構成(a)について、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を省略した層構成である。
(a’)陽極−発光層−陰極
本発明の電界発光素子は、2層の発光層を含む層構成を有することができる。例えば、電界発光素子は下記の層構成(b)を有していてもよく、層構成(b)について、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び電極からなる群から選ばれる1層以上を省略した層構成を有していてもよい。層構成(b)において、第1の有機化合物を含む層は、好ましくは、陽極と陽極に最も近い発光層との間に存在する層として用いられるか、陰極と陰極に最も近い発光層との間に存在する層として用いられるか、発光層として用いられる。
(b)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−電極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−陰極
電界発光素子が、第1の有機化合物を含む層を発光層として有する場合には、本発明の電界発光素子は下記の層構成(b’)を有していてもよい。層構成(b’)は、層構成(b)について、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を省略した層構成である。
(b’)陽極−発光層−電極−発光層−陰極
本発明の電界発光素子は、3層以上の発光層を含む層構成を有することができる。例えば、電界発光素子は下記の層構成(c)を有していてもよく、また、層構成(c)について、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び電極からなる群から選ばれる1層以上を省略した層構成を有していてもよい。層構成(c)において、第1の有機化合物を含む層は、好ましくは、陽極と陽極に最も近い発光層との間に存在する層として用いられるか、陰極と陰極に最も近い発光層との間に存在する層として用いられるか、発光層として用いられる。
(c)陽極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層−繰り返し単位A−繰り返し単位A・・・−陰極
ここで、「繰り返し単位A」は、電極−正孔注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電子注入層の層構成の単位を示す。
電界発光素子が、第1の有機化合物を含む層を発光層として有する場合には、本発明の電界発光素子は下記の層構成(c’)を有していてもよい。層構成(c’)は、層構成(c)において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を省略した層構成である。
(c’)陽極−発光層−繰り返し単位A’−繰り返し単位A’・・・−陰極
ここで、「繰り返し単位A’」は、電極−発光層の層構成の単位を示す。
本発明の電界発光素子の層構成の好ましい例としては、下記のものが挙げられる。
(d)陽極−正孔輸送層−発光層−陰極
(e)陽極−発光層−電子輸送層−陰極
(f)陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極
上記層構成(d)、(e)及び(f)において、第1の有機化合物を含む層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、及び電子輸送層からなる群から選ばれる1つ以上の層として用いることができる。
本発明の電界発光素子において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を含む層構成としては、例えば、陰極に隣接して電荷注入層を含む層構成、及び、陽極に隣接して電荷注入層を含む層構成が挙げられる。具体的には、例えば、以下の層構成(h)〜(s)が挙げられる。
(h)陽極−電荷注入層−発光層−陰極
(i)陽極−発光層−電荷注入層−陰極
(j)陽極−電荷注入層−発光層−電荷注入層−陰極
(k)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−陰極
(l)陽極−正孔輸送層−発光層−電荷注入層−陰極
(m)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電荷注入層−陰極
(n)陽極−電荷注入層−発光層−電子輸送層−陰極
(o)陽極−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(p)陽極−電荷注入層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(q)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極
(r)陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(s)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
本発明の電界発光素子は、第1の有機化合物を含む層を、上述のとおり電荷注入層及び/又は電荷輸送層として有することが好ましく、電子注入層又は電子輸送層として有することがより好ましい。即ち、第1の有機化合物は、単独で又は他の化合物と共に、電荷注入材料及び/又は電荷輸送材料として好ましく用いられ、電子注入材料及び/又は電子輸送材料としてより好ましく用いられる。
本発明の電界発光素子は、電極との密着性向上や電極からの電荷(即ち正孔又は電子)の注入の改善のために、電極に隣接して絶縁層を有してもよい。本発明の電界発光素子は、界面の密着性向上や混合の防止等のために、電荷輸送層(即ち正孔輸送層又は電子輸送層)又は発光層の界面に、薄いバッファー層を有してもよい。電界発光素子が有する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して調整され得る。
次に、本発明の電界発光素子を構成する各層の材料及び形成方法について、より具体的に説明する。
<基板>
本発明の電界発光素子を構成し得る基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。基板としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、シリコン基板、又はこれらを積層したものが用いられる。基板は、市販のものを入手して用いてもよく、又は公知の方法により製造したものを用いてもよい。
本発明の電界発光素子がディスプレイ装置の画素を構成する際には、当該基板上に画素駆動用の回路が設けられていてもよいし、当該駆動用の回路上に平坦化膜が設けられていてもよい。平坦化膜の中心線平均粗さ(Ra)は、10nm未満であることが好ましい。
Raは、日本工業規格JISのJIS−B0601−2001に基いて、JIS−B0651からJIS−B0656及びJIS−B0671−1等を参考に計測できる。
<陽極>
本発明の電界発光素子を構成し得る陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層等の層の材料として用いられる有機半導体材料への正孔注入性が優れるので、かかる陽極の発光層側表面の仕事関数が4.0eV以上であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物等の電気伝導性化合物、又は、これらの電気伝導性化合物から選ばれる2種類以上の混合物等を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデン等の導電性金属酸化物;金、銀、クロム、ニッケル等の金属;前記導電性金属酸化物と前記金属との混合物、が挙げられる。
陽極は、前記材料のうち1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数の層からなる多層構造であってもよい。多層構造である場合は、仕事関数が4.0eV以上である材料を発光層側の最表面層の材料として用いることがより好ましい。
陽極の作製方法には、公知の方法が利用できる。陽極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びメッキ法が挙げられる。
陽極の厚さは、通常10nm〜10μmであり、好ましくは50nm〜500nmである。
短絡等の電気的接続の不良を防止することができるので、陽極の発光層側表面の中心線平均粗さ(Ra)は10nm未満であることが望ましく、より好ましくは5nm未満である。
陽極は、表面処理を施されていてもよい。表面処理によって該陽極に接する有機層との電気的接続が改善される。表面処理は、例えば、UVオゾン、シランカップリング剤、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等の電子受容性化合物を含む溶液を用いて行われ得る。
本発明の電界発光素子において、陽極を光反射電極として用いることもできる。この場合には、陽極は、高光反射性金属からなる光反射層と、4.0eV以上の仕事関数を有する材料を含む高仕事関数材料層とを組み合わせた多層構造であることが好ましい。高光反射性金属としては、例えば、Al、Ag、Al合金(例:Al−Nd合金)、Ag合金(例:Ag−Pd−Cu合金)及びCr合金(例:Mo−Cr合金)が挙げられる。4.0eV以上の仕事関数を有する材料としては、例えば、ITO、IZO及びMoO3が挙げられる。高光反射性金属及び4.0eV以上の仕事関数を有する材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような陽極の具体的な構成としては、
(i) Ag−MoO3
(ii) (Ag−Pd−Cu合金)−(ITO及び/又はIZO)
(iii)(Al−Nd合金)−(ITO及び/又はIZO)
(iv) (Mo−Cr合金)−(ITO及び/又はIZO)
(v) (Ag−Pd−Cu合金)−(ITO及び/又はIZO)−MoO3
が例示される。十分な光反射率を得るために、高光反射性金属層の厚さは50nm以上であることが好ましく、より好ましくは80nm以上である。高仕事関数材料層の厚さは通常、5nm〜500nmの範囲である。
<正孔注入層>
本発明の電界発光素子において、第1の有機化合物以外の正孔注入層を形成する材料としては、例えば、
カルバゾール誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、スターバースト型アミン、フタロシアニン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、及びこれらから選ばれる1種以上を含む重合体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子及びオリゴマー;ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール等の有機導電性材料及びこれらの有機導電性材料を含む重合体;アモルファスカーボン、テトラシアノキノジメタン誘導体(例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)、1,4−ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリニトロ化合物等のアクセプター性有機化合物;オクタデシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、が挙げられる。
前記材料は単一の成分であっても、或いは複数の成分からなる組成物であってもよい。正孔注入層は、前記材料のうち1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。後述する正孔輸送層の材料として列記する材料も、正孔注入層の材料として用いることができる。
正孔注入層の作製方法としては、公知の種々の方法が利用できる。正孔注入層を形成する材料が無機化合物材料である場合の正孔注入層の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法が挙げられる。正孔注入層を形成する材料が低分子有機材料である場合の正孔注入層の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、転写法(例:レーザー転写、熱転写)、及び、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい)が挙げられる。正孔注入層の材料が高分子有機材料である場合の正孔注入層の作製方法としては、溶液からの成膜による方法が例示される。
正孔注入層の材料が、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等の低分子化合物の場合には、真空蒸着法を用いて正孔注入層を作製することができる。
高分子化合物バインダーと低分子正孔注入材料を分散させた混合溶液を用いて正孔注入層を成膜して作製することもできる。混合する高分子化合物バインダーは、電荷輸送を極度に阻害しない化合物が好ましい。高分子化合物バインダーとしては、可視光に対する吸収が強くない化合物が好適に用いられる。高分子化合物バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール);ポリアニリン及びその誘導体;ポリチオフェン及びその誘導体;ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体;ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体;ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、並びに、ポリシロキサンが例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、正孔注入材料を溶解させる溶媒であればよい。該溶媒としては、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の含塩素溶媒;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒が例示される。
溶液からの成膜による方法としては、例えば、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法等のコート法;グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法等の印刷法が挙げられるが、パターン形成が容易であるので、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法が好ましい。
正孔注入層の形成後に、正孔輸送層、発光層等の有機層を形成する場合、中でも、正孔注入層と有機層の両方を塗布法にて形成する場合、先に塗布した層(下層、即ち、正孔注入層)が後から塗布する層(上層、即ち、有機層)の溶液に含まれる溶媒に溶解して積層構造を作製できなくなることがある。この場合には、例えば、下層が、上層の溶液に含まれる溶媒に不溶とするための方法を用いることができる。かかる方法としては、例えば、高分子化合物に架橋基を付け、架橋させて不溶化する方法;芳香族ビスアジドに代表される芳香環を有する架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合し、架橋させて不溶化する方法;アクリレート基に代表される芳香環を有しない架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合し、架橋させて不溶化する方法;下層を紫外光に感光させて架橋させ、上層の製造に用いる有機溶媒に対して不溶化する方法;下層を加熱して架橋させ、上層の製造に用いる有機溶媒に対して不溶化する方法が挙げられる。下層を加熱する場合の加熱の温度は、通常100℃〜300℃である。下層を加熱する場合の加熱の時間は通常1分〜1時間である。
架橋以外で下層を溶解させずに上層を積層するための、上記以外の方法として、例えば、隣り合った層の製造に異なる極性の溶液を用いる方法が挙げられる。該方法としては例えば、下層の材料として水溶性の高分子化合物を用い、上層の材料として油溶性の高分子化合物を用いる方法が挙げられる。
正孔注入層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、2nm〜500nmであることが好ましく、10nm〜100nmであることがより好ましい。
<正孔輸送層>
本発明の電界発光素子において、本発明に用いられる有機化合物以外の正孔輸送層を構成する材料としては、例えば、
カルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、及びこれらの構造を含む重合体、
アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子及びオリゴマー;ポリピロール等の有機導電性材料
が挙げられる。
前記材料は1種単独で用いても、或いは2種以上を組み合わせて組成物として用いてもよい。正孔輸送層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。正孔注入層の材料として列記する材料も正孔輸送層で用いることができる。
具体的には、例えば、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報、特開平5−263073号公報、特開平6−1972号公報、国際公開第2005/52027号及び特開2006−295203号公報等の公報に開示される化合物が、正孔輸送層の材料として使用できる。中でも、繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基を含む重合体が、好適に用いられる。
繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基を含む重合体は、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位としては、例えば、アリーレン基(例:フェニレン基及びフルオレンジイル基)が挙げられる。繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基を含む重合体の中では、架橋基を含んでいるものがより好ましい。
正孔輸送層の作製方法としては、例えば、正孔注入層の成膜と同様の方法が挙げられる。このうち、溶液からの成膜による方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法等の塗布法(コート法);グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が挙げられる。正孔輸送層の材料が昇華性化合物材料である場合の、該正孔輸送層の作製方法としては、例えば、真空蒸着法及び転写法等が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒の例としては、正孔注入層の成膜方法で列記した溶媒が挙げられる。
正孔輸送層を塗布法にて形成後に、発光層等の有機層を塗布法にて形成する際の、下層(正孔輸送層)が後から塗布する層(上層、即ち、発光層等の有機層)の溶液に含まれる溶媒に溶解するのを防ぐ方法としては、例えば、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法が挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、2nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜100nmであることがより好ましい。
本発明の電界発光素子が正孔輸送層を含む場合、両者は、同じ材料から形成されていてもよいし、互いに異なる材料から形成されていてもよい。両層の形成方法や厚さも、互いに同一であってもよいし、異なっていていてもよい。
<発光層>
本発明の電界発光素子において、第1の有機化合物以外の発光層を形成する材料としては、以下のものが例示される。
発光層の材料の第1の例としては、高分子化合物が挙げられる。該高分子化合物としては、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール、ポリアルキルチオフェン等の共役高分子化合物を好適に用いることができる。
上記高分子化合物と共に発光層の材料として、以下の発光性有機化合物を用いてもよい。ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の高分子系色素化合物;ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子色素化合物、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体;ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類;8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体;芳香族アミン;テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体;テトラフェニルブタジエン及びその誘導体;トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等の燐光を発光する金属錯体が挙げられる。
発光層の材料の第2の例としては、非共役高分子化合物と発光性有機化合物との組成物が挙げられる。非共役高分子化合物としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂が挙げられる。非共役高分子化合物は、側鎖に、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン化合物、ポルフィリン化合物、及び有機シラン誘導体からなる群から選ばれる1つ以上を有していてもよい。
発光層の材料の第3の例としては、低分子化合物が挙げられる。該低分子化合物としては、例えば、
ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、カルバゾール、キナクリドン等の低分子色素化合物;
ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体;
ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系、インジゴ系等の色素類;
8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、フタロシアニン及びその誘導体の金属錯体;
芳香族アミン;
テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体;
テトラフェニルブタジエン及びその誘導体
が挙げられる。
発光層の材料の、第4の例としては、燐光を発光する金属錯体が挙げられる。該金属錯体としては、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、チエニルピリジン配位子含有イリジウム錯体、フェニルキノリン配位子含有イリジウム錯体及びトリアザシクロノナン骨格含有テルビウム錯体が挙げられる。
発光層の材料となり得る高分子化合物としては、国際公開第97/09394号、国際公開第98/27136号、国際公開第99/54385号、国際公開第00/22027号、国際公開第01/19834号、英国特許出願公開第2340304A号明細書、英国特許出願公開第2348316号明細書、米国特許第573636号明細書、米国特許第5741921号明細書、米国特許第5777070号明細書、欧州特許出願公開第0707020号明細書、特開平9−111233号公報、特開平10−324870号公報、特開平2000−80167号公報、特開2001−123156号公報、特開2004−168999号公報、特開2007−162009号公報、「有機EL素子の開発と構成材料」(シーエムシー出版、2006年発行)等の文献に開示されている、ポリフルオレン、ポリフルオレンの誘導体、ポリフルオレン及び/又はポリフルオレンの誘導体の(共)重合体、ポリアリーレン、ポリアリーレンの誘導体、ポリアリーレン及び/又はポリアリーレンの誘導体の(共)重合体、ポリアリーレンビニレン、ポリアリーレンビニレンの誘導体、ポリアリーレンビニレン及び/又はポリアリーレンビニレンの誘導体の(共)重合体、芳香族アミン及び/又は芳香族アミンの誘導体の(共)重合体が例示される。
発光層の材料となり得る低分子化合物としては、特開昭57−51781号公報、「有機薄膜仕事関数データ集[第2版]」(シーエムシー出版、2006年発行)、「有機EL素子の開発と構成材料」(シーエムシー出版、2006年発行)等の文献に記載されている化合物が例示される。
前記材料は単一成分であっても、或いは複数の成分からなる組成物であってもよい。
発光層は、前記材料のうち1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数の層からなる多層構造であってもよい。
発光層の作製方法としては、例えば、正孔注入層の作製方法として挙げた方法と同様の方法が挙げられる。このうち、溶液からの成膜による方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法等の塗布法(コート法);グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が挙げられる。正孔注入層の材料が昇華性化合物材料である場合の正孔注入層の作製方法としては、例えば、真空蒸着法及び転写法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒の例としては、正孔注入層の成膜方法で列記した溶媒が挙げられる。
発光層を塗布法にて形成後に、電子輸送層等の有機層を塗布法にて形成する際の、下層(発光層)が後から塗布する層(上層、即ち、電子輸送層等の有機層)の溶液に含まれる溶媒に溶解するのを防ぐ方法としては、例えば、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法が挙げられる。
発光層の厚さは、通常、5nm〜1μmであり、10nm〜500nmであることが好ましく、30nm〜200nmであることがより好ましい。
<電子輸送層>
本発明の電界発光素子において、第1の有機化合物以外の、電子輸送層を構成する材料としては、公知の材料が使用できる。電子輸送層の材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体;ナフタレン、ペリレン等の芳香環を含む、芳香環テトラカルボン酸無水物;8−キノリノール誘導体、ベンゾオキサゾール又はベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される金属錯体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体;ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。これらのうち、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が好ましい。
前記材料は単一成分であっても、或いは複数の成分からなる組成物であってもよい。
電子輸送層は、前記材料のうち1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。電子注入層の材料として列記する材料も電子輸送層で用いることができる。
電子輸送層の成膜方法としては、例えば、正孔注入層の作製方法として挙げた方法と同様の方法が挙げられる。このうち、溶液からの成膜による方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、ノズルコート法等の塗布法(コート法);グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が挙げられる。
電子輸送層の材料として昇華性化合物材料を用いる場合の該電子輸送層の成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、転写法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒の例としては、正孔注入層の成膜方法で列記した溶媒が挙げられる。
電子輸送層を塗布法にて形成後に、電子注入層等の有機層を塗布法にて形成する際の、下層(電子輸送層)が後から塗布する層(上層、即ち、電子注入層等の有機層)の溶液に含まれる溶媒に溶解するのを防ぐ方法としては、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法が挙げられる。
電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、2nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜100nmであることがより好ましい。
本発明の電界発光素子が、電子輸送層を含む場合、両者は、同じ材料から形成されていてもよいし、互いに異なる材料から形成されていてもよい。両層の形成方法や厚さも、互いに同一であってもよいし、異なっていていてもよい。
<電子注入層>
本発明の電界発光素子において、第1の有機化合物以外の電子注入層を構成する材料としては、公知のものが使用できる。電子注入層の材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環を含む、芳香環テトラカルボン酸無水物、8−キノリノール誘導体、ベンゾオキサゾール又はベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体等の各種金属錯体が挙げられる。
前記材料は単一の成分であっても、或いは複数の成分からなる組成物であってもよい。電子注入層は、前記材料のうち1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。電子輸送層の材料として列記する材料も電子注入層で用いることができる。
電子注入層の作製方法としては、例えば、正孔注入層の作製方法として挙げた方法と同様の方法が挙げられる。このうち、溶液からの成膜による方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法等の塗布法(コート法);グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法オフセット印刷法、反転印刷法、、インクジェットプリント法等の印刷法が挙げられる。電子注入層の材料が昇華性化合物材料である場合の電子注入層の作製方法としては、例えば、真空蒸着法及び転写法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒の例としては、正孔注入層の成膜方法で列記した溶媒が挙げられる。
電子注入層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、2nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜100nmであることがより好ましい。
<陰極>
本発明の電界発光素子を構成し得る陰極は、発光層、電子輸送層、電子注入層等の層に隣接して、これらの層へ電子を供給する機能を有するものである。該陰極は、単一の材料又は複数の材料からなる単層構造であってもよいし、互いに同一組成又は異種組成の複数の層からなる多層構造であってもよい。多層構造である場合、第1陰極層とカバー陰極層の2層構造、並びに、第1陰極層、第2陰極層及びカバー陰極層の3層構造、が好ましい。ここで、第1陰極層は、陰極の中で最も発光層側にある層をいい、カバー陰極層は2層構造の場合は第1陰極層を、3層構造の場合は第1陰極層と第2陰極層を覆う層をいう。電子注入性が優れるので、第1陰極層の材料の仕事関数が3.5eV以下であることが好ましい。仕事関数が3.5eV以下の材料は、金属の酸化物、金属のフッ化物、金属の炭酸化物又は金属の複合酸化物であって、仕事関数が3.5eV以下のもの、であることが好ましい。カバー陰極層の材料には、抵抗率が低く、水分への耐腐食性が高い金属、金属酸化物等が好適に用いられる。
第1陰極層の材料の例としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、前記金属を1種類以上含む合金、前記金属の酸化物、前記金属のハロゲン化物、前記金属の炭酸化物、前記金属の複合酸化物、及びこれらの混合物が挙げられる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸化物、及びアルカリ金属の複合酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、モリブデン酸カリウム、チタン酸カリウム、タングステン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが挙げられる。アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の炭酸化物、及びアルカリ土類金属の複合酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸化バリウム、モリブデン酸バリウム及びタングステン酸バリウムが挙げられる。アルカリ金属を1種類以上含む合金及びアルカリ土類金属を1種類以上含む合金の例としては、Li−Al合金、Mg−Ag合金、Al−Ba合金、Mg−Ba合金、Ba−Ag合金及びCa−Bi−Pb−Sn合金が挙げられる。第1陰極層の材料として列記した材料と電子注入層を構成する材料として列記した材料との組成物も、第1陰極層の材料として使用できる。第2陰極層の材料としては、第1陰極層の材料と同様の材料が例示される。
カバー陰極層の材料の例としては、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、スズ、鉛、ニッケル、チタン等の低抵抗金属;前記低抵抗金属を含む合金、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤー;酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデン等の導電性金属酸化物;前記導電性金属酸化物と金属との混合物;導電性金属酸化物のナノ粒子、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性炭素が挙げられる。
陰極が多層構造である場合の具体的な層構成としては、例えば、
Mg/Al、Ca/Al、Ba/Al、NaF/Al、KF/Al、RbF/Al、CsF/Al、Na2CO3/Al、K2CO3/Al、Cs2CO3/Al等の、第1陰極層とカバー陰極層の2層構造;
LiF/Ca/Al、NaF/Ca/Al、KF/Ca/Al、RbF/Ca/Al、CsF/Ca/Al、Ba/Al/Ag、KF/Al/Ag、KF/Ca/Ag、K2CO3/Ca/Ag等の第1陰極層、第2陰極層及びカバー陰極層の3層構造、
が挙げられる(ここで、符号「/」は各層が隣接していることを示す)。なお、第2陰極層の材料は、第1陰極層の材料に対して還元作用を有する材料であることが好ましい。ここで、材料間の還元作用の有無及び程度は、例えば、化合物間の結合解離エネルギー(ΔrH°)から見積もることができる。即ち、第2陰極層を構成する材料による、第1陰極層を構成する材料に対する還元反応において、結合解離エネルギーが正であるような組み合わせである場合、第2陰極層の材料が第1陰極層の材料に対して還元作用を有するといえる。結合解離エネルギーは、例えば「電気化学便覧第5版」(丸善、2000年発行)、「熱力学データベースMALT」(科学技術社、1992年発行)等で参照できる。
陰極の作製方法としては公知の種々の方法が利用でき、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等が例示される。陰極の材料として、金属、金属の酸化物、フッ化物又は炭酸化物を用いる場合は、真空蒸着法が多用される。陰極の材料として、高沸点の金属酸化物;金属複合酸化物;酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、のいずれかを用いる場合は、スパッタリング法又はイオンプレーティング法が多用される。異種材料との組成物を成膜して陰極を作製する場合には、例えば、共蒸着法、スパッタリング法又はイオンプレーティング法が用いられる。カバー陰極層の材料として金属ナノ粒子、金属ナノワイヤー、又は導電性金属酸化物のナノ粒子を用いる場合には、溶液からの成膜による手法が好ましい。中でも、陰極の材料として、低分子有機物と、金属、金属の酸化物、金属のフッ化物、又は金属の炭酸化物とを含む組成物を成膜する場合には、共蒸着法が好適である。
陰極の厚さは、用いる材料、層構造によって最適値が異なる。第1陰極層の厚さは、通常、0.5nm〜20nmである。カバー陰極層の厚さは、通常、10nm〜1μmの範囲である。例えば、第1陰極層にBa又はCaを用い、カバー陰極層にAlを用いる場合、第1陰極層(Ba又はCa)の厚さは2nm〜10nm、カバー陰極層(Al)の厚さは10nm〜500nmであることが好ましい。第1陰極層にNaF又はKF、カバー陰極層にAlを用いる場合、第1陰極層(NaF又はKF)の厚さは1nm〜8nm、カバー陰極層(Al)の厚さは10nm〜500nmであることが好ましい。
本発明の電界発光素子において陰極を光透過性電極として用いる場合には、カバー陰極層の可視光透過率は、通常は40%以上であり、50%以上であることが好ましい。可視光透過率を40%以上に調整する方法としては、例えば、カバー陰極層の材料として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデン等の導電性金属酸化物を用いる方法;カバー陰極層の材料として、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、スズ、鉛等の低抵抗金属、及び、前記低抵抗金属を含む合金を用い、かつ、カバー陰極層の厚さを30nm以下に調整する方法、が挙げられる。後者の調整例のより具体的な例を挙げると、第1陰極層の材料としてBaを用い、第1陰極層の厚さを5nmとし、第2陰極層の材料としてAlを用い、カバー陰極層の材料としてAgを用い、カバー陰極層の厚さを15nmとした、陰極構造の場合、陰極の可視光透過率は、通常、50%程度となる。
陰極側からの光透過率を向上させることを目的として、陰極上に(カバー陰極層を設ける場合にはカバー陰極層上に)反射防止層を設けることもできる。反射防止層の材料は、屈折率が1.8〜3.0程度の材料であることが好ましく、ZnS、ZnSe又はWO3であることがより好ましい。反射防止層の厚さは、材料の組み合せによって異なるが、通常10nm〜150nmの範囲である。例えば、第1陰極層としてBaを5nm、カバー陰極層としてAgを15nm積層させて形成する場合、カバー陰極層に接して反射防止層としてWO3を21nm積層させると、発光層側からの光透過率は10%程度向上する。
<絶縁層>
本発明の電界発光素子は、絶縁層を有していてもよい。絶縁層の厚さは、通常、5nm以下である。絶縁層は、電極との密着性向上、電極からの電荷(即ち正孔又は電子)注入改善、隣接層との混合防止等の機能を有する。上記絶縁層の材料としては、例えば、金属フッ化物、金属酸化物、及び有機絶縁材料(例:ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。絶縁層を設けた電界発光素子としては、例えば、陰極に隣接して絶縁層を設けたもの、及び、陽極に隣接して絶縁層を設けたものが挙げられる。
<電界発光素子の製造方法>
本発明の電界発光素子は、例えば、基板上に、電極及び電界発光素子を構成する各層を、順次積層することにより製造することができる。具体的には、基板上に陽極を設け、その上に正孔注入層、正孔輸送層等の層を必要に応じて設け、その上に発光層を設け、その上に電子輸送層、電子注入層等の層を必要に応じて設け、その上に、陰極を積層することにより製造することができる。
本発明の電界発光素子を用いて、ディスプレイ装置を製造することができる。該ディスプレイ装置は、例えば、本発明の電界発光素子を1画素単位として備える。画素単位の配列の態様は、例えば、テレビ等のディスプレイ装置で通常採られる配列とすることができ、多数の画素が共通の基板上に配列された態様とすることができる。本発明の装置において、基板上に配列される画素は、必要に応じて、バンクで規定される画素領域内に形成することができる。
ディスプレイ装置は、必要に応じて、封止部材を有することができる。封止部材を設ける位置としては、例えば、電界発光素子の発光層等を挟んで基板と反対側となるような位置が挙げられる。ディスプレイ装置は、必要に応じて、カラーフィルター又は蛍光変換フィルター等のフィルター、画素の駆動に必要な回路及び配線等の、ディスプレイ装置を構成するための任意の構成要素を有することができる。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子について以下説明する。本発明の光電変換素子は、本発明の第1の有機化合物を含む光電変換素子である。本発明の光電変換素子は、本発明の積層構造体の好ましい用途の一つである。
本発明の光電変換素子は、通常、第1の電極、第2の電極、電荷分離層を有する。電荷分離層は、第1の電極と第2の電極との間に位置する。光電変換素子は、第1の電極と第2の電極との間に、電荷分離層以外の任意の構成要素を備えていてもよい。本発明の光電変換素子は、第1の有機化合物を含む層を、電荷分離層として有していてもよいし、該任意の構成要素として有していてもよい。本発明の光電変換素子が、第1の有機化合物を含む層を、電荷分離層以外の構成要素として含む場合の、第1の有機化合物を含む層の存在位置は、例えば、電荷分離層と第1の電極との間、及び/又は、電荷分離層と第2の電極との間が挙げられる。
本発明の光電変換素子の電荷分離層には、通常、電子供与性化合物と電子受容性化合物とが含まれている。電子供与性化合物としては、例えば、共役高分子化合物が挙げられ、該共役高分子化合物としては、例えば、チオフェンジイル基を含む共役高分子化合物及びフルオレンジイル基を含む共役高分子化合物が挙げられる。電子受容性化合物としては、例えば、フラーレン及びフラーレン誘導体が挙げられる。
本発明の光電変換素子は、通常は支持基板上に形成される。支持基板は、光電変換素子としての特性を阻害しなければよく、例えば、ガラス基板及びフレキシブルな基板(例:フィルム基板及びプラスチック基板)が挙げられる。
本発明の光電変換素子は、公知の方法、例えば、Synth.Met.,102,982(1999)に記載の方法やScience,270,1789(1995)に記載の方法により製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
合成した有機化合物の構造分析は、Varian社製300MHzNMRスペクトロメータ−を用いて、1H−NMR・13C−NMR解析にて行った。この際、試料を可溶な重溶媒に溶解させて分析を行った。
合成した有機化合物が多分散の場合は、以下の条件で分子量を測定した。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製:HLC−8220GPC)を用いて、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量として求めた。試料は、約0.5重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入する。GPCの移動相としてはテトラヒドロフランを用い、0.5mL/分の流速で流した。
[参考例1]
2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−エトキシカルボニル−4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン(以下、「化合物(A)」と言う。)の合成
2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(52.5g)、サリチル酸エチル(154.8g)、及びメルカプト酢酸(1.4g)を300mLフラスコに入れ、窒素置換した。そこに、メタンスルホン酸(630mL)を添加し、混合物を75℃で終夜撹拌した。混合物を放冷し、氷水に添加して1時間撹拌した。生じた固体をろ別し、加熱したアセトニトリルで洗浄した。洗浄済みの該固体をアセトンに溶解させ、得られたアセトン溶液から固体を再結晶させ、ろ別することで、化合物(A)62.7gを固体として得た。
Figure 2012109544
[参考例2]
2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(以下、「化合物(B)」と言う。)の合成
以下の公知文献を参考に合成した。
文献:The Journal of Physical Chemistry B 2000, 104,9118−9125
Figure 2012109544
[実施例1]
2−(p−トルエンスルホナート−メチル)−18−クラウン−6−エーテル(以下、「化合物(C)」と言う。)の合成
2−(ヒドロキシメチル)−18−クラウン−6−エーテル(1.97g、6.70mmol)を100mLフラスコに入れ、テトラヒドロフラン(5mL)及び水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム 0.343g、水 2.00mL)をシリンジにより添加した。そこに、トシルクロライド(1.41g、7.37mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5.00mL)を添加し、室温で7時間撹拌した。混合物に、トリエチルアミン(1.00mL)添加して、室温で更に1時間攪拌した。混合液に対し、12mol/L塩酸をジオキサンで希釈して調製した4mol/L塩酸・ジオキサン溶液(2.00mL)を添加して、酢酸エチル(150mL)を加えた。有機層を0.1M塩酸水(15.0mL)で1回、純水(15.0mL)で2回、分液漏斗を用いて洗浄し、有機層に対し、硫酸マグネシウムを加えた。活性アルミナをセライトろ過器に詰めて、洗浄した有機層をアルミナに通すことで塩を除去し、溶出液を濃縮することで化合物(C)を得た(1.78g、3.97mmol、収率59.2%)。
Figure 2012109544
化合物(E)の合成
化合物(A)(1.50mmol,0.979g)、化合物(C)(3.3mmol,1.48g)、炭酸カリウム(10.5mmol,2.00g)及びアセトニトリル(30.0mL)を100mLフラスコに入れ、80℃で7時間攪拌した。混合液を室温下で放冷した。混合液をセライトろ過器に詰めた活性アルミナに通すことで塩を除去し、溶出液を濃縮することで化合物(D)を得た(1.37g)。
化合物(D)(603mg)、化合物(B)(1.10mmol,568mg)及び炭酸カリウム(20mmol,2.76g)をジオキサン・水(40.0mL,6.00mL)に溶解させてアルゴンガスをバブリングした。その後、アルゴンガスをフローしながら、Pd(PPh34(0.0250mmol,28.9mg)を添加し、80℃まで昇温した。7時間後、反応液を室温まで放冷した。その後、Et2NCS2Na・3H2O水溶液(5.00g,水5.00mL)を加え、黒い粉末を目視できるまで攪拌した。
その後、テトラヒドロフラン(200mL)を加えて混合液を得た。混合液を活性アルミナを詰めたセライトろ過器に通すことで塩を除去し、溶出液を濃縮した。得られた残渣はアルミナカラムによって、精製した(展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル)。得られた溶液をろ過した後、減圧濃縮することで化合物(E)を得た(330mg,0.181mmol)。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
[実施例2]
2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メトキシカルボニル−4,5−ジヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「フルオレン誘導体(F)」と言う。)の合成
2,3−ジヒドロキシ安息香酸メチル(101.32g,0.602mol)及び2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(34.1g,0.100mol)をメタンスルホン酸(350mL)に溶かし、メルカプト酢酸(1.00mL)を加え、90℃で19時間撹拌した。室温に戻した後、反応液を氷水(2L)に注いで析出した固体を濾取し、加熱したアセトニトリル(300mL)で4回洗浄し、減圧乾燥することにより粗生成物(60.5g)を得た。別途同様に調製した粗生成物(12.8g)と合わせ、アセトン(1200mL)で洗浄することで、精製したフルオレン誘導体(F)(37.00g)を得た。
Figure 2012109544
化合物(H)の合成
フルオレン誘導体(F)(1.31g,2.00mmol)及びペンタエチレングリコールジトシレート(2.41g,4.40mmol)を100mLフラスコに入れ、該フラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した。混合液に、脱水アセトニトリル(30mL)及び酸カリウム(20.0mmol,2.76g)を添加し、得られた混合物を80℃に昇温した後、9時間攪拌した。反応液を室温まで放冷した。その後、テトラヒドロフラン(200mL)を加えて得られた混合液を、セライトろ過器に詰めた活性アルミナに通すことで塩を除去し、溶出液を濃縮することで化合物(G)を得た(1.06g)。
化合物(G)(530mg)、化合物(B)(1.10mmol,568mg)及び炭酸カリウム(20.0mmol,2.76g)をジオキサン・水(40.0mL,6.00mL)に溶解させて、アルゴンガスをバブリングした。その後、アルゴンガスをフローしながら、Pd(PPh34(0.0250mmol,28.9mg)を添加し、80℃まで昇温した。2時間後、反応液を室温まで放冷した。その後、Et2NCS2Na・3H2O水溶液(5.00g,水5.00mL)を加えた。そこに、テトラヒドロフラン(200mL)を加えて混合液を得た。混合液をセライトろ過器に詰めたアルミナに通すことで塩を除去し、溶出液を濃縮した。得られた残渣はアルミナカラムによって、精製した(展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル)。得られた溶液をろ過した後、減圧濃縮することで化合物(H)を得た(220mg,0.131mmol)。
Figure 2012109544
Figure 2012109544
[実施例3]
三量体セシウム塩(以下、「化合物(I)」と言う。)の合成
化合物(E)(0.0822mmol,150mg)、CsOH・H2O(0.822mmol,138mg)水溶液(2.00mL)、メタノール(10.0mL)及びテトラヒドロフラン(20.0mL)を二口フラスコに導入し、65℃で8時間加熱した。その後、溶媒を減圧濃縮して除去した後、水酸化セシウム水溶液(400mg,水100mL)で残渣を洗浄することで化合物(I)を得た(90.0mg)。
Figure 2012109544
[実施例4]
三量体セシウム塩(以下、「化合物(J)」と言う。)の合成
化合物(H)(0.0822mmol,150mg)、CsOH・H2O(0.822mmol,138mg)水溶液(2.00mL)、メタノール(10.0mL)及びテトラヒドロフラン(20.0mL)を二口フラスコに導入し、65℃で8時間加熱した。その後、溶媒を減圧濃縮して除去した後、水酸化セシウム水溶液(400mg,水100mL)で残渣を洗浄することで化合物(J)を得た(150mg)。
Figure 2012109544
[参考例3]
ポリウレタンナトリウム塩(非共役イオンNa)の合成
1,3−ブタンジオール(1.0g)、ジブチルスズジラウレート(7.5mg)及びジメチルオールプロピオン酸(0.5g)を100mLフラスコに入れ、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)を添加し、90℃で30分間撹拌した。イソホロンジイソシアネート(3.3g)を加え、90℃で3時間加熱した。60℃まで温度を下げ、1M水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。60℃で更に1時間撹拌した後、溶媒を留去することで白色の固体(2.0g)を得た。得られたポリウレタンナトリウム塩を、以下、「非共役高分子化合物1」と言う。非共役高分子化合物1は、式(W)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012109544
[実施例5]
<電界発光素子>
陽極としてITOが成膜パターニングされたガラス基板のITO陽極上に、正孔注入材料溶液を塗布し、スピンコート法によって厚さが60nmになるように正孔注入層を形成した。
正孔注入層を形成したガラス基板を窒素雰囲気下で、200℃で10分加熱して、基板を室温まで自然冷却させ、正孔注入層形成済み基板を得た。
ここで正孔注入材料溶液としては、スタルクヴイテック(株)製PEDOT:PSS溶液(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸、製品名:Baytron)を用いた。
正孔輸送性高分子材料とキシレンとを混合し、正孔輸送性高分子材料の含有割合が0.60重量%の正孔輸送層形成用組成物を得た。
ここで、正孔輸送性高分子材料は、以下の方法で合成した。
還流冷却器及びオーバーヘッドスターラを装備した1Lの三つ口丸底フラスコに、2,7−ビス(1,3,2−ジオキシボロール)−9,9−ジ(1−オクチル)フルオレン(3.863g、7.283mmol)、N,N−ジ(p−ブロモフェニル)−N−(4−(ブタン−2−イル)フェニル)アミン(3.177g、6.919mmol)及びジ(4−ブロモフェニル)ベンゾシクロブタンアミン(156.3mg、0.364mmol)を添加した。次いで、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(2.29g)、続いてトルエン50mLを添加した。PdCl2(PPh32(4.9mg)を添加した後、混合物を、105℃の油浴中で15分間撹拌した。炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、14mL)を添加し、得られた混合物を105℃の油浴中、16.5時間撹拌した。次いで、フェニルボロン酸(0.5g)を添加し、得られた混合物を7時間撹拌した。水層を除去し、有機層を水50mLで洗浄した。有機層をフラスコに戻し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液(0.75g、水50mL)を添加した。得られた混合物を85℃の油浴中、16時間撹拌した。水層を除去し、有機層を100mLの水で3回洗浄し、次いでシリカゲル及びアルミナのカラムに通した。溶離剤としてトルエンを用い、溶出してきたポリマーを含むトルエン溶液を回収した。次いで、回収した前記トルエン溶液をメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを再度トルエンに溶解させ、得られたトルエン溶液をメタノールに注いでポリマーを再び沈殿させた。沈殿したポリマーを60℃で真空乾燥し、正孔輸送性高分子材料4.2gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによれば、得られた正孔輸送性高分子材料のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.24×105であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.8であった。
上記で得た正孔注入層形成済み基板の正孔注入層の上に、正孔輸送層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、厚さ25nmの膜を得た。
この膜(正孔輸送層)を設けた基板を窒素雰囲気下で、200℃で15分間加熱し、該膜を不溶化させた後、室温まで自然冷却させ、正孔輸送層形成済み基板を得た。
次に、発光高分子材料(サメイション(株)製、商品名:Lumation BP361)とキシレンとを混合し、発光高分子材料の含有割合が1.4重量%の発光層形成用組成物を得た。
上記で得た正孔輸送層形成済み基板の正孔輸送層の上に、発光層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、厚さ80nmの膜を得た。
この膜(発光層)を設けた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、発光層形成済み基板を得た。
メタノールと化合物(I)とを混合し、化合物(I)の含有割合が0.40重量%の組成物を得た。
上記で得た発光層形成済み基板の発光層の上に、前記組成物をスピンコート法により塗布し、厚さ10nmの膜を得た。
この膜(電子注入層)を設けた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、化合物(I)を含む層を形成した基板を得た。
上記で得た化合物(I)を含む層を形成した基板を真空装置内に挿入し、真空蒸着法によってAlを80nmの厚さとなるように成膜し、陰極を形成し、積層構造体1を製造した。
上記で得た積層構造体1を真空装置より取り出し、窒素雰囲気下で、封止ガラスと2液混合型エポキシ樹脂にて封止し、電界発光素子1を作製した。
[実施例6]
化合物(I)の代わりに、化合物(J)を用いたことと、メタノールと化合物(J)とを混合し、化合物(J)の含有割合が0.20重量%の組成物を得たこと以外は、実施例5と同様にして、電界発光素子2を作製した。
[比較例1]
化合物(I)の代わりに、非共役高分子化合物1を用いたことと、メタノールと非共役高分子化合物1とを混合し、非共役高分子化合物1の含有割合が0.20重量%の組成物を得たこと以外は、実施例5と同様にして、電界発光素子C1を作製した。
[比較例2]
化合物(I)を含む層を形成しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、電界発光素子C2を作製した。
上記で得られた電界発光素子1、2、C1及びC2に、10Vの順方向電圧を印加し、発光輝度と発光効率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012109544
表1から明らかなように、本発明の第1の有機化合物を含む電界発光素子は、これらを含まない電界発光素子に比べ、発光輝度及び発光効率が顕著に優れる。
本発明の、第1の有機化合物は、電荷注入材料、電荷輸送材料等の、有機エレクトロルミネッセンス素子等の電界発光素子の材料として、電界発光素子の発光輝度を向上できるので有用である。また、有機薄膜太陽電池等の光電変換素子の材料として、光電変換素子の光電変換効率を向上させることが期待できる。更に、安定な有機電解質として電解反応やコンデンサー等の用途も期待できる。本発明の第2の有機化合物は、第1の有機化合物の前駆物質として有用である。

Claims (20)

  1. 式(1)で表される構成単位を含む有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、R1は(2+n1)価の有機基である。
    1は1以上の整数である。
    2は式(2)で表される基を含む1価の有機基である。複数個のR2が存在する場合、各々のR2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2012109544
    (式中、
    1は、周期表の第1族、第2族及び第4族〜第13族の金属カチオン、置換基を有していてもよいアンモニウムカチオン、置換基を有するホスホニウムカチオン、置換基を有するスルホニウムカチオン、置換基を有するスルホキソニウムカチオン、並びに置換基を有するヨードニウムカチオンからなる群から選ばれるカチオンである。複数個のM1が存在する場合、各々のM1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    3は、カチオンを包接できる環状構造を1又は2以上含む、(1+n4)価の有機基である。環状構造内には酸素原子及び硫黄原子の一方又は両方が含まれ、それらの原子の総数は4個以上である。複数個のR3が存在する場合、各々のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    4は2価の有機基である。複数個のR4が存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    1は、−CO2 -、−SO2 -、−SO3 -、−PO3 2-又は−BRa 3 -である。複数個のY1が存在する場合、各々のY1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    aは水素原子又は1価の有機基である。Raの一部又は全部が互いに結合して環を形成していてもよく、各々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    1はカウンターアニオンである。複数個のZ1が存在する場合、各々のZ1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2は0以上の整数である。
    3は0又は1である。複数個のn3が存在する場合、各々のn3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    4は0以上の整数である。
    aは0より大きい数である。
    bは0以上の数である。
    1=1であるとき、n2≧1であり、かつn4≧1である。
    1≧2であるとき、複数個のn2から選ばれる1つ以上のn2が1以上であり、かつ、複数個のn4から選ばれる1つ以上のn4が1以上である。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 1が、置換基を有していてもよい(2+n1)価の芳香族基である、請求項1に記載の有機化合物。
  3. 1が、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+及び(R54+からなる群から選ばれるカチオンである、請求項1又は2に記載の有機化合物。
    (式中、R5は、水素原子又は1価の有機基である。R5のうちの全部又は一部が互いに結合して環を形成していてもよく、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 3に含まれる環状構造が、クリプタンド、スフェランド、カルセランド、環状糖及びクラウンエーテルからなる群から選ばれる環状構造である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機化合物。
  5. 1が−CO2 -である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機化合物。
  6. 式(3)で表される有機化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
    1、R2及びn1は前記と同じ意味である。)
  7. 式(3)で表される有機化合物が、式(4)で表される有機化合物である、請求項6に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    1、X2及びR2は前記と同じ意味である。
    6は水素原子又は1価の有機基である。
    5は1又は2である。
    6は0又は1である。
    ただし、n5+n6=2である。)
  8. 式(4)で表される有機化合物が、式(5)で表される有機化合物である、請求項7に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    1、X2、R6、M1、n5及びn6は前記と同じ意味である。
    Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    7は、2価の有機基である。各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    7は2以上の整数である。複数個のn7が存在する場合、各々のn7は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  9. 式(4)で表される有機化合物が、式(6)で表される有機化合物である、請求項7に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    1、X2、E、R6、M1、n5及びn6は前記と同じ意味である。
    Qは、2価の有機基である。複数個のQが存在する場合、各々のQは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    8は、2価の有機基である。各々のR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    9は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    8は3以上の整数である。複数個のn8が存在する場合、各々のn8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    9は0又は1である。複数個のn9が存在する場合、各々のn9は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  10. 式(7)で表される構成単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    2は前記と同じ意味である。
    10は水素原子又は1価の有機基である。
    10は1又は2である。
    11は0又は1である。
    ただし、n10+n11=2である。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  11. 式(7)で表される構成単位が、式(8)で表される構成単位である、請求項10に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    10、M1、n10及びn11は前記と同じ意味である。
    Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    11は、2価の有機基である。各々のR11は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    12は2以上の整数である。複数個のn12が存在する場合、各々のn12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  12. 式(7)で表される構成単位が、式(9)で表される構成単位である、請求項10に記載の有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    G、R10、M1、n10及びn11は前記と同じ意味である。
    Tは2価の有機基である。複数個のTが存在する場合、各々のTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    12は、2価の有機基である。各々のR12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    13は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR13が存在する場合、各々のR13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    13は3以上の整数である。複数個のn13が存在する場合、各々のn13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    14は0又は1である。複数個のn14が存在する場合、各々のn14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機化合物を含む積層構造体。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機化合物を含む電荷注入材料及び/又は電荷輸送材料。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機化合物を含む電界発光素子。
  16. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機化合物を含む光電変換素子。
  17. 式(10)で表される有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    6は、水素原子又は1価の有機基である。
    7は、2価の有機基である。各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    5は1又は2である。
    6は0又は1である。
    ただし、n5+n6=2である。
    7は2以上の整数である。複数個のn7が存在する場合、各々のn7は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、メタンスルホナート基、ホウ酸残基、ホウ酸アルキルエーテル残基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
    14は1価の有機基である。複数個のR14が存在する場合、各々のR14は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  18. 式(11)で表される有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    Eは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のEは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Qは、2価の有機基である。複数個のQが存在する場合、各々のQは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    6は、水素原子又は1価の有機基である。
    8は、2価の有機基である。各々のR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    9は、水素原子又は1価の有機基である。複数個のR9が存在する場合、各々のR9は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    15は1価の有機基である。複数個のR15が存在する場合、各々のR15は同一であっても異なっていてもよい。
    3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パラトルエンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、メタンスルホナート基、ホウ酸残基、ホウ酸アルキルエーテル残基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
    5は1又は2である。
    6は0又は1である。
    ただし、n5+n6=2である。
    8は3以上の整数である。複数個のn8が存在する場合、各々のn8は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    9は0又は1である。複数個のn9が存在する場合、各々のn9は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  19. 式(12)で表される構成単位を含む有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    10は、水素原子又は1価の有機基である。
    11は2価の有機基である。複数個のR11が存在する場合、各々のR11は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    16は1価の有機基である。複数個のR16が存在する場合、各々のR16は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    10は1又は2である。
    11は0又は1である。
    ただし、n10+n11=2である。
    12は2以上の整数である。複数個のn12が存在する場合、各々のn12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  20. 式(13)で表される構成単位を含む有機化合物。
    Figure 2012109544
    (式中、
    Gは、酸素原子又は硫黄原子である。各々のGは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Tは2価の有機基である。複数個のTが存在する場合、各々のTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    10は水素原子又は1価の有機基である。
    17は1価の有機基である。複数個のR17が存在する場合、各々のR17は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    20は、2価の有機基である。各々のR20は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    21は水素原子又は1価の有機基である。複数個のR21が存在する場合、各々のR21は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    10は1又は2である。
    11は0又は1である。
    ただし、n10+n11=2である。
    13は3以上の整数である。複数個のn13が存在する場合、各々のn13は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    14は0又は1である。複数個のn14が存在する場合、各々のn14は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    2個以上の構成単位が存在する場合、それぞれの構成単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
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