以下、本発明をその実施の形態及び参考形態を示す図面に基づいて詳述する。
(参考形態1)
図1は、参考形態1に係る照明装置の外観斜視図である。図2は、照明装置の模式的側面図であり、図3は、照明装置の模式的背面図であり、図4は、図3のIV−IV線による模式的断面図である。
図中1は、アルミニウム等の金属製の放熱器であり、放熱器1は、円柱の軸長方向の一側が縮径された所謂砲弾形の外形を有している。
放熱器1は、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、円筒状の内筒12が伝熱板11に同心をなして立設してある。該内筒12の肉厚は、軸長方向に連続的に変化させてあり、伝熱板11の側が厚く、開放端の側が薄くなるように形成してある。
内筒12の外面12aには、放熱部を構成する複数の第1のフィン13,13…が周方向に等配をなして、内筒12の略全長に亘って径方向に突設してある。内筒12の中途部には、該内筒12を包囲するように内筒12に同軸をなして円筒状の外筒14が設けてあり、第1のフィン13,13…により内筒12及び外筒14が連結してある。これら内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…により、内筒12の軸長方向に延びる複数の通風路15,15…が形成される。なお、第1のフィン13,13…は、図示の如く、外筒14の一端から内筒12の開放端に向けて突設高さを連続的に変化させてある。
外筒14の外面14aには、放熱部を構成する複数の第2のフィン16,16…が周方向に等配をなして、外筒14の略全長に亘って径方向に突設してある。これら複数の第2のフィン16,16…は、外筒14の軸長方向の一側(伝熱板11の側)から他側に向けて突設高さを連続的に変化させてある。
このように、第1のフィン13及び第2のフィン16の伝熱板11から高さを、放熱器1の中心に向かって連続的に高くなるように構成することにより、放熱器1の外形は、内筒12の軸長方向の伝熱板11の側から開放端の側に向けて連続的に縮径された砲弾形となる。
さらに、内筒12の内面12bには、放熱部を構成する複数の第3のフィン17,17…が周方向に等配をなして、内筒12の略全長に亘って径方向に突設してある。なお、これら複数の第3のフィン17,17…は、図3に示す如く、第3のフィン17,17…の突設端が適長離隔して対向するように形成してある。これら第3のフィン17,17…の突設端の対向間隔は4cm程度あることが望ましい。なお、この対向間隔の最適値は、放熱器1の寸法、発熱体の熱量等に応じて変化する。なお、これら複数の第1のフィン13,13…、16,16…、17,17…の肉厚は、軸長方向に連続的に変化させてあり、伝熱板11の側が厚く、開放端の側が薄くなるように形成してある。
放熱器1の伝熱板11の他面11bには、光源としての複数(図において6つ)のLEDモジュール2,2…が内筒12に対応する径方向位置に周方向に等配をなして取付けてある。よって、LED2からの熱が、内筒12に伝熱しやすくなり、放熱性が向上する。また、LEDモジュール2,2…は、矩形のセラミック基板(Al2 O3 )と、該セラミック基板の一面の中央部に密集して実装された複数(例えば、36個)のLED素子と、該複数のLED素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂と、入力及び出力端子とを備えてなる。なお、LEDモジュール2,2…と伝熱板11との間には、熱伝導シート又はグリースを介装する方が望ましい。
伝熱板11の他面11bの周縁には、周壁11cが立設してある。この伝熱板11の他面11bの側には、略円板形の反射板3が設けてある。反射板3には、該反射板3を放熱器1に取付けたときにLEDモジュール2,2…に対応する位置に、複数の反射部31,31…が形成してある。反射部31,31…は、反射板3の一面3aから直交する方向に突設させてあり、LEDモジュール2,2…の光出射面と略同寸法の孔径を有する孔部31aと、該孔部31aの一端から反射板3の肉厚方向の一面3aから他面3bに向けて連続的に内径が拡径された拡径部31bとを有してなる。反射板3は、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料を塗布された金属又は高全反射率(約98%)及び高拡散反射率(約95%)という光学特性を有する超微細発泡光反射材(例えば、MCPET(登録商標))により形成されている。
また、反射板3の一面3aの周縁には、周壁32が立設してあり、反射板3は周壁32の端面を伝熱板11の周壁11cの端面に当接させて、ビス等により放熱器1に固定してある。
LEDモジュール2,2…からの光は、このように形成された反射板3の反射部31,31…にて反射されて、LEDモジュール2,2…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになり、照明機器の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置から出射されることとなる。
放熱器1の伝熱板11及び反射板3には、円筒状のフレーム4が外嵌してある。フレーム4の内面には、LEDモジュール2,2…の光出射面を覆うように、円板状の樹脂製のカバー5が取付けてある。カバー5は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。
以上のように構成された照明装置は、例えば、カバー5の側を下方向にして、取付具を介して天井に回動可能に固定され、スポットライトとして用いられる。なお、照明装置の外部には、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を備えてなる電源部(図示せず)が設けてある。
この照明装置において、LEDモジュール2,2…の点灯に伴い、該LEDモジュール2,2…にて発生した熱は、伝熱板11を介して内筒12に伝達される。内筒12に伝達された熱は、内筒12から第1のフィン13,13…を介して外筒14に伝導され、外筒14の外面14a及び第2のフィン16,16…の表面から外部の空気に伝達されると共に、内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…により形成される通風路15,15…の内部の空気に伝達される。図中に白抜き矢符にて示すように、通風路15,15…内の空気は、伝達された熱により暖められて、通風路15,15…の上方から外部に流出する一方、通風路15,15…の下方から外部の空気が流入する。この通風路15,15…内の空気は、発熱体であるLEDモジュール2,2…が取付けられた側である下側が高温に上側が低温になるから、近接する他の放熱面との相互作用に基づく煙突効果により流速が増大することになる。流速が増すことで境界層が薄くなり、同時に通過する空気の量も増えることから、通風路15,15…を形成する内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…の表面から流速を増した空気へ効率的に熱を伝達することができ、放熱器1の外形寸法を大きくすることなく、放熱性を向上することができる。
つまり、通風路15は、下方から外部の空気が流入し上方から流出するので、熱交換体である空気が通過する媒体通路となる。また、媒体通路は、上述したように熱交換媒体の流速を増大することを可能とする構造であるので、隣り合うフィンの間やフィンの根元のような空気が流れ難いような箇所にまで熱交換媒体を供給することができ、結果として放熱器内の放熱に寄与する部分の面積を増やすこととなる。よって、フィンの数を増やすことにより、あるいは放熱器を小さくすることによりフィン間の間隔が狭まった場合でも、放熱性を向上させることが可能である。
特に、第1のフィン13の根元は発熱体であるLEDモジュール2に最も近い場所であり、第1のフィン13の根元にまで熱交換媒体を全面に渡って行き渡らせることによって、放熱性をより効果的に向上させることができる。
また、放熱器1の外筒14の外面14aに第2のフィン16,16…を突設させているから、第2のフィン16,16…の表面積の分だけ熱交換媒体である空気と接触できる放熱面積を増大させることができ、放熱性を向上することができる。さらに、放熱器1の内筒12の内面12aから第3のフィン17,17…を第3のフィン17,17…の突設端が適長離隔して対向するように突設させているから、第3のフィン17,17…近傍の暖められた空気が外部に流出する一方、第3のフィン17,17…の対向する突設端間の空間に熱交換媒体である空気が流入する一種の開放型熱サイフォン現象を促すことができ、第3のフィン17,17…の表面から空気に効率的に熱を伝達することができ、放熱性を向上することができる。
また、放熱器1を円柱の軸長方向の一側が縮径された所謂砲弾形の外形を有するように形成して、発熱体であるLEDモジュール2,2…を放熱器1の軸長方向の他側(伝熱板11の側)に設置しているから、高温となる部分の放熱面積を十分確保しつつ、放熱器1の外形寸法を小さく抑えることができる。第1のフィン13,13…,16,16…の突出高さを連続的に変化させているから、照明装置の設置作業を行う際に、第1のフィン13,13…,16,16…の端部が作業者の手等の体の一部に当たって作業者が怪我することを防止することができ、また建材等の部材に接触して部材に傷をつけることを防止することができる。
また、放熱器1の周方向に等配をなして通風路15,15…を形成しているから、スポットライトの如く、照射方向が可変である照明装置において、通風路15,15…の少なくとも一部には空気が流入出するから、内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…の表面から流速を増した空気へ効率的にLEDモジュール2,2…からの熱を伝達することができ、放熱性を向上することができる。
さらに、放熱器1の内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…の肉厚を、軸長方向に連続的に変化させて、LEDモジュール2,2…近傍の高温となる伝熱板11の側が厚く、比較的低温となる開放端の側が薄くなるようにしてあるから、LEDモジュール2,2…から伝熱板11に伝達された熱を、伝熱板11に連設された内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…の内部を高温側から低温側に円滑に伝導することができ、放熱性を向上することができると共に、放熱器1を小型化及び軽量化することができる。同時に、ダイキャスト成型する場合の抜き勾配としても作用するので、生産性が向上する。
さらに、放熱器の材料としては、アルミニウムに限定されず、アルミニウム以外の金属であってもよい。また、放熱性の良い樹脂であっても適用可能である。さらに、放熱器の表面は塗装されていることが好ましい。塗装により、輻射伝熱によって放熱性が向上し、腐食の防止もなされるので、放熱器の信頼性を高めることができる。なお、輻射伝熱は放熱面の放射率に比例し、対流伝熱と同等か、条件によっては上回る場合がある。一般に金属面の放射率は0.1〜0.4といわれ、塗装を施すことにより0.9程度に高めることができる。なお、放熱器の塗装は、深部にまで行き届く電着塗装等が好ましく、アルマイト処理が好ましい。
なお、参考形態1に係る照明装置を、スポットライトに適用した例について述べたが、ダウンライトにも適用可能である。ダウンライトに適用される場合、照明装置は、カバー5の側を下方向にして、天井に設けられた取付穴に、例えば板ばねにより固定されることとなる。ダウンライトの如く、通風路15,15…の長手方向が上下方向となるように設けられる照明装置においては、全通風路15,15…に空気が流入出して、内筒12、外筒14及び第1のフィン13,13…の表面から流速を増した空気へ効率的にLEDモジュール2,2…からの熱が伝達されるから、放熱性をさらに向上することができる。
(参考形態2)
図5は、参考形態2に係る照明装置の外観斜視図である。放熱器1aの内筒12のLEDモジュール2,2…が設置される側の端部には、矩形状の通気口12c,12c…が周方向に等配をなして第1のフィン13,13…間に設けてある。その他の構成は、図1に示す参考形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
このように放熱器1aを構成することにより、LEDモジュール2,2…の点灯に伴ってLEDモジュール2,2…にて生じた熱は内筒12に伝達され、内筒12の内部の空気が暖められ、暖められた空気は、図中に矢符にて示すように、内筒12の開放端から外部に流出する一方、内筒12の端部に設けられた通気口12c,12c…から外部の空気が流入する。この結果、内筒12内側の媒体通路の煙突効果により流速を増した熱交換媒体である空気へ効率的にLEDモジュール2,2…からの熱が伝達されるから、放熱性をさらに向上することができる。なお、通気口12c,12c…の寸法及び数は、内筒12の内部の熱伝導を阻害しないように適切に設定してある。
(参考形態3)
図6は、参考形態3に係る照明装置の模式的部分断面図である。放熱器1bの伝熱板11の一面11aの周縁には、全周に亘って内筒11に対向して突設させてなる乱流促進体11dが形成してある。乱流促進体11dの高さHは、乱流促進体11dと内筒12との間隔Lとの関係が所定の条件(L≒10H)を満たすように決定されることが望ましい。その他の構成は、図4に示す参考形態1と同様であるため、対応する構成部材に図4と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
このように放熱器1bを構成することにより、通風路15,15…に流入する空気は、乱流促進体11dにより流れが乱されて渦が生じ、図中に矢符にて示す如く、内筒12と伝熱板11との境界部近傍に流入することで、空気の滞留が緩和されることから、LEDモジュール2,2…からの熱が伝達されて高温となる前記境界部から流入した空気へ熱を速やかに伝達することができ、放熱性を向上することができる。つまり、乱流促進体11dにより、発熱体であるLEDモジュール2に最も近い部分に空気等の熱交換媒体を行き渡らせる媒体通路を形成することとなる。
なお、第1のフィン13,13…の突設高さは、伝熱板11と外筒14との間において、外筒14と略同一にしてあるが、第2のフィン16,16…の突設高さと略同一にする方がより望ましい。
乱流促進体11dと内筒12との間隔Lとの関係が所定の条件(L≒10H)を満たすことにより、発熱体であるLEDモジュール2に最も近い部分にまで熱交換媒体を供給することが可能となり、効果的に放熱がなされるが、上記関係を満たさない場合であっても、乱流促進体により放熱性は向上する。
また放熱器は、ダイキャスト成型により形成してもよいし、押出加工又は切削加工により形成してもよい。
(実施の形態1)
以上の参考形態1〜3においては、照明装置の外部に電源部を設置してあるが、照明装置の小型化を図る観点から、照明装置の放熱器の内部に電源部を設置する方がより望ましい。図7は、実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。図8は、照明装置の模式的側面図であり、図9は、照明装置の模式的背面図であり、図10は、照明装置の縦断面斜視図である。
図中1cは、アルミニウム等の金属製の放熱器であり、放熱器1cは、円柱形の外形を有している。放熱器1cは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aの側には、円筒状の放熱筒18が伝熱板11に同心をなして外嵌してある。
放熱筒18の外面18aには、図9に示す如く、径方向に延び、径方向の内側から外側に向けて連続的に周方向に曲げられてなる軸断面形状が所謂インボリュート状である複数のフィン19,19…が、周方向に等配をなして放熱筒18の軸長方向の略全長に亘って形成してある。
放熱器1cの伝熱板11の他面11bには、複数(図において6つ)のLEDモジュール2,2…が周方向に等配をなして取付けてある。伝熱板11の他面11bには、略円板形の反射板3が設けてある。反射板3には、該反射板3を放熱器1cに取付けたときにLEDモジュール2,2…に対応する位置に、複数の反射部31,31…が形成してある。LEDモジュール2,2…及び反射板3は、参考形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、反射板3の一面3aの周縁には、周壁32が立設してあり、反射板3は周壁32の端面を伝熱板11の周縁及び放熱筒18の端面に当接させて、ビス等により放熱器1cに固定してある。
LEDモジュール2,2…からの光は、このように形成された反射板3の反射部31,31…にて反射されて、LEDモジュール2,2…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになり、指向性の強い光が照明装置から出射されることとなる。
放熱器1cの伝熱板11の側には、フレーム41が設けてある。フレーム41は、円環部41aと、該円環部41aの外周縁に立設された円筒状の外周壁41bと、円環部41aの内周縁の側に立設された略円筒状の内周壁41cとを有してなる。円環部41aの外周壁41bと内周壁41cとの間には、周方向に等配をなして複数(図において8つ)のスリット41d,41d…が形成してある。このフレーム41は、反射板3に内周壁41cにて外嵌させてあり、フレーム41の円環部41aの内面には、LEDモジュール2,2…の光出射面を覆うように、円板状の樹脂製のカバー5が取付けてある。カバー5は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。なお、スリット41d,41d…は、図9に示すように、フレーム41を放熱器1cに取付けたときに、フィン19,19…の径方向の略中央を通るように形成してあり、通気口として機能する。
放熱筒18の内部には、電源部6が設けてある。電源部6は、2つの部分電源部61,62を備えてなり、これら部分電源部61,62には、交流電流を直流電流に整流する全波整流部、LEDモジュール2,2…の順電流を一定にする定電流部、LEDモジュール2,2…の点灯を制御する制御部等を構成する各種回路部品が分散配置してある。
電源部6が実装された基板60は、矩形状の平板71及び該平板71の周縁から直交する方向に延びる周壁72を備える取付板7に取付けてある。基板60と取付板7との間には、樹脂8が充填してある。樹脂8は、伝熱性能が良好な弾性を有する耐熱性の樹脂であり、例えば、フィラーを含有するシリコーン接着剤である。取付板7は、周壁72にて放熱筒18の内面18b及び伝熱板11の一面11aに当接させてある。これにより、電源部6が発する熱は、樹脂8を介して取付板7に伝達され、取付板7から放熱筒18に伝達され、後述の如く、外部の空気に伝達される。この結果、電源部6の温度上昇を抑制することができ、該温度上昇に起因する不具合を防止することができる。
放熱筒18の伝熱板11の逆側の開放端には、円板91及び該円板91の周縁に立設された円筒92を有するカバー9が取付けてある。これにより、放熱筒18の内側の空間が密閉される。円板91の外面には、接続端子93,93が設けてある。接続端子93,93は、リード線(図示せず)を介して、電源部6に接続してある。
以上のように構成された照明装置は、カバー5の側を下方向にして、天井に設けられた取付穴に、例えば板ばねにより固定される。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュール2,2…の点灯に伴い、該LEDモジュール2,2…にて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱筒18に伝達される。放熱筒18に伝達された熱は、放熱筒18からフィン19,19…に伝導され、放熱筒18及びフィン19,19の表面から空気に伝達される。放熱筒18及びフィン19,19…に囲まれた通風路15a,15a…内の空気は、伝達された熱により暖められて、照明装置の通風路15a,15a…の上方から外部に流出する一方、スリット41d,41d…及びフィン19,19…間の隙間から通風路15a,15a…内に外部の空気が流入する。この通風路15a,15a…内の空気は、発熱体であるLEDモジュール2,2…が取付けられた下側が高温に上側が低温になるから、煙突効果により流速が増大することになり、通風路15a,15a…を形成する放熱筒18及びフィン19,19…の表面から流速を増した空気へ効率的に熱を伝達することができ、放熱器1cの外形寸法を大きくすることなく、放熱性を向上することができる。また、電源部6を放熱器1cの内部に収容しているから、照明装置を小型化することができる。
また、放熱器1cの放熱筒18に設けられたフィン19,19…の放熱面積が周方向に曲げられた分だけ増大するから、放熱性を向上することができる。
つまり、媒体通路としての通風路15a内を通過する熱交換媒体である空気は、放熱フィンにて発熱体から伝熱された熱を放熱するが、インボリュート型のフィンとすることで、熱交換媒体が放熱部と接触する面積を大きくなり、熱交換媒体を全面に行き渡らせて、より効果的に放熱性の向上を実現させたこととなる。
なお、本実施の形態において、フィン19,19…は、軸断面形状がインボリュート状になるように形成しているが、インボリュート状に限定されず、フィン19,19…の間隔を根元から先端に亘って略同一になるように保持しつつ、周方向に曲げて形成してあればよい。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、放熱器1cの放熱筒18に、該放熱筒18の外面18aから径方向に延び、径方向の内側から外側に向けて連続的に周方向に曲げられてなる軸断面形状が所謂インボリュート状にフィン19,19…を形成してあるが、他の形状にフィンを形成してもよい。図11は、他の形状のフィンを略示する図である。
図11に示す放熱器1dの放熱筒18には、該放熱筒18の外面18aから放熱筒18の略全長に亘って径方向に突出する矩形板状のフィン19a,19a…を設けている。その他の構成は、実施の形態1に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
このように放熱器1dを構成することにより、フィン19a,19a…の分だけ放熱面積が増大する。
(実施の形態3)
図12は、他の形状のフィンを略示する図である。放熱器1eの放熱筒18には、該放熱筒18の外面18aから径方向に延設され、延設端から外筒の略周方向に両側に突設されてなる軸断面形状がT字状であるフィン19b,19b…が周方向に等配をなして放熱筒18の軸長方向の略全長に亘って形成してある。その他の構成は、実施の形態1に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
このように放熱器1eを構成することにより、放熱器1eの放熱筒18に設けられたフィン19b,19b…の放熱面積が周方向に両側に突設された分だけ増大する。なお、フィン19b,19b…の軸断面形状は、図12に示すT字状に限らず、例えばY字状であってもよい。
(実施の形態4)
図13は、他の形状のフィンを略示する図である。放熱器1fの放熱筒18には、矩形状の複数のフィン19c,19c…が螺旋状に形成してある。その他の構成は、実施の形態1に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
このように放熱器1fを構成することにより、放熱器1fの軸長方向が水平方向に略一致するように放熱器1fを取付けた場合にも、放熱筒18に形成したフィン19c,19c…に沿って空気が流れるから、放熱性を良好に保つことができる。
なお、実施の形態1から4に係る照明装置においても、放熱器の放熱筒18及びフィンの肉厚を、軸長方向に連続的に変化させて、LEDモジュール2,2…近傍の高温となる伝熱板11の側が厚く、比較的低温となる開放端の側が薄くなるように放熱器を形成することが望ましい。これにより、LEDモジュール2,2…から伝熱板11に伝達された熱を、伝熱板11に連設された放熱筒18及びフィンの内部を高温側から低温側に円滑に伝導することができ、放熱性を向上することができると共に、放熱器を小型化及び軽量化することができる。
実施の形態2から4の放熱器も、実施の形態1の放熱器と同様に、フィンの間である媒体通路を通過する熱交換媒体である空気とフィンの接触する面積を増大させることとなり、放熱性を向上させることができる。
(実施の形態5)
実施の形態1から4に係る照明装置の如く、放熱器の放熱筒18の内部に電源部6を収容するように構成された照明装置においては、電源部6の性能を確保すべく、電源部6の温度が一定値以下になるように、電源部6が発する熱を外部に放熱する必要がある。図14は、電源部6の伝熱構造を略示する図である。本図においては、実施の形態2に係る照明装置に適用した場合を例に説明する。
放熱器1gの放熱筒18の内部には、電源部6が実装された基板よりも若干大きい矩形板状の金属製の伝熱板7aが設けてある。伝熱板7aは、放熱筒18の軸心と平行をなして、対向する2辺の端縁にて放熱筒18の内面18bに連設してある。電源部6は、伝熱板7aに離隔して対向するように設けてある。電源部6と伝熱板7aとは、電源部6を構成する回路部品から伝熱板7aへ放電が生じないように安全距離を確保しつつ、熱伝達の観点から可能な限り接近させることが望ましく、例えば、5mm離隔するようにしてある。その他の構成は、図11に示す実施の形態2と同様であるため、対応する構成部材に図11と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
以上のように構成された照明装置において、電源部6が発する熱は、電源部6に接近させて設けられた伝熱板7aに熱交換媒体である空気を介して伝達され、伝熱板7aから放熱筒18を介して外部の空気に伝達されることになる。この結果、電源部6の温度上昇を抑制することができ、該温度上昇に起因する不具合を防止することができる。
(実施の形態6)
図15は、電源部の他の伝熱構造を略示する図である。本図においても、実施の形態2に係る照明装置に適用した場合を例に説明する。
放熱器1hの放熱筒18の内部には、電源部6が実装された基板よりも若干大きい矩形板71b及び該矩形板71bの対向する2辺の端部に立設された側壁72b,72bを有する金属製の伝熱板7bが設けてある。伝熱板7bは、矩形板71bが放熱筒18の軸心と平行をなして、図示の如く、矩形板71b及び側壁72b,72b夫々の対向する二辺の端縁にて放熱筒18の内面18bに連設してある。電源部6は、伝熱板7bの矩形板71b及び側壁72b,72b夫々に離隔して対向するように設けてある。電源部6と伝熱板7bとの間には、樹脂8が充填してある。樹脂8は、伝熱性能が良好で弾性を有する耐熱性の樹脂であり、例えば、フィラーを含有するシリコーン接着剤である。その他の構成は、図11に示す実施の形態2と同様であるため、対応する構成部材に図11と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
以上のように構成された照明装置において、電源部6が発する熱は、樹脂8を介して伝熱板7bに伝達され、伝熱板7bから放熱筒18を介して外部の空気に放熱されることになる。この結果、隙間の空気層に代えて樹脂8を介在させることにより熱抵抗が減少し、電源部6の温度上昇をさらに抑制することができ、該温度上昇に起因する不具合を防止することができる。
なお、以上の実施の形態1〜6に係る放熱器は、ダイキャスト成型により形成してもよいし、押出加工又は切削加工により形成してもよい。伝熱板以外の放熱器本体を押出加工により形成し、放熱器本体及び伝熱板をろう付け又は溶接して形成する方が、放熱器の放熱設計の最適化及び製作性の観点から、より望ましい。
(実施の形態7)
以上の実施の形態において、放熱器は、伝熱板と、該伝熱板に立設された円筒と、該円筒に交叉する方向に放射状に設けられた複数のフィンとを備えてなるが、これに代えて、照明装置の種類、設置場所に応じた他の形状の放熱器を用いることが考えられる。図16は、放熱器1iの外観斜視図であり、図17は、放熱器1iを備える照明装置の模式的断面図である。なお図17に示す放熱器1iは、図16のXVII−XVII線による断面図を示している。
放熱器1iは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板21,21…が平行をなして立設してある。伝熱板11の一面11aには、複数の放熱板21,21…の略中央を通り、該複数の放熱板21,21…に直交するように連結板22が立設してある。
伝熱板11の他面11bには、複数のLEDモジュール2,2…が取付けてある。伝熱板11の他面11bには、略円板形の反射板3が設けてある。反射板3には、該反射板3を放熱器1iに取付けたときにLEDモジュール2,2…に対応する位置に、複数の反射部31,31…が形成してある。LEDモジュール2,2…及び反射板3は、参考形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
放熱器1iの伝熱板11の側には、フレーム42が設けてある。フレーム42は、円環部42aと、該円環部42aの内周縁部に立設された円筒状の周壁42bとを有してなる。このフレーム42は、反射板3に周壁42bを外嵌させてあり、フレーム42の円環部42aの内面には、LEDモジュール2,2…の光出射面を覆うように、円板状の樹脂製のカバー5が取付けてある。カバー5は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。
以上のように構成された照明装置は、カバー5の側を下方向にして、天井100に設けられた取付穴に例えば複数枚の板ばねにより固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。板ばねはダウンライトの荷重を均等に支持するように適宜配置される。軽量の場合は2枚の板ばねで十分であるが、重量が1kgを超えるような場合は、板ばね2枚では天井取付穴を傷めてしまう可能性があるので、3枚の板ばねで固定するのがふさわしい。なお、電源部(図示せず)は照明装置の外部に設けてある。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュール2,2…の点灯に伴い、該LEDモジュール2,2…にて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱板21,21…及び連結板22に伝達される。放熱板21,21…及び連結板22近傍の空気は、図中に矢符にて示すように、伝達された熱により暖められて放熱板21,21…及び連結板22に沿って上方に流出する一方、放熱板21,21…及び連結板22の下端の側から外部の空気が熱交換媒体として流入する。よって、伝熱板11、放熱板21及び連結板22により媒体通路を形成することとなる。連結板22がない場合は、両側から流入した低温の空気は伝熱板11および放熱板21からの伝導伝熱により対流を生じ、フィン間で衝突や渦発生を起こしながら成り行き的に上方へ立ち昇っていく。一方連結板22がある場合は、連結板表面も放熱面となるためこの面に沿って上昇する気流が発生するので、側面から流入して中央部上方に立ち上る気流(媒体通路を通過する気流)が整流・促進されることになる。よってこのように放熱器1iを構成することにより、放熱器1iの外形寸法を大きくすることなく、放熱面積を確保して、放熱性を向上することができる。また、連結板22は、隣立するフィンの補強としても機能する。特にダイキャスト成型の場合、離型後に生じる反りを低減することができる。
なお、本実施の形態において、複数の放熱板21,21…の略中央を通るように連結板22を設けているが、図18に示すように、伝熱板11の中央部を避けるように連結板22aを形成し、伝熱板11の中央部に配線用の貫通孔11eを設けてもよい。LEDモジュール2,2…を伝熱板11の周方向に複数配設する照明装置においては、伝熱板11の中央部に配線用の貫通孔11eを設けることにより、LEDモジュール2,2…への配線が容易となる。
(実施の形態8)
図19は、他の形状の放熱器1kの外観斜視図であり、図20は、放熱器1kと電源部6との位置関係を略示する図である。
放熱器1kは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板21,21…が平行をなして立設してある。伝熱板11の一面11aには、複数の放熱板21,21…を連結する連結板23が立設してあり、該連結板23は、伝熱板11の中央部より周縁の側にて複数の放熱板21,21…に直交するように設けてある。電源部6は、図20に示す如く、放熱器1kの開放端の側に、一部が放熱器1kと対向する位置に設けてある。その他の構成は、実施の形態7に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュールの点灯に伴い、該LEDモジュールにて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱板21,21…及び連結板23に伝達される。放熱板21,21…及び連結板23近傍の空気は、図中に矢符にて示すように、伝達された熱により暖められて放熱板21,21…及び連結板23に沿って上方に流出する一方、放熱板21,21…及び連結板23の下端の側から外部の空気が流入する。このように放熱器1kを構成することにより、放熱器1kの外形寸法を大きくすることなく、放熱面積を確保して、放熱性を向上することができる。
電源部6を一部が放熱器1kに対向するように設けてあるから、照明装置の径方向の外形寸法を小さくすることができ、照明装置を小型化することができる。また、暖められた空気が放熱板21,21…及び連結板23に沿って上昇する際に、上昇流の主流が通過する連結板23近傍から離れた位置に電源部6を設けているから、電源部6を構成する回路部品への熱の影響を緩和することができる。
また、連結板23を、伝熱板11の中央部より周縁の側に設けているから、伝熱板11の中央部に配線用の貫通孔を設けることができ、LEDモジュール2,2…への配線が容易となる。
(実施の形態9)
図21は、他の形状の放熱器1mの外観斜視図であり、図22は、放熱器1mと電源部6との位置関係を略示する図である。
放熱器1mは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板24,24…が平行をなして立設してある。放熱板24,24…夫々の伝熱板11と逆側の一隅には、切欠き24a,24a…が形成してある。これら切欠き24a,24a…により、放熱器1mの開放側の一側には略直方体状の空間が形成される。
また、伝熱板11の一面11aには、複数の放熱板24,24…を連結する連結板23が伝熱板11の中央部より周縁の側に立設してあり、連結板23は、複数の放熱板24,24…に切欠き24a,24a…が形成された側とは逆側にて直交するように設けてある。電源部6は、図22に示す如く、放熱器1mの切欠き24a,24a…により形成された空間に、電源部6の一部が位置するように設けてある。また、電源部6には、放熱器1mと適長離隔して対向し、放熱器1mの開放端側を覆うように放熱器カバー65が設けられている。これにより、電源部6が放熱器1mの切欠き24aに備え付けられた時に放熱器1mの内部(フィンの間)にほこりが入らないようにすることができる。放熱器カバー65は、電源部6が放熱器1mに取付けられた時でも、放熱器1mと数cmの間隙ができるように設けられることが好ましい。上記構成により、ほこりが放熱器1mの内部に入ることを防ぐとともに、放熱器1mから上昇する空気の流れを遮断しないので放熱性を維持することが可能となる。その他の構成は、実施の形態7に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュールの点灯に伴い、該LEDモジュールにて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱板24,24…及び連結板23に伝達される。放熱板24,24…及び連結板23近傍の空気は、図中に矢符にて示すように、伝達された熱により暖められて放熱板24,24…及び連結板23に沿って上方に流出する一方、放熱板24,24…及び連結板23の下端の側から外部の空気が流入する。このように放熱器1mを構成することにより、放熱器1mの外形寸法を大きくすることなく、放熱面積を確保して放熱性を向上することができる。また、放熱器1mの切欠き24a,24a…より形成された空間に、電源部6の一部が位置するように電源部6を設けてあるから、照明装置をさらに小型化することができる。
(実施の形態10)
図23は、他の形状の放熱器1nの外観斜視図である。
放熱器1nは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板21,21…が平行をなして立設してある。伝熱板11の一面11aには、複数の放熱板21,21…の略中央を通り、該複数の放熱板21,21…に直交するように連結板22が立設してある。これら放熱板21,21…及び連結板22を包囲するように、伝熱板11に同心をなして放熱筒25が設けてある。放熱筒25は、伝熱板11と略同一直径を有する円筒であり、伝熱板11と適長離隔して設けてある。この構成により、伝熱板11及び放熱筒25間に、外部の空気が流入する通気口25a,25a…が形成される。その他の構成は、実施の形態7に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュールの点灯に伴い、該LEDモジュールにて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱板21,21…及び連結板22に伝達され、放熱板21,21…から放熱筒25に伝導されて、放熱筒25の表面から外部の空気に伝達されると共に、放熱板21,21…、連結板22及び放熱筒25により形成される通風路25b,25b…内の空気に伝達される。図中に矢符にて示すように、通風路25b,25b…内の空気は、伝達された熱により暖められて、放熱板21,21…、連結板22及び放熱筒25に沿って通風路25b,25b…の上方から外部に流出する一方、通気口25a,25a…から外部の熱交換媒体である空気が流入する。
このように放熱器1nを構成することにより、放熱器1nの外形寸法を大きくすることなく、放熱面積を増大することができ、またLEDモジュールから伝達された熱は、媒体通路である通風路25b,25b…を形成する放熱板21,21…、連結板22及び放熱筒25の表面から煙突効果により流速を増した空気へ効率的に伝達することができるから、放熱器1nの外形寸法を大きくすることなく、放熱性を向上することができる。
放熱筒25により、媒体通路を通過する熱交換媒体である空気が放熱器に接触する面積が大きくなるので、放熱性の向上を図ることが可能となる。
(実施の形態11)
図24は、他の形状の放熱器1pの外観斜視図であり、図25は、図24の XXV−XXV線による放熱器1pの模式的断面図である。
放熱器1pは、円板状の伝熱板11を有しており、伝熱板11の一面11aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板21,21…が平行をなして立設してある。伝熱板11の一面11aには、複数の放熱板21,21…の略中央を通り、該複数の放熱板21,21…に直交するように連結板22が立設してある。伝熱板11の一面11aの周縁には、略全周に亘って連結板22に対向して突設されてなる乱流促進体11fが形成してある。乱流促進体11fの高さHは、乱流促進体11fと連結板22との間隔Lとの関係が所定の条件(L≒10H)を満たすように決定されることが望ましい。その他の構成は、実施の形態7に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
このように放熱器1pを構成することにより、放熱器1pに流入する空気は、乱流促進体11fにより流れが乱されて渦が生じ、図中に矢符にて示す如く、連結板22と伝熱板11との境界部近傍に流入するから、LEDモジュールからの熱が伝達されて高温となる前記境界部から流入した空気へ熱を速やかに伝達することができ、放熱性を向上することができる。
(実施の形態12)
図26は、他の形状の放熱器1qの外観斜視図であり、図27は、図26の XXVII−XXVII 線による放熱器1qの模式的断面図である。
放熱器1qは、円板状の伝熱板111を有しており、伝熱板111の一面111aには、矩形板状の複数(図において4つ)の放熱板21,21…が平行をなして立設してある。伝熱板111の一面111aには、複数の放熱板21,21…の略中央を通り、該複数の放熱板21,21…に直交するように連結板22が立設してある。伝熱板111の一面111aは、図に示す如く、伝熱板111の周端縁から連結板22に向けて上向きに傾斜する斜面に形成してある。その他の構成は、実施の形態7に示す照明装置と同様であるため、図面及び説明を省略する。
このように放熱器1qを構成することにより、放熱器1qに流入する空気は、図中に矢符にして示すように、伝熱板11の傾斜面(一面111a)に沿って連結板22と伝熱板111との境界部近傍に流入するから、LEDモジュールからの熱が伝達されて高温となる前記境界部から流入した空気へ熱を速やかに伝達することができ、放熱性を向上することができる。
また、放熱器の他の形状として図28に示すように、伝熱板111と連結板22の境界部112および/または伝熱板111と放熱板21の境界部をR状としてもよい。境界部をR状とすることにより、上述の傾斜面と同様に、境界部付近の流速が遅く空気が滞留してしまう箇所に熱交換媒体を供給する事が可能となり、放熱性を向上させることができる。
なお、以上の実施の形態7から12に係る放熱器は、ダイキャスト成型により形成してもよいし、押出加工又は切削加工により形成してもよい。伝熱板以外の放熱器本体を押出加工により形成し、放熱器本体及び伝熱板をろう付け又は溶接して形成する方が、放熱器の放熱設計の最適化及び製作性の観点から、より望ましい。放熱性能に余裕がある場合は、平面同士をビス留めするだけでも構わない。
また、実施の形態7から12に係る照明装置においても、放熱器の放熱板及び連結板の肉厚を、LEDモジュール2,2…近傍の高温となる伝熱板11の側が厚く、比較的低温となる開放端の側が薄くなるように放熱器を形成することが望ましい。
また、実施の形態7、8、9、11および12に示す放熱器においては、放熱性をさらに向上させるために、有底円筒形を有する樹脂製の整流キャップを放熱器の上方から被せるように構成することが考えられる。図29は、整流キャップの外観斜視図である。
整流キャップ97は、円形の開口95aを有する円板95と、該円板95の周縁に立設された円筒96とを備えてなる。円筒96の円板95の側には、矩形状の複数の通気口96a,96a…が形成してある。図30は、整流キャップ97の適用例であり、実施の形態7に係る放熱器1iに整流キャップ97を適用した例を示している。
図30に示すように、整流キャップ97は、放熱器1iに被せたときに、円筒96の開放端が放熱器1iの伝熱板11と適長離隔するように形成してある。このように構成された照明装置においては、放熱器1iの放熱板21,21…及び連結板22並びに整流キャップ97により通風路が形成される。
以上のように構成された照明装置において、LEDモジュール2,2…の点灯に伴い、該LEDモジュール2,2…にて発生した熱は、伝熱板11を介して放熱板21,21…及び連結板22に伝達される。放熱板21,21…及び連結板22近傍の空気は、図30(a)中に矢符にて示すように、LEDモジュール2,2…から伝達された熱により暖められて放熱板21,21…及び連結板22に沿って、主として整流キャップ97の開口95aから上方に流出する一方、整流キャップ97と伝熱板11との隙間から外部の空気が前記通風路に流入する。
この通風路内の空気は、発熱体であるLEDモジュール2,2…が取付けられた側である下方が高温に上方が低温になるから、煙突効果により流速が増大することになり、通風路を形成する放熱板21,21…及び連結板22の表面から流速を増した空気へ効率的に熱を伝達することができ、放熱器1iの外形寸法を大きくすることなく、放熱性を向上することができる。
また、放熱板21,21…及び連結板22の端部が整流キャップ97により覆われるから、照明装置の組立作業をする作業者が放熱板21,21…及び連結板22の端部に接触して怪我をすること、建材に放熱板21,21…及び連結板22の端部が接触して建材に疵を与えること等を防止することができる。
さらに、整流キャップ97の円筒96に複数の通気口96a,96a…を周方向に等配をなして形成しているから、図30(b)に示す如く、整流キャップ97の開口95aが断熱材110に覆われた場合においても、整流キャップ97の通気口96a,96a…の少なくとも幾つかは、断熱材110に覆われず通気を確保することが可能となり、放熱板21,21…及び連結板22の表面から熱伝達により暖められた空気は、通気口96a,96a…から外部に流出することが可能となる。
なお、実施の形態11においては、乱流促進体を伝熱板の周縁に略全周に亘って突設させて円筒形状を有するように形成しているが、これに限定されず、伝熱板の周縁に突起を周方向に適長離隔して複数形成してもよい。
また、以上の実施の形態において、放熱器は、砲弾形又は円柱状の外形を有するように形成してあるが、これに限定されず、例えば多角柱の外形を有するように形成してもよい。また、以上の実施の形態においては、放熱器が光源の支持部材を兼ねているが、支持部材を別体に設けてもよい。
また、以上の実施の形態においては、光源として複数のLED素子が実装されてなるLEDモジュール2,2…を用いているが、これに限定されず、複数のLED素子、他のタイプのLED等を用いてもよい。
また、以上の実施の形態おいては、スポットライト、ダウンライト等の照射範囲の狭い照明装置に放熱性を向上した放熱器を適用した例について述べたが、本発明は、他のタイプの照明装置にも適用可能であり、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。