JP2012108460A - 感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライエッチング耐性に優れ、ドライエッチング後の表面荒れの少ない硬化膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供すること。また、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法、前記形成方法により形成された硬化膜、並びに、前記硬化膜を含む有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体、(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物、及び、(成分C)溶剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法、前記形成方法により形成された硬化膜、並びに、前記硬化膜を含む有機EL表示装置及び液晶表示装置。
Figure 2012108460

【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置に関する。
更に詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、ポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いた硬化膜の形成方法に関する。
従来、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、有機ELなどの電子部品においては、一般に、電子部品表面の平坦性を付与するための平坦化膜、電子部品の劣化や損傷を防ぐための保護膜や絶縁性を保つための層間絶縁膜を形成する際に感光性樹脂組成物が使用される。例えば、TFT型液晶表示素子は、ガラス基板上に偏光板を設け、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電回路層及び薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、層間絶縁膜で被覆して背面板とする一方、ガラス基板上に偏光板を設け、必要に応じてブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層のパターンを形成し、更に透明導電回路層、層間絶縁膜を順次形成して上面板とし、この背面板と上面板とをスペーサーを介して対向させて両板間に液晶を封入して製造される。
近年、層間絶縁膜をマスクとしてドライエッチングすることで、回路のパターニングをすることが行われている(特許文献1参照)。
層間絶縁膜用の高感度の感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献2及び3には、アセタール構造並びにエポキシ基又は架橋性基を含有する樹脂、酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型の感放射線性樹脂組成物が提案されている。
特許3362008号公報 特開2004−264623号公報 特開2009−98616号公報
層間絶縁膜には、ドライエッチングで膜が削れにくいこと(ドライエッチング耐性)が求められる。従来の方法では、ドライエッチング耐性をある程度付与できるものの充分ではなかった。更にドライエッチングで層間絶縁膜の表面荒れが発生するという問題があった。表面荒れが発生すると、層間絶縁膜上に積層する透明電極などの平坦性が悪化するため、装置の表示特性が悪化する。
また、層間絶縁膜を形成する際に用いられる感光性樹脂組成物としては、生産性向上のため、感度に優れていることが求められる。
しかしながら、従来の層間絶縁膜用感光性樹脂組成物において、ドライエッチング耐性とドライエッチングによる表面荒れとを解決する手段は知られていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ドライエッチング耐性に優れ、ドライエッチング後の表面荒れの少ない硬化膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法、前記形成方法により形成された硬化膜、並びに、前記硬化膜を含む有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<6>、<8>、<10>又は<11>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>、<7>及び<9>とともに以下に記載する。
<1>(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体、(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物、及び、(成分C)溶剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
Figure 2012108460
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基を表し、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2012108460
(式中、RB1はトリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表し、RB2は炭素数1〜8のアルキル基、p−トルイル基、カンホリル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表す。)
<2>化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物である、上記<1>に記載の感光性樹脂組成物、
<3>前記R2が、エチル基又はシクロヘキシル基である、上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物、
<4>前記RB1が、ノナフルオロブチル基である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<5>前記RB2が、メチル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<6>(1)上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する乾燥工程、(3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、を含む硬化膜の形成方法、
<7>前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含む、上記<6>に記載の硬化膜の形成方法、
<8>上記<6>又は<7>に記載の方法により形成された硬化膜、
<9>層間絶縁膜である、上記<8>に記載の硬化膜、
<10>上記<8>又は<9>に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置、
<11>上記<8>又は<9>に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
本発明によれば、ドライエッチング耐性に優れ、ドライエッチング後の表面荒れの少ない硬化膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することができた。
また、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法、前記形成方法により形成された硬化膜、並びに、前記硬化膜を含む有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することができた。
本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を絶縁膜、平坦化膜として適用した有機EL表示装置の一例の構成を示す模式的断面図である。 本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を適用した液晶表示装置の一例を示す構成を示す模式的断面図である。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体」等を、単に「成分A」等ともいう。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体、(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物、及び、(成分C)溶剤を含有することを特徴とする。
Figure 2012108460
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基を表し、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
Figure 2012108460
(式中、RB1はトリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表し、RB2は炭素数1〜8のアルキル基、p−トルイル基、カンホリル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表す。)
また、本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物であり、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることが好ましい。
なお、本明細書中においては、露光後の加熱処理(Post Exposure Baking)をPEBと称することがある。
以下、感光性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体を含有する。
成分Aは、式(a1)で表される構成単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。式(a2)又は式(a3)で表される構成単位についても、同様である。
また、成分Aは、式(a1)〜式(a3)で表される構成単位以外の構成単位を有していてもよい。
なお、「式(a1)で表される構成単位」等を「構成単位(a1)」等ともいう。
<式(a1)で表される構成単位>
成分Aは、式(a1)で表される構成単位を少なくとも有する。
Figure 2012108460
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基を表す。)
前記式(a1)におけるR1は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a1)におけるR2は、感度の観点から、炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数5又は6のシクロアルキル基であることが好ましく、エチル基又はシクロへキシル基であることがより好ましい。
前記式(a1)で表される構成単位における−COOCH(CH3)OR2の部分構造は、酸により分解、例えば、活性光線の露光によって成分Bから生じた酸により分解し、−COOH(カルボキシ基)を生じる。新たにカルボキシ基が生じることにより、アルカリ可溶性が増大し、露光部分が可溶になり、現像を行うことができる。また、未露光部においても、後述するポストベーク工程における熱処理により、前記部分構造が分解し、カルボキシ基を生じる。生じたカルボキシ基は、式(a2)で表される構成単位のエポキシ基と反応することにより架橋を形成することができる。
前記式(a1)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、下記式(a1’)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 2012108460
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基を表す。)
式(a1’)におけるR1及びR2は、前記式(a1)におけるR1及びR2とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a1)で表される構成単位は、前記式(a1’)で表される化合物を重合して形成しても、アクリル酸やメタクリル酸を重合した後、高分子反応により−CH(CH3)OR2を導入してもよいが、前記式(a1’)で表される化合物を重合して形成することが好ましい。前記式(a1’)で表される化合物を重合して形成した場合、成分Aにおいて式(a1)で表される構成単位は、式(a1)で表されるモノマー単位でもある。
<式(a2)で表される構成単位>
成分Aは、式(a2)で表される構成単位を少なくとも有する。
式(a2)で表される構成単位のエポキシ基は、後述するポストベーク工程における熱処理により、系中のカルボキシ基と反応して、又は、エポキシ基同士で反応して架橋を形成することができる。
Figure 2012108460
前記式(a2)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、下記式(a2’)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a2)で表される構成単位は、前記式(a2’)で表される化合物を重合して形成しても、メタクリル酸を重合した後、高分子反応によりグリシジル基を導入してもよいが、前記式(a2’)で表される化合物を重合して形成することが好ましい。前記式(a2’)で表される化合物を重合して形成した場合、成分Aにおいて式(a2)で表される構成単位は、式(a2)で表されるモノマー単位でもある。
<式(a3)で表される構成単位>
成分Aは、式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する。
Figure 2012108460
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
前記式(a3)におけるR3は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、水素原子であることが好ましい。
前記式(a3)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、下記式(a3’)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a3’)におけるR3は、前記式(a3)におけるR3と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a3)で表される構成単位は、前記式(a3’)で表される化合物を重合して形成することが好ましい。前記式(a3’)で表される化合物を重合して形成した場合、成分Aにおいて式(a3)で表される構成単位は、式(a3)で表されるモノマー単位でもある。
<その他の構成単位>
成分Aは、本発明の効果を妨げない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の構成単位(以下、適宜「構成単位(a4)」ともいう。)を含有してもよい。
構造単位(a4)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、特に限定されないが、例えば、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる(ただし、前述の構成単位(a1)〜(a3)を除く。)。
好ましい構成単位(a4)、及び、構成単位(a4)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体として好ましい態様を具体的に説明する。
〔脂環構造を有する構成単位(a4−1)〕
成分Aは、電気特性の観点から、脂環構造を有する構成単位(a4−1)を有することが好ましい。
脂環構造を有する構成単位(a4−1)としては、下記式(a4−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2012108460
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、R5は脂環基を表し、Lは単結合、アルキレン基又はアルキレンオキシ基を表す。)
前記式(a4−1)におけるR4は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a4−1)におけるR5は、炭素数5〜18の脂環基であることが好ましく、炭素数5〜12の脂環基であることがより好ましく、シクロへキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基又はイソボロニル基であることが特に好ましい。
また、前記脂環基における脂肪族環は、縮合環及び/又は橋かけ環であることが好ましく、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環であることが特に好ましい。
前記式(a4−1)におけるLは、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であることが好ましく、単結合、メチレン基又はエチレンオキシ基であることがより好ましい。
前記脂環構造を有する構成単位(a4−1)を形成するモノマーとしては、脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく例示でき、下記式(a4’−1)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a4’−1)におけるR4、R5及びLは、前記式(a4−1)におけるR4、R5及びLとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a4’−1)で表される化合物の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれか一方、又は、その両方を含む語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」のいずれか一方、又は、その両方を含む語である。
〔カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a4−2)〕
成分Aは、透明性の観点から、カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a4−2)を有することが好ましい。
カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a4−2)としては、下記式(a4−2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2012108460
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、R7は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
前記式(a4−2)におけるR6は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a4−2)におけるR7は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。また、前記R7におけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
前記カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a4−2)を形成するモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート化合物が好ましく例示でき、下記式(a4’−2)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a4’−2)におけるR6及びR7は、前記式(a4−2)におけるR6及びR7とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
〔マレイミド残基を有する構成単位(a4−3)〕
成分Aは、熱硬化性の観点から、マレイミド残基を有する構成単位(a4−3)を有することが好ましい。
マレイミド残基を有する構成単位(a4−3)としては、下記式(a4−3)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2012108460
(式中、R8は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は下記式(S)で表される基を表す。)
Figure 2012108460
(式中、xは2〜10の整数を表し、波線部分は式(a4−3)における窒素原子との結合位置を表す。)
前記式(a4−3)におけるR8は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は前記式(S)で表される基であることが好ましく、ベンジル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は前記式(S)で表される基であることがより好ましい。
前記式(S)におけるxは、2〜8であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
前記マレイミド残基を有する構成単位(a4−3)を形成するモノマーとしては、下記式(a4’−3)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a4’−3)におけるR8は、前記式(a4−3)におけるR8と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a4’−3)で表される化合物の具体例としては、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。中でも、N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミドが特に好ましい。
〔ヒドロキシ基を有する構成単位(a4−4)〕
成分Aは、現像性の観点から、ヒドロキシ基を有する構成単位(a4−4)を有することが好ましい。
ヒドロキシ基を有する構成単位(a4−4)としては、下記式(a4−4)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2012108460
(式中、R9は水素原子又はメチル基を表し、yは2〜11の整数を表す。)
前記式(a4−4)におけるR9は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a4−4)におけるyは、2〜8の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
前記ヒドロキシ基を有する構成単位(a4−4)を形成するモノマーとしては、下記式(a4’−4)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a4’−4)におけるR9及びyは、前記式(a4−4)におけるR9及びyとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
〔ポリエーテル構造を有する構成単位(a4−5)〕
成分Aは、現像性の観点から、ポリエーテル構造を有する構成単位(a4−5)を有することが好ましい。
ポリエーテル構造を有する構成単位(a4−5)としては、下記式(a4−5−1)又は式(a4−5−2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2012108460
(式中、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又はフェニル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、0〜50の整数を表す。ただし、mとnとが共に0となることはない。)
前記式(a4−5−1)及びに前記式(a4−5−2)おけるR10は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a4−5−1)及びに前記式(a4−5−2)おけるR11は、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。また、前記R11におけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
前記式(a4−5−1)及びに前記式(a4−5−2)おけるXは、単結合又は炭素数1〜50の二価の連結基であることが好ましく、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基であることがより好ましく、単結合であることが更に好ましい。
前記式(a4−5−1)及びに前記式(a4−5−2)おけるm及びnはそれぞれ独立に、0〜40の整数であることが好ましく、0〜20の整数であることがより好ましい。
また、前記式(a4−5−1)及びに前記式(a4−5−2)おける−C36O−は、−CH(CH3)CH2O−又は−CH2CH(CH3)O−であることが好ましい。
前記ポリエーテル構造を有する構成単位(a4−5)を形成するモノマーとしては、下記式(a4’−5−1)又は式(a4’−5−2)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 2012108460
式(a4’−5−1)及び式(a4’−5−2)におけるR10、R11、X、m及びnは、前記式(a4’−5−1)及び式(a4’−5−2)におけるR10、R11、X、m及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
〔カルボキシ基を有する構成単位(a4−6)〕
成分Aは、カルボキシ基を有する構成単位(a4−6)を有することが好ましい。
前記カルボキシ基を有する構成単位(a4−6)を形成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシ基を有する構成単位(a4−6)としては、下記式(a4−6−1)又は式(a4−6−2)で表される構成単位であることが好ましく、下記式(a4−6−1)で表される構成単位であることが特に好ましい。
Figure 2012108460
これら構成単位(a4)は、成分A中に、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
成分Aは、その全体が活性光線の露光による現像が可能である限り、酸性基の導入が排除されるものではない。成分Aに酸性基が導入される場合の例としては、例えば、後述する前記式(a1)〜式(a3)で表される構成単位以外の構成単位を有する場合が挙げられる。
ドライエッチング耐性及びドライエッチング後の表面荒れの観点から、成分Aにおける構成単位(a1)〜構成単位(a4)を形成するモノマー単位の含有量は、以下の範囲であることが好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a1)を形成するモノマー単位の含有率は、10〜60モル%が好ましく、30〜60モル%がより好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a2)を形成するモノマー単位の含有率は、10〜50モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a3)を形成するモノマー単位の含有率は、5〜50モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a4)を形成するモノマー単位の含有率は、0〜50モル%が好ましく、0〜20モル%がより好ましい。
また、成分Aのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、2,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、4,000〜30,000が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aを1種単独又は2種類以上を組み合わせて含有することができる。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99重量%であることが好ましく、40〜97重量%であることがより好ましく、60〜95重量%であることが更に好ましい。成分Aの含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、成分A以外の樹脂を併用してもよい。ただし、成分A以外の樹脂の含有量は、現像性の観点から成分Aの含有量より少ない方が好ましい。
(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物を含有する。
Figure 2012108460
(式中、RB1はトリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表し、RB2は炭素数1〜8のアルキル基、p−トルイル基、カンホリル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表す。)
前記式(B)におけるRB1は、ノナフルオロブチル基であることが好ましい。
前記式(B)におけるRB2は、メチル基、ノナフルオロブチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
前記RB1及びRB2におけるノナフルオロブチル基、前記RB2における炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
また、前記RB2におけるカンホリル(camphoryl)基の硫黄原子との結合位置は、特に制限はないが、10位であることが好ましい。すなわち、前記カンホリル基は、10−カンホリル基であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物の含有量は、成分A100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。
(成分C)溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分C)溶剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である成分A及び成分B、並びに、更に後述の任意成分を、(成分C)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、例えば、特開2009−258722号公報の段落0074に記載の溶剤が挙げられる。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独又は2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類とを併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における成分Cの含有量は、成分A100重量部に対し、50〜3,000重量部であることが好ましく、100〜2,000重量部であることがより好ましく、150〜1,500重量部であることが更に好ましい。
(成分D)架橋剤
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ、(成分D)架橋剤を含有することが好ましい。(成分D)架橋剤を添加することにより、硬化膜をより強固な膜とすることができる。
(成分D)架橋剤としては、例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基若しくはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、又は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を添加することができる。
これらの架橋剤の中で、特に好ましいものは、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物である。
<分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同 EP−4085S、同 EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同 PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同 EP−4003S、同 EP−4010S、同 EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で好ましいものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することができる。
分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物の感光性樹脂組成物への添加量は、成分A100重量部に対し、1〜50重量部が好ましく、3〜30重量部がより好ましい。
<アルコキシメチル基含有架橋剤>
アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、特にメトキシメチル基が好ましい。
これらのアルコキシメチル基含有架橋剤のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましいアルコキシメチル基含有架橋剤として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
これらアルコキシメチル基含有架橋剤は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物にアルコキシメチル基含有架橋剤を用いる場合のアルコキシメチル基含有架橋剤の添加量は、成分A100重量部に対して、0.05〜50重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。この範囲で添加することにより、現像時の好ましいアルカリ溶解性と、硬化後の膜の優れた耐溶剤性が得られる。
<少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物>
少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物における少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の使用割合は、成分A100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。このような割合で少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有させることにより、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の耐熱性及び表面硬度等を向上させることができる。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を加える場合には、後述の熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
(成分E)塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
(成分E)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分E)塩基性化合物の含有量は、成分A100重量部に対して、0.001〜1重量部であることが好ましく、0.002〜0.2重量部であることがより好ましい。
(成分F)密着改良剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分F)密着改良剤を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(成分F)密着改良剤は、基板となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(成分F)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及び、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが更に好ましい。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパ角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分F)密着改良剤の含有量は、成分A100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、下記に示す構成単位Aと構成単位Bとを含む共重合体(3)を好ましい例として挙げることができる。該共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上10,000以下であることが好ましく、1,500以上5,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の値である。
Figure 2012108460
共重合体(3)中、R21及びR23はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R24は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す重量百分率であり、pは10重量%以上80重量%以下の数値を表し、qは20重量%以上90重量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。
構成単位B中におけるLは、下記式(4)で表されるアルキレン基であることが好ましい。
Figure 2012108460
式(4)中、R25は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
また、pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100重量%であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の例として具体的には、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号等の各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(以上、三菱マテリアル電子化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコーン系界面活性剤として用いることができる。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤とを併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)の添加量は、成分A100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.01〜1重量部であることが更に好ましい。
(成分H)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、前述の成分Bとの組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、(成分H)増感剤を添加してもよい。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、成分B等の光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン)。これら増感剤の中でも、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となり、光酸発生剤への電子移動作用を有する増感剤が好ましく、特に多環芳香族類、アクリドン類、クマリン類、ベーススチリル類が好ましく、アントラセン類が最も好ましい。
増感剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の合成方法により合成してもよい。
増感剤の添加量は、感度、透明性の両立の観点から、成分B100重量部に対して、20〜300重量部が好ましく、30〜200重量部が特に好ましい。
(成分I)現像促進剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分I)現像促進剤を含有することが好ましい。
(成分I)現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシ基、フェノール性水酸基、及び、アルキレンオキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシ基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が特に好ましい。
また、(成分I)現像促進剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、150〜1,500が更に好ましく、150〜1,000が特に好ましい。
現像促進剤の例として、アルキレンオキシ基を有するものとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールジグリセリルエステル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリプロピレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエステル、及び、特開平9−222724号公報に記載の化合物等を挙げることができる。
カルボキシ基を有するものとしては、特開2000−66406号公報、特開平9−6001号公報、特開平10−20501号公報、特開平11−338150号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
フェノール性水酸基を有するものとしては、特開2005−346024号公報、特開平10−133366号公報、特開平9−194415号公報、特開平9−222724号公報、特開平11−171810号公報、特開2007−121766号公報、特開平9−297396号公報、特開2003−43679号公報等に記載の化合物を挙げることができる。これらの中でも、ベンゼン環数が2〜10個のフェノール化合物が好適であり、ベンゼン環数が2〜5個のフェノール化合物が更に好適である。特に好ましいものとしては、特開平10−133366号公報に溶解促進剤として開示されているフェノール性化合物を挙げることができる。
(成分I)現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分I)現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、成分A100重量部に対し、0.1〜30重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部であることが特に好ましい。
(成分J)酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分J)酸化防止剤を含有してもよい。
(成分J)酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。(成分J)酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(チバジャパン(株)製)が挙げられる。
(成分J)酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましく、0.5〜4重量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
(成分K)可塑剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分K)可塑剤を含有してもよい。
(成分K)可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分K)可塑剤の含有量は、成分A100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
(成分L)熱ラジカル発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分L)熱ラジカル発生剤を含んでいてもよく、前述の少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物のようなエチレン性不飽和化合物を含有する場合、(成分L)熱ラジカル発生剤を含有することが好ましい。
本発明における熱ラジカル発生剤としては、公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。
熱ラジカル発生剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル発生剤を添加することによって、得られた硬化膜がより強靭になり、耐熱性、耐溶剤性が向上する場合がある。
好ましい熱ラジカル発生剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物、ビベンジル化合物等が挙げられる。
(成分L)熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分L)熱ラジカル発生剤の含有量は、膜物性向上の観点から、成分A100重量部に対し、0.01〜50重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部であることが最も好ましい。
(成分M)熱酸発生剤
本発明では、低温硬化での膜物性等を改良するために、(成分M)熱酸発生剤を使用してもよい。
熱酸発生剤とは、熱により酸が発生する化合物であり、好ましくは熱分解点が130℃〜250℃、より好ましくは150℃〜220℃の範囲の化合物であり、例えば、加熱によりスルホン酸、カルボン酸、ジスルホニルイミドなどの低求核性の酸を発生する化合物である。
発生酸としてはpKaが2以下と強い、スルホン酸や電子求引基の置換したアルキルカルボン酸又はアリールカルボン酸、同じく電子求引基の置換したジスルホニルイミドなどが好ましい。電子求引基としてはフッ素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基を挙げることができる。
また、本発明においては露光光の照射によって実質的に酸を発生せず、熱によって酸を発生するスルホン酸エステルを使用することも好ましい。
露光光の照射によって実質的に酸を発生していないことは、化合物の露光前後でのIRスペクトル、NMRスペクトル測定により、スペクトルに変化がないことで判定することができる。
熱酸発生剤の分子量は、230〜1,000であることが好ましく、230〜800であることがより好ましい。
本発明で使用可能なスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。スルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド乃至はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
熱酸発生剤の感光性樹脂組成物への含有量は、成分A100重量部に対し、0.5〜20重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましい。
(成分N)酸増殖剤
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、(成分N)酸増殖剤を用いることができる。
本発明において用いる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数、pKaとして3以下であることが好ましく、2以下であることが特に好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落0016〜0055、及び、特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、成分B100重量部に対して、露光部と未露光部の溶解コントラストの観点から、10〜1,000重量部とすることが好ましく、20〜500重量部とすることがより好ましい。
(硬化膜の形成方法)
次に、本発明における硬化膜の形成方法を説明する。
本発明における硬化膜の形成方法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて膜を作製し、光及び熱の少なくとも一方を付与して硬化膜を形成する方法であれば、特に制限はないが、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
(3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程
(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程
以下に各工程を順に説明する。
(1)の塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とする。
(2)の溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
(3)の露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射する。この工程では、成分Bが分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、成分A中に含まれる構成単位(a1)中の酸分解性基が分解されて、カルボキシ基が生成する。
酸触媒の生成した領域において、上記の分解反応を加速させるために、必要に応じて、PEB(露光後加熱処理)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシ基生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。
(4)の現像工程では、遊離したカルボキシ基を有する成分Aを、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシ基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成される。
(5)のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、構成単位(a1)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシ基を生成させ、エポキシ基及び/又はオキセタニル基と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜250℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜90分の範囲内とすることが好ましい。
ポストベーク工程の前に活性光線、好ましくは紫外線を、現像パターンに全面照射する工程を加えると、活性光線照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
成分A、成分B、及び、(成分C)溶剤の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。このように調製した感光性樹脂組成物は、孔径0.1μm程度のフィルタ等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<塗布工程及び溶剤除去工程>
感光性樹脂組成物を、所定の基板に塗布し、減圧及び/又は加熱(プリベーク)により溶媒を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。前記の基板としては、例えば液晶表示装置の製造においては、偏光板、更に必要に応じて、ブラックマトリックス層、カラーフィルタ層を設け、更に透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における成分A中の構成単位(a1)において酸分解性基が分解して、かつ、成分Aをアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、70〜120℃で30〜300秒間程度であることが好ましい。
<露光工程>
(3)露光工程では、乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。露光工程の後、必要に応じてPEBを行う。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LED光源、ケミカルランプ、レーザ発生装置などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が用いられ、更に半導体レーザでは375nm、405nmが用いられる。この中でも安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回又は複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm2以上がより好ましく、0.5mJ/cm2以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1,000mJ/cm2以下がより好ましく、100mJ/cm2以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
更に、レーザの周波数は1Hz以上50,000Hz以下であることが好ましい。露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが、市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また、上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
<現像工程>
(4)現像工程では、塩基性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、10.0〜14.0であることが好ましい。
現像時間は、30〜180秒間であることが好ましく、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法、シャワー法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を10〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば、180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜60分間、オーブンならば30〜90分間、加熱処理をすることにより、成分A中の酸分解性基を分解して、カルボキシ基を発生させ、成分A中のエポキシ基及び/又はオキセタニル基である架橋性基と反応して、架橋させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する成分Bから酸を発生させ、架橋を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程との間に、活性光線により再露光する再露光工程を含むことが好ましい。
再露光工程における露光は、前記露光工程と同様の手段により行えばよいが、前記再露光工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。再露光工程の露光量としては、100〜1,000mJ/cm2であることが好ましい。
本発明の有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置や液晶表示装置としては、前記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物及び本発明の硬化膜は、前記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルタの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を絶縁膜、平坦化膜として適用した有機EL表示装置の一例の構成を示す模式的断面図である。
図1に示す有機EL表示装置は、ボトムエミッション型の有機EL表示装置である。
図1中、ガラス基板6上には、ボトムゲート型のTFT1を形成され、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を適用した液晶表示装置の一例を示す構成を示す模式的断面図である。
図2に示す液晶表示装置は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
図2中、液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、前記液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<合成例1>
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸1−エトキシエチル63.3重量部、スチレン20.8重量部、メタクリル酸グリシジル56.8重量部、及び、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、12,000であった。
合成された共重合体の組成比(モル%)を表1に示す。
<合成例2〜25>
使用したモノマー及びその量を変更した以外は、合成例1と同様にして、表1に示す共重合体(A−2)〜(A−21)及び(a−1)〜(a−4)をそれぞれ合成した。合成された各共重合体の組成比(モル%)及びMwは、表1に示した通りである。
Figure 2012108460
表1中の略号は以下の通りである。
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル
MACHOE:1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
α−St:α−メチルスチレン
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
DCPM:メタクリル酸(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)(東京化成工業(株)製)
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業(株)製)
PME:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーPME−200)
BzMA:ベンジルメタクリレート
PMI:N-フェニルマレイミド
MATHP:テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート
(実施例1〜32及び比較例1〜12)
表2に記載した量(固形分)を、固形分濃度が20重量%となるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=1:1(重量比)の混合溶剤に溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、実施例1〜32及び比較例1〜12の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2012108460
表2中の各成分における使用量の単位は、重量部である。
表2中の略号は、以下の通りである。
Figure 2012108460
b3:IRGACURE PAG103(BASF社製)
Figure 2012108460
b4:4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート
b5:PAI−1001(みどり化学(株)製)
Figure 2012108460
D1:JER−157S70(多官能ノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200〜220g/eq)、ジャパンエポキシレジン(株)製)
E1:ジアザビシクロウンデセン
F1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業(株)製)
G1:PolyFox PF−6320(フッ素系界面活性剤、OMNOVA社製)
G2:下記構造の化合物W−3
Figure 2012108460
G3:ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(KF−6012、信越化学工業(株)製)
H1:ジブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)製)
得られた実施例1〜32及び比較例1〜12の感光性樹脂組成物を、以下の評価方法により、それぞれ評価した。評価結果を表4にまとめて示す。
<ドライエッチング耐性の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で加熱により溶剤を除去し、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が100mJ/cm2(照度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。該硬化膜をドライエッチング装置「CDE−80N((株)芝浦メカトロニクス製)」を用い、エッチングガスとしてCF4 50ml/分、O2 10ml/分、出力400mW、エッチング時間90秒の条件でドライエッチングを行い、処理前後の膜厚を測定しドライエッチングによる膜減り量を計算した。なお、評価基準は下記の通りである。A〜Cが実用範囲で、Dは実用不可である。
A:0.2μm未満
B:0.2μm以上0.4μm未満
C:0.4μm以上0.8μm未満
D:0.8μm以上
<表面荒れの評価>
原子間力顕微鏡(AFM)を用いてエッチング耐性を評価した基板の表面(感光性樹脂組成物層の表面)の表面粗さ(Ra、単位nm)を測定した。数値が小さいほど表面が平滑なことを表す。
下記基準でランク付けした。A〜Cが実用範囲でDは実用不可である。
A:2.0nm未満
B:2.0nm以上4.0nm未満
C:4.0nm以上7.0nm未満
D:7.0nm以上
<液晶表示装置における表示ムラ評価>
特許3362008号公報に従い、実施例及び比較例の各感光性樹脂組成物を層間絶縁膜として用いて液晶表示装置をそれぞれ作製した。
作製した液晶表示装置に灰色を表示させ、ムラの有無を目視で観察し、以下の基準で評価した。
1:ムラが観察されない。
2:ムラが僅かに観察される(許容範囲)。
3:ムラが観察される(許容できない)。
<感度の評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、所定のマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性組成物層を、アルカリ現像液(0.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
これらの操作により15μmのラインアンドスペースを1:1で解像する時の最適i線露光量(Eopt)を感度とした。なお、評価基準は下記の通りである。A及びBが実用上問題のないレベルである。
A:50mJ/cm2未満
B:50mJ/cm2以上80mJ/cm2未満
C:80mJ/cm2以上
Figure 2012108460
本発明の感光性樹脂組成物によれば、ドライエッチング耐性に優れ、表面荒れが少ない硬化膜が得られる。
一方、比較例における各感光性樹脂組成物のように、成分Aの構造や成分Bの構造が、本発明と僅かでも異なるとドライエッチング耐性と表面荒れ抑制性とを両立できないことが分かる。
また、本発明の感光性樹脂組成物から作製した層間絶縁膜を有する表示装置は、高品位な表示が可能であることが分かった。
一方、比較例における各感光性樹脂組成物では、ドライエッチング耐性や表面の平滑性が不足し、満足な表示装置が得られないことが分かった。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、高感度であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスタ)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルタ

Claims (11)

  1. (成分A)式(a1)〜式(a3)で表される構成単位を少なくとも有する共重合体、
    (成分B)式(B)で表されるオキシムスルホネート化合物、及び、
    (成分C)溶剤を含有することを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
    Figure 2012108460
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基を表し、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
    Figure 2012108460
    (式中、RB1はトリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表し、RB2は炭素数1〜8のアルキル基、p−トルイル基、カンホリル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表す。)
  2. 化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記R2が、エチル基又はシクロヘキシル基である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記RB1が、ノナフルオロブチル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記RB2が、メチル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (1)請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する乾燥工程、
    (3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、
    (4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、
    (5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、
    を含む硬化膜の形成方法。
  7. 前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含む、請求項6に記載の硬化膜の形成方法。
  8. 請求項6又は7に記載の方法により形成された硬化膜。
  9. 層間絶縁膜である、請求項8に記載の硬化膜。
  10. 請求項8又は9に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置。
  11. 請求項8又は9に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
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