JP2012108208A - 金属プレートおよびその金属プレートを用いた発光表示装置 - Google Patents
金属プレートおよびその金属プレートを用いた発光表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】裏面からの発光が無いときは、孔が目立つことがなく、裏面からの発光が広角度で確認できる金属プレートとその金属プレートを用いた発光表示装置を提供する。
【解決手段】金属プレート1に複数の凹部2を設け、凹部2に50μm以下の貫通孔3を複数設け、その貫通孔3の厚さは、貫通孔3の径の3倍以上、15倍以下であり、少なくとも凹部2及び貫通孔3に透明性樹脂4を充填した。
【選択図】図1
【解決手段】金属プレート1に複数の凹部2を設け、凹部2に50μm以下の貫通孔3を複数設け、その貫通孔3の厚さは、貫通孔3の径の3倍以上、15倍以下であり、少なくとも凹部2及び貫通孔3に透明性樹脂4を充填した。
【選択図】図1
Description
携帯電話や情報端末、電子ゲーム機、時計などに用いる発光表示装置で、消灯している時は表示装置としては見えにくくし、表示装置を点灯した時のみ、その点灯した部分がその表示内容を確認できるようにした金属プレートに関するものである。特に、表示内容は時間などの数字や簡単な記号・文字を表示する金属プレートに関するものである。
従来から、発光表示装置に用いるプレートの加工法としては、透明板又は透明樹脂の成形品内側に、必要部分のみを塗装で隠蔽し、その必要部分のみを水で剥離させる方法、初期の水性樹脂ではなく、レーザーで隠蔽樹脂を焼いて取り去る方法があった。しかし、この方法では、大きな孔しか開けにくく、隠蔽性も不完全で、光が周囲にも及んで、表示内容が見にくかった。また、レーザーでは小さく孔を開けられるが周囲の隠蔽性が悪く、全体にぼやけて光ってしまうという問題点があった。
また、透明樹脂の板の裏面に孔の開いた印刷をする方法では、大きな孔しか開け難く、孔が小さいとインキの滲みがあり、隠蔽も不完全で、全体がぼやけた表示になってしまう問題があった。
また、プレス金型によりピンで金属板を抜く方法があるが、この方法では要望に合致した孔を得るためのピンは細くなってしまい、ピン自体が破損して生産性が向上しない。そして、得られた金属板を発光しない状態で表面から見ても、孔があるのがはっきり見えてしまうとともに、孔にバリが発生し易い問題点があった。
また、金属板をエッチングで加工して孔開けする方法では、金属板の厚み程度に大きな孔が開き、孔が目立ってしまうという問題点がある。また、金属板に対してドリル加工を施して孔を開ける点が特許文献1に示されているが、やはり同様に大きな孔が開き、孔が目立ってしまうものとなる。
また、微小な貫通孔を開けることができる金型を用いて射出成型して微小な孔を有した非透明樹脂の板を得る方法もあるが、この方法ではウエルドが多数発生し、孔もφ0.3mm程度の大きなものとなってしまい、孔が目立ってしまうプレートとなってしまう。そして、開孔する周囲全体を薄くするとプレート自体の強度が低下してしまうという問題が発生してしまう。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、裏面からの発光が無いときには、孔が目立つことがなく、裏面からの発光が広角度で確認できる金属プレートおよびその金属プレートを用いた発光表示装置を提供するものである。
上記問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、金属プレートに複数の凹部を設け、前記凹部に径が50μm以下の貫通孔を複数設けており、前記貫通孔の厚さは、前記貫通孔の径の3倍以上、15倍以下であり、少なくとも前記凹部及び前記貫通孔に透明性樹脂が充填されていることを特徴とする金属プレートであり、この金属プレートを提供して上記問題を解決するものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記透明性樹脂は、前記金属プレートの表面の貫通孔先端から前記貫通孔の径の2倍未満の位置まで充填され、かつ、前記貫通孔から非突出状態とされていることを特徴とする請求項1に記載の金属プレートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記貫通孔は、金属プレートの表面側の貫通孔径を10μm以上とし、金属プレートの表面側の貫通孔径が該金属プレートの内面側の貫通孔径より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の金属プレートである。
また、請求項4に記載の発明は、前記金属プレートに用いる金属として、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金のいずれかを用いられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の金属プレートである。
また、請求項5に記載の発明は、透明性樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、透明ABS樹脂、UV硬化樹脂の何れかを用いられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の金属プレートである。
また、請求項6に記載の発明は、前記凹部がアンダーカット形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の金属プレートである。
また、請求項7に記載の発明は、金属プレートの表面にヘアライン加工とシボ加工との少なくとも一つが施されている請求項1から6に記載の金属プレートである。
また、請求項8に記載の発明は、凹部の周辺を薄肉にし、薄肉にした個所に透明性樹脂を充填してなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の金属プレートに関するものである。
また、請求項9に記載の発明は、細密充填、又は碁盤目状に配置した発光ダイオードの位置に合わせ、前記金属プレートの凹部を設け、前記凹部に貫通孔を設け、貫通孔の数を、一つの発光ダイオード用凹部当たり、4個以上、50個以下にしたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の金属プレートを使用した発光表示装置である。
本発明によれば、裏面からの発光が無いときには、貫通孔が目立たなく、また、裏面からの発光があるときには、光が貫通孔を通過し、さらにその光は広角度で確認できるという優れた効果を奏するものである。
つぎに本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の金属プレート1は、図示のように複数の凹部2が設けられて、該凹部2に50μm以下の貫通孔3を複数設けている。そして前記貫通孔3の厚さが貫通孔3の径の3倍以上で15倍以下とされているものであり、且つ、少なくとも前記凹部2及び貫通孔3に透明性樹脂4が充填されているものである。そして、図1は、前述した金属プレート1に貫通孔加工を施した状態を示していて、貫通孔加工を施す範囲は、適宜変更することができる。
本発明の金属プレート1は、図示のように複数の凹部2が設けられて、該凹部2に50μm以下の貫通孔3を複数設けている。そして前記貫通孔3の厚さが貫通孔3の径の3倍以上で15倍以下とされているものであり、且つ、少なくとも前記凹部2及び貫通孔3に透明性樹脂4が充填されているものである。そして、図1は、前述した金属プレート1に貫通孔加工を施した状態を示していて、貫通孔加工を施す範囲は、適宜変更することができる。
上記金属プレート1には、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金のいずれかを素材とする金属板が用いられる。特に、この中でも加工性の観点から、アルミニウムやアルミニウム合金を素材とする金属板を使用することが好ましい。金属板の厚さは0.5mm以上、2mm以下が好ましい。その理由は、0.5mmより薄いと、その金属板をフライスで加工するときに変形し、不良率が上がるためである。また、2mmより厚いと、薄くするまでの加工に時間がかかり、その加工で熱変形するという問題が出易いためである。エッチングする方法もあるが、その場合、厚いと加工時間が長くかかり、生産性が低下することになる。
金属プレート1の表面にヘアライン加工、シボ加工、ブラスト加工の少なくとも何れかの加工を施すことが好ましい。金属プレート1の貫通孔加工を施した際に、貫通孔3が目立たなくなる効果が生じるためである。ヘアライン加工、シボ加工、ブラスト加工は、平均表面粗さRaを8ミクロンメータ以上にすると、本金属プレート1を配した発光表示装置の消灯時には貫通孔3がより目立たなくなる。表面粗さは、例えば、(株)東京精密のサースコムの130Aなどで測定できるものである。
図2(a)は、凹部2を拡大して示すものであって、図2(b)はその断面を示している。後述するが、図示されているように凹部2の中に貫通孔3が形成されている。凹部2の形成はフライスやマシニングによる切削加工法や、エッチング法などを用いて行なうことができる。特にこの中でも、生産性と精度の観点から、切削加工を採用することが好ましい。また、凹部2をアンダーカットの形状にすることで、後述する透明性樹脂4を金属プレート1の裏面側から形成した際に、透明性樹脂4と金属プレート1とが物理的に離れないようになる。
上記凹部2の直径(φA)は、金属プレート1を配する発光表示装置に用いる発光ダイオードの径に合わせた大きさにすることができる。これにより、隣接する発光ダイオードからの光の遮断も兼ねた境界となるので、前記凹部2の直径は、発光ダイオードの配設ピッチから、安定して壁になる厚み分を差し引いた値より小さく、発光ダイオードの先端径と同等か、より大きい値にする。
図3(a)は、凹部2を拡大してその凹部2にある貫通孔3の配置を示すもので、図3(b)はその断面を示している。貫通孔3の形成は、レーザー加工や切削、プレス法を用いて行なうことができる。特に、この中でも、生産性や耐久性の観点から、レーザー加工(例えば、炭酸ガスレーザー)を使用することが好ましい。
図4においてφBは貫通孔3の孔径である。貫通孔3の孔径は、金属プレート1の表面側に近づくほど小さくなるように設けられている。即ち、略テーパー状とされていて3°近くにするのが好ましい。テーバー形状にする理由を以下に説明する。
射出成形するに際し、樹脂が流れる流路の大きさとその流れる距離には一定の比率があり、しかも貫通孔3で樹脂が入り難い点で生産性が悪いという問題あるので、金属プレート1の裏面側の貫通孔3の孔径を大きくして充填し易くする必要がある。また、金属プレート1の表面側では、貫通孔3の孔径を小さくして、透明性樹脂4が射出成形で充填されるときに、その透明性樹脂4が先端まで行き過ぎて表面側に出てしまうと、傷のようにはっきり目立ってしまうので、表面に樹脂が出ることを起き難くする必要がある。即ち、充填し易く、且つ、充填し過ぎることなく、生産性を向上させる上でテーパー形状が好ましい。一方、透明性樹脂4は貫通孔3から非突出状態とする条件の下で、金属プレート1の表面の貫通孔先端から貫通孔3の径の2倍未満の位置まで充填されることが好ましく、このようにすることで、後述するように発光ダイオードから出た照明の光が充填された樹脂部分で光輝する状態を、金属プレート1を正面からだけでなく、大きく傾けてもその光輝する光を十二分に確認できる。なお、透明性樹脂が金属プレート1の表面の貫通孔先端から貫通孔3の径の2倍未満の位置までに達しない充填状態の場合には、発光ダイオードにより照明されている金属プレート1の表面側を側方から見て前記光輝する点が確認できる角度がやや浅くなる。
その金属プレート1の表面側の貫通孔の径は0.01mm以上、0.15mm以内が好ましい。それは、孔径が0.01mmより小さいと、加工するレーザー光の径が小さすぎてエネルギーが保ち難く、加工機が特殊になってしまうためである。また、加工した孔(貫通孔3)を光が通過しても、光量が少なくて見え難く、また、後述するように透明性樹脂4が入り込めないためである。孔径が0.15mmより大きいと発光表示装置側の光源が点灯していなくても貫通孔3が目立ってしまい、加飾効果が低減するためである。
レーザー光は、炭酸ガスレーザー、アルゴンイオンレーザー、エキシマレーザー、高調波化したYAGレーザーなどが使用できる。上述のように金属プレート1の裏面側の貫通孔径は表面側の貫通孔径より大きくして、勾配を付け、透明性樹脂4が入り易くしておく必要がある。貫通孔3の孔径の測定は、通常、マイクロゲージの付いたテーブルを持つ光学顕微鏡を用いて行なえばよい。
本発明に使用する透明性樹脂4としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、透明ABS樹脂、UV硬化樹脂を挙げることができる。特に、この中でも耐熱性や強度、生産性の観点から、ポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。
透明性樹脂4は、貫通孔3を開けた金属プレート1を金型内に挿入し、金属プレート1の裏面側から、射出成型法によって裏面の凹部2全体及び、貫通孔3の先端近傍まで充填することができる。このとき、アンダーになっている凹部2のため、通常のピンポイントゲートでの成形が可能であるので、非常に生産性が高い。即ち、単に射出成形し、そのまま型開きするときにゲートが切れて、貫通孔3に入った透明性樹脂4はそのまま貫通孔3に残り、何ら特別な後加工などを施さなくとも、求める製品ができる。透明性樹脂4を貫通孔3における金属プレート1の表面側の端部の近くまで充填させるのは、射出成形の樹脂圧、金型・金属プレートの温度管理などで管理する。エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂の場合は、粘性が低く充填し易いが、貫通孔表面から出易い問題があり、その出てしまった樹脂をふき取るなどの人手の掛かる生産になってしまう可能性があり、製品のばらつきが出易い問題があるが、逆に孔径を小さくする場合には有利である。
透明性樹脂4に拡散剤を含有させることができる。拡散剤としては、シリカ、ガラス粉末、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどの無機粉末や、イソブチルアクリレート、ビニル共重合体などの有機材料の粉末も採用できる。
この貫通孔3は、1つの発光ダイオード当たり、4個以上、50個以下で設けるのが好ましい。4個未満では光が通過する総量が足りないので暗くなり、目立たない問題が生じる。また、50個より多いと貫通孔3を形成する加工時間がかかり、生産の安定性が保てなくなるばかりでなく、全体にぼんやりとしたものになってしまうという問題がある。
貫通孔3の厚さ(D)は、貫通孔3の孔径の3倍以上、15倍以内が好ましい。3倍未満だと貫通孔3の加工時に耐え得る強度を保てない。また、15倍より大きいと、貫通孔加工の形成時間がかかり、金属プレート1の全体の熱が発生し、貫通孔3が変形し易い。
金属プレート1の表面について、(a)ヘアライン加工、(b)エッチング加工によるシボ加工、(c)GC(角のある砂)を吹き付けて表面に凹凸を付けるブラスト加工などで、平均表面粗さを5〜10μmにすると、この金属プレート1を配した発光表示装置の光源部分を消灯した時、貫通孔3がより目立たなくなる。
図8と図9は、発光ダイオード7を光源とする部分に上述の金属プレート1を対応させて組み付けた発光表示装置5を示している。この発光表示装置5は、金属プレート1の上記凹部2と発光ダイオード7とを対応させて設けられており、発光ダイオード7が発光することでその光が凹部2の上記貫通孔3を通って金属プレート1の表面、即ち、発光表示装置5の表面で光輝して目視できるように設けられているものである。この発光ダイオード7を光源として有する発光表示装置5を、例えば携帯電話などの携帯型の電子機器に備えることによって、普段は発光ダイオードの発光がなされない状態では、金属プレートの高級な輝きでしか感じないものが、発光ダイオードが発光すれば貫通孔の表面側の部分を光輝するがごとく見えるようになり、電子機器の状態に関する何らかの情報を表示するために用いることができる。例えば、携帯電話に備えたことにより文字や時間、キャラクターなど表示機能として使える。
上記実施の例では金属板に対して掘り下げを行なってからその掘り下げ部分に対して凹部2を設けていて、凹部2の周辺を薄肉にし、この薄肉にされた掘り下げの領域をも樹脂充填される領域としているが、本発明はこの例に限定されるものではなく、必要に応じて掘り下げをすればよい。図10と図11とはその掘り下げを行なわずに凹部2を設け、その凹部2それぞれに貫通孔3を設けた金属プレート1を示している。
この例での金属プレート1は、素材となる金属板として、例えば、ステンレス板を使用するものであり、この金属板に、2mm間隔の碁盤目状配置の発光ダイオードの位置に合わせ、フォトレジスト手法を用いて複数の凹部2を形成している。そして、その凹部2それぞれに、例えば炭酸ガスレーザーを金属板の表面側から用いて碁盤目状に貫通孔3を5行5列の25個ずつ開けているものである。この例の場合、金属プレート1の裏面側で径が0.035mm、金属プレート1の表面側で径が0.024mmの貫通孔3が開口されており、この貫通孔3は、テーパー状とされて、テーパーの角度として3.2°の傾斜を持った孔としている。
そして、上記金属プレート1の裏面に、2液硬化型透明ウレタン樹脂を塗工し、スキージーで掻いて、透明性樹脂4を貫通孔3に流し入れて、貫通孔3の表面側においてその透明性樹脂4がほぼ平坦になるように設けられているものである。(図11参照)
つぎに本発明に係る金属プレートとして以下の実施例1、2を作製するとともに、これに対する以下に示す比較例1,2,3を作製し、それぞれ上記発光表示装置の形態にして評価を行なった。
(実施例1)
(1)厚さ1mmのアルミニウム板を使用し、予め表面側は、ヘアライン加工にて表面粗さRa10μmで加工しておき、アルマイト処理して、焦げ茶色に着色の化粧を行なっておいた。アルミニウム板の裏面側をフライスで、発光ダイオード挿入部のみ、全体を0.3mm掘り下げた。
(1)厚さ1mmのアルミニウム板を使用し、予め表面側は、ヘアライン加工にて表面粗さRa10μmで加工しておき、アルマイト処理して、焦げ茶色に着色の化粧を行なっておいた。アルミニウム板の裏面側をフライスで、発光ダイオード挿入部のみ、全体を0.3mm掘り下げた。
(2)さらに、2mm間隔の碁盤目状に配置した発光ダイオード(発光表示装置での光源を構成する発光ダイオード)の位置に合わせ、φ1.2mmの凹部をマシニングで、エンドミルを使用して0.4mm掘り下げた。この時、マシニングに使用するエンドミルの加工後、さらに側フライスで、入口がφ1.2mm、奥がφ1.4mmに広げて加工し、この凹部分(凹部2)に、次の樹脂成形部分を加工した時に、樹脂部分が抜けないようにした。(図5、図6)
(3)つぎに、φ0.024mmに絞った炭酸ガスレーザーで、(2)で加工した凹部に0.15mmの間隔で、表面側から碁盤目状に孔を5行5列の25個ずつ開けた。(図7参照)
(4)この結果、金属プレート1の裏面側で径が0.040mm、金属プレート1の表面側で径が0.024mmの貫通孔3が開口された。したがって、この貫通孔3は、テーパー状とされて、テーパーの角度として3.1°の傾斜を持った孔となった。(図4参照)
(5)(4)の金属プレート1を成形金型に挿入し、4点のピンゲートでポリカーボネート樹脂(透明性樹脂:帝人化成(株)パンライトAD−5503)を射出した。この時、成形条件を調整して、透明性樹脂4が貫通孔3の表面側から0.02mmになるようにした。(図4参照)
(6)上記金属プレート1を取り付ける発光表示装置5における光源部分は次の構成とした。発光ダイオード7を載せる基板6として、予め、2mm間隔の碁盤目状に配置できるよう、発光ダイオードを固定した基板を作成した。この基板6に対し、発光ダイオード7の発光向きが垂直となるように設定した。発光ダイオード7の光は、拡散せず、集光したように向きが揃っている為、この基板の発光ダイオードの先端位置と本発明の貫通孔3をする金属プレート1の位置とをほぼ平行にZ方向で1mmの間隔を隔てて設置した。そして、金属プレート1の貫通孔3が開けられた凹部2と発光ダイオードのX,Y方向の位置が合わせるように調整した。
この発光ダイオードは点による文字を表示することによって、判読できる数字や文字、記号を表示し、携帯電話を閉じたままで、着信状況や、時間などの情報を提示できるようにするのが目的なので、配置した発光ダイオードひとつひとつがプログラムに則って点灯、消灯、点滅し、この動作を各々の受信状況によって表示できるように制御されるものとした。
(実施例2)
(1)厚さ0.4mmのステンレス板を使用した。2mm間隔の碁盤目状に配置した発光ダイオード(発光表示装置での光源を構成する発光ダイオード)の位置に合わせ、ステンレス板の裏面側にレジスト印刷して、発光ダイオードを配置する位置に合わせた指定位置にのみφ1.1で、レジストが覆わないようにさせ、エッチングにより、発光ダイオードの光を取入れ部分全体を0.2mm掘り下げて、凹部2を形成した。
(1)厚さ0.4mmのステンレス板を使用した。2mm間隔の碁盤目状に配置した発光ダイオード(発光表示装置での光源を構成する発光ダイオード)の位置に合わせ、ステンレス板の裏面側にレジスト印刷して、発光ダイオードを配置する位置に合わせた指定位置にのみφ1.1で、レジストが覆わないようにさせ、エッチングにより、発光ダイオードの光を取入れ部分全体を0.2mm掘り下げて、凹部2を形成した。
(2)つぎに、φ0.024mmに絞った炭酸ガスレーザーで、実施例1で加工した凹部2と同じように0.15mmの間隔で、表面側から碁盤目状に孔を5行5列の25個ずつ開けて貫通孔3を形成した。(図7参照)
(3)この結果、金属プレート1の裏面側で径が0.035mm、金属プレート1の表面側で径が0.024mmの貫通孔3が開口された。したがって、この貫通孔3は、テーパー状とされて、テーパーの角度として3.2°の傾斜を持った孔となった。(図4参照)
その後、表面側は、ブラスト加工にて表面粗さRa8μmで加工しておき、その後、赤の焼付け塗装しておいた。
その後、表面側は、ブラスト加工にて表面粗さRa8μmで加工しておき、その後、赤の焼付け塗装しておいた。
(4)(3)の金属プレート1の裏面に、2液硬化型透明ウレタン樹脂を塗工し、スキージーで掻いて、透明性樹脂4を貫通孔3に流し入れた。この時、貫通孔3から出てきた透明性樹脂は洗浄剤で湿らせた布で拭取り、凸形状がないほぼ平坦になるようにした。(図11参照)
(5)上記金属プレート1を取り付ける発光表示装置本体における光源部分は次の構成とした。発光ダイオードを載せる基板は、予め、2mm間隔の碁盤目状に配置できるよう、発光ダイオードを固定した基板を作成した。この基板に対し、発光ダイオードは発光向きを垂直に設定した。発光ダイオードの光は、拡散せず、集光したように向きが揃っている為、この基板の発光ダイオードの先端位置と本発明の貫通孔3を有する金属プレート1の位置とをほぼ平行にZ方向で0.5mmの間隔を隔てて設置した。そして、金属プレート1の貫通孔3が開けられた凹部2と発光ダイオードのX,Y方向の位置が合わせるように調整した。
この発光ダイオードは点による文字を表示することによって、判読できる数字や文字、記号を7色に変化して表示し、携帯電話を閉じたままで、着信状況や時間などの情報を提示できるようにするのが目的であり、配置した発光ダイオード一つひとつがプログラムに則って点灯、消灯、点滅し、この動作を各々の受信状況によって表示できるように制御されるものとした。
(評価)
実施例1と実施例2の金属プレート1を用いた発光表示装置の金属プレート1を表面側から確認すると、貫通孔3の孔はほとんど目立たなく、加工を知らない人に見せても気がつかなかった。しかし、発光表示装置の裏面側に配した発光ダイオードで照明したところ、金属プレート1を正面からだけでなく、80°、82°傾けても、照明の状態がはっきりと確認できた。
実施例1と実施例2の金属プレート1を用いた発光表示装置の金属プレート1を表面側から確認すると、貫通孔3の孔はほとんど目立たなく、加工を知らない人に見せても気がつかなかった。しかし、発光表示装置の裏面側に配した発光ダイオードで照明したところ、金属プレート1を正面からだけでなく、80°、82°傾けても、照明の状態がはっきりと確認できた。
(比較例1)
実施例1における(2)の発光ダイオードの位置に合わせた径が1.2mmの凹部を加工しないで、貫通孔を設けただけの金属プレートを作成した。
実施例1における(2)の発光ダイオードの位置に合わせた径が1.2mmの凹部を加工しないで、貫通孔を設けただけの金属プレートを作成した。
(比較例2)
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形しないで、凹部と貫通孔だけを開けた金属プレートを作成した。
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形しないで、凹部と貫通孔だけを開けた金属プレートを作成した。
(比較例3)
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形して、貫通孔の表面側から透明性樹脂が飛び出たプレートを作成した。
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形して、貫通孔の表面側から透明性樹脂が飛び出たプレートを作成した。
(比較例4)
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形して、貫通孔の表面側から0.050mmに樹脂先端が引っ込んだ金属プレートを作成した。
実施例における(5)の貫通孔の裏側から透明性樹脂(ポリカーボネート樹脂)を射出成形して、貫通孔の表面側から0.050mmに樹脂先端が引っ込んだ金属プレートを作成した。
パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどの受信通知表示や、メール通知、その他、これらに加え、テレビ、ビデオカメラなど、電器製品のON/OFF確認用や各種機能の表示、時間表示などにも使用できる。
1…金属プレート
2…凹部
3…貫通孔
4…透明性樹脂
5・・・・発光表示装置
6・・・・基板
7・・・・発光ダイオード
2…凹部
3…貫通孔
4…透明性樹脂
5・・・・発光表示装置
6・・・・基板
7・・・・発光ダイオード
Claims (9)
- 複数の凹部が設けられて、該凹部に径が50μm以下の貫通孔を複数設け、前記貫通孔の厚さが前記貫通孔の径の3倍以上で15倍以下とされて、少なくとも前記凹部及び前記貫通孔に透明性樹脂が充填されていることを特徴とする金属プレート。
- 前記透明性樹脂は、前記金属プレートの表面の貫通孔先端から前記貫通孔の径の2倍未満の位置まで充填され、かつ、前記貫通孔から非突出状態とされている請求項1に記載の金属。
- 前記貫通孔は、金属プレートの表面側の貫通孔径を10μm以上とし、金属プレートの表面側の貫通孔径が該金属プレートの内面側の貫通孔径より小さいものである請求項1または2に記載の金属プレート。
- 前記金属プレートに用いる金属として、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金のいずれかが用いられている請求項1から3のいずれか一項に記載の金属プレート。
- 透明性樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、透明ABS樹脂、UV硬化樹脂の何れかが用いられる請求項1から4のいずれか一項に記載の金属プレート。
- 前記凹部がアンダーカット形状である請求項1から6のいずれか一項に記載の金属プレート。
- 金属プレートの表面にヘアライン加工とシボ加工との少なくとも一つが施されている請求項1から6に記載の金属プレート。
- 凹部の周辺を薄肉にし、薄肉にした個所に透明性樹脂が充填されている請求項1から7のいずれか一項に記載の金属プレート。
- 細密充填、又は碁盤目状に配置した発光ダイオードの位置に合わせ、前記金属プレートの凹部を設け、前記凹部に貫通孔を設け、貫通孔の数を、一つの発光ダイオード用凹部当たり、4個以上、50個以下にした請求項1から8のいずれか一項に記載の金属プレートを使用した発光表示装置。
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