JP2012107833A - 貯蔵庫の扉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却庫本体10に形成された前面開口部13の側縁には、断熱扉15が縦軸回りの揺動開閉可能に支持されている。前面開口部13の上縁部14には、閉鎖された断熱扉15の揺動端部の上方に対応する位置に支持板30が設けられ、この支持板30には押え板40が上下方向の弾性撓み可能に取り付けられて、この押え板40にボールキャスタ50が下向きに取り付けられている。断熱扉15の上面16の揺動端部には、当該断熱扉15が閉鎖した場合にボールキャスタ50のボール55が嵌る嵌合凹部60が形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、安価に製造できる簡易ロック機構を備えた扉装置を提供するところにある。
ボールの押圧力を調整するに当たっては、既存のボールキャスタを使用したままで、押え板の弾性力を変えることで対応できる。またボールキャスタの配設構造についても、ボールキャスタを押え板にねじ止めで固定し、押え板も支持部材にねじ止めで固定できる、といったようにねじ止めのみで対応することが可能であり、その結果、安価に対応することができる。
(1)前記支持部材は、前記前面開口部の上縁において手前側に水平に突出する形態で設けられた支持板によって形成され、この支持板には窓孔が開口されかつ突出端縁には取付板が立ち上がり形成されているとともに、前記ボールキャスタを下向きに取り付けた前記押え板の手前側の端縁が前記取付板に片持ち状に取り付けられ、前記ボールキャスタの前記ボールが前記支持板の前記窓孔を通してその下面側に突出している。
押え板の取付高さによっては、押え板の奥端が斜め上方に傾いた姿勢で、ボールキャスタのボールを嵌合凹部に押し付けて嵌めた状態となり、この状態では、扉に対して前面開口部に押し付けられる方向の力が作用することで、扉の密着度をさらに高めることができる。
スペースの広い手前側からねじ止め作業を行うことで、押え板を支持板に取り付けることができ、押え板の取付作業を能率良く行うことができる。
長孔状の挿通孔を利用して押え板の取付位置を水平方向にずらすことが可能であり、仮に扉の支持位置が間口方向にずれた場合にも、押え板に固定されたボールキャスタのボールと、扉側の嵌合凹部との位置合わせを行うことができる。
鋭角に立ち上がった補助の被取付板を支持板の取付板に当ててねじ止めすると、押え板の奥端が斜め上方に傾いた姿勢で予め取り付けられ、扉が閉鎖されてボールキャスタのボールが扉の嵌合凹部に嵌って押し付けられた場合、扉に対して前面開口部に押し付けられる方向の力が作用し、扉の密着度が高められる。
逆に、鈍角に立ち上がった補助の被取付板を支持板の取付板に当ててねじ止めすると、押え板の奥端が斜め下方に傾いた姿勢で予め取り付けられ、扉が閉鎖されてボールキャスタのボールが扉の嵌合凹部に嵌って押し付けられた場合、扉に対して前面開口部から離れる方向の力が作用し、扉の密着度が弱められる。
(7)前記扉における前記嵌合凹部が形成された揺動端側の上面が、裏面側に向けて下り勾配となった傾斜面として形成されている。ボールキャスタのボールが扉の揺動端側における裏面の角部から上面に乗り上げる際の掛かり代が少なくて済み、同角部が摩耗し難くなって耐久性が向上する。
(8)前記扉の上面の揺動端部に形成された前記嵌合凹部が、前記扉の横幅方向に沿った横長形状に形成されている。扉の支持位置が間口方向にずれた場合にも、押え板に固定されたボールキャスタのボールが、扉側の嵌合凹部に嵌ってロックされることが担保される。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。この実施形態1では、急速冷却庫の扉装置に適用した場合を例示している。
急速冷却庫の全体構造を図1によって説明すると、機械室11の上面に冷却庫本体10(以下、単に本体10という)が載置され、機械室11の底面に配された脚12によって支持されている。
図4及び図5に示すように、断熱扉15の裏面の周縁にはマグネットパッキン17が装着されているとともに、前面開口部13の周縁部にはマグネット18が埋設されており、断熱扉15の閉鎖時には、マグネットパッキン17が前面開口部13の周縁部に吸着されて密着し、前面開口部13を密閉するようになっている。
基本的な冷却運転は、冷凍装置(圧縮機)と冷却ファン22とが駆動されることで行われ、これにより、収納室25の空気が冷却ユニット20における収納室25と対向した表面側から冷却ユニット20内に吸引されて冷却器21を通過する間に冷気が生成され、冷却ユニット20の背面から吹き出された冷気が、庫内の左側壁に当たって手前と奥に分かれて冷却ユニット20の手前側と奥側の側面に回り込んだのち、収納室25に送り込まれるといった循環流を生じ、これによりトレイ等に入れられて棚26上に収納された食品が急速冷却されるようになっている。
本体10の前面開口部13の上縁部14には、後記するボールキャスタ50を支持するための金属板製の支持板30(本発明の支持部材に相当)が配設されている。支持板30は、前面開口部13の横幅寸法(間口)よりも少し大きい長さ寸法を持った帯状をなし、その奥縁側に立ち上がり形成された取付板31が、前面開口部13の上縁部14におけるマグネット18の埋設位置の上方位置に当てられて、長さ方向に沿った複数箇所をねじ32で止めることによって固定されている。
言い換えると支持板30は、図5に示すように、閉鎖された断熱扉15の上面16の所定寸法上方位置において、前面開口部13の上縁部14から手前側に水平姿勢で突出しており、その突出端縁は、同断熱扉15の表面の少し奥側の位置に達している。支持板30の突出端縁には、上記した奥側の取付板31よりも背の低い取付板34が、直角曲げされて立ち上がり形成されている。
また押え板40には、後記するように支持板30に対して取り付けられた場合における窓孔35と同心に対応する位置に、円形の取付孔44が開口されている。この取付孔44は、ボールキャスタ50の半球形の本体51が嵌合可能な大きさである。
この状態において、支持板30の取付板34に形成された各挿通孔37に、それぞれねじ36が前方から通されて、裏側の被取付板41のねじ孔42に締め込まれて固定されることにより、押え板40は、支持板30の取付板34に固定された手前側の端縁を中心に、奥端側が上下方向に撓み変位可能な片持ち状に取り付けられる。
ここで、押え板40の下面からボールキャスタ50のボール55の下面まで寸法が、押え板40の下面から断熱扉15の上面16に凹み形成された嵌合凹部60の底までの寸法よりも少し大きくなるように設定されている。
なお、本体10の上面には、上記した支持板30の上方を覆い隠すようにしてカバー10Aが被着されている。
断熱扉15が閉鎖されてその終盤に到ると、押え板40は手前側の端縁を中心として奥端が持ち上げられるように弾性撓みしつつ、ボールキャスタ50のボール55が断熱扉15の揺動端部の上面16に乗り上げ、図5に示すように、マグネットパッキン17がマグネット18に吸着されて密着した正規位置に閉鎖されると、押え板40は奥端が下がるように復元変位しつつボール55が嵌合凹部60に嵌って押し付けられ、簡易的なロックが掛かる。これにより、断熱扉15の前面開口部13に対する密着度がより高められる。
また、スペースの広い手前側からねじ止め作業を行うことで、押え板40を支持板30に取り付けることができ、押え板40の取付作業を能率良く行うことができる。
図6は本発明の実施形態2を示す。この実施形態2では、実施形態1と比べて、押え板40の取付高さに変更が加えられている。
具体的には、押え板40の支持板30に対する取付位置が、押え板40の下面と支持板30の上面との間隔aが、ボールキャスタ50の本体51のフランジ52の厚さbよりも小さくなるような位置に設定されている。
図7は本発明の実施形態3を示す。この実施形態3では、支持板30の取付板34に形成されたねじ36の挿通孔37Aが横方向に長い長孔状に形成されている。他の構造については、上記実施形態1と同様である。
このような構造では、長孔状の挿通孔37Aを利用して押え板40の取付位置を左右方向にずらすことが可能であり、仮に断熱扉15の支持位置が左右方向にずれた場合にも、押え板40に固定されたボールキャスタ50のボール55と、断熱扉15側の嵌合凹部60との位置合わせを行うことができる。
本発明の実施形態4を図8及び図9によって説明する。この実施形態4では、図8に示すように、押え板40Aにおける被取付板41が形成された端縁とは反対側の端縁に、当該押え板40に対して鋭角に立ち上がり形成された補助の被取付板45が形成されており、この補助の被取付板45にもねじ孔42が形成されている。
この構造では、図9に示すように、鋭角に立ち上がった補助の被取付板45を支持板30の取付板34に当ててねじ36で止めると、押え板40Aの奥端が斜め上方に傾いた姿勢で予め取り付けられ、断熱扉15が閉鎖されてボールキャスタ50のボール55が断熱扉15の嵌合凹部60に嵌って押し付けられた場合、断熱扉15に対して前面開口部13に押し付けられる方向の力が作用し、断熱扉15の密着度が高められる。密着度を高くするように調整する場合に便利である。
図11は、本発明の実施形態5を示す。この実施形態5では、窓孔35と2個のねじ36の挿通孔37とを備えた押え板40の取付箇所Tが、支持板30の左右両端部に対称に設定されている。
断熱扉15が前面開口部13の左側縁または右側縁のいずれに揺動開閉可能に支持されている場合にも、共通の支持板30を備えるだけで対応できる。
本発明の実施形態6を図12及び図13によって説明する。この実施形態6では、図12に示すように、断熱扉15における嵌合凹部60が形成された上面16Aが、裏面側に向けて傾斜角度αで下り勾配となった傾斜面として形成されている。
この構造では、図13に示すようにロックされる前に、ボールキャスタ50のボール55が断熱扉15の揺動端側における裏面の角部から上面16Aに乗り上げる際の掛かり代が少なくて済み、同角部が摩耗し難くなって耐久性が向上する。
図14は、本発明の実施形態7を示す。この実施形態7では、ボールキャスタ50のボール55を嵌合するべく断熱扉15の上面16の揺動端部に設けられる嵌合凹部60Aが、断熱扉15の幅方向に沿った横長形状に形成されている。
この構造では、断熱扉15の支持位置が左右方向にずれた場合にも、押え板40に固定されたボールキャスタ50のボール55が、断熱扉15側の嵌合凹部60Aに嵌ってロックされることが担保される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ボールキャスタを支持する支持部材としては、単に押え板を取り付けるに足る幅狭の支持板であってもよく、また板状に限らず、押え板を弾性変位可能に支持できる限り、形状は問わない。
(2)ボールキャスタを取り付けた押え板は、支持板に対して上下方向の弾性撓み可能な両持ち状に取り付けられていてもよい。
(3)ボールキャスタの形状は上記実施形態に例示したものに限らず、本体内にボールが回転自由にかつ下部側を本体の下面から突出させた形態で収容されたものであれば、他の形状であってもよい。
(5)本発明は上記実施形態に例示した急速冷却庫に限らず、貯蔵庫本体に形成された前面開口部の側縁に断熱扉が縦軸回りの揺動開閉可能に支持された形式の冷却貯蔵庫全般に適用することができる。
(6)さらに冷却貯蔵庫に限らず、縦軸回りの揺動開閉式の扉装置を備えた貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (9)
- 貯蔵庫本体に形成された前面開口部の側縁には、扉が縦軸回りの揺動開閉可能に支持されたものにおいて、
前記前面開口部の上縁には、閉鎖された前記扉の揺動端部の上方に対応する位置に支持部材が設けられ、この支持部材には押え板が上下方向の弾性撓み可能に取り付けられて、この押え板にボールキャスタが下向きに取り付けられているとともに、
前記扉の上面の揺動端部には、当該扉が閉鎖した場合に前記ボールキャスタのボールが嵌る嵌合凹部が形成されていることを特徴とする貯蔵庫の扉装置。 - 前記支持部材は、前記前面開口部の上縁において手前側に水平に突出する形態で設けられた支持板によって形成され、この支持板には窓孔が開口されかつ突出端縁には取付板が立ち上がり形成されているとともに、
前記ボールキャスタを下向きに取り付けた前記押え板の手前側の端縁が前記取付板に片持ち状に取り付けられ、前記ボールキャスタの前記ボールが前記支持板の前記窓孔を通してその下面側に突出していることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の扉装置。 - 前記ボールキャスタが、本体内に前記ボールが回転自由にかつ下部側を前記本体の下面から突出させた形態で収容され、かつ前記本体の裾の部分にフランジが形成された構造になっていて、
前記ボールキャスタは、前記本体を前記押え板に開口された取付孔に下面側から挿入して、前記フランジを前記取付孔の裏側の孔縁に当ててねじで止めることにより固定されており、
前記押え板の前記支持板に対する取付位置が、この押え板の下面と前記支持板の上面との間隔が、前記フランジの厚さよりも小さくなるような位置に設定されていることを特徴とする請求項2記載の貯蔵庫の扉装置。 - 前記支持板の前記取付板には、2個のねじの挿通孔が水平方向に間隔を開けて並んで形成されているとともに、前記押え板の手前側の端縁には、前記支持板の前記取付板の裏側に当たる被取付板が立ち上がり形成されて、同被取付板には2個のねじ孔が前記挿通孔に対応して形成されており、各ねじを対応する前記挿通孔に通して前記ねじ孔に螺合することにより、前記押え板が片持ち状に取り付けられることを特徴とする請求項2または請求項3記載の貯蔵庫の扉装置。
- 前記支持板の前記取付板に形成された前記挿通孔が水平方向の長孔状に形成されていることを特徴とする請求項4記載の貯蔵庫の扉装置。
- 前記押え板における前記被取付板が形成された端縁とは反対側の端縁には、当該押え板に対して鋭角若しくは鈍角に立ち上がり形成された補助の被取付板が形成され、この補助の被取付板に、前記ねじ孔が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の貯蔵庫の扉装置。
- 前記支持板が、前記前面開口部の横幅寸法に匹敵する長さを有しており、この支持板の左右両端部に、前記押え板の取付箇所が対称に設定されていることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載の貯蔵庫の扉装置。
- 前記扉における前記嵌合凹部が形成された揺動端側の上面が、裏面側に向けて下り勾配となった傾斜面として形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の貯蔵庫の扉装置。
- 前記扉の上面の揺動端部に形成された前記嵌合凹部が、前記扉の横幅方向に沿った横長形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の貯蔵庫の扉装置。
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