JP2012107568A - ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012107568A
JP2012107568A JP2010257059A JP2010257059A JP2012107568A JP 2012107568 A JP2012107568 A JP 2012107568A JP 2010257059 A JP2010257059 A JP 2010257059A JP 2010257059 A JP2010257059 A JP 2010257059A JP 2012107568 A JP2012107568 A JP 2012107568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression chamber
cylinder
piston
vane
rotary compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010257059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5824664B2 (ja
Inventor
Yoko Sugamoto
葉子 菅本
Yuji Ogata
雄司 尾形
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2010257059A priority Critical patent/JP5824664B2/ja
Publication of JP2012107568A publication Critical patent/JP2012107568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5824664B2 publication Critical patent/JP5824664B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】第1圧縮室の吸入容積を減らすことなく、第2圧縮室の吸入容積を増やすための技術を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮は、シャフト4、シリンダ5、ピストン8、第1ベーン32、第2ベーン33、第1吸入孔19及び第2吸入孔20を有する。第1ベーン32は、シリンダ5とピストン8との間の空間をピストン8の周方向に沿って仕切っている。第2ベーン33は、第1圧縮室25と、第1圧縮室25の容積よりも小さい容積を有する第2圧縮室26とがシリンダ5内に形成されるように、第1ベーン32によって仕切られた空間をピストン8の周方向に沿ってさらに仕切っている。第1吸入孔19は、作動流体を第1圧縮室25に導く。第2吸入孔20は、作動流体を第2圧縮室26に導く。第2圧縮室26の吸入容積が増加するように、第1ベーン32が傾いている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置に関する。
中間圧を有する気相の冷媒を圧縮機にインジェクションすることにより、冷凍サイクル装置の効率が向上することが知られている(特許文献1参照)。インジェクション技術を採用できる圧縮機として、シリンダ内に第1圧縮室と第2圧縮室とが形成されるように複数のベーン(ブレード)を設けたローリングピストン型圧縮機が提案されている(特許文献2参照)。
図20は、特許文献2の図3に記載されたヒートポンプ式暖房装置の構成図である。ヒートポンプ式暖房装置500は、ローリングピストン型圧縮機501、凝縮器503、膨張機構504、気液分離器507及び蒸発器509を備え、蒸発器509からの気相の冷媒及び気液分離器507で分離された中間圧の気相の冷媒を圧縮機501でそれぞれ圧縮するように構成されている。圧縮機501のシリンダ522に取り付けられたベーン525及び535によって、シリンダ522とロータ523との間の空間が第1圧縮室526及び第2圧縮室527に区画されている。第1圧縮室526は、吸入孔526a及び吐出孔527bを有する。第2圧縮室527は、吸入孔527a及び吐出孔527bを有する。吸入孔526aが蒸発器509に接続され、吸入孔527aが気液分離器507に接続されている。吐出孔526b及び吐出孔527bは1つに集合し、凝縮器503に接続されている。
特開2006−112753号公報 特公平3−53532号公報
図20に示す圧縮機501において、第1圧縮室526の吸入容積に対する第2圧縮室527の吸入容積の比率は、圧縮機501の用途等に応じて適切に定められるべきである。圧縮室526及び527の吸入容積は、それぞれ、2つのベーン525及び535の位置によって決まる。例えば、ベーン525とベーン535とのなす角度を大きくすると、第2圧縮室527の吸入容積が増える。しかし、この方法によれば、第1圧縮室526の吸入容積が減少する。
本発明の目的は、第1圧縮室の吸入容積を減らすことなく、第2圧縮室の吸入容積を増やすための技術を提供することにある。
すなわち、本発明は、
シリンダと、
自身と前記シリンダとの間に空間を形成するように前記シリンダ内に配置されたピストンと、
前記ピストンが取り付けられたシャフトと、
前記シリンダに形成された第1ベーン溝に配置されており、前記空間を前記ピストンの周方向に沿って仕切る第1ベーンと、
前記シリンダに形成された第2ベーン溝に配置されており、第1圧縮室と、前記第1圧縮室の容積よりも小さい容積を有する第2圧縮室とが前記シリンダ内に形成されるように、前記第1ベーンによって仕切られた前記空間を前記ピストンの周方向に沿ってさらに仕切る第2ベーンと、
前記第1圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第1圧縮室に導く第1吸入孔と、
前記第1圧縮室で圧縮された作動流体を前記第1圧縮室から前記第1圧縮室の外に導く第1吐出孔と、
前記第2圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第2圧縮室に導く第2吸入孔と、
前記第2圧縮室で圧縮された作動流体を前記第2圧縮室から前記第2圧縮室の外に導く第2吐出孔と、
を備え、
前記第1ベーンが前記ピストンによって前記第1ベーン溝に最大限に押し込まれた瞬間における、前記ピストンの外周面をなす可動円と前記シリンダの内周面をなす固定円との接点の位置を第1角度位置、前記第1角度位置から見て180度反対側における前記固定円の上の位置を第2角度位置、前記第1角度位置及び前記第2角度位置を通り、前記シャフトの回転軸を含む仮想的な平面を第1基準平面、前記第1ベーンの往復運動の方向及び前記シャフトの前記回転軸に平行、かつ前記第1ベーン溝の幅方向の中心を通る仮想的な平面を第2基準平面、前記第2基準平面と前記固定円とが交差する位置を第3角度位置と定義したとき、
前記シャフトが回転すると、前記可動円と前記固定円との接点が前記第1角度位置、前記第3角度位置及び第2角度位置の順番で通過するように、前記第2基準平面が前記第1基準平面に対して傾いている、ロータリ圧縮機を提供する。
他の側面において、本発明は、
上記本発明のロータリ圧縮機と、
前記ロータリ圧縮機で圧縮された作動流体を冷却する放熱器と、
前記放熱器で冷却された作動流体を膨張させる膨張機構と、
前記膨張機構で膨張した作動流体を気相の作動流体と液相の作動流体とに分離する気液分離器と、
前記気液分離器で分離された液相の作動流体を蒸発させる蒸発器と、
前記蒸発器から流出した作動流体を前記ロータリ圧縮機の前記第1吸入孔に導く吸入流路と、
前記気液分離器で分離された気相の作動流体を前記ロータリ圧縮機の前記第2吸入孔に導くインジェクション流路と、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
本発明によれば、第1圧縮室の吸入容積を減らすことなく、第2圧縮室の吸入容積を増やすことができる。これにより、シリンダの容積を有効に活用でき、ひいてはロータリ圧縮機の運転効率を高めることができる。
なお、本明細書において、「吸入容積」とは、圧縮行程が始まる瞬間における圧縮室の容積を意味する。言い換えれば、吸入容積は、シャフトが1回転する間に圧縮室に吸入されるべき冷媒の量(体積流量)を意味する。
本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図 図1に示す冷凍サイクル装置に使用されたロータリ圧縮機の縦断面図 図2に示すロータリ圧縮機のA−A線に沿った横断面図 吸入逆止弁の拡大断面図 弁本体の側面図及び平面図 弁止めの側面図及び平面図 圧縮機構の斜視図 ロータリ圧縮機の動作をシャフトの回転角度毎に示す概略図 参照例における第1圧縮室の吸入容積を示す概略図 第1実施形態における第1圧縮室の吸入容積を示す概略図 参照例における第2圧縮室の吸入容積を示す概略図 第1実施形態における第2圧縮室の吸入容積を示す概略図 第1基準平面に対する第2基準平面の傾き角度ξと第2圧縮室の吸入容積の増加率との関係を示すグラフ 第1圧縮室の最大容積を示す概略図 冷媒の逆流を考慮した、第1圧縮室の吸入容積を示す概略図 変形例に係るロータリ圧縮機の縦断面図 図12に示すロータリ圧縮機のB−B線に沿った横断面図 本発明の第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図 図14に示す冷凍サイクル装置に使用されたロータリ圧縮機の縦断面図 図15に示すロータリ圧縮機のD−D線に沿った横断面図 図15に示すロータリ圧縮機のE−E線に沿った横断面図 第2圧縮機構の変形例を示す横断面図 第1シリンダの厚みと第2シリンダの厚みとの関係を示す概略図 第1インジェクション流路及び第2インジェクション流路の変形例を示す部分構成図 従来のヒートポンプ暖房装置の構成図
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態によって限定解釈されない。各実施形態及び各変形例は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で相互に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図である。冷凍サイクル装置100は、ロータリ圧縮機102、第1熱交換器104、第1膨張機構106、気液分離器108、第2膨張機構110及び第2熱交換器112を備えている。これらの構成要素は、冷媒回路10を形成するように、流路10a〜10dによって上記の順番に環状に接続されている。流路10a〜10dは、典型的には、冷媒配管で構成されている。冷媒回路10には、作動流体として、ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素等の冷媒が充填されている。
冷凍サイクル装置100は、さらに、インジェクション流路10jを備えている。インジェクション流路10jは、気液分離器108に接続された一端とロータリ圧縮機102に接続された他端とを有し、気液分離器108で分離された気相の冷媒をロータリ圧縮機102に直接に導く。インジェクション流路10jは、典型的には、冷媒配管で構成されている。インジェクション流路10jに減圧弁が設けられていてもよい。インジェクション流路10jにアキュームレータが設けられていてもよい。
冷媒回路10には、冷媒の流れ方向を切り替えることができる切り替え機構として、四方弁116が設けられている。図1に実線で示すように四方弁116を制御すると、ロータリ圧縮機102で圧縮された冷媒は第1熱交換器104に供給される。この場合、第1熱交換器104は、ロータリ圧縮機102で圧縮された冷媒を冷却する放熱器(凝縮器)として機能する。第2熱交換器112は、気液分離器108で分離された液相の冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。他方、図1に破線で示すように四方弁116を制御すると、ロータリ圧縮機102で圧縮された冷媒は第2熱交換器112に供給される。この場合、第1熱交換器104が蒸発器として機能し、第2熱交換器112が放熱器として機能する。四方弁116により、例えば、冷凍サイクル装置100を採用した空気調和装置に冷房及び暖房の両方の機能を付与できる。
ロータリ圧縮機102は、冷媒を高温高圧に圧縮するための機器である。ロータリ圧縮機102は、第1吸入孔19(主吸入孔)及び第2吸入孔20(インジェクション吸入孔)を有する。第1熱交換器104又は第2熱交換器112から流出した冷媒がロータリ圧縮機102に導かれるように、第1吸入孔19に流路10dが接続されている。気液分離器108で分離された気相の冷媒がロータリ圧縮機102に導かれるように、第2吸入孔20にインジェクション流路10jが接続されている。
第1熱交換器104は、典型的には、空気−冷媒熱交換器又は水−冷媒熱交換器で構成されている。第2熱交換器112も典型的には空気−冷媒熱交換器又は水−冷媒熱交換器で構成されている。冷凍サイクル装置100を空気調和装置に採用する場合、第1熱交換器104及び第2熱交換器112の両方が空気−冷媒熱交換器で構成される。冷凍サイクル装置100を給湯機又は給湯暖房機に採用する場合、第1熱交換器104が水−冷媒熱交換器で構成され、第2熱交換器112が空気−冷媒熱交換器で構成される。
第1膨張機構106及び第2膨張機構110は、放熱器としての第1熱交換器104(又は第2熱交換器112)で冷却された冷媒又は気液分離器108で分離された液相の冷媒を膨張させるための機器である。第1膨張機構106及び第2膨張機構110は、典型的には、膨張弁で構成されている。好適な膨張弁として、開度を変更できる弁、例えば電動膨張弁が挙げられる。第1膨張機構106は、第1熱交換器104と気液分離器108との間の流路10b上に設けられている。第2膨張機構110は、気液分離器108と第2熱交換器112との間の流路10c上に設けられている。膨張機構106及び110は、それぞれ、冷媒から動力を回収できる容積型膨張機で構成されていてもよい。
気液分離器108は、第1膨張機構106又は第2膨張機構110で膨張した冷媒を気相の冷媒と液相の冷媒とに分離する。気液分離器108には、第1膨張機構106又は第2膨張機構110で膨張した冷媒の入口、液相の冷媒の出口及び気相の冷媒の出口が設けられている。気相の冷媒の出口にインジェクション流路10jの一端が接続されている。
冷媒回路10には、アキュームレータ、内部熱交換器等の他の機器が設けられていてもよい。
図2は、図1に示す冷凍サイクル装置に使用されたロータリ圧縮機の縦断面図である。図3は、図2に示すロータリ圧縮機のA−A線に沿った横断面図である。ロータリ圧縮機102は、密閉容器1、モータ2、圧縮機構3及びシャフト4を備えている。圧縮機構3は、密閉容器1内の下部に配置されている。モータ2は、密閉容器1内において、圧縮機構3の上に配置されている。シャフト4によって、圧縮機構3とモータ2とが連結されている。密閉容器1の上部には、モータ2に電力を供給するための端子21が設けられている。密閉容器1の底部には、潤滑油を保持するための油溜り22が形成されている。
モータ2は、ステータ17及びロータ18で構成されている。ステータ17は、密閉容器1の内壁に固定されている。ロータ18は、シャフト4に固定されており、かつシャフト4とともに回転する。
密閉容器1の上部には、吐出管11が設けられている。吐出管11は、密閉容器1の上部を貫通しているとともに、密閉容器1の内部空間13に向かって開口している。吐出管11は、圧縮機構3で圧縮された冷媒を密閉容器1の外部に導く吐出流路としての役割を担う。つまり、吐出管11は、図1に示す流路10aの一部を構成している。ロータリ圧縮機102の動作時において、密閉容器1の内部空間13は、圧縮された冷媒で満たされる。つまり、ロータリ圧縮機102は、高圧シェル型の圧縮機である。高圧シェル型のロータリ圧縮機102によれば、冷媒でモータ2を冷却できるのでモータ効率の向上を期待できる。冷媒がモータ2で加熱されると、冷凍サイクル装置100の加熱能力も向上する。
圧縮機構3は、冷媒を圧縮するようにモータ2によって動かされる。図2及び図3に示すように、圧縮機構3は、シリンダ5、主軸受6、副軸受7、ピストン8、マフラー9、第1ベーン32、第2ベーン33、第1吐出弁43、第2吐出弁44及び吸入逆止弁50を有する。本実施形態では、第1吸入孔19及び第2吸入孔20のうち、第2吸入孔20にのみ吸入逆止弁50が設けられている。
シャフト4は、半径方向の外向きに突出した偏心部4aを有する。ピストン8は、シリンダ5の内部に配置されている。シリンダ5の内部において、シャフト4の偏心部4aにピストン8が取り付けられている。シリンダ5には、第1ベーン溝34及び第2ベーン溝35が形成されている。
第1ベーン溝34には、ピストン8の外周面に接する先端を有する第1ベーン32(ブレード)がスライドできるように取り付けられている。第1ベーン32は、シリンダ5とピストン8との間の空間をピストン8の周方向に沿って仕切っている。第2ベーン溝35には、ピストン8の外周面に接する先端を有する第2ベーン33(ブレード)がスライドできるように取り付けられている。第2ベーン33は、シリンダ5とピストン8との間の空間をピストン8の周方向に沿ってさらに仕切っている。これにより、シリンダ5の内部に、第1圧縮室25(主圧縮室)と、第1圧縮室25の容積よりも小さい容積を有する第2圧縮室26(インジェクション圧縮室)とが形成されている。
本実施形態では、第1ベーン溝34の幅方向の中心を通る仮想的な平面が、シャフト4の回転軸Oからオフセットするように、第1ベーン溝34が傾いている。この構成によれば、第1圧縮室25の吸入容積を減らすことなく、第2圧縮室26の吸入容積を増やすことができる。詳細には、以下の要件を満足するように第1ベーン溝34の傾斜方向が規定されているとき、第2圧縮室26の吸入容積を増やすことができる。
まず、第1ベーン32がピストン8によって第1ベーン溝34に最大限に押し込まれた瞬間における、ピストン8の外周面をなす可動円8aとシリンダ5の内周面をなす固定円5aとの接点の位置を第1角度位置T1と定義する。第1ベーン溝34は、第1角度位置T1でシリンダ5の内部に向かって開口するように形成されている。次に、第1角度位置T1から見て180度反対側における固定円5aの上の位置を第2角度位置T2と定義する。次に、第1角度位置T1及び第2角度位置T2を通り、シャフト4の回転軸Oを含む仮想的な平面を第1基準平面P1と定義する。次に、第1ベーン32の往復運動の方向及びシャフト4の回転軸Oに平行、かつ第1ベーン溝34の幅方向の中心を通る仮想的な平面を第2基準平面P2と定義する。そして、第1角度位置T1を除き、第2基準平面P2と固定円5aとが交差する位置を第3角度位置T3と定義する。シャフト4が順方向(図3では時計回り方向)に回転すると、可動円8aと固定円5aとの接点が第1角度位置T1、第3角度位置T3及び第2角度位置T2の順番で通過するように、第2基準平面P2が第1基準平面P1に対して傾いている。
言い換えれば、可動円8aと固定円5aとの接点が第1角度位置T1から第2角度位置T2まで進んだときのシャフト4の回転角度が180度を下回るように、第2基準平面P2がシャフト4の回転軸Oからオフセットしている。
なお、シャフト4の回転軸Oに平行、かつ第2ベーン溝35の幅方向の中心を通る仮想的な平面P3(第3基準平面)は、シャフト4の回転軸Oを通っている。第2ベーン33がピストン8によって第2ベーン溝35に最大限に押し込まれた瞬間における、可動円8aと固定円5aとの接点の位置を第4角度位置T4と定義すると、第2ベーン溝35は、第4角度位置T4でシリンダ5の内部に向かって開口するように形成されている。
本実施形態のロータリ圧縮機102によれば、ベーン32及び33の先端面がピストン8の表面を摺動する。すなわち、ロータリ圧縮機102は、いわゆるローリングピストン式圧縮機として構成されている。ただし、ピストン8と、第1ベーン32及び第2ベーン33から選ばれる1つとが単一の部品、いわゆるスイングピストンで構成されていてもよい。また、第1ベーン32及び第2ベーン33から選ばれる少なくとも1つが、ピストン8に結合していてもよい。
第1ベーン32の背後には、第1ばね36が配置されている。第2ベーン33の背後には、第2ばね37が配置されている。第1ばね36及び第2ばね37は、それぞれ、第1ベーン32及び第2ベーン33をピストン8に向けて押している。第1ベーン溝34の後部及び第2ベーン溝35の後部は、それぞれ、密閉容器1の内部空間13に連通している。従って、密閉容器1の内部空間13の圧力が第1ベーン32の背面及び第2ベーン33の背面に加えられる。また、第1ベーン溝34及び第2ベーン溝35には、油溜り22に溜められた潤滑油が供給される。
本明細書では、第1角度位置T1をシャフト4の回転方向に沿った「0度」の位置と定義する。言い換えれば、第1ベーン32がピストン8によって第1ベーン溝34に最大限に押し込まれた瞬間におけるシャフト4の回転角度を「0度」と定義する。本実施形態において、第1角度位置T1から第4角度位置T4までの角度θ(度)は、シャフト4の回転方向に関して、例えば270〜350度の範囲にある。角度θが270度以上に設定されていると、第1圧縮室25の吸入行程において、第1吸入孔19を通じて第1圧縮室25から第1吸入管14に逆流する冷媒の量が十分に少ない。そのため、第1吸入孔19に逆止弁を設ける必要がない。もちろん、第1吸入孔19に逆止弁が設けられていてもよい。
図2に示すように、主軸受6及び副軸受7は、シリンダ5を閉じるようにシリンダ5の上側及び下側にそれぞれ配置されている。マフラー9は、主軸受6の上部に設けられており、第1吐出弁43及び第2吐出弁44を覆っている。マフラー9には、圧縮された冷媒を密閉容器1の内部空間13に導くための吐出孔9aが形成されている。シャフト4は、マフラー9の中心部を貫通しているとともに、主軸受6及び副軸受7によって回転可能に支持されている。
図2及び図3に示すように、本実施形態において、第1吸入孔19及び第2吸入孔20は、シリンダ5に形成されている。第1吸入孔19は、第1圧縮室25で圧縮するべき冷媒を第1圧縮室25に導く。第2吸入孔20は、第2圧縮室26で圧縮するべき冷媒を第2圧縮室26に導く。なお、第1吸入孔19及び第2吸入孔20は、それぞれ、主軸受6又は副軸受7に形成されていてもよい。
本実施形態において、第2吸入孔20は、第1吸入孔19の開口面積よりも小さい開口面積を有する。第2吸入孔20の開口面積が小さければ小さいほど吸入逆止弁50の部品の寸法も小さい。このことは、吸入逆止弁50に起因する死容積(デッドボリューム)の増大を抑制する観点、及び設計の余裕を確保する観点で重要である。第1吸入孔19の開口面積をS1、第2吸入孔20の開口面積をS2としたとき、開口面積S1及びS2は、例えば1.1≦(S1/S2)≦30を満たす。なお、「死容積」とは、作動室として機能しない容積を意味する。一般に、容積型流体機械にとって、大きい死容積は好ましくない。
図3に示すように、圧縮機構3には、第1吸入管14(主吸入管)及び第2吸入管16(インジェクション吸入管)が接続されている。第1吸入管14は、第1吸入孔19に冷媒を供給できるように、密閉容器1の胴部を貫通してシリンダ5に嵌め込まれている。第1吸入管14は、図1に示す流路10dの一部を構成している。第2吸入管16は、第2吸入孔20に冷媒を供給できるように、密閉容器1の胴部を貫通してシリンダ5に嵌め込まれている。第2吸入管16は、図1に示すインジェクション流路10jの一部を構成している。
圧縮機構3には、さらに、第1吐出孔40(主吐出孔)及び第2吐出孔41(インジェクション吐出孔)が設けられている。第1吐出孔40及び第2吐出孔41は、それぞれ、主軸受6をシャフト4の軸方向に貫通する形で主軸受6に形成されている。第1吐出孔40は、第1圧縮室25で圧縮された冷媒を第1圧縮室25から第1圧縮室25の外(本実施形態ではマフラー9の内部空間)に導く。第2吐出孔41は、第2圧縮室26で圧縮された冷媒を第2圧縮室26から第2圧縮室26の外(本実施形態ではマフラー9の内部空間)に導く。第1吐出孔40及び第2吐出孔41には、それぞれ、第1吐出弁43及び第2吐出弁44が設けられている。第1圧縮室25の圧力が密閉容器1の内部空間13の圧力(冷凍サイクルの高圧)を上回った場合に、第1吐出弁43が開く。第2圧縮室26の圧力が密閉容器1の内部空間13の圧力を上回った場合に、第2吐出弁44が開く。
マフラー9は、第1吐出孔40及び第2吐出孔41のそれぞれと密閉容器1の内部空間13とを結ぶ吐出流路としての役割を担う。第1吐出孔40を通じて第1圧縮室25の外に導かれた冷媒と第2吐出孔41を通じて第2圧縮室26の外に導かれた冷媒とがマフラー9の内部で合流する。合流した冷媒は、密閉容器1の内部空間13を経由して吐出管11に流入する。密閉容器1内には、マフラー9から吐出管11までの冷媒の流路上に位置するようにモータ2が配置されている。このような構成によれば、冷媒によるモータ2の冷却及びモータ2の熱による冷媒の加熱を効率的に行うことができる。
本実施形態において、第2吐出孔41は、第1吐出孔40の開口面積よりも小さい開口面積を有する。第2吐出孔41の開口面積が小さければ小さいほど、第2吐出孔41に起因する死容積を小さくできる。第1吐出孔40の開口面積をS3、第2吐出孔41の開口面積をS4としたとき、開口面積S3及びS4は、例えば1.1≦(S3/S4)≦15を満たす。
なお、第2吸入孔20の開口面積S2が第1吸入孔19の開口面積S1に等しい場合もありうる。さらに、第2吐出孔41の開口面積S4が第1吐出孔40の開口面積S3に等しい場合もありうる。各吸入孔及び各吐出孔の寸法は、それらを通過する冷媒の流量を考慮して適切に決定されるべきである。より詳細には、死容積と圧力損失とのバランスを考慮して決定されるべきである。
図4に示すように、吸入逆止弁50は、弁本体51及び弁止め52を含む。シリンダ5の上面5pには平面視で短冊の形をした浅い溝5gが形成されており、その溝5gに弁本体51及び弁止め52が装着されている。溝5gは、シリンダ5の半径方向の外向きに延びているとともに、第2圧縮室26に連通している。第2吸入孔20は、溝5gの底部に開口している。詳細には、第2吸入孔20は、シリンダ5に形成された有底孔で構成されており、その有底孔は、溝5gの底部に開口している。第2吸入孔20に冷媒を供給できるように、シリンダ5の外周面からシリンダ5の中心に向かって延びる吸入流路5fがシリンダ5の内部に形成されている。その吸入流路5fに吸入管16が接続されている。
図5Aに示すように、弁本体51は、第2吸入孔20を閉じる裏面51qと、第2吸入孔20を閉じたときに第2圧縮室26内の雰囲気に曝される表面51pとを有する。吸入逆止弁50の弁本体51の可動範囲が第2圧縮室26内に設定されている。弁本体51は、全体として薄板の形状を有しており、典型的には、薄い金属板(リード弁)で構成されている。
図5Bに示すように、弁止め52は、第2吸入孔20を開くときに弁本体51の厚み方向への変位量を制限する支持面52qを有する。支持面52qは、弁止め52の厚みが第2圧縮室26に近づくにつれて減少するように、緩やかな曲面を形成している。すなわち、弁止め52は、全体として靴型のような形を有している。弁止め52の先端面52tは、シリンダ5の内径と同じ曲率半径の円弧の形状を有している。
弁本体51は、第2吸入孔20を開閉できるように溝5gに配置されている。弁本体51が第2吸入孔20を閉じたときに支持面52qが第2圧縮室26内の雰囲気に曝されるように、弁止め52が溝5gに配置されている。弁本体51及び弁止め52は、ボルト等の締結具54によってシリンダ5に固定されている。弁本体51の後端部は弁止め52と溝5gとの間に挟まれて動けないが、弁本体51の先端部は固定されておらず、揺れ動ける。弁止め52及び第2吸入孔20を平面視したとき、第2吸入孔20は弁止め52の支持面52qに重なっている。
弁止め52の後端部付近において、弁本体51の厚みと弁止め52の厚みとの合計の厚みは、溝5gの深さに概ね一致している。溝5gに弁本体51及び弁止め52を装着したとき、シリンダ5の厚み方向に関して、弁止め52の上面52pの位置はシリンダ5の上面の位置に一致する。
図5Aに示すように、弁本体51は、第2吸入孔20を開閉するための幅広部分55を有する。幅広部分55の最大幅W1は、弁止め52の先端部の幅W2、言い換えれば、シリンダ5に面した位置における溝5gの幅よりも広い。幅広部分55により、第2吸入孔20を閉じるためのシール幅を確保しつつ、死容積の増大を抑制できる。
図4及び図6に示すように、溝5gの深さは、例えば、シリンダ5の厚みの半分よりも小さい。また、溝5gの大部分は弁止め52によって埋められている。溝5gのごく一部が、弁本体51の可動範囲として残されている。
吸入逆止弁50は、シャフト5の回転に伴って次のように動作する。第2圧縮室26の圧力が吸入流路5f及び第2吸入管16の圧力を下回った場合、弁本体51が弁止め52の支持面52qに沿う形状に変位する。言い換えれば、弁本体51が押し上げられる。これにより、第2吸入孔20と第2圧縮室26とが連通し、第2吸入孔20を通じて第2圧縮室26に冷媒が供給される。他方、第2圧縮室26の圧力が吸入流路5f及び第2吸入管16の圧力を上回った場合、弁本体51が元の平らな形状に復帰する。これにより、第2吸入孔20が閉じられる。従って、第2圧縮室26に吸入された冷媒が第2吸入孔20を通じて吸入流路5f及び第2吸入管16に逆流することを防止できる。
また、吸入逆止弁50は、(i)(ii)又は(iii)で特定される期間において、第2圧縮室26に吸入された冷媒が第2吸入孔20を通じて第2圧縮室26の外に逆流することを阻止する。(i)吸入逆止弁50は、第2圧縮室26が最大容積に達した時点から、第2圧縮室26が最小容積(≒0)に達する時点まで、逆流を阻止する。(ii)吸入逆止弁50は、第2圧縮室26が最大容積に達した時点から、圧縮された冷媒が第2吐出孔41を通じて第2圧縮室26の外に吐出され始める時点まで、逆流を阻止する。(iii)吸入逆止弁50は、第2圧縮室26が最大容積に達した時点から、シリンダ5とピストン8との接点がシャフト4の回転に伴って第2吸入孔20を通過する時点まで、逆流を阻止する。角度θが比較的大きい場合、吸入逆止弁50は(i)の動きをする。角度θが比較的小さい場合、吸入逆止弁50は(ii)又は(iii)の動きをする。
本実施形態の吸入逆止弁50によれば、上記したいくつかの特徴的な構造により、吸入孔に逆止弁を設けることに基づく死容積の増大を抑制できる。つまり、吸入逆止弁50は、高い圧縮機効率の達成に寄与する。従って、本実施形態のロータリ圧縮機102を用いた冷凍サイクル装置100は、高いCOPを有する。
なお、第2吸入孔20は、主軸受6又は副軸受7に形成されていてもよい。この場合、図3〜図6を参照して説明した構造を有する吸入逆止弁50を主軸受6又は副軸受7に設けることができる。主軸受6(又は副軸受7)とシリンダ5との間にシリンダ5を閉じるための部材(閉塞部材)を設け、この部材に吸入逆止弁50を設けることもできる。
吸入逆止弁50は、ロータリ圧縮機102に必須ではないが、圧縮機効率を改善するために、吸入逆止弁50を設けることが望ましい。
次に、図7を参照して、ロータリ圧縮機の動作を時系列で説明する。図7中の角度は、シャフト4の回転角度を表している。なお、図7に示す角度は、あくまでも例示にすぎず、図7に示された角度で各行程が必ず開始又は終了するわけではない。第1圧縮室25に冷媒を吸入する行程は、シャフト4が0度の回転角度を占有するときから、概ね360度の回転角度を占有するときまで行われる。すなわち、第1圧縮室25に吸入される冷媒の量は、シャフト4が360度の回転角度を占有するときの第1圧縮室25の容積に等しい。
第1圧縮室25に吸入された冷媒は、シャフト4の回転に伴って圧縮される。圧縮行程は、第1圧縮室25の圧力が密閉容器1の内部空間13の圧力を上回るまで続く。図7において、圧縮行程は、シャフト4が360度の回転角度を占有するときから、540度の回転角度を有するときまで行われている。圧縮された冷媒を第1圧縮室25の外に吐出する行程は、シリンダ5とピストン8との接点が第1吐出孔40を通過するまで行われる。図7において、吐出行程は、シャフト4が540度の回転角度を占有するときから、(630+α)度の回転角度を占有するときまで行われている。「α」は、270度の角度位置から第2ベーン33が配置された第4角度位置T4までの角度を表す。
他方、第2圧縮室26に冷媒を吸入する行程は、シャフト4が(270+α)度の回転角度を占有するときから、θ2度の回転角度を占有するときまで行われる。「θ2」は、第2圧縮室26の容積が最大となるときのシャフト4の回転角度を表す。図3において、第2基準平面P2が第1基準平面P1に一致していると仮定すると、θ2は、αを用いて、(495+α/2)で表される。第2圧縮室26に吸入される冷媒の量は、シャフト4がθ2度の回転角度を占有するときの第2圧縮室26の容積に等しい。
第2圧縮室26に吸入された冷媒は、シャフト4の回転に伴って圧縮される。圧縮行程は、第2圧縮室26の圧力が密閉容器1の内部空間13の圧力を上回るまで続く。図7において、圧縮行程は、シャフト4がθ2度の回転角度を占有するときから、630度の回転角度を占有するときまで行われている。圧縮された冷媒を第2圧縮室26の外に吐出する行程は、シリンダ5とピストン8との接点が第2吐出孔41を通過するまで行われる。図7において、吐出行程は、シャフト4が630度の回転角度を占有するときから、720度の回転角度を占有するときまで行われている。
第1圧縮室25の吸入容積及び第2圧縮室26の吸入容積について詳細に説明する。
図8A及び図9Aに参照例として示すように、第2基準平面P2が第1基準平面P1に一致していると仮定する。他方、図8B及び図9Bに示すように、本実施形態では、第1基準平面P1に対して第2基準平面P2が傾いている。
図8A及び図8Bにドットで示された部分の面積がそれぞれ第1圧縮室25の吸入容積を表している。本実施形態(図8B)における第1圧縮室25の吸入容積は、参照例(図8A)における第1圧縮室25の吸入容積に等しい。より厳密には、第1圧縮室25の吸入容積は、ピストン8とシリンダ5との接点(可動円8aと固定円5aとの接点)が第1吸入孔19(図3参照)を通過した瞬間、すなわち、圧縮行程が始まる瞬間における第1圧縮室25の容積に等しい。その瞬間において、シャフト4は、例えば、30度の回転角度を占有している。
図9A及び図9Bにおいて、シャフト4は、θ2度の回転角度を占有している。ただし、第2圧縮室26の容積が最大となるときの角度θ2は、参照例と本実施形態とで相違している。図9A及び図9Bにドットで示された部分の面積がそれぞれ第2圧縮室26の吸入容積を表している。本実施形態(図9B)における第2圧縮室26の吸入容積は、参照例(図9A)における第2圧縮室26の吸入容積よりも大きい。このように、本実施形態によれば、第1圧縮室25の吸入容積を減らすことなく、第2圧縮室26の吸入容積を増やすことができる。なお、吸入逆止弁50が設けられている場合、第2圧縮室26の吸入容積は、第2圧縮室26の最大の容積に等しい。仮に、第1吸入孔19に吸入逆止弁が設けられている場合、第1圧縮室25の吸入容積は、第1圧縮室25の最大の容積に等しい。
図10は、第1基準平面P1に対する第2基準平面P2の傾き角度ξと第2圧縮室26の吸入容積の増加率との関係を示すグラフである。吸入容積の増加率は、図9Aに示す参照例における第2圧縮室26の吸入容積に対する比率で表されている。傾き角度ξが大きくなればなるほど、第2圧縮室26の吸入容積は増える。第2圧縮室26の吸入容積を増やす効果は、傾き角度ξが0度よりも大きければ得られる。傾き角度ξの上限値も特に限定されない。ロータリ圧縮機102の信頼性、設計上の制限等を考慮すると、傾き角度ξの上限値は、例えば20度である。具体的には、傾き角度ξを0度より大きく、5度以下の範囲又は1度より大きく、5度以下の範囲に設定しうる。
次に、第1圧縮室25から第1吸入管14への冷媒の逆流を抑制する効果について詳細に説明する。
第1基準位置T1から第4基準位置T4までの角度θが270度以上に設定されている場合、第1圧縮室25から第1吸入管14への冷媒の逆流量は少ない。そのため、第1吸入孔19に必ずしも逆止弁を設ける必要がない。ただし、第1吸入孔19を通じて第1圧縮室25から第1吸入管14に逆流する冷媒は僅かながら存在する。この逆流によって生じた脈動が、騒音及び振動の問題を引き起こす可能性がある。
図11Aに示すように、シャフト4がθ1度の回転角度を占有するとき、第1圧縮室25は最大容積を有する。図11Bに示すように、シャフト4が0度の回転角度を占有するとき、第1圧縮室25の容積は吸入容積に等しい。第1圧縮室25から第1吸入管14に逆流する冷媒の量は、第1圧縮室25の最大容積から第1圧縮室25の吸入容積を減じた容積に等しい。なお、「θ1」は、360度(=0度)よりも小さい。第2基準平面P2が第1基準平面P1に一致していると仮定すると、θ1は、αを用いて、(270+α/2)で表される。
冷媒の逆流量を減らすためには、第1角度位置T1から第4角度位置T4までの角度θを大きくすることが必要である。しかし、角度θを大きくすると、第2圧縮室26の吸入容積が減少する。第1圧縮室25の吸入容積に対する第2圧縮室26の吸入容積の適切な比率は、冷凍サイクル装置100の用途等に応じて決まる。そのため、第2圧縮室26の吸入容積の減少を容認できない場合も考えられる。
本実施形態によれば、第1基準平面P1に対して第2基準平面P2が傾くように第1ベーン溝34が形成されている、つまり、第1ベーン32の姿勢が適切に調節されている。そのため、第1角度位置T1から第4角度位置T4までの角度θを大きくすることなく、第2圧縮室26の吸入容積を増やすことができる。ゆえに、第2圧縮室26の吸入容積を十分に確保しつつ、第1圧縮室25から第1吸入管14への冷媒の逆流を抑制できる。
(変形例)
図12は、変形例に係るロータリ圧縮機の縦断面図である。ロータリ圧縮機202は、図2に示すロータリ圧縮機102にシリンダ等の部品を追加した構造を有する。本変形例において、図2に示す圧縮機構3、シリンダ5、ピストン8及び偏心部4aをそれぞれ第1圧縮機構3、第1シリンダ5、第1ピストン8及び第1偏心部4aと定義する。第1圧縮機構3の詳細な構造は、図2〜図6を参照して説明した通りである。
図12及び図13に示すように、ロータリ圧縮機202は、第1圧縮機構3に加えて第2圧縮機構30を備えている。第2圧縮機構30は、第2シリンダ65、中板66、第2ピストン68、副軸受67、マフラー70、第3ベーン72、第3吸入孔69、第3吐出孔73を有する。第2シリンダ65は、第1シリンダ5に対して同心円状に配置されており、中板66によって第1シリンダ5から隔てられている。
シャフト4は、半径方向の外向きに突出した第2偏心部4bを有する。第2ピストン68は、第2シリンダ65の内部に配置されている。第2シリンダ65の内部において、第2ピストン68はシャフト4の第2偏心部4bに取り付けられている。中板66は、第1シリンダ5と第2シリンダ65との間に配置されている。第2シリンダ65には、ベーン溝74が形成されている。ベーン溝74には、第2ピストン68の外周面に接する先端を有する第3ベーン72(ブレード)がスライドできるように取り付けられている。第3ベーン72は、第2シリンダ65と第2ピストン68との間の空間を第2ピストン68の周方向に沿って仕切っている。これにより、第2シリンダ65の内部に第3圧縮室71が形成されている。第2ピストン68と第3ベーン72とが単一の部品、いわゆるスイングピストンで構成されていてもよい。また、第3ベーン72が第2ピストン68に結合していてもよい。第3ベーン72の背後には、シャフト4の中心に向かって第3ベーン72を押している第3ばね76が配置されている。
第3吸入孔69は、第3圧縮室71で圧縮するべき冷媒を第3圧縮室71に導く。第3吸入孔69には、第3吸入管64が接続されている。第3吐出孔73は、副軸受67を貫いてマフラー70の内部空間に向かって開口している。第3圧縮室71で圧縮された冷媒は、第3吐出孔73を通って、第3圧縮室71から第3圧縮室71の外、具体的には、マフラー70の内部空間に導かれる。主軸受6、第1シリンダ5、中板66、第2シリンダ65及び副軸受67をシャフト4の軸方向に貫通している流路63を通って、マフラー70の内部空間から密閉容器1の内部空間13に冷媒が導かれる。流路63は、密閉容器1の内部空間13に向かって開口していてもよいし、マフラー9の内部空間に向かって開口していてもよい。
以上のように、第2圧縮機構30は、ベーンを1つのみ有する通常のローリングピストン型圧縮機の圧縮機構と同じ構造を有している。
ロータリ圧縮機202において、第2シリンダ65の高さ、内径及び外径は、それぞれ、第1シリンダ5の高さ、内径及び外径に等しい。第1ピストン8の外径は、第2ピストン68の外径に等しい。第2シリンダ65の内部には第3圧縮室71のみが形成されているので、第1圧縮室25が第3圧縮室71の容積よりも小さい容積を有する。つまり、第1圧縮機構3と第2圧縮機構30との間で部品を共通化することにより、コストの低減及び組立容易性の向上を図ることができる。
本変形例によれば、シャフト4の軸方向に関して、第1圧縮機構3が上側、第2圧縮機構30が下側に配置されている。第1圧縮機構3で圧縮された冷媒は、主軸受6に設けられた吐出孔40及び41を通ってマフラー9の内部空間に導かれる。第1圧縮機構3は、2つの吐出孔40及び41を有している。そのため、吐出孔40及び41から密閉容器1の内部空間13までの距離をなるべく短くし、これにより、吐出孔40及び41での冷媒の圧力損失をなるべく低減することが望ましい。この観点から、第1圧縮機構3が軸方向の上側に配置されていることが好ましい。
しかし、他の観点から、第1圧縮機構3は軸方向の下側に配置されていてもよい。その理由は次の通りである。モータ2に近づけば近づくほど密閉容器1の内部の温度は高い。つまり、ロータリ圧縮機202の動作時において、主軸受6は副軸受67及びマフラー70の温度よりも高い温度を有する。そのため、第1圧縮機構3が上側に配置され、第2圧縮機構30が下側に配置されている場合、第2圧縮室26に導かれるべき冷媒が加熱されやすい。すると、第2圧縮室26で圧縮されるべき冷媒の質量流量が減少するので、インジェクションによる効果も減少する。より高いインジェクション効果を得るために、第2圧縮室26を有する第1圧縮機構3が下側に配置され、第2圧縮機構30が上側に配置されていてもよい。
図12に示すように、シャフト4の回転方向に関して、第1偏心部4aの突出方向と第2偏心部4bの突出方向との角度差が180度である。言い換えれば、第1ピストン8と第2ピストン68との位相差がシャフト4の回転方向に関して180度である。さらに言い換えれば、第1ピストン8の上死点のタイミングが第2ピストン68の上死点のタイミングから180度ずれている。このような構成によれば、第1ピストン8の回転に基づいて発生する振動を第2ピストン68の回転によって打ち消すことができる。また、第1圧縮室25の圧縮行程と第3圧縮室71の圧縮行程とが概ね交互に行われるとともに、第1圧縮室25の吐出行程と第3圧縮室71の吐出行程とが概ね交互に行われる。従って、シャフト4のトルク変動を小さくできるためモータ損失及び機械損失の低減に有利である。また、ロータリ圧縮機202の振動及び騒音も低減できる。なお、「ピストンの上死点のタイミング」とは、ピストンによってベーンがベーン溝に最大限に押し込まれたタイミングを意味する。
ロータリ圧縮機202を図1に示す冷凍サイクル装置100に使用する場合、次のような構成を採用できる。冷凍サイクル装置100は、蒸発器としての第1熱交換器104又は第2熱交換器112から流出した冷媒をロータリ圧縮機202の第1吸入孔19に導く吸入流路10dを有する。図12に示すように、第1熱交換器104又は第2熱交換器112から流出した冷媒がロータリ圧縮機202の第1吸入孔19及び第3吸入孔69の両方に導かれるように、吸入流路10dは、第1吸入孔19に向かって延びる分岐部分14と、第3吸入孔69に向かって延びる分岐部分64とを含む。本実施形態では、第1吸入管14が分岐部分14を構成し、第3吸入管64が分岐部分64を構成している。このような構成によれば、第1圧縮室25及び第3圧縮室71に冷媒をスムーズに導くことができる。なお、吸入流路10dが密閉容器1の内部で分岐していてもよい。
(第2実施形態)
図14は、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図である。本実施形態の冷凍サイクル装置200は、インジェクションを2段階で行う点で第1実施形態の冷凍サイクル装置100と相違する。インジェクションを2段階で行うので、冷凍サイクル装置200を暖房又は給湯の用途で使用する場合に特に高い効果が得られる。以下、第1実施形態で説明した構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
冷凍サイクル装置200は、ロータリ圧縮機302、第1熱交換器104、第1膨張機構106、第1気液分離器108、第2膨張機構110、第2気液分離器109、第3膨張機構111及び第2熱交換器112を備えている。これらの構成要素は、冷媒回路10を形成するように、流路10a〜10eによって上記の順番に環状に接続されている。冷媒回路10には、冷媒の流れ方向を切り替えることができる切り替え機構として、四方弁116が設けられている。
第1膨張機構106は、放熱器としての第1熱交換器104で冷却された冷媒を膨張させる。第1気液分離器108は、第1膨張機構106で膨張した冷媒を気相の冷媒と液相の冷媒とに分離する。第2膨張機構110は、第1気液分離器108で分離された液相の冷媒を膨張させる。第2気液分離器109は、第2膨張機構110で膨張した冷媒を気相の冷媒と液相の冷媒とに分離する。第3膨張機構111は、第2気液分離器109で分離された液相の冷媒を膨張させる。第3膨張機構111を通過した冷媒は、蒸発器としての第2熱交換器112に流入する。四方弁116の機能により、上記と逆の方向にも冷媒を流すことができる。
ロータリ圧縮機302は、第1吸入孔19、第2吸入孔20、第3吸入孔23及び第4吸入孔24を有する。吸入流路10dは、第1熱交換器104又は第2熱交換器112から流出した冷媒をロータリ圧縮機302の第1吸入孔19及び第3吸入孔23にそれぞれ導く。
冷凍サイクル装置200は、さらに、第1インジェクション流路10j及び第2インジェクション流路10kを備えている。第1インジェクション流路10jは、第1気液分離器108に接続された一端とロータリ圧縮機302に接続された他端とを有し、第1気液分離器108で分離された気相の冷媒をロータリ圧縮機302に導く。第2インジェクション流路10kは、第2気液分離器109に接続された一端とロータリ圧縮機302に接続された他端とを有し、第2気液分離器109で分離された気相の冷媒をロータリ圧縮機302に導く。
本実施形態の冷凍サイクル装置200は、第1気液分離器108及び第1インジェクション流路10jに加えて、第2気液分離器109及び第2インジェクション経路10kを有している点で第1実施形態の冷凍サイクル装置100と相違する。また、第2実施形態の冷凍サイクル装置200に使用されたロータリ圧縮機302は、2段階でインジェクションを行えるように構成されている。
図15、図16A及び図16Bに示すように、ロータリ圧縮機302は、第1実施形態で説明した圧縮機構3と、圧縮機構3と同じ構造を有する第2圧縮機構90とを備えている。第1実施形態で説明したロータリ圧縮機102の圧縮機構3、シリンダ5、ピストン8及び偏心部4aをそれぞれ第1圧縮機構3、第1シリンダ5、第1ピストン8及び第1偏心部4aと定義する。
図15及び図16Bに示すように、第2圧縮機構90は、第2シリンダ75、第2ピストン78、第3ベーン92、第4ベーン93、第3吸入孔23、第3吐出孔45、第3吐出弁47、第4吸入孔24、第4吐出孔46、第4吐出弁48及び第2吸入逆止弁56を有する。第2圧縮機構90は、第1圧縮機構3と基本的に同じ構造を有する。シャフト4を共有するように、第1圧縮機構3に対して第2圧縮機構90が同心円状に配置されている。
すなわち、第1圧縮機構3の第1シリンダ5、第1ピストン8、第1ベーン32、第2ベーン33、第1吸入孔19、第1吐出孔40、第1吐出弁43、第2吸入孔20、第2吐出孔41、第2吐出弁44及び第1吸入逆止弁50が、それぞれ、第2圧縮機構90の第2シリンダ75、第2ピストン78、第3ベーン92、第4ベーン93、第3吸入孔23、第3吐出孔45、第3吐出弁47、第4吸入孔24、第4吐出孔46、第4吐出弁48及び第2吸入逆止弁56に対応している。また、第1圧縮機構3の第1ベーン溝34、第1ばね36、第2ベーン溝35及び第2ばね37が、それぞれ、第2圧縮機構90の第3ベーン溝94、第3ばね96、第4ベーン溝95及び第4ばね97に対応している。さらに、第1圧縮機構3の第1圧縮室25及び第2圧縮室26が、それぞれ、第2圧縮機構90の第3圧縮室27及び第4圧縮室28に対応している。さらに、ロータリ圧縮機102の第1吸入管14及び第2吸入管16が、それぞれ、ロータリ圧縮機302の第3吸入管84及び第4吸入管86に対応している。第1圧縮機構3に関する全ての構造及びその説明は、第2圧縮機構90のそれらに援用できる。
なお、図17に示すように、第3ベーン92の先端がシャフト4の回転軸Oの方向を向くように、第3ベーン溝94が形成されていてもよい。すなわち、シャフト4の回転軸Oに平行、かつ第3ベーン溝94の幅方向の中心を通る仮想的な平面が、シャフト4の回転軸Oを含むように、第3ベーン溝94が形成されていてもよい。
ロータリ圧縮機302によれば、シャフト4の回転方向に関して、第1偏心部4aの突出方向と第2偏心部4bの突出方向との角度差が180度である。言い換えれば、第1ピストン8と第2ピストン78との位相差がシャフト4の回転方向に関して180度である。この構成に基づく効果は、図12に示すロータリ圧縮機202に関して説明した通りである。
第1インジェクション流路10jは、第1気液分離器108で分離された気相の冷媒をロータリ圧縮機302の第2吸入孔20に導く。第2インジェクション流路10kは、第2気液分離器109で分離された気相の冷媒をロータリ圧縮機302の第4吸入孔24に導く。第1圧縮機構3及び第2圧縮機構90の両方が中間圧を有する冷媒を圧縮できるので、ロータリ圧縮機302の更なる効率の向上を期待できる。
(変形例)
第1圧縮室25は、第3圧縮室27の容積と異なる容積を有していてもよい。また、第2圧縮室26は、第4圧縮室28の容積と異なる容積を有していてもよい。例えば、図18に示す変形例では、第2シリンダ75の厚みH2が第1シリンダ5の厚みH1よりも大きい。そのため、第4圧縮室28(第2インジェクション圧縮室)が第2圧縮室26(第1インジェクション圧縮室)の容積よりも大きい容積を有する。この場合、第2圧縮室26に高圧側のインジェクション流路(例えば第1インジェクション流路10j)から冷媒を供給し、第4圧縮室28に低圧側のインジェクション流路(例えば第2インジェクション流路10k)から冷媒を供給できる。つまり、相対的に大きい容積を有する第4圧縮室28で相対的に低い圧力の冷媒を圧縮し、相対的に小さい容積を有する第2圧縮室26で相対的に高い圧力の冷媒を圧縮する。このようにすれば、第2圧縮室26及び第4圧縮室28が、それぞれ、第1気液分離器108及び第2気液分離器109で生成したガス冷媒を過不足なく吸入できる。ガス冷媒が過不足なくロータリ圧縮機302にインジェクションされることにより、冷凍サイクル装置200を高い効率で運転することが可能となる。
第2圧縮室26の容積に対する第4圧縮室28の容積の比率は、冷媒の種類、冷凍サイクル装置100の用途等に左右されるので一概には決まらない。一例として、第2圧縮室26の容積をV1、第4圧縮室28の容積をV2とすると、容積V1及びV2が1.1≦(V2/V1)≦30を満たすように、圧縮機構3及び90の設計を行なえる。なお、圧縮室の容積は、シリンダの高さ、シリンダの内径、ピストンの外径、シャフトの偏心部の突出量等の様々な設計値の変更によって調節できる。もちろん、2つのベーンの位置関係を変更することによっても圧縮室の容積を調節できる。シリンダの高さ、シリンダの内径、ピストンの外径及びシャフトの偏心部の突出量から選ばれる少なくとも1つの設計値を第1圧縮機構3と第2圧縮機構90との間で異ならせることにより、第2圧縮室26の容積及び第4圧縮室28の容積を上記した関係に調節する場合、ベーンの位置を変更することなく圧縮室の容積を最適化できる。
図14に示す冷凍サイクル装置200によれば、四方弁116を制御することにより冷媒の流れ方向が切り替わる。従って、図19に示すように、第1インジェクション流路10jの冷媒をロータリ圧縮機302の第2吸入孔20及び第4吸入孔24から選ばれる一方に導くことができ、かつ第2インジェクション流路10kの冷媒をロータリ圧縮機302の第2吸入孔20及び第4吸入孔24から選ばれる他方に導くことができるように流路切替部122を設けることができる。
流路切替部122は、第1三方弁118、第2三方弁119、第1バイパス流路120及び第2バイパス流路121を有する。第1三方弁118は、第1インジェクション流路10j上に設けられている。第2三方弁119は、第2インジェクション流路10k上に設けられている。第1バイパス流路120は、第1三方弁118の1つの出口と第2インジェクション流路10kとを接続している。第2バイパス流路121は、第2三方弁119の1つの出口と第1インジェクション流路10jとを接続している。三方弁118及び119を実線で示されるように制御すると、第1インジェクション流路10jの冷媒が第2吸入孔20に導かれ、かつ第2インジェクション流路10kの冷媒が第4吸入孔24に導かれる。三方弁118及び119を破線で示されるように制御すると、第1インジェクション流路10jの冷媒が第4吸入孔24に導かれ、かつ第2インジェクション流路10kの冷媒が第2吸入孔20に導かれる。このようにすれば、冷媒の流れ方向が変わったとしても、第2圧縮室26及び第4圧縮室28のそれぞれに適切な圧力の冷媒を供給できる。
本発明の冷凍サイクル装置は、給湯機、温水暖房装置及び空気調和装置等に利用できる。
1 密閉容器
2 モータ
3 圧縮機構
30,90 第2圧縮機構
4 シャフト
4a,4b 偏心部
5 シリンダ
5a シリンダの内周面をなす固定円
65,75 第2シリンダ
5g 溝
6 主軸受
7,67 副軸受
8 ピストン
8a ピストンの外周面をなす可動円
68,78 第2ピストン
9,70 マフラー
10a〜10e 流路
10j インジェクション流路
10k 第2インジェクション流路
11 吐出管
13 内部空間
14 第1吸入管
16 第2吸入管
19 第1吸入孔
20 第2吸入孔
23,69 第3吸入孔
24 第4吸入孔
25 第1圧縮室
26 第2圧縮室
27,71 第3圧縮室
28 第4圧縮室
32 第1ベーン
33 第2ベーン
34 第1ベーン溝
35 第2ベーン溝
40 第1吐出孔
41 第2吐出孔
43 第1吐出弁
44 第2吐出弁
45,73 第3吐出孔
46 第4吐出孔
47 第3吐出弁
48 第4吐出弁
50,56 吸入逆止弁
51 弁本体
51p 弁本体の表面
51q 弁本体の裏面
52 弁止め
52q 支持面
84 第3吸入管
86 第4吸入管
72,92 第3ベーン
93 第4ベーン
94 第3ベーン溝
95 第4ベーン溝
100,200 冷凍サイクル装置
102,202,302 ロータリ圧縮機
104 第1熱交換器
106 第1膨張機構
108 第1気液分離器
109 第2気液分離器
110 第2膨張機構
111 第3膨張機構
112 第2熱交換器
116 四方弁
P1 第1基準平面
P2 第2基準平面
P3 第3基準平面
T1 第1角度位置
T2 第2角度位置
T3 第3角度位置
T4 第4角度位置
O 回転軸

Claims (12)

  1. シリンダと、
    自身と前記シリンダとの間に空間を形成するように前記シリンダ内に配置されたピストンと、
    前記ピストンが取り付けられたシャフトと、
    前記シリンダに形成された第1ベーン溝に配置されており、前記空間を前記ピストンの周方向に沿って仕切る第1ベーンと、
    前記シリンダに形成された第2ベーン溝に配置されており、第1圧縮室と、前記第1圧縮室の容積よりも小さい容積を有する第2圧縮室とが前記シリンダ内に形成されるように、前記第1ベーンによって仕切られた前記空間を前記ピストンの周方向に沿ってさらに仕切る第2ベーンと、
    前記第1圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第1圧縮室に導く第1吸入孔と、
    前記第1圧縮室で圧縮された作動流体を前記第1圧縮室から前記第1圧縮室の外に導く第1吐出孔と、
    前記第2圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第2圧縮室に導く第2吸入孔と、
    前記第2圧縮室で圧縮された作動流体を前記第2圧縮室から前記第2圧縮室の外に導く第2吐出孔と、
    を備え、
    前記第1ベーンが前記ピストンによって前記第1ベーン溝に最大限に押し込まれた瞬間における、前記ピストンの外周面をなす可動円と前記シリンダの内周面をなす固定円との接点の位置を第1角度位置、前記第1角度位置から見て180度反対側における前記固定円の上の位置を第2角度位置、前記第1角度位置及び前記第2角度位置を通り、前記シャフトの回転軸を含む仮想的な平面を第1基準平面、前記第1ベーンの往復運動の方向及び前記シャフトの前記回転軸に平行、かつ前記第1ベーン溝の幅方向の中心を通る仮想的な平面を第2基準平面、前記第2基準平面と前記固定円とが交差する位置を第3角度位置と定義したとき、
    前記シャフトが回転すると、前記可動円と前記固定円との接点が前記第1角度位置、前記第3角度位置及び第2角度位置の順番で通過するように、前記第2基準平面が前記第1基準平面に対して傾いている、ロータリ圧縮機。
  2. 前記第1基準平面に対して、前記第2基準平面が0度より大きく、5度以下の範囲で傾いている、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記第2吸入孔に設けられた吸入逆止弁をさらに備えた、請求項1又は2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記吸入逆止弁は、(i)前記第2圧縮室が最大容積に達した時点から、前記第2圧縮室が最小容積に達する時点まで、(ii)前記第2圧縮室が最大容積に達した時点から、圧縮された作動流体が前記第2吐出孔を通じて前記第2圧縮室の外に吐出され始める時点まで、又は(iii)前記第2圧縮室が最大容積に達した時点から、前記シリンダと前記ピストンとの接点が前記シャフトの回転に伴って前記第2吸入孔を通過する時点まで、前記第2圧縮室に吸入された作動流体が前記第2吸入孔を通じて前記第2圧縮室の外に逆流することを阻止する、請求項3に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記第2吸入孔が、前記第1吸入孔の開口面積よりも小さい開口面積を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記第2吐出孔が、前記第1吐出孔の開口面積よりも小さい開口面積を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記ピストンによって前記第2ベーンが前記第2ベーン溝に最大限に押し込まれた瞬間における前記可動円と前記固定円との接点の位置を第4角度位置と定義したとき、
    前記シャフトの回転方向に関して、前記第1角度位置から前記第4角度位置までの角度θが270度以上に設定されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  8. 前記シリンダ、前記ピストン、前記第1ベーン及び前記第2ベーンを含む圧縮機構を収容している密閉容器と、
    前記密閉容器の内部空間に向かって開口している吐出管と、
    前記第1吐出孔を通じて前記第1圧縮室の外に導かれた作動流体と前記第2吐出孔を通じて前記第2圧縮室の外に導かれた作動流体とが前記密閉容器の内部空間を経由して前記吐出管に流入するように、前記第1吐出孔及び前記第2吐出孔のそれぞれと前記密閉容器の内部空間とを結ぶ吐出流路と、
    前記吐出流路から前記吐出管までの作動流体の流路上に位置するように、前記密閉容器内に配置されたモータと、
    をさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  9. 前記シリンダを第1シリンダ、前記ピストンを第1ピストンと定義したとき、
    当該ロータリ圧縮機は、さらに、
    前記第1シリンダに対して同心円状に配置された第2シリンダと、
    前記第2シリンダ内に配置され、前記シャフトに取り付けられた第2ピストンと、
    前記第2シリンダ内に第3圧縮室が形成されるように、前記第2シリンダと前記第2ピストンとの間の空間を前記第2ピストンの周方向に沿って仕切る第3ベーンと、
    前記第3圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第3圧縮室に導く第3吸入孔と、
    前記第3圧縮室で圧縮された作動流体を前記第3圧縮室から前記第3圧縮室の外に導く第3吐出孔と、
    を備えた、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  10. 前記シリンダを第1シリンダ、前記ピストンを第1ピストンと定義したとき、
    当該ロータリ圧縮機は、さらに、
    前記第1シリンダに対して同心円状に配置された第2シリンダと、
    自身と前記第2シリンダとの間に第2の空間を形成するように前記第2シリンダ内に配置され、前記シャフトに取り付けられた第2ピストンと、
    前記第2シリンダに形成された第3ベーン溝に配置されており、前記第2の空間を前記第2ピストンの周方向に沿って仕切る第3ベーンと、
    前記第2シリンダに形成された第4ベーン溝に配置されており、第3圧縮室と、前記第3圧縮室の容積よりも小さい容積を有する第4圧縮室とが前記第2シリンダ内に形成されるように、前記第3ベーンによって仕切られた前記第2の空間を前記第2ピストンの周方向に沿ってさらに仕切る第4ベーンと、
    前記第3圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第3圧縮室に導く第3吸入孔と、
    前記第3圧縮室で圧縮された作動流体を前記第3圧縮室から前記第3圧縮室の外に導く第3吐出孔と、
    前記第4圧縮室で圧縮するべき作動流体を前記第4圧縮室に導く第4吸入孔と、
    前記第4圧縮室で圧縮された作動流体を前記第4圧縮室から前記第4圧縮室の外に導く第4吐出孔と、
    前記第4吸入孔に設けられた第2吸入逆止弁と、
    を備えた、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  11. 前記シャフトは、前記第1ピストンが取り付けられた第1偏心部と、前記第2ピストンが取り付けられた第2偏心部とを含み、
    前記シャフトの回転方向に関して、前記第1偏心部の突出方向と前記第2偏心部の突出方向との角度差が180°である、請求項9又は10に記載のロータリ圧縮機。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機と、
    前記ロータリ圧縮機で圧縮された作動流体を冷却する放熱器と、
    前記放熱器で冷却された作動流体を膨張させる膨張機構と、
    前記膨張機構で膨張した作動流体を気相の作動流体と液相の作動流体とに分離する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された液相の作動流体を蒸発させる蒸発器と、
    前記蒸発器から流出した作動流体を前記ロータリ圧縮機の前記第1吸入孔に導く吸入流路と、
    前記気液分離器で分離された気相の作動流体を前記ロータリ圧縮機の前記第2吸入孔に導くインジェクション流路と、
    を備えた、冷凍サイクル装置。
JP2010257059A 2010-11-17 2010-11-17 ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置 Expired - Fee Related JP5824664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010257059A JP5824664B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010257059A JP5824664B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012107568A true JP2012107568A (ja) 2012-06-07
JP5824664B2 JP5824664B2 (ja) 2015-11-25

Family

ID=46493434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010257059A Expired - Fee Related JP5824664B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5824664B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160082351A (ko) * 2014-12-04 2016-07-08 광동 메이지 컴프레셔 컴퍼니 리미티드 저배압 회전식 압축기
CN107061276A (zh) * 2017-03-24 2017-08-18 广东美芝精密制造有限公司 旋转压缩机
WO2017219669A1 (zh) * 2016-06-22 2017-12-28 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 泵体组件及具有其的压缩机
JP2018071493A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 ダイキン工業株式会社 圧縮機

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5153608A (ja) * 1974-11-06 1976-05-12 Sanyo Electric Co Kaitenshikiatsushukuki
JPS52137708A (en) * 1976-05-13 1977-11-17 Sanwa Seiki Mfg Co Ltd Compressors
JPS54177611U (ja) * 1978-06-05 1979-12-15
JPS59108892A (ja) * 1982-12-13 1984-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機
JPH0353532B2 (ja) * 1982-10-08 1991-08-15 Daikin Ind Ltd
JP2009174439A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Panasonic Corp 圧縮機

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5153608A (ja) * 1974-11-06 1976-05-12 Sanyo Electric Co Kaitenshikiatsushukuki
JPS52137708A (en) * 1976-05-13 1977-11-17 Sanwa Seiki Mfg Co Ltd Compressors
JPS54177611U (ja) * 1978-06-05 1979-12-15
JPH0353532B2 (ja) * 1982-10-08 1991-08-15 Daikin Ind Ltd
JPS59108892A (ja) * 1982-12-13 1984-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機
JP2009174439A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Panasonic Corp 圧縮機

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160082351A (ko) * 2014-12-04 2016-07-08 광동 메이지 컴프레셔 컴퍼니 리미티드 저배압 회전식 압축기
KR101710350B1 (ko) 2014-12-04 2017-02-27 광동 메이지 컴프레셔 컴퍼니 리미티드 저배압 회전식 압축기
KR101751901B1 (ko) 2014-12-04 2017-07-11 광동 메이지 컴프레셔 컴퍼니 리미티드 저배압 회전식 압축기
WO2017219669A1 (zh) * 2016-06-22 2017-12-28 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 泵体组件及具有其的压缩机
JP2018071493A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 ダイキン工業株式会社 圧縮機
WO2018083944A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 ダイキン工業株式会社 圧縮機
CN107061276A (zh) * 2017-03-24 2017-08-18 广东美芝精密制造有限公司 旋转压缩机
CN107061276B (zh) * 2017-03-24 2019-12-06 广东美芝精密制造有限公司 旋转压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
JP5824664B2 (ja) 2015-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5631398B2 (ja) ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP5631399B2 (ja) ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP4875484B2 (ja) 多段圧縮機
JP4261620B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP3778203B2 (ja) 回転式圧縮機
KR100861646B1 (ko) 용적형 팽창기
JP2008286037A (ja) ロータリ圧縮機およびヒートポンプシステム
WO2009136488A1 (ja) 流体機械
JP3757977B2 (ja) 回転式流体機械
JP5824664B2 (ja) ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
WO2013061606A1 (ja) ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP4989269B2 (ja) 流体機械および冷凍サイクル装置
JP4930314B2 (ja) 容積型膨張機、膨張機一体型圧縮機、および冷凍サイクル装置
JP2012093017A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2001207983A (ja) 気体圧縮機
JP4492284B2 (ja) 流体機械
JP2010031734A (ja) ロータリ圧縮機
JP2008175110A (ja) 圧縮機
JP5003085B2 (ja) 回転式流体機械
JP4655051B2 (ja) 回転式圧縮機
KR20150088037A (ko) 밀폐형 로터리 압축기
JPWO2011161953A1 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2014025433A (ja) 回転式圧縮機
JP2008190493A (ja) 回転式圧縮機
JP2009185657A (ja) 膨張機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140918

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20141009

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20141014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150512

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5824664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees