JP2012105565A - 容器詰コーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】風味を損なうことなく、保存性に優れた容器詰コーヒー飲料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)〜(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)マンノース、及び
(C)遊離マンノース
を含有し、前記成分(B)の含有量が0.06質量%以下であり、前記成分(B)と前記成分(C)の総量に対する前記成分(B)の質量比が0.75以下である、容器詰コーヒー飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰コーヒー飲料に関する。
コーヒー飲料は嗜好性飲料として広く愛好されており、いつでも手軽に楽しむことができる容器詰コーヒー飲料として多種多様のものが上市されている。しかしながら、容器詰コーヒー飲料は、保存時や流通過程において濁りや沈殿が生じやすいため、商品価値が著しく低下し、また雑味によりコーヒー本来の風味が損なわれるという問題があった。
このような濁りや沈殿の問題を解決すべく、例えば、殺菌工程前のコーヒー抽出液に、ペクチナーゼ、セルラーゼ等の酵素を作用させる方法(特許文献1)、コーヒー抽出液をマンナン分解酵素で処理した後、アルカリ性のナトリウム塩又はカリウム塩を添加する方法(特許文献2)、コーヒー抽出液のpHを6.8越え8.5以下に調整した後、濾過する方法(特許文献3)が提案されている。
特開平04−045745号公報 特開平07−184546号公報 特開2004−194561号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、酵素処理によりコーヒー本来の風味が損なわれてしまうことが判明した。また、特許文献3に記載の方法は、濁りや沈澱の生成抑制が不十分であり、改善の余地があることが判明した。
したがって、本発明の課題は、風味を損なうことなく、保存性に優れた容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、保存時における濁りや沈殿の原因を究明すべく検討した結果、コーヒー抽出液中に含まれるオリゴ糖の一種であるマンノオリゴ糖を構成するマンノース(以下、単に「マンノース」とも記載する)と遊離マンノースの含有質量比を制御することで、風味を損なうことなく、保存性を改善できることを見出した。また、本発明者らは、コーヒー抽出液を活性炭処理した後pHを特定範囲内に制御すると、保存時や流通過程で問題となる濁りを短時間で生成させることができ、そしてその濁りを除去し更にpHを特定範囲に制御することで、風味を損なうことなく、保存性に優れた容器詰コーヒー飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)マンノース、及び
(C)遊離マンノース
を含有し、
前記成分(B)の含有量が0.06質量%以下であり、
前記成分(B)と前記成分(C)の総量に対する上記成分(B)の質量比が0.75以下である、容器詰コーヒー飲料を提供するものである。
本発明はまた、コーヒー抽出液を活性炭処理し、pHを6.5〜9に調整し、次いでろ過し、ろ液のpHを4以上6.5未満に調整する工程を含む容器詰コーヒー飲料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、風味を損なうことなく、濁りや沈殿の生成を抑制して保存性の良好な容器詰コーヒー飲料を提供することができる。また、本発明によれば、このような容器詰コーヒー飲料を簡便な操作で製造することが可能である。
本発明の容器詰コーヒー飲料は(A)クロロゲン酸類を含有するが、風味バランス及び生理活性の観点から、(A)クロロゲン酸類の含有量は0.05〜3質量%、更に0.1〜2質量%、特に0.15〜1質量%、殊更0.15〜0.3質量%であることが好ましい。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、クロロゲン酸類の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。なお、「クロロゲン酸類の含有量」は、後掲の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、コーヒーオリゴ糖の一種であるマンノオリゴ糖を構成する(B)マンノースと(C)遊離マンノースを含有するが、(B)マンノースの含有割合が顕著に低減されていることを特徴とするものである。具体的には、(B)マンノースと(C)遊離マンノースとの総量に対する(B)マンノースの質量比〔(B)/[(B)+(C)]〕は0.75以下であるが、保存性向上の観点から、0.7以下、更に0.65以下、特に0.59以下であることが好ましい。なお、質量比〔(B)/[(B)+(C)]〕の下限値は特に限定されないが、製造効率の観点から、0.4、特に0.5であることが好ましい。ここで、(B)マンノースと(C)遊離マンノースにはそれぞれD型及びL型の立体異性体が存在するが、ここでいう(B)マンノース及び(C)遊離マンノースの各含有量はD型であり、後掲の実施例に記載の方法により測定される。
また、本発明の容器詰コーヒー飲料中の(B)マンノースの含有量は0.06質量%以下であるが、保存性向上の観点から、0.055質量%以下、特に0.052質量%以下であることが好ましい。なお、(B)マンノースの含有量の下限値は特に限定されないが、製造効率の観点から0.03質量%、特に0.04質量%であることが好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料中の(C)遊離マンノースの含有量は、風味の点から、0.03〜0.1質量%、更に0.04〜0.08質量%、特に0.04〜0.06質量%であることが好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料のBrix(糖用屈折計示度)は、風味バランスの観点から、1.5〜5、更に2〜4、特に2.5〜3.5であることが好ましい。なお、「Brix」は、後掲の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の容器詰コーヒー飲料のpH(20℃)は、保存性向上及び風味バランスの観点から、4以上6.5未満、更に4.5〜6.2、特に5〜6であることが好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料のヘイズ(20℃)は、保存性向上の観点から、7.1以下、更に6以下、特に5.5以下であることが好ましく、下限値は特に限定されない。なお、「ヘイズ」は、後掲の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、所望により、乳成分、甘味料、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、容器詰ブラックコーヒー飲料でも、容器詰ミルクコーヒー飲料でもよい。また、容器詰コーヒー飲料は、シングルストレングスであることが好ましい。ここで、「シングルストレングス」とは、容器詰コーヒー飲料を開封した後、薄めずにそのまま飲めるものをいう。
次に、本発明の容器詰コーヒー飲料の製造方法について説明する。
本発明の容器詰コーヒー飲料の製造方法は、コーヒー抽出液を活性炭処理し、pHを6.5〜9に調整し、次いでろ過し、ろ液のpHを4以上6.5未満に調整する工程を含むことを特徴とする。
本発明で使用するコーヒー抽出液として、焙煎コーヒー豆から抽出したコーヒー抽出液、インスタントコーヒーの水溶液等を用いることができる。コーヒー抽出液は、当該コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で1g以上、更に2.5g以上、特に5g以上使用しているものが好ましい。
また、本発明で使用するコーヒー抽出液のBrixは、製造効率の点から、4〜30、更に4.5〜20、特に5〜10であることが好ましい。
抽出に使用するコーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種が挙げられる。コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンが例示される。また、コーヒー豆は、1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。
焙煎コーヒー豆の焙煎度としては、例えば、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンが挙げられる。中でも、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティがクロロゲン酸類を多く含み、飲用しやすい点で好ましい。
焙煎度を色差計で測定したL値としては、10〜30、特に15〜25であることが好ましい。なお、本発明においては、焙煎度の異なるコーヒー豆を混合して使用しても、また粉砕したものを使用してもよい。
抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件を採用することが可能であり、例えば、特開2009−153451号公報に記載の方法及び条件が挙げられる。また、得られたコーヒー抽出液は、必要により濃縮又は水希釈してもよい。
コーヒー抽出液を準備した後、当該コーヒー抽出液を活性炭で処理する。
本発明に用いる活性炭としては、例えば、吸着技術便覧―プロセス・材料・設計―(平成11年1月11日、エヌ・ティー・エス発行、監修者:竹内 雍)に記載されている炭素質吸着材を使用することができる。
活性炭の種類としては特に限定されないが、例えば、粉末状活性炭、粒状活性炭、活性炭繊維が挙げられ、適宜選択して使用することができる。
活性炭処理の方法は、バッチ法又はカラム通液法が挙げられる。
バッチ法としては、コーヒー抽出液に活性炭を加え、20〜30℃で30〜60分、攪拌した後、活性炭を除去すれば良い。処理時の雰囲気としては、空気下、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素)が挙げられるが、風味が損なわれない点から不活性ガス下が好ましい。
カラム通液法としては、カラム内に活性炭を充填し、コーヒー抽出液をカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させる。活性炭の充填高さL及びD(径)の比L/Dは0.1〜10が好ましい。活性炭のカラム内への充填量は、通液前にカラムに充填できる量であれば良い。カラムは、その上段又は下段の少なくとも1つにメッシュ(網)又はパンチングメタルなどの、実質的に活性炭が漏れ出さない分離構造体を有していることが好ましい。通液する際のコーヒー抽出液の温度は−10℃〜100℃が好ましく、風味の観点より0〜40℃がより好ましい。カラム内の活性炭量(K[g])対するコーヒー抽出液の液流量(QC[g/分])の滞留時間(K/QC)は0.5〜300分が好ましい。
粉末状及び粒状活性炭の由来原料としては、オガコ、石炭やヤシ殻などがあるが、ヤシ殻由来のヤシ殻活性炭が好ましく、特に、水蒸気などのガスにより賦活した活性炭が好ましい。このような水蒸気賦活活性炭の市販品としては、白鷺WH2c(日本エンバイロケミカルズ株式会社)、太閣CW(二村化学工業株式会社)、クラレコールGL(クラレケミカル株式会社)等が挙げられる。
活性炭の使用量は、不要成分の除去効率の観点から、コーヒー抽出液の固形分に対して0.1〜2質量倍、更に0.2〜1質量倍、特に0.3〜0.8質量倍であることが好ましい。なお、「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
活性炭との接触処理後、コーヒー抽出液のpHを調整する。これにより、濁りや沈殿の原因物質を凝集させて、短時間で濁りや沈殿を生成させることができる。
コーヒー抽出液のpHは6.5〜9に調整されるが、保存性改善、クロロゲン酸類量保持の観点から、好ましくは6.6〜8.7、更に好ましくは6.7〜8.6、特に好ましくは6.8〜8.5である。なお、pH調整には、例えば、無機酸、有機酸又はそれらの塩を使用することが可能である。具体的には、重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L−アルコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。中でも、pH調整のしやすさ及び加熱殺菌後の風味の点から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
次に、pH調整後のコーヒー抽出液をろ過する。これにより、保存時や流通過程で問題となる濁りや沈殿が除去され、保存性を改善することができる。
ろ過操作には、ろ紙、膜ろ過などの公知の手段を採用することが可能である。中でも、膜ろ過が好ましく、例えば、メンブランフィルターを使用することができる。メンブランフィルターの孔径は、例えば、0.01〜10μm、特に0.1〜0.5μmであるものが好ましく、またその材質はニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等が好ましい。
次に、前記ろ過後のろ液のpHを再度調整し、pHを低下させる。調整するpHの範囲は4以上6.5未満であるが、保存性の向上及び風味バランスの点から4.5〜6.2、特に5〜6とすることが好ましい。なお、pH調整には、前記と同様に無機酸、有機酸又はそれらの塩を使用することが可能であるが、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられる。中でも、風味の点から、特にクエン酸が好ましい。
本発明においては、ろ過後のろ液を超音波処理してもよい。これにより、濁りや沈殿の原因物質をより確実に除去することができ、保存性をより一層改善することができる。
超音波処理としては、ろ液に対して、周波数20〜200kHzにて10〜1000秒間行うことが好ましく、周波数20kHz〜50kHzにて30〜300秒間行うことがより好ましい。超音波処理装置としては、例えば、BRANSONIC 5510J−DTH(BRANSON ULTRASONICS社製)などを使用することができる。
なお、超音波処理後においては、上記と同様のろ過操作を行うことができる。
処理後のコーヒー抽出液は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填される。
また、容器に充填した後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で殺菌処理することができる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できない場合には、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法を採用することができる。
(クロロゲン酸類の分析)
クロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。
装置の構成ユニットの型番は次の通り。
UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
UV−VIS検出器設定波長:325nm、
カラムオーブン設定温度:35℃、
溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
(A1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
(A2)フェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
(A3)ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
(マンノース及び遊離マンノースの分析)
マンノースの分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。
装置の構成ユニットの型番は次の通り。
検出器:ELSD−LTII((株)島津製作所)
カラム:Unison UK−Amino 内径4.6mm×長さ250mm、粒子径3μm
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
カラムオーブン設定温度:45℃、
溶離液X:Water、
溶離液Y:Acetonitrile、
濃度勾配条件:Y 濃度95体積%(0min)→89体積%(12min)→70体積%(25min)→30体積%(25.01−30min)→95体積%(30.01−40min)
試料10gを秤量後、硫酸を濃度72質量%になるように加え、室温で1時間攪拌した。その後、硫酸濃度4質量%になるように希釈し、121℃にて1時間加熱した。そして、試料をメンブレンフィルターにて濾過した後、分析に供することにより、試料中の全マンノース含有量を求めた。また、同様に試料10gを秤量後、メンブレンフィルターにて濾過した後、そのまま分析に供することにより、試料中の遊離マンノース含有量を求めた。前記全マンノース含有量から、前記遊離マンノース含有量を差し引くことにより、試料中のマンノオリゴ糖を構成するマンノース含有量を求めた。
(Brixの測定)
糖度計(Atago RX−5000α−Bev、Atago社製)を用いて20℃にて測定した。
(ヘイズの測定)
ヘイズ・透過率計(型式HR−100、村上色彩技術研究所社製)を用い、各容器詰コーヒー飲料をガラスセル(光路長10mm、横35mm、縦40mm)に入れてヘイズを20℃にて測定した。
(濁り・沈殿の評価)
各容器詰コーヒー飲料を60℃にて14日間保存した後、濁り・沈殿の有無について、専門パネル5名が目視にて観察し、下記基準に従い協議により評価値を決定した。
(濁り・沈澱の評価基準)
5:なし
4:ほとんどなし
3:少し濁りあり
2:濁りと少しの沈澱あり
1:濁りと沈澱あり
(風味評価)
各容器詰コーヒー飲料の風味について、専門パネル5名が飲用し、コーヒーらしい香り・コクについて、下記基準に従い協議により評価値を決定した。なお、「えぐみ」とは、あくが強く、舌やのどがひりひりとするような感じや味をいう。
(風味評価基準)
5:香り・コクが強く良好
4:香り・コクがありやや良好
3:香り・コクがやや弱い
2:香り・コクが弱く不良
1:香り・コクがなく異味(苦味・えぐみ)を感じる
製造例1
(コーヒー抽出液の調製)
ブラジル産(アラビカ種)の焙煎コーヒー豆(焙煎度:L22)400gを93℃の熱水にて抽出し、2400gのコーヒー抽出液(Brix5.0)を得た。
実施例1
製造例1で得られたコーヒー抽出液を活性炭(白鷺WH2C 42/80LSS、日本エンバイロケミカルズ(株))にて処理を行った。活性炭処理は、25℃、60分の攪拌によるバッチ処理により行った。なお、活性炭の使用量は、コーヒー抽出液の固形分に対して0.5質量倍とした。次いで得られた活性炭処理抽出液のpHを重曹にて8.5に調整した後、室温にて10分放置した。発生した沈殿物を孔径0.5μmのメンブレンフィルターにて濾過により除去した後、周波数20kHzにて1分間の超音波処理を実施した。その後、イオン交換水で希釈してBrix3.0に調整し、pHをクエン酸により5.8に再度調整後、缶容器に充填し、134℃、90秒の加熱殺菌を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例2
前記「周波数20kHzにて1分間の超音波処理」を実施しなかった以外は、実施例1と同じ方法により容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
製造例1で得られたコーヒー抽出液を、イオン交換水で希釈してBrix3.0に調整し、pHを重曹にて5.8に調整後、缶容器に充填し、134℃、90秒の加熱殺菌を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例2
コーヒー抽出液の活性炭処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様の操作にて容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例3
製造例1で得られたコーヒー抽出液を活性炭(白鷺WH2C 42/80LSS、日本エンバイロケミカルズ(株))にて処理を行った。活性炭処理は、25℃、60分の攪拌によるバッチ処理により行った。なお、活性炭の使用量は、コーヒー抽出液の固形分に対して0.5質量倍とした。活性炭を孔径0.5μmのメンブレンフィルターにて濾過により除去し、次いで得られた活性炭処理抽出液をイオン交換水で希釈してBrix3.0に調整し、pHを重曹にて5.8に調整後、缶容器に充填し、134℃、90秒の加熱殺菌を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例4(コーヒー酵素処理)
製造例1で得られたコーヒー抽出液にヘミセルラーゼ製剤・スクラーゼK(三菱化学フーズ(株)製)を0.005質量%添加し、室温にて30分攪拌後、イオン交換水で希釈してBrix3.0に調整し、pHを重曹にて5.8に調整後、缶容器に充填し、134℃、90秒の加熱殺菌を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例5
濾過前のpH調整を重曹ではなく水酸化カリウムを使用し、濾過後のクエン酸によるpH調整を行わなかったこと以外は、比較例2と同様の操作にて容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2012105565
表1から、容器詰コーヒー飲料中に含まれる(B)マンノースの含有量を0.06質量%以下とし、かつ(B)マンノース及び(C)遊離マンノースの総量に対する(B)マンノースの質量比を0.75以下に制御することで、風味を損なうことなく、濁りや沈殿の生成を抑制して保存性の良好な容器詰コーヒー飲料が得られることが確認された。
また、コーヒー抽出液を活性炭処理してpH6.5〜9に調整し、次いでろ過してろ液のpHを4以上6.5未満に調整するという工程を採用することにより、前記成分(B)の含有量及び質量比(B)/[(B)+(C)]が前記要件を満たす容器詰コーヒー飲料が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)クロロゲン酸類
    (B)マンノース、及び
    (C)遊離マンノース
    を含有し、
    前記成分(B)の含有量が0.06質量%以下であり、
    前記成分(B)と前記成分(C)との総量に対する前記成分(B)の質量比が0.75以下である、容器詰コーヒー飲料。
  2. Brixが1.5〜5である、請求項1記載の容器詰コーヒー飲料。
  3. 前記成分(A)の含有量が0.05〜3質量%である、請求項1又は2記載の容器詰コーヒー飲料。
  4. pHが4〜6.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰コーヒー飲料。
  5. コーヒー抽出液を活性炭処理し、pHを6.5〜9に調整し、次いでろ過し、ろ液のpHを4以上6.5未満に調整する工程を含む、容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  6. 前記ろ液のpHをクエン酸で調整する、請求項5記載の製造方法。
  7. 前記ろ過後のろ液を超音波処理する工程を有する、請求項5又は6記載の製造方法。
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