JP2012105423A - Dcブラシレスモータおよびその制御方法 - Google Patents

Dcブラシレスモータおよびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石が不要なSRモータを、単一コイルで実現する。
【解決手段】励磁コイル2を有する固定子3と、インナーロータの回転子4とを備えて構成され、SR動作を行なうDCブラシレスモータ1において、励磁コイル2を単一で実現するにあたって、回転子4については通常通り、基部41と、半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数の突起42とを備えて構成する一方、固定子3については、円環状の励磁コイル2を挟んで軸方向の両側に配置される第1および第2の磁心31,32において、磁極となる突起311,321の数を第1の磁心31と第2の磁心32とで異なる数とする。したがって、第1の磁心31の突起311から入り込んだ回転子4の同じ側から、第2の磁心32の突起321へ抜けてゆき、突起311,321の数が異なることで、周方向の回転トルクを発生させ、単一での駆動を可能にできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、DCブラシレスモータおよびその制御方法に関し、主に圧粉磁心を鉄心として用い、1相での励磁により駆動するモータに関するものである。
モータは電力を動力に変換する部品として、自動車、家電や産業用途など、幅広い分野で利用されている。モータは、非回転部分である固定子と、出力軸と共に回転する回転子とを備えて構成され、これらには電磁コイルや磁石、鉄心が含まれている。
モータは、駆動力を発生する原理や構造によって幾つかの種類に分けられるが、永久磁石を用いたモータはPM(Permanent Magnet)モータと呼ばれ、特に幅広い分野で用いられている。このPMモータでは、回転子に前記永久磁石が設けられており、固定子に設けられた電磁コイルと、前記永久磁石が発する磁束との相互作用によって回転力を得ている。
ところで、モータは動力源であるので、小型化へのニーズは強く、小型化のためにはより強い磁力を発生することが必要である。そのより強い磁力を得るためには、強い磁束を発する磁石が必要であり、例えば特許文献1には、Nd―Fe−B系の元素を用いた磁石が開発されている。しかしながら、これらの磁石にはDyやNdなどの高価で希少な金属が必要であるという問題点もある。一方、電磁コイルで発生する磁場を大きくすることによっても強い磁力(電磁力)を得ることができ、その手法としては、励磁電流を大きくする、あるいは電磁コイルの巻き数を増やすことが有効である。しかしながら、前者はコイルの断面積、後者は巻き線の空間的な制約があり、自ずと限界がある。
そこで近年では、鉄心に圧紛磁心を用いたモータの開発が進んでいる。前記圧紛磁心は、軟磁性用粉末の表面に絶縁皮膜を形成した後、圧紛成形と熱処理とによって成形される。ここで、従来から、モータには、電磁鋼板を打抜き、積層した積層磁心が使用されており、その積層磁心は積層した方向には磁束を通し難く、板面内方向に磁束を通し易いので、平面内での磁気回路設計がなされてきた。これに対して上記圧紛磁心は、軟磁性用粉末を圧粉成形して成るので、磁気特性が等方的であり、三次元的な磁気回路を有するモータの設計を可能にする磁心材料と言える。また、圧粉磁心は、圧紛成形における金型形状の変更や成形後の機械加工などによって任意の形状とすることができるので、三次元的な磁気設計によりモータコア形状の多様化を可能にし、扁平型や小型なモータの設計を可能にすることができる。
そのような圧粉磁心を活用し、小型化したモータとして例えば、特許文献2〜4には、三次元磁気回路を用いたクローティース型モータが開示されている。これらの特許文献2〜4によれば、従来、各々のティースにコイルを巻回していたものを、クローポール型の鉄心に円環状のコイルを内装することで、巻線密度の向上、すなわち磁力の向上による小型化を可能にしている。また、圧粉磁心を使用することで、交流磁界での駆動が可能になり、電気角で相互に120°ずれた3層構造のステータとすることにより、3相交流磁界でのブラシレス駆動をも可能にしている。
特開2009−43776号公報 特開2006−333545号公報 特開2007−325373号公報 特開2009−142086号公報
上述の特許文献2〜4には、圧紛磁心を用いたクローポールモータが開示されている。そして、固定子は爪型磁極の付いた圧紛磁心がコイルを囲う3次元磁気回路を有する構造となっているが、3相の電流源を用いたモータであり、3つの固定子を回転軸方向に並べ、各々に1つの電流相が割り当てられている。このため、1相毎に圧粉磁心ステータを有する3層構造は必須であり、モータを小型化しようとすると固定子の部品サイズを薄く、すなわち圧粉磁心の厚さを少なくとも1/3には薄くする必要があり、圧粉磁心では充分な強度が確保できなくなる(脆い)という問題がある。
そこで、圧粉磁心の強度を確保するためには、部品形状を大きく(厚く)することが必須となり、1つの固定子の1相励磁型のモータを構成する必要がある。ところが、コイルで発生した磁力を充分活用するためには、ステータは突極となることが望ましいが、突極磁心での1相励磁では、回転磁界が発生せず、回転子を回転させるトルクを得られない。また、特許文献2〜4に記載される磁心形状では、コイルで発生したその周囲を周回する磁束の多くは回転トルクとして寄与せず、交互に噛み合う上下のティース間に流れる周方向の洩れ磁束しかトルクへ活用できず、磁束を有効に利用できないという問題がある。
一方、前記永久磁石を用いないモータとして、従来から、SR(Switched reluctance)が用いられている。このSRモータは、回転に伴う磁気抵抗の変化に起因したリラクタンストルクを利用したモータで、回転子の突極が近付いてきた固定子のコイルに通電を順次切り替えて(switchする)回転させてゆくものである。したがって、回転子に磁石を使用していないために低コストという利点があり、かつ磁石の熱減磁が問題にならないので、前記のPMモータに比べて、高温での運転が可能という利点もある。しかしながら、このSRモータも、1相では回らず、複数層或いは多相構造とする必要がある。
本発明の目的は、突極を有する単一の固定子および電磁コイルで構成される3次元磁気回路を有し、磁力を有効に活用できるモータを実現することができるDCブラシレスモータおよびその制御方法を提供することである。
本発明のDCブラシレスモータは、単一の励磁コイルを有する固定子と、該固定子の内部に同軸で設けられる回転子とを備えて構成され、前記励磁コイルの周囲に生じる磁束の流れに対する前記固定子と回転子との間の磁気抵抗変化を駆動力とするDCブラシレスモータであって、前記回転子は、基部と、その基部から半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数の突起とを備えて構成され、前記固定子は、円環状の前記励磁コイルと、前記励磁コイルを挟んで、回転軸方向の両側に配置され、円環状に形成される本体と、その本体から半径方向内方側に延びて、周方向に複数形成され、磁極となる突起とを有する第1および第2の磁心とを備えて構成され、前記第1の磁心と第2の磁心との突起数が相互に異なることで、前記単一の励磁コイルでの駆動を可能にすることを特徴とする。
上記の構成によれば、励磁コイルを有する固定子と、該固定子の内部に同軸で設けられるインナーロータの回転子とを備えて構成され、前記励磁コイルの周囲に生じる磁束の流れに対する前記固定子と回転子との間の磁気抵抗変化を駆動力とするSR動作を行なうDCブラシレスモータにおいて、前記励磁コイルを単一のコイルで実現するにあたって、以下の構成を採用する。
先ず、励磁コイルが単一で、回転磁界が発生しないと、回転角度によっては静止状態でトルクが得られず、自立起動ができない場合がある。すなわち、SRモータは磁気抵抗変化を駆動力として回転するものであるので、磁気抵抗変化が無い回転角度位置では、トルクを得ることができず、一定速度での回転中ではトルクの無い回転角であっても慣性によって回転することができるが、静止状態でトルクの無い回転角の場合には起動ができなくなる。
このため、SRモータは、固定子と回転子との双方に突極(磁極)を備えているが、回転子については、通常通り、基部と、その基部から半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数の突起とを備えて構成する一方、固定子については、円環状の励磁コイルを挟んで回転軸方向の両側に配置される第1および第2の磁心において、磁極となる突起の数を、第1の磁心と第2の磁心との間で異なる数とする。
したがって、励磁コイルの回転軸方向の両側に配置される2つの磁心において、通常のSRモータでは、軸方向に延びるクローポールが規則的に交互に入れ込んで配列されて、前記磁束の流れは、回転子を通して、直径方向となるのに対して、本発明では、磁極となる突起は、円環状に形成される本体から半径方向内方側に延びた突極であるので、前記磁束の流れは、第1の磁心(第2の磁心)の突起から入り込んだ回転子の同じ側から、第2の磁心(第1の磁心)の突起へ抜けてゆく。そして、前記第1の磁心と第2の磁心とで、突起の数が異なることで、回転磁界が発生しない単一の励磁コイルからなるモータであっても、何れかの磁極間で周方向の回転トルクを発生させ、単一のコイルでの駆動を可能にすることができる。
こうして、単一コイルおよびステータから成る小型で単純な構造で、かつ1相励磁による駆動が可能なDCブラシレスモータを実現することができる。また、SR動作を行なうにあたって、前記のように1相励磁であっても、固定子の磁極を突極とすることができ、その突極によって磁束を有効に利用し、高効率化することができる。さらにまた、本DCブラシレスモータは、単純な構造であるので、生産性が高く、SRモータは前述のように回転子と固定子との磁気抵抗変化を駆動力として、磁石を必要とせず、ロータの回転に必要なトルクが得られることから、産業用および民生用に必須な動力源であるDCブラシレスモータにおいて、希土類磁石など希少金属を節約する効果がある。
また、本発明のDCブラシレスモータでは、前記第1の磁心の突起は、回転子の突起と同数に形成され、前記第2の磁心の突起は、回転子の突起の2倍の数に形成され、前記第2の磁心の突起の周囲には、ループ状の導電体に整流素子が介在されて成る誘導コイルがそれぞれ設けられ、前記整流素子は、該整流素子による通電方向の制限が、隣り合う磁極毎に反対となるように配置されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、上述のように第1および第2の磁心における突起の数が異なることで、何れかの磁極間で周方向の回転トルクを発生させるにあたって、第1の磁心の突起の数を回転子の突起の数と同数に形成することで、比較的均一な回転トルクを発生させることができる。
しかしながら、その場合、回転子の突起が第2の磁心の突起の中間位置に停止すると、第1の磁心の突起の位置によっては、起動が困難になる。そこで、前記第2の磁心の突起の周囲に誘導コイルをそれぞれ設け、その誘導コイルをループ状の導電体に整流素子を介在して構成し、かつ整流素子による通電方向の制限が、隣り合う磁極毎に反対となるように配置する。これによって、励磁コイルに与えられた起動パルスによって誘導コイルに誘起される電圧は、隣接する誘導コイル間で逆方向となり、一方の誘導コイルでは整流素子がONしてループ電流が流れて励磁磁束を打ち消し(反磁束)、他方の誘導コイルでは整流素子がOFFしてループ電流は流れず、励磁磁束はそのままとなる。
したがって、そのような第2の磁心の突起間に回転子が停止した状況であっても、隣接する第2の磁心の突起間に不均等な磁界を発生させ、磁気抵抗変化が一定とならないようにすることができる。こうして、単一の励磁コイルと固定子との組合わせであっても、自立起動が可能なSRモータを実現することができる。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータでは、前記第2の磁心の突起は、2つを一対として、対応する第1の磁心の突起を中心として周方向に均等にずれて配置されることを特徴とする。
上記の構成によれば、前述のように第2の磁心の突起の数を第1の磁心の突起の数の倍に形成した場合に、第2の磁心の2つの突起を一対として、対応する第1の磁心の突起を中心として周方向に均等にずれて配置することで、より均一な回転トルクを発生させることができる。
しかしながら、その場合、回転子の突起が第1の磁心の突起に並んで、すなわち前記の対を成す第2の磁心の突起の中間位置に停止すると、前述のように起動が困難になるのに対して、前記第2の磁心に前記のような誘導コイルを設けておくことで、自立起動を可能にすることができる。
また、本発明のDCブラシレスモータは、前記回転子の突起の先端による軌跡の円筒面において、該先端の周方向長さが、50%以上、65%以下であることを特徴とする。
上記の構成によれば、回転子は、基部から突出した磁極となる複数の突起を有し、該突起の先端による軌跡の円筒面において、該先端の周方向長さ(=面積)が、50%以上、65%以下(すなわち、突起間のギャップが、50%以下、35%以上)とすることで、大きなトルクを発生させることができる。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータでは、前記励磁コイルは、帯状の導体部材が、その幅方向が該励磁コイルの回転軸方向に沿うように巻回されて成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1および第2の磁心内を流れる磁束に対して、渦電流の原因となる導体部材で直交する面は、帯の厚みに相当する幅だけであり、前記渦電流を抑制し、発熱を抑えることができる。しかも帯状の導体部材は、隙間無く巻回できるので、円柱状の素線を巻回する場合に比べて、電流密度を大きくすることができるとともに、導体部材内部からの放熱も良好である。
また、本発明のDCブラシレスモータでは、前記誘導コイルにおける導電体は、回転軸方向に延び、前記各第2の磁心の突起の両側に配置される支柱と、その支柱の両端にそれぞれ結合されて前記突起の上下に配置される2つのリング体とで構成される一体の籠型構造であり、前記整流素子は、第1および第2の磁心間のリング体に介在され、そのリング体が各磁極の周囲を囲うことを特徴とする。
上記の構成によれば、誘導コイルは一体の籠型構造であるので、一方のリング体を取外した状態で該誘導コイルを第2の磁心に嵌め込んだ後、前記一方のリング体を支柱に接合するだけで、該第2の磁心に誘導コイルを巻回することができ、組立てが容易である。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータでは、前記第1および第2の磁心および回転子が、鉄基軟磁性粉末からなる圧紛磁心、フェライト磁心、または軟磁性合金粉末を樹脂中に分散させた軟磁性材料からなる磁心であることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記第1および第2の磁心および回転子を、最適で複雑な任意形状に成型することができる。
また、本発明のDCブラシレスモータでは、前記固定子を回転軸方向に複数個積層することを特徴とする。
上記の構成によれば、複数個倍、トルクを向上することができる。また、その複数個で、第1および第2の磁心の位相角を均等にずらせておくことで、トルクを均一に近付けることができる。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータでは、前記第1および第2の磁心の少なくとも一方の本体は、その周方向断面がL字型に形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、L字の内側に励磁コイルを嵌め込むだけで、組立てを行なうことができる。
また、本発明のDCブラシレスモータの制御方法は、前記のDCブラシレスモータの制御方法であって、前記誘導コイルの整流素子がONするのに充分な立ち上がり時間および波高を有し、かつ、目的とする回転方向に対応した極性のパルス状の電流を前記励磁コイルに与えることによって、前記回転子を目標回転方向に起動することを特徴とする。
上記の構成によれば、上述のように回転子の突起が第2の磁心の突起の中間位置に停止していても、確実に起動させることができる。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータの制御方法では、回転子の目標回転方向に対して、前記回転子の回転角度位置が、前記固定子と該回転子との間に発生するインダクタンス特性が増加しない位置から回転させる場合は、事前に、前記励磁コイルに対して、前記回転子を、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度にまで逆転させるための電流を流し、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度に到達してから、前記のパルス状の電流を与えることを特徴とする。
上記の構成によれば、回転子の停止位置が目標回転方向に対して起動トルクが得られない位置であっても、一旦逆方向に駆動して、起動トルクが得られるようになってから、本来の目標回転方向に駆動するので、より確実に起動させることができる。
好ましくは、前記回転子が回転開始後、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度領域においてのみ、前記励磁コイルに、回転方向と同符号の電流(正回転時は正の電流。負回転時は負の電流)を流すことによって、前記回転子が目標回転方向に回転速度を維持することを特徴とする。
また好ましくは、前記誘導コイルの整流素子がONされるのに充分な立ち上がり時間と波高とを有し、かつ、目標回転方向に対応した極性の電流を、前記励磁コイルに流すことで、負荷トルクに応じたトルク制御や、軽負荷トルクでの定格回転数を超える高速回転制御が可能であることを特徴とする。
本発明のDCブラシレスモータは、以上のように、励磁コイルを有する固定子と、該固定子の内部に同軸で設けられるインナーロータの回転子とを備えて構成され、SR動作を行なうDCブラシレスモータにおいて、前記励磁コイルを単一のコイルで実現するにあたって、回転子については、通常通り、基部と、その基部から半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数の突起とを備えて構成する一方、固定子については、円環状の励磁コイルを挟んで回転軸方向の両側に配置される第1および第2の磁心において、磁極となる突起の数を、第1の磁心と第2の磁心との間で異なる数とする。
それゆえ、磁極となる突起は、円環状に形成される本体から半径方向内方側に延びた突極であるので、前記磁束の流れは、第1の磁心(第2の磁心)の突起から入り込んだ回転子の同じ側から、第2の磁心(第1の磁心)の突起へ抜けてゆき、ここで前記第1の磁心と第2の磁心とで突起の数が異なることで、回転磁界が発生しない単一の励磁コイルからなるモータであっても、何れかの磁極間で周方向の回転トルクを発生させ、前記単一の例示コイルでの駆動を可能にすることができる。こうして、単一コイルおよびステータから成る小型で単純な構造で、かつ1相励磁による駆動が可能なDCブラシレスモータを実現することができる。また、SR動作を行なうにあたって、前記のように1相励磁であっても、固定子の磁極を突極とすることができ、その突極によって磁束を有効に利用し、高効率化することができる。
本発明の実施の一形態に係るDCブラシレスモータの一部を切り欠いて示す斜視図である。 前記DCブラシレスモータの軸線方向断面図である。 前記DCブラシレスモータの第1の磁心の位置における軸直角断面図である。 前記DCブラシレスモータの第2の磁心の位置における軸直角断面図である。 前記DCブラシレスモータにおける起動コイルの構造を説明するための斜視図である。 前記DCブラシレスモータの等価回路図である。 前記起動コイルに設けられる整流素子の印加電圧と電流との関係を示すグラフである。 励磁コイルに通電したときの磁束の流れを示す磁界解析結果の図である。 回転子および第1の磁心の磁極数を4とし、第2の磁心の磁極数を8とし、回転子の磁極の周期に対する磁極幅を50%とした場合の、回転に伴うインダクタンスの計算結果を示す図である。 同上で、回転子の磁極の周期に対する磁極幅を55%とした場合の、回転に伴うインダクタンスの計算結果を示す図である。 同上で、回転子の磁極の周期に対する磁極幅を60%とした場合の、回転に伴うインダクタンスの計算結果を示す図である。 同上で、回転子の磁極の周期に対する磁極幅を65%とした場合の、回転に伴うインダクタンスの計算結果を示す図である。 同上で、回転子の磁極の周期に対する磁極幅を70%とした場合の、回転に伴うインダクタンスの計算結果を示す図である。 同上で、固定子の2つの磁心において、第1の磁心に対する第2の磁心の磁極配置を、±11.25°移動させた場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 同上で、固定子の2つの磁心において、第1の磁心に対する第2の磁心の磁極配置を、±16.9°移動させた場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 同上で、固定子の2つの磁心において、第1の磁心に対する第2の磁心の磁極配置を、±25°移動させた場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 回転子および第1の磁心の磁極数を2とし、第2の磁心の磁極数を4とした場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 回転子および第1の磁心の磁極数を3とし、第2の磁心の磁極数を6とした場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 回転子および第1の磁心の磁極数を5とし、第2の磁心の磁極数を10とした場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 回転子および第1の磁心の磁極数を6とし、第2の磁心の磁極数を12とした場合の、回転に伴うインダクタンスの変化を示す図である。 前記DCブラシレスモータの駆動回路の一構成例を示すブロック図である。 回転に伴う駆動制御動作を説明するための図である。 本発明の実施の一形態の起動方法を説明するための図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
図1は本発明の実施の一形態に係るDCブラシレスモータ1の一部を切り欠いて示す斜視図であり、図2はそのDCブラシレスモータ1の軸線方向断面図であり、図3はそのDCブラシレスモータ1の第1の磁心31の位置における軸直角断面図であり、図4はそのDCブラシレスモータ1の第2の磁心32の位置における軸直角断面図である。
このDCブラシレスモータ1は、大略的に、単一の励磁コイル2を有する固定子3と、該固定子3の内部に同軸で設けられるインナーロータの回転子4と、起動用コイル5(5a,5b)とを備えて構成され、前記励磁コイル2の周囲に生じる磁束の流れに対する前記固定子3と回転子4との間の磁気抵抗変化を駆動力とするSR動作を行なうDCブラシレスモータである。そして、このDCブラシレスモータ1において、前記励磁コイル2を前記単体で実現するにあたって、以下の構成を採用している。
先ず、励磁コイル2が単体で、回転磁界が発生しないと、回転角度によっては静止状態でトルクが得られず、自立起動ができない場合がある。すなわち、SRモータは磁気抵抗変化を駆動力として回転するものであるので、磁気抵抗変化が無い回転角度位置ではトルクを得ることができず、一定速度での回転中ではトルクの無い回転角であっても慣性によって回転することができるが、静止状態でトルクの無い回転角の場合には起動ができなくなる。
このため、SRモータは、固定子と回転子との双方に突極(磁極)を備えているが、このDCブラシレスモータ1において、回転子4については、通常通り、基部41と、その基部41から半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数(図1〜4の例では4)の突起42とを備えて構成される。
一方、固定子3については、円環状の励磁2コイルを挟んで回転軸Z方向の両側に配置される第1および第2の磁心31,32において、磁極となる突起311,321の数を、前記第1の磁心31と第2の磁心32との間で異なる数とする(図1〜4の例では、第1の磁心31は回転子4と同数の4、第2の磁心32は第1の磁心32の2倍の8)ことで、前記単一の励磁コイル2での駆動を可能にする。前記第1および第2の磁心31,32は、円環状に形成される本体312,322と、その本体312,322から半径方向内方側に延びて、周方向に複数形成される前記突起311,321とを備えて構成される。
したがって、励磁コイル2の回転軸Z方向の両側に配置される2つの磁心31,32において、通常のクローティースモータでは、軸方向に延びるクローポールが規則的に交互に入れ込んで配列されて、前記磁束の流れは、回転子を通して、直径方向となるのに対して、本発明では、磁極となる突起311,321は、円環状に形成される本体312,322から半径方向内方側に延びた突極であるので、前記磁束の流れは、図2で示すように、第1の磁心31(第2の磁心32)の突起311(321)から入り込んだ回転子4の同じ側から、第2の磁心32(第1の磁心31)の突起321(311)へ抜けてゆく。そして、前記第1の磁心31と第2の磁心32とで、突起311,321の数が異なることで、回転磁界が発生しない単一の励磁コイル2からなるモータ1であっても、何れかの磁極間で周方向の回転トルクを発生させ、前記単一の励磁コイル2での駆動を可能にすることができる。
こうして、単一の励磁コイル2および固定子3から成る小型で単純な構造で、かつ1相励磁による駆動が可能なDCブラシレスモータを実現することができる。また、SR動作を行なうにあたって、前記のように1相励磁であっても、固定子3の磁極を突極とすることができ、その突極によって磁束を有効に利用し、高効率化することができる。さらにまた、本DCブラシレスモータ1は、単純な構造であるので、生産性が高く、SRモータは前述のように回転子4と固定子3との磁気抵抗変化を駆動力として、磁石を必要とせず、回転子4の回転に必要なトルクが得られることから、産業用および民生用に必須な動力源であるDCブラシレスモータにおいて、希土類磁石など希少金属を節約する効果がある。
表1には、本実施の形態のDCブラシレスモータ1と、従来技術の各タイプのモータとの比較結果を示す。
すなわち、本実施の形態のDCブラシレスモータ1は、永久磁石が不要で、安価な材料で実現できるSRモータの動作で、クローティースモータやクローポールモータのように、励磁コイルが1つで済み、コアや巻線構造を簡略化することができる。
また、本実施の形態のDCブラシレスモータ1では、上述のように、第1および第2の磁心31,32における突起311,321の数が互いに異なることで、何れかの磁極間で周方向の回転トルクを発生させるにあたって、第1の磁心31の突起311の数を回転子4の突起42の数と同数に形成することで、比較的均一な回転トルクを発生させることができる。
しかしながら、その場合、回転子4の突起42が第2の磁心32の突起321の中間位置に停止すると、第1の磁心31の突起311の位置によっては、起動が困難になる。そこで、前記第2の磁心32の突起321の周囲に誘導コイルである起動コイル5をそれぞれ設け、その起動コイル5をループ状の導電体51に整流素子52を介在して構成し、かつ整流素子52による通電方向の制限が、隣り合う磁極毎に反対となるように配置している。
その起動コイル5の様子を、図5に模式的に示す。図5(a)は、起動コイル5の基本構成を示すものである。この図5(a)から、図5(b)は、各磁極それぞれ独立に巻いた起動コイル5が、梯子形のネットワークの片側の梁に整流素子52を正逆交互に配置した回路に等価なことを示している。そして、実際の構造としては、図5(c)で示すように、1つの円環状導体511と、整流素子52を正逆交互に数珠つなぎにした閉回路512とを向かい合わせて、両円環の間を梯子状に導体柱513でつないだ一体の籠型構造でも、同等の効果が得られることを示している。
ただし、前記整流素子52は、第1および第2の磁心31,32間の閉回路512に介在される。これは、前記第1および第2の磁心31,32間に挟まれる閉回路512内には、回転子4の内部を貫く交流磁束が存在することから、該閉回路512に誘導起電力が生じるためである。このため、前記整流素子52を円環状導体511側に配置すると、閉回路512側に誘導電流が生じてしまい、本発明の意図するモータ駆動力が生じなくなってしまう。
上述のように構成される本実施の形態のDCブラシレスモータ1の等価回路を、図6に示す。後述するモータ制御において、モータ回転開始時のような場合に、励磁コイル2に立ち上がり時間が早い波高の高い電流パルスを流すと、それに応じた磁束線が、固定子3の第1の磁心31(第2の磁心32)から回転子4を経由して、第2の磁心32(第1の磁心31)に流れ込む。このとき、第2の磁心32の突極に巻かれた整流素子52a,52bの極性に応じて、2種類の起動コイル5a,5bの導電体51a,51bには、その磁束線の変化率に応じた誘導起電力が生じる。
ここで、半導体のPN接合を基本とする整流素子52a,52bは、図7のような特性を持つので、誘導起電力の極性が整流素子52a,52bの順方向で、かつ閾値電圧(Vth)より大きい場合は、該整流素子52a,52bがONし、導電体51a,51bに誘導電流が誘起される。極性が整流素子52a,52bの逆方向であれば、或いは該整流素子52a,52bの定格以下ならば、該整流素子52a,52bはOFFを維持したままで、誘導電流は生じない。
したがって、前述のように充分な立ち上がり時間と波高とを有する電流パルスが励磁コイル2に流されると、2種類の起動コイル5a,5bの片方には誘導電流が流れ、該起動コイル5a,5bの片方が巻かれた磁極には反磁界が生じ、流れ込んできた磁束線を著しく減衰させる。一方、2種類の起動コイル5a,5bのもう片方には、誘導電流が流れることなく、流れ込んできた磁束線に影響はない。
ここで、第2の磁心32の突起321の数を第1の磁心31の突起311の数の倍に形成した場合に、特に図3および図4で示すように、第2の磁心32の突起321を、2つを一対として、対応する第1の磁心31の突起311を中心として周方向に均等にずれて配置することで、より均一な回転トルクを発生させることができる。しかしながら、その場合、回転子4の突起42が第1の磁心31の突起311に並んで、すなわち前記の対を成す第2の磁心32の突起321の中間位置に停止すると、第1の磁心31の或る磁極から回転子4の突起42に流れ込んだ磁束線は、該回転子4をほぼ軸方向に経由して、突起42の軸に対して等間隔に配置される2つの突起321に分かれて流れ込み、起動が困難になる。
そこで、前述のような起動コイル5を設けるとともに、充分な立ち上がり時間と波高とを有する電流パルスで励磁することで、整流素子52がONした起動コイル側の磁極にはループ電流が流れて、誘起された励磁磁束は前記の反磁束で流れ込めず、整流素子52がOFFのままの起動コイル側の磁極にのみ誘起された励磁磁束が流れ込むことになる。当然ながら、電流パルスの極性を反対にすると、上記の2種の誘導コイルは役割が入れ替わって動作することになり、始動の電流パルスの極性を選ぶことにより、目的とする回転方向に、回転子4の回転を起動させることができる。
このようにして、前述のように第2の磁心32の突起321間に回転子4の突起42が停止した状況であっても、回転子4と第2の磁心32の一対の突起321との間に不均等な磁界を発生させ、磁気抵抗変化が一定とならないようにすることができる。こうして、単一の励磁コイル2と固定子4との組合わせであっても、自立起動が可能なSRモータを実現することができる。また、起動コイル5は、前述のように一体の籠型構造であるので、前記円環状導体511と閉回路512との2つのリング体の一方を取外した状態で、該起動コイル5を第2の磁心32に嵌め込んだ後、前記一方のリング体を導体柱513に接合するだけで、該第2の磁心32に起動コイル5を巻回することができ、組立てが容易である。
さらにまた、本実施の形態のDCブラシレスモータ1では、図1で示すように、前記励磁コイル2は、帯状の導体部材が、その幅方向が該励磁コイル2の回転軸Z方向に沿うように、フラットワイズに巻回されて成る。ここで、一般的にコイルに通電すると、コイルは導体から構成されているので、磁力線に垂直な面(直交面)に渦電流が発生し、それによって損失(ロス)が発生する。その渦電流の大きさは、磁束密度が同一である場合、磁束線と交差する面積、すなわち磁束線に垂直な連続する面の面積に比例する。磁束線は、コイル内では軸方向に沿っているので、渦電流は、コイルを構成する導体の軸方向に直交する径方向の面の面積に比例することになる。そこで、前記励磁コイル2を構成する帯状の導体部材を、幅Wに対する径方向の厚さtの比t/Wが1/10以下に形成することが望ましい。
このように構成することで、前記渦電流を抑制し、発熱を抑えることができる。しかも帯状の導体部材は、隙間無く巻回できるので、円柱状の素線を巻回する場合に比べて、電流密度を大きくすることができるとともに、導体部材内部からの放熱も良好である。さらに、前記導体部材の前記厚さtが当該モータに給電される交流電力における周波数に対する表皮厚み以下であれば、さらに渦電流損を低減することができる。
さらに、前記励磁コイル2と前記固定子3の2つの磁心31,32との間に生じる間隙には、熱伝導部材が充填されていることが好ましい。このように構成することで、前記励磁コイル2で生じる熱を、前記熱伝導部材を介して、該励磁コイル2を外囲する2つの磁心31,32に効果的に伝導することができ、放熱性を改善することができる。
さらにまた、前記回転軸Z方向における該励磁コイル2の一方端部に対向する前記固定子3の第1の磁心31の内面と、他方端部に対向する第2の磁心32の内面とは、少なくともそれらの各端部を覆う領域では、平行に形成される。これは、上述のような励磁コイル2に係る条件(フラットワイズ巻線構造であって幅Wが厚さtより大きい)を設定しても、励磁コイル2の上下両端面を覆う第1および第2の磁心31,32に傾きがあると、実際に励磁コイル2の内部を通る磁束線(磁力線)が、特に前記上下両端面付近で、回転軸Z方向と略平行にならないからである。
本件発明者は、2つの磁心31,32の内壁面の平行度を種々変えつつ磁束線の分布を検証したところ、例えば、前記平行度が1/100の場合には、励磁コイル2の内部を通る磁束線が回転軸Z方向に平行になる一方、前記平行度が−1/10や1/10の場合には、励磁コイル2の内部を通る磁束線が回転軸Z方向に平行にならない。このような検証の下、励磁コイル2の内部を通る磁束線を平行にするためには、前記平行度の絶対値は、1/50以下であることが好ましい。
ここで懸念されるのが、回転子4と固定子3との隙間が、両者の磁極の有無によって変化することにより磁気回路が幾何的に変形されることであるが、本件発明者が行なった磁場解析によれば、励磁コイル2を貫く磁束線の形態に、大きな変化を及ぼさないこと(帯状導体に平行であることが保障されること)が、図8のように確かめられた。図8は、固定子3の突起311,321が共に回転子4側に突出して前記隙間が小さい(a)を基本形として、一方の隙間が大きくなった場合(b)と、両方が広くなった場合(c)との磁界解析結果を示している。
また、本発明のDCブラシレスモータ1では、前記第1および第2の磁心31,32および回転子4を、磁気的に等方性を有する鉄基軟磁性粉末からなる圧紛磁心、フェライト磁心、または軟磁性合金粉末を樹脂中に分散させた軟磁性材料からなる磁心で形成する。このように構成することで、前記回転子3および固定子4の2つの磁心について、最適で複雑な任意形状に成型することができるので、所望の磁気特性を比較的容易に得ることができるとともに、比較的容易に所望の形状に形成することができる。
前記軟磁性粉末は、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末、さらには、表面にリン酸系化成皮膜などの電気絶縁皮膜が形成された鉄粉等が挙げられる。これら軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。
このような軟磁性粉末は、単体或いは前記樹脂などの非磁性体粉末との混合で用いることができ、混合の場合の比率は比較的容易に調整することができ、該混合比率を適宜に調整することによって、該磁心材の磁気特性を所望の磁気特性に容易に実現することが可能となる。これら固定子3を構成する2つの磁心31,32の材料、さらには回転子4の材料も、低コスト化の観点から、同一原料であることが好ましい。
さらにまた、本発明のDCブラシレスモータ1では、前記第1および第2の磁心31,32の少なくとも一方(図1および図2では31)の本体312は、その周方向断面がL字型に形成されている。このように構成することで、L字の内側に励磁コイル2を嵌め込むだけで、組立てを行なうことができる。
続いて、以下には、固定子3および回転子4の磁極幅、すなわち突起311,321;42の先端による軌跡の円筒面において、該先端の周方向長さ(=面積)の最適範囲について検討する。本発明のモータ構造で生じるトルクF・δx(=N・δθ)は、以下のようにしてモデル磁気回路から近似計算されるインダクタンスLの、回転子4の回転角θに対する変化率∂L(θ)/∂θに比例する。
ここで、固定子4と、回転子3との磁極間の隙間(g)は充分小さく、磁束線は、それら磁極同士の重なりのみを通過するという近似モデルを考える。その時の本モータ構造の等価磁気回路のインダクタンスは、第1の磁心31と回転子4との間の磁気抵抗と、回転子4と第2の磁心32との間の磁気抵抗との直列磁気抵抗に反比例することから、次式のような近似見積式が得られる。
すなわち、磁極の重なり面積がインダクタンスLになり、トルクの大小は、そのインダクタンスLの最大Lmaxと最小Lminとの差ΔLで、凡そその大きさが評価できる。
図9〜図13には、回転子4の磁極幅(割合)がそれぞれ50%、55%、60%、65%、70%に対して、起動コイル5が両方OFF状態(すなわち定常のSR動作)および片側がON状態(2極性)における回転子4の回転角に対するインダクタンス(相対値)の変化を図示している。いずれの図も、前述のとおり、回転子4が4極、第1の磁心31も4極、第2の磁心32は8極の場合で、第1の磁心31の磁極幅は50%、第2の磁心32の磁極幅も合計50%で、さらに第2の磁心32の磁極を、第1の磁心31から22.5°シフトさせている。(a)が第1の磁心31の前記軌跡の円筒面の全周(360°)の展開を示し、同様に、(b)が回転子4の展開を示し、(c)が第2の磁心32の展開を示す。(d)は、前記回転子4の回転角に対するインダクタンスの変化を180°分示す。前述の図3および図4は、第1および第2の磁心31,32の磁極幅は50%を示し、この場合、中心角は、それぞれ45°および22.5°となる。また、回転子4の磁極幅は60%を示し、この場合、中心角は54°となる。
トルクを得るには、起動コイル5が両方OFFの状態でのインダクタンス変化が大きいこと、また、始動時の回転を任意方向に起動するには、インダクタンスの極値付近において、起動コイル5の片側がON状態におけるインダクタンスが増(減)変化勾配を持つこと(起動トルクが生じること)が必要である。図9で示す50%の場合には、極大値付近はそうなっているが、極小値付近では起動トルクが得られない。一方、図13で示す70%の場合には、極値付近で起動トルクは得られるものの、OFF状態でのインダクタンス変化ΔLが小さくなってしまう。
すなわち、SR駆動時のインダクタンスには極大と極小との2種類の平衡点があり、それぞれ磁極が対向する「安定点」と、磁極同士が互い違いになった「不安定点」に相当する。余程、変な外力が働かない限り、通常は、静止時に回転子が後者に落ち着くことはあり得ないので、回転子の磁極幅が50%の条件でも起動に困ることはない。ところが、モータ負荷が特殊で、後者の平衡点に回転子が静止してしまう可能性があっても、第2の磁心32を適切に使うことで、正逆任意方向に起動できることを55%、60%、65%の計算例は示している。しかしながら、前記磁極幅が大きくなり過ぎると、SR駆動のトルクも失われてしまう。
結論として、トルクおよび起動回転の制御性からは、回転子4の磁極(突起42)先端による軌跡の円筒面において、該先端の周方向長さの割合ηが、50%≦η≦65%(すなわち、突起42間のギャップの割合が、50%以下、35%以上)であることが望ましい。このように構成することで、大きなトルクを発生させることができるとともに、任意の停止位置からの起動を可能にすることができる。
一方、図14〜図16には、回転子4の磁極幅を前述の図11と同様に60%に固定し、固定子3の第2の磁心32の磁極配置を、第1の磁心31の磁極に対して、±11.25°(磁極幅が50%で、中心角で22.5°につき、隣接)、±16.9°、±25°(等間隔より大)と変化させた結果を示す。図9〜図13と同様に、(a)が第1の磁心31の前記軌跡の円筒面の全周(360°)の展開を示し、(b)が回転子4の展開を示し、(c)が第2の磁心32の展開を示す。(d)は、前記回転子4の回転角に対するインダクタンスの変化を180°分示す。
その結果、一対の第2の磁心32が隣接してしまっている図14の場合には、起動コイル5が両方OFFの状態でのインダクタンス変化が大きいものの、回転子4が該一対の第2の磁心32の中間付近で停止した状態ではどちらに起動するか不定であり、図15で示す±16.9°のずれの場合には、図11で示す±22.5°のずれの場合に比べて、起動コイル5の片側がON状態におけるインダクタンスの増(減)変化勾配が緩く、図16で示す±25°のずれの場合には、図11で示す±22.5°のずれの場合に比べて、起動コイル5の片側がON状態において起動トルクの生じない幅が大きい。したがって、これらの図14〜図16で示す第2の磁心32のずれの条件では、図11の場合より優れたインダクタンス挙動を示すものはなく、±22.5°のずれが最適条件となる。
さらにまた、図17〜図20には、第1の磁心31:回転子4:第2の磁心32の磁極数の関係を、上述のように1:1:2に維持して、極数を変化させた場合のインダクタンスの挙動を示す。前記のとおり、第1の磁心31:回転子4:第2の磁心32のそれぞれ磁極数として、図17は2:2:4、図18は3:3:6、図19は5:5:10、図20は6:6:12の場合を示す。図11の場合と同様に、磁極幅は、第1の磁心31:回転子4:第2の磁心32(合計)で、50%:60%:50%である。また、それぞれ(a)が第1の磁心31の軌跡の円筒面の全周(360°)の展開を示し、(b)が回転子4の展開を示し、(c)が第2の磁心32の展開を示す。(d)は、前記回転子4の回転角に対するインダクタンスの変化を示す。
図17〜図20の結果では、幾何学的に等しいので、どれも大差はない。この近似モデル(磁束線は磁極の重なり面積のみを通過という近似)の解析では、トルクは極数に比例することになるが、実際には、磁極と磁極の凹んだ領域とへの漏れ磁束が存在することから、トルク最適となる極数が存在すると推測されるが、凹み形状や寸法に依存することから、普遍的な法則はない。
図21は、上述のように構成されるDCブラシレスモータ1の駆動回路71および回生回路72の一構成例を示すブロック図である。駆動回路71は、スイッチング素子Tr1〜Tr4およびそのサージ吸収用の逆並列ダイオードD1〜D4を備えて成るブリッジ回路と、リアクトルL1とを備えて構成され、前記励磁コイル2に、後述の起動パルスおよび駆動パルスを出力する。この駆動回路71は、二次電池73およびそれに並列に接続された安定用のキャパシタ74を電源とし、図示しない駆動制御回路によって制御される。前記二次電池73およびキャパシタ74からの電源ライン75,76間には、スイッチング素子Tr1,Tr2の直列回路およびスイッチング素子Tr3,Tr4の直列回路が接続されており、スイッチング素子Tr1,Tr2;Tr3,Tr4の接続点が前記励磁コイル2への出力取出し端となる。前記の出力取出し端の一方と励磁コイル2との間には、リアクトルL1が介在されている。
そして、スイッチング素子Tr1,Tr4をONすることで回転子4を一方方向へ回転させ、スイッチング素子Tr3,Tr2をONすることで回転子4を他方方向へ回転させることができる。前記スイッチング素子Tr1〜Tr4のデューティを制御することで、励磁コイル2に与える駆動パルスの波高値を調整し、励磁電流の波高値を調整することができる。また、スイッチング素子Tr2,Tr4をONすることで、励磁コイル2の両端子を接地することができる。このようなスイッチング素子Tr1〜Tr4の制御のために、前記DCブラシレスモータ1の回転子4には、図示しないエンコーダが設けられており、前記駆動制御回路は、前記エンコーダで検出された回転角度位置に応じて、後述するように各スイッチング素子Tr1〜Tr4を制御する。前記スイッチング素子Tr1〜Tr4は、IGBTやMOS−FETなどのパワートランジスタから成る。なお、リアクトルL1と並列にコンデンサを接続してもよい。また、回生を行わない場合、前記リアクトルL1は、DCブラシレスモータ1側のインダクタンスLに含めることも可能である。
回生回路72は、リアクトルL2と、ダイオードD11〜D14から成る全波整流回路とを備えて構成され、キャパシタ77へ回生電力を出力する。前記リアクトルL2は、前記駆動回路71側のリアクトルL1と電流変成器78を構成する。そして、回転子4が外部からの力で回転させられる際に、或いは停止などのための減速の際に、駆動回路71から励磁コイル2へ励磁電流を供給することで、リアクトルL1に磁場が発生し、その状態で回転子4の回転に伴いインダクタンスが変化すると、前記リアクトルL1には逆起電力が生じ、リアクトルL2を通して回生電流がキャパシタに貯まる。これが回生の大まかなメカニズムで、実際はスイッチング素子Tr1〜Tr4によって前記励磁電流はスイッチングされ、そのスイッチングのタイミングを調整することで、励磁コイル2とリアクトルL1とが共振状態となり、その共振電流をリアクトルL2で取出しダイオードブリッジによって整流して回生電圧を得ることができる。
そして、定常回転状態での前記駆動制御回路による駆動状況は、図22で示すようになる。図22(b)は加速時に前記駆動制御回路からスイッチング素子Tr1,Tr4;Tr3,Tr2に与えられる駆動パルスを示す。また、図22(a)には、そのような駆動時の前記インダクタンスLの変化を示す。加速時には、前記インダクタンスLが最小Lminとなる付近で駆動パルスをONし、最大Lmaxとなる付近でOFFする。
上述のような駆動回路71を用いて、図23を参照して、本発明の実施の一形態の起動方法を説明する。図23は、インダクタンスの変化を示すものであり、前述の図11(d)と同様である。すなわち、第1の磁心31および回転子4が4極、第2の磁心32は8極で、第1の磁心31の磁極幅は50%、回転子4の磁極幅は60%、第2の磁心32の磁極幅は合計50%で、第2の磁心32の磁極を第1の磁心31から22.5°シフトさせている。
前述のように、回転子4の回転角度位置はエンコーダなどによって検出されており、前記駆動制御回路は、回転開始角度の検出結果に応答して、以下の4種類の角度領域W1〜W4に応じて、表2で示すように、起動パルスおよび駆動パルスにおける電流制御を行う。図23は、モータを正転方向(グラフを左から右)に駆動させる場合を想定しており、逆転方向に駆動する場合は、前記の角度領域W1〜W4の割付けも逆になる。
表2は、前記図23の各インダクタンス特性を有する角度領域から起動することに論点を置いて、起動から加速〜定常回転までの波形を示すものである。この表2で、期間T0,T1,T2,T3で示す波形と、その極性を反転させた波形とを組合せることで、あらゆる運転パターンに対してのトルク制御および速度制御を実現することができる。ただし、前記の角度領域W1〜W4の中でもどの位置から起動するか、或いは、負荷の重さなどに応じて、同じ起動パルスや駆動パルスを入力しても、実際にはそれに対する応答が異なるので、この表2で示す例は、あくまで目安であり、前記駆動制御回路は、前記エンコーダの検出結果に応答して、起動パルス数や駆動パルスの波高値を逐次制御する。表2において、∂Lp/∂θおよび∂Lm/∂θは、一対の第2の磁心32の起動時におけるインダクタンス変化を示すものであり、∂Lp/∂θは回転方向上流側の磁心(図23で起動(+))を示し、∂Lm/∂θは回転方向下流側の磁心(図23で起動(−))を示す。
先ず、回転子4の磁極が第1の磁心31の磁極から比較的離れたW2の角度領域においては、回転方向上流側の磁心についてはインダクタンスは増加(正)してゆき、下流側の磁心についてはインダクタンスは減少(負)してゆくので、駆動回路71は、表2の(3)に示す起動パルスおよび駆動パルスを励磁コイル2に与えることで、回転起動する。すなわち、期間T1に示す起動パルスを出力することで、一対の起動コイル5の内、回転方向上流側がOFFし、下流側がONして、第2の磁心32の該上流側の磁極で回転子4を吸引して正転起動する。その後、期間T2で示すように、一定速度に達するまで、大きな波高値の駆動パルスを出力して加速し、前記一定速度に達すると、定常回転に移って、期間T3で示すように、駆動パルスの波高値を低くして、該定常回転を維持する。前記W2の角度領域において、特に回転方向下流側の磁心のインダクタンスがほぼ零になるW5の角度領域では、表2の(4)に示すように、前記期間T1の起動パルスを少なくすることができる。
一方、回転子4の磁極が第1の磁心31の磁極に比較的近いW3の角度領域においては、回転方向上流側の磁心についてはインダクタンスは減少(負)してゆき、下流側の磁心についてはインダクタンスは増加(正)してゆくので、表2の(2)に示す起動パルスおよび駆動パルスを励磁コイル2に与えることで、回転起動する。すなわち、期間T1’に示す逆極性の起動パルスを出力することで、一対の起動コイル5の内、回転方向下流側がOFFし、上流側がONして、第2の磁心32の該下流側の磁極で回転子4を吸引して正転起動する。その後、期間T2からT3に示すように、正極性の駆動パルスの波高値を制御して、励磁電流が大きな状態から小さな状態に制御し、定常回転に移って、これを維持する。
これに対して、回転子4の磁極が第1の磁心31の磁極通り過ぎたW4の角度領域から起動する場合には、回転方向上流側の磁心についてはインダクタンスはほぼ零であり、下流側の磁心についてはインダクタンスは減少(負)してゆくので、駆動回路71は、表2の(1)に示す反転パルス、起動パルスおよび駆動パルスを励磁コイル2に与えることで、回転起動する。すなわち、期間T0に一対の起動コイル5の内、回転方向上流側をOFFし、下流側をONさせて、第2の磁心32の該上流側の磁極へ回転子4を吸引して逆転起動し、位置合せを行なう。さらに、期間T1’に、一対の起動コイル5の内、回転方向下流側をOFFし、上流側をONさせて、第2の磁心32の該下流側の磁極へ回転子4を吸引して正転起動する。以降、期間T2,T3については同様に、励磁電流の制御を行う。
逆方向に回転させる場合は、上記角度領域W1〜W5において、表2の電流波形の極性を逆転した電流で制御する。さらには、上述のような動作を基本として、次のような応用的な電流制御シーケンスによって、多様なニーズに対応することができる。例えば、回転起動時も、極力電力効率を向上させる場合は、起動回路71は、前記回転子4の角度領域が、図23のW1の角度領域から回転開始する場合に、直接、期間T2の加速の電流を励磁コイル2に流すことで、回転起動させる。或いは、電力効率は厭わず、回転中に、極力、負荷トルクに対するモータのトルク発生時間を長くしたい場合は、図23のW2の角度領域で、表2の(3)の期間T1に示すように、起動コイル5の整流素子52をONさせるパルス電流を励磁コイル2に流し、W3の角度領域では、表2の(1)の期間T1’に示すような、起動コイル5の整流素子52をONさせるパルス電流を励磁コイル2に流すことで、モータのトルク発生時間を長くすることができる。
以上のように、本実施の形態のDCブラシレスモータ1の制御方法によれば、表2の期間T1,T1’で示すように、起動コイル5a,5bの整流素子52a,52bがONするのに充分な立ち上がり時間および波高を有し、かつ、目的とする回転方向に対応した極性のパルス状の電流を前記励磁コイル2に与えることによって、回転子4を目標回転方向に起動するので、前述のように回転子4の突起42が第2の磁心32の突起321の中間位置に停止していても、確実に起動させることができる。
また、本実施の形態のDCブラシレスモータ1の制御方法では、回転子4の目標回転方向に対して、該回転子4の回転角度位置が、固定子3と該回転子4との間に発生するインダクタンス特性が増加しない位置から回転させる場合は、表2の期間T0で示すように、事前に、励磁コイル2に対して、前記回転子4を、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度にまで逆転させるための電流を流し、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度に到達してから、前記の期間T1,T1’で示すパルス状の電流を与えるので、回転子4の停止位置が目標回転方向に対して起動トルクが得られない位置であっても、本来の目標回転方向に確実に起動させることができる。
また、前記回転子4が回転開始後、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度領域W1においてのみ、励磁コイル2に、回転方向と同符号の電流(正回転時は正の電流、負回転時は負の電流)で、かつスイッチング素子Tr1〜Tr4のデューティ制御によってその波高値を制御することで、回転子4が目標回転方向に回転速度を維持し、或いは任意の回転速度に制御を行うことができる。
さらにまた、起動コイル5a,5bの整流素子52a,52bがONされるのに充分な立ち上がり時間と波高とを有し、かつ、目標回転方向に対応した極性の電流を、前記励磁コイル2に流すことで、負荷トルクに応じたトルク制御や、軽負荷トルクでの定格回転数を超える高速回転制御が可能である。
好ましくは、前記固定子3を回転軸Z方向に複数個積層することで、その複数個倍、トルクを向上することができる。また、その複数個で、第1および第2の磁心31,32の位相角を均等にずらせておくことで、コギングトルクを低減できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ充分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
1 DCブラシレスモータ
2 励磁コイル
3 固定子
31 第1の磁心
311,321 突起
312,322 本体
32 第2の磁心
4 回転子
41 基部
42 突起
51;51a,51b 導電体
511 円環状導体
512 閉回路
513 導体柱
52;52a,52b 整流素子
71 駆動回路
72 回生回路
73 二次電池
74,77 キャパシタ
78 電流変成器
D1〜D4,D11〜D14 ダイオード
L1,L2 リアクトル
Tr1〜Tr4 スイッチング素子

Claims (13)

  1. 単一の励磁コイルを有する固定子と、該固定子の内部に同軸で設けられる回転子とを備えて構成され、前記励磁コイルの周囲に生じる磁束の流れに対する前記固定子と回転子との間の磁気抵抗変化を駆動力とするDCブラシレスモータであって、
    前記回転子は、基部と、その基部から半径方向外方側に延びて周方向に等間隔に形成され、磁極となる複数の突起とを備えて構成され、
    前記固定子は、
    円環状の前記励磁コイルと、
    前記励磁コイルを挟んで、回転軸方向の両側に配置され、円環状に形成される本体と、その本体から半径方向内方側に延びて、周方向に複数形成され、磁極となる突起とを有する第1および第2の磁心とを備えて構成され、
    前記第1の磁心と第2の磁心との突起数が相互に異なることで、前記単一の励磁コイルでの駆動を可能にすることを特徴とするDCブラシレスモータ。
  2. 前記第1の磁心の突起は、回転子の突起と同数に形成され、
    前記第2の磁心の突起は、回転子の突起の2倍の数に形成され、
    前記第2の磁心の突起の周囲には、ループ状の導電体に整流素子が介在されて成る誘導コイルがそれぞれ設けられ、
    前記整流素子は、該整流素子による通電方向の制限が、隣り合う磁極毎に反対となるように配置されていることを特徴とする請求項1記載のDCブラシレスモータ。
  3. 前記第2の磁心の突起は、2つを一対として、対応する第1の磁心の突起を中心として周方向に均等にずれて配置されることを特徴とする請求項2記載のDCブラシレスモータ。
  4. 前記回転子の突起の先端による軌跡の円筒面において、該先端の周方向長さが、50%以上、65%以下であることを特徴とする請求項2または3記載のDCブラシレスモータ。
  5. 前記励磁コイルは、帯状の導体部材が、その幅方向が該励磁コイルの回転軸方向に沿うように巻回されて成ることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータ。
  6. 前記誘導コイルにおける導電体は、回転軸方向に延び、前記各第2の磁心の突起の両側に配置される支柱と、その支柱の両端にそれぞれ結合され、前記突起の上下に配置される2つのリング体とで構成される一体の籠型構造であり、前記整流素子は、第1および第2の磁心間のリング体に介在され、そのリング体が各磁極の周囲を囲うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータ。
  7. 前記第1および第2の磁心および回転子が、鉄基軟磁性粉末からなる圧紛磁心、フェライト磁心、または軟磁性合金粉末を樹脂中に分散させた軟磁性材料からなる磁心であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータ。
  8. 前記固定子を回転軸方向に複数個積層することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータ。
  9. 前記第1および第2の磁心の少なくとも一方の本体は、その周方向断面がL字型に形成されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータ。
  10. 前記請求項2〜9のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータの制御方法であって、
    前記誘導コイルの整流素子がONするのに充分な立ち上がり時間および波高を有し、かつ、目的とする回転方向に対応した極性のパルス状の電流を前記励磁コイルに与えることによって、前記回転子を目標回転方向に起動することを特徴とするDCブラシレスモータの制御方法。
  11. 回転子の目標回転方向に対して、前記回転子の回転角度位置が、前記固定子と該回転子との間に発生するインダクタンス特性が増加しない位置から回転させる場合は、事前に、前記励磁コイルに対して、前記回転子を、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度にまで逆転させるための電流を流し、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度に到達してから、前記のパルス状の電流を与えることを特徴とする請求項10記載のDCブラシレスモータの制御方法。
  12. 前記回転子が回転開始後、目標回転方向にインダクタンスが増加する角度領域においてのみ、前記励磁コイルに、回転方向と同符号の電流を流すことによって、前記回転子が目標回転方向に回転速度を維持することを特徴とする請求項9または10記載のDCブラシレスモータの制御方法。
  13. 前記誘導コイルの整流素子がONされるのに充分な立ち上がり時間と波高とを有し、かつ、目標回転方向に対応した極性の電流を、前記励磁コイルに流すことで、負荷トルクに応じたトルク制御や、軽負荷トルクでの定格回転数を超える高速回転制御が可能であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のDCブラシレスモータの制御方法。
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