JP2008206292A - 多相クローポール型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】多層に積み重ねるクローポール型モータでは,モータの相数や出力に応じて,その都度モータ固定子のサイズを変更して対応するため,モータ設計と金型等の製作が必要となる問題があり,その点を合理化することを目的とする。
【解決手段】1相分の単一固定子を構成し,多相モータでは単一固定子間を電気的に適切な位相に合わせた単一固定子を,モータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。また,リング状のマグネットを有する回転子は,単一固定子の厚さとほど等しい単一回転子を構成し,単一固定子の重ね数に応じて単一回転子の積み重ね数を調整出来る構造とし,モータ軸方向長さを変更することでモータの相数や出力に対応することが出来る。
【選択図】図1
【解決手段】1相分の単一固定子を構成し,多相モータでは単一固定子間を電気的に適切な位相に合わせた単一固定子を,モータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。また,リング状のマグネットを有する回転子は,単一固定子の厚さとほど等しい単一回転子を構成し,単一固定子の重ね数に応じて単一回転子の積み重ね数を調整出来る構造とし,モータ軸方向長さを変更することでモータの相数や出力に対応することが出来る。
【選択図】図1
Description
本発明は電動機に係り,特に環状コイルと爪磁極を有する固定子をモータ軸方向に多段に積層するクローポール型モータの構造に関するものである。
クローポール型モータは安価な構成と駆動回路の簡単さなどからOA分野,自動車分野に使われている。クローポール型モータの形式には単相,2相,3相があり,また強度確保,製造容易化のために固定子を電気絶縁性の樹脂で一体成形する事も多い。
本出願者等は特開2006−333545号公報,特願2006−250207号公報等により,複数の上側及び下側の爪磁極を固定子コアの内周部に設け,上側及び下側の爪磁極間に環状コイルを挟み込んで1相分の固定子を構成し,爪磁極の内周側に所定の空隙を介して回転可能に支持されたリング状マグネット回転子を設け,同一形状の固定子相を電気角で120度づつずらして軸方向に配置して他の2相を構成する3相クローポール型モータを提案している。
本出願者等は特開2006−333545号公報,特願2006−250207号公報等により,複数の上側及び下側の爪磁極を固定子コアの内周部に設け,上側及び下側の爪磁極間に環状コイルを挟み込んで1相分の固定子を構成し,爪磁極の内周側に所定の空隙を介して回転可能に支持されたリング状マグネット回転子を設け,同一形状の固定子相を電気角で120度づつずらして軸方向に配置して他の2相を構成する3相クローポール型モータを提案している。
図8は特開2006−333545号公報で提案した3相のインナーロータ構造のクローポール型モータである。シャフト4には外周にNS交互に多極着磁されたリング状のマグネット3が接着等で固定されている。回転子13はシャフト4とリング状マグネット3,バックヨーク2で構成され,軸方向両端をハウジングに保持されたベアリングで回転自在に保持されている。また固定子14はハウジングで保持されており,固定子14の内径側の面がリング状マグネット3の外径側の面と空隙を介して向かい合う。このモータは軸方向に3相巻線を有する固定子6U,6V,6Wがそれぞれ独立して存在する構造であり,軸方向にU相,V相,W相と配置されている。
特開2006−333545号公報
特願2006−250207号公報
然しながら,従来の多くの電動機には下記の問題点が存在する。
モータはその用途や駆動回路方式により,単相,2相,3相,5相と相数に変化が生じ,その都度モータの設計と金型等の製作が必要になる。また,同一の相数でもモータの出力によりモータサイズが変更になり,やはりモータの設計と金型等の製作が必要になる。
また,モータを使用される装置内で組立するビルトインタイプのモータでは,適切なモータ出力等の特性が装置と合わせ込みになる場合が生じる。その際にモータ取付構造を変えることなく,容易にモータ出力等の特性を合わせ込むことが出来るモータ構造が必要とされている。
また,モータを連続運転する際に積み重ねられた単一固定子内の環状コイルの温度上昇が問題となり,モータ取付部から離れるにしたがって,温度上昇が大きくなる。
モータはその用途や駆動回路方式により,単相,2相,3相,5相と相数に変化が生じ,その都度モータの設計と金型等の製作が必要になる。また,同一の相数でもモータの出力によりモータサイズが変更になり,やはりモータの設計と金型等の製作が必要になる。
また,モータを使用される装置内で組立するビルトインタイプのモータでは,適切なモータ出力等の特性が装置と合わせ込みになる場合が生じる。その際にモータ取付構造を変えることなく,容易にモータ出力等の特性を合わせ込むことが出来るモータ構造が必要とされている。
また,モータを連続運転する際に積み重ねられた単一固定子内の環状コイルの温度上昇が問題となり,モータ取付部から離れるにしたがって,温度上昇が大きくなる。
本発明のモータは,上記の課題に対し下記のような手段をこうじて必要とされるモータ相数とモータ出力に対応するものである。
複数の上側及び下側の爪磁極を固定子コアの内周部に設け,上側及び下側の爪磁極間に環状コイルを挟み込み,更にそれらを樹脂モールドすることで,1相分の単一固定子を構成する。単相モータの場合は,単一固定子を同位相でモータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。多相モータでは電気的に適切な位相に合わせた単一固定子を,モータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。モータ出力を軸方向に単一固定子を積み重ねる数で可変出来る構造とする。
複数の上側及び下側の爪磁極を固定子コアの内周部に設け,上側及び下側の爪磁極間に環状コイルを挟み込み,更にそれらを樹脂モールドすることで,1相分の単一固定子を構成する。単相モータの場合は,単一固定子を同位相でモータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。多相モータでは電気的に適切な位相に合わせた単一固定子を,モータ出力に応じて必要な数だけモータ軸方向に重ねて固定子を構成する。モータ出力を軸方向に単一固定子を積み重ねる数で可変出来る構造とする。
また,リング状のマグネットを有する回転子は,単一固定子の厚さとほど等しい単一回転子を構成し,単一固定子の重ね数に応じて単一回転子の積み重ね数を調整出来る構造とし,モータ軸方向長さを変更することでモータ出力を調整する。
また,積み重ねられた単一固定子内の環状コイルの巻線仕様を変えて,環状コイルの温度分布の平均化を図る。
また,積み重ねられた単一固定子内の環状コイルの巻線仕様を変えて,環状コイルの温度分布の平均化を図る。
本発明の目的は,固定子と回転子の製作に必要な金型を1種類で,多くのモータの相数と出力に対応可能なモータを供給することと,さらに決められた取付形状にてモータ出力を可変できる最適なモータ構造を提供するものである。
本発明のモータにおいては下記のように優れた特徴を有する。
(1)1種類の単一固定子と単一回転子で,多種多相のモータに使用可能できるので,金型投資額が低減できる。
(2)単一固定子と単一回転子の積み重ねにより,自由にモータ軸方向長さを変更でき,モータ出力を調整することが出来る。
(3)単一固定子内に磁極位置センサを配置することで,ブラシレスDCモータとしての駆動が可能となる。
(4)積み重ねられる単一固定子内の環状コイルの巻線仕様を変えることで,モータ全体の温度上昇の均一化が図れる。
(5)各種装置内で組立されるビルトインタイプのモータに本モータを採用することで,モータ取付構造を変えることなく,容易にモータ出力等の特性を合わせ込み出来る。
(1)1種類の単一固定子と単一回転子で,多種多相のモータに使用可能できるので,金型投資額が低減できる。
(2)単一固定子と単一回転子の積み重ねにより,自由にモータ軸方向長さを変更でき,モータ出力を調整することが出来る。
(3)単一固定子内に磁極位置センサを配置することで,ブラシレスDCモータとしての駆動が可能となる。
(4)積み重ねられる単一固定子内の環状コイルの巻線仕様を変えることで,モータ全体の温度上昇の均一化が図れる。
(5)各種装置内で組立されるビルトインタイプのモータに本モータを採用することで,モータ取付構造を変えることなく,容易にモータ出力等の特性を合わせ込み出来る。
軸方向に延在しリング状マグネットを含む回転子と微少隙間をもって対向する磁極面を有する爪磁極部と,爪磁極部から外径側に延在する径方向継鉄部と,径方向継鉄部から爪磁極部と同じ方向に延在する外周側継鉄とで第一の複数の爪磁極群と第二の複数の爪磁極群を,それぞれ周方向に一体に連結してを形成し,第一の複数の爪磁極群の爪磁極と第二の複数の爪磁極群の爪磁極を周方向に交互に配置して,第一の爪磁極の爪部の先端と第二の爪磁極の前記爪部の先端が入れ子状になるように配置して,爪磁極で環状コイルを挟み込み,樹脂成形で一体化し,単一固定子として形成し,多相モータに必要な単一固定子を所定の電気角だけずらして軸方向に2個又は3個と配置し固定子組を構成する。
また,リング状マグネットの軸方向長さを,単一固定子の軸方向長さとほぼ一致するように軸方向で分割し,バックヨーク等と組み合わせた単一回転子を構成し,単一固定子と同数の単一回転子をモータ軸方向に積み重ねて成る回転子組を構成する。固定子組の爪磁極の内周側に所定の空隙を介して外周方向に多極着磁された回転子組を回転可能に支持する。
以下,図面によって本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の請求項1に係わる3相インナーロータ構造クローポール型モータである。図1は比較的出力の小さなモータであり,Aaは回転子組であり,単一回転子1を3個積み重ねている。この単一回転子1は軟磁性材料から成るバックヨーク2とリング状マグネット3から構成されている。回転子組Aaはシャフト4に締結され,リング状マグネットの外周面は多極着磁されている。
また,Abは固定子組であり単一固定子5を3個モータ軸方向に電気角120度位相をずらして積み重ねている。この単一固定子5は爪磁極6,径方向継鉄部7,外周側継鉄8,環状コイル9から構成されている。
回転子組Aaは単一回転子1を3個モータ軸方向に積み重ねて構成されている。
各単一回転子のリング状マグネットの外周に対して,モータハウジング10内に取付られた軸受け11により,各単一固定子内の爪磁極6と適切な空隙を保ち回転自在に保持されている。
各単一回転子のリング状マグネットの外周に対して,モータハウジング10内に取付られた軸受け11により,各単一固定子内の爪磁極6と適切な空隙を保ち回転自在に保持されている。
図2は単一固定子5と単一回転子1を6段積み重ねた,3相インナーロータ構造クローポール型モータである。図1の単一固定子と単一回転子を3段積み重ねたモータにて,モータ出力が不足している場合には,各相に単一固定子と単一回転子を2個づつ使用することで対応することができる。即ち,モータ軸方向に単一固定子と単一回転子を積み重ねることでモータ出力が調整できる。そのため,金型の投資等が大幅に削減できる。
図3は2相モータを構成した場合を示し,単一固定子5と単一回転子1を2段積み重ねた構造で,単一固定子5は電気角90度の位相をずらして積み重ねている。2相モータにおいても,積み重ね数を4個,6個と増加させることでモータ出力を増加することが可能である。
以上,インナーロータ構造のモータで説明したが,同様の構造でアウターロータ構造のモータに適用できることは明白であり,ここでは説明を省略する。
図4は請求項4に係わるもので,単一固定子5の鉄心爪磁極6に対応した位置に磁極位置センサ15を配置したものである。3相モータを構成する場合には,この磁極位置センサ15を内蔵する単一固定子5をモータ軸方向に電気角120度位相をずらして積み重ねている。この磁極位置センサ15でモータは3相ブラシレスDCモータとして駆動することが可能となる。
図5は請求項5に係わるもので,単一固定子5と単一回転子1を4段積み重ねた,2相インナーロータ構造クローポール型モータである。単一固定子5の環状コイル9の巻線仕様が2種類に分かれていて,通電による環状コイルの発熱が大きい単一固定子はモータハウジング10に近く配置するものである。図6は単一固定子内の環状コイル9の接続方法を示すものであり,環状コイルA1とA2が直列に接続されA相が,環状コイルB1とB2が直列に接続されB相が構成されている。モータの仕様に合わせてモータ巻線が決定されるが,1相を構成する単一固定子が2個存在するので,この2個の巻線仕様を変えて,A1の巻線は線径を細く,巻回数を多くすることで通電されたときの発熱量を増加させ,A2の巻線は線径を太く,巻回数を少なくすることで通電されたときの発熱量を減少させる。このように環状コイルの発熱量を変化させて,発熱量の大きな環状コイルA1から成る単一固定子をモータハウジング10に近づけて配置し,B相についても同様にすることで,モータとしての放熱効果が改善され,温度上昇値を低減することが可能となる。
図7は請求項6に係わるもので,単一固定子5と同数の単一回転子1をモータが使用される装置内の駆動部分に直接取り付けてモータ部を構成するものである。図7において,取付板12にモータハウジング10を介して,単一固定子1が3個取り付けられている。単一回転子1は,装置の駆動軸21に直接取り付けられているものである。こうした場合でも,必要とされる駆動力を得るために,単一固定子5と単一回転子1の積み重ね数を調整することで容易にモータ出力を加減することが可能である。
上記のように本発明の多相クローポール型モータによれば,1種類の単一固定子と単一回転子で,多種多相のモータに使用可能できるので金型投資額が低減できる。また,自由にモータ軸方向長さを変更することでモータ出力を調整することが出来る。各種装置内で組立されるビルトインタイプのモータに本モータを採用することで,モータ取付構造を変えることなく,容易にモータ出力等の特性を合わせ込み出来る。このような特徴があり,本発明のモータは広い分野に容易に適用可能である。
1:単一回転子
2:バックヨーク
3:リング状マグネット
4:シャフト
5:単一固定子
6:爪磁極
7:径方向継鉄
8:外周側継鉄
9:環状コイル
10:ハウジング
11:軸受け
12:取付板
13:回転子
14:固定子
15:磁極位置センサ
21:駆動軸
Aa:回転子組
Ab:固定子組
A1:A相コイル
A2:A相コイル
B1:B相コイル
B2:B相コイル
2:バックヨーク
3:リング状マグネット
4:シャフト
5:単一固定子
6:爪磁極
7:径方向継鉄
8:外周側継鉄
9:環状コイル
10:ハウジング
11:軸受け
12:取付板
13:回転子
14:固定子
15:磁極位置センサ
21:駆動軸
Aa:回転子組
Ab:固定子組
A1:A相コイル
A2:A相コイル
B1:B相コイル
B2:B相コイル
Claims (6)
- 軸方向に延在しリング状マグネットを含む回転子と微少隙間をもって対向する磁極面を有する爪磁極部と,該爪磁極部から外径側に延在する径方向継鉄部と,該径方向継鉄部から前記爪磁極部と同じ方向に延在する外周側継鉄とで第一の複数の爪磁極群と第二の複数の爪磁極群を,それぞれ周方向に一体に連結し,第一の複数の爪磁極群の爪磁極と第二の複数の爪磁極群の爪磁極を周方向に交互に配置して,第一の爪磁極の先端と第二の爪磁極の先端が入れ子状になるように配置して固定子鉄心を形成し,前記爪磁極の内周側に所定の空隙を介して外周方向に多極着磁されたリング状マグネットが回転可能に支持され,前記固定子鉄心の前記爪磁極で環状コイルを挟み込んで固定子を構成し,固定子を樹脂成形で一体化し,単一固定子として形成し,該単一固定子を所定の電気角だけずらして軸方向に複数個配置したことを特徴とする多相インナーロータ構造クローポール型モータ。
- 軸方向に延在しリング状マグネットを含む回転子と微少隙間をもって対向する磁極面を有する爪磁極部と,該爪磁極部から内径側に延在する径方向継鉄部と,該径方向継鉄部から前記爪磁極部と同じ方向に延在する内周側継鉄とで第一の複数の爪磁極群と第二の複数の爪磁極群を,それぞれ周方向に一体に連結し,第一の複数の爪磁極群の爪磁極と第二の複数の爪磁極群の爪磁極を周方向に交互に配置して,第一の爪磁極の先端と第二の爪磁極の先端が入れ子状になるように配置して固定子鉄心を形成し,前記爪磁極の外周側に所定の空隙を介して内周方向に多極着磁されたリング状マグネットが回転可能に支持され,前記固定子鉄心の前記爪磁極で環状コイルを挟み込んで固定子を構成し,固定子を樹脂成形で一体化し,単一固定子として形成し,該単一固定子を所定の電気角だけずらして軸方向に複数個配置したことを特徴とする多相アウターロータ構造クローポール型モータ。
- 請求項1,2において,前記リング状マグネットの軸方向長さを,前記1個の固定子の軸方向長さとほぼ一致するように軸方向で分割した単一回転子を構成し,前記単一固定子と同数の前記単一回転子をモータ出力に応じて,モータ軸方向に積み重ねて構成することを特徴とする多相クローポール型モータ。
- 請求項1,2,3において,前記単一固定子の鉄心に爪磁極に対応した位置に磁極位置センサを配置したことを特徴とする多相クローポール型モータ。
- 請求項1,2,3において,同一相の環状コイルの巻線仕様を変えることを特徴とする多相クローポール型モータ。
- 前記単一固定子鉄心と同数の前記単一回転子ユニットを装置内の駆動部分に直接取り付けて,モータ部を構成することを特徴とする多相クローポール型モータ。
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JP2007039077A JP2008206292A (ja) | 2007-02-20 | 2007-02-20 | 多相クローポール型モータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-02-20 JP JP2007039077A patent/JP2008206292A/ja active Pending
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